JP2000150221A - 低損失酸化物磁性材料及びこれを用いた巻線部品 - Google Patents
低損失酸化物磁性材料及びこれを用いた巻線部品Info
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- JP2000150221A JP2000150221A JP10331955A JP33195598A JP2000150221A JP 2000150221 A JP2000150221 A JP 2000150221A JP 10331955 A JP10331955 A JP 10331955A JP 33195598 A JP33195598 A JP 33195598A JP 2000150221 A JP2000150221 A JP 2000150221A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 飽和磁束密度が高く、低損失で、しかも、M
n−Znフェライトと比較して、比抵抗が著しく高いN
i−Zn系の低損失酸化物磁性材料を提供すること。 【解決手段】 Fe2O3、NiO、ZnO、及びSb2
O5から成るNi−Znフェライトであって、Sb2O5
を30mol%以下(但し、0を含まず)とした低損失
酸化物磁性材料。
n−Znフェライトと比較して、比抵抗が著しく高いN
i−Zn系の低損失酸化物磁性材料を提供すること。 【解決手段】 Fe2O3、NiO、ZnO、及びSb2
O5から成るNi−Znフェライトであって、Sb2O5
を30mol%以下(但し、0を含まず)とした低損失
酸化物磁性材料。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電源用トランス等
に用いられる低損失酸化物磁性材料に関するものであ
る。
に用いられる低損失酸化物磁性材料に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯機器をはじめとして、電子機
器の小型化が急速に進歩しており、それらに用いられる
電源も同じ流れにある。また、電源に用いられるトラン
スは、その体積及び電力損失において、小型化、高効率
化が求められている。
器の小型化が急速に進歩しており、それらに用いられる
電源も同じ流れにある。また、電源に用いられるトラン
スは、その体積及び電力損失において、小型化、高効率
化が求められている。
【0003】電源用トランス材料に求められる特性は、
駆動周波数での損失が低いこと、飽和磁束密度が高
いこと、キューリー温度が高いこと、比抵抗が高い
こと、が挙げられる。
駆動周波数での損失が低いこと、飽和磁束密度が高
いこと、キューリー温度が高いこと、比抵抗が高い
こと、が挙げられる。
【0004】また、電源用トランス材料の損失が大きい
と、電源としての効率が悪いだけでなく、自己発熱によ
る熱暴走の危険が生じる。
と、電源としての効率が悪いだけでなく、自己発熱によ
る熱暴走の危険が生じる。
【0005】よって、電源用トランスに用いられるフェ
ライト材料は、低損失であることが重要である。従っ
て、これらの材料には、飽和磁束密度が高く(約500
mT)、低価格なMn−Znフェライトが用いられてき
た。
ライト材料は、低損失であることが重要である。従っ
て、これらの材料には、飽和磁束密度が高く(約500
mT)、低価格なMn−Znフェライトが用いられてき
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
Mn−Znフェライトは、比抵抗が小さく、このMn−
Zn系フェライトに巻線を施す場合、絶縁性の確保のた
めに、ボビン等を介し、巻線を行わなければならない。
よって、Mn−Znフェライトをトランス材料として用
いた巻線部品では、ボビンに制約され、小型化に対し限
界がある。
Mn−Znフェライトは、比抵抗が小さく、このMn−
Zn系フェライトに巻線を施す場合、絶縁性の確保のた
めに、ボビン等を介し、巻線を行わなければならない。
よって、Mn−Znフェライトをトランス材料として用
いた巻線部品では、ボビンに制約され、小型化に対し限
界がある。
【0007】一方、Ni−Zn系フェライトは、比抵抗
が高いため、Ni−Znフェライトに巻線を施す場合、
直巻きが可能である。また、Ni−Znフェライトに、
Cuを添加することにより、低温焼成が可能であるた
め、導体と磁性体となるNi−Znフェライトの一体焼
成が可能であり、限りない小型化を実現できる。
が高いため、Ni−Znフェライトに巻線を施す場合、
直巻きが可能である。また、Ni−Znフェライトに、
Cuを添加することにより、低温焼成が可能であるた
め、導体と磁性体となるNi−Znフェライトの一体焼
成が可能であり、限りない小型化を実現できる。
【0008】しかしながら、Ni−Znフェライトは、
高損失であるため、効率が悪く、かつ、熱暴走等の安全
性に劣るため、電源用などのトランス材料として商品化
が困難である。
高損失であるため、効率が悪く、かつ、熱暴走等の安全
性に劣るため、電源用などのトランス材料として商品化
が困難である。
【0009】従って、本発明は、飽和磁束密度が高く、
低損失で、しかも、Mn−Znフェライトと比較して、
比抵抗が著しく高いNi−Zn系の低損失酸化物磁性材
料及びこの材料を磁芯とする巻線部品を提供することに
ある。
低損失で、しかも、Mn−Znフェライトと比較して、
比抵抗が著しく高いNi−Zn系の低損失酸化物磁性材
料及びこの材料を磁芯とする巻線部品を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、種々の検討
を行った結果、 Fe2O3、NiO、ZnOを主成分と
するNi−Znフェライトにおいて30mol%以下
(但し、0を含まず)のSb2O5を含有することにより
低損失の酸化物磁性材料が得られることを見い出した。
を行った結果、 Fe2O3、NiO、ZnOを主成分と
するNi−Znフェライトにおいて30mol%以下
(但し、0を含まず)のSb2O5を含有することにより
低損失の酸化物磁性材料が得られることを見い出した。
【0011】即ち、本発明は、Fe2O3、NiO、Zn
O、及びSb2O5から成るNi−Znフェライトであっ
て、Sb2O5を30mol%以下(但し、0を含まず)
とした低損失酸化物磁性材料である。
O、及びSb2O5から成るNi−Znフェライトであっ
て、Sb2O5を30mol%以下(但し、0を含まず)
とした低損失酸化物磁性材料である。
【0012】また、本発明は、Fe2O3、NiO、Zn
O、CuO及びSb2O5から成るNi−Zn−Cuフェ
ライトであって、Sb2O5を30mol%以下(但し、
0を含まず)とした低損失酸化物磁性材料である。
O、CuO及びSb2O5から成るNi−Zn−Cuフェ
ライトであって、Sb2O5を30mol%以下(但し、
0を含まず)とした低損失酸化物磁性材料である。
【0013】また、本発明は、40〜49.5mol%
のFe2O3、15〜30mol%のNiO、30mol
%以下のSb2O5(但し、0を含まず)、及び残部Zn
OからなるにNi−Znフェライトとした低損失酸化物
磁性材料である。
のFe2O3、15〜30mol%のNiO、30mol
%以下のSb2O5(但し、0を含まず)、及び残部Zn
OからなるにNi−Znフェライトとした低損失酸化物
磁性材料である。
【0014】また、本発明は、前記低損失酸化物磁性材
料よりなる磁芯を有する巻線部品である。
料よりなる磁芯を有する巻線部品である。
【0015】本発明品によれば、従来のMn−Znフェ
ライトと比較し、比抵抗が著しく高く、また、従来のN
i−Znフェライトと比較し、飽和磁束密度が著しく高
く、低損失なNi−Znフェライト材料が得られる。
ライトと比較し、比抵抗が著しく高く、また、従来のN
i−Znフェライトと比較し、飽和磁束密度が著しく高
く、低損失なNi−Znフェライト材料が得られる。
【0016】また、本発明によれば、比抵抗が高いこと
から、巻線の直巻きが可能となり、ボビン等が不要とな
るため、コストの低減化を図った巻線部品が得られる。
から、巻線の直巻きが可能となり、ボビン等が不要とな
るため、コストの低減化を図った巻線部品が得られる。
【0017】また、本発明によれば、導電ペースト等に
より形成される導体と磁性体となる本Ni−Znフェラ
イトとの一体焼成が可能であり、巻線部品の限りない小
型化が可能である。
より形成される導体と磁性体となる本Ni−Znフェラ
イトとの一体焼成が可能であり、巻線部品の限りない小
型化が可能である。
【0018】フェライトの損失は、ヒステリシス損失、
渦電流損失、残留損失に大別できるが、本発明の低損失
酸化物磁性材料と従来のNi−Znフェライトの損失を
比較すると、主に、ヒステリシス損失の低減により損失
が低減されていることがわかった。
渦電流損失、残留損失に大別できるが、本発明の低損失
酸化物磁性材料と従来のNi−Znフェライトの損失を
比較すると、主に、ヒステリシス損失の低減により損失
が低減されていることがわかった。
【0019】また、ヒステリシス損失が低減された原因
については、詳細に不明であるが、以下の原因により低
減されたものと推察される。
については、詳細に不明であるが、以下の原因により低
減されたものと推察される。
【0020】ヒステリシス損失は、結晶磁気異方性定数
(K1)に依存し、結晶磁気異方性エネルギーは、結晶
格子(Ni−Znフェライトはスピネル構造)を形成し
ているために発生するエネルギーであり、スピン−軌道
相互作用により発生する。また、スピン−軌道相互作用
は、励起により異なるエネルギー準位にある電子軌道間
にも発生する。
(K1)に依存し、結晶磁気異方性エネルギーは、結晶
格子(Ni−Znフェライトはスピネル構造)を形成し
ているために発生するエネルギーであり、スピン−軌道
相互作用により発生する。また、スピン−軌道相互作用
は、励起により異なるエネルギー準位にある電子軌道間
にも発生する。
【0021】よって、結晶磁気異方性エネルギーを減少
するためには、結晶電場により分裂するエネルギー準位
幅を大きくすることが望ましい。エネルギー順位幅は、
結晶を構成する金属イオンの種類に依存する。
するためには、結晶電場により分裂するエネルギー準位
幅を大きくすることが望ましい。エネルギー順位幅は、
結晶を構成する金属イオンの種類に依存する。
【0022】ここで、Ni−Znフェライトを構成する
金属イオンは2価および3価で、イオン半径は0.6〜
0.75オングストロームである。また、本発明で用い
るSbイオンは、価数が5価でイオン半径が0.62で
あり、Ni−Znフェライトを構成する金属イオンにく
らべ価数が大きく、イオン半径が小さい。
金属イオンは2価および3価で、イオン半径は0.6〜
0.75オングストロームである。また、本発明で用い
るSbイオンは、価数が5価でイオン半径が0.62で
あり、Ni−Znフェライトを構成する金属イオンにく
らべ価数が大きく、イオン半径が小さい。
【0023】金属イオンの価数、及び、イオン半径とエ
ネルギー順位との関係は、詳細には不明であるが、Sb
イオンがスピネル中に存在することにより、軌道間のエ
ネルギー格差が増大し、スピン−軌道相互作用を低減
し、結晶磁気異方性定数を低減したものと推察される。
ネルギー順位との関係は、詳細には不明であるが、Sb
イオンがスピネル中に存在することにより、軌道間のエ
ネルギー格差が増大し、スピン−軌道相互作用を低減
し、結晶磁気異方性定数を低減したものと推察される。
【0024】本発明では、Fe2O3、NiO、ZnOを
主成分としたが、Fe2O3、NiO、ZnO、CuO及
びSb2O5からなるNi−Zn−Cuフェライトにおい
ても、同様の効果が得られる。
主成分としたが、Fe2O3、NiO、ZnO、CuO及
びSb2O5からなるNi−Zn−Cuフェライトにおい
ても、同様の効果が得られる。
【0025】また、Sb2O5の含有量を30mol%以
下としたのは、30mol%を越えると、最大磁束密
度、及び、キュリー温度の低下をまねくだけでなく、損
失の劣化をまねくためである。
下としたのは、30mol%を越えると、最大磁束密
度、及び、キュリー温度の低下をまねくだけでなく、損
失の劣化をまねくためである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
て説明する。
【0027】まず、本発明の第1の実施の形態について
説明する。
説明する。
【0028】本発明の第1の実施の形態において、主成
分組成として45mol%のFe2O3、25mol%の
NiO、1〜31mol%のSb2O5、残部ZnOを秤
量し、アトライターを用いて2時間混合した。混合の
後、スプレードライアーで造粒した。次に、造粒した粉
末をロータリーキルンで仮焼した。このようにして得ら
れた粉末をアトライターを用いて解砕した。解砕後、ス
プレードライアーにて造粒し、トロイダル形状にプレス
し、1250℃の焼成温度で焼成した。
分組成として45mol%のFe2O3、25mol%の
NiO、1〜31mol%のSb2O5、残部ZnOを秤
量し、アトライターを用いて2時間混合した。混合の
後、スプレードライアーで造粒した。次に、造粒した粉
末をロータリーキルンで仮焼した。このようにして得ら
れた粉末をアトライターを用いて解砕した。解砕後、ス
プレードライアーにて造粒し、トロイダル形状にプレス
し、1250℃の焼成温度で焼成した。
【0029】また、本発明品との比較品として、主成分
組成を45.0mol%のFe2O3、25.0mol%の
NiO、残部ZnOからなるNi−Znフェライトを秤
量し、アトライターを用いて2時間混合した。混合の
後、スプレードライアーで造粒した。この造粒した粉末
をロータリーキルンで仮焼した。得られた粉末をアトラ
イターを用いて解砕した。解砕後、スプレードライアー
にて造粒し、トロイダル形状にプレスし1250℃の焼
成温度で焼成した。
組成を45.0mol%のFe2O3、25.0mol%の
NiO、残部ZnOからなるNi−Znフェライトを秤
量し、アトライターを用いて2時間混合した。混合の
後、スプレードライアーで造粒した。この造粒した粉末
をロータリーキルンで仮焼した。得られた粉末をアトラ
イターを用いて解砕した。解砕後、スプレードライアー
にて造粒し、トロイダル形状にプレスし1250℃の焼
成温度で焼成した。
【0030】表1に、Sb2O5量を変化させた時の発明
品1〜5及び比較品1,2の比抵抗、最大磁束密度、5
0kHz−150mT(atR.T.)及び50kHz−
150mT(at80℃)の損失を示す。
品1〜5及び比較品1,2の比抵抗、最大磁束密度、5
0kHz−150mT(atR.T.)及び50kHz−
150mT(at80℃)の損失を示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1に示すように、Sb2O5を含有した本
発明品は、損失(Pcv)が小さいことがわかる。
発明品は、損失(Pcv)が小さいことがわかる。
【0033】図1に、発明品3と比較品2の50kHz
−150mTの損失の温度特性を示す。
−150mTの損失の温度特性を示す。
【0034】図1から、発明品3は、比較品2とくら
べ、全温度範囲で損失が小さいことがわかる。
べ、全温度範囲で損失が小さいことがわかる。
【0035】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。
説明する。
【0036】本発明の第2の実施の形態において、表2
に示す主成分組成となるように、発明品6〜10及び比
較品2〜7を作製した。
に示す主成分組成となるように、発明品6〜10及び比
較品2〜7を作製した。
【0037】まず、発明品の作製のため、原料粉末を秤
量し、アトライターを用いて2時間混合した。混合の
後、スプレードライアーで造粒した。この造粒した粉末
をロータリーキルンで仮焼した。次に、得られた粉末を
アトライターを用いて解砕した。解砕後、スプレードラ
イアーにて造粒し、トロイダル形状にプレスし、125
0℃の焼成温度で焼成した。このようにして発明品6〜
10を作製した。
量し、アトライターを用いて2時間混合した。混合の
後、スプレードライアーで造粒した。この造粒した粉末
をロータリーキルンで仮焼した。次に、得られた粉末を
アトライターを用いて解砕した。解砕後、スプレードラ
イアーにて造粒し、トロイダル形状にプレスし、125
0℃の焼成温度で焼成した。このようにして発明品6〜
10を作製した。
【0038】次に、比較品として、Sb2O5を含有しな
いNi−Znフェライトを秤量し、アトライターを用い
て2時間混合した。混合の後、スプレードライアーで造
粒した。この造粒した粉末をロータリーキルンで仮焼し
た。次に、得られた粉末をアトライターを用いて解砕し
た。解砕後、スプレードライアーにて造粒し、トロイダ
ル形状にプレスし、1250℃の焼成温度で焼成した。
このようにして、比較品2〜7を作製した。
いNi−Znフェライトを秤量し、アトライターを用い
て2時間混合した。混合の後、スプレードライアーで造
粒した。この造粒した粉末をロータリーキルンで仮焼し
た。次に、得られた粉末をアトライターを用いて解砕し
た。解砕後、スプレードライアーにて造粒し、トロイダ
ル形状にプレスし、1250℃の焼成温度で焼成した。
このようにして、比較品2〜7を作製した。
【0039】表2に、主成分組成を変化させた時の発明
品及び比較品の比抵抗、最大磁束密度、50kHz−1
50mT(atR.T.)、50kHz−150mT(a
t80℃)の損失を示す。
品及び比較品の比抵抗、最大磁束密度、50kHz−1
50mT(atR.T.)、50kHz−150mT(a
t80℃)の損失を示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2に示すように、Sb2O5を含有する本
発明品は、含有しない比較品とくらべ、損失が小さいこ
とがわかる。
発明品は、含有しない比較品とくらべ、損失が小さいこ
とがわかる。
【0042】また、表2から明らかなように、電源材と
しては、40〜49.5mol%のFe2O3、15〜3
0mol%のNiO、の範囲にある組成のFe2O3、N
iO、ZnO、Sb2O5を成分とする低損失酸化物磁性
材料であることがより好ましい。
しては、40〜49.5mol%のFe2O3、15〜3
0mol%のNiO、の範囲にある組成のFe2O3、N
iO、ZnO、Sb2O5を成分とする低損失酸化物磁性
材料であることがより好ましい。
【0043】なお、損失が低減された原因については、
詳細に不明であるが、本発明で用いるSbイオンは、N
i−Znフェライトを構成する金属イオンにくらべ、価
数が大きく、イオン半径が小さい。また、金属イオンの
価数、及び、イオン半径とエネルギー順位との関係は、
詳細に不明であるが、Sbイオンがスピネル中に存在す
ることにより、軌道間のエネルギー格差が増大し、スピ
ン−軌道相互作用を低減し、結晶磁気異方性定数を低減
したものと推察される。
詳細に不明であるが、本発明で用いるSbイオンは、N
i−Znフェライトを構成する金属イオンにくらべ、価
数が大きく、イオン半径が小さい。また、金属イオンの
価数、及び、イオン半径とエネルギー順位との関係は、
詳細に不明であるが、Sbイオンがスピネル中に存在す
ることにより、軌道間のエネルギー格差が増大し、スピ
ン−軌道相互作用を低減し、結晶磁気異方性定数を低減
したものと推察される。
【0044】
【発明の効果】以上、述べたごとく、本発明品によれ
ば、Fe2O3、NiO、ZnOからなるNi−Znフェ
ライトにおいて、30mol%以下(但し、0を含ま
ず)のSb2O5を含有することにより、従来のNi−Z
nフェライトと比較し、飽和磁束密度が高く、低損失
で、しかも、従来のMn−Znフェライトと比較し、比
抵抗が著しく高い酸化物磁性材料が得られる。
ば、Fe2O3、NiO、ZnOからなるNi−Znフェ
ライトにおいて、30mol%以下(但し、0を含ま
ず)のSb2O5を含有することにより、従来のNi−Z
nフェライトと比較し、飽和磁束密度が高く、低損失
で、しかも、従来のMn−Znフェライトと比較し、比
抵抗が著しく高い酸化物磁性材料が得られる。
【0045】また、比抵抗が高いことより、巻線の直巻
きが可能であり、巻線用のボビン等が不要となるため、
コストの低減を図ることができる巻線部品が得られる。
きが可能であり、巻線用のボビン等が不要となるため、
コストの低減を図ることができる巻線部品が得られる。
【0046】また、本発明の酸化物磁性材料は、比抵抗
が高いため、本材料からなる磁性体上に形成した導電ペ
ーストとによる巻線と一体焼成が可能となり、限りなく
巻線部品を小型化することができる。
が高いため、本材料からなる磁性体上に形成した導電ペ
ーストとによる巻線と一体焼成が可能となり、限りなく
巻線部品を小型化することができる。
【図1】本発明の第1の実施の形態における発明品3と
比較品2の50kHz−150mTでの損失(Pcv)
の温度特性を示す図。
比較品2の50kHz−150mTでの損失(Pcv)
の温度特性を示す図。
A 本発明の第1の実施の形態における発明品3 B 本発明の第1の実施の形態における比較品2
Claims (4)
- 【請求項1】 Fe2O3、NiO、ZnO及びSb2O5
から成るNi−Znフェライトであって、Sb2O5を3
0mol%以下(但し、0を含まず)としたことを特徴
とする低損失酸化物磁性材料。 - 【請求項2】 Fe2O3、NiO、ZnO、CuO及び
Sb2O5から成るNi−Zn−Cuフェライトであっ
て、Sb2O5を30mol%以下(但し、0を含まず)
としたことを特徴とする低損失酸化物磁性材料。 - 【請求項3】 40〜49.5mol%のFe2O3、1
5〜30mol%のNiO、30mol%以下のSb2
O5(但し、0を含まず)、及び残部ZnOからなるに
Ni−Znフェライトとしたことを特徴とする低損失酸
化物磁性材料。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の低損失
酸化物磁性材料よりなる磁芯を有することを特徴とする
巻線部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10331955A JP2000150221A (ja) | 1998-11-06 | 1998-11-06 | 低損失酸化物磁性材料及びこれを用いた巻線部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10331955A JP2000150221A (ja) | 1998-11-06 | 1998-11-06 | 低損失酸化物磁性材料及びこれを用いた巻線部品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000150221A true JP2000150221A (ja) | 2000-05-30 |
Family
ID=18249519
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10331955A Pending JP2000150221A (ja) | 1998-11-06 | 1998-11-06 | 低損失酸化物磁性材料及びこれを用いた巻線部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000150221A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7238298B2 (en) | 2003-10-06 | 2007-07-03 | Tdk Corporation | Ni-Cu-Zn-based ferrite material and process for the production thereof |
-
1998
- 1998-11-06 JP JP10331955A patent/JP2000150221A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7238298B2 (en) | 2003-10-06 | 2007-07-03 | Tdk Corporation | Ni-Cu-Zn-based ferrite material and process for the production thereof |
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