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JP2000146969A - 微量成分の迅速測定方法 - Google Patents

微量成分の迅速測定方法

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JP2000146969A
JP2000146969A JP20236199A JP20236199A JP2000146969A JP 2000146969 A JP2000146969 A JP 2000146969A JP 20236199 A JP20236199 A JP 20236199A JP 20236199 A JP20236199 A JP 20236199A JP 2000146969 A JP2000146969 A JP 2000146969A
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JP20236199A
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Shinji Satomura
慎二 里村
Hideo Kato
英雄 加藤
Kenji Nakamura
賢治 中村
Kazunari Hirayasu
一成 平安
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Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
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Wako Pure Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 測定対象物質を含有する試料を、標識物
質で標識された或いはされない、結合能物質と混合して
反応させた後、溶液中に溶解している複合体と、遊離型
の結合能物質とを限外濾過膜又は疎水性を有する膜を用
いて分離し、複合体中の標識物質の量若しくは結合能物
質の量又は遊離型の結合能物質或いは遊離型の結合能物
質に結合した標識物質の量を測定することにより試料中
の測定対象物質量を測定することを特徴とし、且つ当該
測定対象物質と結合能物質の組み合わせが、糖質と当該
糖質に特異的なレクチンである測定方法の提供。 【効果】 本発明の方法によれば、従来の方法に比較し
て、容易に且つ短時間で極めて精度良く微量成分の分離
・測定が行える。本発明の方法は、測定対象物質と結合
能物質との反応が液相中で進行するため、均一系反応で
あり、反応時間が速い、測定結果の再現性が良い等の利
点を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば血清、血
液、血漿、尿等の生体体液、リンパ球、血球、各種細胞
類等の生体由来の試料中の微量成分、或いは特異的結合
能を有する物質の量やその結合活性を、迅速に、容易に
且つ精度良く分離・測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ある特定の物質同士、例えば抗原と抗
体、プロテアーゼとその蛋白性プロテアーゼインヒビタ
ー、糖質とレクチン、酵素とそれに対する基質や補酵
素、ホルモン等の生理活性物質とそれに対するリセプタ
ーや輸送蛋白、2本鎖DNAの1対のポリヌクレオチド
鎖等は、互いに相互作用(affinity; 親和力或いは親和
性)を及ぼしあい、複合体を形成することが知られてい
る。このような相互作用を利用して試料中の微量成分の
精製や分析を行う方法は広く行われている。
【0003】このような相互作用を利用した試料中の微
量成分の測定方法としては、例えば測定対象物質と、測
定対象物質に対する結合能を有する物質(以下、結合能
物質と略記する。)との相互作用を利用し、相互作用の
結果生じる平衡状態を、標識物質を用いて測定すること
によりこれを行う方法等が代表的なものとして挙げら
れ、更に具体的には、例えば免疫反応を利用した放射免
疫測定法(RIA)、酵素免疫測定法(EIA)、蛍光
免疫測定法(FIA)等が挙げられる。
【0004】このような相互作用の結果生じる平衡状態
を測定することにより行う微量成分の測定方法を更に詳
しく分類すれば、標識物質で標識された結合能物質(以
下、標識結合能物質と略記する。)を測定対象物質と反
応させた結果生じる、測定対象物質と結合能物質との複
合体(以下、単に複合体と略記する。)中の標識物質の
量を測定することにより測定対象物質量を測定する、所
謂非競合反応法と呼ばれる方法と、測定対象物質に、標
識物質で標識された測定対象物質(以下、標識測定物質
と略記する。)と結合能物質とを反応させた結果生じる
標識測定物質と結合能物質との複合体(以下、標識複合
体と略記する。)中の標識物質の量を測定することによ
り測定対象物質量を測定する、所謂競合反応法と呼ばれ
る方法とに大別される。更に夫々が、相互作用の結果生
じる複合物を遊離の(結合していない)標識結合能物質
(又は標識測定物質)から分離することなく測定を行
う、所謂ホモジニアス法と、相互作用の結果生じる複合
物を遊離の(結合していない)標識結合能物質(又は標
識測定物質)から分離した後に測定を行う、所謂ヘテロ
ジニアス法とに分けることができる。
【0005】このうち、ホモジニアス法は、複合物の形
成に伴って標識物質が活性化(又は不活化)される現象
を利用して相互作用の結果生じる平衡状態を測定する方
法であるため、測定の操作等は簡便ではあるが、使用で
きる標識物質の種類が限られている点、及び測定対象物
質が限られている点等に問題があり、広く一般に用いら
れるには至っていない。
【0006】一方、ヘテロジニアス法は、多くの種類の
標識物質が使用でき、測定対象物質と成り得るものの範
囲も広いところから、現在のところ微量成分測定方法の
主流となっている。ヘテロジニアス法に於いては、相互
作用の結果生じる複合物(Bound 型)を遊離の(結合し
ていない)標識結合能物質(又は標識測定物質)(Free
型) から分離する操作、所謂B/F分離の操作が不可欠
である。従来、B/F分離の操作は、例えば抗原抗体反
応を利用する測定法に於いては、相互作用の結果生じる
複合物を、不溶性担体上に固定化された、該複合物を構
成する測定対象物質及び結合能物質の何れか一方に対す
る抗体に結合させた後不溶性担体と共に分離する固相
法、或いは測定対象物質に対する抗体(第1抗体)との
反応が終わった後、第1抗体に対する抗体(第2抗体)
を反応液中に更に添加して複合物との更なる複合物を形
成させてこれを沈澱物として分離する二抗体法等の方法
により行われている。そのため、ヘテロジニアス法は、
操作が煩雑である点、測定までに長時間を要する点、測
定の自動化が行い難い点等に問題を有しており、改善が
望まれていた。
【0007】上記した如きヘテロジニアス法に於ける問
題点を解決すべく、測定対象物質或いは結合能物質を固
定化した担体を充填したカラムを用いる、所謂アフィニ
ティクロマトグラフィの手法によりB/F分離を行う方
法(Clinical Chemistry, 30, 417〜 420頁(1984); Cl
inical Chemistry, 30, 1494〜1498頁(1984)等)が提案
されている。しかしながら、これらの方法に於いては、
遊離の標識結合能物質(又は標識測定物質)の除去を、
測定対象物質(又は結合能物質)を固定化したアフィニ
ティクロマトグラフィカラムにより行うため、測定対象
物質(又は結合能物質)を比較的大量に予め調製(用
意)しなければならない点、アフィニティクロマトグラ
フィカラム用の充填剤の調製を行わなければならない
点、測定対象物質毎に対応するアフィニティクロマトグ
ラフィカラムが必要な点、多数の試料を処理する際には
該カラムの再生が必要となる点等に問題があり、必ずし
も充分満足し得る方法ではない。
【0008】上記の如きアフィニティクロマトグラフィ
カラムによる方法の問題点を解決するものとして、測定
対象物質と結合能物質とを液相中で反応させ複合体を形
成させた後、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)に
よりB/F分離を行う方法が提案されている(特開平2
−28557号公報等)。これらの方法は、測定対象物
質と結合能物質との反応が液相中で進行するため、均一
系反応であり、反応時間が速い、測定の再現性が良い、
さらにアフィニティクロマトグラフィカラムを用いる方
法に比べて操作が簡便である等の利点を有する。しかし
ながら、上記の方法も、例えば一検体の処理に数十分程
度要すること、多数の検体を同時に処理することができ
ないこと、測定対象物質と結合能物質との結合力が弱い
場合カラムでこれらの複合体の分離処理を行っている途
中で該複合体が測定対象物質と結合能物質とに解離して
しまうため正確な測定を行うことができないこと、等の
問題点を有しており更なる改良が望まれている。
【0009】また、B/F分離を膜を用いて行う方法も
提案されている。このような測定方法としては、液相中
で抗原と抗体を反応させて不溶性複合体を形成させ、該
不溶性複合体をメンブランフィルターによって溶液から
分離する方法(オーストラリア公開特許第68276/
87号)、核酸とプローブとのハイブリダイゼーション
を溶液中で行った後、ハイブリッドを固相支持体に固定
化して濾過する方法(BIO INDUSTRY, , 282-288(199
0); BIO INDUSTRY, , 347-356(1990) )、細胞又は
DNAを濾過器付プレートに固定化後、結合能物質と反
応させ、形成された結合能物質との複合体を濾過により
分離する方法(J. Virological Methods,15, 109-120
(1987) )、結合能物質(例えば抗体)を膜に固定化した
後、測定対象物質(例えば抗原)を含む液を膜を通過さ
せることにより複合体を形成させて測定対象物質を分離
する方法(J. Immunological Methods, 119, 35-43 (19
89);Clin.Chem.,31, 1427-1431 (1985); ヨーロッパ公
開特許第233385号)等が挙げられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した如
き状況に鑑みなされたもので、測定対象物質と結合能物
質との相互作用を利用して試料中の微量成分を極めて迅
速に、しかも容易且つ精度良く分離・測定できる方法を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、測定対象
物質と結合能物質の相互作用を利用して、試料中の微量
成分を極めて迅速に、しかも容易且つ精度良く測定する
方法につき鋭意研究の途上、該相互作用の結果生じる溶
液中の複合体(又は標識複合体)(Bound 型)と、遊離
型の結合能物質(又は測定対象物質)(Free型) との分
離、所謂B/F分離が、特異的分離能を有する膜を用い
て容易に実施できることを見出し、これを利用してB/
F分離を行った後、複合体中の標識物質の量若しくは結
合能物質の量又は遊離型の結合能物質或いは遊離型の結
合能物質に結合した標識物質の量、又は標識複合体中の
標識物質量或いは遊離型の標識測定物質中の標識物質量
を測定することにより、試料中の測定対象物質量を迅速
に、容易に、且つ精度良く測定し得ることを見出し本発
明を完成するに至った。
【0012】すなわち本発明は以下のとおりである。 (1)測定対象物質を含有する試料を、標識物質で標識
された或いはされない、測定対象物質に対する結合能を
有する物質(以下、結合能物質と略記する。)と混合し
て反応させた後、溶液中に溶解している測定対象物質と
結合能物質との複合体(以下、単に複合体と略記す
る。)と、遊離型の結合能物質とを限外濾過膜又は疎水
性を有する膜を用いて分離し、複合体中の標識物質の量
若しくは結合能物質の量又は遊離型の結合能物質或いは
遊離型の結合能物質に結合した標識物質の量を測定する
ことにより試料中の測定対象物質量を測定することを特
徴とし、且つ当該測定対象物質と結合能物質の組み合わ
せが、糖質と当該糖質に特異的なレクチンである測定方
法。 (2)測定対象物質を含有する試料を、標識物質で標識
された測定対象物質(以下、標識測定物質と略記す
る。)、及び結合能物質と混合して反応させた後、溶液
中に溶解している標識測定物質と結合能物質との複合体
(以下、単に標識複合体と略記する。)と、遊離型の標
識測定物質とを限外濾過膜または疎水性を有する膜を用
いて分離し、標識複合体中の標識物質の量又は遊離型の
標識測定物質中の標識物質の量を測定することにより試
料中の測定対象物質量を測定することを特徴とし、且つ
当該測定対象物質と結合能物質の組み合わせが糖質と当
該糖質に特異的なレクチンである測定方法。 (3)測定対象物質を含有する試料を、標識物質で標識
された或いはされない、測定対象物質に対する結合能を
有する物質(以下、結合能物質と略記する。)と混合し
て反応させた後、溶液中に溶解している測定対象物質と
結合能物質との複合体(以下、単に複合体と略記す
る。)と、遊離型の結合能物質とを限外濾過膜または疎
水性を有する膜を用いて分離することを特徴とし、且つ
当該測定対象物質と結合能物質の組み合わせが、糖質と
当該糖質に特異的なレクチンである分離方法。 (4)測定対象物質を含有する試料を、標識物質で標識
された測定対象物質(以下、標識測定物質と略記す
る。)、及び結合能物質と混合して反応させた後、溶液
中に溶解している標識測定物質と結合能物質との複合体
(以下、単に標識複合体と略記する。)と、遊離型の標
識測定物質とを限外濾過膜または疎水性を有する膜を用
いて分離することを特徴とし、且つ当該測定物質と結合
能物質の組み合わせが、糖質と当該糖質に特異的なレク
チンである分離方法。
【0013】本発明は、測定対象物質を含有する試料
を、標識物質で標識された或いはされない、結合能物質
と共に混合して反応させた後、溶液中に溶解している複
合体と、遊離型の結合能物質とを特異的分離能を有する
膜を用いて分離し、複合体中の標識物質の量若しくは結
合能物質の量又は遊離型の結合能物質或いは遊離型の結
合能物質に結合した標識物質の量を測定することにより
試料中の測定対象物質量を測定することを特徴とする測
定方法の発明である。
【0014】また、本発明は、測定対象物質を含有する
試料を、標識測定物質、及び結合能物質と混合して反応
させた後、溶液中に溶解している標識複合体と、遊離型
の標識測定物質とを特異的分離能を有する膜を用いて分
離し、標識複合体中の標識物質の量又は遊離型の標識測
定物質中の標識物質の量を測定することにより試料中の
測定対象物質量を測定することを特徴とする測定方法の
発明である。
【0015】さらにまた、本発明は測定対象物質を含有
する試料を、標識物質で標識された或いはされない、結
合能物質と混合して反応させた後、溶液中に溶解してい
る複合体と、遊離型の結合能物質とを特異的分離能を有
する膜を用いて分離する分離方法の発明である。
【0016】さらにまた、本発明は測定対象物質を含有
する生体由来の試料を、標識測定物質、及び結合能物質
と混合して反応させた後、溶液中に溶解している標識複
合体と、遊離型の標識測定物質とを特異的分離能を有す
る膜を用いて分離する分離方法の発明である。即ち、本
発明は、溶液中に溶解する複合体(又は標識複合体)と
遊離の結合能物質(又は遊離の標識測定物質)とを特異
的分離能を有する膜を用いて分離することを特徴とする
分離・測定方法である。
【0017】本発明の分離・測定方法を実施するには、
例えば以下のようにして行えばよい。即ち、所謂非競合
反応の原理に基づく本発明の分離・測定方法を実施する
場合には、先ず測定対象物質を含む試料と、標識された
或いはされない結合能物質とを、要すれば適当な緩衝液
中に添加、混合して反応させ、複合体を形成させた後、
該複合体と遊離の結合能物質とを適当な特異的分離能を
有する膜を用いて分離する。次いで、分離された複合体
に含まれる標識物質の量或いは結合能物質の量又は遊離
型の結合能物質或いは遊離型の結合能物質に結合した標
識物質の量を、標識物質或いは結合能物質の性質に応じ
た測定方法により求める。別に、測定対象物質濃度既知
の試料を用いて同様の方法により測定を行い、測定対象
物質量と複合体中の標識物質の量若しくは結合能物質の
量との関係を表す検量線、又は、測定対象物質量と、遊
離型の結合能物質若しくは遊離型の結合能物質に結合し
た標識物質の量との関係を表す検量線を作成し、これを
用いて、複合体中の標識物質の量或いは結合能物質の
量、又は、遊離型の結合能物質量或いは遊離型の結合能
物質に結合した標識物質の量に対応する測定対象物質量
を求めれば試料中の測定対象物質量が求められる。
【0018】また、所謂競合反応の原理による本発明の
分離・測定方法を実施する場合には、先ず測定対象物質
を含む試料、標識測定物質及び結合能物質を、要すれば
適当な緩衝液中に添加、混合して反応させ、複合体及び
標識複合体を形成させた後、標識複合体と遊離の標識測
定物質とを適当な特異的分離能を有する膜を用いて分離
する。次いで、分離された標識複合体に含まれる標識物
質の量又は遊離型の標識測定物質の量を、標識物質の性
質に応じた測定方法により求める。別に、測定対象物質
濃度既知の試料を用いて同様の方法により測定を行い、
測定対象物質量と、標識複合体中の標識物質の量若しく
は遊離型の標識測定物質の量との関係を表す検量線を作
成し、これを用いて、標識複合体中の標識物質の量に対
応する測定対象物質量を求めれば、試料中の測定対象物
質量が求められる。
【0019】本発明の測定方法により測定可能な測定対
象物質としては、i)測定対象物質と互いに相互作用
(affinity; 親和力或いは親和性)を及ぼしあい、複合
体を形成し得る結合能物質が存在し、該結合能物質がそ
れ自身何らかの方法により測定(検出)可能であるか、
又は何らかの標識物質により標識可能なものであるか、
もしくはii)測定対象物質自体が何らかの標識物質によ
り標識可能なものであって、測定対象物質と互いに相互
作用を及ぼしあい、標識複合体を形成し得る結合能物質
が存在するもの、であれば、特に限定することなく挙げ
られるが、例えば血清、血液、血漿、尿等の生体体液、
リンパ球、血球、各種細胞類等の生体由来の試料中に含
まれる蛋白質、ペプチド、核酸、糖質、脂質、ホルモ
ン、薬物或いは合成糖質、合成ペプチド、合成核酸等の
合成品等が代表的なものとして挙げられる。更に具体的
には、例えばα−フェトプロテイン(AFP)、CA19−
9、前立腺特異抗原(PSA)、癌胎児性抗原(CEA)、癌細胞
の産生する特殊な糖鎖を有する物質等の癌マーカー、例
えば免疫グロブリンA(IgA)、免疫グロブリンE(IgE)、
免疫グロブリンG(IgG)、β2-ミクログロブリン、アル
ブミン、フェリチン等の血清蛋白質、例えばC−ペプチ
ド、アンジオテンシンI等のペプチド、例えばアミラー
ゼ、アルカリホスファターゼ、γ−グルタミルトランス
ペプチダーゼ(γ−GTP)等の酵素蛋白、例えばルベラ
ウイルス、ヘルペスウイルス、肝炎ウイルス、ATLウ
イルス、AIDSウイルス等臨床的に注目されているウ
イルスに対する抗ウイルス抗体、ウイルス等の病原体の
デオキシリボ核酸(DNA)やリボ核酸(RNA)或いはこ
れら核酸を構成する1本鎖ポリヌクレオチド、ウイルス
等の病原体に由来する抗原性物質、例えばスギその他の
草木の花粉や室内塵等のアレルゲンに反応する抗体、例
えば天然多糖類由来の水溶性多糖類、少糖類、単糖類等
の糖質、具体的には例えばAFP、ヒト絨毛性ゴナドト
ロピン(hCG)、トランスフェリン、IgG等の糖蛋
白、GM1、GM2、GD2等のガングリオシド、グロ
ボ系、ラクト系等のセラミド、糖蛋白、ガングリオシ
ド、セラミド等由来の多糖類や少糖類、澱粉、セルロー
ス、キチン等の天然多糖類又はこれら由来の少糖類等の
糖質、例えばリポ蛋白質等の脂質、例えばトリプシン、
プラスミン、セリンプロテアーゼ等のプロテアーゼ、例
えばインシュリン、hCG、サイロキシン(T4)、ト
リヨードサイロニン(T3)、プロラクチン、甲状腺刺
激ホルモン(TSH)等のホルモン、例えばジゴキシ
ン、フェニトイン、モルヒネ、ニコチン等の薬物等が挙
げられる。
【0020】本発明に係わるこれらの測定対象物質に対
する結合能物質としては、これら測定対象物質と互いに
相互作用を及ぼしあい、複合体を形成する物質で、要す
れば、それ自身何らかの方法により測定(検出)可能で
あるか、或いは測定(検出)可能な何らかの標識物質に
より標識可能なもの(測定対象物質自体が何らかの標識
物質により標識可能なものである場合にはこの限りでは
ない。)であれば特に限定することなく挙げられるが、
例えば抗原性を有する物質(ハプテンを含む。)に対す
る抗体、抗体に対する抗原、特定構造の糖鎖に対して結
合能を有する例えばコンカナバリンA、レンズマメレク
チン、インゲンマメレクチン、ダツラレクチン、小麦胚
芽レクチン等のレクチン類、例えばトリプシンに対する
α1−アンチトリプシン、プラスミンに対するα2−マク
ログロブリン、セリンプロテアーゼに対するα2−マク
ログロブリン等の特定の酵素に対するインヒビター類、
測定対象物質である1本鎖ポリヌクレオチドに相補的な
ポリヌクレオチド鎖等が挙げられる。
【0021】本発明に係わる、それ自身何らかの方法に
より測定(検出)可能な結合能物質の例としては、例え
ば酵素、蛍光性物質、発光性物質或いは紫外部に吸収を
有する物質等のように、それ自身標識物質としての性質
を有しているものが挙げられる。
【0022】また、これら測定対象物質と結合能物質と
の組合せをより具体的に示せば、以下の表1の如くにな
る。
【0023】
【表1】
【0024】本発明に係わる標識物質としては、例えば
EIAに於いて用いられるアルカリホスファターゼ、β
−ガラクトシダーゼ、ペルオキシダーゼ、マイクロペル
オキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコース−
6−リン酸脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酵素、ルシフェ
ラーゼ等の酵素類、例えばRIAで用いられる99m
c、131I、125I、14C、3H等の放射性同位元素、例
えばFIAで用いられるフルオレセイン、ダンシル、フ
ルオレスカミン、クマリン、ナフチルアミン或いはこれ
らの誘導体等の蛍光性物質、例えばルシフェリン、イソ
ルミノール、ルミノール、ビス(2,4,6−トリフロロフェ
ニル)オキザレート等の発光性物質、例えばフェノー
ル、ナフトール、アントラセン或いはこれらの誘導体等
の紫外部に吸収を有する物質、例えば4-アミノ-2,2,6,6
-テトラメチルピペリジン-1-オキシル、3-アミノ-2,2,
5,5-テトラメチルピロリジン-1-オキシル、2,6-ジ-t-ブ
チル-α-(3,5-ジ-t-ブチル-4- オキソ-2,5- シクロヘキ
サジエン-1-イリデン)-p-トリルオキシル等のオキシル
基を有する化合物に代表されるスピンラベル化剤として
の性質を有する物質等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではないことは言うまでもない。
【0025】上記した如き標識物質を結合能物質又は測
定対象物質に結合させる方法としては、自体公知のEI
A、RIA或いはFIA等に於いて一般に行われている
自体公知の標識方法(例えば、医化学実験講座、第8
巻、山村雄一監修、第1版、中山書店、1971; 図説 蛍
光抗体、川生明著、第1版、(株)ソフトサイエンス
社、1983; 酵素免疫測定法、石川榮治、河合忠、宮井潔
編、第2版、医学書院、1982等)が何れも例外なく挙げ
られ、これらに準じて行えばよい。また、標識物質を結
合物質又は測定対象物質に結合させる方法として、アビ
ジン(又はストレプトアビジン)とビオチンの反応を利
用した常法で行っても良いことは言うまでもない。
【0026】本発明の分離・測定方法に於いて、測定対
象物質と標識された或いはされない結合能物質とを反応
させて、複合体を形成する際の反応条件、或いは測定対
象物質と標識測定物質及び結合能物質とを反応させて、
標識複合体を形成する際の反応条件としては、複合体
(又は標識複合体)が形成されるのを妨げるような条件
でなければ特に限定されないが、常法、例えばEIA、
RIA、FIA、アフィニティクロマトグラフィ等の自
体公知の方法に於いて複合体等を形成させる際の反応条
件に準じて行えばよい。例えば、反応時に緩衝液を用い
る場合には、使用される緩衝剤やその他の試薬はこれら
自体公知の方法に於いて用いられるものを適宜選択して
用いればよい。
【0027】非競合反応の原理を利用した本発明の分離
・測定方法に於いて、複合体を形成させる際の結合能物
質の使用濃度としては、測定対象物質の検量限界をどの
程度に設定するかによっても変動はあるが、通常は反応
液中に於いて、設定された検量限界濃度に相当する測定
対象物質全てと結合し得る濃度以上、好ましくはその2
倍濃度以上、より好ましくは5倍濃度以上が反応液中に
存在していることが望ましい。
【0028】また、競合反応の原理を利用した本発明の
分離・測定方法に於いて、標識複合体を形成させる際の
結合能物質の使用濃度及び標識測定物質の使用濃度は、
測定対象物質の検量限界や測定感度をどの程度に設定す
るかによって適宜設定すればよく、特に限定されない。
但し、標識測定物質の使用濃度は、反応液中に存在する
結合能物質全てと結合し得る濃度以上に設定しておかな
ければならないことは言うまでもない。
【0029】本発明の分離・測定法に於いて、反応時の
pHとしては、複合体(又は標識複合体)が形成される
のを妨げない範囲であれば特に限定されるものではない
が、通常2〜10、好ましくは5〜9の範囲が挙げられ
る。反応時の温度も、複合体(又は標識複合体)が形成
されるのを妨げない範囲であれば特に限定されるもので
はないが、通常0〜50℃、好ましくは20〜40℃の
範囲が好ましく挙げられる。反応時間は、複合体(又は
標識複合体)が形成されるのに要する時間が、測定対象
物質と結合能物質との性質により異なるので、各々の性
質に応じて数秒乃至数時間適宜反応させればよい。
【0030】本発明の分離・測定方法に於いて、B/F
分離に用いられる特異的分離能を有する膜は、複合体
(又は標識複合体)と遊離の結合能物質(又は標識測定
物質)とを両者間の性質の差を利用して分離することが
可能な膜であれば特に制限はない。当該特異的分離能を
有する膜は、複合体(又は標識複合体)と遊離の結合能
物質(又は標識測定物質)との性質の差に応じて種々の
ものから適宜選択される。以下、それぞれの膜について
説明する。
【0031】複合体(又は標識複合体)の分子量が結合
能物質(又は標識測定物質)の分子量の約1.2倍以
上、好ましくは1.5倍以上ある場合には、限外濾過膜
が適している。限外濾過膜は、通常の限外濾過で使用す
るものならば特に制限はない。好適な例として、セルロ
ースアセテート、ニトロセルロース、セルロースアセテ
ートとニトロセルロースの混合エステル、再生セルロー
ス、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ア
クリル酸共重合体、ポリアミド、ポリスルホン又はテフ
ロンからなる膜が挙げられる。かかる限外濾過膜とし
て、現在、分画分子量1万、3万、5万、10万等のも
のが市販されている。これらの膜は例えば、前記表1に
於いて開示した如き測定対象物質と結合能物質との組合
せにより得られる複合体(又は標識複合体)と遊離の結
合能物質(又は遊離の標識測定物質)との分離等に適用
できる。
【0032】複合体(又は標識複合体)の等電点と結合
能物質(又は標識測定物質)の等電点の差がpHで0.
1以上、好ましくは0.3以上ある場合にはイオン交換
膜が適している。イオン交換膜は、膜成分にイオン交換
基として荷電基が結合している膜であり、交換基の種類
により陽イオン交換膜、陰イオン交換膜、両性イオン交
換膜に分類される。陽イオン交換基を有する陽イオン交
換膜は、陽イオンを選択的に透過する。陽イオン交換基
としては、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、硫
酸エステル基、リン酸エステル基、カルボン酸基、フェ
ノール性水酸基、ニトロ基、メルカプト基、水酸基、酸
アミド基等が挙げられる。陰イオン交換基を有する陰イ
オン交換膜は、陰イオンを選択的に透過する。陰イオン
交換基としては、アンモニウム基、スルホニウム基、ホ
スホニウム基、第1〜3級アミノ基等が挙げられる。陽
イオン交換基と陰イオン交換基の両方を有する両性イオ
ン交換膜は、それぞれの交換基の解離定数に応じて、あ
るpHより高いところでは陽イオン交換性が、それより
低いpHでは陰イオン交換性が優勢となる。
【0033】イオン交換膜としては、例えばDEAE MemSe
p 、CM MemSep(以上日本ミリポアリミテッド社製)、
或いは第4級アミノエチル基(QAE基)、ジエチルア
ミノエチル基(DEAE基)、スルホプロピル基(SP
基)等のイオン交換基を有するゼータプレップ(キュノ
(株)社製)等の市販品が挙げられる。これらのイオン
交換膜は、分離するべき複合体(又は標識複合体)の等
電点と結合能物質(又は標識測定物質)の等電点の差に
応じて適宜選択される。これらの膜も例えば、前記表1
に於いて開示した如き測定対象物質と結合能物質との組
合せにより得られる複合体(又は標識複合体)と結合能
物質(又は標識測定物質)との分離等に適用できる。
【0034】複合体(又は標識複合体)と結合能物質
(又は標識測定物質)の疎水性に差がある場合は疎水性
を有する膜が適している。疎水性を有する膜は、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、オ
クタデシル基等のアルキル基やフェニル基、ナフチル基
等の芳香族基等の疎水性基を膜成分に結合させたもので
疎水性化合物を選択的に透過する。かかる疎水性を有す
る膜も又、例えば、前記表1に於いて開示した如き測定
対象物質と結合能物質との組合せにより得られる複合体
(又は標識複合体)と結合能物質(又は標識測定物質)
との分離等に適用できる。
【0035】本発明の分離・測定方法に於いて、B/F
分離は、上記の特異的分離能を有する膜を用いて通常の
膜による分離を行う方法に従い行われる。具体的には、
遠心、加圧、吸引等による濾過が挙げられる。遠心分離
による場合、特に遠心分離機用フィルター付チューブの
使用が好ましい(特開昭62−176560号公報
等)。
【0036】本発明の測定方法に於いて、特異的分離能
を有する膜を用いて分離された複合体(又は標識複合
体)中に含まれる標識物質或いは結合能物質の測定は、
標識物質或いは結合能物質の種類に応じて夫々所定の方
法に従って実施される。例えば、標識物質或いは結合能
物質が酵素の場合にはEIAの常法、例えば「酵素免疫
測定法、蛋白質 核酸酵素 別冊 No.31 、北川常廣・
南原利夫・辻章夫・石川榮治編集、51〜63頁、共立出版
(株)、1987年9月10日発行」等に記載された方法に
準じて測定を行えばよく、例えば膜上に酵素標識された
複合体が残る場合、分離後の膜上に標識酵素の基質を加
えてそのまま反応させると操作がより簡便である。ま
た、標識物質が放射性物質の場合にはRIAの常法に従
い、該放射性物質の出す放射線の種類及び強さに応じて
液没型GMカウンター、液体シンチレーションカウンタ
ー、井戸型シンチレーションカウンター等の測定機器を
適宜選択して使用し、測定を行えばよい(例えば医化学
実験講座、第8巻、山村雄一監修、第1版、中山書店、
1971等参照。)。また、標識物質或いは結合能物質が蛍
光性物質の場合には蛍光光度計等の測定機器を用いるF
IAの常法、例えば「図説 蛍光抗体、川生明著、第1
版、(株)ソフトサイエンス社、1983」等に記載された
方法に準じて測定を行えばよく、標識物質或いは結合能
物質が発光性物質の場合にはフォトンカウンター等の測
定機器を用いる常法、例えば「酵素免疫測定法、蛋白質
核酸 酵素 別冊 No.31 、北川常廣・南原利夫・辻
章夫・石川榮治編集、 252〜263 頁、共立出版(株)、
1987年9月10日発行」等に記載された方法に準じて測
定を行えばよい。更に、標識物質或いは結合能物質が紫
外部に吸収を有する物質の場合には分光光度計等の測定
機器を用いる常法によって測定を行えばよく、標識物質
或いは結合能物質がスピンの性質を有する物質の場合に
は電子スピン共鳴装置を用いる常法、例えば「酵素免疫
測定法、蛋白質 核酸酵素 別冊 No.31 、北川常廣・
南原利夫・辻章夫・石川榮治編集、 264〜271 頁、共立
出版(株)、1987年9月10日発行」等に記載された方
法に準じて夫々測定を行えばよい。
【0037】尚、標識物質や結合能物質の測定は、これ
らを測定するための臨床検査試薬等を用いて行ってもよ
いし、測定したい標識物質や結合能物質の測定法として
一般に知られている方法により行ってもよいことは言う
までもない。このような場合の具体例としては、例えば
以下のような場合が挙げられる。
【0038】即ち、絨毛癌細胞由来のヒト絨毛性ゴナド
トロピン(hCG)中の糖鎖構造の異なるhCG量の分
離分析を行うような場合に、これらのhCGを含む試料
と例えばダツラレクチンとを反応させた後、本願発明の
方法により分離を行い、濾液又は上清液中のhCGを市
販のEIA法用試薬により測定することにより、試料中
に含有されるダツラレクチン反応性又はダツラレクチン
非反応性のhCGの量を測定することができる。
【0039】本発明の非競合反応の原理に基づく分離・
測定方法に於いて、結合能物質として抗体を用いる場合
には、目的に応じて使用する抗体を適宜ペプシン、パパ
イン等の酵素を用いて消化してF(ab')2、Fab'或いは
Fabとして使用してもよい。また、抗体として1つの抗
原認識部位のみと結合する性質を備えたモノクローナル
抗体を用いた場合には、これを消化して得られるFab'
或いはFabに標識物質を結合させたものを結合能物質と
して用いれば、測定対象物質1個当たりに1個(測定対
象物質が2量体や3量体等になっている場合には単量体
あたりに1個)の標識物質を結合させることができるた
め、標識複合体の分子量、等電点等の性質が一定となっ
て測定時の定量性が良好となりより好ましい。
【0040】また、競合反応の原理に基づく分離・測定
方法に於いても、結合能物質として抗体を用いる場合に
は、目的に応じて使用する抗体を適宜ペプシン、パパイ
ン等の酵素を用いて消化してF(ab')2、Fab'或いはFa
bとして使用してもよい。特に、抗体として1つの抗原
認識部位のみと結合する性質を備えたモノクローナル抗
体を用いた場合には、これを消化して得られるFab'或
いはFabを結合能物質として用いれば、測定対象物質及
び標識測定物質1個当たりに1個(測定対象物質が2量
体や3量体等になっている場合には単量体あたりに1
個)の結合能物質を結合させることができるため、標識
複合体の分子量、等電点等の性質が一定となって分離が
容易となり好ましい。
【0041】本発明の測定方法に於いては、該相互反応
の結果生じる複合体(又は標識複合体)中の標識物質の
量或いは結合能物質の量を測定する以外にも、複合体の
形成に関与しなかった遊離の結合能物質中の標識物質量
或いは結合能物質の量、もしくは遊離の標識測定物質中
の標識物質の量を測定することによっても、測定対象物
質量を測定することができることは言うまでもない。
【0042】本発明に於いて用いられる結合能物質とし
ての抗体は、常法、例えば「免疫学実験入門、第2刷、
松橋直ら、(株)学会出版センター、1981」等に記載の
方法に準じて、ウマ、ウシ、ヒツジ、ウサギ、ヤギ、ラ
ット、マウス等の動物に測定対象物質を免疫して作製さ
れるポリクローナル抗体でも、或いはまた常法、即ちケ
ラーとミルスタイン(G. Kohler and C. Milstein; Natu
re, 256,495,1975)により確立された細胞融合法に従
い、マウスの腫瘍ラインからの細胞と、測定対象物質で
予め免疫されたマウスの脾細胞とを融合させて得られる
ハイブリドーマが産生する単クローン性抗体でも何れに
てもよく、これらを単独で或いはこれらを適宜組み合わ
せて用いる等は任意である。
【0043】本発明の分離・測定方法に於いて、複合体
(又は標識複合体)を形成させる際に、要すれば2種類
以上の結合能物質(具体的には、測定対象物質上の異な
る部位に各々結合する性質を有する2種類以上の結合能
物質)を用いれば、結果的に複合体(又は標識複合体)
の分子量が大きくなる、等電点も変動する等から、複合
体(又は標識複合体)と結合能物質(又は標識測定物
質)との分離がより容易となり、測定精度の向上を計る
ことができる。更に、この場合に、各々の結合能物質に
標識物質を結合させておけば、測定感度を上昇させるこ
とができることは言うまでもない。
【0044】また、非競合反応の原理に基づく測定方法
に於いて、標識結合能物質と、単なる結合能物質を併用
して、測定感度の調節を行ってもよい。即ち、このよう
にして反応を行った場合には、測定対象物質は、標識結
合能物質及び単なる結合能物質の双方と反応して、標識
物質を含む複合体と、標識物質を含まない複合体とを形
成し、これらが形成される比率は、反応時の標識結合能
物質と単なる結合能物質との比率に比例する。従って、
単なる結合能物質の比率を変化させることにより、標識
物質を含む複合体の生成比率を変化させ、且つ複合体中
の標識物質量を測定することにより測定対象物質の測定
を行えば、測定感度の調節を行うことができる。尚、こ
の場合、標識結合能物質と単なる結合能物質は、通常同
一の結合能物質に由来するものが用いられるが、標識結
合能物質と単なる結合能物質の何れか一方が測定対象物
質と結合した場合、他方は測定対象物質に結合し得ない
ような性質を有する組合せとなるものであれば、結合能
物質自体の種類が異なるものでもよいことは言うまでも
ない。
【0045】本発明の方法は、生じる複合体が水溶性で
あり、且つ測定対象物質と結合能物質との相互作用が弱
く、生じる複合体が再度測定対象物質と結合能物質に解
離し易いような場合や、測定対象物質の濃度が低いため
結合能物質との結合力が見かけ上弱くなっているような
場合の、水溶性の複合体と結合能物質(又は標識測定物
質)との分離・測定に特に有効である。即ち、結合力が
弱い水溶性の複合体と、遊離の結合能物質(又は標識測
定物質)とを高速液体クロマトグラフィを利用して分離
・測定した場合、カラム中で分離が進むにつれて、複合
体と遊離の結合能物質(又は標識測定物質)とが希釈さ
れて平衡状態が変化し、複合体が再度測定対象物質と結
合能物質とに解離してしまい、測定対象物質の分離・測
定が不正確になるのである。このような現象は、糖質と
レクチンを組み合せて分離・測定を行う場合に特に生じ
易く、このような場合に本願発明の方法を利用すると、
複合体を再度測定対象物質と結合能物質とに解離させる
ことなく、複合体と遊離の結合能物質(又は標識測定物
質)とに分離し得るので、測定対象物質の分離・測定を
正確に行うことができる。
【0046】また、本発明の方法を用いることにより、
生体由来の試料中の微量成分や合成された糖質等、或は
特異的結合能を有する物質等の分離・測定を簡便に効率
良く実施することができるが、その他特異的結合能を有
する物質の結合活性を測定することも可能である。
【0047】さらに本発明の分離方法は、特開平2−2
8557号公報に開示される高速液体クロマトグラフィ
(HPLC)によりB/F分離を行う測定方法の前処理
工程としても有効である。例えば、高濃度の結合能物質
を使用すると、上記HPLCによる方法では、複合体の
濃度に比べて遊離の結合能物質の濃度が高いためB/F
分離の分離能が低下する。これに対して、膜による方法
では比較的高濃度の結合能物質を使用しても分離が可能
である。そこで、本発明の測定方法の特異的分離能を有
する膜を用いて予め遊離の結合能物質をある程度除去し
てからHPLCによるB/F分離を行えば、良好な分離
結果が得られ、高濃度の結合能物質を使用する場合も良
好な測定結果が得られる。
【0048】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるもの
ではない。
【0049】参考例 (標識オリゴ糖液)ヒト由来トランスフェリン(シグマ
社製)からヒドラジン分解法によりオリゴ糖鎖を調製
し、これに、常法により2−アミノピリジンによる蛍光
標識を施した。次いで、得られた標識オリゴ糖鎖を逆相
カラムクロマトグラフィで処理して、2−アミノピリジ
ンにより蛍光標識されていて、且つ複合型2本鎖オリゴ
糖鎖となっているもののみを分取し、これを水溶液中に
1nmol/μlの濃度となるように溶解して、標識オ
リゴ糖液とした。(レクチン溶液)コンカナバリンA
(豊年製油(株)社製)を10mMトリス−塩酸緩衝液
(pH7.4、100mM塩化ナトリウム、1mM塩化
マンガン、1mM塩化カルシウム及び1mM塩化マグネ
シウム含有)に、100μg/mlとなるように溶解し
て、レクチン溶液とした。 (操作法)標識オリゴ糖液1μlとレクチン溶液100
μlとを、氷冷下で混和し20分間反応させた。得られ
た反応液の一部を遠心濾過チューブ(ウルトラフリーC
3LGC、分子量1万カット、日本ミリポアリミテッド
社製)を用いて、4℃、12,000rpm、20分間
遠心濾過を行い、濾液を得た。反応液及び濾液の各々1
0μlを試料とし、高速液体クロマトグラフィ〔カラ
ム;Wakopak 5C18(和光純薬工業(株)製)、溶離液;
0.1M酢酸アンモニウム緩衝液(pH4.0)、0.
5〜5%メタノール濃度勾配、検出;蛍光検出器(励起
波長;320nm、蛍光波長400nm)〕により分析
し、標識オリゴ糖のピーク高を測定した。尚、対照とし
て、標識オリゴ糖液1μlと10mMトリス−塩酸緩衝
液(pH7.4、100mM塩化ナトリウム、1mM塩
化マンガン、1mM塩化カルシウム及び1mM塩化マグ
ネシウム含有)100μlとを混和して得られた溶液
(以下、標準試料と略記する。)についても、上記と同
じ条件で遠心濾過及び高速液体クロマトグラフィによる
分析を行って、標準試料及び標準試料を遠心濾過して得
られる濾液(以下、標準濾液と略記する。)について標
識オリゴ糖のピーク高を測定した。 (結果)得られた結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】表2の結果から、濾液のピーク高は標準濾
液のそれの約45%となること、及び反応液及び標準濾
液のピーク高が標準試料のそれとほぼ同じとなることが
判る。これらのことは、反応液中で形成されるレクチン
−標識オリゴ糖複合体は高速液体クロマトグラフィによ
り分析中に完全に解離することを示唆していると判断さ
れる。以上の結果から、糖質−レクチン複合体と遊離の
糖質との分離を高速液体クロマトグラフィを利用して実
施するのは難しいことが判る。
【0052】実施例1 ヒト絨毛性ゴナドトロピン(h
CG)の測定 (抗体液1)常法により調製した抗hCG−α鎖抗体を
産生するマウスハイブリドーマクローンを培養して得ら
れた抗hCG−α鎖モノクローナル抗体を、常法により
Fab’とした。これに常法により西洋ワサビペルオキ
シダーゼ(POD)を標識して得られたPOD標識抗h
CG−α鎖−Fab’を、50mMリン酸緩衝液〔pH
7.5、150mM塩化ナトリウム、0.2%牛血清ア
ルブミン(シグマ社製)含有〕中に50μg/lの蛋白
濃度となるように添加して抗体液1とした。 (抗体液2)抗hCG−β鎖(マウス)モノクローナル
抗体(和光純薬工業(株)製)を、50mMリン酸緩衝
液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム含有)中に
5mg/lの蛋白濃度となるように添加して抗体液2と
した。 (試料)市販のhCG(シグマ社製)を50mMリン酸
緩衝液〔pH7.5、150mM塩化ナトリウム、0.
2%牛血清アルブミン(シグマ社製)含有〕に溶解し
て、hCG濃度0、100、200、300、又は40
0mIU/mlの溶液を調製し、試料とした。 (基質液1)3−(p−ヒドロキシフェニル)−プロピ
オン酸1.66gを、50mMリン酸緩衝液(pH7.
5、150mM塩化ナトリウム含有)1000mlに溶
解し、6N水酸化ナトリウムでpH7.5に調整したも
のを基質液1とした。 (基質液2)35%過酸化水素水をリン酸緩衝液(pH
7.5、150mM塩化ナトリウム含有)希釈し、過酸
化水素の20mM溶液を調製して基質液2とした。 (測定操作)抗体液1 80μl、抗体液2 80μl
及び試料20μlとを室温下で混合し1時間反応させた
後、混合液を遠心濾過チューブ〔ウルトラフリーCL
(分子量10万カット)、日本ミリポアリミテッド社
製〕で3000rpm、10分間遠心濾過を行なった。
この濾液10μlに基質液1を900μl、基質液2を
100μlをそれぞれ加え、濾液中のPOD活性を励起
波長320nm、蛍光波長404nmでの1分間当たり
の蛍光強度の増加として測定した。 (結果)各試料のhCG濃度と濾液のPOD活性(蛍光
強度)との関係を表す検量線を図1に示す。図1から明
らかなように、検量線は良好な直線性を示した。
【0053】実施例2 絨毛癌患者のヒト絨毛性ゴナド
トロピン(hCG)糖鎖変化の測定 (レクチン液)シロバナ洋種チョウセンアサガオ種子か
らゴールドシュタインらの方法によりダツラストラモニ
ウムアグルチニン(ダツラレクチン)を精製し、50m
Mリン酸緩衝液〔pH7.5、150mM塩化ナトリウ
ム、0.2%牛血清アルブミン(シグマ社製)含有〕中
に1mg/mlの蛋白濃度となるように添加してレクチ
ン液とした。 (試料1)絨毛癌患者の尿中より、パームチット法で抽
出したhCGを各種のカラムクロマトグラフィーで精製
し、50mMリン酸緩衝液〔pH7.5、150mM塩
化ナトリウム、0.2%牛血清アルブミン(シグマ社
製)含有〕中に50ng/mlの蛋白濃度となるように
添加して試料1とした。 (試料2)正常妊娠者の尿hCG(シグマ社製)を50
mMリン酸緩衝液〔pH7.5、150mM塩化ナトリ
ウム、0.2%牛血清アルブミン(シグマ社製)含有〕
に溶解して、蛋白濃度50ng/mlの溶液を調製し
て、試料2とした。 (測定操作)レクチン液50μlと試料50μlを室温
下で混合し30分間反応させた後、混合液を遠心濾過チ
ューブ〔ウルトラフリーCL(分子量10万カット)、
日本ミリポアリミテッド社製〕で3000rpm、20
分間遠心濾過を行なった。この濾液のhCG量を実施例
1の方法で測定した。 (結果)各試料の濾液のhCG濃度を表3に示す。表3
から明らかなように絨毛癌患者由来のhCGは変化した
糖鎖部分とダツラレクチンが結合し、複合体を形成して
濾過されないために、濾液のhCG量が減少している。
この結果より、絨毛癌患者全体のhCGの中で85%の
hCGが癌化にともない糖鎖が変化していることが明確
になる。
【0054】
【表3】
【0055】実施例3 B型肝炎ウイルスDNA(HB
V−DNA)の測定 (プローブ溶液)DNA合成機(バイオリサーチ社)に
より、B型肝炎ウイルス表面抗原遺伝子領域に特異的な
下記塩基配列のオリゴヌクレオチド(22塩基)を合成
し、5’末端に二価性架橋剤を介して西洋ワサビペルオ
キシダーゼ(POD)を標識した。このようにして得ら
れたプローブを10mMトリス−塩酸(pH8.0、
0.15M塩化ナトリウム含有)の溶液中に、5μMの
濃度となるように添加してプローブ溶液とした。 オリゴヌクレオチドの塩基配列: TGGCCAAAATTCGCAGTCCCCA
(配列表配列番号1) (試料)M13ファージDNA(約7kb)にB型肝炎
ウイルスゲノム(約3kb)を組み込んだ一本鎖M13
−HBV−DNAを水に溶解して、0、80、200、
400ng/mlの溶液を調製し、試料とした。 (基質液1)3−(p−ヒドロキシフェニル)−プロピ
オン酸1.66gを、50mMリン酸緩衝液(pH7.
5、150mM塩化ナトリウム含有)1000mlに溶
解し、2N水酸化ナトリウムでpH7.5に調製したも
のを基質液1とした。 (基質液2)35%過酸化水素水をリン酸緩衝液(pH
7.5、150mM塩化ナトリウム含有)希釈し、過酸
化水素水の20mM溶液を調製して基質液2とした。 (測定操作)試料10μlに、10μlの0.5M水酸
化ナトリウム溶液を加え、室温で10分間放置後、同じ
く10μlの1Mトリス−塩酸溶液で中和し、プローブ
溶液10μl、2%牛血清アルブミン(ヌクレアーゼフ
リー、和光純薬工業(株)製)10μl、及び5M酢酸
アンモニウム溶液50μlを加えて混合した。室温で1
時間反応させた後、500μlの2.5M酢酸アンモニ
ウム溶液を加え、限外濾過チューブ〔ウルトラフリーC
L(分子量10万カット〕、日本ミリポアリミテッド社
製〕で2500rpm、10分間遠心濃縮した。フィル
ター上に残った溶液に500μlの2.5M酢酸アンモ
ニウム溶液を加えて同じ操作を2回行なった。最後にフ
ィルター上の液量を2.5M酢酸アンモニウム溶液によ
り200μlに合わせ(以下最終試料液)、このうち5
0μlに基質液1を900μl、基質液2を100μl
を加え、最終試料液中のPOD活性を励起波長320n
m、蛍光波長400nmでの1分間当たりの蛍光強度の
増加として測定した。 (結果)各試料のHBV−DNA濃度と最終試料液中の
POD活性(蛍光強度)との関係を表す検量線を図2に
示す。図2から明らかなように、検量線は良好な直線性
を示した。
【0056】実施例4 レクチンの測定 (標識オリゴ糖液)ヒト由来トランスフェリン(シグマ
社製)からヒドラジン分解法により得られたオリゴ糖鎖
を常法に従い、2−アミノピリジンによる蛍光標識を施
した。これを、逆相カラムクロマトグラフィーにより、
蛍光標識化複合型2本鎖オリゴ糖鎖のみを分取・精製
し、得られた蛍光標識化オリゴ糖鎖が水溶液中で1nm
ol/μlの濃度となるように調製し、標識オリゴ糖鎖
液とした。 (試料)市販のコンカナバリンA(Con A、豊年製
油社製)を10mMトリス塩酸緩衝液〔pH7.4、1
00mM塩化ナトリウム、1mM塩化マグネシウム、1
mM塩化カルシウム、1mM塩化マンガン、0.2%牛
血清アルブミン(シグマ社製)含有〕に溶解して、Co
n A濃度として0、50、100、200、500、
1000または2000pmol/mlの溶液を調製
し、試料とした。 (測定条件)標識オリゴ糖液1μlおよび試料100μ
lとを氷温下で混和し、20分反応させた後、混合液を
遠心濾過チューブ〔ウルトラフリーC3LGC(分子量
1万カット)、日本ミリポアリミテッド社製〕で4℃下
12000rpm、20分間遠心濾過を行なった。この
濾液50μlに水950μlを加えたものについて、励
起波長320nm、蛍光波長400nmで蛍光強度を測
定し、ConA濃度0pmol/mlの試料について同
様の操作により得られた蛍光強度との差を求め、結合標
識オリゴ糖量とした。 (結果)各試料のCon A濃度と結合標識オリゴ糖量
(蛍光強度)との関係を表す検量線を図3に示す。図3
から明らかなように、検量線は良好な直線性を示した。
【0057】実施例5 レクチンの糖鎖構造認識特異性
の測定 (標識オリゴ糖液)牛胎児血清由来アシアロフェツイン
(シグマ社製)からヒドラジン分解法により得られたオ
リゴ糖を常法に従い、2−アミノピリジンによる蛍光標
識を施した。これを、水溶液中で1nmol/μlの濃
度になるように調製し、標識オリゴ糖鎖液とした。 (試料)市販のコンカナバリンA(Con A、豊年製
油社製)、ヒママメレクチン(RCA120、豊年製油
社製)及び、常法に従いチョウセンアサガオ種子より精
製したダツラレクチン(DSA)を10mMトリス塩酸
緩衝液(pH7.4、100mM塩化ナトリウム、1m
M塩化マグネシウム、1mM塩化カルシウム、1mM塩
化マンガン含有)に溶解して、それぞれ1mg/mlと
なるように調製し、試料とした。 (測定条件)標識オリゴ糖液1μlおよび各試料100
μlとを氷冷下で混合し、20分間反応させた後、混合
液を遠心濾過チューブ〔ウルトラフリーC3LGC(分
子量1万カット)、日本ミリポアリミテッド社製〕で4
℃下12000rpm、20分間遠心濾過を行なった。
この濾液10μlを高速液体クロマトグラフィーで逆相
カラムクロマトグラフィー(0.1M酢酸アンモニウム
緩衝液、pH4.0、0−0.25% n−ブタノール
濃度勾配)により分離し、蛍光検出器(励起波長320
nm、蛍光波長400nm)で検出した。 (結果)標識オリゴ糖液のみ(Intact) 及び各試料の溶
出パターンを図4に示す。ピークI、II、IIIは図5に
示した構造の標識オリゴ糖のピークであり、各レクチン
は、既に知られている各レクチンの特異性と合致した構
造の標識オリゴ糖のピークを消失させた。すなわち、レ
クチンの糖鎖認識特異性の測定ができた。
【0058】
【発明の効果】本発明の方法によれば、従来のEIA、
RIA或いはFIAで行われていた固相法、二抗体法、
アフィニティクロマトグラフィを用いる方法等に比較し
て、容易に且つ短時間で極めて精度良く微量成分の分離
・測定が行える。本発明の方法は、測定対象物質と結合
能物質との反応が液相中で進行するため、均一系反応で
あり、反応時間が速い、測定結果の再現性が良い等の利
点を有する。また、HPLCによりB/F分離を行う測
定方法に比べて、一度に多数の検体を短時間で処理で
き、操作が簡便であるという効果を有するものである。
【0059】
【配列表フリーテキスト】配列表配列番号1:プローブ
として作用するよう設計された、B型肝炎ウイルス表面
抗原遺伝子領域に特異的なオリゴヌクレオチド。
【0060】
【配列表】 SPECIMEN SEQUENCE LISTING <110> QUICK ASSAY OF TRACE COMPONENTS <120> WAKO PURE CHEMICAL INDUSTRIES, LTD. <130> A4007 <160> 1 <210> 1 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Oligonucleotide designed to act as probe, which is specific f or region of Hepatitis B surface antigen gene. <400> 2 tggccaaaat tcgcagtccc ca 22
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に於いて得られたhCG濃度の検量線
を示す。
【図2】実施例3に於いて得られたHBV−DNA濃度
の検量線を示す。
【図3】実施例4に於いて得られたCon A濃度の検
量線を示す。
【図4】実施例5に於いて得られた高速液体クロマトグ
ラフィによる試料の溶出パターンを示す。
【図5】標識オリゴ糖の構造を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 賢治 兵庫県尼崎市高田町6番1号 和光純薬工 業株式会社大阪研究本部内 (72)発明者 平安 一成 兵庫県尼崎市高田町6番1号 和光純薬工 業株式会社大阪研究本部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定対象物質を含有する試料を、標識物質
    で標識された或いはされない、測定対象物質に対する結
    合能を有する物質(以下、結合能物質と略記する。)と
    混合して反応させた後、溶液中に溶解している測定対象
    物質と結合能物質との複合体(以下、単に複合体と略記
    する。)と、遊離型の結合能物質とを限外濾過膜又は疎
    水性を有する膜を用いて分離し、複合体中の標識物質の
    量若しくは結合能物質の量又は遊離型の結合能物質或い
    は遊離型の結合能物質に結合した標識物質の量を測定す
    ることにより試料中の測定対象物質量を測定することを
    特徴とし、且つ当該測定対象物質と結合能物質の組み合
    わせが、糖質と当該糖質に特異的なレクチンである測定
    方法。
  2. 【請求項2】測定対象物質を含有する試料を、標識物質
    で標識された測定対象物質(以下、標識測定物質と略記
    する。)、及び結合能物質と混合して反応させた後、溶
    液中に溶解している標識測定物質と結合能物質との複合
    体(以下、単に標識複合体と略記する。)と、遊離型の
    標識測定物質とを限外濾過膜または疎水性を有する膜を
    用いて分離し、標識複合体中の標識物質の量又は遊離型
    の標識測定物質中の標識物質の量を測定することにより
    試料中の測定対象物質量を測定することを特徴とし、且
    つ当該測定対象物質と結合能物質の組み合わせが糖質と
    当該糖質に特異的なレクチンである測定方法。
  3. 【請求項3】測定対象物質を含有する試料を、標識物質
    で標識された或いはされない、測定対象物質に対する結
    合能を有する物質(以下、結合能物質と略記する。)と
    混合して反応させた後、溶液中に溶解している測定対象
    物質と結合能物質との複合体(以下、単に複合体と略記
    する。)と、遊離型の結合能物質とを限外濾過膜または
    疎水性を有する膜を用いて分離することを特徴とし、且
    つ当該測定対象物質と結合能物質の組み合わせが、糖質
    と当該糖質に特異的なレクチンである分離方法。
  4. 【請求項4】測定対象物質を含有する試料を、標識物質
    で標識された測定対象物質(以下、標識測定物質と略記
    する。)、及び結合能物質と混合して反応させた後、溶
    液中に溶解している標識測定物質と結合能物質との複合
    体(以下、単に標識複合体と略記する。)と、遊離型の
    標識測定物質とを限外濾過膜または疎水性を有する膜を
    用いて分離することを特徴とし、且つ当該測定物質と結
    合能物質の組み合わせが、糖質と当該糖質に特異的なレ
    クチンである分離方法。
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