JP2000143934A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents
熱可塑性エラストマー組成物Info
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Abstract
優れた熱可塑性エラストマー組成物を提供する。 【解決手段】 芳香族ビニルブロックと共役ジエンブロ
ックからなるブロック共重合体および/またはその水素
添加物100部、変性ポリオレフィン系樹脂(II)2〜
100重量部、ポリウレタンエラストマー(III)10
〜250重量部、およびパラフィン系オイル(IV)10
〜250重量部を含有する熱可塑性エラストマー組成物
である。
Description
ク共重合体、変性ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン
エラストマーおよびパラフィン系オイルからなる可塑性
エラストマー組成物に関する。本発明の熱可塑性エラス
トマー組成物は、極性を有する樹脂に対する接着性に優
れ、かつ良好なゴム的特性、耐油性、成形加工性を有し
ていることから、それ単独で成形加工し、あるいは共押
出しや複層成形などの方法で成形加工することにより、
自動車内装品、家電部品、スポーツ用品、雑貨品、文房
具をはじめとする種々の用途に広く用いることができ
る。
ム、シート、成形品などの製品を製造することが広く行
われているが、重合体の種類や、製品の用途、使用目的
などによっては、単一の重合体を用いるだけでは成形加
工性に劣ったり、用途や使用目的に合致した物性が得ら
れない場合が多い。そこで、2種以上の重合体をブレン
ドした重合体組成物を用いたり、積層物の形態にして、
成形加工性の改良や、得られる製品の力学的特性や化学
的特性等の向上などを図ることが行われている。
感、触感などの悪さ等を改良するため、これに熱可塑性
エラストマーを積層する試みがなされている。熱可塑性
エラストマーを積層することにより、手触りがソフトで
感触が良好なものとなり、高級感が出てくること、およ
び防音性および防振性が向上することなどから、自動車
の内装品、家電部品等の用途に用いられるようになりつ
つある。熱可塑性エラストマーを積層させるプラスチッ
クとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ナイロ
ン、ポリカーボネート、ポリスチレン、耐衝撃ポリスチ
レン、ポリ塩化ビニリデン、ABS樹脂等が挙げられ、
その積層物はシート、フィルムまたは複雑な形状の成形
品等として用いられる。
種または異種の材料を接着剤を用いて接着させる方法
や、接着剤を使用せずに共押出しまたは複層成形で接着
させる方法を一般的に挙げることができる。しかしなが
ら、積層する材料の種類またはその組合せによっては、
十分な接着強度が得られない場合がある。相互に接着性
のない材料を、接着剤を使用しないで、共押出しにより
接着させるために、両方の材料に接着性のある材料を中
間接着層として用いることが行われているが、十分な接
着強度が得られない場合があったり、接着強度の持続性
や耐水性に劣るという問題がある。これらの問題を解決
することを目的とした技術が従来から種々提案されてお
り、付加重合系ブロック共重合体にポリウレタンエラス
トマーを配合した樹脂組成物が知られている(特開平6
−107898号公報、特開平8−72204号公報な
ど参照)。しかしながら、この樹脂組成物は、付加重合
系ブロック共重合体とポリウレタエラストマーの相溶性
が良好でないために、機械的強度が低く、特に複層射出
成形により得られる積層物では表面の剥離や接着力のバ
ラツキなどの問題が生じ易い。
を有する合成樹脂に対する接着性に優れ、かつ良好なゴ
ム的特性、耐油性、成形加工性を有する熱可塑性エラス
トマー組成物を提供することであり、特に共押出しや複
層成形等の成形加工に適した熱可塑性エラストマー組成
物を提供することである。
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、付加重合系ブロ
ック共重合体、変性ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタ
ンエラストマーおよびパラフィン系オイルからなる熱可
塑性エラストマー組成物が、極性を有する樹脂に対して
強固に接着し、かつ良好なゴム的特性、耐油性、成形加
工性を有していること、さらにこの熱可塑性エラストマ
ー組成物は共押出しや複層成形等の成形加工に適してい
ることを見出し、本発明を完成した。
から主としてなる重合体ブロック(A)と、共役ジエン
化合物から主としてなる重合体ブロック(B)を有する
ブロック共重合体およびその水素添加物から選ばれる少
なくとも1種の付加重合系ブロック共重合体(I)10
0重量部に対して、変性ポリオレフィン系樹脂(II)を
2〜100重量部、ポリウレタンエラストマー(III)
を10〜250重量部、およびパラフィン系オイル(I
V)を10〜250重量部の割合で含有することを特徴
とする熱可塑性エラストマー組成物である。
する。本発明の熱可塑性エラストマー組成物で用いる付
加重合系ブロック共重合体(I)は、芳香族ビニル化合
物から主としてなる重合体ブロック(A)と、共役ジエ
ン化合物から主としてなる重合体ブロック(B)を有す
るブロック共重合体およびその水素添加物から選ばれる
少なくとも1種からなっている。重合体ブロック(A)
を構成する芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチ
レン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o
−、m−、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、
2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルス
チレン、モノフルオロスチレン、ジフルオロスチレン、
モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、メトキシスチ
レン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、インデ
ン、アセトナフチレンなどを挙げることができる。
体ブロック(A)は、前記した芳香族ビニル化合物の1
種のみからなる構造単位を有していても、または2種以
上からなる構造単位を有していてもよく、そのうちで
も、スチレンに由来する構造単位から主としてなってい
ることが好ましい。芳香族ビニル化合物から主としてな
る重合体ブロック(A)は、芳香族ビニル化合物からな
る構造単位と共に必要に応じて他の共重合性単量体から
なる構造単位を少量有していてもよく、その場合の他の
共重合性単量体からなる構造単位の割合は、芳香族ビニ
ル化合物から主としてなる重合体ブロック(A)の重量
に基づいて30重量%以下であることが好ましく、10
重量%以下であることがより好ましい。その場合の他の
共重合性単量体としては、例えば1−ブテン、ペンテ
ン、ヘキセン、ブタジエン、イソプレン、メチルビニル
エーテルなどのイオン重合性単量体を挙げることができ
る。
ン化合物としては、イソプレン、ブタジエン、ヘキサジ
エン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3
−ペンタジエンなどを挙げることができる。共役ジエン
化合物から主としてなる重合体ブロック(B)は、これ
らの共役ジエン化合物の1種から構成されていてもまた
は2種以上から構成されていてもよい。重合体ブロック
(B)が2種以上の共役ジエン化合物に由来する構造単
位を有している場合は、それらの結合形態はランダム、
テーパー、一部ブロック状、またはそれらの2種以上の
組合せからなっていることができる。
してなる重合体ブロック(B)は、ゴム物性の改善効果
の点から、イソプレン単位を主体とするモノマー単位か
らなるポリイソプレンブロックまたはその不飽和結合の
一部または全部が水素添加された水添ポリイソプレンブ
ロック、ブタジエン単位を主体とするモノマー単位から
なるポリブタジエンブロックまたはその不飽和結合の一
部または全部が水素添加された水添ポリブタジエンブロ
ック、あるいはイソプレン単位とブタジエン単位を主体
とするモノマー単位からなるイソプレン/ブタジエン共
重合ブロックまたはその不飽和結合の一部または全部が
水素添加された水添イソプレン/ブタジエンブロック共
重合ブロックであることが好ましい。特に、共役ジエン
化合物から主としてなる重合体ブロック(B)は、前記
したポリイソプレンブロック、イソプレン/ブタジエン
共重合ブロックまたはそれらの水素添加されたブロック
であることがより好ましい。
ブロック(B)を構成するブロックとなり得る上記した
ポリイソプレンブロックでは、その水素添加前には、イ
ソプレンに由来する単位は、2−メチル−2−ブテン−
1,4−ジイル基[−CH2−C(CH3 )=CH−C
H2 −;1,4−結合のイソプレン単位]、イソプロペ
ニルエチレン基[−CH{−C(CH3 )=CH2 }−
CH2 −;3,4−結合のイソプレン単位]および1−
メチル−1−ビニルエチレン基[−C(CH3)(CH
=CH2 )−CH2 −;1,2−結合のイソプレン単
位]からなる群から選ばれる少なくとも1種の基からな
っており、各単位の割合は特に限定されない。
ブロック(B)を構成するブロックとなり得る上記した
ポリブタジエンブロックでは、その水素添加前には、そ
のブタジエン単位の70〜20モル%、特に65〜40
モル%が2−ブテン−1,4−ジイル基(−CH2 −C
H=CH−CH2 −;1,4−結合ブタジエン単位)で
あり、30〜80モル%、特に35〜60モル%がビニ
ルエチレン基[−CH(CH=CH2 )−CH2 −;
1,2−結合のブタジエン単位]であることが好まし
い。ポリブタジエンブロックにおける1,4−結合量が
上記した70〜20モル%の範囲から外れると、そのゴ
ム物性が不良になることがある。
ブロック(B)を構成するブロックとなり得る上記した
イソプレン/ブタジエン共重合ブロックでは、その水素
添加前には、イソプレンに由来する単位は2−メチル−
2−ブテン−1,4−ジイル基、イソプロペニルエチレ
ン基および1−メチル−1−ビニルエチレン基からなる
群から選ばれる少なくとも1種の基からなっており、ま
たブタジエンに由来する単位は2−ブテン−1,4−ジ
イル基および/またはビニルエチレン基からなってお
り、各単位の配置は特に制限されない。イソプレン/ブ
タジエン共重合体ブロックでは、イソプレン単位とブタ
ジエン単位の配置は、ランダム状、ブロック状、テーパ
ーブロック状のいずれの形態になっていてもよい。
可塑性エラストマー組成物の耐熱性および耐候性が良好
なものとなる点から、その共役ジエンを主体とする重合
体ブロックにおける不飽和二重結合の一部または全部が
水素添加されていることが好ましい。その際の共役ジエ
ンを主体とする重合体ブロックの水素添加率は50モル
%以上であることが好ましく、60モル%以上であるこ
とがより好ましく、80モル%以上であることがさらに
好ましい。付加重合系ブロック共重合体(I)における
芳香族ビニル化合から主としてなる重合体ブロック
(A)と、共役ジエン化合物から主としてなる重合体ブ
ロック(B)との結合形態は特に制限されず、直鎖状、
分岐状、放射状、またはそれらの2つ以上が組合わさっ
た結合形態のいずれであってもよく、直鎖状の結合形態
であることが好ましい。
香族ビニル化合から主としてなる重合体ブロック(A)
と共役ジエン化合物から主としてなる重合体ブロック
(B)とが直鎖状に結合した構造を有するものである場
合は、A−Bで表されるジブロック構造、A−B−Aま
たはB−A−Bで表されるトリブロック構造、A−B−
A−BまたはB−A−B−Aで表されるテトラブロック
構造、またはAとBとが5個以上直鎖状に結合している
ポリブロック構造を採ることができる。それらのうちで
も、A−Bで表されるジブロック構造またはA−B−A
で表されるトリブロック構造であることが、弾力性、力
学特性、溶融接着性、取扱い性などの点から好ましい。
て、[芳香族ビニル化合から主としてなる重合体ブロッ
ク(A)]:[共役ジエン化合物から主としてなる重合
体ブロック(B)]の重量比が1:9〜9:1であるこ
とが熱可塑性エラストマー組成物およびそれから得られ
る成形品の耐熱性および力学物性が良好となる点から好
ましい。また、付加重合系ブロック共重合体(I)につ
いて、芳香族ビニル化合から主としてなる重合体ブロッ
ク(A)および共役ジエン化合物から主としてなる重合
体ブロック(B)の分子量は特に制限されないが、水素
添加前の状態で、芳香族ビニル化合から主としてなる重
合体ブロック(A)の数平均分子量が2,500〜10
0,000の範囲であり、共役ジエン化合物から主とし
てなる重合体ブロック(B)の数平均分子量が10,0
00〜200,000の範囲であることが、熱可塑性エ
ラストマー組成物の引張破断伸度、引張破断強度等が優
れたものとなる点から好ましい。
の数平均分子量は、水素添加前の状態で、15,00〜
300,000の範囲であることが、力学的特性、成形
加工性などの点から好ましい。なお、本明細書でいう数
平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)法により、標準ポリスチレン検査線から求
めた値をいう。本発明の熱可塑性エラストマー組成物で
用いる付加重合系ブロック共重合体(I)は、上記した
ブロック構造を有し、一般に分子末端に水酸基などの官
能基をもたないブロック共重合体である。
(II)としては、通常のポリオレフィン系樹脂に少なく
とも1個の、極性を有する官能基が導入された変性ポリ
オレフィン系樹脂が用いられる。極性を有する官能基
は、熱可塑性エラストマー組成物の極性樹脂に対する接
着性が優れるという点から、無水カルボン酸、エポキシ
基および水酸基から選ばれる少なくとも1種であること
が好ましい。このような変性の対象となりうるポリオレ
フィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、1−ブ
テン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等の単
独重合体、およびこれらの単量体からなる構造単位を主
体とする共重合体が挙げられる。共重合体の構成に用い
られる化合物としては、例えば、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘ
キセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等の
炭素数3〜20のα−オレフィン、1,4−ヘキサジエ
ン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノル
ボルネン、2,5−ノルボルナジエン等の非共役ジエン
化合物、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン等の共役
ジエン化合物などが挙げられる。このほか、共重合体の
構成には、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、ア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸
の金属塩、メタクリル酸の金属塩等の極性ビニル化合物
を用いることもできる。これらの化合物は、単独でまた
は2種以上を組合せて使用することができる。
得られる熱可塑性エラストマー組成物の極性樹脂に対す
る接着性が優れるという点から、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、およびエチレン/プロピレン共重合体、エチ
レン/1−ブテン共重合体、エチレン/1−オクテン共
重合体等のエチレン/α−オレフィン共重合体が好まし
い。ポリオレフィン系樹脂としては、前述の重合体又は
共重合体の1種のみを使用しても、または2種以上を併
用してもよい。
る官能基を導入する方法として、例えば、オレフィン系
樹脂を製造する際に、α,β−不飽和カルボン酸および
/またはその誘導体を共重合またはラジカル付加させる
方法を挙げることができる。α,β−不飽和カルボン酸
および/またはその誘導体としては、アクリル酸、メタ
クリル酸等のα,β−不飽和モノカルボン酸;マレイン
酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸等のα,β−不飽
和ジカルボン酸;グリシジルアクリレート、グリシジル
メタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒド
ロキシエチルメタクリレート等のα,β−不飽和モノカ
ルボン酸エステル;無水マレイン酸、無水コハク酸、無
水イタコン酸、無水フタル酸等のα,β−不飽和ジカル
ボン酸無水物などを挙げることができ、この中でも特
に、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、
無水フタル酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸無水物、
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、
ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタ
クリレート等のα,β−不飽和モノカルボン酸エステル
が好ましい。極性を有する官能基は、ポリオレフィン系
樹脂に対して0.01〜10モル%の割合で導入されて
いることが好ましい。
いるポリウレタンエラストマー(III)は、高分子ジオ
ール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤の反応によ
り得られる熱可塑性のポリウレタンエラストマーであ
る。ポリウレタンエラストマー(III)を構成する高分
子ジオールは、数平均分子量が1,000〜6,000
であることが、ポリウレタンエラストマー(III)を含
有する熱可塑性エラストマー組成物の力学物性、耐熱
性、耐寒性、弾性回復性などが良好になる点から好まし
い。ここで、本明細書でいう高分子ジオールの数平均分
子量は、JIS K−1557に準拠してSITE測定
した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量である。
に用い得る高分子ジオールの例としては、ポリエステル
ジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルエーテ
ルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエステル
カーボネートジオールなどを挙げることができ、これら
は単独で使用しても、又は2種以上を併用してもよい。
上記ポリエステルジオールとしては、脂肪族ジカルボン
酸、芳香族ジカルボン酸およびそれらのエステル形成性
誘導体から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸成分
と低分子ジオールとの反応により得られるポリエステル
ジオール、ラクトンの開環重合により得られるポリエス
テルジオールなどを挙げることができる。
ルとしては、例えばグルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
二酸などの炭素数6〜10の脂肪族ジカルボン酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸などの芳香族
ジカルボン酸およびそれらのエステル形成性誘導体の1
種または2種以上と、例えばエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオ
ール、2−メチルー1,8−オクタンジオールなどの炭
素数2〜10の脂肪族ジオールの1種または2種以上と
を重縮合反応させて得られるポリエステルジオール、ポ
リカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオー
ルなどを挙げることができる。
ばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコールなどを挙げることが
できる。また、上記したポリカーボネートジオールの例
としては、例えば1,4−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−
オクタンジオールなどの脂肪族ジオールの1種または2
種と、炭酸ジフェニル、炭酸アルキルなどの炭酸エステ
ルまたはホスゲンとの反応により得られるポリカーボネ
ートジオールを挙げることができる。
の製造に用いられる有機ジイソシアネートの種類は特に
限定されないが、分子量500以下の芳香族ジイソシア
ネート、脂環式ジイソシアネートおよび脂肪族ジイソシ
アネートのうちの1種または2種以上が好ましく使用さ
れる。有機ジイソシアネートの具体例としては、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエンジ
イソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナ
フタレンジイソシアネート、水素化4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、イソホロジイソシアネート
などを挙げることができ、これらの有機ジイソシアネー
トのうちでも4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ートが好ましく用いられる。
の製造に用いられる鎖伸長剤としては、ポリウレタンエ
ラストマーの製造に従来から用いられている鎖伸長剤の
いずれもが使用でき、その種類は特に限定されない。そ
のうちでも、鎖伸長剤としては、脂肪族ジオール、脂環
式ジオールおよび芳香族ジオールのうちの1種または2
種以上を鎖伸長剤が好ましく用いられる。好ましく用い
られる鎖伸長剤の具体例としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、2−メチルー1,3−プロ
パンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、1,9−ノナンジオール、シクロヘキサ
ンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)
ベンゼンなどのジオール類を挙げることができる。前記
したうちでも、鎖伸長剤として炭素数2〜6の脂肪族ジ
オールがより好ましく用いられ、1,4−ブタンジオー
ルが特に好ましく用いられる。
は、ポリウレタンエラストマー(III)として、高分子
ジオール、鎖伸長剤および有機ジイソシアネートを、高
分子ジオール:鎖伸長剤=1:0.2〜8.0(モル
比)の範囲であり、かつ[高分子ジオールと鎖伸長剤の
合計モル数]:[有機ジイソシアネートのモル数]=
1:0.98〜1.04の範囲であるように反応させて
得られるポリウレタンエラストマーが好ましく用いられ
る。そのようなポリウレタンエラストマー(III)を含
有する本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、押出成
形、射出成形などの溶融成形時に溶融粘度の急激な上昇
がなく、目的とする成形品を円滑に製造することがで
き、しかも得られる成形品の耐熱性が良好なものとな
る。
は、硬度(JIS A硬度:25℃で測定)が55〜9
0の範囲内であることが、熱可塑性エラストマー組成物
の力学的特性が良好になり、且つ接着性および柔軟性が
良好なものとなることから好ましい。ポリウレタンエラ
ストマー(III)の硬度が55未満であると、得られる
熱可塑性エラストマー組成物の力学物性が低下し、一方
硬度が90を超えると、得られる熱可塑性エラストマー
組成物の極性樹脂に対する接着性および柔軟性が低下し
やすくなる。
て、ポリウレタンエラストマー(III)として、数平均
分子量が2000以上のポリ(3−メチル−1,5−ペ
ンタンアジペート)ジオールをソフトセグメントとする
ポリウレタンエラストマー、すなわちアジピン酸と3−
メチル−1,5−ペンタンジオールとの重縮合により得
られる数平均分子量が2000以上のポリエステルジオ
ールと、上記した鎖伸長剤および有機ジイソシアネート
を反応されて得られるポリウレタンエラストマーを用い
ると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の極性樹脂
に対する接着性が優れたものになることから好ましい。
(III)の製造方法は特に限定されず、上記した高分子
ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を使用
して、公知のウレタン化反応を利用して、プレポリマー
法、ワンショット法のいずれで製造してもよい。そのう
ちでも、実質的に溶剤の不存在下に溶融重合することが
好ましく、特に多軸スクリュー型押出し機を用いる連続
溶融重合により製造することが好ましい。
(IV)として、40℃での動粘度が20〜800センチ
ストークス(CST)、流動度が−40〜0℃および引
火点が200〜400℃のパラフィン系オイルが好まし
く用いられ、40℃での動粘度が50〜600cts、
流動度が−30〜0℃および引火点が250〜350℃
のパラフィン系オイルがより好ましく用いられる。一般
に、プロセスオイルなどとして用いられるオイルは、ベ
ンゼン環やナフテン環などの芳香族環を有する成分、パ
ラフィン成分(鎖状炭化水素)などが混合したものであ
り、パラフィン環を構成する炭素数がオイルの全炭素数
の50重量%以上を占めるものを「パラフィンオイル」
と称している。
いて用いるパラフィン系オイル(IV)としては、パラフ
ィン系オイルと称されているものであればいずれも使用
可能であるが、芳香族環を有する成分の含有量が5重量
%以下のものが好ましく用いられる。
上記した付加重合系ブロック共重合体(I)100重量
部に対して、上記の変性ポリオレフィン系樹脂(II)を
2〜100重量部、ポリウレタンエラストマー(III)
を10〜250重量部、およびパラフィン系オイル(I
V)を10〜250重量部の割合で含有する。付加重合
系ブロック共重合体(I)100重量部に対する変性オ
レフィン系樹脂(II)の含有量が2重量部未満の場合に
は、得られる熱可塑性エラストマー組成物の極性樹脂に
対する接着性が低下し、一方100重量部を越えると流
動性が低下する。
100重量部に対するポリウレタンエラストマー(II
I)の含有量が10重量部未満の場合には、得られる熱
可塑性エラストマー組成物の極性樹脂に対する接着性が
低下し、一方250重量部を越えると成形加工性が低下
する。また、付加重合系ブロック共重合体100重量部
に対するパラフィン系オイル(IV)の含有量が10重量
部未満の場合には、熱可塑性エラストマー組成物の成形
加工性が低下し、また250重量部を越えると熱可塑性
エラストマー組成物の極性樹脂に対する接着性および力
学物性が低下する。特に、付加重合系ブロック共重合体
100重量部に対するパラフィン系オイル(IV)の含有
量が50〜230重量部の範囲内であることが、本発明
の熱可塑性エラストマー組成物の成形加工性、極性樹脂
に対する接着性、および力学物性が優れる点からより好
ましい。
上記した成分と共に必要に応じてオレフィン系樹脂、ス
チレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエ
チレングリコール等の他の熱可塑性樹脂を含有していて
もよい。特に、本発明の熱可塑性エラストマー組成物中
にオレフィン系樹脂を含有させると、熱可塑性エラスト
マー組成物の成形加工性、機械的強度等を向上させるこ
とができるので好ましい。ポリオレフィン系樹脂として
は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテ
ン樹脂、プロピレンとエチレンや1−ブテンなどの他の
α−オレフィンとのブロック共重合体やランダム共重合
体などの1種又は2種以上を使用することができる。本
発明の熱可塑性エラストマー組成物へのオレフィン系樹
脂の配合量は、熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性を
損なわないようにするために、付加重合系ブロック共重
合体(I)100重量部に対して200重量部以下であ
ることが好ましい。
成物は、必要に応じて無機充填剤を含有することができ
る。無機充填剤は、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物の高硬度化、増量剤としての経済性の改善に有用であ
る。無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タ
ルク、クレー、合成珪素、酸化チタン、カーボンブラッ
ク、硫酸バリウム等の1種又は2種以上を使用できる。
無機充填剤の配合量は、熱可塑性エラストマーの柔軟性
が損なわれない範囲であることが好ましく、一般に付加
重合系ブロック共重合体(I)100重量部に対して1
00重量部以下が好ましい。
物は、上記した成分以外に、必要に応じて滑剤、光安定
剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤、シリコンオイル、ブロ
ッキング防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の1種又
は2種以上を含有していてもよい。本発明の熱可塑性エ
ラストマー組成物の製造法は特に限定されず、本発明の
熱可塑性エラストマー組成物にいて用いられる上記した
成分を均一に混合し得る方法であればいずれの方法で製
造してもよく、通常溶融混練法が用いられる。溶融混練
は、例えば、単軸押出機、2軸押出機、ニーダー、バン
バリーミキサーなどの溶融混練装置を用いて行うことが
でき、通常約180℃〜270℃で約3〜15分間程度
溶融混練することにより、本発明の熱可塑性エラストマ
ー組成物を得ることができる。
極性樹脂、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、
ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリアクリレート系
樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリエーテル系樹
脂、アクリロニトリル/スチレン系樹脂、アクリロニト
リル/スチレン/ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹
脂、塩化ビニリデン系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂などに対する接着性に優れているうえに、成形加工
性、耐油性、力学物性、耐熱性等が良好であるため、溶
融接着によって該熱可塑性エラストマー組成物からなる
層と他の材料からなる層を有する積層構造体や複合体を
簡単に且つ円滑に製造することができる。
他の材料からなる層を有する積層構造体や複合体の製法
は特に制限されず、溶融接着により製造する方法であれ
ばいずれの方法を採用して行ってもよい。その方法とし
て、例えば、Tダイラミネート成形法、共押出し成形
法、ブロー成形法、インサート射出成形法、二色射出成
形法、コアバック射出成形法、サンドイッチ射出成形
法、インジェクションプレス成形法等の溶融を伴う成形
法を採用することができる。前記した成形法のうち、イ
ンサート射出成形法による場合は、予め芯材(極性樹
脂)を射出成形し、賦形された成形品を金型にインサー
トした後、該成形品と金型との間の空隙に表層材(熱可
塑性エラストマー組成物)を射出成形する方法が一般に
採用される。
以上の射出成形機を用いて、芯材を射出成形した後に、
金型が回転、または移動することにより、金型キャビテ
ィーが交換され、該成形品と金型との間に空隙ができ、
そこに表層材を射出成形する方法が一般に採用される。
さらに、コアバック射出成形法による場合は、1台の射
出成形機と1個の金型を用いて、芯材を射出成形した後
に、金型キャビティー容積を拡大させ、該成形品と金型
との間の空隙に表層材を射出成形する方法が一般に採用
される。なお、これらの成形法において、芯材は、通常
の射出成形法により成形したものを用いても、あるいは
ガスインジェクション成形法により成形したものを用い
てもよい。
(複合体)は、各種工業品や部品として使用することが
できる。その具体例としては、インストルメントパネ
ル、センターパネル、センターコンソールボックス、ド
アトリム、ピラー、アシストグリップ、ハンドル、エア
バックカバー等の自動車内装部品、モール等の自動車外
装部品、掃除機のバンパー、リモコンスイッチ、OA機
器の各種キートップ等の家電部品、水中眼鏡、水中カメ
ラカバー等の水中使用製品、各種カバー部品、密閉性、
防水性、防音性、防振性を目的とする各種パッキン付き
工業部品、ラック&ピニオンブーツ、サスペンションブ
ーツ、等速ジョイントブーツ等の自動車機能部品、カー
ルコード電線被覆、ベルト、ホース、チューブ、消音ギ
ヤ等の電気、電子部品、スポーツ用品、雑貨品、文房具
等を挙げることができる。
体的に説明するが、本発明はそれにより限定されない。
以下の実施例および比較例では、成形品および積層構造
体の製造に用いた熱可塑性エラストマー組成物(ペレッ
ト)を以下のようにして製造した。また、それにより得
られた熱可塑性エラストマー組成物を用いて、以下のよ
うにして成形品(試験片)および積層構造体をつくり、
それらの硬度、100%モジュラス、引張破断強度、引
張破断伸び、引張永久伸び、圧縮永久歪み、および積層
構造体の剥離強度を次のようにして測定した。
ット)の製造:以下の実施例および比較例で用いている
材料のうち、パラフィン系オイル以外の重合体材料をド
ライブレンドし、これにパラフィン系オイルを添加して
含浸させて混合物をつくるか、またはパラフィン系オイ
ルを添加しないで混合物をつくり、その混合物を2軸押
出機(プラスチック工業研究所製「BT−30」)に供
給して、シリンダー温度220度、スクリュー回転数1
50rpmで溶融混練した後、ストランド状に押出し、
切断して熱可塑性エラストマー組成物を製造した。
(1)で製造した熱可塑性エラストマー組成物のペレッ
トを用いて、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製「IS
-80」;80トン射出成形機)を用いて、シリンダー温
度220℃および金型温度40℃の条件下に射出成形を
行って成形品(試験片)(寸法:縦×横×厚み=200
mm×200mm×2mm)を製造し、それにより得ら
れた成形品(試験片)を用いて、JIS−K6301
(A法)に準じて硬度を測定した。
および引張破断伸びの測定:上記の(1)で製造した熱
可塑性エラストマー組成物のペレット用いて、射出成形
機(日精樹脂工業株式会社製「IS-80」;80トン射出
成形機)を使用して、シリンダー温度220℃および金
型温度40℃の条件下に射出成形を行って3号ダンベル
試験片を成形し、そのダンベル試験片を用いて、オート
グラフ(株式会社島津製作所製)を使用して、JIS−
K6301に準じて、500mm/分の条件下に100
%モジュラス、引張破断強度および引張破断伸びを測定
した。
で製造した熱可塑性エラストマー組成物のペレット用い
て、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製「IS-80」;
80トン射出成形機)を使用して、シリンダー温度22
0℃および金型温度40℃の条件下に射出成形を行って
3号ダンベル試験片を成形し、そのダンベル試験片を用
いて、オートグラフ(株式会社島津製作所製)を使用し
て、100mm/分の条件下で伸張した。引張伸びが1
00%に到達した時点で伸張を止め、その状態のまま1
0分間保持した。その後、試験片を解放し、さらに10
分間放置した後、引張永久伸びを測定した。
で製造した熱可塑性エラストマー組成物のペレット用い
て、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製「IS-80」;
80トン射出成形機)を使用して、シリンダー温度22
0℃および金型温度40℃の条件下に射出成形を行っ
て、直径29.0mm、厚さ12.7mmの直円柱状の
成形品を作製し、JIS−K6301に準じて、温度7
0℃、圧縮変形量25%の条件下に22時間放置した後
の圧縮永久歪みを測定した。
/スチレン/ブタジエン系樹脂(宇部サイコン株式会社
製「サイコラックT」;ABS)、ポリカーボネート系
樹脂(帝人化成株式会社製「L−1250」;PC]、
またはポリアミド66系樹脂(旭化成工業株式会社製
「レオナ1300S」;PA66)を、射出成形機(日
精樹脂工業株式会社製「IS-80」;80トン射出成形
機)を使用して、シリンダー温度220℃および金型温
度40℃の条件下に射出成形を行って平板に成形した。
このものを平板用金型(寸法:縦×横×厚み=200m
m×200mm×4mm)内に配置しておき、そこに上
記(1)で製造した熱可塑性エラストマー組成物のペレ
ットを用いて、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製
「IS-80」;80トン射出成形機)を使用して、シリン
ダー温度220℃および金型温度40℃の条件下に射出
成形を行って、樹脂板の一方の表面に熱可塑性エラスト
マー組成物の層が積層した積層構造体(寸法:縦×横×
厚み=200mm×200mm×4mm)を製造した。
このようにして得られた積層構造体から剥離強度測定用
の試験片(寸法:縦×横×厚み=150mm×25mm
×4mm)を切り出し、それを用いてJIS−K685
4に記載の「180度剥離試験」に準じて剥離強度を測
定した。
合系ブロック共重合体(I)、変性ポリオレフィン系樹
脂(II)、ポリウレタンエラストマー(III)およびパ
ラフィン系オイル(IV)の内容は次のとおりである。
レ製「セプトン 4055」 付加重合系ブロック共重合体(I−2):株式会社クラ
レ製「セプトン 4044」 ○変性ポリオレフィン系樹脂(II) 変性ポリオレフィン系樹脂(II−1):日本合成ゴム株
式会社製「T7761P」(無水マレイン酸変性EP
R) 変性ポリオレフィン系樹脂(II−2):三井化学株式会
社製「ADMER QF500」(無水マレイン酸変性
PP) 変性ポリオレフィン系樹脂(II−3):三井化学株式会
社製「ADMER NF500」(無水マレイン酸変性
LLDPE) ○ポリウレタンエラストマー(III):株式会社クラレ
製「クラミロンU 8165」[ポリ(3−メチル−
1,5−ペンタンアジペート)をソフトセグメントとす
るポリエステル系ポリウレタンエラストマー] ○パラフィン系オイル(IV):出光興産株式会社製「P
W−380」
合体(I)、変性ポリオレフィン系樹脂(II)、ポリウ
レタンエラストマー(III)およびパラフィン系オイル
(IV)を下記の表1に示す割合で用いて、上記した方法
で熱可塑性エラストマー組成物のペレットをそれぞれ製
造した。このようにして得られたそれぞれのペレットを
用いて、上記した方法で成形品(試験片)および積層構
造体を製造した。その結果得られた成形品の硬度、10
0%モジュラス、引張破断強度、引張破断伸び、引張永
久伸び、圧縮永久歪み、および積層構造体の剥離強度を
上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すとお
りであった。
合体(I)、ポリウレタンエラストマー(III)、および
パラフィン系オイル(IV)を下記の表1に示す割合で用
いて、上記した方法で成形品(試験片)および積層構造
体を製造し、それにより得られた成形品の硬度、100
%モジュラス、引張破断強度、引張破断伸び、引張永久
伸び、圧縮永久歪み、および積層構造体の剥離強度を上
記した方法で測定したところ、下記の表1に示すとおり
であった。
系ブロック共重合体(I)100重量部に対して、変性
ポリオレフィン系樹脂(II)を2〜100重量部、ポリ
ウレタンエラストマー(III)を10〜250重量部、
およびパラフィン系オイル(IV)を10〜250重量部
の範囲内の量で含有する実施例1〜8の熱可塑性エラス
トマー組成物は、極性樹脂に対する接着性に優れている
うえに、圧縮永久歪み等の力学物性に優れていることが
わかる。
は、極性樹脂に対する接着性に優れ、かつ良好なゴム的
特性、耐油性、成形加工性を有していることから、単独
で成形加工し、あるいは共押出しや複層成形により成形
加工することにより、自動車内装品、家電部品、スポー
ツ用品、雑貨品、および文房具をはじめとする種々の成
形品やその他の広範な用途に極めて有効に使用すること
ができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 芳香族ビニル化合物から主としてなる重
合体ブロック(A)と、共役ジエン化合物から主として
なる重合体ブロック(B)を有するブロック共重合体お
よびその水素添加物から選ばれる少なくとも1種の付加
重合系ブロック共重合体(I)100重量部に対して、
変性ポリオレフィン系樹脂(II)を2〜100重量部、
ポリウレタンエラストマー(III)を10〜250重量
部、およびパラフィン系オイル(IV)を10〜250重
量部の割合で含有することを特徴とする熱可塑性エラス
トマー組成物。 - 【請求項2】 変性ポリオレフィン系樹脂(II)を構成
するオレフィン単位が、エチレン、プロピレンおよびα
−オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上の化合物
である請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。 - 【請求項3】 変性ポリオレフィン系樹脂(II)が、無
水カルボン酸、エポキシ基、および水酸基から選ばれる
少なくとも1種の官能基により変性されている請求項1
または2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。 - 【請求項4】 ポリウレタンエラストマー(III)が、
分子量2000以上のポリ(3−メチル−1,5−ペン
タンアジペート)ジオールを構成成分として含有し、か
つJIS硬度が55〜90である請求項1〜3のいずれ
か1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10341056A JP2000143934A (ja) | 1998-11-13 | 1998-11-13 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
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---|---|---|---|
JP10341056A JP2000143934A (ja) | 1998-11-13 | 1998-11-13 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000143934A true JP2000143934A (ja) | 2000-05-26 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10341056A Pending JP2000143934A (ja) | 1998-11-13 | 1998-11-13 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000143934A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001247761A (ja) * | 2000-03-06 | 2001-09-11 | Asahi Kasei Corp | ウレタンの組成物 |
JP2001247760A (ja) * | 2000-03-06 | 2001-09-11 | Asahi Kasei Corp | ウレタン組成物 |
JP2001247762A (ja) * | 2000-03-06 | 2001-09-11 | Asahi Kasei Corp | ウレタンエラストマーの組成物 |
JP2009091385A (ja) * | 2007-10-03 | 2009-04-30 | Aron Kasei Co Ltd | 熱可塑性樹脂配合物、および複合材料、および複合材料の製造方法 |
-
1998
- 1998-11-13 JP JP10341056A patent/JP2000143934A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2001247761A (ja) * | 2000-03-06 | 2001-09-11 | Asahi Kasei Corp | ウレタンの組成物 |
JP2001247760A (ja) * | 2000-03-06 | 2001-09-11 | Asahi Kasei Corp | ウレタン組成物 |
JP2001247762A (ja) * | 2000-03-06 | 2001-09-11 | Asahi Kasei Corp | ウレタンエラストマーの組成物 |
JP2009091385A (ja) * | 2007-10-03 | 2009-04-30 | Aron Kasei Co Ltd | 熱可塑性樹脂配合物、および複合材料、および複合材料の製造方法 |
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