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JP2000133594A - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

半導体装置の作製方法

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Publication number
JP2000133594A
JP2000133594A JP11230057A JP23005799A JP2000133594A JP 2000133594 A JP2000133594 A JP 2000133594A JP 11230057 A JP11230057 A JP 11230057A JP 23005799 A JP23005799 A JP 23005799A JP 2000133594 A JP2000133594 A JP 2000133594A
Authority
JP
Japan
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film
semiconductor film
manufacturing
group
crystalline semiconductor
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP11230057A
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English (en)
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Inventor
Shunpei Yamazaki
舜平 山崎
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Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
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Publication date
Application filed by Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd filed Critical Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority to JP11230057A priority Critical patent/JP2000133594A/ja
Publication of JP2000133594A publication Critical patent/JP2000133594A/ja
Publication of JP2000133594A5 publication Critical patent/JP2000133594A5/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶性半導体膜から触媒元素を効率よく除去
する。 【解決手段】 非晶質シリコン膜、微結晶シリコン膜等
でなる低級結晶性半導体膜12に接してNi膜13を形
成する。低級結晶性半導体薄膜12を450〜650℃
で加熱してNiを拡散させた結晶性半導体薄膜14を形
成する。再び500〜1100℃で加熱して半導体膜1
4に残存した非晶質成分を結晶化し、結晶性を高めた結
晶性半導体膜15を形成する。次に、結晶性半導体膜1
5にレーザ光又は強光を照射して、半導体膜15中でシ
リサイド状態で局在しているNiを拡散しやすい状態す
る。次に、結晶性半導体膜15に触媒元素を選択的に添
加して、15族添加領域15aを形成する。次に500
〜850℃で加熱して、被ゲッタリング領域15bに残
存した触媒元素を15族元素添加領域15a吸い取らせ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶性半導体薄膜
を用いて半導体装置を作製する方法に関する。なお、本
発明の半導体装置は薄膜トランジスタやMOSトランジ
スタなどの半導体素子だけでなく、これら絶縁ゲート型
半導体素子で構成された半導体回路を有する電子機器
や、アクティブマトリクス基板でなる電気光学表示装置
(代表的には、液晶表示装置)を備えたパーソナルコン
ピュータやデジタルカメラ等の電子機器をもその範疇と
する。
【0002】
【従来の技術】現在、半導体膜を用いた半導体素子とし
て、薄膜トランジスタ(TFT)が知られている。TF
Tは各種集積回路に利用されているが、特にアクティブ
マトリクス型液晶表示装置の画素部のスイッチング素子
として利用されている。更に、近年TFTの高移動度化
が進められており、画素部を駆動するドライバ回路の素
子としてもTFTが利用されている。ドライバ回路に利
用するには、半導体層としては、非晶質シリコン膜より
も移動度の高い、結晶性シリコン膜を用いることが必要
なる。この結晶性シリコン膜は多結晶シリコン、ポリシ
リコン、微結晶シリコン等と呼ばれている。
【0003】従来、多結晶シリコン膜を形成するには、
多結晶シリコン膜を直接成膜する方法と、非晶質シリコ
ンをCVD法で成膜し、600〜1100℃の温度で2
0〜48時間加熱処理して、多結晶シリコンを結晶化す
る方法が知られている。後者の方法で形成した非晶質シ
リコン膜のほうが結晶粒が大きく、作製した半導体素子
の特性も良好である。
【0004】後者の方法でガラス基板上に結晶性シリコ
ン膜を形成する場合には、結晶化のプロセス温度の上限
が600℃程度になり、結晶化工程に長時間要すること
になる。また600℃という温度はシリコンを結晶化す
る最低の温度に近く、500℃以下になると、工業的に
採算があう短い時間で結晶化させることは不可能であ
る。
【0005】結晶化時間を短縮するには、高い歪点を有
する石英基板を用いて、結晶化温度を1000℃程度に
上昇すればよいが、石英基板はガラス基板に比較して非
常に高価であり、大面積化は困難である。例えば、アク
ティブ型の液晶表示装置に広く用いられるコーニング7
059ガラスはガラス歪点が593℃であり、600℃
以上の温度で数時間の加熱では基板の縮みや撓みが発生
してしまう。このため、コーニング7059ガラスのよ
うなガラス基板が利用できるように、結晶化プロセスの
低温化及び時短化が要求されている。
【0006】エキシマレーザーによる結晶化技術はプロ
セスの低温化、時短化を可能にした技術の1つである。
エキシマレーザー光は基板に熱的な影響を殆ど与えず
に、1000℃前後の熱アニールに匹敵するエネルギー
を短時間で半導体膜に与えることができ、また高い結晶
性の半導体膜を形成することができる。しかしながら、
エキシマレーザーは照射面のエネルギー分布がばらつい
ているので、得られた結晶化半導体膜の結晶性もばらつ
いてしまい、TFTごとの素子特性もばらつきが見られ
た。
【0007】そこで、本出願人は、加熱処理を用いつ
つ、結晶化温度を低温化した技術を特開平6−2320
59号公報、特開平7−321339号公報等に開示し
ている。上記公報の技術は、非晶質シリコン膜に微量の
触媒元素を導入し、しかる後に加熱処理を行うことによ
り結晶化シリコン膜を得るものである。結晶化を助長す
る触媒元素としては、シリコンに対して侵入型となる元
素である、Ni、Fe、Co、Ru、Rh、Pd、O
s、Ir、Pt、Cu、Au、Geから選ばれた元素を
用いる。
【0008】上記公報の結晶化では、加熱処理により、
非晶質シリコン膜内に触媒元素が拡散し、非晶質シリコ
ンの結晶化が進行する。よって、上記公報の結晶化技術
を用いることにより、450〜600℃、4〜12時間
の加熱処理で結晶性シリコンを形成することが可能であ
り、ガラス基板を使用することを可能にした。
【0009】しかしながら、上記公報の結晶化では、触
媒元素が結晶性シリコン膜に残存しているという問題点
を有する。このような触媒元素はシリコン膜の半導体特
性を損なうものであり、作製する素子の安定性、信頼性
が損われてしまう。
【0010】そこで、この問題点を解消するため、本出
願人は結晶性シリコン膜から触媒元素を除去する(ゲッ
タリングする)方法を検討した。第1の方法は、塩素な
どハロゲン元素を含有する雰囲気で加熱処理する方法で
ある。この方法では、膜内の触媒元素がハロゲン化物と
して気化される。
【0011】第2の方法は、リンを結晶性シリコン膜に
選択的に添加して加熱処理を行う方法である。加熱処理
を行うことにより、触媒元素がリン添加領域へと拡散
し、この領域に捕獲される
【0012】しかしながら、第1の方法では、ゲッタリ
ングの効果を得るには熱処理温度が800℃以上にする
必要があり、ガラス基板が使用できない。他方、第2の
方法は加熱温度が600℃以下とすることができるが、
処理時間が十数時間要するという欠点を有する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記第2の
方法の触媒元素除去技術を用いるにあたって、触媒元素
の除去工程を効率良く行う方法を提供することを目的と
する。
【0014】更に、本発明はプロセス温度を600℃以
下とし、ガラス基板上に高性能の半導体素子を形成する
ことを可能にすることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】触媒元素の除去に時間を
要するのは、結晶化が終了した時点で結晶性シリコン膜
内の触媒元素が原子状態で存在しているのではなく、殆
どがシリコンと結合した状態で存在しているためである
と、考えられる。触媒元素を結晶性シリコン膜から除去
するには、この結合を切る必要がある。例えば、ニッケ
ルを触媒元素として用いた場合にはニッケルシリサイド
として存在していると考えられる。
【0016】このことを確認するために、ニッケルを用
いて結晶化したシリコン膜をFPM(50%HFと50
%H2 2 を1:1で混合したエッチャント)で30秒
程度エッチングした。FPMはニッケルシリサイドを短
時間で除去するので、エッチングによる穴の有無によっ
てニッケルシリサイドの存在が確認できる。
【0017】結晶化されたシリコン膜にはFPM処理に
よって不規則に穴が発生していた。このことは後述する
が、結晶化された領域にはニッケルが局在し、この局在
している部分でシリコンと結合してシリサイドが形成さ
れていることを示している。
【0018】そこで、本発明では、結晶化された半導体
膜にレーザー光や赤外光を照射して、触媒元素と半導体
との結合を断ち、触媒元素を原子状態に分散させること
を主要な構成とする。この構成によって、触媒元素が半
導体膜内を拡散しやすい状態となるため、触媒元素の除
去工程の低温化、時短化が図れる。
【0019】上述の課題を解決するための本発明は、低
級結晶性半導体膜に触媒元素を導入する導入工程と、前
記低級結晶性半導体膜を加熱処理する第1の加熱処理工
程と、前記加熱処理をした半導体を加熱処理する第2の
加熱処理工程と、前記第2の加熱処理後の半導体膜を加
熱処理して、膜内の触媒元素を除去する触媒元素の除去
(ゲッタリング)工程と、触媒元素除去工程以前に、第
2の加熱処理後の半導体膜にレーザー又は強光を照射す
る光アニール工程と、を主要な構成とすることを特徴と
する。
【0020】上記導入工程において、低級結晶性半導体
膜は結晶性のない非結晶性半導体膜、又は結晶性を有す
るが100nm以上のオーダーの結晶粒が殆どない半導
体薄膜であって、具体的には非晶質半導体膜、微結晶半
導体膜を指す。微結晶半導体膜は、数nm〜数十nmの
大きさの結晶粒を含む微結晶と非晶質とが混相状態の半
導体膜である。
【0021】より具体的には、低級結晶性半導体膜は非
晶質シリコン膜、微結晶シリコン膜、非晶質ゲルマニウ
ム膜、微結晶ゲルマニウム膜、非晶質Si1 Ge
1-x (0<x<1)であり、これらの半導体膜はプラズ
マCVD法、減圧CVD法等の化学的気相法で成膜され
る。
【0022】触媒元素とは半導体、特にシリコンの結晶
化を助長する機能を有する元素であり、シリコンに対し
て侵入型の金属元素である、Ni、Fe、Co、Ru、
Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Au、Geから
選ばれた1種又は複数種の元素を用いることができる。
【0023】上記触媒元素を導入する方法は、触媒元素
を低級結晶性半導体膜に添加する方法、触媒元素を含有
する膜を低級結晶性半導体膜の上面又は下面に接して形
成する。
【0024】前者の方法では、低級結晶性半導体膜を成
膜後、イオン注入法、プラズマドーピング法等によっ
て、触媒元素を低級質半導体膜に添加する方法を用いる
ことができる。
【0025】後者の方法において、触媒元素含有する膜
を形成するには、CVD法やスパッタリング法などの堆
積法や、スピナーを用いて触媒元素を含む溶液を塗布す
る塗布法が挙げられる。また、触媒元素含有する膜の形
成と、低級結晶性半導体膜の形成はどちらが先でも良
く、低級結晶性半導体膜を先に成膜すれば、触媒元素を
含有する膜は半導体膜上面に密接して形成され、形成順
序を逆にすれば、触媒元素を含有する膜は半導体膜下面
に密接して形成されることになる。なお本発明で密接す
るとは、半導体膜と触媒元素が文字通り密接するだけで
なく、半導体膜内に触媒元素が拡散できれば、膜の間に
10nm程度の厚さの酸化膜、自然酸化膜等が存在して
いる構成も含む。
【0026】例えば、導入工程で、触媒元素としてNi
を用いた場合には、堆積法でNi膜やNiシリサイド膜
を成膜すればよい。
【0027】また、塗布法を用いる場合には、臭化ニッ
ケルや、酢酸ニッケル、蓚酸ニッケル、炭酸ニッケル、
塩化ニッケル、沃化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッ
ケル等のニッケル塩を溶質とし、水、アルコール、酸、
アンモニアを溶媒とする溶液、又はニッケル元素を溶質
とし、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、ク
ロロホルム、エーテルから選ばれた溶媒とする溶液を用
いることができる。あるいは、ニッケルが完全に溶解し
ていなくとも、ニッケルが媒質中に分散したエマルジョ
ンの如き材料を用いてもよい。
【0028】または酸化膜形成用の溶液にニッケル単体
あるいはニッケルの化合物を分散させ、ニッケルを含有
した酸化膜を形成する方法でもよい。このような溶液と
しては、東京応化工業株式会社のOCD(Ohka Diffusio
n Source)を用いることができる。このOCD溶液を用
いれば、被形成面上に塗布し、200℃程度で焼成する
ことで、簡単に酸化シリコン膜を形成できる。他の触媒
元素についても同様である。
【0029】触媒元素の導入方法としては、ドーピング
法やNi膜をスパッタ法で成膜する方法よりも、塗布法
が最も容易に低級結晶性半導体膜中の触媒元素濃度を調
節することができ、また工程も簡単化される。
【0030】また、上記第1の加熱処理工程は低級結晶
性半導体膜内に触媒元素を拡散させるための工程であ
る。触媒元素を導入した低級結晶性半導体膜を加熱処理
すると、触媒元素が直ちに半導体膜内に侵入し、拡散す
る。そして触媒元素は拡散しつつ、非晶質状態にある分
子鎖に触媒的な作用を及ぼし、低級結晶性半導体膜を結
晶化させる。
【0031】この触媒作用に関しては、本出願人によ
り、特開平06−244103号公報、特開平06−2
44104号公報等で開示している。触媒元素はシリコ
ンに対して侵入型の原子であるため、触媒元素と接して
いるシリコンは触媒元素と結合し、シリサイドが形成さ
れる。そして、シリサイドと非晶質状態のシリコン結合
が反応して、結晶化進行することが分かった。これは、
触媒元素とシリコンの原子間距離が単結晶シリコンの原
子間距離に非常に近いためであり、Ni−Si間距離が
単結晶Si−Si間距離と最も近く、0.6%ほど短
い。
【0032】Niを触媒元素に用いて非晶質シリコン膜
を結晶化させる反応をモデル化すると、 Si[a]−Ni(シリサイド)+Si[b]−Si[c](非晶質) →Si[a]−Si[b](結晶性)+Ni−Si[c](シリサイド) という反応式で表すことができる。
【0033】なお、上記の反応式において、[a]、
[b]、[c]という指標はSi原子位置を表してい
る。
【0034】上記の反応式は、シリサイド中のNi原子
が非晶部分のシリコンのSi[b]原子と置換するため
に、Si[a]−Si[b]間距離が単結晶とほぼ同じ
になることを示している。また、Niが低級結晶性半導
体膜内を拡散しつつ、結晶成長させていることを示して
いる。また、結晶化反応が終了した時点で、NiはSi
と結合した状態で、拡散の終端(又は、結晶成長の先
端)に局在していることを示している。つまりNiSi
x で表されるシリサイド状態で結晶化後の膜内に不規則
に分布していることとなる。このシリサイドの存在は上
述したように、結晶化後の膜をFPM処理することで、
穴として確認できる。
【0035】なお、この結晶化反応を進行させるための
エネルギーを与えるには、加熱炉において450℃以上
で加熱すればよいことが分かっている。また、加熱温度
の上限は650℃とする。これは、触媒元素と反応しな
い部分で、非晶質半導体膜の結晶化が進行しないように
するためである。触媒元素と反応しない部分で結晶化し
てしまうと、触媒元素がその部分に拡散できないので結
晶粒を大きくすることができず、また粒径もばらついて
しまう。
【0036】上記の第2の加熱工程は、触媒元素によっ
て結晶化させた結晶性半導体膜を膜の結晶性を向上、改
善することを目的とする。
【0037】第1の加熱処理で形成された結晶性半導体
膜には結晶粒内に欠陥があり、また非晶質部分が残存し
ている。そこで、本発明では、非晶質部分を結晶化し、
また粒内の欠陥を消滅させるために、再び加熱処理を行
う。この加熱温度は第1の加熱処理よりも高く、具体的
には500〜1100℃とする、より好ましくは600
〜1100℃とする。なお、実際の温度の上限は基板の
耐熱温度で決定されることはいうまでもない。
【0038】なお、この工程で、加熱処理の代わりにエ
キシマレーザー光を照射することもできる。しかしなが
ら、上述したようにエキシマレーザーには、不可避的な
照射エネルギーばらつきがあるため、非晶質部分の結晶
化にばらつきが生じてしまうおそれがある。特に、この
状態では、膜ごとに非晶質部分の分布にばらつきがある
ため、1つの半導体装置で素子間の特性がばらついてし
まうだけでなく、半導体装置間の特性のばらつきが生ず
るおそれがある。
【0039】そのため、結晶化工程後は、エキシマレー
ザー光を照射する前に、必ず加熱処理を施して、非晶質
部分を結晶化させ、また欠陥を減少させることが望まれ
る。従って、次の光アニール工程でエキシマレーザーを
使用する場合には、結晶性改善するための処理を加熱処
理で行うことが重要になる。
【0040】また、加熱炉内での加熱処理と同等な加熱
方法として、波長0.6〜4μm、より好ましくは0.
8〜1.4μmにピークをもつ赤外光を数十〜数百秒照
射するRTA法が知られている。赤外光に対する吸収係
数が高いため、赤外光の照射によって半導体膜は800
〜1100℃に短時間で加熱される。しかし、RTA法
はエキシマレーザー光よりも照射時間が長いため、基板
に熱が吸収されて易く、ガラス基板を用いる場合には反
りの発生に注意が必要である。
【0041】本発明では、結晶化された半導体膜内に局
在する触媒元素を除去(ゲッタリング)することを目的
とする。本発明では、触媒元素をゲッタリングするため
に15族元素を用いる。ここで、15族元素はP、A
s、N、Sb、Biである。ゲッタリング能力の最も高
いのはPであり、次いでSbである。
【0042】本発明において触媒を除去する方法は、結
晶性半導体膜に15族元素を選択的添加して15族元素
を含有する領域(膜)を形成し、加熱処理することで1
5族元素を含有する領域に触媒元素を吸い取らせる方
法、結晶性半導体膜に接して15族元素を含有する膜を
形成し、加熱処理することで15族元素を含有する方法
が挙げられる。
【0043】前者の方法において、結晶性半導体膜に1
5族元素を含有する領域を形成するには、低級結晶性半
導体膜に触媒元素を導入する方法と同様に、プラズマド
ーピング法やイオン注入法等の気相法が挙げられる。
【0044】また後者の方法において、15族元素を含
有する膜はCVD法やスパッタ法等の堆積法又は塗布法
で15族元素を含有するシリコン膜や酸化シリコン膜を
用いることができる。代表的には、NI接合を形成する
ためのPを含有した微結晶シリコン膜や、PSG膜が挙
げられる。
【0045】また、15族元素を添加して領域や15族
元素を含有する膜内の15族元素濃度は、半導体膜内に
残存する触媒元素濃度の10倍とする。本発明の結晶化
方法では、1018〜1020atoms/cm3 オーダーで触媒元
素が残存するため、15族元素濃度は1×1019〜1×
1021atoms/cm3 とする。
【0046】触媒元素を除去する(ゲッタリングさせ
る)には、加熱処理を行う。加熱処理によって、触媒元
素は15族元素を添加した領域又は15族元素を含有す
る膜へ拡散して、そこで15族元素と結合して不活性化
される。よって、この触媒除去工程は15族元素を添加
した領域又は15族元素を含有する膜に触媒元素を吸い
取らせる(ゲッタリングさせる)という工程と見ること
ができる。
【0047】また、触媒元素を吸い取らせる領域又は膜
には15族元素だけでなく、13族元素をも添加するこ
とにより、15族元素のみよりも高い除去効果が得られ
ることが判明している。この場合には、13族元素濃度
は15族元素濃度の1.3〜2倍とする。13族元素と
はB、Al、Ga、In、Tiである。
【0048】本発明の触媒除去工程によって、触媒元素
濃度が5×1017atoms/cm3 以下(好ましくは2×10
17atoms/cm3 以下)にまで低減された結晶性半導体領域
が得られる。
【0049】なお、現状ではSIMS(質量二次イオン
分析)による検出下限が2×1017atoms/cm3 程度であ
るため、それ以下の濃度を調べることはできない。しか
しながら、本明細書に示す除去工程を行うことで、少な
くとも1×1014〜1×10 15atoms/cm3 程度にまで、
触媒元素は低減されるものと推定される。
【0050】また本発明では、触媒除去工程を低温化、
時短化するために、この加熱処理以前に、結晶性半導体
膜にレーザー光又は強光を照射する。この光照射(光ア
ニール)によって、結晶性半導体膜に局在している触媒
元素を拡散しやすい状態する。
【0051】上述したように、触媒元素はNiSix
如く、半導体分子と結合した状態で、半導体膜内に分布
しているが、光アニールのエネルギーにより、Ni−S
i結合が断たれて、触媒元素は原子状態にされる、ある
いはNi−Si結合エネルギーが低下されるため、残存
している触媒元素は結晶性半導体膜内を拡散しやすい状
態となる。
【0052】本発明の光アニールによって、触媒元素を
拡散させるために必要なエネルギーが下げることができ
るため、500℃以上で加熱することで、触媒元素を拡
散することができ、また、処理時間を短くすることもで
きる。更に、触媒元素を吸い取らせる領域又は膜の面積
を小さくできる効果も期待でき、素子形成可能な領域を
拡大できる。なお、触媒除去工程の加熱温度の上限は触
媒元素を吸い取らせる領域又は膜内の15族元素が移動
しない温度であり、850℃程度である。
【0053】また光アニール工程において、光を照射す
る部分は半導体膜のうち、半導体素子を構成する半導体
層となる部分に照射すればよく、少なくともこの半導体
層の空乏層が形成される領域(チャネル形成領域)を含
むようにする。
【0054】光アニールに使用する光源は、400nm
以下の波長を有するエキシマレーザーを用いることがで
きる。例えばKrFエキシマレーザー(波長248n
m)、XeClエキシマレーザー(波長308nm)、
XeFエキシマレーザー(波長351、353nm)、
ArFエキシマレーザー(波長193nm)などを用い
ることができる。波長483nmのXeFエキシマレー
ザーや紫外線ランプを用いることができる。またはキセ
ノンランプやアークランプなどの赤外線ランプなどを用
いることができる。パルス発振方式のエキシマレーザー
光を用いることができる。
【発明の実施の形態】 図1〜図3を用いて本発明の実
施の形態を説明する。
【0055】[実施形態1] 図1を用いて、本実施形
態を説明する。
【0056】図1(A)に示すように、基板10用意
し、基板10表面に下地膜11を形成する。基板10に
はガラス基板、石英基板、セラミック基板等の絶縁性基
板、単結晶シリコン基板、更にステンレス基板、Cu基
板、Ta、W、Mo、Ti、Cr等の高融点金属材料又
はこれら合金系(例えば、窒素系合金)からなる基板等
の導電性基板を用いることができる。
【0057】下地膜11は、半導体装置内に基板から不
純物が拡散するのを防ぐ機能、基板10上に形成される
半導体膜や金属膜の密着性を高め、剥離を防止する機能
を有する。下地膜11には、CVD法などで成膜した酸
化シリコン膜や、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜
等の無機絶縁膜が使用できる。例えば、シリコン基板を
使用した場合には、熱酸化によってその表面を酸化して
下地膜を形成することができる。また、石英基板やステ
ンレス基板などの耐熱性基板を用いた場合には、非晶質
シリコン膜を成膜し、このシリコン膜を熱酸化してもよ
い。
【0058】更に、下地膜11として、タングステン、
クロム、タンタル等の高融点金属の被膜や、窒化アルミ
ニウム膜等の高い伝導度を有する被膜を下層に、上記の
無機絶縁膜を上層に積層した積層膜を用いてもよい。こ
の場合には、半導体装置で発生した熱が下地膜11の下
層の被膜から放射されるため、半導体装置の動作が安定
できる。
【0059】下地膜11上に、プラズマCVD、減圧C
VD法、熱CVD等の気相法で低級結晶性半導体薄膜1
2を成膜する。ここでは、減圧CVD法で非晶質シリコ
ン膜を10〜150nmの厚さに成膜する。プラズマC
VD法は減圧CVD法よりも生産性に優れるが、減圧C
VD法は成膜に時間が掛かるが、プラズマCVD法より
も緻密な膜ができるという利点がある。(図1(A))
【0060】次に、低級結晶性半導体膜12に触媒元素
を導入する。ここでは、低級結晶性半導体膜12表面に
触媒元素を含有する膜13を形成する方法を用いる。例
えば、スピナーにおいて、Ni酢酸塩溶液を塗布し、こ
の状態を数分間保持する。スピナーを用いて乾燥するこ
とによって、膜13としてNi膜が形成される。溶液の
ニッケルの濃度は、1ppm以上好ましくは10ppm
以上であれば実用になる。(図1(B))
【0061】そして、加熱炉において、触媒元素が導入
された低級結晶性半導体膜12を熱処理し、結晶性半導
体薄膜14を形成する。熱処理条件は、窒素雰囲気は窒
素等の不活性雰囲気とし、温度450℃〜650℃、時
間4〜12時間とする。本実施形態においては、低級結
晶性半導体膜表面全体にニッケル元素が接するため、ニ
ッケルの拡散方向膜は低級結晶性半導体膜表面から下地
膜方向、即ち基板表面にほぼ垂直な方向に拡散し、結晶
化が進行する。(図1(C))
【0062】加熱処理により結晶性を有する半導体膜1
4を形成したら、500〜1100℃で加熱処理をし
て、半導体膜14に残存した非晶質成分を結晶化し、ま
た結晶粒内の欠陥を減少させて、結晶性を向上させて、
結晶性を高めた結晶性半導体膜15を形成する。
【0063】次に、結晶性半導体膜15にレーザー光又
は強光を照射して、半導体膜15中でシリサイド状態で
局在しているニッケルを拡散しやすい状態にする。(図
1(D))
【0064】次に、結晶性半導体膜15に選択的に15
族元素を選択的に添加する。まず半導体膜15上にマス
ク絶縁膜16を形成する。マスク絶縁膜16としては、
レジスト、酸化シリコンなどが使用できる。ここでは1
00nmの厚さの酸化シリコン膜を成膜し、パターニン
グしてマスク絶縁膜16を形成する。そして、プラズマ
ドーピング法、塗布法などによって、選択的に15族元
素を添加して、半導体膜15に15族添加領域15aを
形成する。15族元素が添加されなかった領域15bを
便宜上、被ゲッタリング領域と呼ぶ。(図1(E))
【0065】領域15aの15族元素濃度は被ゲッタリ
ング領域15bの触媒元素濃度の10倍とする。本実施
例形態の方法では領域15bには1019〜1020atoms/
cm3オーダーで触媒元素が残存するため、領域15aの
15族元素の濃度は1×10 20〜1×1021atoms/cm3
とする。
【0066】次に、500℃〜850℃で加熱すること
により、被ゲッタリング領域15bに残存した触媒元素
が15族元素添加領域15aへ拡散して、そこでに吸い
取られる。この加熱処理により、領域15bの触媒元素
(Ni)濃度は2×1017atoms/cm3 以下に低下され
る。(図1(F))
【0067】そして、触媒除去工程後に、領域15bを
島状にパターニングして、島状半導体層17を形成す
る。半導体層17を用いてTFT等の半導体素子を作製
すればよい。(図1(G))
【0068】本発明では、触媒除去工程前に、被ゲッタ
リング領域15bを光アニールしたため、除去工程に要
する時間を短縮することができ、また、15族元素領域
15aの面積を縮小でき、素子形成可能な領域(ここで
は被ゲッタリング領域15bに相当)を拡大することが
できる。
【0069】[実施形態2] 図2を用いて、本実施形
態を説明する。本実施形態は、実施形態1の触媒導入方
法を変形したものである。また、半導体層形成以降のゲ
ート絶縁膜の形成方法を示す。後は、実施形態1と同様
である。
【0070】本実施形態では、熱酸化工程があるため、
基板20は上述した基板の中で、石英基板や、タングス
テン等の高融点金属基板基板を用意し、基板20表面上
に下地膜21を形成する。
【0071】次に、低級結晶性半導体膜22として、減
圧CVD法により非晶質シリコン膜を形成する。非晶質
シリコン膜の膜厚は20〜100nm(好ましくは40
〜75nm)とする。ここでは成膜膜厚を65nmとす
る。なお、減圧CVD法で形成した非晶質シリコン膜と
同等の膜質が得られるのであればプラズマCVD法を用
いても良い。
【0072】次に、非晶質シリコン膜でなる低級結晶性
半導体膜22上にマスク絶縁膜23を形成する。マスク
絶縁膜23にはパターニングによって開口部23aを設
けておく。この開口部23aが触媒元素の添加領域を規
定する。マスク絶縁膜23としてはレジストや、酸化シ
リコン膜を用いることができる。ここでは120nm厚
の酸化シリコン膜で形成する。
【0073】次に重量換算で5〜10ppm のニッケルを
含むニッケル酢酸塩をエタノールに溶かした溶液をスピ
ンコート法により塗布し、乾燥させて、触媒元素を含有
する膜24としてNi膜をマスク絶縁膜23上に形成す
る。この状態で、ニッケルはマスク絶縁膜23に設けら
れた開口部23aにおいて低級結晶性半導体膜22と接
した状態となる。(図2(A))
【0074】次に、熱炉内で450℃、1時間程度の水
素出しの後、触媒元素を含有する膜24から低級結晶性
半導体膜22に触媒元素を拡散させるため、加熱炉内
で、不活性雰囲気、水素雰囲気または酸素雰囲気におい
て、温度450〜650℃、加熱時間4〜24時間の加
熱処理を行う。加熱によって、矢印で模式的に示すよう
に触媒元素が低級結晶性半導体膜22内を拡散しつつ、
結晶化させる。ここでは570℃、8時間の加熱処理を
行い、触媒元素が拡散された結晶性半導体膜25を形成
する。(図2(B))
【0075】この触媒拡散工程では、触媒を添加した領
域22aで反応したニッケルシリサイドから優先的に進
行し、基板20の基板面に対してほぼ平行に成長した結
晶領域(横成長領域とよぶ)25bが形成される。横成
長領域25bは比較的揃った状態で個々の結晶粒が集合
しているため、全体的な結晶性に優れるという利点があ
る。なお、領域25aは触媒元素が導入された領域であ
って、結晶化されるが触媒元素が高濃度に残存するた
め、素子には不適である。また非結晶化領域25cは触
媒元素が拡散しなかった領域であり、結晶化が進行しな
っかった領域である。よって、横成長領域25bだけが
高性能の素子を形成するのに適している。
【0076】触媒元素の拡散工程が終了したら、マスク
絶縁膜23を除去し、加熱炉内において500〜110
0℃で加熱処理して、結晶性を向上させた結晶性半導体
膜26を形成する。(図2(C))
【0077】TEM(透過型電子顕微鏡法)観察による
と、結晶性半導体膜において横成長領域26bの結晶粒
は棒状または偏平棒状であり、これらの結晶粒の方位が
殆ど揃っている。これら結晶粒の殆ど全てが概略{11
0}配向であり、<100>軸、<111>軸の方向は
各結晶粒同士で同じであり、<110>軸が結晶粒間で
2°ほど僅かに揺らいでいる。このように、横成長領域
26bでは結晶軸の方位が揃っているために、結晶粒界
での原子の結合がスムーズになり、未結合手がわずかに
なる。
【0078】他方、従来の多結晶シリコンは結晶粒ごと
に、結晶軸の方向は不規則であるため、粒界において結
合できない原子が多数存在する。この点で、本実施形態
の横成長領域26bと従来の多結晶シリコン膜の結晶構
造は全く異なっている。横成長領域26bは結晶粒界に
おいて、殆どの原子の接合がとぎれることがなく、二つ
の結晶粒が極めて整合性よく接合しているため、結晶粒
界において結晶格子が連続的に連なり、結晶欠陥等に起
因するトラップ準位を非常に作りにくい構成となってい
る。
【0079】次に、レーザー光又は強光を照射して、横
成長領域26bに残存した触媒元素、ここではNiSi
x という結合状態で局在しているニッケルを拡散しやす
い状態にする。
【0080】次に、実施形態1と同様に、酸化シリコン
膜でなるマスク絶縁膜27を形成する。横成長領域26
bが被ゲッタリング領域26dに含まれるようする。そ
して、15族元素としてP(リン)を添加し、15族元
素添加領域26cを形成する。横成長領域26bに残存
するニッケル濃度は、実施形態1の場合の1/10程
度、即ち1018〜1019atoms/cm3 となるため、領域2
6cのリンの濃度は1×1019〜1×1020atoms/cm3
とする。
【0081】なお、15族元素は領域26c膜を通過し
て下地膜21、基板20にも添加されるため、下地膜2
1または基板22中の特定の領域のみに高濃度の15族
元素が含まれる。しかし、このような15族元素がTF
T特性に悪影響を与えることはない。
【0082】そして、添加領域26cを形成した後、5
00〜850℃で2〜24時間の加熱処理を行い、被ゲッ
タリング領域26d中の触媒元素を15族元素添加領域
26cへと拡散させて、領域26cに吸い取らせる(拡
散方向は矢印で示す)。こうして触媒が5×1017atom
s/cm3 以下、1×1014〜1×1015atoms/cm3 に低減
された横成長領域が得られる。(図2(D))
【0083】触媒元素除去工程が終了したら、マスク絶
縁膜23を除去した後、被ゲッタリング領域26dのみ
を利用して、島状の半導体層28を形成する。
【0084】次に、プラズマCVD法または減圧CVD
法により酸化シリコンや窒化シリコン、半導体層28を
覆って、窒化酸化シリコンでなる絶縁膜30を形成す
る。この絶縁膜30はゲート絶縁膜を構成するものであ
り、その膜厚は50〜150nmとする。(図2
(E))
【0085】そして、絶縁膜30を形成した後、加熱炉
において、酸化性雰囲気、800〜1100℃(好まし
くは950〜1050℃)で加熱処理を行い、半導体層
28と絶縁膜30の界面に熱酸化膜31を形成する。
【0086】なお、酸化性雰囲気はドライO2 雰囲気、
ウェットO2 雰囲気又はハロゲン元素(代表的には塩化
水素)を含む雰囲気とすれば良い。ハロゲン元素を含ま
せた場合、半導体層上の絶縁膜が薄ければハロゲン元素
によるニッケルのゲッタリング効果も期待できる。
【0087】また、熱酸化工程の温度と時間は熱酸化膜
の膜厚やスループットを鑑みて最適な条件を決定すれば
良い。ここでは、加熱炉において、ドライ酸素雰囲気、
950℃、30分の加熱処理して、50nmの熱酸化膜
31を形成する。この熱酸化工程で、25nmの半導体
層28が酸化されて、最終的に半導体層32の膜厚は4
0nmとなる。(図2(F))
【0088】このように絶縁膜30を形成した後で熱酸
化工程を行うという構成は重要である。それは、触媒除
去のための15族元素が下地膜21に添加されているた
め、絶縁膜30を形成することで熱酸化工程の雰囲気中
に拡散して半導体層に再添加される(リンのオートドー
ピングとも呼ばれる)ことを防ぐことができる。
【0089】更に、半導体層32と絶縁膜30との界面
を熱酸化することで、界面準位が大幅に低減されるた
め、界面特性を飛躍的に向上させることができる。ま
た、CVD法で形成された絶縁膜30の膜質の向上さ
れ、半導体層を薄膜化することで光リーク電流の低減も
期待できる。さらに、半導体層の粒内欠陥も低減され
る。
【0090】これは結晶性シリコンでなる半導体層28
が熱酸化される際に発生する余剰シリコン原子が、結晶
粒内の欠陥へと移動し、Si−Si結合の生成に大きく
寄与していると考えられる。この概念は高温ポリシリコ
ン膜の結晶粒内に欠陥が少ない理由として知られてい
る。
【0091】また、結晶化温度を超える温度(代表的に
は700〜1100℃)で加熱処理を行うことで半導体
層32とその下地膜21との間が固着し、密着性が高ま
ることで欠陥が消滅するというモデルも想定できる。
【0092】結晶性半導体膜と下地膜となる酸化シリコ
ン膜とでは、熱膨張係数に10倍近くの差がある。従っ
て、非晶質シリコン膜から結晶性シリコン膜に変成した
段階では、結晶シリコン膜が冷却される時に非常に大き
な応力が結晶性シリコン膜にかっており、下地膜と結晶
性シリコン膜との密着性が小さい。これが原因で積層欠
陥や転位などの欠陥を容易に生じてしまうと考えられ
る。
【0093】即ち、結晶性シリコンが動きやすい状態に
あるため、引っ張り応力によって、積層欠陥や転位など
の欠陥を容易に生じてしまうと考えられる。ここのよう
な状態は触媒除去工程が行われた後もそのままである。
【0094】そこで熱酸化工程を施すことで、下地膜2
1と半導体層32の密着性が高めらるため、半導体層3
2中の結晶粒内の欠陥の発生が抑えられれる。
【0095】即ち、熱酸化工程によって、半導体層32
が下地21に固着されて基板との密着性を高めると同時
に、余剰シリコン原子によって結晶粒内の欠陥を補償す
ることができる。
【0096】以上の工程で得られた半導体層32、及び
絶縁膜30と熱酸化膜31をゲート絶縁膜に用いて、T
FTを作製することができる。
【0097】[実施形態3] 15族元素は半導体にN
型の導電型を付与する元素である。そこで、本実施形態
では、N型のソース/ドレイン領域に触媒元素を吸い取
らせる領域に用いる。
【0098】まず、実施形態1、2で説明した工程に従
って、レーザー/強光の照射工程までを行い、得られた
結晶性半導体膜をパターニングして、半導体層42を形
成する。なお、40は基板であり、41は下地膜41で
ある。(図3(A))
【0099】なお、触媒元素を拡散させやすくするため
のレーザー又は強光の照射は半導体層42を形成した後
に実施してもよい。本実施形態では、チャネル形成領域
の触媒元素を低減することを目的とするため、チャネル
形成領域となる部分にレーザー光/強光が照射されてい
れば、照射工程のタイミングは問わない。
【0100】次に、ゲート絶縁膜43、ゲート電極44
を形成する。ゲート電極44は後の触媒除去工程の熱処
理温度に耐え得る材料で形成する。例えば、Pが添加さ
れたシリコン、Ta、W、Mo、Ti、Cr等の高融点
金属合やこれらの合金(例えば、高融点金属同士の合
金、高融点金属と窒素との合金などを用いることができ
る。
【0101】次に、ゲート電極44をマスクにして、半
導体層42に15族元素を添加して、N型のソース領域
45、N型のドレイン領域46、チャネル形成領域47
を自己整合的に形成する。ここでは、15族元素として
P、Asを用い、添加量は1×1019〜1×1021atom
s/cm3 とする。る。(図3(B))
【0102】次に、500〜850℃、より好ましくは
550℃〜650℃、4〜8時間加熱処理して、チャネ
ル形成領域47内の触媒元素をソース/ドレイン領域4
5、46へ拡散させる。ソース/ドレイン領域45、4
6に達した触媒元素は15族元素と結合する。例えば触
媒元素がNi、15族元素がPの場合には、ソース/ド
レイン領域45、46内でNiP1 、NiP2 Ni2
・・といった結合状態で存在する。この結合状態は非常
に安定であり、TFTの動作にほとんど影響しない。
(図3(C))
【0103】この加熱処理によって、チャネル形成領域
47の触媒元素濃度を1×1014〜1×1015atoms/cm
3 にまで低減することができる。また、ソース/ドレイ
ン領域45、46に添加された15族元素を活性化させ
て、ソース/ドレイン領域45、46を低抵抗化するこ
ともできる。
【0104】触媒除去工程が終了したら、公知の方法に
従って、層間絶縁膜49、ソース電極50、ドレイン電
極51を形成して、TFTを完成させる。(図3
(D))
【0105】実施形態1、2では素子形成部分と別に、
15族添加領域を半導体膜に形成する必要があるが、本
実施形態ではソース/ドレイン領域45、46を15族
添加領域に用いたため、即ち素子形成部分に15族添加
領域を形成したため、素子の集積化が図れる。
【0106】
【実施例】 図4〜図14を用いて、本発明の実施例を
説明する。
【0107】[実施例1] 本実施例は本発明をTFTに
適用した例であり、Nチャネル型TFTとPチャネル型
TFTを同一基板上に形成し、CMOS回路を作製した
例を示す。説明には図4〜図6を用いる。
【0108】図4はCMOS回路の概略の上面図を示
す。図4において、111はゲート配線、108はNチ
ャネル型TFTの半導体層、109はPチャネル型TF
Tの半導体層である。161、162は半導体層10
8、109とソース配線のコンタクト部であり、16
3、164は半導体層108、109とドレイン配線と
のコンタクト部である。165はゲート配線111と取
出し配線とのコンタクト部(ゲートコンタクト部)であ
る。
【0109】図5、図6を用いて、TFTの作製工程を
説明する。なお図5、図6において左側にNチャネル型
TFTの断面図を示し、右側にPチャネル型TFTの断
面図を示す。各TFTの断面図は図4の鎖線A−A'、
鎖線B−B'で切断した断面図に対応する。
【0110】まず、コーニングス社製1737ガラス基
板を基板100として用いる。ガラス基板100上に下
地膜101として300nm厚の酸化シリコン膜を形成
する。
【0111】こうして絶縁表面を有する基板が準備でき
たら、減圧CVD法により、ジシランを原料ガスに低級
結晶性半導体膜として非晶質シリコン膜102を成膜す
る。非晶質シリコン膜102の膜厚は55nmとする。
次に、非晶質シリコン膜102上に120nm厚の酸化
シリコン膜でなるマスク絶縁膜103を形成する。マス
ク絶縁膜103にはパターニングによって開口部103
a、103bが設けられている。
【0112】次に、重量換算で10ppm のニッケルを含
むニッケル酢酸塩をエタノールに溶かした溶液をスピン
コターにより塗布し、乾燥してNi膜104を形成す
る。Ni膜104はマスク絶縁膜103に設けられた開
口部103a、103bにおいて非晶質シリコン膜10
2と接している。なお、非晶質シリコン膜102は浸潤
性が乏しいので、マスク絶縁膜103を形成する前にU
V照射などにより。数nm程度の酸化膜を形成しておく
と、Ni膜104が開口部103a、103bで接した
状態で形成することが容易になる。(図5(A))
【0113】こうして図5(A)の状態が得られたら、
加熱炉内で450℃、1時間程度の加熱処理して、非晶
質シリコン膜102から水素出しした後、加熱炉内で、
窒素雰囲気、550℃、8時間の加熱処理を行う。Ni
膜104から非晶質シリコン膜102内へNiが拡散し
て、結晶化が進行して、横成長領域106a、106b
を有する結晶性シリコン膜106が形成される。(図5
(B))
【0114】結晶化工程が終了したら、600℃、1〜
4時間、結晶性シリコン膜106を熱処理して、非晶質
部分を結晶化させ、結晶性を向上した結晶性シリコン膜
107を形成する。次に、KrFエキシマレーザー光を
結晶性シリコン膜107に照射して、膜内に局在してい
るNiを拡散しやすい状態にする。エキシマレーザーは
光学系によって、0.5 mm幅、12cm長の線状レーザ
ー光に加工して、線状レーザー光に対して基板を相対的
に1方向に走査させることにより、基板全面にレーザー
光を照射する。あるいは、レーザー光を1辺が5〜10
cm程度の矩形状に加工して照射することもできる。
(図5(C))
【0115】次に、結晶性シリコン膜107を島状にパ
ターニングして、半導体層108、109を形成する。
なお、上記のエキシマレーザーの照射は半導体層10
8、109の形成後でもよい。(図5(D))
【0116】次に、プラズマCVD法により、SiH4
とN2 Oを原料ガスにして、窒化酸化シリコン膜110
を120nmの厚さに成膜する。次に、窒化酸化シリコ
ン膜110上に厚さ40nmのタンタル膜(Ta膜)を
スパッタ装置において成膜しパターニングする。そし
て、パターニングされたTa膜を陽極酸化して、タンタ
ルオキサイドでなる陽極酸化膜112を形成する。陽極
酸化されずに残ったTa膜がゲート配線111として機
能する。なお、上記のエキシマレーザー光の照射はTa
膜の成膜前に実施してもよい。本実施例では、少なくと
もチャネル形成領域となる領域にレーザー光が照射され
ればよい。(図5(E))
【0117】次にレジストマスク115を形成し、窒化
酸化シリコン膜110をパターニングしてゲート絶縁膜
116を形成する。ゲート絶縁膜116は陽極酸化膜1
11よりも外側に延びた形状とされ、この外側に延びた
部分が、低濃度不純物領域を規定する。(図5(F))
【0118】次に、レジストマスク115を剥離した後
半導体層108、109に15族元素を添加して、Nチ
ャネル型TFTのソース/ドレイン領域を形成する。ド
ーピングガスには水素で5%に希釈したホスフィンを用
いて、Pを添加する。まず、高加速度、低ドーズ量でド
ーピングを行い、ゲート絶縁膜116を通過してリンが
半導体層に添加されるようにし、次に低加速度、高ドー
ズ量でドーピングを行い、ゲート絶縁膜116をマスク
として機能させた。1回目の条件は加速電圧80kV、
設定ドーズ量6×1013atoms/cm2 とし、2回目の条件
は加速電圧10kV、設定ドーズ量5×1014atoms/cm
2 とする。
【0119】2回のN型の不純物添加工程で、半導体層
108、109にN+ 型領域121、122、131、
132、及びN- 型領域124、125、134、13
5が形成される。ここで半導体層108のN+ 型領域1
21、122はソース/ドレイン領域となり、N- 型領
域124、125が低濃度不純物領域となり、領域12
3がチャネル形成領域となる。(図6(A))
【0120】この状態で加熱処理することで、N+ 型領
域121、122、131、132にリンが添加されな
かった領域123、133のニッケルを吸い取らせるこ
とことができるが、本実施例では、Pチャネル型TFT
の半導体層109に13族元素であるB(ボロン)を添
加した後、触媒元素の除去工程を行う。
【0121】そこで、Nチャネル型TFTをレジストマ
スク140で覆った後、半導体層109にBを添加す
る。ドーピングガスには水素で5%に希釈されたジボラ
ンを用い、P+ 型のソース/ドレイン領域141、14
2、P- 型の低濃度不純物領域144、145、チャネ
ル形成領域143を自己整合的に形成する。P+ 型領
域、P- 型領域の作り分けは、Nチャネル型TFTと同
様に、加速電圧とドーズ量を制御すればよい。(図6
(B))
【0122】Pチャネル型のソース/ドレイン領域14
1、142に触媒元素を吸い取らせるには、ボロンイオ
ンの濃度が当該領域に添加されるリンイオン濃度の1.
3〜2倍程度にする。
【0123】ソース/ドレイン領域を形成した後、電気
炉内で500℃、2時間の加熱処理をする。この加熱処
理により、非晶質シリコン膜の結晶化のために意図的に
添加したNiが、図6(C)において矢印で模式的に示
すように、チャネル形成領域123、143からそれぞ
れのソース/ドレイン領域211、212、271、2
72へ拡散する。その結果、チャネル形成領域123、
143及び低濃度不純物領域124、125、144、
145内のNiが減少し、他方、ゲッタリングシンクに
用いたソース/ドレイン領域121、122、141、
142中のNi濃度はチャネル形成領域123、143
よりも高くなる。(図6(C))
【0124】更に、この加熱処理でゲッタリングと同時
に、ソース/ドレイン領域211、212、271、2
72、及び低濃度不純物領域214、215、274、
275に添加されたリン、ボロンが活性化される。
【0125】次に、酸化シリコン膜でなる層間絶縁膜1
50を形成する。層間絶縁膜150にコンタクトホール
を形成した後、電極材料としてチタン/アルミ/チタン
からなる積層膜を形成し、パターニングして、配線15
1〜153を形成する。ここでは、配線153によって
Nチャネル型TFTとPチャネル型TFTとを接続して
CMOS回路を形成する。図示しないゲート配線111
の取出し配線も形成されている。最後に水素雰囲気中に
おいて350℃、2時間程度の水素化処理を行い、TF
T全体の水素終端処理を行う。(図6(D))
【0126】[実施例2] 本実施例を図7、図8を用
いて説明する。本実施例は逆スタガTFTでCMOS回
路を形成した例である。
【0127】まず、コーニングス社製1737ガラス基
板200を用意する。基板200表面に120nm厚の
酸化シリコン膜でなる下地膜201を成膜する。次に、
ゲート配線202を形成する導電膜を成膜する。ここで
は、窒化タンタル(TaNx)/Ta/TaNx の3層
をスパッタ法で成膜した。各TaNx 膜の厚さは50n
mとし、Ta膜の厚さは250nmとする。そしてこの
3層膜をパターニングしてゲート配線202を形成す
る。なお、図では分離しているがゲート配線202は1
つのCMOS回路で一体である(図4参照)。
【0128】次にゲート配線202を覆って、ゲート絶
縁膜203を形成する。ここでは、20nm厚の窒化シ
リコン膜/100nm厚の窒化酸化シリコン膜を形成す
る。Ta材料でなるゲート配線は酸素や水素の吸蔵を起
こしやすいので、この吸蔵を防止するために、下層に緻
密な窒化シリコン膜を形成してゲート配線を被覆した。
【0129】次に、ゲート絶縁膜203上に非晶質シリ
コン膜204を減圧CVD法により55nmの厚さに成
膜する。そして、スピナによって重量換算で10ppm の
ニッケルを含む酢酸ニッケル水溶液をスピンコート法に
より塗布し、乾燥し、ニッケル膜205を形成する。
(図7(A))
【0130】次に、加熱炉内で500℃、1時間の水素
出し工程後、加熱炉で窒素雰囲気、550℃、4時間の
加熱処理を行い、結晶性シリコン膜206を形成する。
その後、実施例1と同様に、加熱炉で600℃で熱処理
して、残留した非晶質成分を結晶化し、また粒内欠陥を
低減させて、結晶性を高めた結晶性シリコン膜206を
形成する。そして、エキシマレーザー光を照射して、結
晶性シリコン膜206内のNiを拡散させやすい状態に
する。(図7(B))
【0131】結晶性シリコン膜206をパターニングし
て、Nチャネル型TFT、Pチャネル型TFTの半導体
層207、208を形成する。なお、この状態で、エキ
シマレーザー光を照射してもよい。(図7(C))
【0132】次に、半導体層207、208に接して、
酸化シリコン膜でなるチャネルストッパ209、210
を形成する。プラズマCVD法により、モノシラン、水
素を原料ガスにして、プラズマCVD法で微結晶シリコ
ン膜211を基板200全面に成膜する。この微結晶シ
リコン膜211にはリンやボロンなどのドーパントを添
加せずに成膜する。(図7(D))
【0133】次に、微結晶シリコン膜211に15族元
素であるPをプラズマドーピング法で添加して、P添加
したN型微結晶シリコン膜212を形成する。ドーピン
グ条件はP濃度が半導体層207、208に残存するN
i濃度の10倍とし、1×1019〜1×1022atoms/cm
3 とする。(図7(E))
【0134】微結晶シリコン膜211はN型の導電型を
示すが、P(リン)を添加した微結晶シリコン膜212
を形成することで、より伝導度が高められ、また触媒元
素を吸い取らせる膜として利用できる。
【0135】従って、この状態で加熱処理することで、
半導体層207、208内の触媒元素を吸い取らせるこ
ともできるが、本発明では、Pチャネル型TFTのN層
を形成した後、触媒元素除去工程を施す。
【0136】そのため、Nチャネル型TFTを覆うレジ
ストマスクを形成し、13族元素であるBを添加してP
型微結晶シリコン膜213を形成する。微結晶シリコン
膜213内のボロンの濃度はリンの1.3〜2倍とす
る。(図8(A))
【0137】次に、加熱炉内で窒素雰囲気、550℃、
4時間加熱処理する。半導体層207、208内のNi
がN型微結晶シリコン膜212、P型微結晶シリコン膜
213に吸い取られる。空乏層が誘起される領域207
C、208Cは直接微結晶シリコン膜212、213が
接していないが、Niのを拡散させる距離が数μm程度
と短くすむため、シリコン膜212に領域207C、2
08C内の触媒元素濃度を微結晶シリコン膜212、2
13へ拡散させることが可能である。また、この加熱処
理で、微結晶シリコン膜212、213に添加された
P、Bが活性化される。(図8(B))
【0138】次に、CF4 ガスによるドライエッチング
により、微結晶シリコン膜212、213を分断し、半
導体層207のソース/ドレイン領域207S、207
Dに接してN型微結晶シリコン膜212S、212Dを
形成し、NI接合を形成する。同時に、半導体層208
のソース/ドレイン領域208S、208Dに接してP
型微結晶シリコン膜213S、213Dを形成し、PI
接合を形成する。(図8(C))
【0139】次に、酸化シリコン膜でなる層間絶縁膜2
30を形成する。層間絶縁230にコンタクトホールを
形成した後、電極材料としてチタン/アルミ/チタンか
らなる積層膜を形成し、パターニングして、配線231
〜233を形成する。ここでは、配線233によってN
チャネル型TFTとPチャネル型TFTとを接続してC
MOS回路を形成する。更に、図示しないゲート配線1
11の取出し配線も形成する。最後に水素雰囲気中にお
いて350℃、2時間程度の水素化処理を行い、TFT
全体の水素終端処理を行う。(図8(D))
【0140】[実施例3] 本実施例は実施例1で説明
したTFTをアクティブマトリクス基板に適用したもの
である。本実施例のアクティブマトリクス基板は液晶表
示装置や、EL表示装置などの平板型の電気光学装置に
用いられる。
【0141】図9〜図11を用いて、本実施例を説明す
る。図9〜図11で同じ符号は同じ構成要素を示す。図
9は本実施例のアクティブマトリクス基板の概略斜視図
である。アクティブマトリクス基板は、ガラス基板40
0上に形成された、画素部、走査線駆動回路402、信
号線駆動回路403で構成される。走査線駆動回路40
2、信号線駆動回路403はそれぞれ走査線502、信
号線503によって画素部に接続され、これら駆動回路
402、403はCMOS回路で主に構成されている。
【0142】走査線502は画素部401の行ごとに形
成され、信号線503は列ごとに形成されている。走査
線502、信号線の交差部近傍には、各配線502、5
03に接続された画素TFT500が形成されている。
画素TFT500には画素電極505、保持容量521
が接続されている。
【0143】まず、実施例1のTFTの作製工程に従っ
て、駆動回路回路402、403のNチャネル型TF
T、Pチャネル型TFT、画素部の画素TFT500を
完成する。
【0144】図10(A)は画素部の上面図であり、ほ
ぼ1画素の上面図である。図10(B)は駆動回路40
2、403を構成するCMOS回路の上面図である。図
11はアクティブマトリクス基板の断面図であり、画素
部、CMOS回路の断面図である。画素部の断面図は図
10(A)の鎖線A−A'に沿った断面図であり、CM
OS回路の断面図は図10(B)の鎖線B−B'に沿っ
た断面図である。
【0145】画素部の画素TFT500はNチャネル型
TFTである。「U」字型(馬蹄型)に屈曲した半導体
層501を有する。第1層目の配線である走査線502
がゲート絶縁膜510を挟んで半導体層501と交差し
ている。
【0146】半導体層501には、N+ 型領域511〜
513、2つのチャネル形成領域514、515、低濃
度不純物領域(N- 型領域)516〜519が形成され
る。N+ 型領域511、512はソース/ドレイン領域
である。
【0147】他方、CMOS回路では、1本のゲート配
線601が2つの半導体層602、603とゲート絶縁
膜610を挟んで交差している。半導体層602には、
ソース/ドレイン領域(N+ 型領域)611、612、
チャネル形成領域613、低濃度不純物領域(N- 型領
域)614、615が形成されている。半導体層603
には、ソース/ドレイン領域(P+ 型領域)621、6
22、チャネル形成領域623、低濃度不純物領域(P
- 型領域)624、625が形成されている。
【0148】半導体層501、602、603にソース
/ドレイン領域を形成した後、基板全面に層間絶縁膜4
30が形成される。層間絶縁膜430上には第2層目の
配線・電極として、信号線503、ドレイン電極50
4、ソース電極631、632、ドレイン電極633が
形成される。
【0149】走査線502と信号線503は層間絶縁膜
430を挟んで、図10(A)に示すように直交してい
る。ドレイン電極504はドレイン領域512を画素電
極505に接続させるための取出し電極である共に、保
持容量521の下部電極である。保持容量521の容量
を大きくするため、ドレイン電極504は開口部を低下
させない限りにおいて、できるだけ広くなるようにして
いる。
【0150】図10(B)に示すように、CMOS回路
のドレイン電極633は他のTFTのゲート配線650
(第1層目の配線)に接続される。
【0151】第2層目の配線・電極上に、第1の平坦化
膜440が形成されている。本実施例では窒化シリコン
(50nm)/酸化シリコン(25nm)/アクリル
(1μm)の積層膜を第1の平坦化膜440として利用
する。アクリルやポリイミド、ベンゾシクロブテン(B
CB)といった有機性樹脂膜は、スピンコート法で形成
可能な溶液塗布型絶縁膜なので、1μm程度の膜厚を高
いスループットで形成することが可能であり、良好な平
坦面が得られる。更に、有機性樹脂膜は窒化シリコンや
酸化シリコンと較べて誘電率が低いため、寄生容量を小
さくすることができる。
【0152】次に、第1の平坦化膜440上に、第3層
目の配線として、チタンやクロム等の遮光性導電膜でな
るソース配線641、ドレイン電極642、ドレイン配
線643、ブラックマスク520が形成されている。図
10(A)に示すようにブラックマスク520は画素部
で一体であり、画素電極505の周辺とオーバーラップ
して、表示に寄与しない部分を全て覆うように形成され
ている。なお、図10(A)に点線で示すようにいる。
またブラックマスク520の電位は所定の値に固定され
る。
【0153】これら第3層目の配線641、642、5
20の形成に先立って、第1の平坦化膜440をエッチ
ングして、最下層の窒化シリコン膜のみを残した凹部5
30をドレイン電極504上に形成する。
【0154】凹部530では、ドレイン電極504とブ
ラックマスク520とが窒化シリコン膜のみを挟んで対
向しているので、凹部530おいてドレイン電極50
4、ブラックマスク520を電極に、窒化シリコン膜を
誘電体とする保持容量521が形成される。窒化シリコ
ンは比誘電率が高く、しかも膜厚を薄くすることでより
大きな容量を確保できる。
【0155】第3層目の配線641、642、520上
に第2の平坦化膜450が形成されている。第2の平坦
化膜450は1.5μm厚のアクリルで形成する。保持
容量521が形成された部分は大きな段差を生じるが、
その様な段差も十分に平坦化できる。
【0156】第1の平坦化膜440及び第2の平坦化膜
450にコンタクトホールを形成し、透明導電膜からな
る画素電極505を形成する。透明導電膜にはITOや
酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムと酸化亜鉛との合
金等の金属酸化物または金属酸化物の合金が用いられ
る。こうしてアクティブマトリクス基板が完成する。
【0157】本実施例のアクティブマトリクス基板を液
晶表示装置に利用する場合には、基板全面を覆って図示
しない配向膜を形成する。必要に応じて配向膜にラビン
グ処理が施される
【0158】なお、画素電極505として反射率の高い
導電膜、代表的にはアルミニウムまたはアルミニウムを
主成分とする材料を用いれば、反射型AMLCD用のア
クティブマトリクス基板を作製することもできる。
【0159】また、本実施例では画素TFT500をダ
ブルゲート構造としているが、シングルゲート構造でも
良いし、トリプルゲート構造等のマルチゲート構造とし
ても構わない。また、実施例1で示した逆スタガ型TF
Tで形成することもできる。本実施例のアクティブマト
リクス基板の構造は本実施例の構造に限定されるもので
はない。本発明の特徴はゲート配線の構成にあるので、
それ以外の構成については実施者が適宜決定すれば良
い。
【0160】[実施例4] 本実施例では実施例3で示
したアクティブ基板を用いた電気光学装置の一例とし
て、アクティブマトリクス方式の液晶表示装置(AML
CDと記す)を構成した例について説明する。
【0161】本実施例のAMLCDの外観を図12に示
す。図12(A)において図9と同じ符号は同じ構成要
素を示す。アクティブマトリクス基板はガラス基板40
0上に形成された画素部、走査線駆動回路402、信号
線駆動回路403を有する。
【0162】アクティブマトリクス基板と対向基板70
0とが貼り合わされている。これら基板の隙間に液晶が
封止されている。ただし、アクティブマトリクス基板に
は、TFTの作製工程で外部端子が形成されており、こ
の外部端子が形成された部分は対向基板700と対向し
ていない。外部端子にはFPC(フレキシブル・プリン
ト・サーキット)710が接続され、FPC710を介
して外部信号、電源が回路401〜403へ伝達され
る。
【0163】対向基板700は、ガラス基板上全面にI
TO膜等の透明導電膜が形成されている。透明導電膜は
画素部の画素電極に対する対向電極であり、画素電極、
対向電極間に形成された電界によって液晶材料が駆動さ
れる。更に、対向基板700には必要であれば配向膜
や、カラーフィルタが形成されている。
【0164】本実施例のアクティブマトリクス基板に
は、FPC710を取り付ける面を利用してICチップ
711、712が取り付けられている。これらのICチ
ップはビデオ信号の処理回路、タイミングパルス発生回
路、γ補正回路、メモリ回路、演算回路などの回路をシ
リコン基板上に形成して構成される。図12(A)では
ICチップを2個取り付けたが、1個でも良いし、3個
以上であっても良い。
【0165】あるいは図12(B)の構成も可能であ
る。図12(B)において図12(A)と同一の構成要
素は同じ符号を付した。ここでは図12(A)でICチ
ップが行っていた信号処理を、同一基板上にTFTでも
って形成されたロジック回路720によって行う例を示
している。この場合、ロジック回路720も駆動回路4
02、403と同様にCMOS回路を基本として構成さ
れている。
【0166】本実施例では、ブラックマスクをアクティ
ブマトリクス基板に設ける構成(BMon TFT)を採用する
が、それに加えて対向側にブラックマスクを設ける構成
とすることも可能である。
【0167】また、カラーフィルターを用いてカラー表
示を行っても良いし、ECB(電界制御複屈折)モー
ド、GH(ゲストホスト)モードなどで液晶を駆動し、
カラーフィルターを用いない構成としても良い。また、
特開平8−15686号公報に記載されたように、マイ
クロレンズアレイを用いる構成にしても良い。
【0168】[実施例5] 実施例1、2で示したTF
Tは、AMLCD以外にも他の様々な電気光学装置や半
導体回路に適用することができる。
【0169】AMLCD以外の電気光学装置としてはE
L(エレクトロルミネッセンス)表示装置やイメージセ
ンサ等を挙げることができる。
【0170】また、半導体回路としては、ICチップで
構成されるマイクロプロセッサの様な演算処理回路、携
帯機器の入出力信号を扱う高周波モジュール(MMIC
など)が挙げられる。
【0171】この様に本発明は絶縁ゲイト型TFTで構
成される回路によって機能する全ての半導体装置に対し
て適用することが可能である。
【0172】[実施例6]本願発明を実施して形成され
たCMOS回路や画素マトリクス回路は様々な電気光学
装置(アクティブマトリクス型液晶ディスプレイ、アク
ティブマトリクス型ELディスプレイ、アクティブマト
リクス型ECディスプレイ)に用いることができる。即
ち、それら電気光学装置を表示媒体として組み込んだ電
子機器全てに本願発明を実施できる。
【0173】その様な電子機器としては、ビデオカメ
ラ、デジタルカメラ、プロジェクター(リア型またはフ
ロント型)、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型
ディスプレイ)、カーナビゲーション、パーソナルコン
ピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯
電話または電子書籍等)などが挙げられる。それらの一
例を図13及び図14に示す。
【0174】図13(A)はパーソナルコンピュータで
あり、本体2001、画像入力部2002、表示装置2
003、キーボード2004で構成される。本願発明を
画像入力部2002、表示装置2003やその他の信号
制御回路に適用することができる。
【0175】図13(B)はビデオカメラであり、本体
2101、表示装置2102、音声入力部2103、操
作スイッチ2104、バッテリー2105、受像部21
06で構成される。本願発明を表示装置2102、音声
入力部2103やその他の信号制御回路に適用すること
ができる。
【0176】図13(C)はモバイルコンピュータ(モ
ービルコンピュータ)であり、本体2201、カメラ部
2202、受像部2203、操作スイッチ2204、表
示装置2205で構成される。本願発明は表示装置22
05やその他の信号制御回路に適用できる。
【0177】図13(D)はゴーグル型ディスプレイで
あり、本体2301、表示装置2302、アーム部23
03で構成される。本発明は表示装置2302やその他
の信号制御回路に適用することができる。
【0178】図13(E)はプログラムを記録した記録
媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであ
り、本体2401、表示装置2402、スピーカ部24
03、記録媒体2404、操作スイッチ2405で構成
される。なお、この装置は記録媒体としてDVD(Digi
tal Versatile Disc)、CD等を用い、音楽鑑賞や映画
鑑賞やゲームやインターネットを行うことができる。本
発明は表示装置2402やその他の信号制御回路に適用
することができる。
【0179】図13(F)はデジタルカメラであり、本
体2501、表示装置2502、接眼部2503、操作
スイッチ2504、受像部(図示しない)で構成され
る。本願発明を表示装置2502やその他の信号制御回
路に適用することができる。
【0180】図14(A)はフロント型プロジェクター
であり、表示装置2601、スクリーン2602で構成
される。本発明は表示装置やその他の信号制御回路に適
用することができる。
【0181】図14(B)はリア型プロジェクターであ
り、本体2701、表示装置2702、ミラー270
3、スクリーン2704で構成される。本発明は表示装
置やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0182】なお、図14(C)は、図14(A)及び
図14(B)中における表示装置2601、2702の
構造の一例を示した図である。表示装置2601、27
02は、光源光学系2801、ミラー2802、280
4〜2806、ダイクロイックミラー2803、プリズ
ム2807、液晶表示装置2808、位相差板280
9、投射光学系2810で構成される。投射光学系28
10は、投射レンズを含む光学系で構成される。本実施
例は三板式の例を示したが、特に限定されず、例えば単
板式であってもよい。また、図14(C)中において矢
印で示した光路に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機
能を有するフィルムや、位相差を調節するためのフィル
ム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0183】また、図14(D)は、図14(C)中に
おける光源光学系2801の構造の一例を示した図であ
る。本実施例では、光源光学系2801は、リフレクタ
ー2811、光源2812、2813、2814、偏光
変換素子2815、集光レンズ2816で構成される。
なお、図14(D)に示した光源光学系は一例であって
特に限定されない。例えば、光源光学系に実施者が適
宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相
差を調節するフィルム、IRフィルム等の光学系を設け
てもよい。
【0184】以上の様に、本願発明の適用範囲は極めて
広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能で
ある。また、本実施例の電子機器は実施例1〜5のどの
ような組み合わせからなる構成を用いても実現すること
ができる。
【0185】以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広
く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能であ
る。また、他にも電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイ
などにも活用することができる。
【0186】
【発明の効果】本発明は、触媒元素を用いて半導体膜を
結晶化する、または結晶性を高める技術を用いるにあた
って、触媒元素除去工程前に、レーザー光/強光を照射
するして触媒元素を拡散しやすい状態にしため、の、触
媒元素除去工程を効率良く行うことが可能になる。ま
た、触媒元素除去工程のプロセス温度を600℃より低
い温度で行うことが可能なため、ガラス基板を使用する
ことが十分可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1の作製工程を示す図。
【図2】 実施形態2の作製工程を示す断面図。
【図3】 実施形態3の作製工程を示す断面図。
【図4】 実施例1のCMOS回路の平面図。
【図5】 TFTの作製工程を示す断面図。
【図6】 TFTの作製工程を示す断面図。
【図7】 実施例2のTFTの作製工程を示す断面図。
【図8】 TFTの作製工程を示す断面図。
【図9】 実施例3のアクティブマトリクス基板の斜視
図。
【図10】 画素マトリクス回路、CMOS回路の上面
図。
【図11】 アクティブマトリクス基板の断面図。
【図12】 実施例4の液晶表示装置の外観斜視図。
【図13】 実施例6の電子機器の構成図
【図14】 実施例6のプロジェクターの構成図。
【符号の説明】
100 基板 102 非晶質シリコン膜 104 Ni膜 106 結晶性シリコン膜 108、109 半導体層

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低級結晶性半導体膜に触媒元素を導入す
    る工程Aと、 前記低級結晶性半導体膜を加熱処理して、前記半導体膜
    内に触媒元素を拡散させる工程Bと、 前記触媒元素が拡散された半導体膜を加熱処理して、結
    晶性を高める工程Cと、 前記結晶性を高めた半導体膜に15族元素を選択的に添
    加する工程Dと、 前記結晶性を高めた半導体膜を加熱処理して、前記15
    族元素が添加された領域に前記触媒元素を吸い取らせる
    工程Eと、を有し、 前記工程E以前に、前記結晶性を高めた半導体膜にレー
    ザー光又は強光を照射する工程Fを有することを特徴と
    する半導体装置の作製方法。
  2. 【請求項2】 半導体膜で形成されたソース領域、ドレ
    イン領域、チャネル形成領域を有する薄膜トランジスタ
    を少なくとも1つ有する半導体装置の作製方法であっ
    て、 低級結晶性半導体膜に触媒元素を導入する工程Aと、 前記低級結晶性半導体膜を加熱処理して、前記半導体膜
    内に触媒元素を拡散させる工程Bと、 前記触媒元素が拡散された半導体膜を加熱処理して、結
    晶性を高める工程Cと、 前記結晶性を高めた半導体膜に対して、少なくとも前記
    ソース領域及び前記ドレイン領域が形成される領域に1
    5族元素を添加する工程Dと、 前記結晶性を高めた半導体膜を加熱処理して、前記15
    族元素を添加した領域に前記触媒元素を吸い取らせる工
    程Eと、を有し、 前記E以前に、前記結晶性を高めた結晶性半導体膜にレ
    ーザー光又は強光を照射する工程Fを有することを特徴
    とする半導体装置の作製方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 少なくとも1つの薄膜トランジスタはPチャネル型であ
    り、 前記工程Dにおいて、少なくとも前記Pチャネル型TF
    Tのソース領域及びドレイン領域が形成される領域に1
    5族元素及び13族元素を添加することを特徴とする半
    導体装置の作製方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
    工程Bおいて、 加熱温度は450〜650℃であることを特徴とする半
    導体装置の作製方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    工程Cおいて、 加熱温度は前記工程Bの加熱温度よりも高いことを特徴
    とする半導体装置の作製方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    工程Cおいて、 加熱温度は前記500〜1100℃であることを特徴と
    する半導体装置の作製方法。
  7. 【請求項7】 低級結晶性半導体膜に触媒元素を導入す
    る工程Aと、 前記低級結晶性半導体膜を加熱処理して、非晶質部分が
    存在する結晶性半導体膜を形成する工程Bと、 前記結晶性半導体膜を加熱処理して、結晶性を高める工
    程Cと、 前記結晶性を高めた結晶性半導体膜に15族元素を選択
    的に添加する工程Dと、 前記結晶性を高めた結晶性半導体膜を加熱処理して、前
    記15族が添加された領域に前記触媒元素を吸い取らせ
    る工程Eと、を有し、 前記工程E以前に、前記結晶性を高めた結晶性半導体膜
    にレーザー光又は強光を照射する工程Fを有することを
    特徴とする半導体装置の作製方法。
  8. 【請求項8】 半導体膜で形成されたソース領域、ドレ
    イン領域、チャネル形成領域を有する薄膜トランジスタ
    を少なくとも1つ有する半導体装置の作製方法であっ
    て、 低級結晶性半導体膜に触媒元素を導入する工程Aと、 前記低級結晶性半導体膜を加熱処理して、非晶質部分が
    存在する結晶性半導体膜を形成する工程Bと、 前記結晶性半導体膜を加熱処理して、結晶性を高める工
    程Cと、 前記結晶性を高めた結晶性半導体膜に対して、少なくと
    も前記ソース領域及び前記ドレイン領域が形成される領
    域に15族元素を添加する工程Dと、 前記結晶性を高めた結晶性半導体膜を加熱処理して、前
    記15族元素を添加した領域に前記触媒元素を吸い取ら
    せる工程Eと、を有し、 前記工程E以前に、前記結晶性を高めた結晶性半導体膜
    にレーザー光又は強光を照射する工程Fを有することを
    特徴とする半導体装置の作製方法。
  9. 【請求項9】 請求項8において、 少なくとも1つの薄膜トランジスタはPチャネル型であ
    り、 前記工程Dにおいて、少なくとも前記Pチャネル型TF
    Tのソース領域及びドレイン領域となる領域に15族元
    素及び13族元素を添加することを特徴とする半導体装
    置の作製方法。
  10. 【請求項10】 請求項7乃至9のいずれか1項に記載
    の工程Bおいて、 加熱温度は450〜650℃であることを特徴とする半
    導体装置の作製方法。
  11. 【請求項11】 請求項7乃至8のいずれか1項に記載
    の工程Cおいて、 加熱温度は前記工程Bの加熱温度よりも高いことを特徴
    とする半導体装置の作製方法。
  12. 【請求項12】 請求項7乃至11のいずれか1項に記
    載の工程Cおいて、 加熱温度は前記500〜1100℃であることを特徴と
    する半導体装置の作製方法。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至12のいずれか1項に記
    載の工程Eおいて、 加熱温度は450〜850℃であることを特徴とする半
    導体装置の作製方法。
  14. 【請求項14】 低級結晶性半導体膜に触媒元素を導入
    する工程Aと、 前記低級結晶性半導体膜を加熱処理して、前記半導体膜
    内に触媒元素を拡散させる工程Bと、 前記触媒元素が拡散された半導体膜を加熱処理して、結
    晶性を高める工程Cと、 前記結晶性を高めた半導体膜に接して15族元素を含有
    する膜を形成する工程Dと、 前記結晶性を高めた半導体膜を加熱処理して、前記15
    族元素を含有する膜に前記触媒元素を吸い取らせる工程
    Eと、を有し、 前記工程E以前に、前記結晶性を高めた半導体膜にレー
    ザー光又は強光を照射する工程Fを有することを特徴と
    する半導体装置の作製方法。
  15. 【請求項15】 半導体膜で形成されたソース領域、ド
    レイン領域、チャネル形成領域を有する薄膜トランジス
    タを少なくとも1つ有する半導体装置の作製方法であっ
    て、 低級結晶性半導体膜に触媒元素を導入する工程Aと、 前記低級結晶性半導体膜を加熱処理して、前記半導体膜
    内に触媒元素を拡散させる工程Bと、 前記触媒元素が拡散された半導体膜を加熱処理して、結
    晶性を高める工程Cと、 前記結晶性を高めた半導体膜に対して、少なくとも前記
    ソース領域及び前記ドレイン領域が形成される領域に接
    して15族元素を含有する膜を形成する工程Dと、 前記結晶性を高めた半導体膜を加熱処理して、前記15
    族元素を含有する膜に前記触媒元素を吸い取らせる工程
    Eと、を有し、 前記工程E以前に、前記結晶性を高めた半導体膜にレー
    ザー光又は強光を照射する工程Fを有することを特徴と
    する半導体装置の作製方法。
  16. 【請求項16】 請求項15において、 少なくとも1つの薄膜トランジスタはPチャネル型であ
    り、 前記工程Dにおいて、少なくとも前記Pチャネル型TF
    Tのソース領域及びドレイン領域となる領域に接して、
    15族元素及び13族元素を含有する膜を形成すること
    を特徴とする半導体装置の作製方法。
  17. 【請求項17】 請求項14乃至16のいずれか1項に
    記載の工程Bおいて、 加熱温度は450〜650℃であることを特徴とする半
    導体装置の作製方法。
  18. 【請求項18】 請求項14乃至17のいずれか1項に
    記載の工程Cおいて、加熱温度は前記工程Bよりも高い
    ことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  19. 【請求項19】 請求項14乃至17のいずれか1項に
    記載の工程Cおいて、 加熱温度は前記500〜1100℃であることを特徴と
    する半導体装置の作製方法。
  20. 【請求項20】 低級結晶性半導体膜に触媒元素を導入
    する工程Aと、 前記低級結晶性半導体膜を加熱処理して、非晶質部分が
    存在する結晶性半導体膜を形成する工程Bと、 前記結晶性半導体膜を加熱処理して、結晶性を高める工
    程Cと、 前記結晶性を高めた結晶性半導体膜に接して15族元素
    を含有する膜を形成する工程Dと、 前記結晶性を高めた結晶性半導体膜を加熱処理して、前
    記15族元素を含有する膜に前記触媒元素を吸い取らせ
    る工程Eと、を有し、 前記工程E以前に、前記結晶性を高めた結晶性半導体膜
    にレーザー光又は強光を照射する工程Fを有することを
    特徴とする半導体装置の作製方法。
  21. 【請求項21】 半導体膜で形成されたソース領域、ド
    レイン領域、チャネル形成領域を有する薄膜トランジス
    タを少なくとも1つ有する半導体装置の作製方法であっ
    て、 低級結晶性半導体膜に触媒元素を導入する工程Aと、 前記低級結晶性半導体膜を加熱処理して、非晶質部分が
    存在する結晶性半導体膜を形成する工程Bと、 前記結晶性半導体膜を加熱処理して、結晶性を高める工
    程Cと、 前記結晶性を高めた結晶性半導体膜に対して、少なくと
    も前記ソース領域及び前記ドレイン領域が形成される領
    域に接して15族元素を含有する膜を形成する工程D
    と、 前記結晶性を高めた結晶性半導体膜を加熱処理して、前
    記15族元素を含有する膜に前記触媒元素を吸い取らせ
    る工程Eと、 を有し、 前記工程E以前に、前記結晶性を高めた結晶性半導体膜
    にレーザー光又は強光を照射する工程Fを有することを
    特徴とする半導体装置の作製方法。
  22. 【請求項22】 請求項21において、 少なくとも1つの薄膜トランジスタはPチャネル型であ
    り、 前記工程Dにおいて、少なくとも前記Pチャネル型TF
    Tのソース領域及びドレイン領域となる領域に接して、
    15族元素及び13族元素を含有する膜を形成すること
    を特徴とする半導体装置の作製方法。
  23. 【請求項23】 請求項20乃至22のいずれか1項に
    記載の工程Bおいて、 加熱温度は450〜650℃であることを特徴とする半
    導体装置の作製方法。
  24. 【請求項24】 請求項20乃至23のいずれか1項に
    記載の工程Cおいて、 加熱温度は前記工程Bの加熱温度よりも高いことを特徴
    とする半導体装置の作製方法。
  25. 【請求項25】 請求項20乃至23のいずれか1項に
    記載の工程Cおいて、 加熱温度は前記450〜1100℃であることを特徴と
    する半導体装置の作製方法。
  26. 【請求項26】 請求項14乃至25のいずれか1項に
    記載の工程Eおいて、 加熱温度は500〜850℃であることを特徴とする半
    導体装置の作製方法。
  27. 【請求項27】 請求項1乃至26のいずれか1項に記
    載の工程Aにおいて、 前記低級結晶性半導体膜は、減圧CVD法で成膜された
    非晶質シリコン膜であることを特徴とする半導体装置の
    作製方法。
  28. 【請求項28】 請求項1乃至27のいずれか1項に記
    載の工程Aにおいて、 前記触媒元素として、Ni、Fe、Co、Ru、Rh、
    Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Au、Geから選ばれ
    た1種又は複数種の元素を用いることを特徴とする半導
    体装置の作製方法。
  29. 【請求項29】 請求項1乃至28のいずれか1項に記
    載の作製方法を用いて作製されたアクティブマトリクス
    型表示装置。
  30. 【請求項30】 請求項29記載のアクティブマトリク
    ス型表示装置を備えた電子機器。
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