JP2000130454A - 軸受装置 - Google Patents
軸受装置Info
- Publication number
- JP2000130454A JP2000130454A JP10301797A JP30179798A JP2000130454A JP 2000130454 A JP2000130454 A JP 2000130454A JP 10301797 A JP10301797 A JP 10301797A JP 30179798 A JP30179798 A JP 30179798A JP 2000130454 A JP2000130454 A JP 2000130454A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bearing
- housing
- outer ring
- bearing device
- diameter surface
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 238000007789 sealing Methods 0.000 claims abstract description 5
- 230000003405 preventing effect Effects 0.000 abstract description 6
- 239000004519 grease Substances 0.000 abstract description 5
- 238000005096 rolling process Methods 0.000 abstract description 5
- 239000003921 oil Substances 0.000 description 27
- 239000010408 film Substances 0.000 description 24
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 7
- 229910052782 aluminium Inorganic materials 0.000 description 5
- XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N aluminium Chemical compound [Al] XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 5
- 230000006835 compression Effects 0.000 description 3
- 238000007906 compression Methods 0.000 description 3
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 3
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 description 2
- 238000005260 corrosion Methods 0.000 description 2
- 230000007797 corrosion Effects 0.000 description 2
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 description 2
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 2
- 238000007667 floating Methods 0.000 description 2
- 230000002265 prevention Effects 0.000 description 2
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 2
- 239000010959 steel Substances 0.000 description 2
- YCKRFDGAMUMZLT-UHFFFAOYSA-N Fluorine atom Chemical compound [F] YCKRFDGAMUMZLT-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- XUIMIQQOPSSXEZ-UHFFFAOYSA-N Silicon Chemical compound [Si] XUIMIQQOPSSXEZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000013459 approach Methods 0.000 description 1
- 230000008602 contraction Effects 0.000 description 1
- 238000012937 correction Methods 0.000 description 1
- 238000013461 design Methods 0.000 description 1
- 229920001971 elastomer Polymers 0.000 description 1
- 239000012530 fluid Substances 0.000 description 1
- 229910052731 fluorine Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000011737 fluorine Substances 0.000 description 1
- JEIPFZHSYJVQDO-UHFFFAOYSA-N iron(III) oxide Inorganic materials O=[Fe]O[Fe]=O JEIPFZHSYJVQDO-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000000463 material Substances 0.000 description 1
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 1
- 238000000034 method Methods 0.000 description 1
- 230000003449 preventive effect Effects 0.000 description 1
- 229910052710 silicon Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000010703 silicon Substances 0.000 description 1
- 229920002379 silicone rubber Polymers 0.000 description 1
- 239000010409 thin film Substances 0.000 description 1
- 239000013585 weight reducing agent Substances 0.000 description 1
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C2360/00—Engines or pumps
- F16C2360/42—Pumps with cylinders or pistons
Landscapes
- Mounting Of Bearings Or Others (AREA)
- Rolling Contact Bearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 針状ころ軸受を用いながら、クリープが防止
できる軸受装置を提供する。 【解決手段】 軸受取付面となるハウジング内径面部1
aに、複数本の環状のシール装着溝3を設ける。これら
シール装着溝3にシール用の弾性リング4を装着する。
ハウジング内径面部1aの弾性リング3,3間の部分
に、オイルまたはグリースを塗布して油膜5を生じさせ
る。針状ころ軸受2は、その外輪6をハウジング内径面
部1aに隙間嵌め状態に取付ける。
できる軸受装置を提供する。 【解決手段】 軸受取付面となるハウジング内径面部1
aに、複数本の環状のシール装着溝3を設ける。これら
シール装着溝3にシール用の弾性リング4を装着する。
ハウジング内径面部1aの弾性リング3,3間の部分
に、オイルまたはグリースを塗布して油膜5を生じさせ
る。針状ころ軸受2は、その外輪6をハウジング内径面
部1aに隙間嵌め状態に取付ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ハウジングに針
状ころ軸受等のころ軸受を取付けた軸受装置に関する。
状ころ軸受等のころ軸受を取付けた軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】軸受外輪
よりも熱膨張係数の大きなハウジング、例えばアルミニ
ウム製のハウジングに軸受を取付けた場合、温度上昇に
伴い、軸受締代が減少して軸受クリープ、ラジアル隙間
の拡大に伴う音の発生等の問題が生じることがある。例
えば、カーエアコンのコンプレッサ等では、軽量化のた
めにアルミニウム製のハウジングが用いられることが多
く、前記の温度上昇に伴う支障の防止が強く望まれる。
従来のクリープ防止技術としては、例えば、軸受外輪と
ハウジングの間に熱膨張補正用のリングを介在させるも
のや、軸受外輪に複数のOリングを取付け、これらOリ
ング間に油やグリースを塗布してその油膜により軸受を
支持するものなどが提案されている。前記各リングは、
軸受外輪に形成された環状溝に装着される。
よりも熱膨張係数の大きなハウジング、例えばアルミニ
ウム製のハウジングに軸受を取付けた場合、温度上昇に
伴い、軸受締代が減少して軸受クリープ、ラジアル隙間
の拡大に伴う音の発生等の問題が生じることがある。例
えば、カーエアコンのコンプレッサ等では、軽量化のた
めにアルミニウム製のハウジングが用いられることが多
く、前記の温度上昇に伴う支障の防止が強く望まれる。
従来のクリープ防止技術としては、例えば、軸受外輪と
ハウジングの間に熱膨張補正用のリングを介在させるも
のや、軸受外輪に複数のOリングを取付け、これらOリ
ング間に油やグリースを塗布してその油膜により軸受を
支持するものなどが提案されている。前記各リングは、
軸受外輪に形成された環状溝に装着される。
【0003】しかし、これらの従来のクリープ防止技術
は、いずれも、その基本的な適用対象が深溝玉軸受、ま
たはサイズの大きい円筒ころ軸受であり、外輪に十分な
肉厚を持つ製品に適用されている。このような設計思想
は、針状ころ軸受等にも応用が可能であるが、針状ころ
軸受の場合、外輪の断面高さが低いため、軸受外輪に環
状溝を加工してリングを装着することは、実際には適用
が困難である。外輪の断面高さの低い円筒ころ軸受の場
合も、針状ころ軸受と同様に、適用が困難である。
は、いずれも、その基本的な適用対象が深溝玉軸受、ま
たはサイズの大きい円筒ころ軸受であり、外輪に十分な
肉厚を持つ製品に適用されている。このような設計思想
は、針状ころ軸受等にも応用が可能であるが、針状ころ
軸受の場合、外輪の断面高さが低いため、軸受外輪に環
状溝を加工してリングを装着することは、実際には適用
が困難である。外輪の断面高さの低い円筒ころ軸受の場
合も、針状ころ軸受と同様に、適用が困難である。
【0004】そのため、針状ころ軸受や外輪の断面高さ
の低い円筒ころ軸受の場合、クリープを防止する手段と
しては、締代を大きくする以外に方法が無かった。この
場合次の各課題がある。 締代増大には限度がある。 ハウジングがアルミの場合、温度上昇と共に、締代の
減少、あるいは隙間の発生が起こり得る。 締代が変化するので、外輪の収縮量が変化し、ラジア
ル隙間が変化する。 外輪締代が無くなれば、クリープ発生に伴う二次的な
不具合の発生原因となり、ラジアル隙間の増加では、音
や振動の発生の原因となる。 このように、針状ころ軸受や外輪の断面高さの低い円筒
ころ軸受ではクリープ防止が難しいが、軽量化やコスト
面から、カーエアコンのコンプレッサ等のように厳しい
使用条件の場合においても、針状ころ軸受等の使用が要
望される。
の低い円筒ころ軸受の場合、クリープを防止する手段と
しては、締代を大きくする以外に方法が無かった。この
場合次の各課題がある。 締代増大には限度がある。 ハウジングがアルミの場合、温度上昇と共に、締代の
減少、あるいは隙間の発生が起こり得る。 締代が変化するので、外輪の収縮量が変化し、ラジア
ル隙間が変化する。 外輪締代が無くなれば、クリープ発生に伴う二次的な
不具合の発生原因となり、ラジアル隙間の増加では、音
や振動の発生の原因となる。 このように、針状ころ軸受や外輪の断面高さの低い円筒
ころ軸受ではクリープ防止が難しいが、軽量化やコスト
面から、カーエアコンのコンプレッサ等のように厳しい
使用条件の場合においても、針状ころ軸受等の使用が要
望される。
【0005】この発明の目的は、外輪の断面高さの低い
ころ軸受を用いても、クリープが防止できる軸受装置を
提供することである。この発明の他の目的は、ラジアル
隙間の変化の発生を防止することである。
ころ軸受を用いても、クリープが防止できる軸受装置を
提供することである。この発明の他の目的は、ラジアル
隙間の変化の発生を防止することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の軸受装置は、
軸受の取付面となるハウジング内径面部に、複数本の環
状のシール装着溝を設け、これらシール装着溝にシール
用の弾性リングを一部突出状態に装着し、前記ハウジン
グ内径面部の前記弾性リング間の部分に油膜を生じさ
せ、前記ハウジング内径面部にころ軸受を取付けたもの
である。この構成によると、軸受の外輪は、弾性リング
間に形成された油膜と弾性リングとにより支えられ、か
つ弾性リングにより外輪とハウジングとの間のクリープ
も防止される。弾性リングは、オイルまたはグリースが
外輪とハウジングとの間の圧力で外部に逃げることを防
止する役目を兼用する。弾性リングは、ハウジングに形
成されたシール装着溝に装着するため、外輪には溝加工
が不要であり、外輪の断面高さの低いころ軸受であって
も、支障なく適用することができる。
軸受の取付面となるハウジング内径面部に、複数本の環
状のシール装着溝を設け、これらシール装着溝にシール
用の弾性リングを一部突出状態に装着し、前記ハウジン
グ内径面部の前記弾性リング間の部分に油膜を生じさ
せ、前記ハウジング内径面部にころ軸受を取付けたもの
である。この構成によると、軸受の外輪は、弾性リング
間に形成された油膜と弾性リングとにより支えられ、か
つ弾性リングにより外輪とハウジングとの間のクリープ
も防止される。弾性リングは、オイルまたはグリースが
外輪とハウジングとの間の圧力で外部に逃げることを防
止する役目を兼用する。弾性リングは、ハウジングに形
成されたシール装着溝に装着するため、外輪には溝加工
が不要であり、外輪の断面高さの低いころ軸受であって
も、支障なく適用することができる。
【0007】この発明において、ハウジング内径面部と
ころ軸受の外径面とは、隙間嵌めとしても良い。このよ
うに隙間嵌めとしても、前記のように弾性リング間の油
膜と弾性リングとで外輪がハウジングに支持される。ま
た、当初より締代を持たずに取付けられているため、ラ
ジアル隙間の変化も発生しない。
ころ軸受の外径面とは、隙間嵌めとしても良い。このよ
うに隙間嵌めとしても、前記のように弾性リング間の油
膜と弾性リングとで外輪がハウジングに支持される。ま
た、当初より締代を持たずに取付けられているため、ラ
ジアル隙間の変化も発生しない。
【0008】この発明において、前記ころ軸受は、外輪
がシェル型のものであっても良い。シェル型の外輪は、
鋼板等の絞り成形品であるため、削り出し品に比べて肉
厚が薄いが、このような肉厚の薄い外輪であっても、溝
加工が不要であるため、弾性リングと油膜とによる支持
構造が適用できる。また、この発明において、前記ころ
軸受は、針状ころ軸受であっても良い。針状ころ軸受は
外輪の肉厚が薄く、特に外輪がシェル型の針状ころ軸受
の場合、外輪の肉厚が薄いが、これらのころ軸受におい
ても、この発明によれば、弾性リングと油膜とによる支
持構造が適用できる。
がシェル型のものであっても良い。シェル型の外輪は、
鋼板等の絞り成形品であるため、削り出し品に比べて肉
厚が薄いが、このような肉厚の薄い外輪であっても、溝
加工が不要であるため、弾性リングと油膜とによる支持
構造が適用できる。また、この発明において、前記ころ
軸受は、針状ころ軸受であっても良い。針状ころ軸受は
外輪の肉厚が薄く、特に外輪がシェル型の針状ころ軸受
の場合、外輪の肉厚が薄いが、これらのころ軸受におい
ても、この発明によれば、弾性リングと油膜とによる支
持構造が適用できる。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態を図1〜図
2と共に説明する。この軸受装置は、ハウジング1の軸
受取付面となる内径面部1aにころ軸受2を装着した軸
受装置において、次の構成としたものである。ハウジン
グ内径面部1aに、複数本(図示の例では2本)の環状
のシール装着溝3を設け、これらシール装着溝3にシー
ル用の弾性リング4を一部突出状態に装着する。ハウジ
ング内径面部1aの弾性リング4,4間の部分に、油膜
5を生じさせ、ハウジング内径面部1aにころ軸受2を
取付ける。ころ軸受2は、ハウジング内径面部1aに対
して隙間嵌めとし、油膜5に浮かせた状態で使用され
る。ころ軸受2は、弾性リング4に対しては圧入状態と
する。
2と共に説明する。この軸受装置は、ハウジング1の軸
受取付面となる内径面部1aにころ軸受2を装着した軸
受装置において、次の構成としたものである。ハウジン
グ内径面部1aに、複数本(図示の例では2本)の環状
のシール装着溝3を設け、これらシール装着溝3にシー
ル用の弾性リング4を一部突出状態に装着する。ハウジ
ング内径面部1aの弾性リング4,4間の部分に、油膜
5を生じさせ、ハウジング内径面部1aにころ軸受2を
取付ける。ころ軸受2は、ハウジング内径面部1aに対
して隙間嵌めとし、油膜5に浮かせた状態で使用され
る。ころ軸受2は、弾性リング4に対しては圧入状態と
する。
【0010】ころ軸受2は、針状ころ軸受であり、外輪
6と、保持器7と、保持器7に保持された針状のころ8
とで構成される。ころ8は直接に軸(図示せず)に転接
させる。外輪6は、両鍔付きのものであって、シェル
型、つまり鋼板等の金属板を絞り成形した形式のもので
ある。外輪6は、削り出し品であっても良い。
6と、保持器7と、保持器7に保持された針状のころ8
とで構成される。ころ8は直接に軸(図示せず)に転接
させる。外輪6は、両鍔付きのものであって、シェル
型、つまり鋼板等の金属板を絞り成形した形式のもので
ある。外輪6は、削り出し品であっても良い。
【0011】弾性リング4は、Oリング等からなり、フ
ッ素ゴムまたはシリコンゴム等の耐腐食性のある材質の
ものが用いられる。油膜5は、軸受2のハウジング1へ
の取付時に、ハウジング内径面部1aにオイルまたはグ
リースを塗布し、軸受2を組込むこと等によって形成さ
れる。油膜5の油は、粘性が大きく、かつ耐腐食性のも
のであることが好ましく、シリコン系のオイルや、グリ
ース、防錆油等が使用される。
ッ素ゴムまたはシリコンゴム等の耐腐食性のある材質の
ものが用いられる。油膜5は、軸受2のハウジング1へ
の取付時に、ハウジング内径面部1aにオイルまたはグ
リースを塗布し、軸受2を組込むこと等によって形成さ
れる。油膜5の油は、粘性が大きく、かつ耐腐食性のも
のであることが好ましく、シリコン系のオイルや、グリ
ース、防錆油等が使用される。
【0012】この構成の軸受装置によると、軸受2の外
輪6は、2本の弾性リング4,4間に形成された油膜5
と、弾性リング4とにより支えられ、かつ弾性リング4
により外輪6とハウジング1との間のクリープも防止さ
れる。また、外輪6は、当初より締代を持たずにハウジ
ング1に取付けられているため、ラジアル隙間の変化も
発生しない。弾性リング4は、ハウジング1に形成され
たシール装着溝3に装着するため、外輪6には溝加工が
不要であり、シェル型軸受のように外輪6の肉厚の薄い
針状ころ軸受であっても、支障なく適用することができ
る。
輪6は、2本の弾性リング4,4間に形成された油膜5
と、弾性リング4とにより支えられ、かつ弾性リング4
により外輪6とハウジング1との間のクリープも防止さ
れる。また、外輪6は、当初より締代を持たずにハウジ
ング1に取付けられているため、ラジアル隙間の変化も
発生しない。弾性リング4は、ハウジング1に形成され
たシール装着溝3に装着するため、外輪6には溝加工が
不要であり、シェル型軸受のように外輪6の肉厚の薄い
針状ころ軸受であっても、支障なく適用することができ
る。
【0013】油膜5によるクリープ防止等の効果を説明
する。軸受2に荷重が加わると、外輪6はハウジング1
に対して荷重の方向に偏心する。しかし、外輪6とハウ
ジング1との間の弾性リング4,4で囲まれた部分には
油膜5が封じ込められているため、外輪6の外径面がハ
ウジング内径面部1aに急激に接近しようとすると、薄
いフィルム状となっている粘性流体からなる油膜5は容
易に流動することができず、大きな圧力を生じる。いわ
ゆるスクイズフィルム(squeeze film) 効果が生じる。
弾性リング4,4は、このとき高圧となった油膜5が外
部に漏れるのを防止する。
する。軸受2に荷重が加わると、外輪6はハウジング1
に対して荷重の方向に偏心する。しかし、外輪6とハウ
ジング1との間の弾性リング4,4で囲まれた部分には
油膜5が封じ込められているため、外輪6の外径面がハ
ウジング内径面部1aに急激に接近しようとすると、薄
いフィルム状となっている粘性流体からなる油膜5は容
易に流動することができず、大きな圧力を生じる。いわ
ゆるスクイズフィルム(squeeze film) 効果が生じる。
弾性リング4,4は、このとき高圧となった油膜5が外
部に漏れるのを防止する。
【0014】スクイズフィルム効果による圧力が軸受荷
重と吊り合える条件であれば、外輪6はハウジング内径
面部1aと接触することなく、油膜5によって浮き上が
り状態に支えられることになる。軸受2が回転荷重を受
ければ、この状態は連続することになり、外輪6はハウ
ジング内径面部1aとの間には連続した高圧の油膜5が
形成される。このようなスクイズフィルム効果による圧
力は、通常の使用条件であれば、大きな回転荷重に対し
て十分に吊り合えるだけの大きさがある。
重と吊り合える条件であれば、外輪6はハウジング内径
面部1aと接触することなく、油膜5によって浮き上が
り状態に支えられることになる。軸受2が回転荷重を受
ければ、この状態は連続することになり、外輪6はハウ
ジング内径面部1aとの間には連続した高圧の油膜5が
形成される。このようなスクイズフィルム効果による圧
力は、通常の使用条件であれば、大きな回転荷重に対し
て十分に吊り合えるだけの大きさがある。
【0015】弾性リング4,4は、前記のように油膜5
が漏れるのを防ぐ役目と、油膜5によって浮いている外
輪6が転走面で受ける回転方向の転がり摩擦力で回転す
るのを防ぐ役目を兼ねる。したがって、外輪6は、回転
荷重を受けている間、ハウジング1に対して転がり運動
をすることがなく、クリープは発生しない。
が漏れるのを防ぐ役目と、油膜5によって浮いている外
輪6が転走面で受ける回転方向の転がり摩擦力で回転す
るのを防ぐ役目を兼ねる。したがって、外輪6は、回転
荷重を受けている間、ハウジング1に対して転がり運動
をすることがなく、クリープは発生しない。
【0016】次に、この発明の軸受装置を応用したコン
プレッサにつき説明する。上記の〔課題を解決するため
の手段〕で説明した各構成の軸受装置は、コンプレッサ
(例えば、カーエアコンディショナー用コンプレッサ)
における主軸をハウジングに支持する軸受装置や、可動
スクロールと偏心軸との間に介在させる軸受装置等に効
果的に応用できる。図3,図4は、各々この発明の軸受
装置を応用したコンプレッサの一例を示す。
プレッサにつき説明する。上記の〔課題を解決するため
の手段〕で説明した各構成の軸受装置は、コンプレッサ
(例えば、カーエアコンディショナー用コンプレッサ)
における主軸をハウジングに支持する軸受装置や、可動
スクロールと偏心軸との間に介在させる軸受装置等に効
果的に応用できる。図3,図4は、各々この発明の軸受
装置を応用したコンプレッサの一例を示す。
【0017】図3は可変容量型のコンプレッサの一例を
示す。このコンプレッサは、シリンダ21のピストン2
2を、主軸23の回転により斜板24を介して往復動作
させて気体圧縮作用を得るものであり、主軸23をコン
プレッサのハウジング25に支持する複数箇所のラジア
ル軸受装置26,27に、この発明の軸受装置が適用さ
れている。主軸23は、この他にスラスト軸受28を介
してハウジング25に支持されている。ラジアル軸受装
置26,27は、図1と共に説明した構成のものであ
り、コンプレッサのハウジング25が、図1の例におけ
るハウジング1となる。ころ8は、主軸23の外径面に
転接する。斜板24は、主軸23に連結されていて、主
軸23の回転により、みそすり運動と呼ばれる動作、す
なわち一定の傾き角度のままで傾き方向を周方向にずら
せる運動を行う。斜板24は、スラスト軸受29を介し
てハウジング25に支持される。ハウジング25は、ア
ルミニウム製とされている。このコンプレッサは、ワッ
ブル型可変容量コンプレッサであり、カーエアコンに用
いられる。
示す。このコンプレッサは、シリンダ21のピストン2
2を、主軸23の回転により斜板24を介して往復動作
させて気体圧縮作用を得るものであり、主軸23をコン
プレッサのハウジング25に支持する複数箇所のラジア
ル軸受装置26,27に、この発明の軸受装置が適用さ
れている。主軸23は、この他にスラスト軸受28を介
してハウジング25に支持されている。ラジアル軸受装
置26,27は、図1と共に説明した構成のものであ
り、コンプレッサのハウジング25が、図1の例におけ
るハウジング1となる。ころ8は、主軸23の外径面に
転接する。斜板24は、主軸23に連結されていて、主
軸23の回転により、みそすり運動と呼ばれる動作、す
なわち一定の傾き角度のままで傾き方向を周方向にずら
せる運動を行う。斜板24は、スラスト軸受29を介し
てハウジング25に支持される。ハウジング25は、ア
ルミニウム製とされている。このコンプレッサは、ワッ
ブル型可変容量コンプレッサであり、カーエアコンに用
いられる。
【0018】このようなコンプレッサの主軸23を支持
する軸受装置26,27は、気体圧縮動作による発熱の
影響が大きく、またハウジング25が軽量化のためにア
ルミニウム製とされていて、クリープの生じやすい環境
下にある。しかも自動車用では音や振動の低減が厳しく
要求される。このような環境,要求に対して、この発明
の軸受装置を用いることで、十分なクリープ防止効果が
得られる。また、針状ころ軸受を用いることで、特にシ
ェル型外輪の針状ころ軸受を用いることで、軸受の軽量
化、小型化、コスト低下も図れる。自動車部品ではグラ
ム単位で軽量化が望まれており、このように針状ころ軸
受を用いながらクリープ防止効果が高められるようにし
たことは、カーエアコン用コンプレッサに対する要求に
効果的に適合するものである。
する軸受装置26,27は、気体圧縮動作による発熱の
影響が大きく、またハウジング25が軽量化のためにア
ルミニウム製とされていて、クリープの生じやすい環境
下にある。しかも自動車用では音や振動の低減が厳しく
要求される。このような環境,要求に対して、この発明
の軸受装置を用いることで、十分なクリープ防止効果が
得られる。また、針状ころ軸受を用いることで、特にシ
ェル型外輪の針状ころ軸受を用いることで、軸受の軽量
化、小型化、コスト低下も図れる。自動車部品ではグラ
ム単位で軽量化が望まれており、このように針状ころ軸
受を用いながらクリープ防止効果が高められるようにし
たことは、カーエアコン用コンプレッサに対する要求に
効果的に適合するものである。
【0019】図4はスクロール型コンプレッサの一例を
示す。このコンプレッサは、固定スクロール31に対し
て可動スクロール32をスクロール動作させることで、
気体圧縮作用を得るものである。可動スクロール32
は、主軸33の偏心軸部33aに軸受装置34を介して
回転自在に支持され、主軸33の回転によりスクロール
動作させられる。主軸33は軸受35でコンプレッサの
ハウジング36に回転自在に支持されている。上記の可
動スクロール32と偏心軸部33aとの間の軸受装置3
4に、この発明の軸受装置が用いられている。この軸受
装置は、図1と共に説明した構成のものであり、この場
合、可動スクロール32の基盤部32aが、図1の軸受
装置におけるハウジング1となる。このコンプレッサ
も、自動車のカーエアコンに使用されるものである。こ
のようにスクロール型のコンプレッサに応用した場合
も、この発明の軸受装置によるクリープ防止効果、およ
び針状ころ軸受2を用いたことによる軽量化,小型化の
効果が有効となる。
示す。このコンプレッサは、固定スクロール31に対し
て可動スクロール32をスクロール動作させることで、
気体圧縮作用を得るものである。可動スクロール32
は、主軸33の偏心軸部33aに軸受装置34を介して
回転自在に支持され、主軸33の回転によりスクロール
動作させられる。主軸33は軸受35でコンプレッサの
ハウジング36に回転自在に支持されている。上記の可
動スクロール32と偏心軸部33aとの間の軸受装置3
4に、この発明の軸受装置が用いられている。この軸受
装置は、図1と共に説明した構成のものであり、この場
合、可動スクロール32の基盤部32aが、図1の軸受
装置におけるハウジング1となる。このコンプレッサ
も、自動車のカーエアコンに使用されるものである。こ
のようにスクロール型のコンプレッサに応用した場合
も、この発明の軸受装置によるクリープ防止効果、およ
び針状ころ軸受2を用いたことによる軽量化,小型化の
効果が有効となる。
【0020】なお、前記実施形態は、軸受2が針状ころ
軸受である場合につき説明したが、軸受2には円筒ころ
軸受を用いても良い。また、その円筒ころ軸受は、外輪
がシェル型のものであっても、削り出し品であっても良
い。図3や図4に示したコンプレッサにおいても、その
ラジアル軸受装置26,27や、偏心軸部33aの軸受
装置34に、円筒ころ軸受を用いても良い。
軸受である場合につき説明したが、軸受2には円筒ころ
軸受を用いても良い。また、その円筒ころ軸受は、外輪
がシェル型のものであっても、削り出し品であっても良
い。図3や図4に示したコンプレッサにおいても、その
ラジアル軸受装置26,27や、偏心軸部33aの軸受
装置34に、円筒ころ軸受を用いても良い。
【0021】
【発明の効果】この発明は、軸受の取付面となるハウジ
ング内径面部に、複数本の環状のシール装着溝を設け、
これらシール装着溝にシール用の弾性リングを一部突出
状態に装着し、前記ハウジング内径面部の前記弾性リン
グ間の部分に油膜を生じさせたものであるため、外輪の
断面高さの低いころ軸受を用いても、クリープの発生を
油膜で防止することができる。ハウジング内径面部に対
してころ軸受を隙間嵌めとした場合は、当初より締代を
持たずに取付けられるため、ラジアル隙間の変化も発生
しない。
ング内径面部に、複数本の環状のシール装着溝を設け、
これらシール装着溝にシール用の弾性リングを一部突出
状態に装着し、前記ハウジング内径面部の前記弾性リン
グ間の部分に油膜を生じさせたものであるため、外輪の
断面高さの低いころ軸受を用いても、クリープの発生を
油膜で防止することができる。ハウジング内径面部に対
してころ軸受を隙間嵌めとした場合は、当初より締代を
持たずに取付けられるため、ラジアル隙間の変化も発生
しない。
【図1】この発明の一実施形態にかかる軸受装置の部分
断面図である。
断面図である。
【図2】同軸受装置に用いたころ軸受の部分断面図であ
る。
る。
【図3】同軸受装置を応用したコンプレッサの一例を示
す断面図である。
す断面図である。
【図4】同軸受装置を応用したコンプレッサの他の例を
示す断面図である。
示す断面図である。
1…ハウジング 1a…内径面部 2…ころ軸受 3…シール装着溝 4…弾性リング 5…油膜
Claims (4)
- 【請求項1】 軸受の取付面となるハウジング内径面部
に、複数本の環状のシール装着溝を設け、これらシール
装着溝にシール用の弾性リングを一部突出状態に装着
し、前記ハウジング内径面部の前記弾性リング間の部分
に油膜を生じさせ、前記ハウジング内径面部にころ軸受
を取付けた軸受装置。 - 【請求項2】 前記ハウジング内径面部ところ軸受の外
径面とは、隙間嵌めとなっている請求項1記載の軸受装
置。 - 【請求項3】 前記ころ軸受は、外輪がシェル型のもの
である請求項1または請求項2記載の軸受装置。 - 【請求項4】 前記ころ軸受は、針状ころ軸受である請
求項1ないし請求項3のいずれかに記載の軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10301797A JP2000130454A (ja) | 1998-10-23 | 1998-10-23 | 軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10301797A JP2000130454A (ja) | 1998-10-23 | 1998-10-23 | 軸受装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000130454A true JP2000130454A (ja) | 2000-05-12 |
Family
ID=17901298
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10301797A Pending JP2000130454A (ja) | 1998-10-23 | 1998-10-23 | 軸受装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000130454A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005233399A (ja) * | 2004-02-23 | 2005-09-02 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | 回転構造 |
JP2006153127A (ja) * | 2004-11-29 | 2006-06-15 | Ntn Corp | ころ軸受 |
RU2320908C2 (ru) * | 2006-04-13 | 2008-03-27 | Государственное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Орловский государственный технический университет" (ОрелГТУ) | Комбинированная опора с упругими элементами |
EP1878881A4 (en) * | 2005-02-17 | 2011-03-09 | Jtekt Corp | CAMSHAFT DEVICE AND METHOD FOR ASSEMBLING THE SAME |
CN103775495A (zh) * | 2012-10-17 | 2014-05-07 | Skf公司 | 用于滚动轴承圈的蠕变预防装置及设有该装置的轴承 |
US20140270613A1 (en) * | 2011-10-31 | 2014-09-18 | Mitsubishi Heavy Industries Automotive Thermal Systems Co., Ltd. | Radial roller bearing, rotary machine including radial roller bearing, and method for designing radial roller bearing |
-
1998
- 1998-10-23 JP JP10301797A patent/JP2000130454A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005233399A (ja) * | 2004-02-23 | 2005-09-02 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | 回転構造 |
JP2006153127A (ja) * | 2004-11-29 | 2006-06-15 | Ntn Corp | ころ軸受 |
EP1878881A4 (en) * | 2005-02-17 | 2011-03-09 | Jtekt Corp | CAMSHAFT DEVICE AND METHOD FOR ASSEMBLING THE SAME |
RU2320908C2 (ru) * | 2006-04-13 | 2008-03-27 | Государственное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Орловский государственный технический университет" (ОрелГТУ) | Комбинированная опора с упругими элементами |
US20140270613A1 (en) * | 2011-10-31 | 2014-09-18 | Mitsubishi Heavy Industries Automotive Thermal Systems Co., Ltd. | Radial roller bearing, rotary machine including radial roller bearing, and method for designing radial roller bearing |
US9400016B2 (en) * | 2011-10-31 | 2016-07-26 | Mitsubishi Heavy Industries Automotive Thermal... | Radial roller bearing, rotary machine including radial roller bearing, and method for designing radial roller bearing |
CN103775495A (zh) * | 2012-10-17 | 2014-05-07 | Skf公司 | 用于滚动轴承圈的蠕变预防装置及设有该装置的轴承 |
CN103775495B (zh) * | 2012-10-17 | 2017-07-07 | Skf公司 | 用于滚动轴承圈的蠕变预防装置及设有该装置的轴承 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3429100B2 (ja) | 両頭斜板式圧縮機 | |
GB2269863A (en) | Ball bearing for turbocharger | |
JP3736149B2 (ja) | 3点接触玉軸受を有する電磁クラッチ | |
JP2000130454A (ja) | 軸受装置 | |
JP2000240663A (ja) | 玉軸受 | |
EP1496278A1 (en) | Pulley bearing for engine auxiliaries | |
KR100749828B1 (ko) | 씰기능을 포함하는 래디알 포일 베어링 | |
JP2007270969A (ja) | 転がり軸受 | |
JPH09291942A (ja) | ラジアル転がり軸受 | |
CN100424358C (zh) | 密闭型旋转式压缩机及使用该压缩机的制冷循环装置 | |
JP2003083337A (ja) | スラスト針状ころ軸受 | |
JPH0914262A (ja) | 動圧気体ジャーナル軸受 | |
JP7175428B1 (ja) | 密封構造および密封方法 | |
JP2013174359A (ja) | 密封装置付き転がり軸受 | |
JP6867281B2 (ja) | 転がり軸受 | |
JP5556324B2 (ja) | 密封装置及び転がり軸受 | |
EP0676554A1 (en) | A sealing device for rolling contact bearings | |
US20210301924A1 (en) | Seal assembly | |
JP2019138374A (ja) | フォイル軸受、フォイル軸受ユニット、及びターボ機械 | |
JP2004211595A (ja) | スクロール型流体機械 | |
JP2000291665A (ja) | 転がり軸受 | |
KR100782374B1 (ko) | 정밀 래디알 포일 베어링 | |
CN115103954B (zh) | 涡轮增压器 | |
JPH0329589Y2 (ja) | ||
JPS63253190A (ja) | ローラピストン圧縮機 |