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JP2000118373A - 制動力制御方法および制動力制御装置 - Google Patents

制動力制御方法および制動力制御装置

Info

Publication number
JP2000118373A
JP2000118373A JP10292507A JP29250798A JP2000118373A JP 2000118373 A JP2000118373 A JP 2000118373A JP 10292507 A JP10292507 A JP 10292507A JP 29250798 A JP29250798 A JP 29250798A JP 2000118373 A JP2000118373 A JP 2000118373A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
wheel cylinder
cylinder pressure
pressure
wheel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10292507A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Hanamoto
孝幸 花本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP10292507A priority Critical patent/JP2000118373A/ja
Publication of JP2000118373A publication Critical patent/JP2000118373A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、液圧供給源を用いてホイルシリン
ダ圧を増圧することが可能な制動力制御方法および制動
力制御装置に関し、ブレーキ操作が解除されている状態
で車両を確実に停車状態に維持することを目的とする。 【解決手段】 車両の車輪速Vw を検出すると共に、ブ
レーキ操作中およびブレーキ非操作中のホイルシリンダ
圧Pw/c を検出する。また、車両が走行している状態か
ら車輪速Vw =0の状態に変化した時点で、車両が車輪
速Vw =0の状態から走行し始め再び車輪速Vw =0に
なるまでの間のホイルシリンダ圧の最大値Pmax を検出
する。そして、その最大値Pmax 以上の高圧のホイルシ
リンダ圧が発生するように、ポンプ78を作動させ、マ
スタカット弁28または保持弁34,36を閉弁状態と
する。この際、発生させるホイルシリンダ圧は、最大値
Pmax 、車両が停止するまでの制動状況、車両特有のク
リープ力、および車両停止時の車両姿勢等を考慮した適
切な値に設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制動力制御方法お
よび制動力制御装置に係り、特に、ブレーキペダルの踏
み込みが解除されている場合でも車両を停止状態に維持
することが可能な制動力制御方法および制動力制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開10−44949
号に開示される如く、液圧ブレーキ装置が知られてい
る。この液圧ブレーキ装置は、ブレーキ操作量に応じた
制動液圧を発生するマスタシリンダ、マスタシリンダと
後輪のホイルシリンダとの間に直列に配設された第1開
閉弁、および、第2開閉弁を備えている。また、前輪の
ホイルシリンダは、第1開閉弁と第2開閉弁との間に連
通している。
【0003】上記従来の装置において、通常時は、第1
開閉弁および第2開閉弁が共に開弁状態とされることに
より、前輪および後輪のホイルシリンダとマスタシリン
ダとが導通状態となる。この場合、マスタシリンダ圧が
前輪および後輪のホイルシリンダに導かれることで、前
輪および後輪のホイルシリンダ圧がマスタシリンダ圧と
等圧に制御される。
【0004】また、上記従来の装置において、前輪およ
び後輪のホイルシリンダ圧がマスタシリンダ圧と等圧に
制御されている状態で、第1開閉弁および第2開閉弁が
共に閉弁状態とされると、前輪のホイルシリンダとマス
タシリンダとの間が遮断状態となる。この場合、前輪の
ホイルシリンダ圧は、第1開閉弁および第2開閉弁が閉
弁される直前の液圧に維持される。従って、第1開閉弁
および第2開閉弁を閉弁することにより、その後、マス
タシリンダ圧の変化と無関係に、前輪のホイルシリンダ
圧を維持することができる。
【0005】更に、上記従来の装置は、車両が停車状態
にあるか否かを判別手段を有している。この判別手段に
より車両が停車状態にあると判別された場合、第1開閉
弁および第2開閉弁が共に閉弁状態とされる。この場
合、前輪のホイルシリンダ圧は、車両が停車状態にある
と判別される直前の液圧に維持される。従って、その
後、ブレーキ操作が解除されても、車両の停車状態を維
持することができる。このため、上記従来の装置によれ
ば、車両を運転する運転者の労力の軽減を図ることがで
きる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、運転者は、一
般に、車両を停車させる場合、車両が停車状態になる直
前にブレーキペダルの踏み込み量を減少させる。このた
め、ホイルシリンダ圧が車両が停車状態になる直前の液
圧に維持されると、車両を停車状態に維持する上で十分
な制動力を発生させることができない場合がある。従っ
て、上記従来の装置では、車両が停車状態となった後ブ
レーキ操作が解除された場合に、車両を停車状態に維持
することができない事態が生じ得る。
【0007】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、ブレーキペダルの踏み込みが解除されている状
態で車両を確実に停車状態に維持する制動力制御方法お
よび制動力制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、ホイルシリンダに対してブレーキ操作
量に応じた制動液圧を供給するマスタシリンダと、該マ
スタシリンダとは別の液圧供給源とを用いて車両に生じ
る制動力を制御する制動力制御方法であって、車両の速
度が所定値以下に低下する直前の所定時間内におけるホ
イルシリンダ圧の最大値を検出する第1の工程と、車両
の速度が所定値以下に低下した場合に、前記液圧供給源
を液圧源としてホイルシリンダ圧を前記最大値以上の液
圧に増圧させる第2の工程と、を備えることを特徴とす
る制動力制御方法により達成される。
【0009】本発明において、車両の速度が所定値以下
に低下する直前の所定時間内におけるホイルシリンダ圧
の最大値が検出される。そして、車両の速度が所定値以
下に低下すると、その後、ホイルシリンダ圧は、マスタ
シリンダとは別の液圧供給源を液圧源として、検出され
た最大値以上の液圧に増圧される。この場合、車両に大
きな制動力が発生することで、車両は確実に停車状態に
維持される。従って、本発明によれば、ブレーキ操作が
解除されている状態で車両を確実に停車状態に維持する
ことができる。
【0010】また、上記の目的は、請求項2に記載する
如く、ホイルシリンダに対してブレーキ操作量に応じた
制動液圧を供給するマスタシリンダと、該マスタシリン
ダとは別の液圧供給源と、を備える制動力制御装置にお
いて、車両の速度を検出する速度検出手段と、ホイルシ
リンダ圧を検出するホイルシリンダ圧検出手段と、車両
の速度が所定値以下に低下する直前の所定期間内におけ
るホイルシリンダ圧の最大値を検出する最大ホイルシリ
ンダ圧検出手段と、車両の速度が所定値以下に低下した
場合に、前記液圧供給源を液圧源としてホイルシリンダ
圧を前記最大値以上の液圧に増圧させる増圧手段と、を
備えることを特徴とする制動力制御装置により達成され
る。
【0011】本発明において、車両の速度が検出され、
また、車両に生じているホイルシリンダ圧が検出され
る。更に、車両の速度が所定値以下に低下する直前の所
定期間内におけるホイルシリンダ圧の最大値が検出され
る。そして、車両の速度が所定値以下に低下すると、ホ
イルシリンダ圧は、マスタシリンダとは別の液圧供給源
を液圧源として、検出された最大値以上の高圧に増圧さ
れる。上記の所定期間内における最大値以上のホイルシ
リンダ圧が車両に作用すると、車両には大きな制動力が
発生する。大きな制動力が発生すれば、車両を確実に停
車状態に維持することが可能となる。従って、本発明に
よれば、ブレーキ操作が解除されている状態で車両を確
実に停車状態に維持することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施例であ
る制動力制御装置のシステム構成図を示す。本実施例の
制動力制御装置は、右前輪FRおよび左後輪RLを含む
第1系統と、左前輪FLおよび右後輪RRを含む第2系
統とを備えている。これら2つの系統は、構成において
実質的に同一である。このため、以下の記載において
は、第1系統の構成および動作について説明する。
【0013】本実施例の制動力制御装置は、ダイアゴナ
ル配管(X配管)の装置であり、電子制御ユニット(以
下、ECUと称す)10により制御される。本実施例の
制動力制御装置は、ブレーキペダル12を備えている。
ブレーキペダル12の近傍には、ペダルスイッチ14が
配設されている。ペダルスイッチ14は、ブレーキペダ
ル12が踏み込まれることによりオン信号を出力する。
ECU10は、ペダルスイッチ14の出力信号に基づい
てブレーキペダル12が踏み込まれているか否かを判別
する。
【0014】ブレーキペダル12は、バキュームブース
タ16に連結されている。バキュームブースタ16は、
ブレーキペダル12が踏み込まれた場合に、ブレーキ踏
力Fに対して所定の倍力比を有するアシスト力Fa を発
生する。バキュームブースタ16には、マスタシリンダ
18が固定されている。マスタシリンダ18の内部に
は、第1液圧室および第2液圧室が形成されている。こ
れらの液圧室には、共にブレーキ踏力Fとアシスト力F
a との合力に応じたマスタシリンダ圧が発生する。
【0015】マスタシリンダ18の上部には、リザーバ
タンク20が配設されている。マスタシリンダ18とリ
ザーバタンク20とは、ブレーキペダル12の踏み込み
が解除されている場合にのみ導通状態となる。マスタシ
リンダ18の第1液圧室および第2液圧室には、それぞ
れ第1液圧通路22、および、第2液圧通路24が連通
している。第1液圧通路22は、第1系統の液圧回路に
連通している。一方、第2液圧通路24は、第2系統の
液圧回路(図示せず)に連通している。
【0016】第1液圧通路22には、マスタシリンダ圧
センサ26が配設されている。マスタシリンダ圧センサ
26は、第1液圧通路の内圧、すなわち、マスタシリン
ダ18が発生するマスタシリンダ圧に応じた電気信号P
M/C を出力する。マスタシリンダ圧センサ26の出力信
号PM/C は、ECU10に供給されている。ECU10
は、マスタシリンダ圧センサ26の出力信号PM/C に基
づいてマスタシリンダ圧を検出する。
【0017】第1液圧通路22には、マスタカット弁2
8を介して高圧通路30が連通している。マスタカット
弁28は、常態で開弁状態を維持し、ECU10から駆
動信号が供給されることにより閉弁状態となる2位置の
電磁弁である。マスタカット弁28には、逆止弁32が
配設されている。逆止弁32は、第1液圧通路22側か
ら高圧通路30側へ向かうブレーキフルードの流れのみ
を許容する一方向弁である。
【0018】高圧通路30は、保持弁34,36を介し
て制御液圧通路40,42に連通している。保持弁3
4,36は、常態で開弁状態を維持し、ECU10から
駆動信号が供給されることにより閉弁状態となる2位置
の電磁弁である。保持弁34,36には、それぞれ逆止
弁44,46が並列に配設されている。逆止弁44,4
6は、高圧通路30側から制御液圧通路40,42側へ
向かうブレーキフルードの流れのみを許容する一方向弁
である。
【0019】制御液圧通路40、右前輪FRのホイルシ
リンダ48に連通している。一方、制御液圧通路42
は、左後輪RLのホイルシリンダ50に連通している。
制御液圧通路40には、ホイルシリンダ圧センサ52が
配設されている。ホイルシリンダ圧センサ52は、制御
液圧通路40の内圧、すなわち、ホイルシリンダ48が
発生するホイルシリンダ圧に応じた電気信号Pw/c1を出
力する。一方、制御液圧通路42には、ホイルシリンダ
圧センサ54が配設されている。ホイルシリンダ圧セン
サ54は、制御液圧通路42の内圧、すなわち、ホイル
シリンダ50が発生するホイルシリンダ圧に応じた電気
信号Pw/c2を出力する。ホイルシリンダ圧センサ52,
54の出力信号は、ECU10に供給されている。EC
U10は、ホイルシリンダ圧センサ52,54の出力信
号に基づいて、ホイルシリンダ圧Pw/c1,Pw/c2を検出
する。
【0020】右前輪FRの近傍、および、左後輪RLの
近傍には、車輪速センサ56,58が配設されている。
車輪速センサ56は、右前輪FRの車輪速Vw に応じた
周期でパルス信号を出力する。一方、車輪速センサ58
は、左後輪RLの車輪速Vwに応じた周期でパルス信号
を出力する。車輪速センサ56,58の出力信号は、E
CU10に供給されている。ECU10は、これらの出
力信号に基づいて右前輪FRの車輪速Vw および左後輪
RLの車輪速Vw を検出する。
【0021】ホイルシリンダ48,50には、それぞ
れ、減圧弁60,62を介して低圧通路64に連通して
いる。減圧弁60,62は、常態で閉弁状態を維持し、
ECU10から駆動信号が供給されることにより開弁状
態となる2位置の電磁弁である。低圧通路64は、補助
リザーバ66に連通している。補助リザーバ66は、そ
の内部にピストン68およびスプリング70を備えてい
る。補助リザーバ66は、スプリング70を弾性変形さ
せることにより、その内部に所定量のブレーキフルード
を貯留することができる。
【0022】補助リザーバ66には、リザーバカット逆
止弁72を介して吸入通路74が連通している。吸入通
路74は、逆止弁76を介してポンプ78の吸入側に連
通していると共に、吸入弁80を介して第1液圧通路2
2に連通している。吸入弁80は、常態で閉弁状態を維
持し、ECU10から駆動信号が供給されることにより
開弁状態となる2位置の電磁弁である。ポンプ78の吐
出側は、逆止弁82を介して高圧通路30に連通してい
る。ポンプ78は、モータ84を動力源として補助リザ
ーバ66または吸入通路74からブレーキフルードを吸
入し、吸入したブレーキフルードを所定の吐出圧で高圧
通路30に吐出する。
【0023】本実施例の制動力制御装置は、加速度セン
サ86を備えている。加速度センサ86は、車両に作用
する前後方向加速度Gx に応じた電気信号を発生する。
加速度センサ86の出力信号は、ECU10に供給され
ている。ECU10は、その出力信号に基づいて車両に
作用する前後方向加速度Gx を検出する。次に、本実施
例の制動力制御装置の動作について説明する。
【0024】ECU10は、通常時は、制動力制御装置
が備えるすべての制御弁をオフ状態とする。この場合、
制動力制御装置において、図1に示す状態が実現され
る。図1に示す状態において、ホイルシリンダ48,5
0は、マスタシリンダ18と連通している。この場合、
ホイルシリンダ48,50には、マスタシリンダ圧と等
しいホイルシリンダ圧が導かれる。従って、本実施例の
制動力制御装置によれば、通常時にブレーキ操作量に応
じた制動力を発生させることができる。
【0025】車両の走行中には、ブレーキ操作の非実行
中に、または、ブレーキ操作の実行中に、各車輪のホイ
ルシリンダ圧にマスタシリンダ圧を越えるホイルシリン
ダ圧を導く要求が生ずる場合がある。かかる要求が生ず
ると、ECU10は、マスタカット弁28を閉弁状態
(オン状態)とし、吸入弁80を開弁状態(オン状態)
とし、かつ、ポンプ78をオン状態とする処理を実行す
る。
【0026】本実施例のシステムにおいて、マスタカッ
ト弁28が閉弁状態とされると、高圧通路30から第1
液圧通路22へ向かうブレーキフルードの流れが逆止弁
32によって阻止される。この場合、高圧通路30に、
第1液圧通路22の液圧、すなわち、マスタシリンダ圧
に比して高い液圧を導くことが可能となる。本実施例の
システムにおいて、吸入弁80が開弁状態とされると、
第1液圧通路22側のブレーキフルードがポンプ78の
吸入側に到達する。かかる状態でポンプ78がオン状態
とされると、ポンプ78は、第1液圧通路22からブレ
ーキフルードを吸入し、吸入したブレーキフルードを高
圧通路30に吐出する。
【0027】ポンプ78は、マスタシリンダ圧に比して
高い液圧を発生する機能を有している。従って、マスタ
カット弁28が閉弁された状態で吸入弁80が開弁状態
とされ、かつ、ポンプ78がオン状態とされると、その
後高圧通路30の内部に、マスタシリンダ圧に比して高
い液圧が発生する。このように、本実施例によれば、高
圧通路30の内部に、マスタシリンダ圧に比して高い液
圧を発生させることができる。従って、本実施例の制動
力制御装置によれば、ブレーキ操作の非実行中、また
は、ブレーキ操作の実行中に、各車輪のホイルシリンダ
に、マスタシリンダ圧を越えるホイルシリンダ圧を導く
ことができる。
【0028】ところで、一般に、運転者は、車両を停車
させた後にその状態を維持する場合、ブレーキペダル1
2を踏み込んだ状態に維持する。特に、トルクコンバー
タ付きのオートマチックトランスミッション車(以下、
AT車と称す)は、シフトレバーが走行位置にある場
合、アクセルペダルを踏み込むことなく低速で走行する
ことができる(クリープ現象)。以下、クリープ現象が
生じる際に車両に生じる駆動力をクリープ力と称す。こ
のため、AT車を停車状態に維持するためには、クリー
プ力に打ち勝つ制動力を発生させるべくブレーキペダル
12の踏み込みを継続する必要がある。
【0029】かかる手法で車両を停車状態に維持する
と、ブレーキペダル12の踏み込みを継続することで運
転者は多大な労力を必要とする。運転者の労力を軽減す
るためには、車両を停車させた後、運転者がブレーキペ
ダル12を操作することなく、車両を停車状態に維持で
きることが望ましい。上記の機能を実現する手法とし
て、車両が停車した時点でマスタカット弁28または保
持弁34,36を閉弁状態にする手法が考えられる。マ
スタカット弁28または保持弁34,36が閉弁状態と
されると、ホイルシリンダ48,50は、補助リザーバ
66およびマスタシリンダ18の双方から遮断される。
この場合、ホイルシリンダ圧は、マスタカット弁28ま
たは保持弁34,36が閉弁状態になる直前のホイルシ
リンダ圧に維持される。このため、上記の手法によれ
ば、ブレーキペダル12の踏み込みが解除されても、車
両を停車状態に維持することが可能となる。
【0030】しかし、運転者は、車両を停車させる場
合、通常、車両が停車状態になる直前にブレーキペダル
12の踏み込み量を減少させている。かかる状態でマス
タカット弁28または保持弁34,36が閉弁される
と、車両を停車状態に維持するうえで十分なホイルシリ
ンダ圧が発生しない場合がある。従って、上記の手法
は、ブレーキペダル12の踏み込みが解除された場合に
車両を停車状態に維持する手法として適切ではない。
【0031】かかる不都合を解決する手法として、車両
が停車状態になった時点でホイルシリンダ圧をポンプ7
8で増圧させることが考えられる。かかる手法によれ
ば、マスタカット弁28または保持弁34,36が閉弁
状態になる直前のホイルシリンダ圧に比して高圧のホイ
ルシリンダ圧を発生させることができる。これにより、
ブレーキペダル12を踏み込むことなく、車両を停車状
態に維持することが可能となる。
【0032】図2は、車両が停車した後にホイルシリン
ダ圧を一制動中に生じた最大値に増圧する場合のホイル
シリンダ圧Pw/c の変化を表した図を示す。図2に示す
如く、運転者は、車両を停車させる場合、まず、車両を
減速させるべくホイルシリンダ圧Pw/c を徐々に増圧さ
せる(t≦t0 )。そして、ホイルシリンダ圧Pw/c の
増圧によってある程度まで車速が減速すると、停車位置
を調整すべくホイルシリンダ圧Pw/c を徐々に減少させ
る(t0 <t<t1 )。そして、車両が停車する直前で
は、車両を停車させるために必要最小限のホイルシリン
ダ圧P1 を発生させる(t=t1 )。
【0033】車両が停車した後には、一般に、車両に作
用させるホイルシリンダ圧Pw/c を、車両が停車するま
でに要したホイルシリンダ圧Pw/c の最大値を越えて発
生させる必要はない。一方、車両を確実に停車状態に維
持するためには、大きなホイルシリンダ圧を発生させる
ことが望ましい。従って、車両が停車した後のホイルシ
リンダ圧Pw/c は、車両が停止するまでに生じたホイル
シリンダ圧の最大値Pmax まで増圧される。かかる手法
によれば、運転者がブレーキペダル12を踏み込むこと
なく、大きなホイルシリンダ圧が発生することで、車両
を停車状態に維持することが可能となる。
【0034】図3は、車両が停車した後にホイルシリン
ダ圧をシステム上供給可能な最大のホイルシリンダ圧に
増圧する場合のホイルシリンダ圧Pw/c の変化を表した
図を示す。図3に示す如く、運転者は、車両が停車する
直前、車両を停車させるために必要最小限のホイルシリ
ンダ圧P2 を発生させる(t=t2 )。そして、車両が
停車した後のホイルシリンダ圧Pw/c は、ブレーキシス
テム上供給可能な最大のホイルシリンダ圧PH2に増圧さ
れる。かかる手法によれば、運転者がブレーキペダル1
2を踏み込むことなく、システム上最大のホイルシリン
ダ圧が発生することで、車両を停車状態に維持すること
が可能となる。
【0035】ところで、車両が長い下り坂等を走行する
ことによって頻繁に制動操作が繰り返されると、車両の
制動に用いられるディスクロータやブレーキパッドが熱
膨張する場合がある。かかる状況下で車両が停止する
と、ディスクロータやブレーキパッドが熱収縮し始め
る。同量のブレーキフルードが供給されている状況下、
ディスクロータやブレーキパッドが熱収縮している場合
のホイルシリンダ圧は、熱膨張している場合のホイルシ
リンダ圧に比して低圧となる。このため、車両が停車状
態になる前の所定時間内の最大値を供給するのみでは、
車両を確実に停車状態に維持することが困難となる場合
がある。
【0036】また、AT車を上り坂で停車させた場合に
は、AT車のクリープ力は、車両の制動力として作用す
る。かかる場合にエンジンを停止させると、クリープ力
が消滅することで、車両の制動力が減少することとな
る。かかる状況で車両を確実に停車状態に維持するため
には、ホイルシリンダ圧を増圧させる必要がある。従っ
て、この場合も、車両が停車状態になる前の所定時間内
の最大値を供給するのみでは、車両を確実に停車状態に
維持することが困難となる場合がある。
【0037】更に、車両を停車状態に維持すべくブレー
キシステム上供給可能な最大のホイルシリンダ圧を発生
させる場合、車両が比較的低圧のホイルシリンダ圧で停
車状態を維持できる場合でも常にポンプ78等を作動さ
せて、ホイルシリンダ圧を高圧に増圧する必要がある。
従って、かかる手法では、ポンプ78の作動に伴って、
作動音の継続により静粛性が悪化したり、省電力特性や
耐久性が悪化する事態が生ずる。
【0038】本実施例の制動力制御装置は、上記の場合
を考慮して、所定時間内に生じたホイルシリンダ圧の最
大値に比して高圧のホイルシリンダ圧を車両に作用させ
る点に特徴を有している。以下、図4乃至図7を参照し
て、本実施例の特徴部について説明する。図4(A)
は、車両が停車した後にホイルシリンダ圧を所定時間内
に生じた最大値に比して高圧に増圧する場合のホイルシ
リンダ圧Pw/c の変化を表した図を示す。図4(B)
は、図4(A)に示す如くホイルシリンダ圧を変化させ
た場合の車輪速Vw の変化を表した図を示す。
【0039】図4(A)に示す如く、本実施例では、車
両が車輪速Vw =0の状態(t=0)から走行し始めて
再び車輪速Vw =0の状態(t=t3 )になるまでの間
に、運転者は4回ブレーキペダル12を踏み込んでい
る。4回の制動操作は、それぞれ制動時間T1 、T2 、
T3 、およびT4 の間継続しており、それぞれ最大値P
1max’、P2max’、P3max’、およびP4max’のホイル
シリンダ圧が発生している。この4回の制動操作の最大
値のうち最も大きいホイルシリンダ圧Pmax は、P3ma
x’である。
【0040】制動操作中において、低圧のホイルシリン
ダ圧が比較的長時間に渡って継続している場合は、通常
の制動操作が行われていると判断できる。また、高圧の
ホイルシリンダ圧が短時間で終了する場合は、緊急ブレ
ーキ操作が行われていると判断できる。更に、高圧のホ
イルシリンダ圧が長時間に渡って繰り返し生じている場
合は、車両が長い下り坂を走行していると判断できる。
【0041】車両が長い下り坂を走行すると、制動操作
が繰り返し実行されることで、車両の制動に用いられる
ディスクロータやブレーキパッドが熱膨張を引き起こ
す。この場合、ホイルシリンダ圧は、ディスクロータ等
が熱膨張していない場合に比して比較的少量のブレーキ
フルードで高圧になる。かかる状況下で車両が停止する
と、ディスクロータ等が収縮し始め、ホイルシリンダ圧
が低圧になる。本実施例において、かかる状態を考慮し
て、車両が長い下り坂を走行していたと判断される場合
は、車両が停止した後のホイルシリンダ圧が、最大値P
max に比して高圧になるように増圧される。
【0042】また、車両がAT車である場合、この車両
が上り坂で停車すると、AT車のクリープ力は、車両の
制動力として作用する。かかる状況下でエンジンが停止
されると、クリープ力が消滅することで、車両に作用す
る制動力が減少することとなる。かかる場合に車両を停
車状態に維持するためには、消滅したクリープ力に相当
する制動力を発生させる必要がある。本実施例におい
て、ECU10は、車両が停車した際の車両姿勢を検出
し、その傾斜度を算出する。更に、ECU10は、予め
車両に生じ得る車両特有のクリープ力を記憶している。
【0043】本実施例において、車両が停車した後に発
生させるホイルシリンダ圧は、ホイルシリンダ圧の最大
値、車両が停止するまでの制動状況、クリープ力、およ
び停止時の車両姿勢等を考慮して、ホイルシリンダ圧の
最大値であるPmax に比してα(≧0)だけ高圧のPH3
に設定される。図4に示す如く、運転者は、車両が停車
する直前、車両を停車させるために必要最小限のホイル
シリンダ圧P3 を発生させる(t=t3 )。そして、車
両が停車した後のホイルシリンダ圧Pw/c は、設定され
たホイルシリンダ圧PH3に増圧される。かかる手法によ
れば、運転者がブレーキペダル12を踏み込むことな
く、最大値に比して高圧のホイルシリンダ圧が発生する
ことで、車両を確実に停車状態に維持することが可能と
なる。従って、上記の手法によれば、ディスクロータや
ブレーキパッドの熱収縮および冷却性能等を考慮するこ
とにより、車両が停車状態になる前の所定時間内に生じ
たホイルシリンダ圧の最大値を車両に供給する場合に比
して、車両を停車状態に維持する際の信頼性の向上が図
られる。
【0044】図5は、上記の機能を実現すべく、ECU
10で実行される制御ルーチンの一例のフローチャート
を示す。図5に示すルーチンは、その処理が終了する毎
に繰り返し起動されるルーチンである。図5に示すルー
チンが起動されると、まずステップ100の処理が実行
される。ステップ100では、ペダルスイッチ14がオ
ン信号を出力しているか否かが判別される。ペダルスイ
ッチ14がオン信号を出力していないと判別される場合
は、ブレーキ操作が実行されていないと判断できる。一
方、ペダルスイッチ14がオン信号を出力していると判
別される場合は、ブレーキ操作が行われていると判断で
きる。本ステップ100の処理は、上記の条件が成立す
ると判別されるまで繰り返し実行される。その結果、ペ
ダルスイッチ14がオン信号を出力していると判別され
ると、次にステップ102の処理が実行される。
【0045】ステップ102では、ホイルシリンダ圧セ
ンサ52,54の出力信号に基づいて、ホイルシリンダ
48,50のホイルシリンダ圧Pw/c1,Pw/c2が検出さ
れる。ステップ104では、車輪速センサ56,58の
出力信号に基づいて、右前輪FRおよび左後輪RLの車
輪速Vw が検出され、その車輪速Vw が共に“0”であ
るか否かが判別される。Vw =0でない場合、車輪が回
転しており、車両が走行していると判断できる。この場
合、上記ステップ100以降の処理が繰り返し実行され
る。一方、Vw =0である場合、車輪が停止しており、
車両が停止していると判断できる。本ステップ104に
おいて、Vw =0であると判別されると、次にステップ
106の処理が実行される。
【0046】ステップ106では、一制動中でのホイル
シリンダ圧の最大値Pmax ’,制動時間T’が算出され
る。そして、それらの値に基づいて、車両が車輪速Vw
=0の状態から走行し始めて再び車輪速Vw =0の状態
になるまでのホイルシリンダ圧の最大値Pmax ,全制動
時間Tが検出されると共に、車輪速Vw の変化が検出さ
れる。
【0047】ところで、車両を上り坂や下り坂に停車さ
せる場合は、水平位置に停車させる場合に比して大きな
制動力が必要となると共に、上り坂や下り坂の傾斜度が
大きくなるほど大きな制動力が必要となる。このため、
車両が停車した後は、車両姿勢の状態に応じて車両に作
用させるホイルシリンダ圧を変化させることが望まし
い。
【0048】ステップ108では、加速度センサ86の
出力信号に基づいて、車両が停車した場合の水平方向か
らの車両姿勢の状態が検出される。図6は、車両の前後
方向の車両姿勢と、車両に作用させるホイルシリンダ圧
との関係を表した図を示す。図6に示す如く、車両姿勢
が水平方向から大きく傾斜するほど、大きなホイルシリ
ンダ圧を発生させる。
【0049】上記ステップ108の処理が終了すると、
次にステップ110の処理が実行される。ステップ11
0では、車両が停車状態になった後に車両に作用させる
ホイルシリンダ圧PH を設定する処理が実行される。具
体的には、車両が車輪速Vw =0の状態から走行し始め
て車輪速Vw =0の状態になるまでの間に生じたホイル
シリンダ圧の最大値Pmax に、上記ステップ106,1
08の処理を実行することにより得られるαを加算した
値を、車両に作用させるホイルシリンダ圧PH3とする処
理が実行される。
【0050】ステップ112では、上記ステップ110
で設定されたホイルシリンダ圧PH3が、車両が停止状態
になった時点におけるホイルシリンダ圧P0 に比して高
いか否かが判別される。PH3>P0 である場合は、現時
点のホイルシリンダ圧が低圧であると判断できる。この
場合、ホイルシリンダ圧を増圧させる必要があり、次に
ステップ114の処理が実行される。一方、PH3>P0
でない場合は、現時点のホイルシリンダ圧が高圧である
と判断できる。この場合、車両に作用させるホイルシリ
ンダ圧はそのままで十分であり、次にステップ118の
処理が実行される。
【0051】ステップ114では、吸入弁80が開弁状
態(オン状態)とされ、ポンプ78がオン状態とされ、
かつ、マスタカット弁28が閉弁状態(オン状態)とさ
れる。本ステップ114の処理が実行されると、ホイル
シリンダ48,50がマスタシリンダ18から切り離さ
れると共に、ポンプ78の吐出圧がホイルシリンダ4
8,50に供給され始める。従って、本ステップ114
の処理が実行されると、以後、右前輪FRおよび左後輪
RLのホイルシリンダ圧Pw/c が速やかにマスタシリン
ダ圧に比して高圧に増圧される。
【0052】ステップ116では、ホイルシリンダ圧P
w/c を上記ステップ110で設定されたPH3に保持する
ための処理が実行される。具体的には、Pw/c =PH3と
なった時点でマスタカット弁28または保持弁34,3
6が閉弁状態とされると共に、ポンプ78がオフ状態と
される。本ステップ116の処理が実行されると、ホイ
ルシリンダ48,50がマスタシリンダ18側から切り
離される。このため、本ステップ116の処理が実行さ
れると、以後、ポンプ78を作動させることなく、ホイ
ルシリンダ圧Pw/c が高圧に維持される。
【0053】ステップ118では、ホイルシリンダ圧P
w/c を現時点の値P0 に保持するための処理が実行され
る。具体的には、上記ステップ116と同様に、マスタ
カット弁28または保持弁34,36が閉弁状態とされ
ると共に、ポンプ78がオフ状態とされる。本ステップ
118の処理が実行されると、以後、ポンプ78を作動
させることなく、ホイルシリンダ圧Pw/c が高圧に維持
される。
【0054】上記ステップ116または118の処理が
終了すると、今回のルーチンが終了される。上記の処理
によれば、車両が停車した後のホイルシリンダ圧を、車
両姿勢およびディスクロータやブレーキパッドの熱収縮
に関わる制動時間等を考慮して高圧に増圧することがで
きる。このため、本実施例によれば、車両が停車した後
に運転者がブレーキペダル12を操作することなく、大
きな制動力を発生させることができる。
【0055】また、上記の処理によれば、車両が停車し
た後にホイルシリンダ圧を高圧の状態に維持することが
できる。このため、本実施例によれば、車両が停車した
後に運転者がブレーキペダル12を操作することなく、
車両を確実に停車状態に維持することができる。従っ
て、本実施例によれば、車両を停車状態に維持する際の
運転者の労力の軽減を図ることができると共に、車両が
不意に動きだすことが防止されることで信頼性の向上を
図ることができる。
【0056】ところで、ホイルシリンダ圧が高圧に維持
されていると、マスタカット弁28または保持弁34,
36が閉弁状態であるにもかかわらず、ブレーキフルー
ドが第1液圧通路22、高圧通路30、あるいは、低圧
通路64に漏出する場合がある。ブレーキフルードが漏
出すると、ホイルシリンダ圧が減圧される事態が生じて
しまう。
【0057】図7は、ホイルシリンダ圧を保持する状況
下で、ブレーキフルードの漏出に起因するホイルシリン
ダ圧の低下を防止すべくポンプ78を作動させた場合の
ホイルシリンダ圧Pw/c の時間的変化を示す。本実施例
においては、ホイルシリンダ圧が減圧される事態を回避
すべく、ホイルシリンダ圧が所望の値(PH )から所定
の値(PH ’)まで減圧された場合にポンプ78が作動
される。このようにポンプ78が作動されると、常にホ
イルシリンダ圧を高圧に維持することが可能となる。こ
のため、本実施例によれば、車両が停車した後に運転者
がブレーキペダル12を操作することなく、常に大きな
制動力を発生させることができ、確実に車両を停車状態
に維持することができる。これにより、本実施例の制動
力制御装置によれば、車両を停車状態に維持する場合
に、運転者の労力の軽減を図ることができる。尚、所定
の値PH ’は、所望の値PH に基づいて設定される。
【0058】本実施例において、車両が停車した後は、
AT車において生ずるクリープ力に打ち勝つだけの大き
な制動力が発生する。クリープ力に打ち勝つほど大きな
制動力が発生すれば、運転者がブレーキペダル12を操
作することなく、車両は停車状態に維持される。従っ
て、本実施例によれば、クリープ現象に起因して車両が
低速で走行することを防止することができる。これによ
り、本実施例によれば、車両停車時に運転者がブレーキ
ペダル12から足を離すことができ、運転者の労力の軽
減を図ることができる。
【0059】尚、上記の実施例においては、ECU10
が、上記ステップ106の処理を実行することにより請
求項に記載した「第1の工程」が、上記ステップ114
の処理を実行することにより請求項に記載した「第2の
工程」が、それぞれ実現されている。また、上記の実施
例においては、ポンプ78が請求項に記載した「液圧供
給源」に相当していると共に、ECU10が、車輪速セ
ンサ56,58の出力信号に基づいて車両の速度を検出
することにより請求項に記載した「速度検出手段」が、
ホイルシリンダ圧センサの出力信号に基づいてホイルシ
リンダ圧Pw/c を検出することにより請求項に記載した
「ホイルシリンダ圧検出手段」が、車両が車輪速Vw =
0の状態から走行し始めて再び車輪速Vw =0の状態に
なるまでの間のホイルシリンダ圧の最大値Pmax を検出
することにより請求項に記載した「最大ホイルシリンダ
圧検出手段」が、上記ステップ114の処理を実行する
ことにより請求項に記載した「増圧手段」が、それぞれ
実現されている。
【0060】ところで、上記の実施例においては、車両
が停車状態から停車状態になるまで、すなわち、車両が
車輪速Vw =0の状態から走行し始めて車輪速Vw =0
の状態になるまでの間に発生したホイルシリンダ圧の最
大値を基準として、停車後のホイルシリンダ圧を設定す
ることとしているが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、車両が走行し始めた後、停車状態になる前の所
定時間の間に発生したホイルシリンダ圧の最大値を基準
としてもよい。
【0061】また、上記の実施例は、車両を停車状態に
維持するための液圧制御回路を構成しているが、アンチ
ロックブレーキ制御(ABS制御)、ブレーキアシスト
制御(BA制御)、または、トラクションコントロール
制御(TRC制御)を実行するための液圧制御回路を流
用することとしてもよい。この場合、これらの制御にお
いて、各車輪は、互いに異なるホイルシリンダ圧を発生
し得る。しかし、車両を停車状態に維持するためには、
各車輪が同等のホイルシリンダ圧を発生することが望ま
しい。このため、ABS制御等が実行され得る車両を停
車状態に維持する場合は、車両が停止した後、各車輪の
ホイルシリンダ圧は、それぞれ同等のホイルシリンダ圧
になるように個別に制御される。従って、ABS制御等
が実行された場合でも、各車輪が異なるホイルシリンダ
圧を発生することなく同等のホイルシリンダ圧を発生す
ることで、車両を確実に停車状態に維持することが可能
となる。
【0062】
【発明の効果】上述の如く、請求項1および2記載の発
明によれば、ブレーキ操作が解除されている状態で車両
を確実に停止状態に維持することができる。これによ
り、車両を停車状態に維持する際の運転者の労力を軽減
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である制動力制御装置のシ
ステム構成図である。
【図2】車両が停車した後にホイルシリンダ圧を一制動
中に生じた最大値に増圧する場合のホイルシリンダ圧の
変化を表した図である。
【図3】車両が停車した後にホイルシリンダ圧をシステ
ム上供給可能な最大のホイルシリンダ圧に増圧する場合
のホイルシリンダ圧の変化を表した図である。
【図4】図4(A)は、車両が停車した後にホイルシリ
ンダ圧を所定時間内に生じた最大値に比して高圧に増圧
する場合のホイルシリンダ圧の変化を表した図である。
図4(B)は、図4(A)に示す如くホイルシリンダ圧
を変化させた場合の車輪速の変化を表した図である。
【図5】本実施例が備えるECUにおいて実行される制
御ルーチンの一例のフローチャートである。
【図6】車両の前後方向の車両姿勢と、車両に作用させ
るホイルシリンダ圧との関係を表した図である。
【図7】ホイルシリンダ圧が保持されている状況下で、
ブレーキフルードの漏出に起因するホイルシリンダ圧の
低下を防止すべくポンプを作動させる場合のホイルシリ
ンダ圧の時間的変化を示す図である。
【符号の説明】
10 電子制御ユニット(ECU) 12 ブレーキペダル 18 マスタシリンダ 48,50 ホイルシリンダ 52,54 ホイルシリンダ圧センサ 56,58 車輪速センサ 78 ポンプ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホイルシリンダに対してブレーキ操作量
    に応じた制動液圧を供給するマスタシリンダと、該マス
    タシリンダとは別の液圧供給源とを用いて車両に生じる
    制動力を制御する制動力制御方法であって、 車両の速度が所定値以下に低下する直前の所定時間内に
    おけるホイルシリンダ圧の最大値を検出する第1の工程
    と、 車両の速度が所定値以下に低下した場合に、前記液圧供
    給源を液圧源としてホイルシリンダ圧を前記最大値以上
    の液圧に増圧させる第2の工程と、 を備えることを特徴とする制動力制御方法。
  2. 【請求項2】 ホイルシリンダに対してブレーキ操作量
    に応じた制動液圧を供給するマスタシリンダと、該マス
    タシリンダとは別の液圧供給源と、を備える制動力制御
    装置において、 車両の速度を検出する速度検出手段と、 ホイルシリンダ圧を検出するホイルシリンダ圧検出手段
    と、 車両の速度が所定値以下に低下する直前の所定期間内に
    おけるホイルシリンダ圧の最大値を検出する最大ホイル
    シリンダ圧検出手段と、 車両の速度が所定値以下に低下した場合に、前記液圧供
    給源を液圧源としてホイルシリンダ圧を前記最大値以上
    の液圧に増圧させる増圧手段と、 を備えることを特徴とする制動力制御装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100426736B1 (ko) * 2000-01-24 2004-04-13 주식회사 만도 정차시 차량의 브레이크 액압 제어장치 및 방법
JP2006089026A (ja) * 2004-08-27 2006-04-06 Advics:Kk 車両用駐車ブレーキ装置
JP2007001462A (ja) * 2005-06-24 2007-01-11 Advics:Kk 車両用駐車ブレーキ装置
JP2009248834A (ja) * 2008-04-09 2009-10-29 Hitachi Ltd ブレーキ制御装置
JP2013163432A (ja) * 2012-02-10 2013-08-22 Toyota Motor Corp 車両用制御装置
JP2020032794A (ja) * 2018-08-28 2020-03-05 いすゞ自動車株式会社 ブレーキ装置及び車両

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