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JP2000108704A - 複合プラネタリギア装置およびそれを用いたセンターディファレンシャル装置 - Google Patents

複合プラネタリギア装置およびそれを用いたセンターディファレンシャル装置

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Publication number
JP2000108704A
JP2000108704A JP10283799A JP28379998A JP2000108704A JP 2000108704 A JP2000108704 A JP 2000108704A JP 10283799 A JP10283799 A JP 10283799A JP 28379998 A JP28379998 A JP 28379998A JP 2000108704 A JP2000108704 A JP 2000108704A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sun gear
gear
pinion
planetary gear
sun
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10283799A
Other languages
English (en)
Inventor
Keisuke Shibuya
啓介 渋谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to JP10283799A priority Critical patent/JP2000108704A/ja
Publication of JP2000108704A publication Critical patent/JP2000108704A/ja
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  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 センターディファレンシャル装置におけるト
ルク配分比の変更を、部品の種類の増加を伴うことな
く、容易かつ安価に行うことができる複合プラネタリギ
ア装置を提供する。 【解決手段】 第1サンギア51と第2サンギア53と
を備え、これらの外周側に、第1サンギア51と噛合す
る第1ピニオン52と、第1ピニオン52と一体に形成
され第2サンギア53と噛合する第2ピニオン54を配
設してなる複合プラネタリギア装置において、第1サン
ギア51と第1ピニオン52を転位歯車にて形成する。
当該複合プラネタリギア装置を4輪駆動車のセンターデ
ィファレンシャル装置に用いることにより、第1サンギ
ア51の歯数および転位係数を変更することにより、前
後輪の基準トルク配分を容易に変更できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合プラネタリギ
ア装置に関し、特に、4輪駆動車のセンターディファレ
ンシャル装置に適用して有効な技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、4輪駆動車では前後輪の差動機
能を付与するため、変速機の後段にセンターディファレ
ンシャル装置が設けられており、そこでは、従来より遊
星歯車機構による複合プラネタリギア装置が多く用いら
れている。また、この複合プラネタリギア装置では、そ
の諸元を種々変更することにより前後輪への基準トルク
配分を任意に設定することができるため、これによりエ
ンジントルクを前後輪に配分することも広く行われてい
る。
【0003】ここで4輪駆動車においては、基準トルク
配分比率により車両の走行特性を変えることができる。
すなわち、トルクを後輪に多く配分した後輪偏重の設定
とすると、車両は後輪駆動車に近いオーバステア気味の
走行特性となり、回頭性、操縦性が良好となる。また、
前後輪に等分にトルクを配分すると、走破性が最大に発
揮される特性となる。さらに、トルクを前輪に多く配分
すると、アンダーステア気味となり走破性、安定性を向
上することができる。このため、4輪駆動車では、その
用途や車種等に応じて前後輪の基準トルク配分設定が行
われており、これらは前述の複合プラネタリギア装置に
おけるギア比の変更により行われる。
【0004】図5は、この複合プラネタリギア装置のギ
ア構成の概要を示す説明図である。図5において71は
第1サンギアであり、エンジンからの回転が伝達される
インターミディエイトシャフト(入力軸)72と一体に
設けられている。また、73は第2サンギアであり、後
輪側のリアドライブシャフト(出力軸)74と一体に設
けられている。さらに、第1サンギア71は第1ピニオ
ン75と、第2サンギア73は第2ピニオン76と噛み
合っており、第1および第2ピニオン75,76は一体
となってキャリア77に取り付けられている。なお、前
輪側には、キャリア77に固着された図示しないリダク
ションギアを介して回転が伝達される。
【0005】図5の構成において、例えばトルク配分比
を50:50とする場合には、第1サンギア71を36
歯、第2サンギア73を18歯とし、第1および第2ピ
ニオン75,76を21歯とする。これにより、インタ
ーミディエイトシャフト72から入力する入力トルクT
iは、キャリア77から出力されるフロント側トルクT
Fとリアドライブシャフト74から出力されるリア側ト
ルクTRとに等分に配分される。一方、トルク配分比を
45.5:54.5とする場合には、第1サンギア71
を33歯、第2サンギア73を18歯とし、第1および
第2ピニオン75,76を21歯とする。このように複
合プラネタリギア装置では、そのギア構成を変えること
により前後輪のトルク配分を自由に設定可能であり、4
輪駆動車のトルク配分手段として多く採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
複合プラネタリギア装置では、トルク配分比を変更する
場合には、その歯車諸元をドライブ側、ドリブン側とも
変更していた。従って、インターミディエイトシャフト
かリアドライブシャフトの何れか一方と、ピニオンの2
種類の部品を変更する必要があった。
【0007】例えば図5の場合、第2サンギア73が形
成されているリアドライブシャフト74は共用できるも
のの、第1サンギア71が形成されたインターミディエ
イトシャフト72は新規に設計製造しなくてはならな
い。また、第1および第2ピニオン75,76はトルク
配分比を変更しても同じ歯数であるが、第2サンギア7
3を共用するため、第1サンギア71側で軸間距離の調
整が必要となる。このため、第1サンギア71側のモジ
ュールを変更する必要が生じ、これもまた新たに設計製
造しなければならない。
【0008】すなわち、複合プラネタリギア装置では、
トルク配分比の変更は容易であるものの、そのたびに新
規の部品が生じることとなり、部品の種類が増加し、部
品管理上やコスト面において不利となるという問題があ
った。
【0009】本発明の目的は、センターディファレンシ
ャル装置におけるトルク配分比の変更を、部品の種類の
増加を伴うことなく、容易かつ安価に行うことができる
複合プラネタリギア装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の複合プラネタリ
ギア装置は、第1サンギアと、第1サンギアと同軸に配
設された第2サンギアとを備え、第1および第2サンギ
アの外周側に、第1サンギアと噛合する第1ピニオン
と、第1ピニオンと一体に形成され第2サンギアと噛合
する第2ピニオンとを配設してなる複合プラネタリギア
装置であって、第1サンギアと第2サンギアの一方また
は両方を転位歯車にて形成し、該転位歯車の転位係数を
変えて歯数を変化させたことを特徴としている。
【0011】これにより、転位係数を変更して形成した
サンギアの歯数を変更することにより、当該複合プラネ
タリギア装置におけるギア比が変更される。従って、新
たなピニオンを設計、製造することなくギア比の変更を
行うことができ、部品種類の増加を抑えることが可能と
なる。
【0012】また、本発明の他の複合プラネタリギア装
置は、第1サンギアと、第1サンギアと同軸に配設され
た第2サンギアとを備え、第1および第2サンギアの外
周側に、第1サンギアと噛合する第1ピニオンと、第1
ピニオンと一体に形成され第2サンギアと噛合する第2
ピニオンとを配設してなる複合プラネタリギア装置であ
って、第1ピニオンと第2ピニオンの一方または両方を
転位歯車にて形成し、該転位歯車の転位係数を変えて歯
数を変化させたことを特徴としている。
【0013】これにより、転位係数を変更して形成した
ピニオンの歯数を変更することにより、当該複合プラネ
タリギア装置におけるギア比が変更される。従って、新
たなサンギアを設計、製造することなくギア比の変更を
行うことができ、部品種類の増加を抑えることが可能と
なる。
【0014】さらに、本発明の他のセンターディファレ
ンシャル装置は、前記の複合プラネタリギア装置を用い
た4輪駆動車のセンターディファレンシャル装置であっ
て、前記転位歯車の転位係数および歯数を変更すること
により、4輪駆動車の前後輪の基準トルク配分を変更可
能としたことを特徴としている。
【0015】そしてこれにより、例えば第1サンギアの
交換のみでトルク配分比を変更することが可能となり、
部品種類の増加が抑制され、部品管理や生産管理、製品
コストの面で有利となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形
態である複合プラネタリギア装置を用いた4輪駆動車の
駆動系の構成を示したスケルトン図である。
【0017】ここでは、まずトルクコンバータケース
1、ディファレンシャルケース2の後部にトランスミッ
ションケース3が接合している。また、その後部にはト
ランスファケース4およびエクステンションケース6が
接合している。そして、トランスミッションケース3の
下部にはオイルパン5が取り付けられている。
【0018】符号10はエンジンであり、このエンジン
10のクランク軸11がトルクコンバータケース1の内
部に配設された、ロックアップクラッチ12を備えたト
ルクコンバータ13に連結されている。また、トルクコ
ンバータ13からは入力軸14が出ており、この入力軸
14はトランスミッションケース3内部の自動変速機3
0に伸びている。自動変速機30からは、変速出力軸1
5が入力軸14と同軸に出力しており、この変速出力軸
15がトランスファケース4内部のセンターディファレ
ンシャル装置50と同軸に連結されている。
【0019】トランスミッションケース3内部において
は、入、出力軸14,15に対してフロントドライブ軸
16が平行配置されている。このフロントドライブ軸1
6の後端はセンターディファレンシャル装置50に一対
のリダクションギア17,18を介して連結されてい
る。また、その前端はディファレンシャルケース2内部
のフロントディファレンシャル装置19に連結されてお
り、これを介してエンジン回転が前輪に伝達される。一
方、センターディファレンシャル装置50の後部には、
油圧多板クラッチ装置60が設けられている。そして、
そこから出力するリアドライブ軸20は、プロペラ軸2
1、リアディファレンシャル装置22等と連結され、こ
れらを介してエンジン回転が後輪に伝達される。
【0020】自動変速機30は、2組のフロントプラネ
タリギア31、リアプラネタリギア32により前進4段
と後進1段を得る構成となっている。ここでは、入力軸
14がリアプラネタリギア32のサンギア32aに連結
されている。また、フロントプラネタリギア31のリン
グギア31bおよびリアプラネタリギア32のキャリア
32cが変速出力軸15に連結されている。そして、フ
ロントプラネタリギア31のキャリア31cと一体的な
連結要素33と、リングギア32bとの間に、第1ワン
ウエイクラッチ34とフォワードクラッチ35が直列的
に設けられている。また、連結要素33と固定部材であ
るケースとの間に、第2ワンウエイクラッチ36とロー
リバースブレーキ37が並列的に設けられている。さら
に、連結要素33とリングギア32bとの間には、オー
バーランニングクラッチ38がバイパスして設けられて
いる。
【0021】サンギア31aと一体的な連結要素39に
は、バンドブレーキ40が設けられている。また、入力
軸14と一体的な連結要素41およびキャリア31cと
一体的な連結要素42との間には、ハイクラッチ43が
設けられている。さらに、連結要素39と41との間に
は、リバースクラッチ44が設けられている。
【0022】一方、自動変速機30の前方(図1におい
て左方)にはオイルポンプ45が設置され、トルクコン
バータ13のポンプインペラ側のドライブ軸46で駆動
される。オイルパン5にはコントロールバルブボデー4
7が収容され、前述の各クラッチ、ブレーキに制御油圧
を給排油している。
【0023】次に、自動変速機30の後方(図1におい
て右方)には、センターディファレンシャル装置50お
よび油圧多板クラッチ装置60が設けられている。この
場合、変速出力軸15の後方には、第1および第2中間
軸23,24を介してリアドライブ軸20が同軸上に配
置されている。また、変速出力軸15には前輪側のリダ
クションギア17が回転自在に嵌合している。そして、
これらの変速出力軸15、リダクションギア17および
第1,第2中間軸23,24の間に、センターディファ
レンシャル装置50が同軸上に配置される。
【0024】このセンターディファレンシャル装置50
は、遊星歯車を備えた複合プラネタリギア装置からな
り、図5に示したものと同様の構成を有している。図2
は、センターディファレンシャル装置50の分解斜視図
である。図2に示したように当該センターディファレン
シャル装置50は、変速出力軸15に形成された第1サ
ンギア51と、第2中間軸24に形成された第2サンギ
ア53とを有し、それらの周囲にキャリア55に支持さ
れた第1および第2ピニオン52,54を配した構成と
なっている。
【0025】キャリア55は、左右のフランジ55a,
55bをアーム55cにより一体化した構成となってい
る。この場合、両フランジ55a,55bの間にはピニ
オン軸56が架け渡されており、そこには軸方向に一体
に形成された第1および第2ピニオン52,54がベア
リングを介して回転自在に装着されている。そして、第
1サンギア51に第1ピニオン52が、第2サンギア5
3に第2ピニオン54が噛み合い、トルク配分した動力
を第2中間軸24に出力するよう構成されている。
【0026】一方、第2中間軸24の内部にはさらに第
1中間軸23が遊嵌されている。また、第1中間軸23
の前端の第1および第2サンギア51,53の間の間隙
部分には連結部材57が設けられている。この連結部材
57は、キャリア55のアーム55cに一体的にスプラ
イン結合しており、差動制限等の作用を行うようになっ
ている。さらに、キャリア55の一方のフランジ55a
にはリダクションギア17が、キャリア55の動力を出
力するように結合されている。この場合、キャリア55
の前方側は、それと一体に設けられたリダクションギア
17をトランスミッションケース3の側壁にベアリング
(図示せず)にて支持することにより支持される。また
後方側は、そのボス部55dの外周がトランスファケー
ス4に対してベアリング(図示せず)により支持され、
かつその内周が第2中間軸24に対してベアリング26
によって支持されることにより支持される。これによ
り、キャリア55は、両端支持状態で回転自在に設置さ
れることになる。
【0027】キャリア55の後方フランジ55bの円周
上3ヶ所には鍔部55eが突設されている。この鍔部5
5eと前方のフランジ55aにより、3組のピニオン軸
56と第1および第2ピニオン52,54が等間隔で装
着される。また、これらの間の円周上3ヶ所にはアーム
55cが配置される。アーム55cは中間がU字形に窪
んで小径に形成され、この小径部55fの内周にスプラ
イン溝55gが設けられる。第1中間軸23の端部に結
合される連結部材57は略三角形に形成され、円周上の
3ヶ所が断面L字形に形成されてスプライン溝57aが
設けられる。これらのスプライン溝55g,57aは、
フランジ55bのボス部55dの内径より若干小径に設
定されている。そして、両スプライン溝を一致させた状
態で第1中間軸23の連結部材57をボス部55dから
キャリア55の内部に挿入する。これにより、両スプラ
イン溝55g,57aが嵌合し、キャリア55と連結部
材57が結合される。
【0028】このような構成により、当該センターディ
ファレンシャル装置50は、第1サンギア51に入力す
る動力を、第1,第2サンギア51,53と第1,第2
ピニオン52,54との歯車諸元によるトルク配分比で
キャリア55と第2サンギア53に伝達している。ま
た、第1,第2ピニオン52,54の遊星回転により、
車両旋回時の旋回半径の差によって生じるキャリア55
と第2サンギア53との間の回転数差を吸収する差動機
能をも有している。
【0029】さらに、センターディファレンシャル装置
50の後方には油圧多板クラッチ装置60が設けられて
いる。この油圧多板クラッチ装置60ではまず、第2中
間軸24とリアドライブ軸20との間に、トルク伝達用
の摩擦係合要素としての油圧多板クラッチ61が介設さ
れている。また、第1中間軸23とリアドライブ軸20
との間には、差動制限とトルク移動用の摩擦係合要素と
しての油圧多板クラッチ62が介設されている。さら
に、第2中間軸24には、センターディファレンシャル
装置50の差動機能を阻止して、キャリア55を増速回
転させる摩擦係合要素としての第5速用ブレーキ63が
設けられている。
【0030】これらの油圧多板クラッチ61,62と第
5速用ブレーキ63は、センターディファレンシャル装
置50の直後において、第1中間軸23等の周囲の径方
向に3重に重合して同軸上に配置されている。この場
合、油圧多板クラッチ61,62は共にリアドライブ軸
20に連結され、油圧多板クラッチ61と第5速用ブレ
ーキ63は共に第2中間軸24に連結されている。従っ
て、油圧多板クラッチ61が中間に配置され、その外側
に第5速用ブレーキ63が、また、内側に油圧多板クラ
ッチ62が配置されることになる。
【0031】これらの油圧多板クラッチ61,62と第
5速用ブレーキ63は、コントロールバルブボデー47
で自動変速機30の変速制御等と共に油圧制御される。
すなわち、自動変速機30で前進4段後進1段に変速さ
れる場合は、第5速用ブレーキ63を解放して油圧多板
クラッチ61を係合させる。そして、油圧多板クラッチ
62を可変に係合制御することにより、油圧多板クラッ
チ62には後輪スリップ等に応じて差動制限トルクTc
が生じる。また、第4速で車速が設定値より上昇する
と、逆に第5速用ブレーキ63を係合して油圧多板クラ
ッチ61を解放する。これにより、第2サンギア53が
固定され、キャリア55が増速回転し、自動変速機30
の所定の変速段(第2速)との組み合わせで第5速が可
能となる。
【0032】次に、センターディファレンシャル装置5
0におけるトルク配分機能について図3を用いて説明す
る。図3は、センターディファレンシャル装置50にお
けるトルク配分状態を示す説明図である。この場合、第
1サンギア51の入力トルクをTi、その噛み合いピッ
チ半径をrs1、キャリア55のフロント側トルクをT
Fとする。また、第1,第2ピニオン52,54の噛み
合いピッチ半径をrp1,rp2とする。さらに、第2
サンギア53のリア側トルクをTR、その噛み合いピッ
チ半径をrs2とする。
【0033】このとき、トルクや噛み合いピッチ半径に
は次のような関係が成り立つ。
【0034】
【数1】
【0035】また、第1サンギア51と第1ピニオン5
2との噛合点に作用する接線方向荷重Pは、キャリア5
5に作用する接線方向荷重P1と、第2サンギア53と
第2ピニオン54との噛合点に作用する接線方向荷重P
2との和に等しい(P=P1+P2)。そして、この場
合、P=Ti/rs1、P1=TF/(rs1+rp
1)、P2=TR/rs2となることから、次の式が得
られる。
【0036】
【数2】
【0037】そこで、(1),(2)式を(3)式に代
入して整理すると、次の関係が得られる。
【0038】
【数3】
【0039】このことから、フロント側トルクTFとリ
ア側トルクTRの基準トルク配分比は、第1,第2サン
ギア51,53と、第1,第2ピニオン52,54との
噛み合いピッチ半径を適宜変更することにより自由に設
定し得ることがわかる。この場合、噛み合いピッチ半径
rs1,rp1,rp2,rs2は、それぞれのギアの
歯数Zs1,Zp1,Zp2,Zs2に置き換えること
ができる。そこで、例えばZp1=Zp2=21、Zs
1=33、Zs2=18とすると、TF:TR=45.
5:54.5となり、後輪偏重の基準トルク配分比が設
定される。
【0040】一方、トルク配分比として「50:50」
の等分のものが必要とされる場合には、Zp1=Zp2
=21、Zs1=36、Zs2=18とすれば良い。こ
の際、歯数としては第1サンギア51の歯数が異なるの
みで、他のギアの歯数に変化はない。ところが、従来の
複合プラネタリギア装置ではこのような場合でも、第2
サンギア53を共用する以外は全て別途に設計、製造し
たものを使用して基準トルク配分比を設定している。こ
れは、第1サンギア51の歯数の変更に伴い、第1,第
2ピニオン52,54をそのまま用いたのでは軸間距離
が合わなくなってしまうからである。
【0041】そこで、本発明による複合プラネタリギア
装置では、かかる場合においても他の部品を共用できる
ように、第1サンギア51と第1ピニオン52を転位歯
車にて形成し、歯数の変化による軸間距離の変化を転位
量(転位係数)を適宜調整することにより吸収してい
る。例えば、転位係数をXnとすると、先の例にて第1
ピニオン52を「Zp1=21;Xn=−0.15」と
しておき、第1サンギア51を、Zs1=33の場合に
「Xn=0.15766」の転位歯車とする一方、Zs
1=36の場合に「Xn=−1.2557」の転位歯車
とする。
【0042】図4は、これらのギアの諸元表である。図
4の表より、何れの第1サンギア51を用いた場合で
も、第1サンギア51と第1ピニオン52の噛み合いピ
ッチ円の軸間距離が40.5mmとなることがわかる。
これは、何れの第1サンギア51も、軸間距離を変える
ことなく第1ピニオン52と噛み合うことができること
を示している。すなわち、当該複合プラネタリギア装置
では、第1サンギア51の交換のみでギア比が変更で
き、それに伴いトルク配分比も変更されることになる。
【0043】このため、従来トルク配分比の変更には最
低でも2種類の部品を変更する必要があったが、前述の
ように1種類の部品を変更することでそれに対応するこ
とができる。従って、部品の種類を減らすことが可能と
なり、部品管理や生産管理上有益であるのみならず、製
品コストの削減も図ることが可能となる。
【0044】本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
あることはいうまでもない。
【0045】たとえば、前述の実施の形態では第1サン
ギア51と第1ピニオン52を転位歯車にて形成した例
を示したが、第2サンギア53と第2ピニオン54を転
位歯車にて形成するようにしても良い。また、これらを
全て転位歯車にて形成して、より広い範囲で歯車比を変
更できるようにすることも可能である。さらに、第1サ
ンギア51(または第2サンギア53)のみを転位歯車
とし、第1ピニオン52(または第2ピニオン54)を
標準歯車にて対応することも可能である。なお、前述の
各ギアの歯数や転位係数はあくまでも一例であり、本発
明の範囲がそれらに限定されないのは言うまでもない。
また、転位させたギアに関し、その強度を保持するため
歯幅を広くすることも可能である。
【0046】
【発明の効果】複合プラネタリギア装置における第1サ
ンギアを転位歯車にて形成したことことにより、複合プ
ラネタリギア装置のギア比の変更を1種類の部品の交換
によって行うことができる。従って、当該複合プラネタ
リギア装置を4輪駆動車のセンターディファレンシャル
装置に用いることにより、例えば第1サンギアの交換の
みでトルク配分比を変更することが可能となる。このた
め、部品の種類を減らすことが可能となり、部品管理や
生産管理上有益であるのみならず、製品コストの削減を
も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である複合プラネタリギ
ア装置を用いた4輪駆動車の駆動系の構成を示したスケ
ルトン図である。
【図2】センターディファレンシャル装置の分解斜視図
である。
【図3】センタディファレンシャル装置におけるトルク
配分状態を示す説明図である。
【図4】本発明による複合プラネタリギア装置における
各ギアの諸元表である。
【図5】複合プラネタリギア装置のギア構成の概要を示
す説明図である。
【符号の説明】
15 変速出力軸 23 第1中間軸 24 第2中間軸 50 センターディファレンシャル装置 51 第1サンギア 52 第1ピニオン 53 第2サンギア 54 第2ピニオン 55 キャリア

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1サンギアと、前記第1サンギアと同
    軸に配設された第2サンギアとを備え、前記第1および
    第2サンギアの外周側に、前記第1サンギアと噛合する
    第1ピニオンと、前記第1ピニオンと一体に形成され前
    記第2サンギアと噛合する第2ピニオンとを配設してな
    る複合プラネタリギア装置であって、前記第1サンギア
    と前記第2サンギアの一方または両方を転位歯車にて形
    成し、該転位歯車の転位係数を変えて歯数を変化させた
    ことを特徴とする複合プラネタリギア装置。
  2. 【請求項2】 第1サンギアと、前記第1サンギアと同
    軸に配設された第2サンギアとを備え、前記第1および
    第2サンギアの外周側に、前記第1サンギアと噛合する
    第1ピニオンと、前記第1ピニオンと一体に形成され前
    記第2サンギアと噛合する第2ピニオンとを配設してな
    る複合プラネタリギア装置であって、前記第1ピニオン
    と前記第2ピニオンの一方または両方を転位歯車にて形
    成し、該転位歯車の転位係数を変えて歯数を変化させた
    ことを特徴とする複合プラネタリギア装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の複合プラネタリ
    ギア装置を用いた4輪駆動車のセンターディファレンシ
    ャル装置であって、前記転位歯車の転位係数および歯数
    を変更することにより、前記4輪駆動車の前後輪の基準
    トルク配分を変更可能としたことを特徴とするセンター
    ディファレンシャル装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2009092036A (ja) * 2007-10-11 2009-04-30 Honda Motor Co Ltd ストローク可変エンジン

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