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JP2000108339A - 弾道エ―ロゾル印刷装置用プリントヘッド - Google Patents

弾道エ―ロゾル印刷装置用プリントヘッド

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Publication number
JP2000108339A
JP2000108339A JP26928899A JP26928899A JP2000108339A JP 2000108339 A JP2000108339 A JP 2000108339A JP 26928899 A JP26928899 A JP 26928899A JP 26928899 A JP26928899 A JP 26928899A JP 2000108339 A JP2000108339 A JP 2000108339A
Authority
JP
Japan
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printing
propellant
flow path
substance
flow
Prior art date
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Pending
Application number
JP26928899A
Other languages
English (en)
Inventor
Eric Peeters
ピータース エリック
Jaan Noolandi
ノーランディ ジャーン
Raj B Apte
ビー アプテ ラジュ
Philip D Floyd
ディ フロイド フィリップ
Meng H Lean
エイチ リーン メング
Armin R Volkel
アール ボルケル アーメン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Xerox Corp
Original Assignee
Xerox Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Priority claimed from US09/163,904 external-priority patent/US6116718A/en
Priority claimed from US09/163,799 external-priority patent/US6751865B1/en
Application filed by Xerox Corp filed Critical Xerox Corp
Publication of JP2000108339A publication Critical patent/JP2000108339A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14008Structure of acoustic ink jet print heads
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
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    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/02Air-assisted ejection

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高画質、高速印刷が可能なプリントヘッドを
提供する。 【解決手段】 印刷装置に用いられるプリントヘッド3
4であって、このプリントヘッド34では、被印刷体3
8に向かって推進体流が流路中を流れており、インキ、
トナー等の印刷物質を、調節しながら推進体流に導入
し、これらに被印刷体38に達するのに十分な運動エネ
ルギーを与える。推進体及び印刷物質を方向付けるため
の複数の流路により、高速度、高解像度印刷を可能にす
る。複数の印刷物質を流路に導入し、これらを被印刷体
38に印刷する前に、流路中で混合し、又は再度見当合
わせをすること無く、被印刷体38上で混合し又は重ね
合わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般に、印刷装置の
分野、特に、印刷物質を高速の推進体流中に導入するこ
とにより、印刷物質を被印刷体に印刷できる装置の部品
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インキジェット法は、現在一般的な印刷
技術であり、サーマルインキジェット(TIJ)、圧電
インキジェットなど、様々なタイプのインキジェット印
刷法がある。この方法は一般に、液状インキの飛沫を、
流路の一方の端に設けたオリフィスより射出するもので
ある。例えばTIJプリンタでは、インキを輸送する流
路中で気泡を爆発的に発生させることにより飛沫を射出
する。気泡は、流路の一方の表面に設けた、抵抗器形の
ヒータによって発生させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のTIJ及び他の
インキジェット装置には、幾つかの欠点が認められる。
300スポット/インチ(spi)のTIJ装置では、
インキ飛沫を射出する排出オリフィスは通常、幅約64
μm、流路間隔(ピッチ)約84μmであり、また60
0spiの装置では、幅約35μm、ピッチ約42μm
である。排出オリフィスの大きさは、その装置で用いる
液状インキの粘度により制限される。排出オリフィスの
幅を小さくするため、液体(例えば水)の量を多くして
インキを希釈し、その粘度を下げることもできるが、イ
ンキの液体含有率が高くなると、ウィッキング(毛管現
象によるインキのにじみ)や、紙のしわが多くなり、ま
た射出したインキ飛沫の乾燥時間が長くなり、解像度や
画質(例えば、最小スポットサイズ、色間の混合、スポ
ットの形)等に悪影響を及ぼす。スポットサイズは排出
オリフィス幅に関係し、また解像度はスポットサイズに
関係することから、このオリフイス幅の制限によって、
TIJ印刷の解像度は、例えば良くても900spiま
でである。
【0004】従来のインキジェット技術の別の欠点は、
グレースケール印刷が難しいことである。つまり、イン
キジェット装置では、被印刷体上に印刷されるスポット
の大きさを変えることは非常に困難である。小さな点を
生じさせるため、より少量のインキを射出しようと推進
力(TIJ装置では加熱)を小さくしたり、あるいは、
より多くのインキを射出して大きな点を生じさせようと
推進力を大きくすると、射出される飛沫の軌跡が変動し
てしまう。これは正確なドット配置を困難又は不可能に
し、単色グレースケール印刷が不鮮明になるだけでな
く、多色グレースケールインキジェット印刷は不可能と
なる。更に、望ましいグレースケール印刷を得るには、
TIJの場合と同様に、ドットサイズを変えるのではな
く、サイズは一定に保ったままその密度を変える。
【0005】一般的なインキジェット装置のもう一つの
欠点は印刷速度である。スポットの印刷に要する時間の
約80%は、インキジェット流路が毛管現象によりイン
キで補充されるのを待つことに費やされる。インキをよ
り希釈することにより、ある程度までは早く流すことが
できるが、前述のウィッキングや被印刷体のしわ、乾燥
時間等の問題が生じる。
【0006】射出印刷装置によく見られる問題は、流路
の目詰まりである。水性インキ着色料を用いるTIJ装
置などではこの問題が生じ易く、作動の間、流路を掃除
するための非印刷サイクルを定期的に行う。作動中、通
常インキは射出されるのを待って射出器中に止まってお
り、この間に乾燥が始まって目詰まりが生じるためこの
操作が必要である。
【0007】本発明の背景として関与する他の技術に
は、静電グリッド、静電射出(いわゆるトーンジェッ
ト)、音響インキ印刷、染料昇華などのある種のエーロ
ゾル(aerosol)及び噴霧装置などが含まれる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の欠点及
び本件で更に述べる他の欠点を解決した、印刷物質を被
印刷体に直接又は間接的に印刷する、新しい装置に用い
られる要素に関するものである。特に本発明は、流路を
流れる推進体と、流路へ調節しながら導入する(つま
り、使用中に変更できる)又は調量供給する印刷物質と
を用い、推進体のエネルギーによって印刷物質を被印刷
体に到達させる方式の装置に用いられる、プリントヘッ
ドに関するものである。推進体は通常、印刷装置が作動
状態(つまり、電源が投入されている又は同様な印刷待
機状態)にある間、流路に常に流れている乾燥気体であ
る。この装置は本質的に、コロイド状ではない固体又は
半固体微細粒子、あるいは液状である印刷物質を被印刷
体に射出することにより印刷を行うことから、“弾道エ
ーロゾル印刷(ballistic aerosol marking)”と呼ば
れる。流路は、推進体と印刷物質とを、平行に(又は収
束させて)被印刷体へ飛ばせるような形をしている。
【0009】以下の概略及び詳細な説明において、弾道
エーロゾル印刷装置とその使用法の一般的な特徴を多く
述べるが、本発明は、その請求の範囲から明らかなよう
に、本件に含まれる全ての記述を含むものである。
【0010】
【発明の実施の形態】この装置では、推進体ポートより
推進体を流路に導入して推進体流を形成する。次に、印
刷物質を、一つ以上の印刷物質注入ポートより推進体流
に導入する。推進体は高速で流路に入るか、あるいは、
推進体を高圧で流路に導入し、流路に高圧の推進体を高
速に変換する構造(例えば、デ ラバル(de Lav
al)又は同様の収束/発散型ノズル)を設ける。この
場合、推進体は流路(収束部)の手前側の端に設けられ
たポートより導入し、印刷物質は流路の末端付近(発散
部又はその下流)に設けられた印刷物質ポートより推進
体流に導入する。
【0011】複数のポートを用いる場合、各ポートは、
異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラ
ック)や、印刷前処理物質(印刷物質付着剤など)、印
刷後処理物質(例えばマット又は光沢コーティング等の
被印刷体表面仕上げ剤など)、肉眼では見えない印刷物
質(例えば、磁性粒子付着物質、紫外線蛍光物質等)、
あるいは被印刷体に塗布できるその他の印刷物質のため
に用いられる。印刷物質は推進体流より運動エネルギー
を与えられ、流路の末端に位置する排出オリフィスから
被印刷体に向けて射出される。
【0012】実施の形態においてこのような流路を一つ
以上備えた構造体を、本件ではプリントヘッドと呼ぶ。
流路の排出(又は射出)オリフィスの幅は、通常250
μm以下、望ましくは100μm以下である。複数の流
路を用いる場合、隣合った流路の端から端(又は中心か
ら中心)のピッチ又は間隔も、250μm以下、望まし
くは100μm以下である。あるいは、流路の間隔を小
さくするため、流路をジグザグ配列にする。排出オリフ
ィス及び/又は各流路の一部又は全ては、推進体流の方
向(流路の前後軸)から見て、円形、半円形、楕円形、
正方形、矩形、三角形などの断面の形をしている。
【0013】被印刷体に塗布する物質を、単なる重力送
り、流体力学、静電気、又は超音波輸送等の様々な方法
のいずれか、又はそれらを組み合わせて、ポートに輸送
する。またこの物質を、輸送装置の制御、又は圧力平
衡、静電気、音響エネルギー、インキジェット等の独立
した装置など、様々な方法によって、ポートから推進体
流に調量供給する。
【0014】被印刷体に塗布する物質は、トナー又は色
の異なる様々なトナーなどの固体又は半固体微粒子、こ
のような印刷物質をキャリヤに懸濁させたもの、このよ
うな印刷物質を電荷ダイレクタ(director)、
相変化物質等と共にキャリヤに懸濁させたものなどであ
る。望ましい実施の形態では、乾燥した又は液状キャリ
ヤに懸濁した、固体又は半固体の微粒子である印刷物質
を用いる。このような印刷物質を、本件では微粒子印刷
物質と呼ぶ。この物質と、本件で一般に液状印刷物質と
述べられている、液状印刷物質、溶解した印刷物質、霧
化した印刷物質、又は同様な微粒子ではない物質とは区
別される。しかし、本件の他の部分で述べているよう
に、本発明のある応用例では、このような液状印刷物質
を用いることができる。
【0015】更に、様々な印刷物質(例えば、水性印刷
物質に限定されない)が使用できることから、本発明で
は様々な被印刷体に印刷することが可能である。例え
ば、本発明では、ポリマー、プラスチック、金属、ガラ
ス、処理及び仕上げ処理を行った表面などの非多孔性被
印刷体上に直接印刷を行うことができる。ウィッキング
を小さくし、乾燥時間を無くすることにより、紙、繊維
製品、セラミックスなどの多孔性被印刷体への優れた印
刷が得られる。更に本発明は、例えば中間転写ローラ又
はベルトへの印刷、粘着性支持帯フィルムへの印刷、ニ
ップ転写装置などの、間接的印刷に用いることもでき
る。
【0016】被印刷体上に射出された物質には、例えば
定着又は乾燥、オーバーコート、硬化等の射出後処理を
行う。定着の場合、射出された物質自体が十分な運動エ
ネルギーを持ち、これにより被印刷体との衝突の際に効
果的に融解して被印刷体に融着する。これをより効果的
に行うため、被印刷体を加熱してもよい。印刷物質を被
印刷体に冷定着させるには、圧力ローラを用いる。ま
た、印刷物質が射出されてから被印刷体に到達するまで
の間(飛行中)の相変化(固−液−固)を用いることも
できる。最初の相変化を起こす手段として、粒子経路中
に加熱したワイヤを置く。あるいは推進体の温度を上げ
ることによっても同様な効果が得られる。ある実施の形
態では、レーザーを用いて飛行中の微粒子物質を加熱溶
融し、最初の相変化を起こす。溶融及び定着の際には、
静電気的な補助手段を用いてもよい。つまり、最終的な
所望の位置に溶融、定着させるのに十分な時間、微粒子
物質を所望の位置に保持する。また、微粒子の種類によ
っても、射出後処理は変わる。例えばUV硬化物質は、
飛行中又は物質を保持する被印刷体上に置いてから、U
V照射を行って硬化させる。
【0017】推進体は連続的に流路中を流れているた
め、効果的、連続的に流路を清掃して物質の沈着による
流路の目詰まりを減らし又は除去する。更に、装置を用
いない場合に外界から流路を遮断するため、閉鎖構造を
備える。あるいは、プリントヘッドと被印刷体支持体
(例えば、プラテン)とを物理的に接触させ、流路を閉
鎖する。流路の清掃を効率良く行うよう、印刷装置の作
動の開始時と終了時にクリーニングサイクルを組み込
む。装置から除去された廃棄物はクリーニング部に排出
される。一方、ポートを通って貯蔵部の中に流れ込むよ
う推進体流を切り替えて、オリフィスの目詰まりをポー
トから排出することも可能である。
【0018】このように、本発明及びその様々な実施の
形態は、前述の長所及び後に更に詳しく述べる多くの長
所を提供するものである。
【0019】図1に、本発明の実施の形態による、弾道
エーロゾル印刷装置10の略図を示す。ここに示すよう
に、装置10は、推進体14が供給される一つ以上の射
出器12から成るものである。印刷物質16は、制御2
0の制御下、輸送機構18によって輸送され、射出器1
2に導入される。(任意の要素は点線で示す。)印刷物
質は、制御22の制御下、調量手段21により射出器に
調量供給(つまり調節されながら導入)される。射出器
12より射出された印刷物質は、必要に応じて装置10
に備えられた、射出後処理23で処理される。これらの
各要素については、後に更に詳しく述べる。装置10
は、例えばコンピュータネットワーク、パーソナルコン
ピュータ等に一般的に接続されるタイプのプリンタ、フ
ァクシミリ装置、複写機、標識装置、あるいはその他様
々な印刷装置に用いられることは明らかである。
【0020】図1に示す実施の形態は、図2の断面図に
示すタイプの、弾道エーロゾル印刷装置24により良く
理解されよう。この実施の形態によれば、印刷される物
質は、本件で更に述べるタイプの4色のトナー、例えば
シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラ
ック(K)であり、これらは混合し又は混合せずに、連
続的に、あるいは他の方法で同時に印刷される。図2及
びそれに関連する記述では、4色(一度に1色ずつ又は
それらを混合して)を印刷する装置を述べているが、そ
れより少ない又は多い色数、あるいは別の又は追加の物
質として、印刷物質粒子を接着するための表面を形成す
る物質(又は、その他の被印刷体表面前処理)、所望の
被印刷体の仕上げ品質(マット、サテン又は光沢仕上げ
あるいは他の被印刷体表面後処理など)、肉眼では見え
ない物質(磁性粒子、紫外蛍光粒子等)、若しくは印刷
された被印刷体に関連する他の物質などを印刷する装置
も、明らかに本件で企図されるものである。
【0021】装置24は本体26から成り、この中に
は、印刷される物質を受ける複数のキャビティ28C、
28M、28Y、28K(これらを合わせてキャビティ
28と呼ぶ)が形成されている。本体26にはまた、推
進体キャビティ30が形成されている。取り付け部品3
2は、推進体キャビティ30と、コンプレッサ、推進体
貯蔵部等の推進体源33とを繋ぐものである。本体26
は、他の層に囲まれた、支持体36及び流路層37を含
む、プリントヘッド34に接続している。
【0022】図3に、装置24の一部分の断面図を示
す。各キャビティ28には、断面が円形、楕円形、矩形
などの、ポート42C、42M、42Y、42K(これ
らを合わせてポート42と呼ぶ)がそれぞれあり、これ
らは前記キャビティと、本体26に隣接する流路46と
の間を繋ぐものである。ポート42の前後軸と、流路4
6の前後軸とはほぼ垂直に交わっているように示されて
いるが、本装置の特定の応用例で適しているように、こ
の角度は90度以外でもよい。
【0023】同様に、推進体キャビティ30にも、前記
キャビティと流路46の間に、円形、楕円形、矩形等の
断面であるポート44があり、推進体はこれを通って移
動する。あるいは、推進体を流路46に導入するため、
支持体36中にポート44’を、又は流路層37中にポ
ート44”を、あるいはその両方をプリントヘッド34
に備えることもできる。後に更に述べるように、印刷物
質は、ポート42を通ってキャビティ28から排出さ
れ、流路46を流れる推進体流に流入される。印刷物質
と推進体は、図2に示すように、プラテン40に支えら
れた、例えば紙である被印刷体38に向かって、矢印A
の方向に進む。本件に述べる多くの特徴を備えたプリン
トヘッドからの推進体印刷物質流パターンは、10mm
の距離までほぼ平行を保ち、最適な印刷距離は1〜数m
m程度であることが実験的に明らかとなった。例えばプ
リントヘッドからの印刷物質流は、排出オリフィスの幅
の少なくとも4倍の距離で、排出オリフィスの幅の20
%以上、望ましくは10%以上は逸脱しない。しかし、
プリントヘッドと被印刷体との適当な間隔は、多くのパ
ラメータにより決まるものであり、それ自体は本発明の
一部を成すものではない。
【0024】本発明のある実施の形態によれば、プリン
トヘッド34は、支持体36と、その中に流路46が形
成される流路層37とから成る。絶縁層、被覆層等(図
示されていない)の追加の層をプリントヘッド34の一
部に形成することもできる。支持体36はガラス、セラ
ミック等の適当な素材から成り、その上に(直接又は間
接的に)、厚い耐久性のあるフォトレジスト(例えば、
液状感光性エポキシ樹脂)及び/又はフィルムを基にし
た乾燥フォトレジストなどの、比較的厚い物質の層を形
成する。この層の中に、エッチング、機械加工、又は他
の方法で、後に述べる特徴を持つ流路を形成する。
【0025】プリントヘッド34の横断面図である、図
4を参照するならば、ある実施の形態において、手前側
から、推進体受け部47、次に収束部48、発散部5
0、そして印刷物質注入部52となるよう流路46を形
成する。収束部48と発散部50との間の転移点をスロ
ート53と言い、収束部48と発散部50とスロート5
3とを合わせてノズルと呼ぶ。このような流路の一般的
な形は、デ ラバル膨張管とも呼ばれる。流路46の先
端には、排出オリフィス56を設ける。
【0026】図3及び図4に示す本発明の実施の形態で
は、部分48は図3の面ではなく、図4の面で収束し、
同様に、部分50は図3の面ではなく、図4の面で発散
する。通常、これにより排出オリフィス56の断面の形
が決まる。例えば、図5(a)に示したオリフィス56
の形は、図3及び図4に示す装置に対応する。しかし、
本発明の装置の製造法及び応用例に従い、流路の収束/
発散部は図4の面ではなく図3の面であり(図5
(b))、又はその両方の面であり(図5(c))、あ
るいはその他の面又は面の組み合わせであり、若しくは
全ての面である(図6(a)〜6(c)に例示)よう製
造される。
【0027】図7に示す他の実施の形態では、流路46
には収束部及び発散部が無く、その軸に沿って断面は一
定である。この流路の断面は、本発明の装置の製造法及
び応用例に従って、矩形又は正方形(図8(a))、楕
円形又は円形(図8(b))、あるいはその他の形(図
8(c)、8(d)に例示)である。
【0028】再度図3を参照するなら、推進体は、流路
46の長軸に対してほぼ直角に、推進体キャビティ30
よりポート44を通って流路46へ入る。他の実施の形
態では、推進体は、例えば、ポート44’又はポート4
4”より、あるいは示されていない他の方法で、流路4
6の長軸に対して平行に(又は他の角度で)流路に入
る。推進体は印刷装置が作動状態にある(例えば、“パ
ワー・オン”又は同様な印刷待機状態)間、流路を連続
的に流れている。あるいは本発明の特定の応用例では、
その指定によって、印刷体が射出されるときにのみ推進
体が流路を流れるよう調整される。推進体の調節は、推
進体源33と流路46との間に設けたバルブ31により
行う。又は例えばコンプレッサのスイッチを入/切し、
あるいは推進体を発生する化学反応を選択的に起こし、
更にまた本件には示されていない他の手段により、推進
体の発生を制御することによって推進体の量を調節す
る。
【0029】印刷物質は、印刷物質注入部52に設けた
一つ以上のポート42より、調節しながら流路へ注入す
る。つまり使用の間、推進体流に導入される印刷物質の
量は、スポット毎にゼロから最大まで調節される。推進
体と印刷物質とは、流路46の手前側の端から、排出オ
リフィス56を設けた先端へ移動する。
【0030】プリントヘッド34は様々な方法で形成さ
れる。例えば、図41(a)〜(c)、図42(a)〜
(c)を参照とするならば、プリントヘッド34は次の
ように製造される。最初に、例えばガラスなどの絶縁性
支持体又はケイ素などの半絶縁性支持体、あるいは絶縁
層を塗布した任意の支持体である、支持体36を清浄に
し、また別途リソグラフィの準備を行う。一つ以上の金
属電極54を、流路46の底面となる支持体36の表面
に形成し(例えば、フォトリソグラフィにより)、又は
印刷する。これを図41(a)に示す。
【0031】次に、支持体のほぼ全面に、通常スピン−
オン(spin−on)法によりフォトレジストを厚く
塗布する、あるいは層310を貼り合わせる。層310
は非常に厚く、例えば100μm以上である。これを図
41(b)に示す。次に、リソグラフィ、イオンミリン
グ等の、既知の方法を用いて、層310中に流路46
を、望ましくは収束部48、発散部50、スロート53
と共に形成する。この時点での構造を図41(c)の横
断面図に示す。
【0032】この時、推進体受け部47の支持体中に、
推進体注入口44’(図3に示す)を加工してもよい。
これには、用いられる支持体の素材に応じて、ダイヤモ
ンドドリル、超音波ドリル、又はこの技術で既知の他の
方法を用いる。あるいは、層310中に推進体注入口4
4”(図3に示す)を形成してもよい。しかしここで
は、推進体注入口44は、以下に述べるように、次に被
覆される層の中に形成する。
【0033】層310の上に直接、別の比較的厚いフォ
トレジスト又は同様な素材の層312を形成する。層3
12は、望ましくは100μm以上の厚さであり、望ま
しくは積層により被覆するが、スピン−オン又は他の方
法で被覆してもよい。あるいは、層312は、層310
と接着するガラス又は他の適当な素材でもよい。この時
点での構造を図42(a)に示す。
【0034】次に、例えばフォトリソグラフィ、イオン
ミリング等により、層312にパターンを描き、ポート
42及び44を形成する。層312はまた、機械加工に
より、あるいは既知の他の方法によりパターン形成され
る。この時点での構造を図42(b)に示す。
【0035】別な方法として、例えばフォトリソグラフ
ィ、イオンミリング等により支持体中に直接流路46を
形成する。この場合もまた、上記と同様に層312を被
覆する。あるいは、プリントヘッドを、アクリル酸樹脂
又は同様な、型に取ることができ、及び/又は機械加工
のできる素材で作り、その中に流路46を型取り、又は
加工して作成する。この実施の形態では、これに更に、
同じ素材である層312を適当な手段で他の構造部分に
接着する。
【0036】更に、層310上に層312を被覆する前
に、層312上に、矩形、輪状(記載)又は意図する他
の形である、電極314及び315を予め形成する。こ
の実施の形態では、ポート42、及び可能ならばポート
44もまた層312を被覆する前に形成する。電極31
4は、アルミニウム等の適当な金属であり、スパッタリ
ング、リフト−オフ又は他の手法で形成する。誘電層3
16は、電極314を保護し、平らな上側表面318と
するために被覆する。第2の誘電層(図示されていな
い)も同様に、電極315を保護し、平らな下側表面3
19とするため、層312の下に被覆する。この実施の
形態の構造を図42(c)に示す。
【0037】図4〜8では一つの流路を持つプリントヘ
ッド34を示しているが、本発明によるプリントヘッド
は、任意の数の流路を持ち、その範囲は、一つ又は数個
の流路で幅が数百μmのものから、数千個の流路でペー
ジ幅(例えば、幅8.5インチ(21.59cm)以
上)のものまであることが理解されよう。各排出オリフ
ィス56の幅Wは、250μm以下、望ましくは100
μm以下である。隣接する排出オリフィス56間のピッ
チP、又は端から端(あるいは中心から中心)の間隔
は、図98(a)に端面図を示した非ジグザグ配列の場
合、250μm以下、望ましくは100μm以下であ
る。図9(b)に示すような、二次元のジグザグ配列の
場合のピッチは更に小さい。例えば、表1に、異なる解
像度における、非ジグザグ配列の典型的なピッチと幅を
示す。
【0038】
【表1】 図10に示すように、幅広いプリントヘッドの流路配列
には、各流路46に通じるポート42を持つ、連続キャ
ビティ28から印刷物質が供給される。同様に、連続推
進体キャビティ30からポート44を通って各流路46
に推進体が供給される。図11(a)に示すように、ポ
ート42はキャビティ中の個々の開口部であり、又は図
11(b)に示すように、全ての配列にわたる連続的な
開口部43(図では開口部43Cを示す)により形成さ
れる。
【0039】流路46の配列では、流路を通る推進体速
度が全く同一又はほぼ同じとなるよう、各流路は同じ大
きさと断面形をしている。あるいは、特定の一つ以上の
流路46の大きさ及び/又は断面形を異なるものにして
(又は選択的にコーティング等を塗布するなどの手段に
より)、推進体速度の異なる流路とすることもできる。
これは、印刷物質類と他の被印刷体処理剤とを共に用い
る際に、非常に質量の違う異なった印刷物質を用いよう
とする場合、異なる印刷効果を得ようとする場合に有利
であり、また別な方法で、本発明の特定の応用例におい
て適当であることが明らかとなろう。
【0040】図12(a)及び図12(b)に示される
実施の形態によれば、装置24は、クリップ、クラス
プ、留め金、又は既知の他の保持手段(図示されていな
い)などの可能な手段で装置24に取り付ける、取り外
し交換可能な本体60を含むものである。図12(a)
に示される実施の形態では、本体60はプリントヘッド
34及び装置24の他の部分から取り外せる。図12
(b)に示される実施の形態では、本体60とプリント
ヘッド34とは、装置24のマウント部64から取り外
し交換できるユニットを成す。図12(a)及び図12
(b)の実施の形態のいずれも、電極及び本体60中に
ある又は本体60と結合している他の装置を制御するた
め、本体60と装置24の間では電気的接触が保たれて
いる。
【0041】いずれの場合も、本体60は、印刷物質と
推進体とを入れた使い捨てのカートリッジである。ある
いは、印刷物質及び/又は推進体キャビティ28、30
は補充可能である。例えば、開口部29C、29M、2
9Y、29K(これらを合わせて開口部29と呼ぶ)
は、印刷物質を各キャビティに導入するためのものであ
る。また、キャビティ30には、固体状二酸化炭素(C
2)、圧縮ガスカートリッジ(これもまた二酸化炭素
など)、化学反応物等の推進体源62があり、これは本
体60に恒久的、又は取り外し交換でき、あるいは補充
可能なものである。別な方法として、キャビティ30
に、加圧推進体を発生するための小型コンプレッサ又は
同様な手段(図示されていない)を備える。あるいは、
推進体源は、本体60と別々に、独立して、取り外し及
び交換可能なものである。更に、本体60にキャビティ
28とその関連部品しか搭載されていない場合は、装置
24に、コンプレッサ、化学反応容器等の推進体発生手
段を備える。
【0042】本発明による、印刷物質で被印刷体に印刷
を行うプロセス70を、段階的に図13に示した。ステ
ップ72では、推進体が流路に供給される。次にステッ
プ74で、印刷物質が流路に調量供給される。複数の印
刷物質を被印刷体に射出する流路では、ステップ76で
印刷物質を流路中において混合し、被印刷体へ印刷物質
混合物を射出する。この方法では、色の見当合わせの必
要のない、単一流路カラー印刷が得られる。別の単一流
路カラー印刷では、プリントヘッド34と被印刷体38
の間で一定の見当合わせを保ちながら、複数の印刷物質
を連続的に導入する。全ての印刷で複数の印刷物質を用
いる訳ではないため、このステップは任意であり、点線
矢印78で示される。ステップ80では、印刷物質を流
路末端の排出オリフィスより、被印刷体に到達するのに
十分なエネルギーで被印刷体に向って射出する。矢印8
3が示すように、以上のプロセスは、プリントヘッドの
再見当合わせと共に繰り返す。印刷物質の定着、乾燥等
の適当な射出後処理はステップ82で行うが、これも点
線矢印84で示すように任意である。これらのステップ
については、各々更に詳細に述べる。前述のように、推
進体の役割は、印刷物質が少なくとも被印刷体に衝突す
るのに十分な運動エネルギーを印刷物質に与えることで
ある。推進体は、プリントヘッド、カートリッジ、又は
印刷装置24の他の要素と接続した又は独立した、コン
プレッサ、補充可能な又は不可能な貯蔵器、物質の相変
化(例えば、固体状から気体状CO2)、化学反応等に
より供給される。いずれの場合も、推進体は、乾燥し、
汚染物質を含まず、まず第一に印刷物質による被印刷体
の印刷を阻害せず、また流路の目詰まりを生じない又は
誘発しないものでなければならない。このため、推進体
源と流路の間に、適当な乾燥機及び/又はフィルタ(図
示されていない)を設ける。
【0043】ある実施の形態では、よく知られた型のコ
ンプレッサで推進体を供給する。このコンプレッサは、
スイッチを入れるとすぐに安定した圧力の推進体を供給
するものが理想的であるが、作動圧力及び速度である推
進体だけが流路46に流入するよう、コンプレッサと流
路の間にバルブを用いると良い。
【0044】これらの実施の形態では、流路を外部コン
プレッサ又は同様な外部の推進体源と接続しているが、
装置24自体で推進体を発生する必要がある。更に、小
型のデスクトップ型の装置では、小さな推進体源を用い
なければならない。一つの方法は、一般的に入手でき
る、交換可能なCO2カートリッジを装置に用いること
である。しかし、このようなカートリッジは推進体の量
が比較的少なく、度々交換しなければならない。また、
より大きな加圧推進体容器を用いることもできるが、装
置の大きさ(例えば、小型のデスクトップ型プリンタ)
により推進体容器の大きさは制限される。このことか
ら、自給式で物理的に小さい推進体発生ユニットを用い
ることが望ましい。この実施の形態では、推進体と印刷
物質とを混合した、交換可能なカートリッジを用いるこ
ともできる。
【0045】他の実施の形態では、反応により推進体を
供給する。この実施の形態の目的は、例えば推進体キャ
ビティ30中に入るような、小型の推進体源の提供であ
る。液状又は固体状の化学物質又は化合物は、様々な自
発的及び非自発的反応を起こして気体を発生し、またこ
の反応容器は固体又は液体を用いるため比較的小さい。
最も簡単には、反応物をその沸点以上に加熱し、気相の
物質を発生させる。密閉系で反応又は変化を起こすと圧
力変化が生じる。そこで、閉鎖系で一種類の反応が起こ
る場合には、
【数1】 このとき、Rは反応物、P1及びP2は圧力であり、P
2はP1より非常に大きい。この反応を起こすため、推
進体キャビティ30(又は他の反応物を含む容器)中に
加熱要素87(図3に示すフィラメントなど)を備え
る。
【0046】これを変形し、非自発的な複数反応物系を
加熱活性化する場合を示すと、
【数2】 このとき、R1 〜R...は反応物であり、P2はまた
P1より非常に大きい。
【0047】しかし、加熱した推進体による印刷物質へ
の影響(例えば、流路中での融解は流路の目詰まりを引
き起こし易い)を避けるため、加熱の必要のない(また
過度に発熱することのない)、次のような反応を用いる
ことがより望ましい。
【0048】
【数3】 これは、室温における相変化(例えば、固体状から気体
状CO2 )などである。あるいは次のような反応であ
る。
【0049】
【数4】 このような反応は、この技術において多く知られ、気体
状推進体の発生に用いられる。
【0050】装置を入/切するための手段と同様に、望
むときに反応を開始/終結できるよう、通常、反応を制
御する。あるいは、推進体流を調整するためのバルブを
経て流路46と繋がっている、推進体キャビティ中で反
応を起こす。通常、この実施の形態においては、推進体
を所定の操作圧力に調整するためのバルブも備える必要
がある。
【0051】設定すべき推進体流速及び圧力は、以下に
述べる印刷装置の実施の形態に依る。一般に、適当な推
進体の例としては、CO2、清浄で乾燥した空気、N2
気体状反応生成物等が挙げられる。推進体は、無毒なも
のが望ましい(ある実施の形態では、装置を特別のチャ
ンバ等に密閉するなどして、より広範囲の推進体を用い
ることができる)。望ましくは、推進体は室温で気体状
であるが、適当な実施の形態では高温の気体を用いるこ
ともある。
【0052】発生させた又は供給した推進体は、いずれ
も流路46に入り、流路を前後軸方向に移動して排出オ
リフィス56から排出される。流路46は、排出オリフ
ィス56から排出される推進体流が被印刷体に向かって
進むよう指向している。
【0053】本発明のある実施の形態では、被印刷体の
印刷に、固体状、微粒子印刷物質を用いる。印刷物質粒
子の大きさは、0.5〜10.0μm、望ましくは1〜
5μmの範囲であるが、この範囲を超える大きさも、特
定の応用例(例えば、粒子が移動するポート及び流路が
より大きい又は小さい)において用いられる。
【0054】固体状、微粒子印刷物質の使用にはいくつ
かの利点がある。まず、例えば液状インキと比べて流路
の目詰まりが少ない。次に、被印刷体上での印刷物質
(又はそのキャリヤ)のウィッキング及びにじみ、また
印刷物質/被印刷体相互作用が小さい、又は無い。第3
に、液状印刷物質に見られる、排出オリフィスでの表面
張力に起因するスポット位置の問題を回避する。第4
に、表面張力による気泡の付着によって生じる流路の閉
塞を回避する。第5に、次の印刷(例えばピクセル)の
ための流路の汚染を起こす危険なく、複数の印刷物質
(例えば、複数の着色トナー)を、単一流路複数物質
(例えば多色)印刷のための流路へ導入する際に混合す
ることができる。これにより見当合せにかかる経費(装
置、時間、関連する印刷部品等)を無くすことができ
る。第6に、デューティサイクルの流路の補充にかかる
部分(TIJではデューティサイクルの80%まで)を
無くすことができる。第7に、液状印刷物質の場合に
は、乾燥時間が必要なため処理速度に制限があったが、
これが不要となる。
【0055】乾燥微粒子印刷物質には多くの長所がある
が、液状印刷物質、又は液状と乾燥印刷物質とを組み合
わせて用いることが有利な応用例もある。このような例
では、単に固体状印刷物質の代わりに液状印刷物質を用
いる、又は例えば調量装置の変更など、この技術に精通
した者には自明の、あるいは本件に述べる適当な操作及
び装置の変更を行って本発明を用いる。
【0056】本発明のある応用例では、被印刷体表面に
印刷前処理を行うことが望ましい。例えば、微粒子印刷
物質が所望のスポット配置に定着するのを助けるため、
微粒子印刷物質を保持するよう調製した接着層で被印刷
体表面を予め被覆すると良い。このような物質の例とし
ては、ホモポリマー、ランダム共重合体、又はブロック
共重合体などの、透明及び/又は無色の重合物が挙げら
れ、これらは、低沸点の溶媒に溶解したポリマー溶液と
して被印刷体に塗布する。被印刷体に塗布する接着層の
厚さは、1〜10μm、望ましくは約5〜10μmであ
る。このような物質の例としては、直鎖又は分枝のポリ
エステル樹脂、ポリ(スチレン性)ホモポリマー、ポリ
(アクリル酸エステル)及びポリ(メタクリル酸エステ
ル)ホモポリマー及びそれらの混合物、あるいはスチレ
ン性モノマーとアクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テル又はブタジエンモノマー及びそれらの混合物とのラ
ンダム共重合体、ポリビニルアセタール、ポリビニルア
ルコール、ビニルアルコール−ビニルアセタール共重合
体、ポリカーボネート及びそれらの混合物等が挙げられ
る。これらの表面前処理物質は、プリントヘッドの前縁
に設けられた、本件に述べられている型の流路より射出
し、これにより、単一流路で前処理物質と印刷物質の両
方を射出する。あるいは、被印刷体の全面に前処理物質
を塗布し、次に別途本件に述べられている印刷を行う。
更に、ある応用例では、更に述べられているように、飛
行中に印刷物質と前処理物質とを混合して、両者を同時
に印刷することが望ましい。
【0057】同様に、本発明のある応用例では、被印刷
体表面に印刷後処理を行うことが望ましい。例えば、印
刷を行った被印刷体の一部又は全てに光沢仕上げを行う
ことが望ましい。ある例では本件に述べた方法で、別
途、被印刷体に文字と図形の両方を含む印刷を行い、文
字部分を除いて図形部分だけに選択的に光沢仕上げを行
うことが必要とされる。これは、プリントヘッドの後縁
の流路から印刷後処理を行うことにより達成され、これ
により単一流路で印刷と印刷後処理を行うことができ
る。あるいは、被印刷体の全面に適当な印刷を行い、次
に本発明の印刷装置に通して印刷後処理を行う。更にあ
る応用例では、本件に更に述べるように、飛行中に印刷
物質と後処理物質とを混合するなどにより、両者を同時
に塗布することが望ましい。所望の表面仕上げを得るた
めの物質の例としては、直鎖又は分枝のポリエステル樹
脂、ポリ(スチレン性)ホモポリマー、ポリ(アクリル
酸エステル)及びポリ(メタクリル酸エステル)ホモポ
リマー及びそれらの混合物、あるいはスチレン性モノマ
ーとアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル又はブ
タジエンモノマー及びそれらの混合物とのランダム共重
合体、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、
ビニルアルコール−ビニルアセタール共重合体、ポリカ
ーボネート及びそれらの混合物等が挙げられる。
【0058】その他の印刷前及び印刷後処理には、肉眼
には見えない印刷物質での印刷の下書き/上書き、文書
の修正防止コーティング、例えば特別の解読器による特
定波長(例えば、赤外又は紫外範囲)でのみ検出でき
る、特有波長染料又は顔料を用いる防護暗号化、等が含
まれる。また別の印刷前及び印刷後処理には、被印刷体
又は表面地質コーティング(例えば、任意に粗い又は滑
らかな被印刷体となるようエンボス効果を与える)、被
印刷体上で物理的又は化学的反応を起こすような物質
(例えば、被印刷体上で混ざると、硬化又は他の方法で
印刷物質を被印刷体に定着する反応を起こす2種類の物
質)等が含まれる。別途記述がない限り、又はこの技術
に精通した者には明らかなように、本件で参照した、印
刷物質の輸送、調量供給、貯蔵などのための装置及び方
法は、印刷前及び印刷後処理物質(及び一般に、他の非
印刷物質)にも同様に用いることができる。
【0059】先に述べたように、印刷物質は、固体微粒
子物質又は液体のいずれでもよい。しかし、この組み合
わせには幾つかの選択肢がある。例えば、固体粒子の単
なる集合は別として、気体状キャリヤ(つまりエーロゾ
ル)又は液状キャリヤに懸濁した固体状印刷物質であ
る。他の例には、多相物質が含まれる。図34を参照に
するならば、この物質は、ある固体状印刷物質粒子28
6を液状キャリヤ媒体288の不連続な凝集中に懸濁し
たものである。粒子とそれを取り囲むキャリヤの混合物
は、キャリヤ媒体のプール290中にある。キャリヤ媒
体は無色の誘電体で、印刷物質に流動性を与える。固体
状印刷物質粒子286は1〜2μm程度の大きさで、実
効電荷を持つ。更に次に述べる方法により、荷電印刷物
質粒子286は、ポート294付近の適当な電極292
により生じる電界に引き付けられ、流路296に向か
う。補助電極298は印刷物質粒子286の排出を促
す。ポート294の流路側にメニスカス300が生じ
る。粒子286/キャリヤ288混合物が、メニスカス
300を通して引っぱられると、表面張力により粒子2
86は表面にキャリヤ媒体の薄いフィルムを残しただけ
で、キャリヤ媒体288より引き出される。この薄いフ
ィルムは、殆どの種類の被印刷体に粒子286を付着さ
せ、特に射出速度が遅い場合には、射出後処理(例えば
定着)前に粒子位置を保つのに有用である。
【0060】印刷過程の次のステップは通常、印刷物質
を推進体流に調量供給することである。以下では特に印
刷物質の調量供給について述べるが、この記述には前述
の印刷前及び印刷後処理物質などの他の物質の調量供給
も含まれることは明らかであり、以下の参照では記述を
明快にするため、印刷物質についてのみ述べる。このよ
うに調量供給は、本発明の様々な実施の形態で行われ
る。
【0061】印刷物質の調量供給に関する最初の実施の
形態によれば、印刷物質には静電電荷を運ぶ物質が含ま
れる。例えば、印刷物質には、電荷ダイレクタと共にバ
インダ中に懸濁した顔料が含まれる。電荷ダイレクタ
は、例えば、図3に示す、キャビティ28中のコロナ6
6C、66M、66Y、66K(これらを合せてコロナ
66と呼ぶ)で荷電される。別な方法としては、例えば
キャビティ30中(又はポート44などの他の適当な位
置)にあるコロナ45により、推進体ガスを最初から荷
電する。荷電推進体は、流動床86C、86M、86
Y、86K(これらを合せて流動床86と呼び、これに
ついては更に後に述べる)を形成し、また印刷物質に電
荷を与えるという二つの目的で、ポート42を通ってキ
ャビティ28に注入される。また他の方法としては、キ
ャビティ28の外部にある他の手段又は他の装置による
摩擦荷電などがある。
【0062】再度図3を参照として、流路46の一方、
ポート42に対向する面にそれぞれ電極54C、54
M、54Y、54K(これらを合せて電極54と呼ぶ)
を形成する。キャビティ28中(又は、ポート44に又
はその中などの他の場所)に、対応する対電極55C、
55M、55Y、55K(これらを合せて対電極55と
呼ぶ)を形成する。電極54と対電極55により電界を
生じると、荷電印刷物質は電界に引き寄せられ、キャビ
ティ28から出てポート42を通り、流路46中の推進
体流へほぼ直角に排出される。電極の形状と位置、また
それに印加される電荷が電界の強度を決め、また印刷物
質を推進体流へ注入する力を決定する。一般に、推進体
流の力により印刷物質に与えられる運動量が注入力より
大きく、流路46中の推進体流に一旦入った印刷物質
が、推進体流と共に被印刷体に向って排出オリフィス5
6より射出されるよう、印刷物質を推進体流に注入する
力を調節する。
【0063】電極54及び対電極55の代わりに又は補
助として、各ポート42に静電ゲートを備える。図14
(a)及び図14(b)を参照とするなら、このゲート
は、ポート42の直径を内径とする、二つの部分から成
る環状又は帯状電極90a、90bであり、接触層91
a及び91bを経て制御可能な切り替えできる電源に接
続している。環状電極により発生する電界は、荷電印刷
物質を引き寄せ又は反発する。層91a及び91bは、
フォトリソグラフィ、機械加工又は他の方法でパターン
を形成し、各々の電極90a、90bのマトリックアド
レス化を行う。
【0064】また別の印刷物質の調量供給法の実施の形
態を図15に示す。この実施の形態は、流路46中の推
進体流の方向とほぼ平行に伸びた、一つ以上の流路部1
36から成る。各流路部136は、間にスペーシング層
として層140を挟んだ、本体26(又は適当な上の
層)と層138の間に形成する。各層は、適当な、厚
い、エッチングしたフォトレジスト、機械加工したプラ
スチック又は金属、あるいは本発明の特定の応用例によ
り規定される他の素材である。流路部136の長さ(印
刷物質の移動する方向に)は100μmまで又はそれ以
上である。流路部136の、本体26と層138の表面
に、ほぼ平行に向かい合った板状電極142及び144
をそれぞれ設ける。
【0065】このような開口部配列の場合、様々な電極
を行又は列のいずれかの線でアドレス化し、マトリック
アドレス化スキームを用いられるようにする。ある実施
の形態では、電極が、印刷物質の調量供給のための静電
ゲートを形成する。
【0066】通常、また特に図15に示すような平行板
状電極の場合には、荷電印刷物質又は非荷電印刷物質を
用いる。非荷電印刷物質を用いる場合、印刷物質は、空
気及び推進体の両者より相当高い誘電率を持つものであ
る。このような場合、電極対には反対の(+/−)の電
荷を与える。非荷電印刷物質は、本質的に二つの電極が
コンデンサを形成する、平行板状電極間の電界により分
極する。電極間に生じる電界により、印刷物質は選択的
にこの電界中に(つまり、電極間がエネルギー的により
有利な位置である)留まる。このようにして印刷物質の
ポートからの排出を防ぐ。電極に印加しないと、通常、
背圧、圧力バースト等により、印刷物質はポートを通っ
て推進体流中へ排出される。印刷物質の沈着を防止する
ため、電極には交流電流を流す。
【0067】荷電印刷物質の場合、“オン”状態では一
方の電極が印刷物質を引き付け(他方は反発する)、印
刷物質が推進体流に入るのを防ぐ。“オフ”状態では、
電極は印刷物質を通過させ、例えば背圧、圧力バース
ト、又は印刷物質の電荷と反対の極性に印加した電極5
4などの第3の電極の作用によって、印刷物質は推進体
流に流入する。印刷物質の電荷は、どちらの極性(正又
は負)でもよい。
【0068】本発明の他の実施の形態では、例えば音響
インキ射出器で、液状印刷物質をその源から推進体流へ
射出することにより調量供給を行う。図16に、この実
施の形態の略図を示す。図16の実施の形態154で
は、流路46は、例えば液状インキなどの液状印刷物質
である印刷物質のプール156の液面の上にある。実施
の形態154は、薄層フィルム状ZnOトランスデュー
サなどの、平面状圧電トランスデューサ158を含む。
これは水晶、ガラス、シリコン等の音響的に平坦な板な
どの適当な音響伝導性支持体の背面に被覆した、又は別
な方法で結合させたものである。支持体160の反対側
又は前面の、上又はその中に、フレネルレンズ、球面音
響レンズ、又はその他の収束手段162の同軸相の形を
形成する。トランスデューサ158にrf電圧をかける
ことにより音響ビームを発生し、これをプール156の
表面に焦点を合わせて飛沫164をプールから推進体流
へ射出する。グレースケール印刷をするには、飛沫16
4の大きさ(音響ビーム強度の調整により)、短時間に
射出される飛沫の数などを調整して、推進体流中に射出
される印刷物質の量を調節する。
【0069】更に別の実施の形態166では、液状印刷
物質の推進体流への調量供給に、TIJ装置168など
のインキジェット装置を用いる。図17にこの実施の形
態の略図を示す。実施の形態166によれば、TIJ射
出器168を流路46に隣接して設置し、射出器168
からの印刷物質170は、流路46のポート172より
射出される。ここでもまた印刷物質170は、液状イン
キなどの液状物質であり、キャビティ174に貯蔵され
ている。印刷物質170を加熱要素176と接触させ
る。加熱すると加熱要素は泡177を生じ、この泡はT
IJ装置168中の流路178から押し出される。泡1
77の動きにより一定量の印刷物質が流路に押し出され
(既知の他の方法と同様に)、印刷物質の飛沫181の
形となって推進体流に入る。本発明の単一弾道エーロゾ
ル印刷流路と共に、複数のこのようなTIJ射出器を用
いることにより、印刷速度、グレースケールに優れ、ま
たその他の従来の技術を越えた長所を持つ、印刷装置及
び方法が得られる。
【0070】液状印刷物質の射出には、他にも様々な可
能な実施の形態(加圧射出、機械的バルブ調節など)が
あるが、前述の実施の形態でもこのような印刷物質を用
いることができるのは明らかである。例えば図3に示す
装置では、印刷物質の粘度に合せてポート42の大きさ
を決め、ポート42に液体のメニスカスを形成させる
と、良好に作動する。このメニスカスと、対応する電極
54とは、本質的に平行なコンデンサのプレートを形成
する。電極54に適当な電荷を印加すると、飛沫がメニ
スカスから流路46へ押し出される。この方法は、イン
キ類、被印刷体前処理及び後処理物質等の伝導性(及び
ある程度までは非伝導性)の液体で、良好に作用する。
これは、トーンジェットとして知られる技術と同じで、
この技術も本発明の調量供給装置及び方法として用いる
ことができる。
【0071】本件に述べる実施の形態を更に効果的に行
うため、印刷物質をキャビティ28から排出して推進体
流に注入する、圧力の噴出又は一様な力を用いることが
望ましい。この圧力噴出は、図18に示すように、各キ
ャビティ28中に設けた、圧電トランスデューサ/振動
板68C、68M、68Y、68K(これらを合せてト
ランスデューサ/振動板68と呼ぶ)などの、様々な装
置により供給される。トランスデューサ/振動板68の
ひとつ以上は、補助調量供給装置と連動し又は独立し
て、アドレス化手段69C、69M、69Y、69K
(これらを合わせてアドレス化手段69と呼ぶ)により
個々にアドレスすることができる。ゲートで制御した推
進体源からの圧力など、様々な他の別の方法も用いるこ
とができる。
【0072】本発明の、推進体流への印刷物質の調量供
給には、また別の手法も用いることができる。例えば、
前述のトナージェットと呼ばれる技術を用いる。この技
術は、例えば公開特許出願WO 97 27 058
(A1)に述べられており、その内容は本件に援用され
る。あるいは、ミクロミスト装置を用いてもよい。
【0073】本発明による印刷物質の調量供給に関する
多くの実施の形態では、可動部分は用いられていない。
このため調量供給は、例えば10kHz以上と、非常に
高い切り替え速度で行われる。更に機械的可動部分が無
いことにより、調量供給装置の信頼性はより高くなる。
【0074】用いられる調量供給装置の制御には、多く
の簡単なアドレス化スキームを用いることができる。そ
のスキームの一つを図19に示す。ここでは、印刷物質
を流路46に調量供給する、調量供給装置202C、2
02M、202Y、202K等(これらを合わせて調量
供給装置202と呼ぶ)の配列200の各“行”は、例
えば接地している共通線路206を経由して相互に結合
している。各“列”は、印刷物質の単一流路46への導
入を共に制御する調量供給装置202から成る。各列の
各調量供給装置は、例えば関連する調量供給装置をマル
チプレクサ210などの制御機構と接続する配線208
で、それぞれアドレス化する。例えば5μm程度の幅で
ある配線208を形成するために十分な広さを持つよ
う、各“列”の幅は、例えば84μm程度であることに
留意すべきである。図20に示す別の実施の形態では、
共通線路206の代わりに、調量供給装置202の各
“行”をそれぞれアドレス化するもの、例えばマルチプ
レクサ212を用いて、調量供給装置を完全にマトリッ
クスアドレス化する。
【0075】本発明のある実施の形態の実現には、いく
つかの機構が有用でありまた必要である。例えば、再度
図3を参照するなら、キャビティ28から流路46への
印刷物質の流れをスムーズにし、またポート42の目詰
まりを防止する必要がある。この解決法として、少量の
推進体をキャビティ28に逆流させる。そのためには、
キャビティ中の圧力が流路より僅かに低くなるよう、流
路とキャビティの圧力を釣り合わせなければならない。
圧力バランスを行うための配置を図21に示した。図2
1は、ある実施の形態のキャビティ214を示したもの
で、キャビティの一方の壁には、キャビティ214中の
印刷物質を流路46に(図示されていない、調量供給装
置の制御下)排出するための、流路46に通じたポート
42がある。キャビティ214の一方の壁には、印刷物
質が漏れない程度の粗さのフィルタ220を備えた開口
部がある。フィルタ220は、配管222を経て、回路
構成要素226で制御されるバルブ224と繋がってい
る。また回路構成要素226は、キャビティ214中の
圧力センサ228、及び流路46中の、例えばその収束
部(図示していない)直前に置かれた圧力センサ230
にも繋がっている。キャビティ214中の圧力を、圧力
センサ228で測定し、圧力センサ230で測定する流
路中の圧力と比較する。装置の作動開始時、流路46の
圧力が上昇するまで、バルブ224は閉じている。作動
圧力が定常状態に達すると、バルブ224は制御を受け
て開く。回路構成要素226は、制御可能な調節バルブ
224により、キャビティ214中の圧力を、流路46
よりわずかに低く保つ。この圧力差で、流路よりキャビ
ティに逆流する推進体量を調節する。
【0076】再び図3を参照として、前述のように(又
は他の手段により)ポート42を通ってキャビティ28
に入った推進体は、ポート42の近くで印刷物質の局所
的な混乱を生じる。適度な塑性、充填密度、磁性等であ
り、適当な大きさと形に成形された粒子である印刷物質
を用いた場合、擾乱(つまり、推進体が印刷物質を通り
抜けることによる)により粒子間の摩擦及び他の結合力
が十分小さくなり、印刷物質は擾乱部分で液体様の性質
を持つ。この状態で、印刷物質の流動化した部分86
C、86M、86Y、86K(これらを合せて流動床8
6と呼ぶ)が生じる。ここに述べた方法で流動床86を
生じることにより、印刷物質は均一な流れとなり、粘性
の少ない液体様の物質を生じ、また逆流する推進体でポ
ート42を、効果的、連続的にクリーニングする。これ
によって、正確なスポットサイズ、位置、色等が得られ
る。
【0077】図22を参照するならば、線240は、図
21のポート42付近の流路46における圧力を、時間
に対してプロットしたものである。線242は、図21
のセンサ230での圧力(P230)(つまり、流路46
のノズル部直前の圧力)を示す。線244は、キャビテ
ィ214が保たれる、設定圧力(Pset)を示す。流路
中の圧力が定常状態となり、流路46とキャビティ21
4の間が所望の圧力平衡に達するまでには多少時間がか
かるため、目詰まりや印刷物質の漏れなどを防止するに
は、より早く圧力を平衡させることが望ましい。このた
め、例えば、図21に示されるキャビティ214中の開
口部232より、推進体源からの加圧推進体をキャビテ
ィに導入する(又は他の方法で、キャビティ214を加
圧する)。
【0078】図23に、流動床を備えた別な配置260
を示す。この実施の形態では、電極及び印加装置は、流
動床を生じるだけでなく、調量供給にも用いられる。概
念的には、この実施の形態は3つの部分に分割でき、こ
れらは相補的に、印刷物質の“バウンド”、“調量供
給”、“射出”を行う。ドナーロール、ベルト、ドラム
等の印刷物質キャリヤ262(これには、従来の磁気ブ
ラシ283で印刷物質を供給する)が、本体266中に
形成されたキャビティ264(前述のキャビティ28)
からわずかに離れたところに置かれる。本体266の基
部には、キャビティ264と、流路46とを繋ぐ、例え
ば円筒形の開口部であるポート268が形成される。本
体266は、一体構造、又は、例えば半導体層272
(ケイ素など)と絶縁層274(プレキシグラスなど)
から成る多層構造である。キャビティ264の壁は、必
要に応じて、絶縁境界を適度に滑らかにするため、誘電
体(テフロンなど)でコーティングする。むろん、この
コーティングは、本件に述べる他の実施の形態にも用い
ることができる。
【0079】ポート268のキャビティ側には、第1電
極276を形成する。これは構造内に置かれた連続的な
金属層、又はこのようなポート配列の各ポート268毎
に対応したパターンを形成したものである。ポート26
8の流路側には、第2電極278を形成する。これは通
常、ポート268と同心円の環状である。必要に応じ
て、キャビティ264からの印刷物質の排出を助けるた
め、流路中に補助電極54を形成する。
【0080】配置260中の各点における電圧を適当に
選ぶことにより、所望の3つの機能を得ることができ
る。例えば表2に、可能な電圧の例を示す。
【0081】
【表2】 配置260では、印刷物質282は、例えば摩擦帯電又
はイオン荷電により荷電され、このためキャリヤ262
に保持される。キャビティ264中のAC電圧のため、
荷電トナーはキャリヤと第1電極276の間で“バウン
ド”する。DCバイアスは、キャリヤ262と印刷物質
輸送ロール284の間に保たれる電位差であり、印刷物
質溜め287から印刷物質を連続的に供給する。粒径と
荷電−直径比(Q/d)分布の狭い印刷物質では、バウ
ンドはAC周波数に同期する。最適なAC周波数は、キ
ャリヤ262と第1電極276間の印刷物質の通過時間
により決まる。すなわち、周期Tは通過時間τの2倍で
ある。
【0082】ゲート調整電圧は、ポート268を開
(“オン”)及び閉(“オフ”)する。“オン”状態で
は、電圧の極性は荷電印刷物質の極性と正反対であり、
このため印刷物質は第1電極276と第2電極278間
の電界にそれぞれ引き寄せられる。最終的に、補助電極
54により射出電圧に達すると、荷電印刷物質粒子は流
路46に射出され、ここで推進体流により被印刷体へ向
けて運ばれる。
【0083】印刷物質をポート42へ、特に、速度、精
度及び正確なタイミングに制御して移動させることが必
要である。この過程を印刷物質輸送と呼び、様々な手法
で行うことができる。
【0084】この手法の一つとして、静電輸送波を用い
て各々の印刷物質粒子を移動させる。図24を参照とす
るなら、この方法では、各ポート42の近くに設けた、
等間隔に置いた電極88のグリッド148に、同期した
DC高電圧波をかける。グリッド148は、フォトリソ
グラフィによりキャビティ内部にアルミニウムで形成す
る、又はキャビティ内に取り付けた、取り外しできるキ
ャリヤ上に形成する。
【0085】図25に、印刷物質を調量供給するため、
静電輸送波のための電極88を、電極142(記載され
ていない)と144と共に備えた実施の形態を示す。し
かし、様々な他の輸送及び調量供給法の組み合わせも、
本発明の範囲に含まれることは理解されよう。
【0086】電極88の表面を保護し、また既知の時定
数で迅速に電荷を散逸させて、グリット148に沿い印
刷物質を移動させるため、電極88の上に防護層及び緩
和層を被覆する。また適当なコーティングは、印刷物質
の移動方向の制御を助け、電極間に捕えられる印刷物質
を減らし、電極の酸化及び腐食を小さくし、電極間のア
ーク放電を少なくする。
【0087】本件に述べる輸送及び調量供給機能は、単
一の装置で行い、また単一ステップに集約されることが
明らかである。しかし、本発明による印刷物質の輸送及
び/又は調量供給法は、単独に又は共に用いても、従来
の技術に見られた多くの課題を解決するものである。例
えば、印刷物質はほぼ即時に推進体流に射出することが
できる。これはインキジェット装置に一般的な、流路の
充填に要する待ち時間の問題を解決する。更に、印刷物
質が推進体流に入ってから被印刷体上に印刷されるまで
の速度は、従来の技術で得られるものより格段に早く、
実際、いくつかの実施の形態では連続的に供給できる。
【0088】例として、600spiに配置した流路を
用いるページ幅(8.5インチ(21.59cm))配
列のプリントヘッドを考える。スポットサイズは排出オ
リフィスの直径の1.5倍であると仮定する(簡単にす
るため、排出オリフィスの断面は円形であるとする)。
このときスポット面積は、オリフィスの2.25倍とな
る。また印刷物質は、直径1μmの固体微粒子トナー
で、紙である被印刷体の全面を、単色で、粒子5個分の
厚さに覆うとする。これには、推進体中に、2.25×
10粒子×1μm、又は22.5μmの長さの印刷物質
を供給する必要があることを意味するが、余裕を見て、
長さを15μmとする。
【0089】目詰まりを防ぐため、更に印刷物質の供給
速度を、推進体速度よりひと桁以上低いと仮定する。推
進体速度が約300m/秒(m/s)の場合の印刷物質
の供給速度を1m/s(TIJ飛沫の射出速度はほぼ1
0m/s)とする。1m/sでは、15μmの長さの印
刷物質の供給に25μsかかる。言い換えれば、スポッ
ト印刷時間は、約25μs/スポットである。
【0090】この配列では、8.5×11インチ(2
1.59×27.94cm)の紙に完全に印刷を行うの
に、11インチ(27.94cm)×600spi×2
5μs/スポット、又は165ミリ秒(ms)かかる。
理論的には、これは約360ページ/分に相当する。T
IJ装置では、最大約20ページ/分であることと比較
されたい。処理量のこの向上の理由の一つは、印刷物質
の連続供給が可能なことである。つまり、TIJ装置で
は印刷時間(印刷物質射出時間)が、デューティサイク
ルのようやく20%(TIJデューティサイクルの80
%までが流路にインキを補充するための待ち時間に費や
される)であるのに比べ、この装置ではデューティサイ
クルにおける印刷時間の割合が100%に近い。
【0091】ある実施の形態では、キャビティ中に流動
床を生じるにもかかわらず、印刷物質がキャビティの隅
などの停滞部に集まる傾向があり、流動床を減衰させ、
印刷物質の流路への射出を妨害する恐れがある。その例
を図26(a)に示す。この問題を解決し、また更に印
刷物質の輸送を促すため、キャビティ中の塊状となった
印刷物質を激しく掻き混ぜる。図26(b)に、このよ
うな撹拌を行うための実施の形態250を示す。キャビ
ティ28の少なくとも一方の壁254に圧電物質256
を形成し、キャビティ28中に機械的及び圧力撹拌を生
じさせる。この撹拌により、キャビティ28中の印刷物
質を動的状態に保ち、停滞部の発生を防ぐ。
【0092】フルカラー印刷機など、多数の印刷物質を
用いる装置では、2種以上の印刷物質を、被印刷体上に
射出する前に流路中で混合する。(以下の記述もまた、
印刷前処理及び印刷後処理物質などの他の物質を含むも
のである。)この場合、各印刷物質はそれぞれ流路に調
量供給する。これには各印刷物質の調量供給の独自な制
御が必要であり、また必要なアドレス化及び他の調量供
給により、処理速度が制限される。例えば図27に、各
流路46に1色以上の印刷物質を供給する多色印刷装置
を示す。流路46への印刷物質の流れを制御するため、
例えば前述の型の調量供給装置104を、前述のように
行アドレス導線106と列アドレス導線108により、
マトリックス型にアドレス化する。受動的にアドレス化
される行アドレス導線106の、8インチ(20.32
cm)長の組に関連するRC時定数により、これらの配
線の達成可能な最小シグナル立ち上がり時間は、数マイ
クロ秒に制限される。我々はこれを5kHzで2μsと
想定した。これより、調量供給装置の最小“オン”時間
は、約5μsとなる。nビットグレースケール印刷で
は、各色の全てをカバーするのに、2×5nμs/スポ
ットかかる。このため、600spiでのページ全面の
印刷には、11インチ(27.94cm)×600sp
i×(2×5n)μs/スポット、又は約33×2nms
を要する。これは、約1800×2-nページ/分に相当
する。流路当たり5ビットのグレースケール(n=5)
では、この装置は、フルカラーで56ページ/分まで処
理でき、フルカラー(CMYKスペクトルを用いる場
合)は、単一流路の各スポットに用いられる。例えば2
ビット以上のグレースケールで300spi以上と、比
較的高いスポット密度を提供し、スポットの大きさをあ
まり変えずに様々なレベルのグレースケールを得ること
が本発明の主眼であることに留意すべきである。つま
り、スポットサイズを、例えば120μmと一定にした
まま、印刷物質の濃度を変化させ、スポット毎に異なる
レベルのグレー又は色を得るものである。
【0093】より早くアドレス化を行い、これによりよ
り迅速な印刷が可能となる他のアドレス化スキームが知
られている。例えば、平行アドレス化スキーム(つま
り、行アドレス線を持たない)を用いると、シグナル立
ち上がり時間はひと桁小さくなる。最小調量供給装置
“オン”時間が1μsである装置では、フルカラーグレ
ースケール印刷を、約280ページ/分行うことができ
る。
【0094】処理量と色深度/グレースケール間には兼
ね合いがあるため、これらの特性のいずれか又は両方が
最適となるよう装置を設定することができる。表3に、
上記の仮定に基づいた、処理量と色深度/グレースケー
ルマトリックス、及び必要な印刷物質供給速度をまとめ
た。
【0095】
【表3】 色深度と処理量が、装置により固定されないことは注目
に値する。これらの値は、ユーザにより、印刷装置の設
定時に調整できる。
【0096】また、印刷される色数は、スポットサイズ
/密度に対し、ほぼガウス分布に分布することが注目さ
れる。図28に、4色、2ビットグレースケール装置で
の値を示す。
【0097】印刷物質のスポット位置の正確な制御は、
推進体速度に影響される。スポットの大きさと形状もこ
の速度に関わる。一方、用いられる推進体速度は、印刷
物質粒子の大きさと質量によってある程度決まる。更
に、スポット位置、大きさ及び形状は、全開した推進体
がどの程度平行に保たれているか(つまり、排出オリフ
ィスの直径の何倍か)による。図29に、被印刷体のほ
ぼ真上から見た、推進体/被印刷体相互作用の概念図を
示す。流線110は、円筒形の推進体流が被印刷体の表
面で、印刷物質スポット112の円盤から離れる流れの
形となることを示している。
【0098】通常、印刷物質粒子は、推進体より与えら
れた慣性力(垂直運動量)によって、被印刷体上に配置
される。しかし、その被印刷体上の位置は、図30に示
す、推進体/被印刷体界面に生じる、流体力学的力の横
方向へ成分によって、中心から逸らされる。より質量の
小さい粒子(推進体速度に関して)は推進体流の中心か
ら、また更にスポット中心から逸らされる。この結果、
スポットは、図30にも示す、ガウス密度分布114と
なる。
【0099】図31を参照として、推進体/被印刷体界
面効果(いわゆる被印刷体表面での横方向への牽引)に
よる印刷物質粒子の偏向の最も甚だしい推定例を示す。
このとき、幅L/2の(つまり、図3に示す排出オリフ
ィス56の幅はL/2)推進体流118中で、密度ρp
の粒子116が、完全に平らな被印刷体38に、速度v
で垂直に向かうとする。被印刷体の表面には、厚さLの
横方向への推進体流120があり、またその速度は、被
印刷体に衝突した推進体によって、速度vであるとす
る。つまり最も甚だしい場合、推進体速度は被印刷体表
面で完全に横方向の流れに変換される。
【0100】横方向への牽引力による印刷物質粒子11
6の横方向への偏位xを、異なる粒径Dについて計算す
る。レイノルズ数の方程式より、
【数5】 このとき、ρg=1.3kg/m3、μg=1.7×10
-5kg−s/m2である。粒径3μm、流速v=300
m/sでは、レイノルズ数は70である。これは牽引定
数(CD)2.8に相当する。牽引力FDは次の式で与
えられる。
【0101】
【数6】 この横方向への牽引力は、垂直に入射する粒子116の
軌線を逸らせ、慣性求心力Fi の式により決まる、曲率
Rの半径を持つ軌線を描かせる。
【0102】
【数7】 Rを得るには、
【数8】 得られる偏位xは、次の式で与えられる。
【0103】
【数9】 又は、もし垂直推進体流の直径L/2を、配列ピッチの
半分とするなら、
【数10】 様々な条件での、流速v、粒径D、与えられた配列密
度、及び粒子密度1000kg/m3で、得られる偏位
xを、表4に示す。
【0104】
【表4】 進体流幅(つまり、排出オリフィスの大きさ)21μm
での、最も甚だしい場合のスポットの大きさは次のとお
りである。
【0105】
【数11】 スポットサイズの広がりは、推進体流/被印刷体界面で
の横方向への牽引により生じるものである。これは最も
甚だしい場合であることに留意されたい。つまり、
(1)停滞部がなく、完全に展開した横断流であり、
(2)摩擦損失と被印刷体の位相を無視し、横断流速度
は推進体流速度に完全に等しいとし、(3)牽引力は、
被印刷体からジェットの直径の2倍の距離まで減衰する
ことなく作用し、それ以上離れると消失するとする。ま
た、レイノルズ数は、特徴的な長さのスケールのため非
常に小さく、微小流体流理論によれば、乱流は発生でき
ないことにも注目すべきである。つまり、粒径が小さく
なるとRは増大し、ある点でRは厚さ2Lの横方向への
推進体流に近づく。こうなると印刷物質粒子はスポット
中心から大きく逸れ、遂には被印刷体に達しない。以上
のことから、これは(ここで行った仮定に基づき)10
0nm以下の粒径の印刷物質で起こることが示された。
【0106】これは、満足のいくスポットサイズと位置
制御を示すだけでなく、仮定された条件下では、推進体
流から印刷物質を抽出し、被印刷体上に配置するため
に、特別な機構を必要としないことを例証するものであ
る。
【0107】しかし、被印刷体表面における推進体流か
らの印刷物質粒子の抽出を更に高めたい場合(例えば、
流速/粒径が小さい等)には、静電気的に増強した粒子
抽出法を用いる。被印刷体又はプラテン(用いる場合)
を、印刷物質粒子の電荷と反対に荷電し、粒子と被印刷
体/プラテン間の引力により、粒子の抽出を増強する。
このような実施の形態178を図33に示す。ここで
は、実効電荷を受け、保持することのできるプラテン1
80の近くに、本体26を置く。プラテン180上の電
荷は、ベルト184又は他の手段でプラテン180と共
に動く、ドナーローラ182により、あるいは既知の他
の方法(摩擦帯電ブラシ、圧電コーティングなど)によ
り供給される。
【0108】ある例では、ドナーローラ182よりプラ
テン180に、正の実効電荷を供給する。印刷物質粒子
188には、例えば図3に示す、コロナ、又は他の手段
で、負の実効電荷を与える。被印刷体(例えば紙)を、
印刷物質源とプラテン間のプラテン側に置く。印刷物質
188とプラテン間の引力により、印刷物質はプラテン
に向かって加速され、この引力が十分に強ければ、特に
推進体の速度が比較的遅い実施の形態では、横方向への
推進体の牽引による印刷物質のスポット中心からのずれ
に打ち勝つことができる。更にこの引力は、“跳ね返
り”と呼ばれる、被印刷体からのバウンドによる印刷物
質の飛散、及び、射出後処理(例えば、加熱及び/又は
圧力ロール186による定着)前の、被印刷体の目的と
しない部分への付着や被印刷体以外の場所への付着など
の問題の解決を助ける。これは特に、後述の運動エネル
ギー融着を用いることができない場合に有益である。
【0109】一旦被印刷体上に射出された印刷物質は、
被印刷体へ接着又は定着しなければならない。本発明に
よる定着法は多くあるが、一つの簡単な方法は、印刷物
質粒子の運動エネルギーを用いるものである。これに
は、印刷物質粒子が、被印刷体との衝突時、衝突の塑性
変形による運動エネルギーで粒子が融解するのに十分な
速度Vcでなければならない(被印刷体は無限に固いも
のと仮定する)。融解(液又はガラス相への完全な相変
化あるいは同様な、一時的な可逆的相変化)の後、粒子
は再固化し(又は他の方法で元の相に戻り)、これによ
り被印刷体に定着する。
【0110】運動エネルギー融着を行うには次の要件が
必要である。(1)粒子の運動エネルギーが、粒子の弾
性限界を超えるのに十分大きい。(2)運動エネルギー
が、粒子がその軟化点を越えて相変化を起こすのに必要
な熱より大きい。図35は、本発明の典型的な実施の形
態の、運動エネルギーに対する、印刷物質粒子数のプロ
ット190であり、運動エネルギー融着が起こる一般的
条件を示したものである。ある一定の運動エネルギー値
より下では、粒子は被印刷体に融着するには不十分なエ
ネルギーしか持たず、この値より上では、粒子は融着に
十分な運動エネルギーを持つ。このある一定の運動エネ
ルギー値を、運動エネルギー融着しきい値と呼び、図3
5では、境界線192で示す。本質的に、運動エネルギ
ーが194の部分にある粒子では加熱が不十分なため融
着せず、196の部分のエネルギーを持つ粒子は融着す
る。融着する印刷物質粒子の割合を上げるには二つの方
法がある。まず第1に、運動エネルギー融着のしきい値
を下げることである。これは本質的に印刷物質の質に関
係するものである。第2に、例えば、推進体速度を上げ
ることにより、運動エネルギー曲線全体をシフトさせ
る。
【0111】速度v、密度ρ、直径dである球状粒子の
運動エネルギーEkは、次の式で与えられる。
【0112】
【数12】 直径d、熱容量Cp、密度ρである球状粒子を、室温T0
からその軟化点Ts以上に加熱するのに必要なエネルギ
ーEmは、次の式で与えられる。
【0113】
【数13】 直径d、ヤング率Eである粒子を、その弾性限界σe
越え、塑性変形領域に至るまで変形させるのに必要なエ
ネルギーEpは、次の式で与えられる。
【0114】
【数14】 塑性変形を起こすための極限速度vcpは次の式で与えら
れる。
【0115】
【数15】 つまり、運動エネルギー融着を生じるための極限速度v
cmは、次の式で与えられる。
【0116】
【数16】 p=1000J/kgK、Ts=60℃、To=20℃
である、熱可塑性物質の場合、運動エネルギー融着を生
じるのに必要な極限速度は、280m/sである。これ
は、先に行った仮定と一致する。この値が、粒径と密度
に依存しないことは注目すべきである。
【0117】推進体流を280m/s以上に保つには、
幾つかの方法がある。一つは、装置の構造によって、比
較的高い圧力(例えば、ある例では、数大気圧程度)の
推進体を、収束部48と発散部50とを持つ流路、例え
ば図4に示す、いわゆるデ・ラバルノズルの収束部に供
給し、推進体圧力を速度に変換するものである。ある例
では、推進体は、流路の全ての部分で亜音速(例えば3
31m/s以下)である。他の例では、推進体は、収束
部48で亜音速であり、発散部50で超音速であり、収
束部と発散部との間のスロート53において音速又はそ
れに非常に近い速度である。
【0118】図36は、断面が各辺84μmの正方形で
ある、流路46(約300スポット/インチに相当)で
の推進体圧力に対する、排出オリフィス56での推進体
速度vを示したものである。これから分かるように、ノ
ズルのある、又は無い流路のいずれでも、中程度の圧力
で、280m/sは容易に達成できる。
【0119】上記では、被印刷体を無限に堅いものと仮
定したが、多くの場合にはそうではない。被印刷体の弾
性効果は、物質の降伏強さを減じることなく、その見掛
けのE係数を小さくする(つまり、物質の降伏応力を得
るためにより多くのエネルギーが必要であり、塑性変形
を行うためにより多くのエネルギーが必要である、また
cpが増大する)。つまり、運動エネルギーが、粒子の
溶融に必要なエネルギーより大きいにもかかわらず、衝
突が弾性的であると、粒子をバウンドさせ、加熱が不十
分となる恐れがある。このように、ある装置では(被印
刷体の弾性による)、印刷物質粒子の衝突前速度をより
高くし、又は補助溶融装置を用いなければならない。
【0120】補助溶融を必要とする場合(つまり、被印
刷体が弾性を持つ、印刷物質粒子の速度が小さい、等)
には、多くの手段を用いることができる。例えば、射出
ポート54(図4に示す)の付近に一つ以上の加熱した
フィラメント122を備える。これにより、印刷物質粒
子の溶融に必要な運動エネルギーを減らし、あるいは実
際、飛行中の印刷物質粒子の少なくとも一部を溶融す
る。同様な効果をもたらすため、フィラメント122の
代わりに、あるいはそれに加えて加熱したフィラメント
124を被印刷体38の近く(これも図4に示す)に設
置する。
【0121】溶融過程を補助する他の方法は、印刷物質
をレーザービームなどの、強力で平行な光のビーム中を
通過させるものであり、これにより印刷物質粒子の溶融
に必要な運動エネルギーを減らし、あるいは飛行中の粒
子の少なくとも一部を溶融するのに十分なエネルギーを
粒子に与える。この実施の形態を図37に示す。これ
は、印刷物質粒子の流れ130が被印刷体38に向かう
途中、レーザー134より発したレーザービーム132
などの強力で平行な光の中を通過するものである。むろ
ん、レーザー134以外の光源でも、同様な結果が得ら
れる。
【0122】図32に示すように、密度ρ、質量m、直
径d、熱容量Cp、軟化点Tsである粒子が、速度vで、
幅L1、高さL2のレーザービーム中を通過すると仮定す
る。この粒子の、入熱ΔQによる温度変化ΔTは、次の
式で与えられる。
【0123】
【数17】 レーザー出力密度pは、次のように、レーザー出力Pを
楕円の面積で割ることにより求められる。
【0124】
【数18】 単位時間当りに粒子に吸収されるエネルギーは、レーザ
ー出力密度×照射される粒子の面積(πd2/4)×吸
収係数αにより与えられる。
【0125】
【数19】 粒子がビーム中を移動する間に粒子に吸収されるエネル
ギーは、次の式で与えられる。
【0126】
【数20】 これにより、温度変化は次の式で与えられる。
【0127】
【数21】 粒子の初期温度をT0 とした場合、粒子を、そのガラス
転移温度以上に加熱するのに必要なレーザー出力は、次
の式で与えられる。
【0128】
【数22】 例として、次の値を仮定した。
【0129】
【表5】 この例によれば、印刷物質粒子の溶融に必要なレーザー
出力は、1.9ワットである。これは、連続ビーム、フ
ァイバーで結合したレーザーダイオードアレイなどの、
市販のレーザー装置の通常の出力範囲である。
【0130】図38は、様々な粒子速度での、粒径に対
する粒子の溶融に必要な光源の出力をプロットしたもの
であり、例えば、レーザーダイオードによる飛行中溶融
が可能な粒径及び速度を示している。飛行中溶融が有利
であるのは、嵩のない物質が加熱されることである(嵩
のある印刷物質でも被印刷体でもない)。このため、飛
行中溶融は様々な印刷物質供給パッケージ(例えば、固
定設置及び取り外し可能な印刷物質容器等)に用いるこ
とができ、粒子温度が比較的高いにも関わらず、印刷物
質のエンタルピーが低い(つまり、熱質量が低い)た
め、様々な被印刷体に用いることができる。
【0131】また、本発明の特定の応用例によれば、他
の融解過程を補助する方法も用いることができる。例え
ば、推進体自体を加熱する。推進体の熱が印刷物質粒子
を融解させると流路の汚染と目づまりを引き起こすた
め、結果的には望ましくないが、十分な熱エネルギーを
粒子に与えて溶融時間を短くし、衝突融着に要する運動
エネルギーを少なくする。被印刷体(又はプラテンなど
の被印刷体キャリヤ)は、運動エネルギー融着を補助す
るために、又は実際に印刷物質粒子を融解するために十
分加熱される。あるいは、現在の電子写真装置で用いる
定着法と同様に、熱、圧力、又はこの二つを組み合わ
せ、装置の分離部で定着を行う。印刷物質として、UV
硬化物質を用いる場合、飛行中又は被印刷体上でUV照
射を行い、定着又は硬化させる。
【0132】本発明の重要な点は、ピクセル毎に相変化
及び定着を行えることであることは明らかである。つま
り、従来の技術の多くは、液状インキ又は液状キャリヤ
中のトナーなど、嵩のある液相の印刷物質に限られてい
た。本発明では、非常に解像度に優れた、ピクセル毎に
複数印刷物質又は複数の色を用いる単一流路印刷を行う
ことができる。
【0133】本発明のある実施の形態では、印刷装置が
作動している間、推進体は連続的に流路を流れている。
これには、装置が被印刷体に印刷できる速度を最大に保
つ(一定の待機状態)、流路に蓄積する印刷物質を常に
取り除き、また流路への汚染物質(紙の繊維、埃、外界
の湿気からの水分等)の侵入を防ぐなど、いくつかの目
的がある。
【0134】装置の電源が切られているなどの非作動状
態では、推進体は流路中を流れていない。この状態での
汚染物質の侵入を防ぐため、図39に示す、閉鎖構造1
46を、プリントヘッド34の面、特に排出オリフィス
56と接触させる。閉鎖構造146は、ゴム板、又は他
の、流路を外界より密閉できる不浸透性の素材である。
あるいは、プリントヘッド34が印刷装置中で可動であ
る場合は、TIJ及び他の印刷装置中で一般的に用いら
れるように、印刷装置中の保守部へ移動させる。また、
プラテン、ローラ等で支えられているシート状媒体に印
刷を行う印刷装置で、更に、プラテン、ローラ等がゴム
などの適当な素材でできている場合には、プリントヘッ
ド34を、プラテン、ローラ等と接するまで移動して流
路を密閉する。あるいは図40に示すように、プラテ
ン、ローラ等を移動してプリントヘッド34と接触させ
る。
【0135】ポート42と、それに繋がる流路136、
及び電極142、144を、前述の流動床を形成する推
進体流により清掃する。あるいは、流路と印刷物質キャ
ビティとの間の圧力平衡を調整して、印刷物質が流路に
注入されないときに前記のポートなどに推進体を流すこ
とにより清掃を行う。
【0136】別な実施の形態320を図43に示す。実
施の形態320では、プリントヘッド322に推進体流
を逆流させることが不可欠である。流動床324を、バ
ルブ326又は同様な手段の制御下、推進体源33から
の推進体などの適当な気体によって形成する以外は、本
件での記述の多くはこの実施の形態にも同様に適用され
る。エーロゾル部328は流動床324の上に、流動床
324と同じく気体又は他の手段で形成する。エーロゾ
ル部328からの印刷物質は推進体流へ調量供給され
る。
【0137】以上のように、本件では、弾道エーロゾル
印刷装置及びその部品の様々な実施の形態を開示してい
ることが明らかとなった。これらの実施例には、加圧推
進体を供給するための一体化した貯蔵部及びコンプレッ
サ、補充可能な又は同等の離れたところにある印刷物質
貯蔵部、運動エネルギー融着のための高い推進体速度
(超音速と同等)を持ち、一種又はそれ以上の幅広く様
々な被印刷体に、非常に高い処理量、又は非常に大きい
面積に迅速に印刷を行うよう設計された、大規模な装置
から、印刷物質と推進体を充填した交換可能なカートリ
ッジを備え、紙に高画質、高速の印刷(カラー又は単
色)ができるよう設計された、小規模な装置(例えば、
デスクトップ型、ホームオフィス用等)までが包含され
る。本件に述べられ、言及された実施の形態では、単一
印刷物質、単一流路フルカラー印刷物質の印刷、肉眼に
は見えない物質の印刷、印刷前処理物質、印刷後処理物
質等の印刷が可能であり、このとき実質的に全ての印刷
物質を、被印刷体上に印刷する前に装置の流路中で混合
することができ、あるいは再度見当合わせをすることな
く、被印刷体上で混合することができる。しかし、本件
の記述は単に例示であって、本発明の範囲やその請求の
範囲を制限しようとするものではないことも明らかであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による、被印刷体に印刷を行う装置の
略図である。
【図2】 本発明の実施の形態による、印刷装置の断面
図である。
【図3】 本発明の実施の形態による、印刷装置の別の
断面図である。
【図4】 図3に示す印刷装置の、ノズルを持つ流路の
横断面図である。
【図5】 本発明による数例の流路の縦方向の断面図で
ある。
【図6】 本発明による数例の流路の縦方向の断面図で
ある。
【図7】 本発明による印刷装置の、ノズルを持たない
流路の横断面図である。
【図8】 本発明による別な数例の流路の、縦方向の断
面図である。
【図9】 本発明による、非ジグザグ配列及び2次元型
ジグザグ配列の流路の端面図である。
【図10】 本発明の実施の形態による装置の、流路配
列の平面図である。
【図11】 本発明による二つの実施の形態におけるポ
ートの、図10に示す流路配列の一部を示す平面図であ
る。
【図12】 本発明の異なる二つの実施の形態による、
着脱可能な本体を持つ印刷装置を示す断面図である。
【図13】 本発明による、被印刷物質の印刷に関する
工程系統図である。
【図14】 本発明の実施の形態による、環状電極を用
いた印刷物質調量装置の断面図(図14(a))及び平
面図(図14(b))である。
【図15】 本発明の別の実施の形態による、二つの電
極を用いた、印刷物質調量装置の断面図である。
【図16】 本発明の更に別の実施の形態による、音響
インキ射出器を用いた、印刷物質調量装置の断面図であ
る。
【図17】 本発明のまた別の実施の形態による、TI
J射出器を用いた、印刷物質調量装置の断面図である。
【図18】 本発明の更にまた別の実施の形態による、
圧電トランスデューサ/振動板を用いた、印刷物質調量
装置の断面図である。
【図19】 マトリックスアドレス化のために結合し
た、印刷物質調量装置の配列の略図である。
【図20】 マトリックスアドレス化のために結合し
た、印刷物質調量装置の配列の別の略図である。
【図21】 キャビティ中に印刷物質の流動床を発生さ
せる、実施の形態の断面図であ。
【図22】 実施の形態の、圧力を平衡させたキャビテ
ィにおける、時間に対する圧力をプロットしたグラフで
ある。
【図23】 別の印刷物質供給装置を用いた、本発明の
実施の形態を示す断面図である。
【図24】 本発明の実施の形態による、電極グリッド
及び静電進行波を用いた、印刷物質輸送装置の断面図で
ある。
【図25】 本発明の別の実施の形態による、印刷物質
輸送及び調量を共に行う組立品の断面図である。
【図26】 本発明による、印刷物質の流動床で満たさ
れた実施の形態の断面図である。
【図27】 本発明の実施の形態による、流路配列とア
ドレス化回路構成要素の平面図である。
【図28】 本発明の弾道エーロゾル印刷装置の実施の
形態により得た、スポットサイズ(又はスポット密度)
当たりの色数の分布を示すグラフである。
【図29】 被印刷体の真上から見た、被印刷体との界
面における、推進体流パターンの一例を示す平面図であ
る。
【図30】 図29の推進体流パターンの側面図と、推
進体流中における位置の関数としての、印刷物質粒子分
布を示すグラフである。
【図31】 最も極端な場合における、印刷物質のスポ
ット中心から横方向への偏りを算出するためのモデル図
である。
【図32】 補助溶融などの、レーザーによる射出後印
刷物質処理に必要なレーザー出力を算出するためのモデ
ル図である。
【図33】 印刷物質の抽出及び/又は定着前保持を静
電気的に補助する、弾道エーロゾル印刷装置の断面図で
ある。
【図34】 液状キャリヤ媒体中に懸濁した固体印刷物
質粒子を用いた、本発明の実施の形態の断面図である。
【図35】 本発明の実施の形態における、運動エネル
ギー融着のしきい値を示す、運動エネルギーに対する粒
子数をプロットしたグラフである。
【図36】 本発明による、収束/発散部を持つ又は持
たない流路における、推進体圧力に対する排出オリフィ
スでの推進体速度をプロットしたグラフである。
【図37】 光補助射出後印刷物質処理を行うために配
置した、流路と光ビームを示す断面図である。
【図38】 光補助射出後印刷物質処理の有効範囲を示
す、印刷物質粒径に対する光源の出力をプロットしたグ
ラフである。
【図39】 本発明の実施の形態による、目詰まり、湿
気の影響等を減じる又は防ぐための閉鎖構造を用いた、
弾道エーロゾル印刷装置を示す断面図である。
【図40】 本発明の実施の形態による、プラテンを移
動して排出オリフィスと接触させることによる、流路の
閉鎖を示す断面図である。
【図41】 本発明によるプリントヘッドの製造過程を
示す断面図である。
【図42】 本発明によるプリントヘッドの製造過程を
示す断面図である。
【図43】 本発明による、弾道エーロゾル印刷装置の
別の実施の形態の、特定部分を示す断面図である。
【符号の説明】
10 弾道エーロゾル装置、12 射出器、14 推進
体、16 印刷物質、18 輸送機構、20,22 制
御、21 調量、23 射出後処理、24 弾道エーロ
ゾル装置、26 本体、28 キャビティ、29 開口
部、30 推進体キャビティ、31 バルブ、32 取
り付け部品、33 推進体源、34 プリントヘッド、
36 支持体、37 流路層、38 被印刷体、40
プラテン、42 ポート、43 開口部、44 ポー
ト、45 コロナ、46 流路、47 推進体受け部、
48 収束部、50 発散部、52 印刷物質注入部、
53スロート、54 電極、55 対電極、56 排出
オリフィス、60 本体、62 推進体源、64 マウ
ント部、66 コロナ、68 トランスデューサ/振動
板、69 アドレス化手段、70 プロセス、86 流
動床、87 加熱要素、88,90 電極、91 接触
層、104 調量供給装置、106 行アドレス導線、
108 列アドレス導線、110 流線、112 印刷
物質スポット、114 ガウス密度分布、116 粒
子、118 推進体流、120 横方向への推進体流、
122,124 加熱したフィラメント、130 流
れ、132レーザービーム、134 レーザー、136
流路部、138 層、140スペーシング層、14
2,144 板状電極、146 閉鎖構造、148 グ
リッド、154 実施の形態、156 プール、158
トランスデューサ、160 支持体、162 収束手
段、164 飛沫、168 TIJ射出器、170印刷
物質、172 ポート、174 キャビティ、176
加熱要素、177泡、178 流路、180 プラテ
ン、181 飛沫、182 ドナーローラ、184 ベ
ルト、186 加熱及び/又は圧力ロール、188 印
刷物質粒子、190 プロット、192 境界線、19
4,196 部分、200 配列、202 調量供給装
置、206 共通線路、208 配線、210,212
マルチプレクサ、214 キャビティ、220 フィ
ルタ、222 配管、224バルブ、226 回路構成
要素、228,230 圧力センサ、232 開口部、
240,242,244 線、250 実施の形態、2
54 壁、256圧電物質、260 配置、262 印
刷物質キャリヤ、264 キャビティ、266 本体、
268 ポート、272 半導体層、274 絶縁層、
276 第1電極、278 第2電極、282 印刷物
質、283 磁気ブラシ、284印刷物質輸送ロール、
286 固体状印刷物質粒子、287 印刷物質溜め、
288 液状キャリヤ媒体、290 プール、292
電極、294 ポート、296 流路、298 補助電
極、300 メニスカス、310,312 層、31
4,315 電極、320 実施の形態、322 プリ
ントヘッド、326バルブ、324 流動床、328
エーロゾル部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジャーン ノーランディ カナダ オンタリオ州 ミッシソーガ ソ ーミル バリー ドライブ 3480 (72)発明者 ラジュ ビー アプテ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 パロ アルト マタデロ アベニュー 210 (72)発明者 フィリップ ディ フロイド アメリカ合衆国 カリフォルニア州 サニ ーベイル ヴィセンテ ドライブ 1251 アパーティメント 103 (72)発明者 メング エイチ リーン アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ブライ ヤークリフ マナー スリーピー ハロー ロード 353 (72)発明者 アーメン アール ボルケル アメリカ合衆国 カリフォルニア州 パロ アルト アルマ ストリート 3351 #113

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリントヘッドであって、前記プリント
    ヘッドは、 推進体受け部と、印刷物質受け部と、排出オリフィスと
    を持つ流路であって、前記排出オリフィスの幅が0μm
    以上、250μm以下である流路と、 印刷物質を受けるための前記印刷物質受け部と連結した
    第1ポートと、 推進体を受けるための前記推進体受け部と連結した第2
    ポートとをその中に備えた本体を含み、前記推進体受け
    部に供給された推進体を、前記流路から前記排出オリフ
    ィスへ移動し、通過する推進体流とし、また前記印刷部
    に供給された印刷物質を、前記推進体流に流入させ、十
    分なエネルギーを与えて、前記排出オリフィスへ移動
    し、通過させるものであることを特徴とするプリントヘ
    ッド。
  2. 【請求項2】 請求項1のプリントヘッドであって、 前記流路は、更に収束部と発散部とを備え、 前記収束部と前記発散部は、前記推進体受け部と前記印
    刷物質受け部との間に設置され、 このとき前記推進体流は前記収束部に第1速度及び第1
    圧力で入り、前記発散部に流入し、更に、前記推進体は
    前記発散部より第2速度及び第2圧力で排出され、前記
    第1圧力が前記第2圧力より大きく、前記第1速度が前
    記第2速度より小さいことを特徴とするプリントヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 プリントヘッドであって、前記プリント
    ヘッドは、 その中に第1及び第2流路を形成した支持体であって、
    各々の前記流路は推進体受け部と、印刷物質受け部と、
    排出オリフィスとを備え、各々の前記排出オリフィスの
    幅が0μm以上、250μm以下である支持体と、 前記支持体上に被覆した物質層であり、前記物質層には
    第1及び第2印刷物質ポートを備え、前記第1印刷物質
    ポートは前記第1流路の印刷物質受け部と連結し、前記
    第2印刷物質ポートは前記第2流路の印刷物質受け部と
    連結し、前記物質層は更に、第1及び第2推進体ポート
    を備え、前記第1推進体ポートは前記第1流路の推進体
    受け部と連結し、前記第2推進体ポートは前記第2流路
    の推進体受け部と連結している物質層とを含み、 各々の前記流路の前記推進体受け部に供給された推進体
    を、各前記流路から各前記排出オリフィスへ移動し、通
    過する推進体流とし、また各前記印刷部に供給された印
    刷物質を、各前記推進体流に流入させ、十分なエネルギ
    ーを与えて、各前記排出オリフィスへ移動し、通過させ
    ることを特徴とするプリントヘッド。
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