JP2000105017A - 水冷チラー形冷房装置の改造方法、および、冷水循環式の冷房装置 - Google Patents
水冷チラー形冷房装置の改造方法、および、冷水循環式の冷房装置Info
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- JP2000105017A JP2000105017A JP10275176A JP27517698A JP2000105017A JP 2000105017 A JP2000105017 A JP 2000105017A JP 10275176 A JP10275176 A JP 10275176A JP 27517698 A JP27517698 A JP 27517698A JP 2000105017 A JP2000105017 A JP 2000105017A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 室内機としての凝縮器2、同じく蒸発器7お
よび同じくファン・コイルユニット10を備えた既設の
電動式水冷チラー形冷房装置を改造してエンジン駆動式
にする。 【解決手段】 既設の水冷チラー形冷房装置に設けられ
ていた熱搬送媒体蒸気圧縮用の圧縮ポンプおよびその駆
動用電気モータ(いずれも本図において図示省略)を取
り外し、室外機としてエンジン11を設置するととも
に、このエンジン11によって熱搬送媒体蒸気圧縮用の
エンジン駆動形圧縮ポンプ12を回転駆動する。これに
伴い熱搬送媒体循環管路の一部が室外に延出配管されて
上記エンジン駆動形圧縮ポンプ12に接続され、該循環
管路内の熱搬送媒体は冷凍サイクルを繰り返す。
よび同じくファン・コイルユニット10を備えた既設の
電動式水冷チラー形冷房装置を改造してエンジン駆動式
にする。 【解決手段】 既設の水冷チラー形冷房装置に設けられ
ていた熱搬送媒体蒸気圧縮用の圧縮ポンプおよびその駆
動用電気モータ(いずれも本図において図示省略)を取
り外し、室外機としてエンジン11を設置するととも
に、このエンジン11によって熱搬送媒体蒸気圧縮用の
エンジン駆動形圧縮ポンプ12を回転駆動する。これに
伴い熱搬送媒体循環管路の一部が室外に延出配管されて
上記エンジン駆動形圧縮ポンプ12に接続され、該循環
管路内の熱搬送媒体は冷凍サイクルを繰り返す。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気モータで駆動
される方式の水冷チラー形冷房装置をエンジン駆動式に
改造する方法、並びに、エンジン駆動方式に改造された
冷水循環式の冷房装置に関するものである。
される方式の水冷チラー形冷房装置をエンジン駆動式に
改造する方法、並びに、エンジン駆動方式に改造された
冷水循環式の冷房装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は、電気モータ駆動方式の水冷チラ
ー形冷房装置の従来例を示す模式的な系統図に、熱搬送
媒体の循環流動方向を標示する矢印、冷水の循環流動方
向を標示する矢印、および冷却水の循環流動方向を標示
する矢印を記入した、構造,機能の説明図である。
ー形冷房装置の従来例を示す模式的な系統図に、熱搬送
媒体の循環流動方向を標示する矢印、冷水の循環流動方
向を標示する矢印、および冷却水の循環流動方向を標示
する矢印を記入した、構造,機能の説明図である。
【0003】符号1を付して示したものは、当該水冷チ
ラー形冷房装置の原動力を発生するパッケージポンプで
あって、熱搬送媒体である代替フロン(HCFC)の蒸
気を吸入して圧縮・吐出する圧縮ポンプ1aと、該圧縮
ポンプを回転駆動する電気モータ1bとが一体的に連結
され、缶体の中に封入されている。前記の電気駆動式圧
縮ポンプ1aは、熱搬送媒体の蒸気を矢印aのように吸
入して圧縮し、矢印bのように吐出する。吐出された熱
搬送媒体蒸気は断熱圧縮現象によって温度上昇してい
る。上述のごとく圧縮されて高温になった熱搬送媒体蒸
気は、矢印b,cのように凝縮器2を流通する。この凝
縮器2は、クーリングタワー5を備えた熱交換器であっ
て、冷却水ポンプ駆動モータ3で回転駆動される冷却水
ポンプ4が、冷却水を矢印d,eのごとく循環せしめて
いる。矢印bのように凝縮器2に流入した熱搬送媒体蒸
気は、冷却されて液化し、熱搬送媒体液は矢印cのよう
に膨張弁6を流通して、蒸発器7に送給される。上記の
膨張弁6は、熱搬送媒体の流量を制御するための重要な
構成部材であって、流量が不足すると当該水冷チラー形
冷房装置が所期の冷房能力を発揮することができない。
また、流量が過大であると圧縮ポンプ1aの吐出熱搬送
媒体蒸気が過熱したり、該圧縮ポンプ1aの吸入熱搬送
媒体蒸気に液滴が混入して圧縮ポンプ1aを損耗させる
虞れが有ったりするので著しく不都合である。
ラー形冷房装置の原動力を発生するパッケージポンプで
あって、熱搬送媒体である代替フロン(HCFC)の蒸
気を吸入して圧縮・吐出する圧縮ポンプ1aと、該圧縮
ポンプを回転駆動する電気モータ1bとが一体的に連結
され、缶体の中に封入されている。前記の電気駆動式圧
縮ポンプ1aは、熱搬送媒体の蒸気を矢印aのように吸
入して圧縮し、矢印bのように吐出する。吐出された熱
搬送媒体蒸気は断熱圧縮現象によって温度上昇してい
る。上述のごとく圧縮されて高温になった熱搬送媒体蒸
気は、矢印b,cのように凝縮器2を流通する。この凝
縮器2は、クーリングタワー5を備えた熱交換器であっ
て、冷却水ポンプ駆動モータ3で回転駆動される冷却水
ポンプ4が、冷却水を矢印d,eのごとく循環せしめて
いる。矢印bのように凝縮器2に流入した熱搬送媒体蒸
気は、冷却されて液化し、熱搬送媒体液は矢印cのよう
に膨張弁6を流通して、蒸発器7に送給される。上記の
膨張弁6は、熱搬送媒体の流量を制御するための重要な
構成部材であって、流量が不足すると当該水冷チラー形
冷房装置が所期の冷房能力を発揮することができない。
また、流量が過大であると圧縮ポンプ1aの吐出熱搬送
媒体蒸気が過熱したり、該圧縮ポンプ1aの吸入熱搬送
媒体蒸気に液滴が混入して圧縮ポンプ1aを損耗させる
虞れが有ったりするので著しく不都合である。
【0004】蒸発器7に流入した熱搬送媒体液は該蒸発
器7内で膨張して気化し、気化潜熱を吸収して低温とな
る。上記の蒸発器は、低温の熱搬送媒体によって冷水を
冷却する熱交換器であって、冷水ポンプ駆動モータ9に
よって回転駆動される冷水ポンプ8が、矢印f,gのご
とく冷水を循環させている。蒸発器7内で冷却された冷
水は、室内機であるファン・コイルユニット10に流通
し、室内空気を吹きつけられてこれと熱交換することに
より冷房機能を果たす。蒸発器7内で冷水から熱を奪っ
た熱搬送媒体蒸気は昇温して矢印aのように圧縮ポンプ
1aに吸入され、以下、前述した圧縮→凝縮→膨張→気
化の冷房サイクルを繰り返す。従来一般に、クーリング
タワー5は室外に設置される。その外の主要構成機器で
あるパッケージポンプ1、凝縮器2、蒸発器7、および
ファン・コイルユニット10は室内に設置される。
器7内で膨張して気化し、気化潜熱を吸収して低温とな
る。上記の蒸発器は、低温の熱搬送媒体によって冷水を
冷却する熱交換器であって、冷水ポンプ駆動モータ9に
よって回転駆動される冷水ポンプ8が、矢印f,gのご
とく冷水を循環させている。蒸発器7内で冷却された冷
水は、室内機であるファン・コイルユニット10に流通
し、室内空気を吹きつけられてこれと熱交換することに
より冷房機能を果たす。蒸発器7内で冷水から熱を奪っ
た熱搬送媒体蒸気は昇温して矢印aのように圧縮ポンプ
1aに吸入され、以下、前述した圧縮→凝縮→膨張→気
化の冷房サイクルを繰り返す。従来一般に、クーリング
タワー5は室外に設置される。その外の主要構成機器で
あるパッケージポンプ1、凝縮器2、蒸発器7、および
ファン・コイルユニット10は室内に設置される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前掲の図3に示したも
のは、従来例に係る水冷チラー形冷房装置の1例である
が、技術的進歩および時代背景の変化に伴って変遷した
経緯を有している。上記の変遷の主たるものは、熱搬送
媒体(通称冷媒・フロン)の変化、および、熱搬送媒体
蒸気を圧縮するポンプを回転駆動する機器の変更であ
る。以下、これらについて順次に説明する。熱搬送媒体
として、広くフロンが用いられており、このフロンの中
には各種のものが有り、それぞれ公知公用である。「フ
ロン」は、メタン基やエタン基を有する化合物の水素原
子の一部もしくは水素原子の全部をフッ素や塩素などの
ハロゲン元素で置換した化合物の、我国における一般的
な名称であるが、アメリカやヨーロッパには、このフロ
ンに該当する総括的な名称は存在していない。しかし、
フロンの類別は、本発明を理解するために必要であるか
ら、以下にフロンの類別についてその概要を説明すると
ともに、類別されたフロンの名称を定義しておく。この
種の化合物は分子構造上、CFC,HCFC,HFCの
3種類に区分される。CFCは、メタン基やエタン基を
有する化合物の水素原子の全部をフッ素または塩素で置
換した化学構造を有しており、オゾン層を破壊してフロ
ン公害を招く危険性が大きいので、このCFCは特定フ
ロンとして法的に規制され、今日では製造を禁止されて
市場から姿を消している。
のは、従来例に係る水冷チラー形冷房装置の1例である
が、技術的進歩および時代背景の変化に伴って変遷した
経緯を有している。上記の変遷の主たるものは、熱搬送
媒体(通称冷媒・フロン)の変化、および、熱搬送媒体
蒸気を圧縮するポンプを回転駆動する機器の変更であ
る。以下、これらについて順次に説明する。熱搬送媒体
として、広くフロンが用いられており、このフロンの中
には各種のものが有り、それぞれ公知公用である。「フ
ロン」は、メタン基やエタン基を有する化合物の水素原
子の一部もしくは水素原子の全部をフッ素や塩素などの
ハロゲン元素で置換した化合物の、我国における一般的
な名称であるが、アメリカやヨーロッパには、このフロ
ンに該当する総括的な名称は存在していない。しかし、
フロンの類別は、本発明を理解するために必要であるか
ら、以下にフロンの類別についてその概要を説明すると
ともに、類別されたフロンの名称を定義しておく。この
種の化合物は分子構造上、CFC,HCFC,HFCの
3種類に区分される。CFCは、メタン基やエタン基を
有する化合物の水素原子の全部をフッ素または塩素で置
換した化学構造を有しており、オゾン層を破壊してフロ
ン公害を招く危険性が大きいので、このCFCは特定フ
ロンとして法的に規制され、今日では製造を禁止されて
市場から姿を消している。
【0006】HCFCはハイドロ・クロロ・フルオロカ
ーボンの略であって、オゾン破壊係数が小さく(例え
ば、代表的なHCFCであるフロンR22のオゾン破壊
係数は0.055)、代替フロンと呼ばれている。ただ
し、この代替フロン(HCFC)もオゾン破壊係数がゼ
ロではないので、1996年に総量規制され、2004
年に大幅削減されることになっている。さらに2022
年には全廃となる見込である。HFCはハイドロフルオ
ロカーボンの略であって、オゾン破壊係数がゼロであ
り、新代替物質と呼ばれている。前記のHCFCに属す
るものとしてフロンR22,フロンR123,フロンR
225等が有る。本発明においては、これらを代替フロ
ン(HCFC)と総称する(厳密にはHCFC類フロン
である)。また、HFCに属するものとしてフロン13
4a,フロンR32,フロンR125等が有る。本発明
においては、これらを新代替物質(HFC)と総称する
(厳密にはHFC類フロンである)。水冷チラー形冷房
装置の内で、製造年代の比較的古いものは熱搬送媒体と
して代替フロン(HCFC)が用いられており、製造年
代の比較的新しいものは新代替物質(HFC)が用いら
れている。
ーボンの略であって、オゾン破壊係数が小さく(例え
ば、代表的なHCFCであるフロンR22のオゾン破壊
係数は0.055)、代替フロンと呼ばれている。ただ
し、この代替フロン(HCFC)もオゾン破壊係数がゼ
ロではないので、1996年に総量規制され、2004
年に大幅削減されることになっている。さらに2022
年には全廃となる見込である。HFCはハイドロフルオ
ロカーボンの略であって、オゾン破壊係数がゼロであ
り、新代替物質と呼ばれている。前記のHCFCに属す
るものとしてフロンR22,フロンR123,フロンR
225等が有る。本発明においては、これらを代替フロ
ン(HCFC)と総称する(厳密にはHCFC類フロン
である)。また、HFCに属するものとしてフロン13
4a,フロンR32,フロンR125等が有る。本発明
においては、これらを新代替物質(HFC)と総称する
(厳密にはHFC類フロンである)。水冷チラー形冷房
装置の内で、製造年代の比較的古いものは熱搬送媒体と
して代替フロン(HCFC)が用いられており、製造年
代の比較的新しいものは新代替物質(HFC)が用いら
れている。
【0007】この図3に示した従来例の水冷チラー形冷
房装置は、熱搬送媒体蒸気圧縮用の圧縮ポンプ1aを電
気モータ1bで回転駆動するようになっていて、全体と
して電力を駆動エネルギー源とする水冷チラー形冷房装
置になっている。この他にも冷却水ポンプ4、冷水ポン
プ8、クーリングタワー5のファン、およびファン・コ
イルユニットを回転駆動するためのエネルギー源を必要
とするが、これら補機器類の消費エネルギー量は比較的
小さく、水冷チラー形冷房装置の消費する動力のほとん
どは圧縮ポンプ1aの回転駆動によるものである。図示
を省略するが、比較的近年に製造,供給された水冷チラ
ー形冷房装置の中には、熱搬送媒体蒸気圧縮用の圧縮ポ
ンプをエンジンで駆動する方式のものも有る。上記のエ
ンジンにはデイゼルエンジンおよびガソリンエンジン、
並びに、都市ガスもしくは石油液化ガスを燃料とするガ
スエンジンが含まれ、それぞれ長短を有している。エン
ジン駆動方式の水冷チラー形冷房装置が出現した理由に
は、エネルギーコストの低減という経済的な目的と、電
力負荷平準化という公共の利益に貢献する社会的目的と
の両方が有る。以下、順次に説明すると次のとおりであ
る。
房装置は、熱搬送媒体蒸気圧縮用の圧縮ポンプ1aを電
気モータ1bで回転駆動するようになっていて、全体と
して電力を駆動エネルギー源とする水冷チラー形冷房装
置になっている。この他にも冷却水ポンプ4、冷水ポン
プ8、クーリングタワー5のファン、およびファン・コ
イルユニットを回転駆動するためのエネルギー源を必要
とするが、これら補機器類の消費エネルギー量は比較的
小さく、水冷チラー形冷房装置の消費する動力のほとん
どは圧縮ポンプ1aの回転駆動によるものである。図示
を省略するが、比較的近年に製造,供給された水冷チラ
ー形冷房装置の中には、熱搬送媒体蒸気圧縮用の圧縮ポ
ンプをエンジンで駆動する方式のものも有る。上記のエ
ンジンにはデイゼルエンジンおよびガソリンエンジン、
並びに、都市ガスもしくは石油液化ガスを燃料とするガ
スエンジンが含まれ、それぞれ長短を有している。エン
ジン駆動方式の水冷チラー形冷房装置が出現した理由に
は、エネルギーコストの低減という経済的な目的と、電
力負荷平準化という公共の利益に貢献する社会的目的と
の両方が有る。以下、順次に説明すると次のとおりであ
る。
【0008】回転駆動の動力源としての電力エネルギー
のコストは、一般に安価であると考えられている。しか
し、大口電力需要家が受電設備の設置,維持管理までを
考慮に入れると必ずしも安価ではない。さらに、最近の
オフィスビル冷房について考察すると、事務処理自動化
(通称OA化)所要電力が急増している。従前のオフィ
スビル用電力消費の主たるものは照明と冷暖房であっ
て、初期のOA化用電力は「照明と冷暖房」に消費され
る電力の余裕を充当して賄われていた。しかし、OA化
所要電力の増加に伴い、オフィスを単位として「照明用
電力+冷暖房用電力+OA用電力」の合計電力量が受電
容量を越えようとしている。こうした情勢下において、
水冷チラー形冷房装置の駆動エネルギー源を電力からエ
ンジンに切り換えることが出来れば、オフィス単位とし
ての、受電設備を含めたエネルギー単価が節減される。
こうした理由で、既設の水冷チラー形冷房装置につい
て、その駆動源を電力からエンジンに切り換えること
が、ランニングコストを節減するという面からも要望さ
れる。この場合、(図3参照)電力消費の大半を占めて
いる熱搬送媒体蒸気圧縮用の電気モータ1bをエンジン
(図示せず)て代替することによって目的が達成され
る。その他のモータ類(冷水ポンプ駆動用モータ3、冷
水ポンプ駆動モータ9、並びに、クーリングタワー5や
ファン・コイルユニット10のファン駆動用モータ)
は、消費電力量が比較的少ないからである。さらに、上
記の図示しないエンジンによって小型発電機を回転駆動
すれば、補機器類の消費電力を供給することができる。
なお、この場合、図示しない代替用エンジンに小型発電
機を装着することは別段のデメリットではない。その理
由は、定置用エンジンや車両用エンジンは一般に、セル
モータ駆動用バッテリーを充電するための発電機を装備
しているからであって、別途に専用の小型発電機を設け
なくても上記充電用発電機の容量を大きく設定しておく
ことによって補機器用電力を賄うことができる。バッテ
リーに蓄えたり、バッテリーから供給されたりする電流
は直流であるが、公知のインバータ技術を適用して補機
器用の交流式モータを駆動・制御することは容易に可能
である。
のコストは、一般に安価であると考えられている。しか
し、大口電力需要家が受電設備の設置,維持管理までを
考慮に入れると必ずしも安価ではない。さらに、最近の
オフィスビル冷房について考察すると、事務処理自動化
(通称OA化)所要電力が急増している。従前のオフィ
スビル用電力消費の主たるものは照明と冷暖房であっ
て、初期のOA化用電力は「照明と冷暖房」に消費され
る電力の余裕を充当して賄われていた。しかし、OA化
所要電力の増加に伴い、オフィスを単位として「照明用
電力+冷暖房用電力+OA用電力」の合計電力量が受電
容量を越えようとしている。こうした情勢下において、
水冷チラー形冷房装置の駆動エネルギー源を電力からエ
ンジンに切り換えることが出来れば、オフィス単位とし
ての、受電設備を含めたエネルギー単価が節減される。
こうした理由で、既設の水冷チラー形冷房装置につい
て、その駆動源を電力からエンジンに切り換えること
が、ランニングコストを節減するという面からも要望さ
れる。この場合、(図3参照)電力消費の大半を占めて
いる熱搬送媒体蒸気圧縮用の電気モータ1bをエンジン
(図示せず)て代替することによって目的が達成され
る。その他のモータ類(冷水ポンプ駆動用モータ3、冷
水ポンプ駆動モータ9、並びに、クーリングタワー5や
ファン・コイルユニット10のファン駆動用モータ)
は、消費電力量が比較的少ないからである。さらに、上
記の図示しないエンジンによって小型発電機を回転駆動
すれば、補機器類の消費電力を供給することができる。
なお、この場合、図示しない代替用エンジンに小型発電
機を装着することは別段のデメリットではない。その理
由は、定置用エンジンや車両用エンジンは一般に、セル
モータ駆動用バッテリーを充電するための発電機を装備
しているからであって、別途に専用の小型発電機を設け
なくても上記充電用発電機の容量を大きく設定しておく
ことによって補機器用電力を賄うことができる。バッテ
リーに蓄えたり、バッテリーから供給されたりする電流
は直流であるが、公知のインバータ技術を適用して補機
器用の交流式モータを駆動・制御することは容易に可能
である。
【0009】冷房空調によって消費される電力は夏季の
昼間に集中する。このため年負荷率(1年間の最大需要
電力に対する平均電力の比率)が年々低下の傾向を示し
ており、昭和40年代には約70%であった年負荷率
が、平成9年度実績では句55%まで低下した。電力に
余剰を生じる季節,時間帯に電力を蓄えるため、揚水発
電や潜熱冷房なども研究されているが、国全体としての
電力需要バランスを改善し得るには至っていない。エネ
ルギー消費の節減が国家的経済の重要課題となっている
情勢の下において電力の年負荷率が低下を続けていると
いう事態は放置しておけないので、通商産業大臣の諮問
機関である電力事業審議会の基本政策部会は、電力負荷
平準化小委員会を設置して電力負荷率の向上(すなわち
電力負荷平準化)を図るための各種の施策を打ち出して
いる。例えば、電力負荷の平準化に逆行するような電力
消費に対して懲罰的な電気料金を加算することも一案で
あるが、それよりも、冷房空調設備の駆動源を電力から
燃料(液体燃料および気体燃料)に切り替えること、す
なわち、電気モータを内燃機関(通称的にエンジン)に
切り替えることが、最も直接的な効果を奏するものと期
待される。本発明は上述の事情に鑑みて為されたもので
あって、先に述べた熱搬送媒体としてのフロン類別の変
遷を考慮に入れた上で、既設の電気駆動式の水冷チラー
形冷房装置をエンジン駆動(液体燃料,気体燃料用の内
燃機関駆動)に改造し、水冷チラー形冷房装置のエネル
ギーコストを節減してランニングコストを低減するとと
もに、電力負荷平準化に貢献するため、既設水冷チラー
形冷房装置の構成部材をなるべく有効に継続使用する方
法、並びに、上述のように改造された水冷チラー形冷房
装置を提供することを目的とする。
昼間に集中する。このため年負荷率(1年間の最大需要
電力に対する平均電力の比率)が年々低下の傾向を示し
ており、昭和40年代には約70%であった年負荷率
が、平成9年度実績では句55%まで低下した。電力に
余剰を生じる季節,時間帯に電力を蓄えるため、揚水発
電や潜熱冷房なども研究されているが、国全体としての
電力需要バランスを改善し得るには至っていない。エネ
ルギー消費の節減が国家的経済の重要課題となっている
情勢の下において電力の年負荷率が低下を続けていると
いう事態は放置しておけないので、通商産業大臣の諮問
機関である電力事業審議会の基本政策部会は、電力負荷
平準化小委員会を設置して電力負荷率の向上(すなわち
電力負荷平準化)を図るための各種の施策を打ち出して
いる。例えば、電力負荷の平準化に逆行するような電力
消費に対して懲罰的な電気料金を加算することも一案で
あるが、それよりも、冷房空調設備の駆動源を電力から
燃料(液体燃料および気体燃料)に切り替えること、す
なわち、電気モータを内燃機関(通称的にエンジン)に
切り替えることが、最も直接的な効果を奏するものと期
待される。本発明は上述の事情に鑑みて為されたもので
あって、先に述べた熱搬送媒体としてのフロン類別の変
遷を考慮に入れた上で、既設の電気駆動式の水冷チラー
形冷房装置をエンジン駆動(液体燃料,気体燃料用の内
燃機関駆動)に改造し、水冷チラー形冷房装置のエネル
ギーコストを節減してランニングコストを低減するとと
もに、電力負荷平準化に貢献するため、既設水冷チラー
形冷房装置の構成部材をなるべく有効に継続使用する方
法、並びに、上述のように改造された水冷チラー形冷房
装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに創作した本発明の基本的な原理について、その1実
施形態に対応する図1を参照して略述すると次のとおり
である。すなわち、室内機としての凝縮器2、同じく蒸
発器7および同じくファン・コイルユニット10を備え
た既設の電動式水冷チラー形冷房装置を改造してエンジ
ン駆動式にするため、既設の水冷チラー形冷房装置に設
けられていた熱搬送媒体蒸気圧縮用の圧縮ポンプおよび
その駆動用電気モータ(いずれも本図において図示省
略)を取り外し、室外機としてエンジン11を設置する
とともに、このエンジン11によって熱搬送媒体蒸気圧
縮用のエンジン駆動形圧縮ポンプ12を回転駆動する。
これに伴い熱搬送媒体循環管路の一部が室外に延出配管
されて上記エンジン駆動形圧縮ポンプ12に接続され、
該循環管路内の熱搬送媒体は冷凍サイクルを繰り返す。
めに創作した本発明の基本的な原理について、その1実
施形態に対応する図1を参照して略述すると次のとおり
である。すなわち、室内機としての凝縮器2、同じく蒸
発器7および同じくファン・コイルユニット10を備え
た既設の電動式水冷チラー形冷房装置を改造してエンジ
ン駆動式にするため、既設の水冷チラー形冷房装置に設
けられていた熱搬送媒体蒸気圧縮用の圧縮ポンプおよび
その駆動用電気モータ(いずれも本図において図示省
略)を取り外し、室外機としてエンジン11を設置する
とともに、このエンジン11によって熱搬送媒体蒸気圧
縮用のエンジン駆動形圧縮ポンプ12を回転駆動する。
これに伴い熱搬送媒体循環管路の一部が室外に延出配管
されて上記エンジン駆動形圧縮ポンプ12に接続され、
該循環管路内の熱搬送媒体は冷凍サイクルを繰り返す。
【0011】以上に説明した原理に基づいて請求項1に
係る発明方法の構成は、熱搬送媒体の蒸気を吸入して圧
縮突出する圧縮ポンプと、上記圧縮ポンプに結合されて
これを回転駆動する電気モータと、上記圧縮ポンプによ
って圧縮された熱搬送媒体の蒸気を冷却して液化させる
凝縮器と、上記凝縮器に冷却水を循環させる冷却水ポン
プおよび冷却水ポンプ駆動モータと、上記の循環せしめ
られている冷却水を風冷するクーリングタワーと、前記
凝縮器で液化された熱搬送媒体液の流量を制御する膨張
弁と、上記膨張弁を通過した熱搬送媒体液を蒸発させて
冷水を冷却させる蒸発器と、上記蒸発器に冷水を循環さ
せる冷水ポンプおよび冷水ポンプ駆動モータと、上記冷
水の循環供給を受けて室内空気を冷房するファン・コイ
ルユニットとを具備している電気駆動式の水冷チラー形
冷房装置の駆動部を改造して、主たる駆動エネルギー源
を電力から液体もしくは気体の燃料に変換する方法にお
いて、前記熱搬送媒体の蒸気を吸入,圧縮吐出する圧縮
ポンプ、および該圧縮ポンプ回転駆動用の電気モータを
取り外すとともに、熱搬送媒体の循環管路中に前記圧縮
ポンプが接続されていた箇所に配管工事を施して、該熱
搬送媒体循環管路の一部分を室外に延出し、かつ、室外
にエンジンを設置するとともに、該エンジンにエンジン
駆動形圧縮ポンプを装着して、この圧縮ポンプを「前記
熱搬送媒体循環管路の延出部分」に接続するとともに、
前記の蒸発器、冷水ポンプ、冷水ポンプ駆動モータ、お
よび、室内空気を冷却するファン・コイルユニットをほ
ぼ現状のままで、または損耗箇所を補修した上で、これ
らの機器の設置位置および冷水循環用管路の配管位置を
大きく変更することなく継続使用することを特徴とす
る。以上に説明した請求項1の発明方法によると、改造
対象の水冷チラー形冷房装置に装着されていた熱搬送媒
体用圧縮ポンプを、その駆動用モータと一緒に取り外し
てエンジン駆動形圧縮ポンプと交換するので、電気モー
タをエンジンに交換することが初めて現実的に可能とな
った。構成機器を接続した冷凍サイクルの配管系統図を
抽象的に眺めただけでは、電気駆動方式の水冷チラー形
冷房装置を構成している電気モータをエンジンと交換す
ることについて別段の創作力を必要としないように錯覚
し易いが、既設の水冷チラー形冷房装置の熱搬送媒体蒸
気圧縮ポンプとその駆動用電気モータとは一体不可分に
缶体内に密封されており、駆動用電気モータだけをエン
ジンに交換することは出来ない。本請求項1の発明方法
においては、既設水冷チラー形冷房装置を構成していた
「熱搬送媒体蒸気圧縮ポンプと該熱搬送媒体蒸気圧縮ポ
ンプ駆動用電気モータ」の組合せを取り外し、「エンジ
ン駆動形圧縮ポンプと該エンジン駆動形圧縮ポンプ駆動
用エンジン」の組合せを取り付けることによって、現実
の改造工事が可能になる。さらに、改造前の水冷チラー
形冷房装置における圧縮ポンプ駆動用の電気モータは室
内機として設置されているので、これを単純にエンジン
で代替することはできない。こうした改造対象装置の条
件に対応した本請求項1の構成は、熱搬送媒体循環管路
の一部を室外に延出してその延出部にエンジン駆動形圧
縮ポンプを接続することにより、その駆動用エンジンを
室外に設置し得るようにした。これにより、水冷チラー
形冷房装置をエンジンで駆動し、電力の供給を不要なら
しめ、もしくは大幅に低減せしめた。電力の節減によっ
て電力負荷平準化という公共の要望に副うことが出来
た。その上、水冷チラー形冷房装置のエネルギー源が電
力から燃料(液体燃料,気体燃料のうち任意の片方もし
くは混用が可能)に変換されるのでエネルギーコストが
低減され、ひいては当該水冷チラー形冷房装置のランニ
ングコストが節減される。さらに派生的効果として、水
冷チラー形冷房装置の消費電力に振り当てられていた受
電設備の容量に余裕が出来るので、オフィス事務のOA
化用電力を捻出することができる。
係る発明方法の構成は、熱搬送媒体の蒸気を吸入して圧
縮突出する圧縮ポンプと、上記圧縮ポンプに結合されて
これを回転駆動する電気モータと、上記圧縮ポンプによ
って圧縮された熱搬送媒体の蒸気を冷却して液化させる
凝縮器と、上記凝縮器に冷却水を循環させる冷却水ポン
プおよび冷却水ポンプ駆動モータと、上記の循環せしめ
られている冷却水を風冷するクーリングタワーと、前記
凝縮器で液化された熱搬送媒体液の流量を制御する膨張
弁と、上記膨張弁を通過した熱搬送媒体液を蒸発させて
冷水を冷却させる蒸発器と、上記蒸発器に冷水を循環さ
せる冷水ポンプおよび冷水ポンプ駆動モータと、上記冷
水の循環供給を受けて室内空気を冷房するファン・コイ
ルユニットとを具備している電気駆動式の水冷チラー形
冷房装置の駆動部を改造して、主たる駆動エネルギー源
を電力から液体もしくは気体の燃料に変換する方法にお
いて、前記熱搬送媒体の蒸気を吸入,圧縮吐出する圧縮
ポンプ、および該圧縮ポンプ回転駆動用の電気モータを
取り外すとともに、熱搬送媒体の循環管路中に前記圧縮
ポンプが接続されていた箇所に配管工事を施して、該熱
搬送媒体循環管路の一部分を室外に延出し、かつ、室外
にエンジンを設置するとともに、該エンジンにエンジン
駆動形圧縮ポンプを装着して、この圧縮ポンプを「前記
熱搬送媒体循環管路の延出部分」に接続するとともに、
前記の蒸発器、冷水ポンプ、冷水ポンプ駆動モータ、お
よび、室内空気を冷却するファン・コイルユニットをほ
ぼ現状のままで、または損耗箇所を補修した上で、これ
らの機器の設置位置および冷水循環用管路の配管位置を
大きく変更することなく継続使用することを特徴とす
る。以上に説明した請求項1の発明方法によると、改造
対象の水冷チラー形冷房装置に装着されていた熱搬送媒
体用圧縮ポンプを、その駆動用モータと一緒に取り外し
てエンジン駆動形圧縮ポンプと交換するので、電気モー
タをエンジンに交換することが初めて現実的に可能とな
った。構成機器を接続した冷凍サイクルの配管系統図を
抽象的に眺めただけでは、電気駆動方式の水冷チラー形
冷房装置を構成している電気モータをエンジンと交換す
ることについて別段の創作力を必要としないように錯覚
し易いが、既設の水冷チラー形冷房装置の熱搬送媒体蒸
気圧縮ポンプとその駆動用電気モータとは一体不可分に
缶体内に密封されており、駆動用電気モータだけをエン
ジンに交換することは出来ない。本請求項1の発明方法
においては、既設水冷チラー形冷房装置を構成していた
「熱搬送媒体蒸気圧縮ポンプと該熱搬送媒体蒸気圧縮ポ
ンプ駆動用電気モータ」の組合せを取り外し、「エンジ
ン駆動形圧縮ポンプと該エンジン駆動形圧縮ポンプ駆動
用エンジン」の組合せを取り付けることによって、現実
の改造工事が可能になる。さらに、改造前の水冷チラー
形冷房装置における圧縮ポンプ駆動用の電気モータは室
内機として設置されているので、これを単純にエンジン
で代替することはできない。こうした改造対象装置の条
件に対応した本請求項1の構成は、熱搬送媒体循環管路
の一部を室外に延出してその延出部にエンジン駆動形圧
縮ポンプを接続することにより、その駆動用エンジンを
室外に設置し得るようにした。これにより、水冷チラー
形冷房装置をエンジンで駆動し、電力の供給を不要なら
しめ、もしくは大幅に低減せしめた。電力の節減によっ
て電力負荷平準化という公共の要望に副うことが出来
た。その上、水冷チラー形冷房装置のエネルギー源が電
力から燃料(液体燃料,気体燃料のうち任意の片方もし
くは混用が可能)に変換されるのでエネルギーコストが
低減され、ひいては当該水冷チラー形冷房装置のランニ
ングコストが節減される。さらに派生的効果として、水
冷チラー形冷房装置の消費電力に振り当てられていた受
電設備の容量に余裕が出来るので、オフィス事務のOA
化用電力を捻出することができる。
【0012】請求項2に係る発明方法の構成は、前記請
求項1の発明方法の構成要件に加えて、前記の冷却水を
風冷するクーリングタワー、および、該クーリングタワ
ーと凝縮器との間に冷却水を循環させる管路、並びに、
上記冷却水循環管路内に介挿接続されている冷却水ポン
プおよび該冷却水ポンプ駆動モータを現状のままで、ま
たは損耗箇所を補修した上で、これらの機器類の設置位
置を大きく変更することなく継続使用することを特徴と
する。以上に説明した請求項2の発明方法によると、既
設の水冷チラー形冷房装置の主要な室外設置機器である
クーリングタワー、および、「該クーリングタワーと室
内設置機器である凝縮器とを接続している冷却水循環管
路」、並びに該循環管路中に介挿接続されている冷却水
ポンプおよびその駆動モータを廃却したり休止させたり
することなく、有効に継続使用するので、これらの機器
類を取り外す場合に比して工事の所要工数や必要機材費
が少なくて済み、その上、工事に伴って発生する産業廃
棄物が減量され、公共の利益に副うことができる。この
クーリングタワーおよびその付属部材は、本来、改造前
の水冷チラー形冷房装置用の冷却水を供給するための機
器として、その容量や特性を凝縮器並びに蒸発器および
ファン・コイルユニットとマッチングさせて設計製作さ
れているので、本請求項2を適用することにより、改造
後においても改造前の水冷チラー形冷房装置の冷房能力
を維持するために必要かつ充分である。換言すれば、本
請求項2を適用して水冷チラー形冷房装置を改造する
と、改造前の主要な室内設置機器(凝縮器、蒸発器、フ
ァン・コイルユニット)に対する「熱搬送媒体蒸気圧縮
用のポンプおよびその駆動用エンジン」の容量・特性の
マッチングを図れば足り、凝縮器に対して冷却水を供給
する系統については容量・特性について別段の考慮を要
せず、所要の補修を施せば足りる。この請求項2の発明
方法は、室外にエンジンを設置するための空間的な余裕
が有る場合に好適である。
求項1の発明方法の構成要件に加えて、前記の冷却水を
風冷するクーリングタワー、および、該クーリングタワ
ーと凝縮器との間に冷却水を循環させる管路、並びに、
上記冷却水循環管路内に介挿接続されている冷却水ポン
プおよび該冷却水ポンプ駆動モータを現状のままで、ま
たは損耗箇所を補修した上で、これらの機器類の設置位
置を大きく変更することなく継続使用することを特徴と
する。以上に説明した請求項2の発明方法によると、既
設の水冷チラー形冷房装置の主要な室外設置機器である
クーリングタワー、および、「該クーリングタワーと室
内設置機器である凝縮器とを接続している冷却水循環管
路」、並びに該循環管路中に介挿接続されている冷却水
ポンプおよびその駆動モータを廃却したり休止させたり
することなく、有効に継続使用するので、これらの機器
類を取り外す場合に比して工事の所要工数や必要機材費
が少なくて済み、その上、工事に伴って発生する産業廃
棄物が減量され、公共の利益に副うことができる。この
クーリングタワーおよびその付属部材は、本来、改造前
の水冷チラー形冷房装置用の冷却水を供給するための機
器として、その容量や特性を凝縮器並びに蒸発器および
ファン・コイルユニットとマッチングさせて設計製作さ
れているので、本請求項2を適用することにより、改造
後においても改造前の水冷チラー形冷房装置の冷房能力
を維持するために必要かつ充分である。換言すれば、本
請求項2を適用して水冷チラー形冷房装置を改造する
と、改造前の主要な室内設置機器(凝縮器、蒸発器、フ
ァン・コイルユニット)に対する「熱搬送媒体蒸気圧縮
用のポンプおよびその駆動用エンジン」の容量・特性の
マッチングを図れば足り、凝縮器に対して冷却水を供給
する系統については容量・特性について別段の考慮を要
せず、所要の補修を施せば足りる。この請求項2の発明
方法は、室外にエンジンを設置するための空間的な余裕
が有る場合に好適である。
【0013】請求項3に係る発明方法の構成は、前記請
求項1の発明方法の構成要件に加えて、前記の冷却水を
風冷するクーリングタワー、および、該クーリングタワ
ーと凝縮器との間に冷却水を循環させる管路、並びに、
上記冷却水循環管路内に介挿接続されている冷却水ポン
プおよび該冷却水ポンプ駆動モータを取り外し、熱搬送
媒体を流通せしめるラジエータ管路と、該ラジエータ管
路の外周面に空気を接触流動させるラジエータファン
と、「該ラジエータファンを回転駆動するファン駆動モ
ータとから成り、凝縮器として機能する空冷ユニット」
とを、前記のクーリングタワーに代えて、室外に設置
し、上記ラジエータ管路の流入端を、前記エンジン駆動
形圧縮ポンプの吐出口に接続配管して連通せしめるとと
もに、該ラジエータ管路の流出端を直接的に、もしくは
膨張弁を直列に介して蒸発器に接続配管して、前記エン
ジン駆動形圧縮機から吐出された熱搬送媒蒸気を前記の
ラジエータ管路に循環流動せしめることを特徴とする。
以上に説明した請求項3の発明方法によると、既設水冷
チラー形冷房装置の室外設置機器であるクーリングタワ
ーに代えて、これよりも小形の機器である空冷ユニット
を設置するので、室外機設置用の空間に大きい余裕が出
来る。このため上記余裕空間に圧縮ポンプ駆動用のエン
ジンを配置することができる。本願に係る一連の発明の
基本的な構成として、既設水冷チラー形冷房装置の熱搬
送媒体蒸気圧縮用の圧縮ポンプ駆動源を電気モータ(室
内設置機器)からエンジン(室外設置機器)に切り換え
るため、これらの発明を実施するために室外空間を必要
とする。最近の建築物事情においては、室外空間の余裕
が必ずしも充分でなく、エンジン設置スペースの不測に
よって改造の実施を制約される場合が少なくない。この
ような場合、クーリングタワーの設置に占められていた
空間をエンジンの設置用空間として転用し得る本請求項
の実用的価値は非常に大きい。クーリングタワーは水を
大気に触れさせて循環せしめるので、微生物が繁殖した
り、塵埃が混入したり、蒸発して減少したりする危険性
を有しているが、本請求項3の構成に係るラジエータ管
路を備えた空冷ユニットは冷却水を用いず、水を循環流
動せしめて大気に触れさせることが無いので微生物繁殖
の虞れも塵埃混入の虞れも蒸発減量の虞れも無く、メン
ティナンスが容易である。のみならず、循環流体が大気
中の酸素や2酸化炭素に接触しないので、これらの酸化
性気体が流体の中に溶け込まず、流体の循環管路の腐食
を促進する虞れが無い。
求項1の発明方法の構成要件に加えて、前記の冷却水を
風冷するクーリングタワー、および、該クーリングタワ
ーと凝縮器との間に冷却水を循環させる管路、並びに、
上記冷却水循環管路内に介挿接続されている冷却水ポン
プおよび該冷却水ポンプ駆動モータを取り外し、熱搬送
媒体を流通せしめるラジエータ管路と、該ラジエータ管
路の外周面に空気を接触流動させるラジエータファン
と、「該ラジエータファンを回転駆動するファン駆動モ
ータとから成り、凝縮器として機能する空冷ユニット」
とを、前記のクーリングタワーに代えて、室外に設置
し、上記ラジエータ管路の流入端を、前記エンジン駆動
形圧縮ポンプの吐出口に接続配管して連通せしめるとと
もに、該ラジエータ管路の流出端を直接的に、もしくは
膨張弁を直列に介して蒸発器に接続配管して、前記エン
ジン駆動形圧縮機から吐出された熱搬送媒蒸気を前記の
ラジエータ管路に循環流動せしめることを特徴とする。
以上に説明した請求項3の発明方法によると、既設水冷
チラー形冷房装置の室外設置機器であるクーリングタワ
ーに代えて、これよりも小形の機器である空冷ユニット
を設置するので、室外機設置用の空間に大きい余裕が出
来る。このため上記余裕空間に圧縮ポンプ駆動用のエン
ジンを配置することができる。本願に係る一連の発明の
基本的な構成として、既設水冷チラー形冷房装置の熱搬
送媒体蒸気圧縮用の圧縮ポンプ駆動源を電気モータ(室
内設置機器)からエンジン(室外設置機器)に切り換え
るため、これらの発明を実施するために室外空間を必要
とする。最近の建築物事情においては、室外空間の余裕
が必ずしも充分でなく、エンジン設置スペースの不測に
よって改造の実施を制約される場合が少なくない。この
ような場合、クーリングタワーの設置に占められていた
空間をエンジンの設置用空間として転用し得る本請求項
の実用的価値は非常に大きい。クーリングタワーは水を
大気に触れさせて循環せしめるので、微生物が繁殖した
り、塵埃が混入したり、蒸発して減少したりする危険性
を有しているが、本請求項3の構成に係るラジエータ管
路を備えた空冷ユニットは冷却水を用いず、水を循環流
動せしめて大気に触れさせることが無いので微生物繁殖
の虞れも塵埃混入の虞れも蒸発減量の虞れも無く、メン
ティナンスが容易である。のみならず、循環流体が大気
中の酸素や2酸化炭素に接触しないので、これらの酸化
性気体が流体の中に溶け込まず、流体の循環管路の腐食
を促進する虞れが無い。
【0014】請求項4に係る発明方法の構成は、前記請
求項1〜3の発明方法の構成要件に加えて、改造の対象
である水冷チラー形冷房装置の循環管路に封入されてい
る熱搬送媒体が代替フロン(HCFC)である場合、上
記熱搬送媒体の蒸気を吸入,吐出する圧縮ポンプを取り
外すに先立って、予め該熱搬送媒体の循環系内に封入さ
れている代替フロン(HCFC)を回収して一時的に保
管しておき、前記エンジン駆動形圧縮ポンプとして、新
代替物質(HFC)蒸気を吸入,圧縮吐出するように設
計製作された圧縮ポンプであって未だ新代替物質(HF
C)に接触していない新品の圧縮ポンプ、もしくは上記
と同様に新代替物質(HFC)蒸気を吸入,圧縮吐出す
るように設計製作されて新代替物質(HFC)に接触し
た経歴を有し、該新代替物質(HFC)を洗浄除去され
た圧縮ポンプを使用し、かつ、上記のエンジン駆動形圧
縮ポンプの容量は、その公称冷房能力の数値を問わず、
改造対象である水冷チラー形冷房装置が必要としている
吐出流量をほぼ同じくするエンジン駆動形圧縮ポンプと
し、上記エンジン駆動形圧縮ポンプを、熱搬送媒体循環
管路の延出部分に接続した後、該循環管路の中に「一時
的に保管してあった代替フロン(HCFC)」、およ
び、所要量の補充用代替フロン(HCFC)を注入して
密封することを特徴とする。以上に説明した請求項4の
発明方法によると、新代替物質(HFC)が未だ普及し
ていなかった時代に設計製作されて代替フロン(HCF
C)を熱搬送媒体として使用していた電気駆動方式の水
冷チラー形冷房装置に本発明を適用してエンジン駆動方
式に改造する場合、比較的最近に開発されて現今の市場
流通品の主力となっている新代替物質(HFC)用圧縮
ポンプを使用するので、改造に必要な補充機器である熱
搬送媒体蒸気圧縮用ポンプの入手が容易であり、改造後
における熱搬送媒体蒸気圧縮用ポンプの補給部品供給も
保証されているのでメンティナンス性が優れている。さ
らに、新代替物質(HFC)用の圧縮ポンプおよびその
駆動用エンジンは比較的最近の製品であって、性能特性
を相互にマッチングさせた「圧縮ポンプと駆動用エンジ
ンとの組合せ」を入手し易い。その上、本来代替フロン
(HCFC)用として設計製作された既設の水冷チラー
形冷房装置の圧縮ポンプ駆動機器をエンジンに変換して
改造した後、本来の設計基準を著しく改変することなく
代替フロン(HCFC)を封入して稼働させるので、既
設水冷チラー形冷房装置の構成機器の中で改造後も継続
使用される凝縮器,蒸発器の作動特性は改造後において
も熱搬送媒体と良くマッチングを維持して、それぞれの
機能を発揮し、ミスマッチングに因る冷房能力不足を生
じたり、ミスマッチングに因る過熱などのトラブルを誘
発したりする虞れが無く、作動信頼性が高い。特に、膨
張弁の仕様を変更したり、膨張弁の作動特性の調整状態
を大幅に修正したりする必要を生ぜず、改造後の試運転
・調整が容易である。
求項1〜3の発明方法の構成要件に加えて、改造の対象
である水冷チラー形冷房装置の循環管路に封入されてい
る熱搬送媒体が代替フロン(HCFC)である場合、上
記熱搬送媒体の蒸気を吸入,吐出する圧縮ポンプを取り
外すに先立って、予め該熱搬送媒体の循環系内に封入さ
れている代替フロン(HCFC)を回収して一時的に保
管しておき、前記エンジン駆動形圧縮ポンプとして、新
代替物質(HFC)蒸気を吸入,圧縮吐出するように設
計製作された圧縮ポンプであって未だ新代替物質(HF
C)に接触していない新品の圧縮ポンプ、もしくは上記
と同様に新代替物質(HFC)蒸気を吸入,圧縮吐出す
るように設計製作されて新代替物質(HFC)に接触し
た経歴を有し、該新代替物質(HFC)を洗浄除去され
た圧縮ポンプを使用し、かつ、上記のエンジン駆動形圧
縮ポンプの容量は、その公称冷房能力の数値を問わず、
改造対象である水冷チラー形冷房装置が必要としている
吐出流量をほぼ同じくするエンジン駆動形圧縮ポンプと
し、上記エンジン駆動形圧縮ポンプを、熱搬送媒体循環
管路の延出部分に接続した後、該循環管路の中に「一時
的に保管してあった代替フロン(HCFC)」、およ
び、所要量の補充用代替フロン(HCFC)を注入して
密封することを特徴とする。以上に説明した請求項4の
発明方法によると、新代替物質(HFC)が未だ普及し
ていなかった時代に設計製作されて代替フロン(HCF
C)を熱搬送媒体として使用していた電気駆動方式の水
冷チラー形冷房装置に本発明を適用してエンジン駆動方
式に改造する場合、比較的最近に開発されて現今の市場
流通品の主力となっている新代替物質(HFC)用圧縮
ポンプを使用するので、改造に必要な補充機器である熱
搬送媒体蒸気圧縮用ポンプの入手が容易であり、改造後
における熱搬送媒体蒸気圧縮用ポンプの補給部品供給も
保証されているのでメンティナンス性が優れている。さ
らに、新代替物質(HFC)用の圧縮ポンプおよびその
駆動用エンジンは比較的最近の製品であって、性能特性
を相互にマッチングさせた「圧縮ポンプと駆動用エンジ
ンとの組合せ」を入手し易い。その上、本来代替フロン
(HCFC)用として設計製作された既設の水冷チラー
形冷房装置の圧縮ポンプ駆動機器をエンジンに変換して
改造した後、本来の設計基準を著しく改変することなく
代替フロン(HCFC)を封入して稼働させるので、既
設水冷チラー形冷房装置の構成機器の中で改造後も継続
使用される凝縮器,蒸発器の作動特性は改造後において
も熱搬送媒体と良くマッチングを維持して、それぞれの
機能を発揮し、ミスマッチングに因る冷房能力不足を生
じたり、ミスマッチングに因る過熱などのトラブルを誘
発したりする虞れが無く、作動信頼性が高い。特に、膨
張弁の仕様を変更したり、膨張弁の作動特性の調整状態
を大幅に修正したりする必要を生ぜず、改造後の試運転
・調整が容易である。
【0015】請求項5に係る発明方法の構成は、前記請
求項1〜3の発明方法の構成要件に加えて、改造対象で
ある水冷チラー形冷房装置の循環管路に封入されている
熱搬送媒体が代替フロン(HCFC)である場合、上記
の改造対象である水冷チラー形冷房装置から、代替フロ
ン(HCFC)蒸気を吸入,圧縮吐出する圧縮ポンプを
取り外した後、熱搬送媒体の循環系を構成している管路
部材の継手部分を分解し、継手部分に用いられているシ
ール部材の全部、もしくは新代替物質(HFC)に関し
て化学的耐性の不十分なシール部材を取り除いて、新代
替物質(HFC)に適合するシール部材と交換して管路
の継手部分を接続し、上記継手部分の接続前および/ま
たは接続後に、それまで使用されていた代替フロン(H
CFC)を洗浄除去した後、真空乾燥して代替フロン
(HCFC)をほぼ完全に除去し、新代替物質(HF
C)蒸気を吸入,圧縮吐出するように設計製作されたエ
ンジン駆動形圧縮ポンプを接続し、上記エンジン駆動形
圧縮ポンプの容量は、改造対象である水冷チラー形冷房
装置の公称冷房能力に比して、ほぼ同等の公称冷房能力
を有する圧縮ポンプとし、もしくは、上記とほぼ同等の
公称冷房能力を有する冷房装置に適合するように構成さ
れた圧縮ポンプとし、上記エンジン駆動形圧縮ポンプを
熱搬送媒体の循環管路の室外延出部分に接続した後、上
記循環管路内に新代替物質(HFC)を注入して密閉す
ることを特徴とする。以上に説明した請求項5の発明方
法によると、電気駆動方式の水冷チラー形冷房装置をエ
ンジン駆動方式に改造するに際して必然的に熱搬送媒体
蒸気圧縮用の圧縮ポンプを交換しなければならないこと
に鑑みて、代替フロン(HCFC)用圧縮ポンプを新代
替物質(HFC)用圧縮ポンプに交換するとともに、熱
搬送媒体も新代替物質(HFC)と交換するので、その
後に何らかの事情で熱搬送媒体を大気中に漏出させるこ
とが有っても、オゾン層を破壊するフロン公害を生じる
虞れが全く無くなる。さらに〔発明が解決しようとする
課題〕の項で説明したように代替フロン(HCFC)の
法的規制は今後、年を追って次第に厳しくなってゆくこ
とが確実に予測されるが、本請求項を適用して改造対象
設備である水冷チラー形冷房装置の熱搬送媒体をこの機
会に完全無公害の新代替物質(HFC)に切り換えてお
くことにより、今後、補給資材としての熱搬送媒体の入
手について不安無く供給を期待することができる。ただ
し、新代替物質(HFC)は代替フロン(HCFC)に
比して物理的性質および化学的性質を異にするので不用
意な交換は行なうべきでない。具体的には、蒸発潜熱が
小さい(例えば約0.76倍)こと、比重(飽和蒸気比
容積の逆数)が小さい(例えば約0.72倍)こと、す
なわち、大流量の熱搬送媒体を循環流動させなければ改
造前と同等の冷房能力を維持できないこと、および、添
加材の関係で両者(HFCとHCFC)を混合してはな
らないこと、並びに、新代替物質(HFC)用の合成ゴ
ムでなければ腐食させること、といった問題が有るが、
本請求項5の構成によると代替フロン(HCFC)の残
留が厳重に防止され、かつ、シール材、すなわちガスケ
ット,パッキン類を新代替物質(HFC)用のものに交
換するので、熱搬送媒体の類別変更(HCFC→HF
C)の利点を享受し、しかも弊害を実用上完全に防止す
ることができる。
求項1〜3の発明方法の構成要件に加えて、改造対象で
ある水冷チラー形冷房装置の循環管路に封入されている
熱搬送媒体が代替フロン(HCFC)である場合、上記
の改造対象である水冷チラー形冷房装置から、代替フロ
ン(HCFC)蒸気を吸入,圧縮吐出する圧縮ポンプを
取り外した後、熱搬送媒体の循環系を構成している管路
部材の継手部分を分解し、継手部分に用いられているシ
ール部材の全部、もしくは新代替物質(HFC)に関し
て化学的耐性の不十分なシール部材を取り除いて、新代
替物質(HFC)に適合するシール部材と交換して管路
の継手部分を接続し、上記継手部分の接続前および/ま
たは接続後に、それまで使用されていた代替フロン(H
CFC)を洗浄除去した後、真空乾燥して代替フロン
(HCFC)をほぼ完全に除去し、新代替物質(HF
C)蒸気を吸入,圧縮吐出するように設計製作されたエ
ンジン駆動形圧縮ポンプを接続し、上記エンジン駆動形
圧縮ポンプの容量は、改造対象である水冷チラー形冷房
装置の公称冷房能力に比して、ほぼ同等の公称冷房能力
を有する圧縮ポンプとし、もしくは、上記とほぼ同等の
公称冷房能力を有する冷房装置に適合するように構成さ
れた圧縮ポンプとし、上記エンジン駆動形圧縮ポンプを
熱搬送媒体の循環管路の室外延出部分に接続した後、上
記循環管路内に新代替物質(HFC)を注入して密閉す
ることを特徴とする。以上に説明した請求項5の発明方
法によると、電気駆動方式の水冷チラー形冷房装置をエ
ンジン駆動方式に改造するに際して必然的に熱搬送媒体
蒸気圧縮用の圧縮ポンプを交換しなければならないこと
に鑑みて、代替フロン(HCFC)用圧縮ポンプを新代
替物質(HFC)用圧縮ポンプに交換するとともに、熱
搬送媒体も新代替物質(HFC)と交換するので、その
後に何らかの事情で熱搬送媒体を大気中に漏出させるこ
とが有っても、オゾン層を破壊するフロン公害を生じる
虞れが全く無くなる。さらに〔発明が解決しようとする
課題〕の項で説明したように代替フロン(HCFC)の
法的規制は今後、年を追って次第に厳しくなってゆくこ
とが確実に予測されるが、本請求項を適用して改造対象
設備である水冷チラー形冷房装置の熱搬送媒体をこの機
会に完全無公害の新代替物質(HFC)に切り換えてお
くことにより、今後、補給資材としての熱搬送媒体の入
手について不安無く供給を期待することができる。ただ
し、新代替物質(HFC)は代替フロン(HCFC)に
比して物理的性質および化学的性質を異にするので不用
意な交換は行なうべきでない。具体的には、蒸発潜熱が
小さい(例えば約0.76倍)こと、比重(飽和蒸気比
容積の逆数)が小さい(例えば約0.72倍)こと、す
なわち、大流量の熱搬送媒体を循環流動させなければ改
造前と同等の冷房能力を維持できないこと、および、添
加材の関係で両者(HFCとHCFC)を混合してはな
らないこと、並びに、新代替物質(HFC)用の合成ゴ
ムでなければ腐食させること、といった問題が有るが、
本請求項5の構成によると代替フロン(HCFC)の残
留が厳重に防止され、かつ、シール材、すなわちガスケ
ット,パッキン類を新代替物質(HFC)用のものに交
換するので、熱搬送媒体の類別変更(HCFC→HF
C)の利点を享受し、しかも弊害を実用上完全に防止す
ることができる。
【0016】請求項6に係る発明方法の構成は、前記請
求項5の発明方法の構成要件に加えて、改造対象である
水冷チラー形冷房装置の熱搬送媒体循環管路内に介挿接
続されていた膨張弁を、制御流量の大きい膨張弁もしく
はオリフィスと交換し、または介挿接続されていた膨張
弁に対して並列に、上記と異なる膨張弁もしくはオリフ
ィスを追加接続し、または、制御流量を増大せしめるよ
うに再調整し、もしくは構成部品を交換することによ
り、代替フロン(HCFC)の循環流動によって発揮さ
れていた冷房能力に比して、ほぼ同等の冷房能力を発揮
し得る流量の新代替物質(HFC)を流通せしめ得るよ
うにすることを特徴とする。以上に説明した請求項6の
発明方法によると、代替フロン(HCFC)を新代替物
質(HFC)に入れ替えるについて、新代替物質(HF
C)の蒸気潜熱が代替フロン(HCFC)の蒸発潜熱よ
りも小さいこと、および、新代替物質(HFC)の比重
(飽和蒸気比容積の逆数)が代替フロン(HCFC)の
比重よりも小さいことを打ち消すように補正して、改造
前の水冷チラー形冷房装置と同等の冷房能力を改造後に
も維持することができる。代替フロン(HCFC)も新
代替物質(HFC)も、それぞれ単一の化合物ではな
く、各種のフロン類が含まれている。代替フロン(HC
FC)には、例えばフロンR22や、フロンR123
や、フロンR225が有り、相互に物性を異にしてい
る。また、新代替物質(HFC)にはフロン134a
や、フロンR32や、フロン125等が有って相互に物
性を異にしている。しかしながら、一般に供給されてい
る熱搬送媒体の範囲内で比較検討する限り、最も(蒸発
潜熱×比重)の小さい代替フロン(HCFC)よりも、
最も(蒸発潜熱×比重)の大きい新代替物質(HFC)
の方が、「単位体積当たり蒸発潜熱」の値が格段に小さ
い(単純に言えば冷媒能力が劣っている)。従って、改
造に伴って熱搬送媒体の種別を代替フロン(HCFC)
から新代替物質(HFC)に切り替えただけで、その循
環流量を変えなければ、改造前の水冷チラー形冷房装置
の冷房能力を改造後においては維持することができなく
なってしまう。こうした観点から、本請求項6の発明方
法においては、フロン類別の変化による冷房能力低下を
補正するよう、熱搬送媒体の循環流量を規制している膨
張弁の制御流量値を増加させるので、改造前における水
冷チラー形冷房装置の冷房能力を、改造後においても維
持することができる。
求項5の発明方法の構成要件に加えて、改造対象である
水冷チラー形冷房装置の熱搬送媒体循環管路内に介挿接
続されていた膨張弁を、制御流量の大きい膨張弁もしく
はオリフィスと交換し、または介挿接続されていた膨張
弁に対して並列に、上記と異なる膨張弁もしくはオリフ
ィスを追加接続し、または、制御流量を増大せしめるよ
うに再調整し、もしくは構成部品を交換することによ
り、代替フロン(HCFC)の循環流動によって発揮さ
れていた冷房能力に比して、ほぼ同等の冷房能力を発揮
し得る流量の新代替物質(HFC)を流通せしめ得るよ
うにすることを特徴とする。以上に説明した請求項6の
発明方法によると、代替フロン(HCFC)を新代替物
質(HFC)に入れ替えるについて、新代替物質(HF
C)の蒸気潜熱が代替フロン(HCFC)の蒸発潜熱よ
りも小さいこと、および、新代替物質(HFC)の比重
(飽和蒸気比容積の逆数)が代替フロン(HCFC)の
比重よりも小さいことを打ち消すように補正して、改造
前の水冷チラー形冷房装置と同等の冷房能力を改造後に
も維持することができる。代替フロン(HCFC)も新
代替物質(HFC)も、それぞれ単一の化合物ではな
く、各種のフロン類が含まれている。代替フロン(HC
FC)には、例えばフロンR22や、フロンR123
や、フロンR225が有り、相互に物性を異にしてい
る。また、新代替物質(HFC)にはフロン134a
や、フロンR32や、フロン125等が有って相互に物
性を異にしている。しかしながら、一般に供給されてい
る熱搬送媒体の範囲内で比較検討する限り、最も(蒸発
潜熱×比重)の小さい代替フロン(HCFC)よりも、
最も(蒸発潜熱×比重)の大きい新代替物質(HFC)
の方が、「単位体積当たり蒸発潜熱」の値が格段に小さ
い(単純に言えば冷媒能力が劣っている)。従って、改
造に伴って熱搬送媒体の種別を代替フロン(HCFC)
から新代替物質(HFC)に切り替えただけで、その循
環流量を変えなければ、改造前の水冷チラー形冷房装置
の冷房能力を改造後においては維持することができなく
なってしまう。こうした観点から、本請求項6の発明方
法においては、フロン類別の変化による冷房能力低下を
補正するよう、熱搬送媒体の循環流量を規制している膨
張弁の制御流量値を増加させるので、改造前における水
冷チラー形冷房装置の冷房能力を、改造後においても維
持することができる。
【0017】請求項7に係る発明装置の構成は、設計製
作された後、水冷チラー形冷房装置の構成機器として稼
働した経歴期間Hを有する蒸発器と、上記蒸発器と連繋
して設計製作され、該蒸発器とほぼ同様の稼働経歴期間
Hを有する室内空気冷却用のファン・コイルユニット
と、上記蒸発器およびファン・コイルユニットと連繋し
て設計製作されて、これらの機器とほぼ同等の稼働経歴
期間Hを有する冷水ポンプおよび冷水ポンプ駆動モータ
とが室内機として設置されているとともに、上記の蒸発
器と、ファン・コイルユニットと、冷水ポンプとを環状
に接続し、これらの機器とほぼ同等の稼働経歴期間Hを
有する冷水循環管路が室内に配管されており、かつ、前
記の蒸発器やファン・コイルユニットと別途に設計製作
されて、これらの機器の稼働経歴期間Hよりも短い稼働
経歴期間hを有するエンジン駆動形圧縮ポンプと、前記
の蒸発器およびファン・コイルユニットと別途に設計製
作されて、前記のエンジン駆動形圧縮ポンプに装着され
てこれを回転駆動し、かつ、該エンジン駆動形圧縮ポン
プとほぼ等しい稼働経歴期間hを有するエンジンとが、
室外機として設置されており、前記のエンジン駆動形圧
縮ポンプと蒸発器と凝縮器とを含めて環状に接続してい
る循環管路によって、「圧縮→凝縮→減圧→蒸発」の冷
凍サイクルが形成されていることを特徴とする。以上に
説明した請求項7の発明装置によると、既設の電気駆動
方式の、稼働経歴を有する(換言すれば既設の中古設備
である)水冷チラー形冷房装置を母体とし、その電動駆
動系統機器に代えてエンジン駆動機器を装着することに
より、前記既設の電気駆動方式の水冷チラー形冷房装置
を容易に、かつ安価に、その上、産業廃棄物の発生を抑
制して、新たなエンジン駆動方式の冷水循環式冷房装置
を構成することができる。本請求項7に係る冷房装置は
エンジンを主たる駆動源としている。すなわち、液体燃
料もしくは気体燃料をエネルギー源としている。このた
め、電力をエネルギー源とする水冷チラー形冷房装置に
比してエネルギー単価が低廉で、ランニングコストが安
価である。その上、液体燃料もしくは気体燃料を主たる
動力源としており、補機器用に若干の電力を消費すると
しても、電力負荷平準化に著しく逆行するような電力消
費をしない。既設水冷チラー形冷房装置を構成している
電気駆動方式の熱搬送媒体蒸気圧縮ポンプを残値して電
気モータを取り外し、該熱搬送媒体蒸気圧縮ポンプを駆
動するエンジンを設置することは実際条件下においてき
わめて困難である(熱搬送媒体蒸気用の圧縮ポンプと、
駆動用電気モータとの分割が困難である)が、本請求項
7に係る発明装置は「熱搬送媒体蒸気圧縮ポンプとその
駆動用エンジン」を1組の構成部分として新たに設置し
て構成されるので、上述の困難を解消することかでき
る。
作された後、水冷チラー形冷房装置の構成機器として稼
働した経歴期間Hを有する蒸発器と、上記蒸発器と連繋
して設計製作され、該蒸発器とほぼ同様の稼働経歴期間
Hを有する室内空気冷却用のファン・コイルユニット
と、上記蒸発器およびファン・コイルユニットと連繋し
て設計製作されて、これらの機器とほぼ同等の稼働経歴
期間Hを有する冷水ポンプおよび冷水ポンプ駆動モータ
とが室内機として設置されているとともに、上記の蒸発
器と、ファン・コイルユニットと、冷水ポンプとを環状
に接続し、これらの機器とほぼ同等の稼働経歴期間Hを
有する冷水循環管路が室内に配管されており、かつ、前
記の蒸発器やファン・コイルユニットと別途に設計製作
されて、これらの機器の稼働経歴期間Hよりも短い稼働
経歴期間hを有するエンジン駆動形圧縮ポンプと、前記
の蒸発器およびファン・コイルユニットと別途に設計製
作されて、前記のエンジン駆動形圧縮ポンプに装着され
てこれを回転駆動し、かつ、該エンジン駆動形圧縮ポン
プとほぼ等しい稼働経歴期間hを有するエンジンとが、
室外機として設置されており、前記のエンジン駆動形圧
縮ポンプと蒸発器と凝縮器とを含めて環状に接続してい
る循環管路によって、「圧縮→凝縮→減圧→蒸発」の冷
凍サイクルが形成されていることを特徴とする。以上に
説明した請求項7の発明装置によると、既設の電気駆動
方式の、稼働経歴を有する(換言すれば既設の中古設備
である)水冷チラー形冷房装置を母体とし、その電動駆
動系統機器に代えてエンジン駆動機器を装着することに
より、前記既設の電気駆動方式の水冷チラー形冷房装置
を容易に、かつ安価に、その上、産業廃棄物の発生を抑
制して、新たなエンジン駆動方式の冷水循環式冷房装置
を構成することができる。本請求項7に係る冷房装置は
エンジンを主たる駆動源としている。すなわち、液体燃
料もしくは気体燃料をエネルギー源としている。このた
め、電力をエネルギー源とする水冷チラー形冷房装置に
比してエネルギー単価が低廉で、ランニングコストが安
価である。その上、液体燃料もしくは気体燃料を主たる
動力源としており、補機器用に若干の電力を消費すると
しても、電力負荷平準化に著しく逆行するような電力消
費をしない。既設水冷チラー形冷房装置を構成している
電気駆動方式の熱搬送媒体蒸気圧縮ポンプを残値して電
気モータを取り外し、該熱搬送媒体蒸気圧縮ポンプを駆
動するエンジンを設置することは実際条件下においてき
わめて困難である(熱搬送媒体蒸気用の圧縮ポンプと、
駆動用電気モータとの分割が困難である)が、本請求項
7に係る発明装置は「熱搬送媒体蒸気圧縮ポンプとその
駆動用エンジン」を1組の構成部分として新たに設置し
て構成されるので、上述の困難を解消することかでき
る。
【0018】請求項8に係る発明装置の構成は、前記請
求項7の発明装置の構成要件に加えて、前記の蒸発器お
よびファン・コイルユニットと連繋して設計製作される
とともに、これらの機器とほぼ同様の稼働経歴期間Hを
有するクーリングタワーが室内機として設置されてお
り、上記クーリングタワーおよび凝縮器と連繋して設計
製作され、これらの機器を接続して冷却水の循環系統を
形成している冷却水管路部材、および、該クーリングタ
ワーおよび凝縮器と連繋して設計製作され、これらの機
器とほぼ同様の稼働経歴期間Hを有し、前記冷却水循環
系統中に介挿接続されている冷却水ポンプ、および、該
冷却水ポンプに連結された冷却水ポンプ駆動モータを具
備していることを特徴とする。以上に説明した請求項8
の発明装置によると、既設の水冷チラー形冷房装置を改
造して請求項7に係る冷水循環式の冷房装置を構成する
際、改造対象の水冷チラー形冷房装置の構成機器として
用いられていた室外機の大半および室内機の一部を有効
に利用して、改造用機材費を節減するとともに、産業廃
棄物の発生量を著しく抑制することができる。すなわ
ち、凝縮器と、該凝縮器に冷却水を供給するクーリング
タワーと、上記クーリングタワーと凝縮器とを接続する
冷却水循環管路と、上記冷却水循環管路内に冷却水を循
環流動せしめる冷却水ポンプと、該冷却水ポンプ駆動用
のモータとを交換することなく、改造施工時点における
現状のままで、もしくは所要の補修を施して再利用でき
るので、上記の諸機器を他の機器類と交換する場合に比
して改造所要機器類が大幅に節減される。特に、これら
の機器類の大半は相互に配管接続されているので、これ
らの機器類をそっくり再利用することによって配管工事
が大幅に減少する。冷房装置の配管工事は通常、建屋の
加工(例えば壁に穿孔したりするなど)を伴うので施工
管理が厄介である。従って、配管工事量の減少は施工者
にとって非常に好ましく、その上、改造の工期も短縮さ
れるので、実用的価値が大きい。
求項7の発明装置の構成要件に加えて、前記の蒸発器お
よびファン・コイルユニットと連繋して設計製作される
とともに、これらの機器とほぼ同様の稼働経歴期間Hを
有するクーリングタワーが室内機として設置されてお
り、上記クーリングタワーおよび凝縮器と連繋して設計
製作され、これらの機器を接続して冷却水の循環系統を
形成している冷却水管路部材、および、該クーリングタ
ワーおよび凝縮器と連繋して設計製作され、これらの機
器とほぼ同様の稼働経歴期間Hを有し、前記冷却水循環
系統中に介挿接続されている冷却水ポンプ、および、該
冷却水ポンプに連結された冷却水ポンプ駆動モータを具
備していることを特徴とする。以上に説明した請求項8
の発明装置によると、既設の水冷チラー形冷房装置を改
造して請求項7に係る冷水循環式の冷房装置を構成する
際、改造対象の水冷チラー形冷房装置の構成機器として
用いられていた室外機の大半および室内機の一部を有効
に利用して、改造用機材費を節減するとともに、産業廃
棄物の発生量を著しく抑制することができる。すなわ
ち、凝縮器と、該凝縮器に冷却水を供給するクーリング
タワーと、上記クーリングタワーと凝縮器とを接続する
冷却水循環管路と、上記冷却水循環管路内に冷却水を循
環流動せしめる冷却水ポンプと、該冷却水ポンプ駆動用
のモータとを交換することなく、改造施工時点における
現状のままで、もしくは所要の補修を施して再利用でき
るので、上記の諸機器を他の機器類と交換する場合に比
して改造所要機器類が大幅に節減される。特に、これら
の機器類の大半は相互に配管接続されているので、これ
らの機器類をそっくり再利用することによって配管工事
が大幅に減少する。冷房装置の配管工事は通常、建屋の
加工(例えば壁に穿孔したりするなど)を伴うので施工
管理が厄介である。従って、配管工事量の減少は施工者
にとって非常に好ましく、その上、改造の工期も短縮さ
れるので、実用的価値が大きい。
【0019】請求項9に係る発明装置の構成は、前記請
求項7の発明方法の構成要件に加えて、前記の凝縮器,
蒸発器およびファン・コイルユニットと別途に設計製作
され、かつ、前記のエンジンおよびエンジン駆動形圧縮
機の稼働経歴期間hとほぼ等しい稼働経歴期間を有する
「熱搬送媒体を流通させるラジエータ管路と、上記ラジ
エータ管路の外周面に空気流を接触させるラジエータフ
ァンと、上記ラジエータファンを回転駆動するモータと
から成り、凝縮機として機能する空冷ユニット」が設置
されていることを特徴とする。以上に説明した請求項9
の発明装置によると、既設の電動方式の水冷チラー形冷
房装置を改造して請求項7に係るエンジン駆動方式の冷
水循環式冷房装置を構成する際、改造対象の水冷チラー
形冷房装置に備えられていた大型室外機器であるクーリ
ングタワーを継続使用しなくても、本請求項9に係る空
冷ユニットによって熱搬送媒体の蒸気を冷却することが
できるようになるので、クーリングタワーを廃却しても
所望の冷房機能が得られる。クーリングタワーを廃却し
得ることは、該クーリングタワーが占めていた空間を利
用し得ることを意味するので、請求項7の発明を実施す
る場合、熱搬送媒体蒸気圧縮用ポンプを駆動するための
エンジンを設置するに要する空間を捻出できるという実
用的効果が大きい。すなわち、既設の水冷チラー形冷房
装置を改造して請求項7に係る発明装置を構成すると
き、上記既設水冷チラー形冷房装置が設置されている建
屋の室外に余裕空間が乏しい場合には、本請求項9を適
用することにより初めて実施可能となる。その上、クー
リングタワーは、水を大気に接触させつつ循環させるの
で、水の中に微生物が繁殖しないように管理しなければ
ならない。さらに、大気に接触することによって水が蒸
発するので、絶えず水位を監視して蒸発減量を補充しな
ければならない。しかも、大気に晒された水の中には酸
素や2酸化炭素が溶け込んで、管路内周面の腐食を促進
する。こうした事情が重なるので、クーリングタワーの
保守管理には多大の注意力と労力とを要するが、本請求
項9を適用してクーリングタワーを廃却すると、これら
の煩わしいメンティナンスが要らなくなる。
求項7の発明方法の構成要件に加えて、前記の凝縮器,
蒸発器およびファン・コイルユニットと別途に設計製作
され、かつ、前記のエンジンおよびエンジン駆動形圧縮
機の稼働経歴期間hとほぼ等しい稼働経歴期間を有する
「熱搬送媒体を流通させるラジエータ管路と、上記ラジ
エータ管路の外周面に空気流を接触させるラジエータフ
ァンと、上記ラジエータファンを回転駆動するモータと
から成り、凝縮機として機能する空冷ユニット」が設置
されていることを特徴とする。以上に説明した請求項9
の発明装置によると、既設の電動方式の水冷チラー形冷
房装置を改造して請求項7に係るエンジン駆動方式の冷
水循環式冷房装置を構成する際、改造対象の水冷チラー
形冷房装置に備えられていた大型室外機器であるクーリ
ングタワーを継続使用しなくても、本請求項9に係る空
冷ユニットによって熱搬送媒体の蒸気を冷却することが
できるようになるので、クーリングタワーを廃却しても
所望の冷房機能が得られる。クーリングタワーを廃却し
得ることは、該クーリングタワーが占めていた空間を利
用し得ることを意味するので、請求項7の発明を実施す
る場合、熱搬送媒体蒸気圧縮用ポンプを駆動するための
エンジンを設置するに要する空間を捻出できるという実
用的効果が大きい。すなわち、既設の水冷チラー形冷房
装置を改造して請求項7に係る発明装置を構成すると
き、上記既設水冷チラー形冷房装置が設置されている建
屋の室外に余裕空間が乏しい場合には、本請求項9を適
用することにより初めて実施可能となる。その上、クー
リングタワーは、水を大気に接触させつつ循環させるの
で、水の中に微生物が繁殖しないように管理しなければ
ならない。さらに、大気に接触することによって水が蒸
発するので、絶えず水位を監視して蒸発減量を補充しな
ければならない。しかも、大気に晒された水の中には酸
素や2酸化炭素が溶け込んで、管路内周面の腐食を促進
する。こうした事情が重なるので、クーリングタワーの
保守管理には多大の注意力と労力とを要するが、本請求
項9を適用してクーリングタワーを廃却すると、これら
の煩わしいメンティナンスが要らなくなる。
【0020】請求項10に係る発明装置の構成は、前記
請求項7〜9の発明装置の構成要件に加えて、前記の蒸
発器は本来、代替フロン(HCFC)液を気化させて冷
水を冷却するように設計製作されたものであり、前記の
凝縮器は本来、代替フロン(HCFC)蒸気を冷却水で
冷却して液化させるように設計製作されたものであり、
かつ、前記のエンジン駆動形圧縮ポンプは新代替物質
(HFC)蒸気を吸入して圧縮吐出するように設計製作
されたものであって、上記の蒸発器とエンジン駆動形圧
縮ポンプと凝縮器とを順次に接続配管して形成されてい
る循環管路の中に、熱搬送媒体として代替フロン(HC
FC)が封入されていることを特徴とする。以上に説明
した請求項10の発明装置によると、既設の水冷チラー
形冷房装置を改造して請求項7に係る冷房装置を構成す
る際、冷凍サイクル作動流体の循環管路内に封入されて
いた熱搬送媒体の「フロン類別」を変更する必要が無い
ので、上記の改造を施工する時点まで用いられていた代
替フロン(HCFC)を廃棄することなく継続使用する
ことができる。熱搬送媒体のフロン類別を変更しなくて
も良いことは、経済的に有利であるのみでなく、公害防
止にも好都合であり、しかも冷房能力の維持,発揮にも
有効である。以下、順次にその詳細を説明すると、請求
項7に基づく改造実施時点において、それまで使用され
ていた代替フロン(HCFC)を廃棄すると、新たに熱
搬送媒体(例えば新代替物質(HFC))を購入して注
入しなければならないが、代替フロン(HCFC)を継
続使用すれば、改造施工に伴って該代替フロン(HCF
C)の自然減量分を補給すれば足り、改造用資材費が節
減される。さらに、代替フロン(HCFC)は、オゾン
破壊係数が小さいとは言えゼロではないので無分別に大
気中へ放散せしめるべきではなく、回収して専門の破壊
工場(化学的構造を破壊する意)に搬入して処分しなけ
ればならない。改造時点においてフロンの類別が変わら
ず、既設水冷チラー形冷房装置に封入されていた代替フ
ロン(HCFC)を廃棄しなくてもよいということは、
廃棄費用の節減効果のみを考えても実用的価値が大き
い。フロンの類別の変化に伴う熱搬送媒体の物性変化も
重大な影響を及ぼす。すなわち、新代替物質(HFC)
は一般に代替フロン(HCFC)に比して蒸発潜熱が小
さく比重が軽い。従って単位流量(体積)当たりの搬送
熱量は著しく小さい(蒸発潜熱×比重の値に比例して減
少する)。こうした観点から、本請求項10を適用して
既設の水冷チラー形冷房装置を改造すると、改造後にお
いても改造前と同レベルの冷房能力を維持することが容
易である。
請求項7〜9の発明装置の構成要件に加えて、前記の蒸
発器は本来、代替フロン(HCFC)液を気化させて冷
水を冷却するように設計製作されたものであり、前記の
凝縮器は本来、代替フロン(HCFC)蒸気を冷却水で
冷却して液化させるように設計製作されたものであり、
かつ、前記のエンジン駆動形圧縮ポンプは新代替物質
(HFC)蒸気を吸入して圧縮吐出するように設計製作
されたものであって、上記の蒸発器とエンジン駆動形圧
縮ポンプと凝縮器とを順次に接続配管して形成されてい
る循環管路の中に、熱搬送媒体として代替フロン(HC
FC)が封入されていることを特徴とする。以上に説明
した請求項10の発明装置によると、既設の水冷チラー
形冷房装置を改造して請求項7に係る冷房装置を構成す
る際、冷凍サイクル作動流体の循環管路内に封入されて
いた熱搬送媒体の「フロン類別」を変更する必要が無い
ので、上記の改造を施工する時点まで用いられていた代
替フロン(HCFC)を廃棄することなく継続使用する
ことができる。熱搬送媒体のフロン類別を変更しなくて
も良いことは、経済的に有利であるのみでなく、公害防
止にも好都合であり、しかも冷房能力の維持,発揮にも
有効である。以下、順次にその詳細を説明すると、請求
項7に基づく改造実施時点において、それまで使用され
ていた代替フロン(HCFC)を廃棄すると、新たに熱
搬送媒体(例えば新代替物質(HFC))を購入して注
入しなければならないが、代替フロン(HCFC)を継
続使用すれば、改造施工に伴って該代替フロン(HCF
C)の自然減量分を補給すれば足り、改造用資材費が節
減される。さらに、代替フロン(HCFC)は、オゾン
破壊係数が小さいとは言えゼロではないので無分別に大
気中へ放散せしめるべきではなく、回収して専門の破壊
工場(化学的構造を破壊する意)に搬入して処分しなけ
ればならない。改造時点においてフロンの類別が変わら
ず、既設水冷チラー形冷房装置に封入されていた代替フ
ロン(HCFC)を廃棄しなくてもよいということは、
廃棄費用の節減効果のみを考えても実用的価値が大き
い。フロンの類別の変化に伴う熱搬送媒体の物性変化も
重大な影響を及ぼす。すなわち、新代替物質(HFC)
は一般に代替フロン(HCFC)に比して蒸発潜熱が小
さく比重が軽い。従って単位流量(体積)当たりの搬送
熱量は著しく小さい(蒸発潜熱×比重の値に比例して減
少する)。こうした観点から、本請求項10を適用して
既設の水冷チラー形冷房装置を改造すると、改造後にお
いても改造前と同レベルの冷房能力を維持することが容
易である。
【0021】請求項11に係る発明装置の構成は、前記
請求項7〜9の発明装置の構成要件に加えて、前記の蒸
発器は本来、代替フロン(HCFC)液を気化させて冷
水を冷却するように設計製作されたものであり、前記の
凝縮器は本来、代替フロン(HCFC)蒸気を冷却水で
冷却して液化させるように設計製作されたものであり、
かつ、前記のエンジン駆動形圧縮ポンプは新代替物質
(HFC)蒸気を吸入して圧縮吐出するように設計製作
されたものであって、上記の蒸発器とエンジン駆動形圧
縮ポンプと凝縮器とを順次に接続配管して形成されてい
る循環管路の中に熱搬送媒体として新代替物質(HF
C)が封入されるとともに、この循環管路を形成してい
る配管部材の継手部分には稼働経歴期間が「前記エンジ
ン駆動形圧縮ポンプおよびエンジンの稼働経歴期間h」
とほぼ同等であって、「新代替物質(HFC)に対して
化学的に安定な材料」によって構成されたガスケットお
よび/またはパッキンが介装されて大気に対する密封が
保たれており、さらに、前記の蒸発器とエンジン駆動形
圧縮ポンプと凝縮器とを順次に接続配管して構成されて
いる熱搬送媒体循環系統の途中に、熱搬送媒体である新
代替物質(HFC)の流量を制御する流体機器が介挿接
続されており、上記の流量制御用流体機器は、前記の蒸
発器およびファンコイルユニットの設計製作と連繋し
て、代替フロン(HCFC)液の流量を制御するように
設計製作されたものであって、上記蒸発器の稼働経歴期
間Hとほぼ等しい稼働経歴期間を有し、かつ、当初の制
御流量値よりも大量の新代替物質(HFC)液を流通せ
しめ得るように調整変更され、もしくは構成部品の一部
を交換して再調整されたものであり、または、上記の流
量制御用流体機器は、当該冷水循環式の冷房装置に装着
されて以来、エンジン駆動形圧縮ポンプとほぼ等しい稼
働経歴期間hを有していて、新代替物質(HFC)液の
流量を適正ならしめるように調整されていることを特徴
とする。以上に説明した請求項11の発明装置による
と、オゾン層破壊のフロン公害に関する心配が全く無
く、かつ、将来にわたって熱搬送媒体の補給について法
規制を受ける虞れが無い。すなわち、既設の水冷チラー
形冷房装置を改造して請求項7に係る冷房装置を構成す
るとき、代替フロン(HCFC)用水冷チラー形冷房装
置を改造対象の母体とした場合に本請求項11を適用す
ると、この請求項に係る冷水循環式の冷房装置は熱搬送
媒体として新代替物質(HFC)が用いられているの
で、何らかの事情で熱搬送媒体を大気中に漏洩させても
オゾン層を破壊するフロン公害を生じる虞れの無い。ま
た、この新代替物質(HFC)の生産は公害に関する法
規制の対象外となっており、今後とも法規制の対象とさ
れることは無いと考えられる。従って、将来にわたって
熱搬送媒体の補給に関して不安が無い。しかし乍ら、別
段の配慮をせず単に代替フロン(HCFC)を抜き取っ
て新代替物質を注入すると、代替フロン(HCFC)の
少量が残留して新代替物質(HFC)の中へ混入するこ
との無いように配慮しても、新代替物質(HFC)の蒸
発潜熱が代替フロン(HCFC)の蒸発潜熱に比して小
さいことに因る冷房能力不足の問題、および、パッキン
材料に対する新代替物質(HFC)の腐食性が、代替フ
ロン(HCFC)の腐食性よりも大きいことに因る耐久
性不足(熱搬送媒体漏失)の問題を生じる。そこで、本
請求項に係る冷水循環式の冷房装置は、フロン類別の変
更に対応して熱搬送媒体液の流量を規制している流体機
器(例えば膨張弁)を交換し、もしくは再調整(部品の
一部交換も含む)することによって熱搬送媒体である新
代替物質(HFC)の所要流量を確保したので、所要の
冷房能力を発揮せしめることができる。さらに本請求項
に係る冷水循環式の冷房装置は、パッキン,ガスケット
類を、新代替物質(HFC)に対して化学的に耐性を有
する材料で構成されたものと交換されているので、シー
ル性能およびその耐久性が優れていて、熱搬送媒体が漏
失するといったトラブルを招く虞れが無い。
請求項7〜9の発明装置の構成要件に加えて、前記の蒸
発器は本来、代替フロン(HCFC)液を気化させて冷
水を冷却するように設計製作されたものであり、前記の
凝縮器は本来、代替フロン(HCFC)蒸気を冷却水で
冷却して液化させるように設計製作されたものであり、
かつ、前記のエンジン駆動形圧縮ポンプは新代替物質
(HFC)蒸気を吸入して圧縮吐出するように設計製作
されたものであって、上記の蒸発器とエンジン駆動形圧
縮ポンプと凝縮器とを順次に接続配管して形成されてい
る循環管路の中に熱搬送媒体として新代替物質(HF
C)が封入されるとともに、この循環管路を形成してい
る配管部材の継手部分には稼働経歴期間が「前記エンジ
ン駆動形圧縮ポンプおよびエンジンの稼働経歴期間h」
とほぼ同等であって、「新代替物質(HFC)に対して
化学的に安定な材料」によって構成されたガスケットお
よび/またはパッキンが介装されて大気に対する密封が
保たれており、さらに、前記の蒸発器とエンジン駆動形
圧縮ポンプと凝縮器とを順次に接続配管して構成されて
いる熱搬送媒体循環系統の途中に、熱搬送媒体である新
代替物質(HFC)の流量を制御する流体機器が介挿接
続されており、上記の流量制御用流体機器は、前記の蒸
発器およびファンコイルユニットの設計製作と連繋し
て、代替フロン(HCFC)液の流量を制御するように
設計製作されたものであって、上記蒸発器の稼働経歴期
間Hとほぼ等しい稼働経歴期間を有し、かつ、当初の制
御流量値よりも大量の新代替物質(HFC)液を流通せ
しめ得るように調整変更され、もしくは構成部品の一部
を交換して再調整されたものであり、または、上記の流
量制御用流体機器は、当該冷水循環式の冷房装置に装着
されて以来、エンジン駆動形圧縮ポンプとほぼ等しい稼
働経歴期間hを有していて、新代替物質(HFC)液の
流量を適正ならしめるように調整されていることを特徴
とする。以上に説明した請求項11の発明装置による
と、オゾン層破壊のフロン公害に関する心配が全く無
く、かつ、将来にわたって熱搬送媒体の補給について法
規制を受ける虞れが無い。すなわち、既設の水冷チラー
形冷房装置を改造して請求項7に係る冷房装置を構成す
るとき、代替フロン(HCFC)用水冷チラー形冷房装
置を改造対象の母体とした場合に本請求項11を適用す
ると、この請求項に係る冷水循環式の冷房装置は熱搬送
媒体として新代替物質(HFC)が用いられているの
で、何らかの事情で熱搬送媒体を大気中に漏洩させても
オゾン層を破壊するフロン公害を生じる虞れの無い。ま
た、この新代替物質(HFC)の生産は公害に関する法
規制の対象外となっており、今後とも法規制の対象とさ
れることは無いと考えられる。従って、将来にわたって
熱搬送媒体の補給に関して不安が無い。しかし乍ら、別
段の配慮をせず単に代替フロン(HCFC)を抜き取っ
て新代替物質を注入すると、代替フロン(HCFC)の
少量が残留して新代替物質(HFC)の中へ混入するこ
との無いように配慮しても、新代替物質(HFC)の蒸
発潜熱が代替フロン(HCFC)の蒸発潜熱に比して小
さいことに因る冷房能力不足の問題、および、パッキン
材料に対する新代替物質(HFC)の腐食性が、代替フ
ロン(HCFC)の腐食性よりも大きいことに因る耐久
性不足(熱搬送媒体漏失)の問題を生じる。そこで、本
請求項に係る冷水循環式の冷房装置は、フロン類別の変
更に対応して熱搬送媒体液の流量を規制している流体機
器(例えば膨張弁)を交換し、もしくは再調整(部品の
一部交換も含む)することによって熱搬送媒体である新
代替物質(HFC)の所要流量を確保したので、所要の
冷房能力を発揮せしめることができる。さらに本請求項
に係る冷水循環式の冷房装置は、パッキン,ガスケット
類を、新代替物質(HFC)に対して化学的に耐性を有
する材料で構成されたものと交換されているので、シー
ル性能およびその耐久性が優れていて、熱搬送媒体が漏
失するといったトラブルを招く虞れが無い。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、既設の水冷チラー形冷房
装置に本発明方法を適用して改造した1実施形態におけ
る冷水循環式冷房装置を示し、模式的な配管系統図に流
動方向を表す矢印を付記した図である。この例は、図3
に示した従来例の水冷チラー形冷房装置を改造した後、
稼働期間hを経過した状態であって、改造工事は図3の
水冷チラー形冷房装置が製作,設置されて稼働期間kを
経た時に行なわれた。改造対象の母体である図3の水冷
チラー形冷房装置が設置されてから、図1に示した時点
に至るまでの通算稼働期間Hは、H=K+h である。
図1(改造後)において図3(改造前)と同一の符号を
付して示した凝縮器2,冷却水ポンプ駆動モータ3、冷
却水ポンプ4、クーリングタワー5、蒸発器7、冷水ポ
ンプ8、冷水ポンプ駆動モータ9、およびファン・コイ
ルユニット10は改造前の母体である水冷チラー形冷房
装置が設計製作された時、その構成機器として設計製作
されたものであり、稼働経歴期間Hである。ただし、稼
働経歴の途中における補修,整備、および「故障によ
る、同一仕様の機器との交換修理」は稼働経歴期間の算
定に影響を及ぼさないものとする。図3に示した水冷チ
ラー形冷房装置の、稼働経歴期間Kの時期における改造
の要点は、パッケージポンプ1を取り外し、矢印a,b
で表している熱搬送媒体循環用の管路を矢印a′,b″
(図1)のごとく室外に延出し、かつ、その延出部にエ
ンジン駆動形圧縮ポンプ12を接続するとともに、エン
ジン11を室外に設置して上記エンジン駆動形圧縮ポン
プ12に連結し、該エンジン駆動形圧縮ポンプ12を回
転駆動し得るようにする。上記のエンジン駆動形圧縮ポ
ンプとは、エンジンによって回転駆動し得るように、そ
の圧力−回転速度特性その他の諸特性がマッチングさ
れ、かつ、回転駆動するための伝動手段を構成し得る圧
縮ポンプの意であって、必ずしもエンジンで駆動するた
めに設計製作された圧縮ポンプであることを要しない。
水冷チラー形冷房装置の設計者もしくは改造技術者が、
各種機器類について、複数の仕様の中から適宜のものを
選定したとき、本発明においては説明の便宜上「連繋し
て設計製作された」という。
装置に本発明方法を適用して改造した1実施形態におけ
る冷水循環式冷房装置を示し、模式的な配管系統図に流
動方向を表す矢印を付記した図である。この例は、図3
に示した従来例の水冷チラー形冷房装置を改造した後、
稼働期間hを経過した状態であって、改造工事は図3の
水冷チラー形冷房装置が製作,設置されて稼働期間kを
経た時に行なわれた。改造対象の母体である図3の水冷
チラー形冷房装置が設置されてから、図1に示した時点
に至るまでの通算稼働期間Hは、H=K+h である。
図1(改造後)において図3(改造前)と同一の符号を
付して示した凝縮器2,冷却水ポンプ駆動モータ3、冷
却水ポンプ4、クーリングタワー5、蒸発器7、冷水ポ
ンプ8、冷水ポンプ駆動モータ9、およびファン・コイ
ルユニット10は改造前の母体である水冷チラー形冷房
装置が設計製作された時、その構成機器として設計製作
されたものであり、稼働経歴期間Hである。ただし、稼
働経歴の途中における補修,整備、および「故障によ
る、同一仕様の機器との交換修理」は稼働経歴期間の算
定に影響を及ぼさないものとする。図3に示した水冷チ
ラー形冷房装置の、稼働経歴期間Kの時期における改造
の要点は、パッケージポンプ1を取り外し、矢印a,b
で表している熱搬送媒体循環用の管路を矢印a′,b″
(図1)のごとく室外に延出し、かつ、その延出部にエ
ンジン駆動形圧縮ポンプ12を接続するとともに、エン
ジン11を室外に設置して上記エンジン駆動形圧縮ポン
プ12に連結し、該エンジン駆動形圧縮ポンプ12を回
転駆動し得るようにする。上記のエンジン駆動形圧縮ポ
ンプとは、エンジンによって回転駆動し得るように、そ
の圧力−回転速度特性その他の諸特性がマッチングさ
れ、かつ、回転駆動するための伝動手段を構成し得る圧
縮ポンプの意であって、必ずしもエンジンで駆動するた
めに設計製作された圧縮ポンプであることを要しない。
水冷チラー形冷房装置の設計者もしくは改造技術者が、
各種機器類について、複数の仕様の中から適宜のものを
選定したとき、本発明においては説明の便宜上「連繋し
て設計製作された」という。
【0023】図1を参照して以上に説明した改造を行な
うに当たり、改造前の水冷チラー形冷房装置の熱搬送媒
体として代替フロン(HCFC)が用いられていた場合
においても、代替フロン(HCFC)用のエンジン駆動
形圧縮ポンプ12を入手することは困難であって、現在
市場に流通しているエンジン駆動形圧縮ポンプは新代替
物質(HFC)用である。ただし、新代替物質(HF
C)用の圧縮ポンプによって代替フロン(HCFC)蒸
気を圧縮することは可能である。ここに、改造後の冷水
循環式冷房装置の熱搬送媒体として代替フロン(HCF
C)を用いるか新代替物質(HFC)を用いるかの選択
が必要となり、それぞれのフロン類別に応じて格別の注
意が必要である。次下、順次に説明する。改造後に、代
替フロン(HCFC)を用いることは比較的容易であっ
て、図3に示したパッケージ形の圧縮ポンプ1aを電気
モータ1bと一緒に取り外すに先立って、熱搬送媒体循
環系統内に封入されている代替フロン(HCFC)を回
収して一時的に保管しておき、新代替物質(HFC)用
エンジン駆動形圧縮ポンプ12(図1)を取り付けた
後、熱搬送媒体循環系統内に、一時保管してあった代替
フロン(HCFC)および自然減量補充用の代替フロン
(HCFC)を注入する。この場合、新代替物質(HF
C)用のエンジン駆動形圧縮ポンプ12に新代替物質
(HFC)が縁していないように留意する。その理由
は、代替フロン(HCFC)の添加剤が新代替物質(H
FC)に接触すると化学的に反応して変質するからであ
る。改造後の冷水循環式冷房装置の熱搬送媒体として代
替フロン(HCFC)を用いる場合、新代替物質(HF
C)用エンジン駆動形圧縮ポンプ12を選定する際は、
そのカタログ数値として示されている冷房能力の数値を
無視して、圧縮ポンプとしての基本的な性能(吐出圧、
吐出量)に基づいて選定する。その理由は、フロン類別
が異なれば蒸発潜熱が異なり、冷房能力が変わるからで
ある。
うに当たり、改造前の水冷チラー形冷房装置の熱搬送媒
体として代替フロン(HCFC)が用いられていた場合
においても、代替フロン(HCFC)用のエンジン駆動
形圧縮ポンプ12を入手することは困難であって、現在
市場に流通しているエンジン駆動形圧縮ポンプは新代替
物質(HFC)用である。ただし、新代替物質(HF
C)用の圧縮ポンプによって代替フロン(HCFC)蒸
気を圧縮することは可能である。ここに、改造後の冷水
循環式冷房装置の熱搬送媒体として代替フロン(HCF
C)を用いるか新代替物質(HFC)を用いるかの選択
が必要となり、それぞれのフロン類別に応じて格別の注
意が必要である。次下、順次に説明する。改造後に、代
替フロン(HCFC)を用いることは比較的容易であっ
て、図3に示したパッケージ形の圧縮ポンプ1aを電気
モータ1bと一緒に取り外すに先立って、熱搬送媒体循
環系統内に封入されている代替フロン(HCFC)を回
収して一時的に保管しておき、新代替物質(HFC)用
エンジン駆動形圧縮ポンプ12(図1)を取り付けた
後、熱搬送媒体循環系統内に、一時保管してあった代替
フロン(HCFC)および自然減量補充用の代替フロン
(HCFC)を注入する。この場合、新代替物質(HF
C)用のエンジン駆動形圧縮ポンプ12に新代替物質
(HFC)が縁していないように留意する。その理由
は、代替フロン(HCFC)の添加剤が新代替物質(H
FC)に接触すると化学的に反応して変質するからであ
る。改造後の冷水循環式冷房装置の熱搬送媒体として代
替フロン(HCFC)を用いる場合、新代替物質(HF
C)用エンジン駆動形圧縮ポンプ12を選定する際は、
そのカタログ数値として示されている冷房能力の数値を
無視して、圧縮ポンプとしての基本的な性能(吐出圧、
吐出量)に基づいて選定する。その理由は、フロン類別
が異なれば蒸発潜熱が異なり、冷房能力が変わるからで
ある。
【0024】改造後の冷水循環式冷房装置の熱搬送媒体
として新代替物質(HFC)を用いる場合、次の4点に
留意する。すなわち、 (1)新代替物質(HFC)は、合成ゴムに対する腐食
性が強いので、熱搬送媒体循環管路に設けられている継
手部分を分解して、シール材、すなわちパッキン,ガス
ケット類を「新代替物質(HFC)に対して化学的に安
定な材料で作られたもの」と交換して組み立てる。 (2)代替フロン(HCFC)が残留して新代替物質
(HFC)の中へ混入しないように、上記の分解交換組
立と併行して、熱搬送媒体循環管路内を洗浄し、望まし
くは真空乾燥する。 (3)代替フロン(HCFC)に比して蒸発潜熱や比重
の小さい新代替物質(HFC)を用いて、改造前と同等
の冷房能力を発揮させるため、所要のポンプ性能を有す
るエンジン駆動形圧縮ポンプ12を選定する。
として新代替物質(HFC)を用いる場合、次の4点に
留意する。すなわち、 (1)新代替物質(HFC)は、合成ゴムに対する腐食
性が強いので、熱搬送媒体循環管路に設けられている継
手部分を分解して、シール材、すなわちパッキン,ガス
ケット類を「新代替物質(HFC)に対して化学的に安
定な材料で作られたもの」と交換して組み立てる。 (2)代替フロン(HCFC)が残留して新代替物質
(HFC)の中へ混入しないように、上記の分解交換組
立と併行して、熱搬送媒体循環管路内を洗浄し、望まし
くは真空乾燥する。 (3)代替フロン(HCFC)に比して蒸発潜熱や比重
の小さい新代替物質(HFC)を用いて、改造前と同等
の冷房能力を発揮させるため、所要のポンプ性能を有す
るエンジン駆動形圧縮ポンプ12を選定する。
【0025】(4)上記所要のポンプ性能に対応せしめ
て、膨張弁6の制御流量を増加させる。この流量増加
は、同一膨張弁を再調整しても良く、膨張弁構成部品の
一部を交換しても良く、膨張弁組立品を交換しても良
い。また、交換後における膨張弁は広義であって、例え
ばオリフィスであっても良く、要するに流量を制御する
機能を有する流体機器であれば良い。
て、膨張弁6の制御流量を増加させる。この流量増加
は、同一膨張弁を再調整しても良く、膨張弁構成部品の
一部を交換しても良く、膨張弁組立品を交換しても良
い。また、交換後における膨張弁は広義であって、例え
ばオリフィスであっても良く、要するに流量を制御する
機能を有する流体機器であれば良い。
【0026】図2は、前掲の図1と異なる実施形態にお
ける冷水循環式の冷房装置を示す模式的な配管系統図で
ある。この図2の実施形態は、図3に示した従来例の水
冷チラー形冷房装置を改造して構成することもできる
が、図1の実施形態の水冷チラー形冷房装置に対して、
更なる改造を施して構成することもできる。以下に、図
1と図2とを併せて参照しつつ、その異なる点(すなわ
ち、上記の「更なる改造」を施した点)について述べ
る。図1の実施形態から凝縮器2を取り外し、熱搬送媒
体の流入口Inと同じく流出口Outとを直結する。こ
れに伴って、大形室外機であるクーリングタワー5、お
よび冷却水ポンプ4は当該水冷チラー形冷房装置から切
り離される。前記の凝縮器2の機能を代替する空冷ユニ
ット13を、次のようにして室外機として設置する。こ
の空冷ユニット13は、熱搬送媒体を流通させる管路と
してのラジエータコイル13aと、上記ラジエータコイ
ル13aの外周部(伝熱フィンを含む)に空気を吹きつ
けるラジエータファン13bと、ファン駆動用モータ1
3cとから成っている。上記ラジエータコイル13a
は、熱搬送媒体循環管路が室外に延出されている部分
に、詳しくはエンジン駆動形圧縮ポンプ12と膨張弁6
との間に介挿接続される。クーリングタワー5(図1,
図3)に比して空冷ユニット13は格段に小形であるか
ら、エンジン11を設置するための室外空間を捻出する
に好都合である。また、クーリングタワー5を使用しな
くなるので、冷却水質,冷却水量の管理について保守管
理工数が減少し、かつ、冷却水管路の腐食に関連するト
ラブルが解消される。図2について以上に説明した改造
を、図1について説明した改造と同じに行なうと、図2
に示されている実施形態における主要な室内設置機器で
ある蒸発器7とファンコイルユニット10とは稼働経歴
期間Hを有し、主要な室外設置機器であるエンジン駆動
形圧縮ポンプ12とエンジン11と空冷ユニット13と
は、稼働経歴期間h(ただし、h<H)を有するように
なる。
ける冷水循環式の冷房装置を示す模式的な配管系統図で
ある。この図2の実施形態は、図3に示した従来例の水
冷チラー形冷房装置を改造して構成することもできる
が、図1の実施形態の水冷チラー形冷房装置に対して、
更なる改造を施して構成することもできる。以下に、図
1と図2とを併せて参照しつつ、その異なる点(すなわ
ち、上記の「更なる改造」を施した点)について述べ
る。図1の実施形態から凝縮器2を取り外し、熱搬送媒
体の流入口Inと同じく流出口Outとを直結する。こ
れに伴って、大形室外機であるクーリングタワー5、お
よび冷却水ポンプ4は当該水冷チラー形冷房装置から切
り離される。前記の凝縮器2の機能を代替する空冷ユニ
ット13を、次のようにして室外機として設置する。こ
の空冷ユニット13は、熱搬送媒体を流通させる管路と
してのラジエータコイル13aと、上記ラジエータコイ
ル13aの外周部(伝熱フィンを含む)に空気を吹きつ
けるラジエータファン13bと、ファン駆動用モータ1
3cとから成っている。上記ラジエータコイル13a
は、熱搬送媒体循環管路が室外に延出されている部分
に、詳しくはエンジン駆動形圧縮ポンプ12と膨張弁6
との間に介挿接続される。クーリングタワー5(図1,
図3)に比して空冷ユニット13は格段に小形であるか
ら、エンジン11を設置するための室外空間を捻出する
に好都合である。また、クーリングタワー5を使用しな
くなるので、冷却水質,冷却水量の管理について保守管
理工数が減少し、かつ、冷却水管路の腐食に関連するト
ラブルが解消される。図2について以上に説明した改造
を、図1について説明した改造と同じに行なうと、図2
に示されている実施形態における主要な室内設置機器で
ある蒸発器7とファンコイルユニット10とは稼働経歴
期間Hを有し、主要な室外設置機器であるエンジン駆動
形圧縮ポンプ12とエンジン11と空冷ユニット13と
は、稼働経歴期間h(ただし、h<H)を有するように
なる。
【0027】
【発明の効果】以上に本発明の実施形態を挙げてその構
成・作用を明らかならしめたように、請求項1の発明方
法によると、改造対象の水冷チラー形冷房装置に装着さ
れていた熱搬送媒体用圧縮ポンプを、その駆動用モータ
と一緒に取り外してエンジン駆動形圧縮ポンプと交換す
るので、電気モータをエンジンに交換することが初めて
現実的に可能となった。構成機器を接続した冷凍サイク
ルの配管系統図を抽象的に眺めただけでは、電気駆動方
式の水冷チラー形冷房装置を構成している電気モータを
エンジンと交換することについて別段の創作力を必要と
しないように錯覚し易いが、既設の水冷チラー形冷房装
置の熱搬送媒体蒸気圧縮ポンプとその駆動用電気モータ
とは一体不可分に缶体内に密封されており、駆動用電気
モータだけをエンジンに交換することは出来ない。本請
求項1の発明方法においては、既設水冷チラー形冷房装
置を構成していた「熱搬送媒体蒸気圧縮ポンプと該熱搬
送媒体蒸気圧縮ポンプ駆動用電気モータ」の組合せを取
り外し、「エンジン駆動形圧縮ポンプと該エンジン駆動
形圧縮ポンプ駆動用エンジン」の組合せを取り付けるこ
とによって、現実の改造工事が可能になる。さらに、改
造前の水冷チラー形冷房装置における圧縮ポンプ駆動用
の電気モータは室内機として設置されているので、これ
を単純にエンジンで代替することはできない。こうした
改造対象装置の条件に対応した本請求項1の構成は、熱
搬送媒体循環管路の一部を室外に延出してその延出部に
エンジン駆動形圧縮ポンプを接続することにより、その
駆動用エンジンを室外に設置し得るようにした。これに
より、水冷チラー形冷房装置をエンジンで駆動し、電力
の供給を不要ならしめ、もしくは大幅に低減せしめた。
電力の節減によって電力負荷平準化という公共の要望に
副うことが出来た。その上、水冷チラー形冷房装置のエ
ネルギー源が電力から燃料(液体燃料,気体燃料のうち
任意の片方もしくは混用が可能)に変換されるのでエネ
ルギーコストが低減され、ひいては当該水冷チラー形冷
房装置のランニングコストが節減される。さらに派生的
効果として、水冷チラー形冷房装置の消費電力に振り当
てられていた受電設備の容量に余裕が出来るので、オフ
ィス事務のOA化用電力を捻出することができる。
成・作用を明らかならしめたように、請求項1の発明方
法によると、改造対象の水冷チラー形冷房装置に装着さ
れていた熱搬送媒体用圧縮ポンプを、その駆動用モータ
と一緒に取り外してエンジン駆動形圧縮ポンプと交換す
るので、電気モータをエンジンに交換することが初めて
現実的に可能となった。構成機器を接続した冷凍サイク
ルの配管系統図を抽象的に眺めただけでは、電気駆動方
式の水冷チラー形冷房装置を構成している電気モータを
エンジンと交換することについて別段の創作力を必要と
しないように錯覚し易いが、既設の水冷チラー形冷房装
置の熱搬送媒体蒸気圧縮ポンプとその駆動用電気モータ
とは一体不可分に缶体内に密封されており、駆動用電気
モータだけをエンジンに交換することは出来ない。本請
求項1の発明方法においては、既設水冷チラー形冷房装
置を構成していた「熱搬送媒体蒸気圧縮ポンプと該熱搬
送媒体蒸気圧縮ポンプ駆動用電気モータ」の組合せを取
り外し、「エンジン駆動形圧縮ポンプと該エンジン駆動
形圧縮ポンプ駆動用エンジン」の組合せを取り付けるこ
とによって、現実の改造工事が可能になる。さらに、改
造前の水冷チラー形冷房装置における圧縮ポンプ駆動用
の電気モータは室内機として設置されているので、これ
を単純にエンジンで代替することはできない。こうした
改造対象装置の条件に対応した本請求項1の構成は、熱
搬送媒体循環管路の一部を室外に延出してその延出部に
エンジン駆動形圧縮ポンプを接続することにより、その
駆動用エンジンを室外に設置し得るようにした。これに
より、水冷チラー形冷房装置をエンジンで駆動し、電力
の供給を不要ならしめ、もしくは大幅に低減せしめた。
電力の節減によって電力負荷平準化という公共の要望に
副うことが出来た。その上、水冷チラー形冷房装置のエ
ネルギー源が電力から燃料(液体燃料,気体燃料のうち
任意の片方もしくは混用が可能)に変換されるのでエネ
ルギーコストが低減され、ひいては当該水冷チラー形冷
房装置のランニングコストが節減される。さらに派生的
効果として、水冷チラー形冷房装置の消費電力に振り当
てられていた受電設備の容量に余裕が出来るので、オフ
ィス事務のOA化用電力を捻出することができる。
【0028】請求項2の発明方法によると、既設の水冷
チラー形冷房装置の主要な室外設置機器であるクーリン
グタワー、および、「該クーリングタワーと室内設置機
器である凝縮器とを接続している冷却水循環管路」、並
びに該循環管路中に介挿接続されている冷却水ポンプお
よびその駆動モータを廃却したり休止させたりすること
なく、有効に継続使用するので、これらの機器類を取り
外す場合に比して工事の所要工数や必要機材費が少なく
て済み、その上、工事に伴って発生する産業廃棄物が減
量され、公共の利益に副うことができる。このクーリン
グタワーおよびその付属部材は、本来、改造前の水冷チ
ラー形冷房装置用の冷却水を供給するための機器とし
て、その容量や特性を凝縮器並びに蒸発器およびファン
・コイルユニットとマッチングさせて設計製作されてい
るので、本請求項2を適用することにより、改造後にお
いても改造前の水冷チラー形冷房装置の冷房能力を維持
するために必要かつ充分である。換言すれば、本請求項
2を適用して水冷チラー形冷房装置を改造すると、改造
前の主要な室内設置機器(凝縮器、蒸発器、ファン・コ
イルユニット)に対する「熱搬送媒体蒸気圧縮用のポン
プおよびその駆動用エンジン」の容量・特性のマッチン
グを図れば足り、凝縮器に対して冷却水を供給する系統
については容量・特性について別段の考慮を要せず、所
要の補修を施せば足りる。この請求項2の発明方法は、
室外にエンジンを設置するための空間的な余裕が有る場
合に好適である。
チラー形冷房装置の主要な室外設置機器であるクーリン
グタワー、および、「該クーリングタワーと室内設置機
器である凝縮器とを接続している冷却水循環管路」、並
びに該循環管路中に介挿接続されている冷却水ポンプお
よびその駆動モータを廃却したり休止させたりすること
なく、有効に継続使用するので、これらの機器類を取り
外す場合に比して工事の所要工数や必要機材費が少なく
て済み、その上、工事に伴って発生する産業廃棄物が減
量され、公共の利益に副うことができる。このクーリン
グタワーおよびその付属部材は、本来、改造前の水冷チ
ラー形冷房装置用の冷却水を供給するための機器とし
て、その容量や特性を凝縮器並びに蒸発器およびファン
・コイルユニットとマッチングさせて設計製作されてい
るので、本請求項2を適用することにより、改造後にお
いても改造前の水冷チラー形冷房装置の冷房能力を維持
するために必要かつ充分である。換言すれば、本請求項
2を適用して水冷チラー形冷房装置を改造すると、改造
前の主要な室内設置機器(凝縮器、蒸発器、ファン・コ
イルユニット)に対する「熱搬送媒体蒸気圧縮用のポン
プおよびその駆動用エンジン」の容量・特性のマッチン
グを図れば足り、凝縮器に対して冷却水を供給する系統
については容量・特性について別段の考慮を要せず、所
要の補修を施せば足りる。この請求項2の発明方法は、
室外にエンジンを設置するための空間的な余裕が有る場
合に好適である。
【0029】請求項3の発明方法によると、既設水冷チ
ラー形冷房装置の室外設置機器であるクーリングタワー
に代えて、これよりも小形の機器である空冷ユニットを
設置するので、室外機設置用の空間に大きい余裕が出来
る。このため上記余裕空間に圧縮ポンプ駆動用のエンジ
ンを配置することができる。本願に係る一連の発明の基
本的な構成として、既設水冷チラー形冷房装置の熱搬送
媒体蒸気圧縮用の圧縮ポンプ駆動源を電気モータ(室内
設置機器)からエンジン(室外設置機器)に切り換える
ため、これらの発明を実施するために室外空間を必要と
する。最近の建築物事情においては、室外空間の余裕が
必ずしも充分でなく、エンジン設置スペースの不測によ
って改造の実施を制約される場合が少なくない。このよ
うな場合、クーリングタワーの設置に占められていた空
間をエンジンの設置用空間として転用し得る本請求項の
実用的価値は非常に大きい。クーリングタワーは水を大
気に触れさせて循環せしめるので、微生物が繁殖した
り、塵埃が混入したり、蒸発して減少したりする危険性
を有しているが、本請求項3の構成に係るラジエータ管
路を備えた空冷ユニットは冷却水を用いず、水を循環流
動せしめて大気に触れさせることが無いので微生物繁殖
の虞れも塵埃混入の虞れも蒸発減量の虞れも無く、メン
ティナンスが容易である。のみならず、循環流体が大気
中の酸素や2酸化炭素に接触しないので、これらの酸化
性気体が流体の中に溶け込まず、流体の循環管路の腐食
を促進する虞れが無い。
ラー形冷房装置の室外設置機器であるクーリングタワー
に代えて、これよりも小形の機器である空冷ユニットを
設置するので、室外機設置用の空間に大きい余裕が出来
る。このため上記余裕空間に圧縮ポンプ駆動用のエンジ
ンを配置することができる。本願に係る一連の発明の基
本的な構成として、既設水冷チラー形冷房装置の熱搬送
媒体蒸気圧縮用の圧縮ポンプ駆動源を電気モータ(室内
設置機器)からエンジン(室外設置機器)に切り換える
ため、これらの発明を実施するために室外空間を必要と
する。最近の建築物事情においては、室外空間の余裕が
必ずしも充分でなく、エンジン設置スペースの不測によ
って改造の実施を制約される場合が少なくない。このよ
うな場合、クーリングタワーの設置に占められていた空
間をエンジンの設置用空間として転用し得る本請求項の
実用的価値は非常に大きい。クーリングタワーは水を大
気に触れさせて循環せしめるので、微生物が繁殖した
り、塵埃が混入したり、蒸発して減少したりする危険性
を有しているが、本請求項3の構成に係るラジエータ管
路を備えた空冷ユニットは冷却水を用いず、水を循環流
動せしめて大気に触れさせることが無いので微生物繁殖
の虞れも塵埃混入の虞れも蒸発減量の虞れも無く、メン
ティナンスが容易である。のみならず、循環流体が大気
中の酸素や2酸化炭素に接触しないので、これらの酸化
性気体が流体の中に溶け込まず、流体の循環管路の腐食
を促進する虞れが無い。
【0030】請求項4の発明方法によると、新代替物質
(HFC)が未だ普及していなかった時代に設計製作さ
れて代替フロン(HCFC)を熱搬送媒体として使用し
ていた電気駆動方式の水冷チラー形冷房装置に本発明を
適用してエンジン駆動方式に改造する場合、比較的最近
に開発されて現今の市場流通品の主力となっている新代
替物質(HFC)用圧縮ポンプを使用するので、改造に
必要な補充機器である熱搬送媒体蒸気圧縮用ポンプの入
手が容易であり、改造後における熱搬送媒体蒸気圧縮用
ポンプの補給部品供給も保証されているのでメンティナ
ンス性が優れている。さらに、新代替物質(HFC)用
の圧縮ポンプおよびその駆動用エンジンは比較的最近の
製品であって、性能特性を相互にマッチングさせた「圧
縮ポンプと駆動用エンジンとの組合せ」を入手し易い。
その上、本来代替フロン(HCFC)用として設計製作
された既設の水冷チラー形冷房装置の圧縮ポンプ駆動機
器をエンジンに変換して改造した後、本来の設計基準を
著しく改変することなく代替フロン(HCFC)を封入
して稼働させるので、既設水冷チラー形冷房装置の構成
機器の中で改造後も継続使用される凝縮器,蒸発器の作
動特性は改造後においても熱搬送媒体と良くマッチング
を維持して、それぞれの機能を発揮し、ミスマッチング
に因る冷房能力不足を生じたり、ミスマッチングに因る
過熱などのトラブルを誘発したりする虞れが無く、作動
信頼性が高い。特に、膨張弁の仕様を変更したり、膨張
弁の作動特性の調整状態を大幅に修正したりする必要を
生ぜず、改造後の試運転・調整が容易である。
(HFC)が未だ普及していなかった時代に設計製作さ
れて代替フロン(HCFC)を熱搬送媒体として使用し
ていた電気駆動方式の水冷チラー形冷房装置に本発明を
適用してエンジン駆動方式に改造する場合、比較的最近
に開発されて現今の市場流通品の主力となっている新代
替物質(HFC)用圧縮ポンプを使用するので、改造に
必要な補充機器である熱搬送媒体蒸気圧縮用ポンプの入
手が容易であり、改造後における熱搬送媒体蒸気圧縮用
ポンプの補給部品供給も保証されているのでメンティナ
ンス性が優れている。さらに、新代替物質(HFC)用
の圧縮ポンプおよびその駆動用エンジンは比較的最近の
製品であって、性能特性を相互にマッチングさせた「圧
縮ポンプと駆動用エンジンとの組合せ」を入手し易い。
その上、本来代替フロン(HCFC)用として設計製作
された既設の水冷チラー形冷房装置の圧縮ポンプ駆動機
器をエンジンに変換して改造した後、本来の設計基準を
著しく改変することなく代替フロン(HCFC)を封入
して稼働させるので、既設水冷チラー形冷房装置の構成
機器の中で改造後も継続使用される凝縮器,蒸発器の作
動特性は改造後においても熱搬送媒体と良くマッチング
を維持して、それぞれの機能を発揮し、ミスマッチング
に因る冷房能力不足を生じたり、ミスマッチングに因る
過熱などのトラブルを誘発したりする虞れが無く、作動
信頼性が高い。特に、膨張弁の仕様を変更したり、膨張
弁の作動特性の調整状態を大幅に修正したりする必要を
生ぜず、改造後の試運転・調整が容易である。
【0031】請求項5の発明方法によると、電気駆動方
式の水冷チラー形冷房装置をエンジン駆動方式に改造す
るに際して必然的に熱搬送媒体蒸気圧縮用の圧縮ポンプ
を交換しなければならないことに鑑みて、代替フロン
(HCFC)用圧縮ポンプを新代替物質(HFC)用圧
縮ポンプに交換するとともに、熱搬送媒体も新代替物質
(HFC)と交換するので、その後に何らかの事情で熱
搬送媒体を大気中に漏出させることが有っても、オゾン
層を破壊するフロン公害を生じる虞れが全く無くなる。
さらに〔発明が解決しようとする課題〕の項で説明した
ように代替フロン(HCFC)の法的規制は今後、年を
追って次第に厳しくなってゆくことが確実に予測される
が、本請求項を適用して改造対象設備である水冷チラー
形冷房装置の熱搬送媒体をこの機会に完全無公害の新代
替物質(HFC)に切り換えておくことにより、今後、
補給資材としての熱搬送媒体の入手について不安無く供
給を期待することができる。ただし、新代替物質(HF
C)は代替フロン(HCFC)に比して物理的性質およ
び化学的性質を異にするので不用意な交換は行なうべき
でない。具体的には、蒸発潜熱が小さい(例えば約0.
76倍)こと、比重(飽和蒸気比容積の逆数)が小さい
(例えば約0.72倍)こと、すなわち、大流量の熱搬
送媒体を循環流動させなければ改造前と同等の冷房能力
を維持できないこと、および、添加材の関係で両者(H
FCとHCFC)を混合してはならないこと、並びに、
新代替物質(HFC)用の合成ゴムでなければ腐食させ
ること、といった問題が有るが、本請求項5の構成によ
ると代替フロン(HCFC)の残留が厳重に防止され、
かつ、シール材、すなわちガスケット,パッキン類を新
代替物質(HFC)用のものに交換するので、熱搬送媒
体の類別変更(HCFC→HFC)の利点を享受し、し
かも弊害を実用上完全に防止することができる。
式の水冷チラー形冷房装置をエンジン駆動方式に改造す
るに際して必然的に熱搬送媒体蒸気圧縮用の圧縮ポンプ
を交換しなければならないことに鑑みて、代替フロン
(HCFC)用圧縮ポンプを新代替物質(HFC)用圧
縮ポンプに交換するとともに、熱搬送媒体も新代替物質
(HFC)と交換するので、その後に何らかの事情で熱
搬送媒体を大気中に漏出させることが有っても、オゾン
層を破壊するフロン公害を生じる虞れが全く無くなる。
さらに〔発明が解決しようとする課題〕の項で説明した
ように代替フロン(HCFC)の法的規制は今後、年を
追って次第に厳しくなってゆくことが確実に予測される
が、本請求項を適用して改造対象設備である水冷チラー
形冷房装置の熱搬送媒体をこの機会に完全無公害の新代
替物質(HFC)に切り換えておくことにより、今後、
補給資材としての熱搬送媒体の入手について不安無く供
給を期待することができる。ただし、新代替物質(HF
C)は代替フロン(HCFC)に比して物理的性質およ
び化学的性質を異にするので不用意な交換は行なうべき
でない。具体的には、蒸発潜熱が小さい(例えば約0.
76倍)こと、比重(飽和蒸気比容積の逆数)が小さい
(例えば約0.72倍)こと、すなわち、大流量の熱搬
送媒体を循環流動させなければ改造前と同等の冷房能力
を維持できないこと、および、添加材の関係で両者(H
FCとHCFC)を混合してはならないこと、並びに、
新代替物質(HFC)用の合成ゴムでなければ腐食させ
ること、といった問題が有るが、本請求項5の構成によ
ると代替フロン(HCFC)の残留が厳重に防止され、
かつ、シール材、すなわちガスケット,パッキン類を新
代替物質(HFC)用のものに交換するので、熱搬送媒
体の類別変更(HCFC→HFC)の利点を享受し、し
かも弊害を実用上完全に防止することができる。
【0032】請求項6の発明方法によると、代替フロン
(HCFC)を新代替物質(HFC)に入れ替えるにつ
いて、新代替物質(HFC)の蒸気潜熱が代替フロン
(HCFC)の蒸発潜熱よりも小さいこと、および、新
代替物質(HFC)の比重(飽和蒸気比容積の逆数)が
代替フロン(HCFC)の比重よりも小さいことを打ち
消すように補正して、改造前の水冷チラー形冷房装置と
同等の冷房能力を改造後にも維持することができる。代
替フロン(HCFC)も新代替物質(HFC)も、それ
ぞれ単一の化合物ではなく、各種のフロン類が含まれて
いる。代替フロン(HCFC)には、例えばフロンR2
2や、フロンR123や、フロンR225が有り、相互
に物性を異にしている。また、新代替物質(HFC)に
はフロン134aや、フロンR32や、フロン125等
が有って相互に物性を異にしている。しかしながら、一
般に供給されている熱搬送媒体の範囲内で比較検討する
限り、最も(蒸発潜熱×比重)の小さい代替フロン(H
CFC)よりも、最も(蒸発潜熱×比重)の大きい新代
替物質(HFC)の方が、「単位体積当たり蒸発潜熱」
の値が格段に小さい(単純に言えば冷媒能力が劣ってい
る)。従って、改造に伴って熱搬送媒体の種別を代替フ
ロン(HCFC)から新代替物質(HFC)に切り替え
ただけで、その循環流量を変えなければ、改造前の水冷
チラー形冷房装置の冷房能力を改造後においては維持す
ることができなくなってしまう。こうした観点から、本
請求項6の発明方法においては、フロン類別の変化によ
る冷房能力低下を補正するよう、熱搬送媒体の循環流量
を規制している膨張弁の制御流量値を増加させるので、
改造前における水冷チラー形冷房装置の冷房能力を、改
造後においても維持することができる。
(HCFC)を新代替物質(HFC)に入れ替えるにつ
いて、新代替物質(HFC)の蒸気潜熱が代替フロン
(HCFC)の蒸発潜熱よりも小さいこと、および、新
代替物質(HFC)の比重(飽和蒸気比容積の逆数)が
代替フロン(HCFC)の比重よりも小さいことを打ち
消すように補正して、改造前の水冷チラー形冷房装置と
同等の冷房能力を改造後にも維持することができる。代
替フロン(HCFC)も新代替物質(HFC)も、それ
ぞれ単一の化合物ではなく、各種のフロン類が含まれて
いる。代替フロン(HCFC)には、例えばフロンR2
2や、フロンR123や、フロンR225が有り、相互
に物性を異にしている。また、新代替物質(HFC)に
はフロン134aや、フロンR32や、フロン125等
が有って相互に物性を異にしている。しかしながら、一
般に供給されている熱搬送媒体の範囲内で比較検討する
限り、最も(蒸発潜熱×比重)の小さい代替フロン(H
CFC)よりも、最も(蒸発潜熱×比重)の大きい新代
替物質(HFC)の方が、「単位体積当たり蒸発潜熱」
の値が格段に小さい(単純に言えば冷媒能力が劣ってい
る)。従って、改造に伴って熱搬送媒体の種別を代替フ
ロン(HCFC)から新代替物質(HFC)に切り替え
ただけで、その循環流量を変えなければ、改造前の水冷
チラー形冷房装置の冷房能力を改造後においては維持す
ることができなくなってしまう。こうした観点から、本
請求項6の発明方法においては、フロン類別の変化によ
る冷房能力低下を補正するよう、熱搬送媒体の循環流量
を規制している膨張弁の制御流量値を増加させるので、
改造前における水冷チラー形冷房装置の冷房能力を、改
造後においても維持することができる。
【0033】請求項7の発明装置によると、既設の電気
駆動方式の、稼働経歴を有する(換言すれば既設の中古
設備である)水冷チラー形冷房装置を母体とし、その電
動駆動系統機器に代えてエンジン駆動機器を装着するこ
とにより、前記既設の電気駆動方式の水冷チラー形冷房
装置を容易に、かつ安価に、その上、産業廃棄物の発生
を抑制して、新たなエンジン駆動方式の冷水循環式冷房
装置を構成することができる。本請求項7に係る冷房装
置はエンジンを主たる駆動源としている。すなわち、液
体燃料もしくは気体燃料をエネルギー源としている。こ
のため、電力をエネルギー源とする水冷チラー形冷房装
置に比してエネルギー単価が低廉で、ランニングコスト
が安価である。その上、液体燃料もしくは気体燃料を主
たる動力源としており、補機器用に若干の電力を消費す
るとしても、電力負荷平準化に著しく逆行するような電
力消費をしない。既設水冷チラー形冷房装置を構成して
いる電気駆動方式の熱搬送媒体蒸気圧縮ポンプを残値し
て電気モータを取り外し、該熱搬送媒体蒸気圧縮ポンプ
を駆動するエンジンを設置することは実際条件下におい
てきわめて困難である(熱搬送媒体蒸気用の圧縮ポンプ
と、駆動用電気モータとの分割が困難である)が、本請
求項7に係る発明装置は「熱搬送媒体蒸気圧縮ポンプと
その駆動用エンジン」を1組の構成部分として新たに設
置して構成されるので、上述の困難を解消することかで
きる。
駆動方式の、稼働経歴を有する(換言すれば既設の中古
設備である)水冷チラー形冷房装置を母体とし、その電
動駆動系統機器に代えてエンジン駆動機器を装着するこ
とにより、前記既設の電気駆動方式の水冷チラー形冷房
装置を容易に、かつ安価に、その上、産業廃棄物の発生
を抑制して、新たなエンジン駆動方式の冷水循環式冷房
装置を構成することができる。本請求項7に係る冷房装
置はエンジンを主たる駆動源としている。すなわち、液
体燃料もしくは気体燃料をエネルギー源としている。こ
のため、電力をエネルギー源とする水冷チラー形冷房装
置に比してエネルギー単価が低廉で、ランニングコスト
が安価である。その上、液体燃料もしくは気体燃料を主
たる動力源としており、補機器用に若干の電力を消費す
るとしても、電力負荷平準化に著しく逆行するような電
力消費をしない。既設水冷チラー形冷房装置を構成して
いる電気駆動方式の熱搬送媒体蒸気圧縮ポンプを残値し
て電気モータを取り外し、該熱搬送媒体蒸気圧縮ポンプ
を駆動するエンジンを設置することは実際条件下におい
てきわめて困難である(熱搬送媒体蒸気用の圧縮ポンプ
と、駆動用電気モータとの分割が困難である)が、本請
求項7に係る発明装置は「熱搬送媒体蒸気圧縮ポンプと
その駆動用エンジン」を1組の構成部分として新たに設
置して構成されるので、上述の困難を解消することかで
きる。
【0034】請求項8の発明装置によると、既設の水冷
チラー形冷房装置を改造して請求項7に係る冷水循環式
の冷房装置を構成する際、改造対象の水冷チラー形冷房
装置の構成機器として用いられていた室外機の大半およ
び室内機の一部を有効に利用して、改造用機材費を節減
するとともに、産業廃棄物の発生量を著しく抑制するこ
とができる。すなわち、凝縮器と、該凝縮器に冷却水を
供給するクーリングタワーと、上記クーリングタワーと
凝縮器とを接続する冷却水循環管路と、上記冷却水循環
管路内に冷却水を循環流動せしめる冷却水ポンプと、該
冷却水ポンプ駆動用のモータとを交換することなく、改
造施工時点における現状のままで、もしくは所要の補修
を施して再利用できるので、上記の諸機器を他の機器類
と交換する場合に比して改造所要機器類が大幅に節減さ
れる。特に、これらの機器類の大半は相互に配管接続さ
れているので、これらの機器類をそっくり再利用するこ
とによって配管工事が大幅に減少する。冷房装置の配管
工事は通常、建屋の加工(例えば壁に穿孔したりするな
ど)を伴うので施工管理が厄介である。従って、配管工
事量の減少は施工者にとって非常に好ましく、その上、
改造の工期も短縮されるので、実用的価値が大きい。
チラー形冷房装置を改造して請求項7に係る冷水循環式
の冷房装置を構成する際、改造対象の水冷チラー形冷房
装置の構成機器として用いられていた室外機の大半およ
び室内機の一部を有効に利用して、改造用機材費を節減
するとともに、産業廃棄物の発生量を著しく抑制するこ
とができる。すなわち、凝縮器と、該凝縮器に冷却水を
供給するクーリングタワーと、上記クーリングタワーと
凝縮器とを接続する冷却水循環管路と、上記冷却水循環
管路内に冷却水を循環流動せしめる冷却水ポンプと、該
冷却水ポンプ駆動用のモータとを交換することなく、改
造施工時点における現状のままで、もしくは所要の補修
を施して再利用できるので、上記の諸機器を他の機器類
と交換する場合に比して改造所要機器類が大幅に節減さ
れる。特に、これらの機器類の大半は相互に配管接続さ
れているので、これらの機器類をそっくり再利用するこ
とによって配管工事が大幅に減少する。冷房装置の配管
工事は通常、建屋の加工(例えば壁に穿孔したりするな
ど)を伴うので施工管理が厄介である。従って、配管工
事量の減少は施工者にとって非常に好ましく、その上、
改造の工期も短縮されるので、実用的価値が大きい。
【0035】請求項9の発明装置によると、既設の電動
方式の水冷チラー形冷房装置を改造して請求項7に係る
エンジン駆動方式の冷水循環式冷房装置を構成する際、
改造対象の水冷チラー形冷房装置に備えられていた大型
室外機器であるクーリングタワーを継続使用しなくて
も、本請求項9に係る空冷ユニットによって熱搬送媒体
の蒸気を冷却することができるようになるので、クーリ
ングタワーを廃却しても所望の冷房機能が得られる。ク
ーリングタワーを廃却し得ることは、該クーリングタワ
ーが占めていた空間を利用し得ることを意味するので、
請求項7の発明を実施する場合、熱搬送媒体蒸気圧縮用
ポンプを駆動するためのエンジンを設置するに要する空
間を捻出できるという実用的効果が大きい。すなわち、
既設の水冷チラー形冷房装置を改造して請求項7に係る
発明装置を構成するとき、上記既設水冷チラー形冷房装
置が設置されている建屋の室外に余裕空間が乏しい場合
には、本請求項9を適用することにより初めて実施可能
となる。その上、クーリングタワーは、水を大気に接触
させつつ循環させるので、水の中に微生物が繁殖しない
ように管理しなければならない。さらに、大気に接触す
ることによって水が蒸発するので、絶えず水位を監視し
て蒸発減量を補充しなければならない。しかも、大気に
晒された水の中には酸素や2酸化炭素が溶け込んで、管
路内周面の腐食を促進する。こうした事情が重なるの
で、クーリングタワーの保守管理には多大の注意力と労
力とを要するが、本請求項9を適用してクーリングタワ
ーを廃却すると、これらの煩わしいメンティナンスが要
らなくなる。
方式の水冷チラー形冷房装置を改造して請求項7に係る
エンジン駆動方式の冷水循環式冷房装置を構成する際、
改造対象の水冷チラー形冷房装置に備えられていた大型
室外機器であるクーリングタワーを継続使用しなくて
も、本請求項9に係る空冷ユニットによって熱搬送媒体
の蒸気を冷却することができるようになるので、クーリ
ングタワーを廃却しても所望の冷房機能が得られる。ク
ーリングタワーを廃却し得ることは、該クーリングタワ
ーが占めていた空間を利用し得ることを意味するので、
請求項7の発明を実施する場合、熱搬送媒体蒸気圧縮用
ポンプを駆動するためのエンジンを設置するに要する空
間を捻出できるという実用的効果が大きい。すなわち、
既設の水冷チラー形冷房装置を改造して請求項7に係る
発明装置を構成するとき、上記既設水冷チラー形冷房装
置が設置されている建屋の室外に余裕空間が乏しい場合
には、本請求項9を適用することにより初めて実施可能
となる。その上、クーリングタワーは、水を大気に接触
させつつ循環させるので、水の中に微生物が繁殖しない
ように管理しなければならない。さらに、大気に接触す
ることによって水が蒸発するので、絶えず水位を監視し
て蒸発減量を補充しなければならない。しかも、大気に
晒された水の中には酸素や2酸化炭素が溶け込んで、管
路内周面の腐食を促進する。こうした事情が重なるの
で、クーリングタワーの保守管理には多大の注意力と労
力とを要するが、本請求項9を適用してクーリングタワ
ーを廃却すると、これらの煩わしいメンティナンスが要
らなくなる。
【0036】請求項10の発明装置によると、既設の水
冷チラー形冷房装置を改造して請求項7に係る冷房装置
を構成する際、冷凍サイクル作動流体の循環管路内に封
入されていた熱搬送媒体の「フロン類別」を変更する必
要が無いので、上記の改造を施工する時点まで用いられ
ていた代替フロン(HCFC)を廃棄することなく継続
使用することができる。熱搬送媒体のフロン類別を変更
しなくても良いことは、経済的に有利であるのみでな
く、公害防止にも好都合であり、しかも冷房能力の維
持,発揮にも有効である。以下、順次にその詳細を説明
すると、請求項7に基づく改造実施時点において、それ
まで使用されていた代替フロン(HCFC)を廃棄する
と、新たに熱搬送媒体(例えば新代替物質(HFC))
を購入して注入しなければならないが、代替フロン(H
CFC)を継続使用すれば、改造施工に伴って該代替フ
ロン(HCFC)の自然減量分を補給すれば足り、改造
用資材費が節減される。さらに、代替フロン(HCF
C)は、オゾン破壊係数が小さいとは言えゼロではない
ので無分別に大気中へ放散せしめるべきではなく、回収
して専門の破壊工場(化学的構造を破壊する意)に搬入
して処分しなければならない。改造時点においてフロン
の類別が変わらず、既設水冷チラー形冷房装置に封入さ
れていた代替フロン(HCFC)を廃棄しなくてもよい
ということは、廃棄費用の節減効果のみを考えても実用
的価値が大きい。フロンの類別の変化に伴う熱搬送媒体
の物性変化も重大な影響を及ぼす。すなわち、新代替物
質(HFC)は一般に代替フロン(HCFC)に比して
蒸発潜熱が小さく比重が軽い。従って単位流量(体積)
当たりの搬送熱量は著しく小さい(蒸発潜熱×比重の値
に比例して減少する)。こうした観点から、本請求項1
0を適用して既設の水冷チラー形冷房装置を改造する
と、改造後においても改造前と同レベルの冷房能力を維
持することが容易である。
冷チラー形冷房装置を改造して請求項7に係る冷房装置
を構成する際、冷凍サイクル作動流体の循環管路内に封
入されていた熱搬送媒体の「フロン類別」を変更する必
要が無いので、上記の改造を施工する時点まで用いられ
ていた代替フロン(HCFC)を廃棄することなく継続
使用することができる。熱搬送媒体のフロン類別を変更
しなくても良いことは、経済的に有利であるのみでな
く、公害防止にも好都合であり、しかも冷房能力の維
持,発揮にも有効である。以下、順次にその詳細を説明
すると、請求項7に基づく改造実施時点において、それ
まで使用されていた代替フロン(HCFC)を廃棄する
と、新たに熱搬送媒体(例えば新代替物質(HFC))
を購入して注入しなければならないが、代替フロン(H
CFC)を継続使用すれば、改造施工に伴って該代替フ
ロン(HCFC)の自然減量分を補給すれば足り、改造
用資材費が節減される。さらに、代替フロン(HCF
C)は、オゾン破壊係数が小さいとは言えゼロではない
ので無分別に大気中へ放散せしめるべきではなく、回収
して専門の破壊工場(化学的構造を破壊する意)に搬入
して処分しなければならない。改造時点においてフロン
の類別が変わらず、既設水冷チラー形冷房装置に封入さ
れていた代替フロン(HCFC)を廃棄しなくてもよい
ということは、廃棄費用の節減効果のみを考えても実用
的価値が大きい。フロンの類別の変化に伴う熱搬送媒体
の物性変化も重大な影響を及ぼす。すなわち、新代替物
質(HFC)は一般に代替フロン(HCFC)に比して
蒸発潜熱が小さく比重が軽い。従って単位流量(体積)
当たりの搬送熱量は著しく小さい(蒸発潜熱×比重の値
に比例して減少する)。こうした観点から、本請求項1
0を適用して既設の水冷チラー形冷房装置を改造する
と、改造後においても改造前と同レベルの冷房能力を維
持することが容易である。
【0037】請求項11の発明装置によると、オゾン層
破壊のフロン公害に関する心配が全く無く、かつ、将来
にわたって熱搬送媒体の補給について法規制を受ける虞
れが無い。すなわち、既設の水冷チラー形冷房装置を改
造して請求項7に係る冷房装置を構成するとき、代替フ
ロン(HCFC)用水冷チラー形冷房装置を改造対象の
母体とした場合に本請求項11を適用すると、この請求
項に係る冷水循環式の冷房装置は熱搬送媒体として新代
替物質(HFC)が用いられているので、何らかの事情
で熱搬送媒体を大気中に漏洩させてもオゾン層を破壊す
るフロン公害を生じる虞れの無い。また、この新代替物
質(HFC)の生産は公害に関する法規制の対象外とな
っており、今後とも法規制の対象とされることは無いと
考えられる。従って、将来にわたって熱搬送媒体の補給
に関して不安が無い。しかし乍ら、別段の配慮をせず単
に代替フロン(HCFC)を抜き取って新代替物質を注
入すると、代替フロン(HCFC)の少量が残留して新
代替物質(HFC)の中へ混入することの無いように配
慮しても、新代替物質(HFC)の蒸発潜熱が代替フロ
ン(HCFC)の蒸発潜熱に比して小さいことに因る冷
房能力不足の問題、および、パッキン材料に対する新代
替物質(HFC)の腐食性が、代替フロン(HCFC)
の腐食性よりも大きいことに因る耐久性不足(熱搬送媒
体漏失)の問題を生じる。そこで、本請求項に係る冷水
循環式の冷房装置は、フロン類別の変更に対応して熱搬
送媒体液の流量を規制している流体機器(例えば膨張
弁)を交換し、もしくは再調整(部品の一部交換も含
む)することによって熱搬送媒体である新代替物質(H
FC)の所要流量を確保したので、所要の冷房能力を発
揮せしめることができる。さらに本請求項に係る冷水循
環式の冷房装置は、パッキン,ガスケット類を、新代替
物質(HFC)に対して化学的に耐性を有する材料で構
成されたものと交換されているので、シール性能および
その耐久性が優れていて、熱搬送媒体が漏失するといっ
たトラブルを招く虞れが無い。
破壊のフロン公害に関する心配が全く無く、かつ、将来
にわたって熱搬送媒体の補給について法規制を受ける虞
れが無い。すなわち、既設の水冷チラー形冷房装置を改
造して請求項7に係る冷房装置を構成するとき、代替フ
ロン(HCFC)用水冷チラー形冷房装置を改造対象の
母体とした場合に本請求項11を適用すると、この請求
項に係る冷水循環式の冷房装置は熱搬送媒体として新代
替物質(HFC)が用いられているので、何らかの事情
で熱搬送媒体を大気中に漏洩させてもオゾン層を破壊す
るフロン公害を生じる虞れの無い。また、この新代替物
質(HFC)の生産は公害に関する法規制の対象外とな
っており、今後とも法規制の対象とされることは無いと
考えられる。従って、将来にわたって熱搬送媒体の補給
に関して不安が無い。しかし乍ら、別段の配慮をせず単
に代替フロン(HCFC)を抜き取って新代替物質を注
入すると、代替フロン(HCFC)の少量が残留して新
代替物質(HFC)の中へ混入することの無いように配
慮しても、新代替物質(HFC)の蒸発潜熱が代替フロ
ン(HCFC)の蒸発潜熱に比して小さいことに因る冷
房能力不足の問題、および、パッキン材料に対する新代
替物質(HFC)の腐食性が、代替フロン(HCFC)
の腐食性よりも大きいことに因る耐久性不足(熱搬送媒
体漏失)の問題を生じる。そこで、本請求項に係る冷水
循環式の冷房装置は、フロン類別の変更に対応して熱搬
送媒体液の流量を規制している流体機器(例えば膨張
弁)を交換し、もしくは再調整(部品の一部交換も含
む)することによって熱搬送媒体である新代替物質(H
FC)の所要流量を確保したので、所要の冷房能力を発
揮せしめることができる。さらに本請求項に係る冷水循
環式の冷房装置は、パッキン,ガスケット類を、新代替
物質(HFC)に対して化学的に耐性を有する材料で構
成されたものと交換されているので、シール性能および
その耐久性が優れていて、熱搬送媒体が漏失するといっ
たトラブルを招く虞れが無い。
【図1】既設の水冷チラー形冷房装置に本発明を適用し
て改造した1実施形態における冷水循環式冷房装置を示
し、模式的な配管系統図に流動方向を表す矢印を付記し
た図である。
て改造した1実施形態における冷水循環式冷房装置を示
し、模式的な配管系統図に流動方向を表す矢印を付記し
た図である。
【図2】前掲の図1と異なる実施形態における冷水循環
式の冷房装置を示す模式的な配管系統図である。
式の冷房装置を示す模式的な配管系統図である。
【図3】電気モータ駆動方式の水冷チラー形冷房装置の
従来例を示す模式的な系統図に、熱搬送媒体の循環流動
方向を標示する矢印、冷水の循環流動を標示する矢印、
および冷却水の循環流動方向を標示する矢印を記入し
た、構造,機能の説明図である。
従来例を示す模式的な系統図に、熱搬送媒体の循環流動
方向を標示する矢印、冷水の循環流動を標示する矢印、
および冷却水の循環流動方向を標示する矢印を記入し
た、構造,機能の説明図である。
1…従来例の水冷チラー形冷房装置におけるパッケージ
ポンプ、1a…熱搬送媒体の蒸気を圧縮する圧縮ポン
プ、1b…ポンプ駆動用の電気モータ、2…凝縮器、3
…冷却水ポンプ駆動モータ、4…冷却水ポンプ、5…ク
ーリングタワー、6…膨張弁、7…蒸発器、8…冷水ポ
ンプ、9…冷水ポンプ駆動モータ、10…ファン・コイ
ルユニット、11…エンジン、12…上記エンジンに対
して性能的にマッチングされたエンジン駆動形圧縮ポン
プ、13…凝縮器として機能する空冷ユニット、13a
…ラジエータコイル、13b…ラジエータファン、13
c…ファン駆動用モータ。
ポンプ、1a…熱搬送媒体の蒸気を圧縮する圧縮ポン
プ、1b…ポンプ駆動用の電気モータ、2…凝縮器、3
…冷却水ポンプ駆動モータ、4…冷却水ポンプ、5…ク
ーリングタワー、6…膨張弁、7…蒸発器、8…冷水ポ
ンプ、9…冷水ポンプ駆動モータ、10…ファン・コイ
ルユニット、11…エンジン、12…上記エンジンに対
して性能的にマッチングされたエンジン駆動形圧縮ポン
プ、13…凝縮器として機能する空冷ユニット、13a
…ラジエータコイル、13b…ラジエータファン、13
c…ファン駆動用モータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 町澤 健司 茨城県土浦市木田余東台1−9−1 日立 ビル施設エンジニアリング株式会社開発設 計部内 (72)発明者 肥後 譲 茨城県土浦市木田余東台1−9−1 日立 ビル施設エンジニアリング株式会社開発設 計部内 (72)発明者 立花 慶二 東京都千代田区神田和泉町1番地 日立ビ ル施設エンジニアリング株式会社内
Claims (11)
- 【請求項1】 熱搬送媒体の蒸気を吸入して圧縮突出す
る圧縮ポンプと、上記圧縮ポンプに結合されてこれを回
転駆動する電気モータと、上記圧縮ポンプによって圧縮
された熱搬送媒体の蒸気を冷却して液化させる凝縮器
と、上記凝縮器に冷却水を循環させる冷却水ポンプおよ
び冷却水ポンプ駆動モータと、上記の循環せしめられて
いる冷却水を風冷するクーリングタワーと、前記凝縮器
で液化された熱搬送媒体液の流量を制御する膨張弁と、
上記膨張弁を通過した熱搬送媒体液を蒸発させて冷水を
冷却させる蒸発器と、上記蒸発器に冷水を循環させる冷
水ポンプおよび冷水ポンプ駆動モータと、上記冷水の循
環供給を受けて室内空気を冷房するファン・コイルユニ
ットとを具備している電気駆動式の水冷チラー形冷房装
置の駆動部を改造して、主たる駆動エネルギー源を電力
から液体もしくは気体の燃料に変換する方法において、 前記熱搬送媒体の蒸気を吸入,圧縮吐出する圧縮ポン
プ、および該圧縮ポンプ回転駆動用の電気モータを取り
外すとともに、 熱搬送媒体の循環管路中に前記圧縮ポンプが接続されて
いた箇所に配管工事を施して、該熱搬送媒体循環管路の
一部分を室外に延出し、 かつ、室外にエンジンを設置するとともに、該エンジン
にエンジン駆動形圧縮ポンプを装着して、この圧縮ポン
プを「前記熱搬送媒体循環管路の延出部分」に接続する
とともに、 前記の蒸発器、冷水ポンプ、冷水ポンプ駆動モータ、お
よび、室内空気を冷却するファン・コイルユニットをほ
ぼ現状のままで、または損耗箇所を補修した上で、これ
らの機器の設置位置および冷水循環用管路の配管位置を
大きく変更することなく継続使用することを特徴とす
る、水冷チラー形冷房装置の改造方法。 - 【請求項2】 前記の冷却水を風冷するクーリングタワ
ー、および、該クーリングタワーと凝縮器との間に冷却
水を循環させる管路、並びに、上記冷却水循環管路内に
介挿接続されている冷却水ポンプおよび該冷却水ポンプ
駆動モータを現状のままで、または損耗箇所を補修した
上で、これらの機器類の設置位置を大きく変更すること
なく継続使用することを特徴とする、請求項1に記載し
た水冷チラー形冷房装置の改造方法。 - 【請求項3】 前記の冷却水を風冷するクーリングタワ
ー、および、該クーリングタワーと凝縮器との間に冷却
水を循環させる管路、並びに、上記冷却水循環管路内に
介挿接続されている冷却水ポンプおよび該冷却水ポンプ
駆動モータを取り外し、 熱搬送媒体を流通せしめるラジエータ管路と、該ラジエ
ータ管路の外周面に空気を接触流動させるラジエータフ
ァンと、「該ラジエータファンを回転駆動するファン駆
動モータとから成り、凝縮器として機能する空冷ユニッ
ト」とを、前記のクーリングタワーに代えて、室外に設
置し、 上記ラジエータ管路の流入端を、前記エンジン駆動形圧
縮ポンプの吐出口に接続配管して連通せしめるととも
に、 該ラジエータ管路の流出端を直接的に、もしくは膨張弁
を直列に介して蒸発器に接続配管して、前記エンジン駆
動形圧縮機から吐出された熱搬送媒体蒸気を前記のラジ
エータ管路に循環流動せしめることを特徴とする、請求
項1に記載した水冷チラー形冷房装置の改造方法。 - 【請求項4】 改造の対象である水冷チラー形冷房装置
の循環管路に封入されている熱搬送媒体が代替フロン
(HCFC)である場合、 上記熱搬送媒体の蒸気を吸入,吐出する圧縮ポンプを取
り外すに先立って、予め該熱搬送媒体の循環系内に封入
されている代替フロン(HCFC)を回収して一時的に
保管しておき、 前記エンジン駆動形圧縮ポンプとして、新代替物質(H
FC)蒸気を吸入,圧縮吐出するように設計製作された
圧縮ポンプであって未だ新代替物質(HFC)に接触し
ていない新品の圧縮ポンプ、もしくは上記と同様に新代
替物質(HFC)蒸気を吸入,圧縮吐出するように設計
製作されて新代替物質(HFC)に接触した経歴を有
し、該新代替物質(HFC)を洗浄除去された圧縮ポン
プを使用し、 かつ、上記のエンジン駆動形圧縮ポンプの容量は、その
公称冷房能力の数値を問わず、改造対象である水冷チラ
ー形冷房装置が必要としている吐出流量をほぼ同じくす
るエンジン駆動形圧縮ポンプとし、 上記エンジン駆動形圧縮ポンプを、熱搬送媒体循環管路
の延出部分に接続した後、該循環管路の中に「一時的に
保管してあった代替フロン(HCFC)」、および、所
要量の補充用代替フロン(HCFC)を注入して密封す
ることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の内の何
れかに記載した水冷チラー形冷房装置の改造方法。 - 【請求項5】 改造対象である水冷チラー形冷房装置の
循環管路に封入されている熱搬送媒体が代替フロン(H
CFC)である場合、 上記の改造対象である水冷チラー形冷房装置から、代替
フロン(HCFC)蒸気を吸入,圧縮吐出する圧縮ポン
プを取り外した後、熱搬送媒体の循環系を構成している
管路部材の継手部分を分解し、 継手部分に用いられているシール部材の全部、もしくは
新代替物質(HFC)に関して化学的耐性の不十分なシ
ール部材を取り除いて、新代替物質(HFC)に適合す
るシール部材と交換して管路の継手部分を接続し、 上記継手部分の接続前および/または接続後に、それま
で使用されていた代替フロン(HCFC)を洗浄除去し
た後、真空乾燥して代替フロン(HCFC)をほぼ完全
に除去し、 新代替物質(HFC)蒸気を吸入,圧縮吐出するように
設計製作されたエンジン駆動形圧縮ポンプを接続し、 上記エンジン駆動形圧縮ポンプの容量は、改造対象であ
る水冷チラー形冷房装置の公称冷房能力に比して、ほぼ
同等の公称冷房能力を有する圧縮ポンプとし、もしく
は、上記とほぼ同等の公称冷房能力を有する冷房装置に
適合するように構成された圧縮ポンプとし、 上記エンジン駆動形圧縮ポンプを熱搬送媒体の循環管路
の室外延出部分に接続した後、上記循環管路内に新代替
物質(HFC)を注入して密閉することを特徴とする、
請求項1ないし請求項3の内の何れかに記載した水冷チ
ラー形冷房装置の改造方法。 - 【請求項6】 改造対象である水冷チラー形冷房装置の
熱搬送媒体循環管路内に介挿接続されていた膨張弁を、
制御流量の大きい膨張弁もしくはオリフィスと交換し、
または介挿接続されていた膨張弁に対して並列に、上記
と異なる膨張弁もしくはオリフィスを追加接続し、 または、制御流量を増大せしめるように再調整し、もし
くは構成部品を交換することにより、 代替フロン(HCFC)の循環流動によって発揮されて
いた冷房能力に比して、ほぼ同等の冷房能力を発揮し得
る流量の新代替物質(HFC)を流通せしめ得るように
することを特徴とする、請求項5に記載した水冷チラー
形冷房装置の改造方法。 - 【請求項7】 設計製作された後、水冷チラー形冷房装
置の構成機器として稼働した経歴期間Hを有する蒸発器
と、 上記蒸発器と連繋して設計製作され、該蒸発器とほぼ同
様の稼働経歴期間Hを有する室内空気冷却用のファン・
コイルユニットと、 上記蒸発器およびファン・コイルユニットと連繋して設
計製作されて、これらの機器とほぼ同等の稼働経歴期間
Hを有する冷水ポンプおよび冷水ポンプ駆動モータとが
室内機として設置されているとともに、 上記の蒸発器と、ファン・コイルユニットと、冷水ポン
プとを環状に接続し、これらの機器とほぼ同等の稼働経
歴期間Hを有する冷水循環管路が室内に配管されてお
り、 かつ、前記の蒸発器やファン・コイルユニットと別途に
設計製作されて、これらの機器の稼働経歴期間Hよりも
短い稼働経歴期間hを有するエンジン駆動形圧縮ポンプ
と、 前記の蒸発器およびファン・コイルユニットと別途に設
計製作されて、前記のエンジン駆動形圧縮ポンプに装着
されてこれを回転駆動し、かつ、該エンジン駆動形圧縮
ポンプとほぼ等しい稼働経歴期間hを有するエンジンと
が、室外機として設置されており、 前記のエンジン駆動形圧縮ポンプと蒸発器と凝縮器とを
含めて環状に接続している循環管路によって、「圧縮→
凝縮→減圧→蒸発」の冷凍サイクルが形成されているこ
とを特徴とする、冷水循環式の冷房装置。 - 【請求項8】 前記の蒸発器およびファン・コイルユニ
ットと連繋して設計製作されるとともに、これらの機器
とほぼ同様の稼働経歴期間Hを有するクーリングタワー
が室内機として設置されており、 上記クーリングタワーおよび凝縮器と連繋して設計製作
され、これらの機器を接続して冷却水の循環系統を形成
している冷却水管路部材、および、該クーリングタワー
および凝縮器と連繋して設計製作され、これらの機器と
ほぼ同様の稼働経歴期間Hを有し、前記冷却水循環系統
中に介挿接続されている冷却水ポンプ、および、該冷却
水ポンプに連結された冷却水ポンプ駆動モータを具備し
ていることを特徴とする、請求項7に記載した冷水循環
式の冷房装置。 - 【請求項9】 前記の凝縮器,蒸発器およびファン・コ
イルユニットと別途に設計製作され、かつ、前記のエン
ジンおよびエンジン駆動形圧縮機の稼働経歴期間hとほ
ぼ等しい稼働経歴期間を有する「熱搬送媒体を流通させ
るラジエータ管路と、上記ラジエータ管路の外周面に空
気流を接触させるラジエータファンと、上記ラジエータ
ファンを回転駆動するモータとから成り、凝縮器として
機能する空冷ユニット」が設置されていることを特徴と
する、請求項7に記載した冷水循環式の冷房装置。 - 【請求項10】 前記の蒸発器は本来、代替フロン(H
CFC)液を気化させて冷水を冷却するように設計製作
されたものであり、 前記の凝縮器は本来、代替フロン(HCFC)蒸気を冷
却水で冷却して液化させるように設計製作されたもので
あり、 かつ、前記のエンジン駆動形圧縮ポンプは新代替物質
(HFC)蒸気を吸入して圧縮吐出するように設計製作
されたものであって、 上記の蒸発器とエンジン駆動形圧縮ポンプと凝縮器とを
順次に接続配管して形成されている循環管路の中に、熱
搬送媒体として代替フロン(HCFC)が封入されてい
ることを特徴とする、請求項7ないし請求項9の何れか
に記載した冷水循環式の冷房装置。 - 【請求項11】 前記の蒸発器は本来、代替フロン(H
CFC)液を気化させて冷水を冷却するように設計製作
されたものであり、 前記の凝縮器は本来、代替フロン(HCFC)蒸気を冷
却水で冷却して液化させるように設計製作されたもので
あり、 かつ、前記のエンジン駆動形圧縮ポンプは新代替物質
(HFC)蒸気を吸入して圧縮吐出するように設計製作
されたものであって、 上記の蒸発器とエンジン駆動形圧縮ポンプと凝縮器とを
順次に接続配管して形成されている循環管路の中に熱搬
送媒体として新代替物質(HFC)が封入されるととも
に、この循環管路を形成している配管部材の継手部分に
は稼働経歴期間が「前記エンジン駆動形圧縮ポンプおよ
びエンジンの稼働経歴期間h」とほぼ同等であって、
「新代替物質(HFC)に対して化学的に安定な材料」
によって構成されたガスケットおよび/またはパッキン
が介装されて大気に対する密封が保たれており、 さらに、前記の蒸発器とエンジン駆動形圧縮ポンプと凝
縮器とを順次に接続配管して構成されている熱搬送媒体
循環系統の途中に、熱搬送媒体である新代替物質(HF
C)の流量を制御する流体機器が介挿接続されており、 上記の流量制御用流体機器は、前記の蒸発器およびファ
ンコイルユニットの設計製作と連繋して、代替フロン
(HCFC)液の流量を制御するように設計製作された
ものであって、上記蒸発器の稼働経歴期間Hとほぼ等し
い稼働経歴期間を有し、かつ、当初の制御流量値よりも
大量の新代替物質(HFC)液を流通せしめ得るように
調整変更され、もしくは構成部品の一部を交換して再調
整されたものであり、 または、上記の流量制御用流体機器は、当該冷水循環式
の冷房装置に装着されて以来、エンジン駆動形圧縮ポン
プとほぼ等しい稼働経歴期間hを有していて、新代替物
質(HFC)液の流量を適正ならしめるように調整され
ていることを特徴とする、請求項7ないし請求項9の内
の何れかに記載した冷水循環式の冷房装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10275176A JP2000105017A (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | 水冷チラー形冷房装置の改造方法、および、冷水循環式の冷房装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10275176A JP2000105017A (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | 水冷チラー形冷房装置の改造方法、および、冷水循環式の冷房装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000105017A true JP2000105017A (ja) | 2000-04-11 |
Family
ID=17551738
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10275176A Pending JP2000105017A (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | 水冷チラー形冷房装置の改造方法、および、冷水循環式の冷房装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000105017A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7472559B2 (en) * | 2003-04-04 | 2009-01-06 | Lg Electronics Inc. | Method for controlling air conditioner |
CN105509354A (zh) * | 2015-12-30 | 2016-04-20 | 重庆美的通用制冷设备有限公司 | 冷水机组和热泵机组 |
CN111322883A (zh) * | 2020-04-07 | 2020-06-23 | 西安热工研究院有限公司 | 一种闲置凉水塔与间接空冷塔联合冷却过程及实施系统 |
CN116358106A (zh) * | 2023-03-30 | 2023-06-30 | 青岛海尔空调器有限总公司 | 一种除湿机的控制方法 |
-
1998
- 1998-09-29 JP JP10275176A patent/JP2000105017A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN111322883A (zh) * | 2020-04-07 | 2020-06-23 | 西安热工研究院有限公司 | 一种闲置凉水塔与间接空冷塔联合冷却过程及实施系统 |
CN116358106A (zh) * | 2023-03-30 | 2023-06-30 | 青岛海尔空调器有限总公司 | 一种除湿机的控制方法 |
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