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JP2000094466A - 難燃性硬質ウレタンフォーム製造用発泡機 - Google Patents

難燃性硬質ウレタンフォーム製造用発泡機

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Publication number
JP2000094466A
JP2000094466A JP10267929A JP26792998A JP2000094466A JP 2000094466 A JP2000094466 A JP 2000094466A JP 10267929 A JP10267929 A JP 10267929A JP 26792998 A JP26792998 A JP 26792998A JP 2000094466 A JP2000094466 A JP 2000094466A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flame
retardant
foaming
urethane foam
carbon dioxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10267929A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryoji Ogoshi
良二 大越
Koichi Tomuro
浩一 戸室
Kojiro Ito
康次郎 伊藤
Yasushi Sakata
康 坂田
Takayuki Shimizu
隆幸 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP10267929A priority Critical patent/JP2000094466A/ja
Publication of JP2000094466A publication Critical patent/JP2000094466A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成層圏オゾン層の破壊や地球温暖化の問題の
解決に寄与できる難燃性発泡剤を用いても、均一な独立
セルからなる強度や断熱性に優れた難燃性硬質ウレタン
フォームを容易に経済的に製造できる発泡機を提供す
る。 【解決手段】 炭素数3〜6の炭化水素などからなる可
燃性成分と、炭酸ガスなどの不燃性成分を含む難燃性発
泡剤を用いる。前記可燃性成分およびポリオールを含む
プリミックス中に前記不燃性成分を均一に混合した混合
物とイソシアネートとを混合した発泡前駆体を通過させ
て外部に放出する注入ノズルの長さを、前記発泡前駆体
が外部に放出された際にパターン噴霧にならない長さに
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は難燃性硬質ウレタン
フォーム製造用発泡機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリオール、イソシアネート、トリクロ
ロフルオロメタン(CCl3 F、CFC−11)発泡剤
などを原料として製造される硬質ウレタンフォームは大
部分が独立気泡であり、機械的強度が大きく、断熱性が
良く、その他寸法安定性、遮音性、電気特性、耐薬品性
などにも優れているので、冷蔵庫、冷凍庫、冷凍車、ア
イスボックス、冷凍食品のコンテナー、LPGタンカー
のタンクなどの断熱材、カーテンウオールなどのパネル
の絶縁材、冷凍倉庫の屋根、ひさしなどの建築材料、自
動車の各種部材などの用途へ広く用いられている。
【0003】しかしながら、CFC−11などの発泡剤
は、その高いオゾン破壊の潜在性により大気中に放出さ
れて地球上空のオゾン層に到達すると、このオゾン層を
破壊する。このオゾン層の破壊は発泡剤中の塩素基(C
l)により引き起こされる。そこで、塩素基を含まない
発泡剤、例えば、ジフルオロメタン(HFC−32、R
−32)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152
a)、トリフルオロメタン(HFC−23、R−2
3)、ペンタフルオロエタン(HFC−125、R−1
25)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HF
C−134a、R−134a)、1,1,1−トリフル
オロエタン(HFC−143a、R−143a)や、塩
素基と水素を含まないフルオロカーボン系発泡剤(FC
系発泡剤)などが代替発泡剤として考えられている。し
かしこれらのHFC系やFC系発泡剤はオゾン層を破壊
する危険はないが、地球温暖化効果が炭酸ガスより約1
000倍も大きいことが知られている。
【0004】本発明者等は上記の問題を解決するために
炭素数3〜6の炭化水素および/または可燃性ハイドロ
フルオロカーボンからなる可燃性成分と、炭酸ガス、窒
素、ヘリウムなどから選ばれる不燃性成分とを含む難燃
性発泡剤を用いて難燃性硬質ウレタンフォームを製造す
る方法や装置を提案している。しかし、前記可燃性成分
およびポリオールを含むプリミックス中に前記不燃性成
分を均一に混合した混合物とイソシアネートとを混合し
た発泡前駆体を発泡機の注入ノズルを通過させて外部に
放出して発泡させる際、注入ノズルから外部に発泡前駆
体が放出されると同時に炭酸ガスなどの前記不燃性成分
が急激に気化するために通常は前記発泡前駆体がフロー
ス状となる。ここで「フロース状」とは、低沸点の発泡
剤を混合したプリミックスが、注入ノズルから吐出され
た瞬間に気化され、液体からフォーム(シェービングフ
ォーム)状となり、吐出される状態をいう。しかしなが
ら、吐出圧力が高すぎると、フロース状のものが放出さ
れると同時に広がって「パターン噴霧」の状態となり、
ウレタンフォーム中にボイドができたり、大きなフロー
ス気泡が入ったり、スポンジ状となったりするなど不均
一となり、強度や断熱性などが悪くなる問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、成層
圏オゾン層の破壊や地球温暖化の問題の解決に寄与でき
る前記難燃性発泡剤を用いても、前記混合物とイソシア
ネートとを混合した発泡前駆体を注入ノズルを通過させ
て外部に放出する際、パターン噴霧にならず、均一な独
立セルからなる強度や断熱性に優れた難燃性硬質ウレタ
ンフォームを容易に経済的に製造できる発泡機であっ
て、構成が簡単であり、しかも、特別な消火装置、換気
装置、高圧装置や計測装置などを用いる必要がない発泡
機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記課題を解
決するための請求項1の発明は、炭素数3〜6の炭化水
素および/または可燃性ハイドロフルオロカーボンから
なる可燃性成分と、炭酸ガス、窒素、ヘリウムなどから
選ばれる不燃性成分とを含む難燃性発泡剤を用いて断熱
性およびセル強度に優れた実質的に均一な独立セルから
なる難燃性硬質ウレタンフォームを製造するために用い
る発泡機であって、前記可燃性成分およびポリオールを
含むプリミックス中に液状の前記不燃性成分を供給して
液フィル状態で均一に混合した混合物とイソシアネート
とを混合した発泡前駆体を通過させて外部に放出するた
めの注入ノズルの長さを、前記発泡前駆体が外部に放出
された際にパターン噴霧にならないような長さにしたこ
とを特徴とする難燃性硬質ウレタンフォームの製造用発
泡機である。
【0007】また、上記課題を解決するための本発明の
請求項2の発明は、炭素数3〜6の炭化水素および/ま
たは可燃性ハイドロフルオロカーボンからなる可燃性成
分と、炭酸ガス、窒素、ヘリウムなどから選ばれる不燃
性成分とを含む難燃性発泡剤を用いて断熱性およびセル
強度に優れた実質的に均一な独立セルからなる難燃性硬
質ウレタンフォームを製造するために用いる発泡機であ
って、前記可燃性成分およびポリオールを含むプリミッ
クス中に液状の前記不燃性成分を供給して液フィル状態
で均一に混合した混合物とイソシアネートとを混合した
発泡前駆体を通過させて外部に放出するための注入ノズ
ルの先端部にホースなどを連結し、前記ホースなどの長
さを前記発泡前駆体が外部に放出された際にパターン噴
霧にならないような長さにしたことを特徴とする難燃性
硬質ウレタンフォームの製造用発泡機である。
【0008】本発明の請求項3の発明は、請求項1ある
いは請求項2記載の発泡機において前記可燃性成分が炭
素数4〜5の炭化水素であり、前記不燃性成分が炭酸ガ
スであることを特徴とする。
【0009】本発明の請求項4の発明は、請求項3記載
の発泡機において、炭酸ガスの配合割合が炭素数4〜5
の炭化水素と炭酸ガスとの合計重量に対して約30重量
%であることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、難燃性硬質ウレタンフォームの製造装置を説明
する説明図である。難燃性硬質ウレタンフォームの製造
装置1は、可燃性成分(シクロペンタン)およびポリオ
ール(ポリオキシプロピレングリコール)を含むプリミ
ックスを作るプリミックス装置2と、プリミックス装置
2から移送されるプリミックス中に供給される液状の不
燃性成分(炭酸ガス)を液フィル状態で均一に混合して
混合物を作る混合装置3と、この混合装置3へ液状の不
燃性成分(炭酸ガス)を供給する供給装置4と、混合装
置3から移送される前記混合物とイソシアネートを混合
して発泡させて難燃性硬質ウレタンフォーム5を作る本
発明の発泡機6とを備えている。
【0011】プリミックス装置2には可燃性成分(シク
ロペンタン)が供給路7から供給されるとともに図示し
ない供給手段によって所定量のポリオール、触媒、制泡
剤、シリコン分散剤などが供給され、プリミックス装置
2に設置された撹拌手段8により均一に混合されてプリ
ミックスが作られる。作られたプリミックスは管路9を
経て混合装置3へ送られる。混合装置3内はこのプリミ
ックスでほぼ一杯の状態、すなわち液フィルの状態にな
っている。液フィルの状態になっている混合装置3に供
給装置(ブースタ)4から液状の不燃性成分(炭酸ガ
ス)を管路10を経て供給する。
【0012】混合装置3に供給装置(ブースタ)4から
供給される液状の不燃性成分(炭酸ガス)は、この例で
は炭酸ガスの臨界点を超える条件、すなわち、例えば圧
力約30kg/cm2 、温度約−78℃で供給される。
混合装置3に供給された液状の不燃性成分(炭酸ガス)
は混合装置3内に設置されたスタテイックミキサ11に
よって前記プリミックスと液フィルの状態で均一に混合
される(温度:約20℃、圧力:大気圧〜約2kg/c
2 )。均一に混合された混合物は管路12を経て液フ
ィルの状態で貯蔵槽13に蓄えられる。
【0013】そして難燃性硬質ウレタンフォームの製造
装置1を用いて可燃難燃性硬質ウレタンフォーム5を成
形する際は、先ず、プリミックス装置2で所定の配合割
合で可燃性成分(シクロペンタン)、ポリオール、触
媒、制泡剤、シリコン分散剤などを混合したプリミック
スを作り、このプリミックスを管路9を経て混合装置3
へ送る。混合装置3に供給装置(ブースタ)4から高精
度で所定量供給された液状の不燃性成分(炭酸ガス)は
スタテイックミキサ11によって前記プリミックスと液
フィルの状態で均一に混合される。均一に混合された混
合物は管路12を経て液フィルの状態で貯蔵槽13に蓄
えられる。貯蔵槽13に蓄えられた混合物を管路14を
経て本発明の発泡機6の混合物貯槽15に移送し、一
方、本発明の発泡機6のイソシアネート貯槽16に蓄え
たイソシアネートの所定量と混合、発泡させることによ
り難燃性硬質ウレタンフォーム5が形成される。17は
台車である。
【0014】本発明で用いる難燃性発泡剤の1成分であ
る可燃性成分は炭素数3〜6の炭化水素および/または
可燃性ハイドロフルオロカーボンからなる。炭素数3〜
6の炭化水素としては、直鎖状炭化水素でも分岐状炭化
水素でも環状炭化水素でもこれらの混合物でもよく具体
的には、例えば、プロパン、シクロプロパン、直鎖状ブ
タン、分岐状ブタン、シクロブタン、直鎖状ペンタン、
分岐状ペンタン、シクロペンタン、直鎖状ヘキサン、分
岐状ヘキサン、シクロヘキサンおよびこれらの混合物を
挙げることができる。これらの中でも炭素数4〜5の直
鎖状炭化水素、分岐状炭化水素、環状炭化水素およびこ
れらの混合物は好ましく使用できる。
【0015】本発明で用いる難燃性発泡剤の他の可燃性
成分は可燃性ハイドロフルオロカーボンであり、具体的
には、例えば、HFC−32、HFC−152a、HF
C−143aおよびこれらの混合物を挙げることができ
る。本発明で用いる難燃性発泡剤の他の成分である不燃
性成分は特に限定されるものではないが、入手の容易さ
などから具体的には、例えば、炭酸ガス、窒素、ヘリウ
ムなどおよびこれらの混合物を挙げることができる。
【0016】本発明で用いる難燃性発泡剤はそれ自身難
燃性を示し、引火点が測定されないような割合で、可燃
性成分と不燃性成分とが均一に混合されていることが肝
要である。不燃性成分の割合が多ければ多いほど難燃性
が向上し、そのような組成の難燃性発泡剤を用いて製造
される硬質ウレタンフォームは優れた難燃性を示し、セ
ル強度も高いが、断熱性が不十分なものとなるので好ま
しくない。逆に不燃性成分の割合が少なく、可燃性成分
の量が多いとそのような組成の難燃性発泡剤を用いて製
造される硬質ウレタンフォームは断熱性はよいが、難燃
性が不十分となり、かつセル強度が不十分なものとな
る。
【0017】不燃性成分が炭酸ガスであり、可燃性成分
が炭素数4〜5の炭化水素である場合を例に説明する。
この2者の組み合わせの場合、炭酸ガスの配合割合が炭
素数4〜5の炭化水素と炭酸ガスとの合計重量に対して
約30重量%で混合物自身が難燃性を示し、引火点が測
定されないようになる。炭酸ガスの配合割合が約30重
量%を超えて配合されると、製造される硬質ウレタンフ
ォームは難燃性を示し、セル強度も高いが、断熱性が不
十分なものとなり、逆に、炭素数4〜5の炭化水素の配
合割合が多いと断熱性はよいが、難燃性およびセル強度
が不十分なものとなる。したがって、炭酸ガスの配合割
合は、炭素数4〜5の炭化水素と炭酸ガスとの合計重量
に対して約30重量%が好ましく、このような配合割合
の難燃性発泡剤を用いて製造される硬質ウレタンフォー
ムは、難燃性を示し、セル強度も高く、しかも断熱性も
十分なものとなる。
【0018】本発明において硬質ウレタンフォームが難
燃性を示すのは、独立セル中に難燃性発泡剤を包含した
構造の発泡倍率が約40〜50倍の高発泡フォームであ
るためと考えられ、一方、本発明において硬質ウレタン
フォームがセル強度が高く、しかも断熱性が十分なもの
となるのは、例えば−20℃の低温度において独立セル
中で難燃性発泡剤中の可燃性成分は液化するが独立セル
中の残りの不燃性成分の量が少ないので断熱性が低下せ
ず、しかも残りの不燃性成分が独立セルを十分に膨らま
せておく圧力を有するためであると考えられる。
【0019】本発明において難燃性発泡剤は前記可燃性
成分と前記不燃性成分とが均一に混合されていることが
肝要である。前記可燃性成分と前記不燃性成分とが均一
に混合されていないと、そのような難燃性発泡剤を用い
て製造される硬質ウレタンフォームは、ボイドができた
り、スポンジ状となったり、極端な場合はセルが連通し
たり、不均一となり、強度や断熱性などが悪くなる。
【0020】前記可燃性成分と前記不燃性成分とを均一
に混合するためには、例えば難燃性発泡剤をポリオール
を含むプリミックス中に予め特定量混合して用いること
が好ましい。難燃性発泡剤をポリオールを含むプリミッ
クス中に均一に混合する方法は特に限定されない。例え
ば、ポリオール中に予め前記可燃性成分を触媒、制泡
剤、シリコン分散剤などとともに均一に混合したプリミ
ックス中に、炭酸ガスなどの不燃性成分をそれが液状を
示す条件下で供給して液フィル状態で混合することによ
り均一に混合した混合物を得ることができる。
【0021】可燃性成分がシクロペンタンであり、不燃
性成分が炭酸ガスである場合の混合条件の具体例を次に
示す。例えば、ポリオール100重量部中に予めシクロ
ペンタン14重量部を触媒、制泡剤、シリコン分散剤な
どとともに温度約20℃、圧力約2kg/cm2 で均一
に混合したプリミックスを作り、このプリミックス中
に、炭酸ガス6重量部(シクロペンタンと炭酸ガスとの
合計重量に対して炭酸ガスが30重量%)を約−78
℃、30kg/cm2 の条件下で液状で供給して液フィ
ル状態でスタテイックミキサで混合して混合物を作る。
このように液状炭酸ガスを前記プリミックス中に液フィ
ル状態で混合することにより混合された炭酸ガスは気化
することなく前記混合物中に均一に混合された状態が維
持される。
【0022】図2(A)および(B)は、従来の硬質ウ
レタンフォーム製造用発泡機6Aを説明する説明図であ
る。図2(A)において、17はピストン、18はシリ
ンダを示し、混合物貯槽15に蓄えた混合物と、イソシ
アネート貯槽16に蓄えたイソシアネートを混合して発
泡させる前は、混合物貯槽15に蓄えた混合物は混合物
移送管路19、ピストン17に設けた混合物循環管路2
0および混合物戻し管路21を経て混合物貯槽15に循
環させておき、イソシアネート貯槽16に蓄えたイソシ
アネートはイソシアネート移送管路22、ピストン17
に設けたイソシアネート循環管路23およびイソシアネ
ート戻し管路24を経てイソシアネート貯槽16に循環
させておく。25はシリンダ18の先端部に設けた注入
ノズルを示す。lは注入ノズル25の長さを示す。冷蔵
庫の断熱材として、硬質ウレタンフォームを注入する場
合、通常、注入ノズルを30〜40cmほど内部に入れ
るため、注入ノズルの長さlは50〜60cm程度であ
る。
【0023】混合物貯槽15に蓄えた混合物と、イソシ
アネート貯槽16に蓄えたイソシアネートを混合して発
泡させる場合は、白矢印で示した方向にピストン17を
所定距離移動させて混合物循環管路20とイソシアネー
ト循環管路23を不使用状態にする。そして、図2
(B)に示したように、混合物貯槽15に蓄えた混合物
は混合物移送管路19を経て注入ノズル25内に移送さ
れ、一方、イソシアネート貯槽16に蓄えたイソシアネ
ートはイソシアネート移送管路23を経て注入ノズル2
5内に移送されて両者は混合されて発泡前駆体が形成さ
れる。
【0024】しかし、この発泡前駆体が注入ノズル25
を通過して外部に放出されると同時に炭酸ガスなどの不
燃性成分が急激に気化するために、図2(B)に示した
ように、発泡前駆体がパターン噴霧になり、結果的に、
ウレタンフォーム中にボイドができたり、大きなフロー
ス気泡が入ったり、スポンジ状となったりするなど不均
一となり、強度や断熱性などが悪くなる。すなわち、不
燃性成分である炭酸ガスを、その臨界溶解度を超えて、
液フィル状態で混合しているため、注入ノズルから吐出
時に気体圧力がその注入ノズル容積中で十分に圧力損失
せず、パターン状に広がる、「パターン噴霧」の状態と
なってしまう。冷蔵庫のような折れ曲がった複雑な形状
のものに注入する場合、注入ノズルから広がらずにスム
ースに吐出させて、所定の部分から順次充填していかな
ければ、全体に充填することができず、充填不良となっ
てしまう。
【0025】図3は、本発明の硬質ウレタンフォーム製
造用発泡機6の一実施形態を説明する説明図である。図
3において図2と同一の符号は同一のものを表す。本発
明の硬質ウレタンフォーム製造用発泡機6は注入ノズル
25Aの長さLを発泡前駆体が注入ノズル25Aから外
部に放出された際にパターン噴霧にならないような長さ
にしてある。発泡前駆体が注入ノズル25Aから外部に
放出された際にパターン噴霧にならないので、均一な独
立セルからなる強度や断熱性に優れた難燃性硬質ウレタ
ンフォームを容易に製造できる。注入ノズル25Aの長
さLは、使用する不燃性成分の種類、配合割合、注入ノ
ズル25Aの内径、注入ノズル25A内の圧力、温度な
どにより影響されるのでこれらを考慮して適宜決めるこ
とが好ましい。
【0026】図4は、本発明の硬質ウレタンフォーム製
造用発泡機の他の実施形態を説明する説明図である。図
4において図2、図3と同一の符号は同一のものを表
す。本発明の硬質ウレタンフォーム製造用発泡機6Bは
図2に示した従来の硬質ウレタンフォーム製造用発泡機
6Aの注入ノズル25の先端部にフレキシブルホース2
5Bを取り付けて注入ノズル25Cとした以外は図2に
示した従来の硬質ウレタンフォーム製造用発泡機6Aと
同様になっている。注入ノズル25Cの長さを発泡前駆
体が注入ノズル25Cから外部に放出された際にパター
ン噴霧にならないような長さLにしてある。26は従来
の注入ノズル25の先端部にフレキシブルホース25B
を取り付けて固定するための固定具である。注入ノズル
25Cの長さLは、使用する不燃性成分の種類、配合割
合、フレキシブルホースの内径、注入ノズル25C内の
圧力、温度などにより影響されるのでこれらを考慮して
適宜決めることが好ましい。上述の例では、注入ノズル
からの吐出圧力は約100kg/cm2 となるが、注入
ノズルの長さlを長くすることにより、この注入ノズル
内で圧力損失させることができるため、パターン噴霧と
はならずに、フロース状のものをスムースに吐出させる
ことができる。具体的には、従来の発泡機の注入ノズル
の長さ(約50〜60cm)に比べて、約1.3倍以上
の長さ、すなわち80cm以上にすることが好ましい。
発泡前駆体が注入ノズル25Cから外部に放出された際
にパターン噴霧にならないので、均一な独立セルからな
る強度や断熱性に優れた難燃性硬質ウレタンフォームを
容易に製造できる。
【0027】本発明に用いられるイソシアネートとして
は、芳香族系イソシアネート、脂肪族系イソシアネー
ト、ジイソシアネート、ポリイソシアネート、これらの
水素添加物、あるいはマスキングされたイソシアネート
再生体、尿素重合体が混入したクルード物、精製前処理
した縮合体などを挙げることができる。本発明の難燃性
硬質ウレタンフォーム用に用いられる具体的なイソシア
ネートの例としては、2,4−トリレンジイソシアネー
ト、65/35トリレンジイソシアネート、80/20
トリレンジイソシアネート、4,4' −ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネー
ト、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、水素化
トリレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジ
イソシアネート、トリレンジイソシアネートの三量体、
トリレンジイソシアネートの三量体と水素化ジフェニル
メタンジイソシアネートの重合体などを挙げることがで
きる。
【0028】本発明に用いられるポリオールとしては、
ポリエステル、ポリ(オキシプロピレンエーテル)ポリ
オール、ポリ(オキシエチレン−プロピレンエーテル)
ポリオールなどのポリエーテルポリオール、アクリルポ
リオール、ヒマシ油の誘導体、トール油誘導体、その他
含水酸基化合物等を挙げることができる。本発明の難燃
性硬質ウレタンフォーム用に用いられる具体的なポリオ
ールとしては、ダイマー酸とグリコールからなるポリエ
ステル、アジピン酸とフタール酸トリオールからなるポ
リエステル、アジピン酸とフタール酸トリオール、ジオ
ールからなるポリエステルなど、ポリオキシプロピレン
グリコール、ポリ(オキシプロピレン)ポリ(オキシエ
チレン)グリコール、ポリオキシブチレングリコール、
ポリオキシテトラメチレングリコールなどのジオール、
ポリ(オキシプロピレン)トリオール、ポリ(オキシプ
ロピレン)ポリ(オキシエチレン)トリオール、ポリ
(オキシプロピレン)ポリ(オキシエチレン)ポリ(オ
キシプロピレン)トリオールなどのトリオール、その他
ソルビトール、ペンタエリスリトール、シュークロー
ズ、スターチ、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリ
(オキシプロピレン)ポリ(オキシエチレン)ポリオー
ルなどを挙げることができる。これらのポリオールの分
子量、分子量分布、水酸基の数、不飽和結合の量などは
反応性、製品の硬質ウレタンフォームの物性などを考慮
して適宜決めることができる。ポリオール中に含まれる
アカリ物質やアルデヒドなどの不純物は反応を妨げるの
で好ましくなく、ポリウレタングレード用ポリオールを
用いることが好ましい。
【0029】触媒、添加剤なども公知のものを用いるこ
とができる。本発明において難燃性硬質ポリウレタンフ
ォームを製造する際に、ポリオールを含むプリミックス
中に難燃性発泡剤を予め特定量均一に混合して用いるこ
とが好ましい。難燃性発泡剤を予め特定条件下で均一に
混合した混合物を用いることにより、均一発泡反応を行
うことができ、従って製品にボイドなどがなく発泡状態
などが均一で良好になり優れた性能の難燃性硬質ウレタ
ンフォームを作ることができる。
【0030】本発明において難燃性硬質ウレタンフォー
ムにはその使用目的に応じて有機充填剤、無機充填剤、
酸化防止剤、滑剤、有機あるいは無機系顔料、紫外線防
止剤、中和剤、可塑剤、核剤などを反応性や物性を阻害
しない範囲で添加することもできる。
【0031】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨から逸
脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。
【0032】
【発明の効果】本発明の発泡機により、成層圏オゾン層
の破壊や地球温暖化の問題の解決に寄与できる前記難燃
性発泡剤を用いても、発泡前駆体を注入ノズルを通過さ
せて外部に放出する際、パターン噴霧にならず、均一な
独立セルからなる強度や断熱性に優れた難燃性硬質ウレ
タンフォームを容易に経済的に製造できる。本発明の発
泡機により製造される難燃性硬質ウレタンフォームは、
断熱性に優れるとともに、高いセル強度を保持し、しか
も、優れた難燃性を有するので、冷蔵庫、冷凍庫、冷凍
車、アイスボックス、冷凍食品のコンテナー、LPGタ
ンカーのタンクなどの断熱材、カーテンウオールなどの
パネルの絶縁材、冷凍倉庫の屋根、ひさしなどの建築材
料、自動車の各種部材などの用途へ用いることができ
る。本発明において用いる難燃性発泡剤やそれを用いて
製造される難燃性硬質ウレタンフォームは難燃性を示す
ので、消火装置、換気装置、高圧装置など特別の装置や
計測装置などを用いる必要がない。
【0033】前記可燃性成分が炭素数4〜5の炭化水素
であり、前記不燃性成分が炭酸ガスであると入手も容易
であり一層経済的である。
【0034】炭酸ガスの配合割合が炭素数4〜5の炭化
水素と炭酸ガスとの合計重量に対して約30重量%であ
る難燃性発泡剤を用いると、断熱性およびセル強度に優
れ、かつ、優れた難燃性を有する硬質ウレタンフォーム
を容易に経済的に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 難燃性硬質ウレタンフォームの製造方法を説
明する説明図である。
【図2】 (A)は従来の発泡機においてポリオールな
どを含む混合物およびイソシアネートのいずれも循環さ
せている状態を示す説明図であり、(B)は従来の発泡
機においてポリオールなどを含む混合物およびイソシア
ネートを混合した発泡前駆体が注入ノズルからパターン
噴霧に吹き出している状態を示す説明図である。
【図3】 本発明の硬質ウレタンフォーム製造用発泡機
の一実施形態を説明する説明図である。
【図4】 本発明の硬質ウレタンフォーム製造用発泡機
の他の実施形態を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 難燃性硬質ウレタンフォームの製造装置 2 プリミックス装置 3 混合装置 4 供給装置 5 難燃性硬質ウレタンフォーム 6、6B 本発明の発泡機 25、25C 注入ノズル 25B ホース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 康次郎 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三洋 電機株式会社内 (72)発明者 坂田 康 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三洋 電機株式会社内 (72)発明者 清水 隆幸 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三洋 電機株式会社内 Fターム(参考) 4F033 QA08 QB02Y QB05 QB12Y QB16X QD02 QD14 QE09 QE23 QE25 QF02X QF07X QF15X QH03 QK02X QK04X QK09X QK16X QK18X QK23X 4F212 AA31 AA42 AB02 AB16 AB20 AB21 AE02 AG20 UA12 UB01 UF06 UF21 UF23 UL07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数3〜6の炭化水素および/または
    可燃性ハイドロフルオロカーボンからなる可燃性成分
    と、炭酸ガス、窒素、ヘリウムなどから選ばれる不燃性
    成分とを含む難燃性発泡剤を用いて断熱性およびセル強
    度に優れた実質的に均一な独立セルからなる難燃性硬質
    ウレタンフォームを製造するために用いる発泡機であっ
    て、前記可燃性成分およびポリオールを含むプリミック
    ス中に液状の前記不燃性成分を供給して液フィル状態で
    均一に混合した混合物とイソシアネートとを混合した発
    泡前駆体を通過させて外部に放出するための注入ノズル
    の長さを、前記発泡前駆体が外部に放出された際にパタ
    ーン噴霧にならないような長さにしたことを特徴とする
    難燃性硬質ウレタンフォームの製造用発泡機。
  2. 【請求項2】 炭素数3〜6の炭化水素および/または
    可燃性ハイドロフルオロカーボンからなる可燃性成分
    と、炭酸ガス、窒素、ヘリウムなどから選ばれる不燃性
    成分とを含む難燃性発泡剤を用いて断熱性およびセル強
    度に優れた実質的に均一な独立セルからなる難燃性硬質
    ウレタンフォームを製造するために用いる発泡機であっ
    て、前記可燃性成分およびポリオールを含むプリミック
    ス中に液状の前記不燃性成分を供給して液フィル状態で
    均一に混合した混合物とイソシアネートとを混合した発
    泡前駆体を通過させて外部に放出するための注入ノズル
    の先端部にホースなどを連結し、前記ホースなどの長さ
    を前記発泡前駆体が外部に放出された際にパターン噴霧
    にならないような長さにしたことを特徴とする難燃性硬
    質ウレタンフォームの製造用発泡機。
  3. 【請求項3】 前記可燃性成分が炭素数4〜5の炭化水
    素であり、前記不燃性成分が炭酸ガスであることを特徴
    とする請求項1あるいは請求項2記載の発泡機。
  4. 【請求項4】 炭酸ガスの配合割合が炭素数4〜5の炭
    化水素と炭酸ガスとの合計重量に対して約30重量%で
    あることを特徴とする請求項3記載の発泡機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10480714B2 (en) 2013-03-29 2019-11-19 Ihi Corporation Low temperature liquid tank
CN115107212A (zh) * 2022-07-12 2022-09-27 长虹美菱股份有限公司 一种冰箱柜用聚氨酯分步预混系统、控制方法及工序

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CN115107212B (zh) * 2022-07-12 2023-06-20 长虹美菱股份有限公司 一种冰箱柜用聚氨酯分步预混系统、控制方法及工序

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