JP2000082639A - Nbコンデンサの製造方法 - Google Patents
Nbコンデンサの製造方法Info
- Publication number
- JP2000082639A JP2000082639A JP10250255A JP25025598A JP2000082639A JP 2000082639 A JP2000082639 A JP 2000082639A JP 10250255 A JP10250255 A JP 10250255A JP 25025598 A JP25025598 A JP 25025598A JP 2000082639 A JP2000082639 A JP 2000082639A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- solid electrolyte
- oxide layer
- electrolyte layer
- electrolytic capacitor
- laminate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 239000003990 capacitor Substances 0.000 title claims abstract description 76
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 title claims abstract description 32
- 239000007784 solid electrolyte Substances 0.000 claims abstract description 57
- 239000007787 solid Substances 0.000 claims abstract description 42
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims abstract description 30
- 238000000034 method Methods 0.000 claims abstract description 26
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 claims description 46
- 239000012298 atmosphere Substances 0.000 claims description 5
- 239000005001 laminate film Substances 0.000 claims 1
- 230000002159 abnormal effect Effects 0.000 abstract description 11
- 239000012299 nitrogen atmosphere Substances 0.000 abstract description 3
- 238000010030 laminating Methods 0.000 abstract 1
- 239000010955 niobium Substances 0.000 description 110
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 21
- 239000000843 powder Substances 0.000 description 19
- 239000011163 secondary particle Substances 0.000 description 17
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 13
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 8
- 206010000117 Abnormal behaviour Diseases 0.000 description 6
- IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N Atomic nitrogen Chemical compound N#N IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 6
- OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N Carbon Chemical compound [C] OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 6
- 229910002804 graphite Inorganic materials 0.000 description 6
- 239000010439 graphite Substances 0.000 description 6
- 238000000748 compression moulding Methods 0.000 description 5
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 5
- YLZOPXRUQYQQID-UHFFFAOYSA-N 3-(2,4,6,7-tetrahydrotriazolo[4,5-c]pyridin-5-yl)-1-[4-[2-[[3-(trifluoromethoxy)phenyl]methylamino]pyrimidin-5-yl]piperazin-1-yl]propan-1-one Chemical compound N1N=NC=2CN(CCC=21)CCC(=O)N1CCN(CC1)C=1C=NC(=NC=1)NCC1=CC(=CC=C1)OC(F)(F)F YLZOPXRUQYQQID-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- NBIIXXVUZAFLBC-UHFFFAOYSA-N Phosphoric acid Chemical compound OP(O)(O)=O NBIIXXVUZAFLBC-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 4
- 239000006185 dispersion Substances 0.000 description 4
- 239000008151 electrolyte solution Substances 0.000 description 4
- 239000002245 particle Substances 0.000 description 4
- 238000005245 sintering Methods 0.000 description 4
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 3
- 229910052757 nitrogen Inorganic materials 0.000 description 3
- 230000003647 oxidation Effects 0.000 description 3
- 238000007254 oxidation reaction Methods 0.000 description 3
- 229920000128 polypyrrole Polymers 0.000 description 3
- 229910000147 aluminium phosphate Inorganic materials 0.000 description 2
- 238000002048 anodisation reaction Methods 0.000 description 2
- 239000007864 aqueous solution Substances 0.000 description 2
- 239000011230 binding agent Substances 0.000 description 2
- 230000006835 compression Effects 0.000 description 2
- 238000007906 compression Methods 0.000 description 2
- 229920001940 conductive polymer Polymers 0.000 description 2
- 230000007547 defect Effects 0.000 description 2
- WABPQHHGFIMREM-UHFFFAOYSA-N lead(0) Chemical compound [Pb] WABPQHHGFIMREM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 239000007788 liquid Substances 0.000 description 2
- 230000000379 polymerizing effect Effects 0.000 description 2
- 238000002360 preparation method Methods 0.000 description 2
- 239000011347 resin Substances 0.000 description 2
- 229920005989 resin Polymers 0.000 description 2
- 239000000243 solution Substances 0.000 description 2
- 238000007743 anodising Methods 0.000 description 1
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 description 1
- 238000010304 firing Methods 0.000 description 1
- -1 for example Polymers 0.000 description 1
- 239000008187 granular material Substances 0.000 description 1
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 1
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000000465 moulding Methods 0.000 description 1
- 229910052758 niobium Inorganic materials 0.000 description 1
- GUCVJGMIXFAOAE-UHFFFAOYSA-N niobium atom Chemical compound [Nb] GUCVJGMIXFAOAE-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910052709 silver Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000004332 silver Substances 0.000 description 1
- 230000000087 stabilizing effect Effects 0.000 description 1
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01G—CAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
- H01G9/00—Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
- H01G9/15—Solid electrolytic capacitors
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
- Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】誘電損失(tanδ)の異常な周波数特性挙動が
抑制されたNb固体電解コンデンサの製造方法を提供す
る。 【解決手段】Nb陽極体と、Nb酸化物層と、前記Nb
酸化物層に形成された固体電解質層を具備する第1積層
体に、積層膜を形成してNb固体電解コンデンサを得る
製造方法であって、前記第1積層体又は前記第1積層体
に1層以上の積層膜を形成した第2積層体を窒素雰囲気
中において200〜240℃で熱処理して、前記Nb酸
化物層と前記固体電解質層との間の吸着水を除去する工
程を含むNb固体電解コンデンサの製造方法。
抑制されたNb固体電解コンデンサの製造方法を提供す
る。 【解決手段】Nb陽極体と、Nb酸化物層と、前記Nb
酸化物層に形成された固体電解質層を具備する第1積層
体に、積層膜を形成してNb固体電解コンデンサを得る
製造方法であって、前記第1積層体又は前記第1積層体
に1層以上の積層膜を形成した第2積層体を窒素雰囲気
中において200〜240℃で熱処理して、前記Nb酸
化物層と前記固体電解質層との間の吸着水を除去する工
程を含むNb固体電解コンデンサの製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Nbを使用するコ
ンデンサ、より詳細には、Nb固体電解コンデンサの製
造方法に関する。
ンデンサ、より詳細には、Nb固体電解コンデンサの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンデンサとして、Nbコンデン
サ、より詳細には、コンデンサ用陽極体としてニオブを
使用するNb固体電解コンデンサがある。Nb固体電解
コンデンサの典型的な製造例の概略について、以下に、
工程ごとに説明する。
サ、より詳細には、コンデンサ用陽極体としてニオブを
使用するNb固体電解コンデンサがある。Nb固体電解
コンデンサの典型的な製造例の概略について、以下に、
工程ごとに説明する。
【0003】1)〈粉末調合工程〉 Nb粉末に液状バインダーを添加して混合し、Nb粉末
が凝集したNb二次粒子を造粒する。このNb二次粒子
の造粒粉をふるいにかけ、巨大なNb二次粒子の凝集粉
を取り除き、粒度のそろったNb二次粒子を得る。
が凝集したNb二次粒子を造粒する。このNb二次粒子
の造粒粉をふるいにかけ、巨大なNb二次粒子の凝集粉
を取り除き、粒度のそろったNb二次粒子を得る。
【0004】2)〈圧縮成形・焼結工程〉 前記粉末調合工程で作成した、粒度のそろったNb二次
粒子の造粒粉を用いてコンデンサ用陽極体を作成する。
即ち、Nbワイヤのリード線をNb二次粒子の造粒粉に
埋設して、圧縮成形体を作成する。その後、10-5To
rr以下の真空中において、1200〜1300℃の高
温で、作成したNb二次粒子の造粒粉の圧縮成形体を焼
結し、コンデンサ用陽極体を得る。
粒子の造粒粉を用いてコンデンサ用陽極体を作成する。
即ち、Nbワイヤのリード線をNb二次粒子の造粒粉に
埋設して、圧縮成形体を作成する。その後、10-5To
rr以下の真空中において、1200〜1300℃の高
温で、作成したNb二次粒子の造粒粉の圧縮成形体を焼
結し、コンデンサ用陽極体を得る。
【0005】3)〈化成工程〉 前記圧縮成形・焼結工程で得られたコンデンサ用陽極体
の表面に、陽極酸化法により誘電体であるNbの酸化物
層を形成する。陽極酸化法とは、電解液中に陽極体と対
抗電極を浸せきし、陽極体を対抗電極より高電位に保つ
ことにより、陽極体表面に酸化物層を形成する方法であ
る。電解液の一例として0.6体積%のリン酸水溶液を
用いて、60℃の液温で陽極酸化を行う。
の表面に、陽極酸化法により誘電体であるNbの酸化物
層を形成する。陽極酸化法とは、電解液中に陽極体と対
抗電極を浸せきし、陽極体を対抗電極より高電位に保つ
ことにより、陽極体表面に酸化物層を形成する方法であ
る。電解液の一例として0.6体積%のリン酸水溶液を
用いて、60℃の液温で陽極酸化を行う。
【0006】4)〈固体電解質層形成工程〉 前記工程で形成したNbの酸化物層である誘電体層の上
に、固体電解質層を形成する。固体電解質層は、導電性
高分子、例えば、ポリピロールを重合させることで形成
する。
に、固体電解質層を形成する。固体電解質層は、導電性
高分子、例えば、ポリピロールを重合させることで形成
する。
【0007】5)〈グラファイト層、Ag層形成〜モー
ルド外装工程〉 固体電解質層を形成後、形成した固体電解質層の表面
に、順次、グラファイト層、Ag層を形成する。その
後、得られた積層体を樹脂でモールド外装する。
ルド外装工程〉 固体電解質層を形成後、形成した固体電解質層の表面
に、順次、グラファイト層、Ag層を形成する。その
後、得られた積層体を樹脂でモールド外装する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の製造方法で
製造されたNb固体電解コンデンサは、放置しておくと
誘電損失(tanδ)の異常な周波数特性挙動が確認され
るという欠点を有していることが判明した。例えば、図
2(a)に示すようなものである。本発明は、誘電損失
(tanδ)の異常な周波数特性挙動が抑制されたNb固
体電解コンデンサの製造方法を提供することを目的とす
る。
製造されたNb固体電解コンデンサは、放置しておくと
誘電損失(tanδ)の異常な周波数特性挙動が確認され
るという欠点を有していることが判明した。例えば、図
2(a)に示すようなものである。本発明は、誘電損失
(tanδ)の異常な周波数特性挙動が抑制されたNb固
体電解コンデンサの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のNb固体電解コ
ンデンサの製造方法は、Nb陽極体と、Nb酸化物層
と、前記Nb酸化物層に形成された固体電解質層を具備
する第1積層体に、積層膜を形成してNb固体電解コン
デンサを得る製造方法であって、前記第1積層体又は前
記第1積層体に1層以上の積層膜を形成した第2積層体
における、前記Nb酸化物層と前記固体電解質層との間
の吸着水を除去する工程を含むことを特徴とする。
ンデンサの製造方法は、Nb陽極体と、Nb酸化物層
と、前記Nb酸化物層に形成された固体電解質層を具備
する第1積層体に、積層膜を形成してNb固体電解コン
デンサを得る製造方法であって、前記第1積層体又は前
記第1積層体に1層以上の積層膜を形成した第2積層体
における、前記Nb酸化物層と前記固体電解質層との間
の吸着水を除去する工程を含むことを特徴とする。
【0010】本発明のNb固体電解コンデンサは、本発
明のNb固体電解コンデンサの製造方法により製造さ
れ、前記Nb酸化物層と前記固体電解質層との間の吸着
水を除去したことを特徴とする。また、本発明のNb固
体電解コンデンサは、Nb陽極体と、Nb酸化物層と、
前記Nb酸化物層に形成された固体電解質層を具備する
Nb固体電解コンデンサであって、前記Nb酸化物層と
前記固体電解質層との間に前記Nb酸化物層に吸着する
吸着水を有さないことを特徴とする。
明のNb固体電解コンデンサの製造方法により製造さ
れ、前記Nb酸化物層と前記固体電解質層との間の吸着
水を除去したことを特徴とする。また、本発明のNb固
体電解コンデンサは、Nb陽極体と、Nb酸化物層と、
前記Nb酸化物層に形成された固体電解質層を具備する
Nb固体電解コンデンサであって、前記Nb酸化物層と
前記固体電解質層との間に前記Nb酸化物層に吸着する
吸着水を有さないことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者の知見によれば、従来の
製造方法で製造されたNb固体電解コンデンサにおい
て、誘電損失(tanδ)の異常な周波数特性挙動がみら
れる原因は、Nb酸化物層皮膜と固体電解質層との界面
に水分が吸着しているためと考えられる。即ち、この水
分がダイポール(双極子)となり、外界からのある周波
数に対して誘電率が大きく変化する現象がみられる。一
般にこの現象を誘電分散といい、このとき誘電損失(ta
nδ)の異常な周波数特性挙動がみられる。
製造方法で製造されたNb固体電解コンデンサにおい
て、誘電損失(tanδ)の異常な周波数特性挙動がみら
れる原因は、Nb酸化物層皮膜と固体電解質層との界面
に水分が吸着しているためと考えられる。即ち、この水
分がダイポール(双極子)となり、外界からのある周波
数に対して誘電率が大きく変化する現象がみられる。一
般にこの現象を誘電分散といい、このとき誘電損失(ta
nδ)の異常な周波数特性挙動がみられる。
【0012】従って、Nb陽極体と、Nb酸化物層と、
前記Nb酸化物層に形成された固体電解質層を具備する
第1積層体(以下、「第1積層体」という。)又は前記
第1積層体に1層以上の積層膜を形成した第2積層体
(以下、「第2積層体」という。)における、前記Nb
酸化物層と前記固体電解質層との間の吸着水(以下、
「吸着水」という。)を除去することにより、好ましく
は前記Nb酸化物層に吸着した吸着水を除去することに
より、製造後のNb固体電解コンデンサでは、誘電損失
(tanδ)の異常な周波数特性挙動が抑制され、静電容
量を安定化することができる。
前記Nb酸化物層に形成された固体電解質層を具備する
第1積層体(以下、「第1積層体」という。)又は前記
第1積層体に1層以上の積層膜を形成した第2積層体
(以下、「第2積層体」という。)における、前記Nb
酸化物層と前記固体電解質層との間の吸着水(以下、
「吸着水」という。)を除去することにより、好ましく
は前記Nb酸化物層に吸着した吸着水を除去することに
より、製造後のNb固体電解コンデンサでは、誘電損失
(tanδ)の異常な周波数特性挙動が抑制され、静電容
量を安定化することができる。
【0013】好ましくは、第1積層体又は第2積層体を
熱処理して、吸着水を除去する。第2積層体としては、
例えば、第1積層体の固体電解質層の表面にグラファイ
ト層を形成した積層体、さらには、この積層体のグラフ
ァイト層の表面に銀等の金属を含有する層を形成した積
層体がある。
熱処理して、吸着水を除去する。第2積層体としては、
例えば、第1積層体の固体電解質層の表面にグラファイ
ト層を形成した積層体、さらには、この積層体のグラフ
ァイト層の表面に銀等の金属を含有する層を形成した積
層体がある。
【0014】第1積層体又は第2積層体は、好ましくは
200℃以上、より好ましくは200℃〜240℃で熱
処理する。200℃以上で熱処理することにより、吸着
水を良好に除去することができる。
200℃以上、より好ましくは200℃〜240℃で熱
処理する。200℃以上で熱処理することにより、吸着
水を良好に除去することができる。
【0015】第1積層体又は第2積層体は、好ましくは
低湿度の雰囲気中、例えば低湿度の窒素中で熱処理す
る。第1積層体又は第2積層体を低湿度の雰囲気中で2
00℃以上で熱処理することにより、吸着水をより一層
良好に除去することができる。
低湿度の雰囲気中、例えば低湿度の窒素中で熱処理す
る。第1積層体又は第2積層体を低湿度の雰囲気中で2
00℃以上で熱処理することにより、吸着水をより一層
良好に除去することができる。
【0016】第1積層体は、例えば、Nb粉末からNb
二次粒子を造粒する工程、Nb二次粒子を圧縮成形して
圧縮成形体を得る工程、Nb二次粒子の圧縮成形体を焼
成してNb陽極体を形成する工程、Nb陽極体にNbの
酸化物層を形成する工程、Nb陽極体に形成したNbの
酸化物層に固体電解質層を形成する工程により製造する
ことができる。
二次粒子を造粒する工程、Nb二次粒子を圧縮成形して
圧縮成形体を得る工程、Nb二次粒子の圧縮成形体を焼
成してNb陽極体を形成する工程、Nb陽極体にNbの
酸化物層を形成する工程、Nb陽極体に形成したNbの
酸化物層に固体電解質層を形成する工程により製造する
ことができる。
【0017】
【実施例】本発明の実施の形態について更に詳細に説明
すべく、具体的な実施例に即して以下に説明する。な
お、以下、「Nbコンデンサ」とは、コンデンサ用陽極
体としてNbを使用する固体電解コンデンサを示し、
「Taコンデンサ」とは、コンデンサ用陽極体としてT
aを使用する固体電解コンデンサを示す。
すべく、具体的な実施例に即して以下に説明する。な
お、以下、「Nbコンデンサ」とは、コンデンサ用陽極
体としてNbを使用する固体電解コンデンサを示し、
「Taコンデンサ」とは、コンデンサ用陽極体としてT
aを使用する固体電解コンデンサを示す。
【0018】〔実施例1〕[実施例1の構成] 本実施例ではコンデンサ用陽極体としてNbを使用する
電解コンデンサの製造方法を説明する。製造工程のフロ
ーチャートを図1に示す。図示した製造工程において、
固体電解質層形成後からモールド外装までの工程の間で
のいずれかの工程で、Nb酸化物層と固体電解質層との
間の吸着水を除去するための熱処理を導入するという特
徴がある。それぞれの工程について以下に説明する。
電解コンデンサの製造方法を説明する。製造工程のフロ
ーチャートを図1に示す。図示した製造工程において、
固体電解質層形成後からモールド外装までの工程の間で
のいずれかの工程で、Nb酸化物層と固体電解質層との
間の吸着水を除去するための熱処理を導入するという特
徴がある。それぞれの工程について以下に説明する。
【0019】1)〈粉末調合工程〉 Nb粉末に液状バインダーを添加して混合し、Nb粉末
が凝集したNb二次粒子を造粒する。このNb二次粒子
の造粒粉をふるいにかけ、巨大なNb二次粒子の凝集粉
を取り除き、粒度のそろったNb二次粒子を得る。
が凝集したNb二次粒子を造粒する。このNb二次粒子
の造粒粉をふるいにかけ、巨大なNb二次粒子の凝集粉
を取り除き、粒度のそろったNb二次粒子を得る。
【0020】2)〈圧縮成形・焼結工程〉 前記粉末調合工程で作成した、粒度のそろったNb二次
粒子の造粒粉を用いてコンデンサ用陽極体を作成する。
即ち、Nbワイヤのリード線をNb二次粒子の造粒粉に
埋設して、圧縮成形体を作成する。その後、10-5To
rr以下の真空中において、1200〜1300℃の高
温で、作成したNb二次粒子の造粒粉の圧縮成形体を焼
結し、コンデンサ用陽極体を得る。
粒子の造粒粉を用いてコンデンサ用陽極体を作成する。
即ち、Nbワイヤのリード線をNb二次粒子の造粒粉に
埋設して、圧縮成形体を作成する。その後、10-5To
rr以下の真空中において、1200〜1300℃の高
温で、作成したNb二次粒子の造粒粉の圧縮成形体を焼
結し、コンデンサ用陽極体を得る。
【0021】3)〈化成工程〉 化成工程は、前記圧縮成形・焼結工程で得られたコンデ
ンサ用陽極体の表面に、陽極酸化法により誘電体である
Nbの酸化物層を形成する工程である。陽極酸化法と
は、電解液中に陽極体と対抗電極を浸せきし、陽極体を
対抗電極より高電位に保つことにより、陽極体表面に酸
化物層を形成する方法である。本実施例では電解液とし
て0.6体積%のリン酸水溶液を用いて、60℃の液温
で陽極酸化を行う。
ンサ用陽極体の表面に、陽極酸化法により誘電体である
Nbの酸化物層を形成する工程である。陽極酸化法と
は、電解液中に陽極体と対抗電極を浸せきし、陽極体を
対抗電極より高電位に保つことにより、陽極体表面に酸
化物層を形成する方法である。本実施例では電解液とし
て0.6体積%のリン酸水溶液を用いて、60℃の液温
で陽極酸化を行う。
【0022】4)〈固体電解質層形成工程〉 前記化成工程で形成したNbの酸化物層である誘電体層
の上に、固体電解質層を形成する。本実施例では、固体
電解質層は、導電性高分子であるポリピロール(Pp
y)を重合させることで形成する。
の上に、固体電解質層を形成する。本実施例では、固体
電解質層は、導電性高分子であるポリピロール(Pp
y)を重合させることで形成する。
【0023】5)〈Nb酸化物層と固体電解質層との間
の吸着水を除去する熱処理工程〉 Nb陽極体に形成されたNb酸化物層と固体電解質層と
の間の吸着水は、熱処理により除去することができる。
通常は、Nb酸化物層に固体電解質層を形成した後に熱
処理を行って、吸着水を除去することができる。固体電
解質層を形成した後には、形成した固体電解質層の表面
に、順次、グラファイト層、Ag層を形成して、Nbコ
ンデンサを得て、得られたNbコンデンサを樹脂でモー
ルド外装する。なお、Ag層は、例えば、Agペースト
を加熱等により硬化させて形成した層にすることができ
る。
の吸着水を除去する熱処理工程〉 Nb陽極体に形成されたNb酸化物層と固体電解質層と
の間の吸着水は、熱処理により除去することができる。
通常は、Nb酸化物層に固体電解質層を形成した後に熱
処理を行って、吸着水を除去することができる。固体電
解質層を形成した後には、形成した固体電解質層の表面
に、順次、グラファイト層、Ag層を形成して、Nbコ
ンデンサを得て、得られたNbコンデンサを樹脂でモー
ルド外装する。なお、Ag層は、例えば、Agペースト
を加熱等により硬化させて形成した層にすることができ
る。
【0024】固体電解質層を形成した後からこのモール
ド外装工程までに、少なくとも1回の熱処理を行って、
Nb陽極体に形成されたNb酸化物層と固体電解質層と
の間の吸着水を除去する。この熱処理は、空気中におい
て200℃〜240℃で瞬間的に熱をかける処理であ
る。
ド外装工程までに、少なくとも1回の熱処理を行って、
Nb陽極体に形成されたNb酸化物層と固体電解質層と
の間の吸着水を除去する。この熱処理は、空気中におい
て200℃〜240℃で瞬間的に熱をかける処理であ
る。
【0025】[実施例1の動作の説明]本発明の特徴で
ある熱処理の説明を行う。この熱処理は200℃〜24
0℃の熱を空気中でNbコンデンサ又は製造途中のNb
コンデンサに吹き付ける。この熱処理は、Nb酸化物層
であるNb酸化皮膜と固体電解質層との界面に存在する
吸着水を除去すると考えられている。
ある熱処理の説明を行う。この熱処理は200℃〜24
0℃の熱を空気中でNbコンデンサ又は製造途中のNb
コンデンサに吹き付ける。この熱処理は、Nb酸化物層
であるNb酸化皮膜と固体電解質層との界面に存在する
吸着水を除去すると考えられている。
【0026】[実施例1の効果の説明]図2の(a)
に、固体電解質層を形成した後に200℃以上の熱処理
を行わずに製造され、室温放置しておいたモールド実装
後のNbコンデンサの静電容量と誘電損失(tanδ)の
周波数特性を示す。但し、バイアス電圧はかけていな
い。図2の(a)には、誘電損失(tanδ)に異常な挙
動がみられ、1kHz付近で極大値がみられた。しか
し、図2の(b)に示されるように、固体電解層形成後
に少なくとも一度200℃以上の熱処理を行った実施例
1の場合には前記異常な挙動は抑制され、また再び出現
することはなかった。
に、固体電解質層を形成した後に200℃以上の熱処理
を行わずに製造され、室温放置しておいたモールド実装
後のNbコンデンサの静電容量と誘電損失(tanδ)の
周波数特性を示す。但し、バイアス電圧はかけていな
い。図2の(a)には、誘電損失(tanδ)に異常な挙
動がみられ、1kHz付近で極大値がみられた。しか
し、図2の(b)に示されるように、固体電解層形成後
に少なくとも一度200℃以上の熱処理を行った実施例
1の場合には前記異常な挙動は抑制され、また再び出現
することはなかった。
【0027】この理由は以下の様に説明できる。この熱
処理は、Nb酸化皮膜表面に存在する吸着水を除去する
と考えられている。図3に示すように、Nb酸化物層で
あるNb酸化皮膜の欠陥部は、粒界部分などと考えら
れ、エネルギー的に活性なのでよく水分などが吸着しや
すい。
処理は、Nb酸化皮膜表面に存在する吸着水を除去する
と考えられている。図3に示すように、Nb酸化物層で
あるNb酸化皮膜の欠陥部は、粒界部分などと考えら
れ、エネルギー的に活性なのでよく水分などが吸着しや
すい。
【0028】この吸着水層は、Nb酸化皮膜とポリピロ
ール(Ppy)などの固体電解質層との密着を妨げてき
た。また、この水分子がダイポール(双極子)として働
き、外界からの周波数変動によって静電容量が変化する
(誘電分散といわれる)現象が生じる。熱処理によっ
て、この吸着水を除去して酸化皮膜と固体電解質層との
密着が高まる。そうすると、誘電損失(tanδ)の異常
な挙動の抑制が可能になり、ゆえに容量の安定化が発現
する。
ール(Ppy)などの固体電解質層との密着を妨げてき
た。また、この水分子がダイポール(双極子)として働
き、外界からの周波数変動によって静電容量が変化する
(誘電分散といわれる)現象が生じる。熱処理によっ
て、この吸着水を除去して酸化皮膜と固体電解質層との
密着が高まる。そうすると、誘電損失(tanδ)の異常
な挙動の抑制が可能になり、ゆえに容量の安定化が発現
する。
【0029】〔比較例1〕[比較例1の構成] 本比較例の工法としては、陽極体としてTaを用いた固
体電解コンデンサの製造工法を用いた。即ち、本比較例
の製造工程等は、陽極体としてTaを用い、Nbワイヤ
のかわりにTaワイヤを用いる以外は前記実施例1とほ
ぼ同じである。
体電解コンデンサの製造工法を用いた。即ち、本比較例
の製造工程等は、陽極体としてTaを用い、Nbワイヤ
のかわりにTaワイヤを用いる以外は前記実施例1とほ
ぼ同じである。
【0030】[比較例1の動作の説明]陽極体としてT
aを用いた場合についても、説明した前記実施例1とほ
ぼ同じである。
aを用いた場合についても、説明した前記実施例1とほ
ぼ同じである。
【0031】[比較例1の効果の説明]図4の(a)及
び(b)に示すように、同様に作成したTaコンデンサ
ではNbコンデンサでみられたような誘電損失(tan
δ)の異常な挙動はみられない。図4の(a)は、固体
電解質層を形成した後に200℃以上の熱処理なしで製
造したTaコンデンサの静電容量と誘電損失(tanδ)
の周波数特性を示す図であり、図4の(b)は、固体電
解質層を形成した後に200℃以上の熱処理をして製造
したTaコンデンサの静電容量と誘電損失(tanδ)の
周波数特性を示す図である。
び(b)に示すように、同様に作成したTaコンデンサ
ではNbコンデンサでみられたような誘電損失(tan
δ)の異常な挙動はみられない。図4の(a)は、固体
電解質層を形成した後に200℃以上の熱処理なしで製
造したTaコンデンサの静電容量と誘電損失(tanδ)
の周波数特性を示す図であり、図4の(b)は、固体電
解質層を形成した後に200℃以上の熱処理をして製造
したTaコンデンサの静電容量と誘電損失(tanδ)の
周波数特性を示す図である。
【0032】誘電損失(tanδ)の異常な周波数特性挙
動の現象は、Nbコンデンサに特有のものと考えられ
る。これはTa酸化皮膜表面と比較してNb酸化皮膜表
面には粒界・格子欠陥などが多いため、異常な現象がみ
られるのではないかと考えられる。
動の現象は、Nbコンデンサに特有のものと考えられ
る。これはTa酸化皮膜表面と比較してNb酸化皮膜表
面には粒界・格子欠陥などが多いため、異常な現象がみ
られるのではないかと考えられる。
【0033】〔実施例2及び比較例2〕[実施例2及び
比較例2の構成] 比較例1で示したように、Taコンデンサ、即ち、陽極
体としてTaを用いた固体電解質コンデンサでは誘電損
失の特異な挙動はみられない。しかし、Nb固体電解コ
ンデンサでも工程中に前記した熱処理以外にも熱がかか
ることがある。例えば、Agペースト塗布・焼き付け時
などである。この時の焼き付け温度は、実施例1の先の
熱処理温度200℃〜240℃より低温であるが、加熱
時間が10分など長い工程もある。そこで熱処理の時間は
変化させず、かける温度を変化させた場合どの程度の温
度で誘電損失の挙動に効果が現れるか調査した。用いた
試料の製造工程は前記実施例1に同じである。
比較例2の構成] 比較例1で示したように、Taコンデンサ、即ち、陽極
体としてTaを用いた固体電解質コンデンサでは誘電損
失の特異な挙動はみられない。しかし、Nb固体電解コ
ンデンサでも工程中に前記した熱処理以外にも熱がかか
ることがある。例えば、Agペースト塗布・焼き付け時
などである。この時の焼き付け温度は、実施例1の先の
熱処理温度200℃〜240℃より低温であるが、加熱
時間が10分など長い工程もある。そこで熱処理の時間は
変化させず、かける温度を変化させた場合どの程度の温
度で誘電損失の挙動に効果が現れるか調査した。用いた
試料の製造工程は前記実施例1に同じである。
【0034】[実施例2及び比較例2の動作の説明]前
記実施例1と同様に行うが、かける熱の温度を変化させ
た。即ち、熱処理なし(比較例2−1)、150℃(比
較例2−2)、180℃(比較例2−3)、200℃
(実施例2−1)及び220℃(実施例2−2)であ
る。その他の条件は前記実施例1と同じである。
記実施例1と同様に行うが、かける熱の温度を変化させ
た。即ち、熱処理なし(比較例2−1)、150℃(比
較例2−2)、180℃(比較例2−3)、200℃
(実施例2−1)及び220℃(実施例2−2)であ
る。その他の条件は前記実施例1と同じである。
【0035】[実施例2及び比較例2の効果の説明]熱
処理温度を変化させた場合の結果を図5に示す。図5に
示すように、熱処理温度150℃(比較例2−2)、1
80℃(比較例2−3)では誘電損失の周波数挙動に特
異なピーク(極大値)がみられた。200℃(実施例2
−1)ではピークはとらず値は上昇していき、Taコン
デンサの周波数挙動と同じであった。220℃(実施例
2−2)では誘電損失の値は低下していき完全にピーク
は見えなくなった。このことから誘電損失にはかけた時
間より温度が影響していると考えられる。
処理温度を変化させた場合の結果を図5に示す。図5に
示すように、熱処理温度150℃(比較例2−2)、1
80℃(比較例2−3)では誘電損失の周波数挙動に特
異なピーク(極大値)がみられた。200℃(実施例2
−1)ではピークはとらず値は上昇していき、Taコン
デンサの周波数挙動と同じであった。220℃(実施例
2−2)では誘電損失の値は低下していき完全にピーク
は見えなくなった。このことから誘電損失にはかけた時
間より温度が影響していると考えられる。
【0036】〔実施例3〕[実施例3の構成] 前記実施例2及び比較例2では熱処理の温度について扱
った。本実施例では熱処理の雰囲気について変化させた
場合の影響について検討した。実施例1で説明した通り
実施例1の熱処理は大気中で行っている。これに対して
本実施例では、大気中にも多少であるが水分が含まれて
いることに鑑み、熱処理を乾燥した窒素中で行ってみ
た。これ以外の製造工程は前記実施例1に同じである。
った。本実施例では熱処理の雰囲気について変化させた
場合の影響について検討した。実施例1で説明した通り
実施例1の熱処理は大気中で行っている。これに対して
本実施例では、大気中にも多少であるが水分が含まれて
いることに鑑み、熱処理を乾燥した窒素中で行ってみ
た。これ以外の製造工程は前記実施例1に同じである。
【0037】[実施例3の動作の説明]前記実施例1と
同様に行うが、大気中でなく窒素雰囲気おいて熱処理を
行った。その他の条件は前記実施例1に同じである。
同様に行うが、大気中でなく窒素雰囲気おいて熱処理を
行った。その他の条件は前記実施例1に同じである。
【0038】[実施例3の効果の説明]窒素雰囲気中で
熱処理を行うと、誘電損失の異常な挙動は抑制できた。
窒素中の水分は空気中と比較して少なく、よりいっそう
の効果が出たものだと考えられる。
熱処理を行うと、誘電損失の異常な挙動は抑制できた。
窒素中の水分は空気中と比較して少なく、よりいっそう
の効果が出たものだと考えられる。
【0039】〔比較例3〕[比較例3の構成] 前記実施例1で述べた通り、Nb固体電解コンデンサに
おいて固体電解質層作成後の工程、即ち、グラファイト
層形成、Ag層形成からモールド外装までに熱処理を行
うと誘電損失の挙動・静電容量の安定化に効果がある。
これに対してそれ以前の工程で同様の熱処理を行うと、
誘電損失の挙動にどのような挙動がみられるか検討し
た。Nb固体電解コンデンサの製造方法において固体電
解質層形成前で化成後の試料Aを用い熱処理を行った。
化成までの工程は前記実施例1に記した製造工程に同じ
である。
おいて固体電解質層作成後の工程、即ち、グラファイト
層形成、Ag層形成からモールド外装までに熱処理を行
うと誘電損失の挙動・静電容量の安定化に効果がある。
これに対してそれ以前の工程で同様の熱処理を行うと、
誘電損失の挙動にどのような挙動がみられるか検討し
た。Nb固体電解コンデンサの製造方法において固体電
解質層形成前で化成後の試料Aを用い熱処理を行った。
化成までの工程は前記実施例1に記した製造工程に同じ
である。
【0040】[比較例3の動作の説明]上述の試料Aに
前記実施例1で記したものと同じ操作を行った。
前記実施例1で記したものと同じ操作を行った。
【0041】[比較例3の効果の説明]上述の試料Aを
モールド工程後に熱処理を行うと、図6に示すように、
この試料Aを用いてコンデンサを製造した場合でも誘電
損失の周波数特性挙動に変化がみられ、誘電損失の異常
なピークが熱処理をしたにもかかわらず出現した。この
結果より、固体電解質層形成前に熱処理を行っても、誘
電損失の異常な挙動は抑制できず、固体電解質層形成工
程以前の熱処理は効果がないことが確認された。
モールド工程後に熱処理を行うと、図6に示すように、
この試料Aを用いてコンデンサを製造した場合でも誘電
損失の周波数特性挙動に変化がみられ、誘電損失の異常
なピークが熱処理をしたにもかかわらず出現した。この
結果より、固体電解質層形成前に熱処理を行っても、誘
電損失の異常な挙動は抑制できず、固体電解質層形成工
程以前の熱処理は効果がないことが確認された。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のNb固体
電解コンデンサーの製造方法によれば、誘電損失(tan
δ)の異常な周波数特性挙動・誘電分散が抑制され、静
電容量が安定化したNb固体電解コンデンサーを製造す
ることができる。
電解コンデンサーの製造方法によれば、誘電損失(tan
δ)の異常な周波数特性挙動・誘電分散が抑制され、静
電容量が安定化したNb固体電解コンデンサーを製造す
ることができる。
【0043】その理由は、本発明のNb固体電解コンデ
ンサの製造方法が、Nb陽極体と、Nb酸化物層と、前
記Nb酸化物層に形成された固体電解質層を具備する第
1積層体に、積層膜を形成してNb固体電解コンデンサ
を得る製造方法であって、前記第1積層体又は前記第1
積層体に1層以上の積層膜を形成した第2積層体におけ
る、前記Nb酸化物層と前記固体電解質層との間の吸着
水を除去する工程を含むようにしたからである。
ンサの製造方法が、Nb陽極体と、Nb酸化物層と、前
記Nb酸化物層に形成された固体電解質層を具備する第
1積層体に、積層膜を形成してNb固体電解コンデンサ
を得る製造方法であって、前記第1積層体又は前記第1
積層体に1層以上の積層膜を形成した第2積層体におけ
る、前記Nb酸化物層と前記固体電解質層との間の吸着
水を除去する工程を含むようにしたからである。
【0044】本発明のNb固体電解コンデンサーは、誘
電損失(tanδ)の異常な周波数特性挙動・誘電分散が
抑制され、静電容量が安定化している。その第1の理由
は、本発明のNb固体電解コンデンサが、本発明のNb
固体電解コンデンサの製造方法により製造され、前記N
b酸化物層と前記固体電解質層との間の吸着水を除去し
たからである。また、その第2の理由は、本発明のNb
固体電解コンデンサが、Nb陽極体と、Nb酸化物層
と、前記Nb酸化物層に形成された固体電解質層を具備
するNb固体電解コンデンサであって、前記Nb酸化物
層と前記固体電解質層との間に前記Nb酸化物層に吸着
する吸着水を有さないようにしたからである。
電損失(tanδ)の異常な周波数特性挙動・誘電分散が
抑制され、静電容量が安定化している。その第1の理由
は、本発明のNb固体電解コンデンサが、本発明のNb
固体電解コンデンサの製造方法により製造され、前記N
b酸化物層と前記固体電解質層との間の吸着水を除去し
たからである。また、その第2の理由は、本発明のNb
固体電解コンデンサが、Nb陽極体と、Nb酸化物層
と、前記Nb酸化物層に形成された固体電解質層を具備
するNb固体電解コンデンサであって、前記Nb酸化物
層と前記固体電解質層との間に前記Nb酸化物層に吸着
する吸着水を有さないようにしたからである。
【図1】図1は、本発明の実施例1のNb固体電解コン
デンサの製造工程のフローチャートである。
デンサの製造工程のフローチャートである。
【図2】図2の(a)は、固体電解質層を形成した後に
200℃以上の熱処理を行わない従来の製造方法で製造
したNbコンデンサの容量・tanδの周波数特性を示す
図であり、図2の(b)は、固体電解質層を形成した後
に200℃以上の熱処理を行った実施例1の製造方法で
製造したNbコンデンサの容量・tanδの周波数特性を
示す図である。
200℃以上の熱処理を行わない従来の製造方法で製造
したNbコンデンサの容量・tanδの周波数特性を示す
図であり、図2の(b)は、固体電解質層を形成した後
に200℃以上の熱処理を行った実施例1の製造方法で
製造したNbコンデンサの容量・tanδの周波数特性を
示す図である。
【図3】図3は、Nb酸化物層と固体電解質層との界面
の一例の模式図である。
の一例の模式図である。
【図4】図4の(a)は、固体電解質層を形成した後に
200℃以上の熱処理を行わないで製造したTaコンデ
ンサの容量・tanδの周波数特性を示す図であり、図4
の(b)は、固体電解質層を形成した後に200℃以上
の熱処理を行って製造したTaコンデンサの容量・tan
δの周波数特性を示す図である。
200℃以上の熱処理を行わないで製造したTaコンデ
ンサの容量・tanδの周波数特性を示す図であり、図4
の(b)は、固体電解質層を形成した後に200℃以上
の熱処理を行って製造したTaコンデンサの容量・tan
δの周波数特性を示す図である。
【図5】図5は、熱処理温度と誘電損失の挙動を示す図
である。
である。
【図6】図6は、固体電解質層を形成する前に200℃
以上の熱処理を行って製造したNbコンデンサの誘電損
失の挙動を示す図である。
以上の熱処理を行って製造したNbコンデンサの誘電損
失の挙動を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】Nb陽極体と、Nb酸化物層と、前記Nb
酸化物層に形成された固体電解質層を具備する第1積層
体に、積層膜を形成してNb固体電解コンデンサを得る
製造方法であって、 前記第1積層体又は前記第1積層体に1層以上の積層膜
を形成した第2積層体における、前記Nb酸化物層と前
記固体電解質層との間の吸着水を除去する工程を含むこ
とを特徴とするNb固体電解コンデンサの製造方法。 - 【請求項2】前記第1積層体又は前記第2積層体を熱処
理して、前記吸着水を除去することを特徴とする請求項
1に記載のNb固体電解コンデンサの製造方法。 - 【請求項3】前記第1積層体又は前記第2積層体を20
0℃以上で熱処理することを特徴とする請求項2に記載
のNb固体電解コンデンサの製造方法。 - 【請求項4】前記第1積層体又は前記第2積層体を低湿
度の雰囲気中で熱処理することを特徴とする請求項2〜
3のいずれか一に記載のNb固体電解コンデンサの製造
方法。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれか一に記載のNb固
体電解コンデンサの製造方法により製造され、前記Nb
酸化物層と前記固体電解質層との間の吸着水を除去した
ことを特徴とするNb固体電解コンデンサ。 - 【請求項6】Nb陽極体と、Nb酸化物層と、前記Nb
酸化物層に形成された固体電解質層を具備するNb固体
電解コンデンサであって、 前記Nb酸化物層と前記固体電解質層との間に前記Nb
酸化物層に吸着する吸着水を有さないことを特徴とする
Nb固体電解コンデンサ。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10250255A JP2000082639A (ja) | 1998-09-04 | 1998-09-04 | Nbコンデンサの製造方法 |
EP99250292A EP0984470A3 (en) | 1998-09-04 | 1999-08-26 | Process for preparing an Nb capacitor |
US09/389,489 US6243255B1 (en) | 1998-09-04 | 1999-09-03 | Process for preparing a Nb capacitor |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10250255A JP2000082639A (ja) | 1998-09-04 | 1998-09-04 | Nbコンデンサの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000082639A true JP2000082639A (ja) | 2000-03-21 |
Family
ID=17205169
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10250255A Pending JP2000082639A (ja) | 1998-09-04 | 1998-09-04 | Nbコンデンサの製造方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6243255B1 (ja) |
EP (1) | EP0984470A3 (ja) |
JP (1) | JP2000082639A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002134368A (ja) * | 2000-10-26 | 2002-05-10 | Showa Denko Kk | コンデンサ用粉体、焼結体及びその焼結体を用いたコンデンサ |
US7112819B2 (en) | 2003-04-23 | 2006-09-26 | Hitachi, Ltd. | Semiconductor device and manufacturing method thereof |
JP2007150252A (ja) * | 2005-11-07 | 2007-06-14 | Saga Sanyo Industries Co Ltd | 固体電解コンデンサの製造方法 |
JP2009296019A (ja) * | 2001-04-12 | 2009-12-17 | Showa Denko Kk | ニオブコンデンサの製造方法 |
JP2011155314A (ja) * | 2005-11-07 | 2011-08-11 | Sanyo Electric Co Ltd | 固体電解コンデンサの製造方法 |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6375704B1 (en) | 1999-05-12 | 2002-04-23 | Cabot Corporation | High capacitance niobium powders and electrolytic capacitor anodes |
US6358625B1 (en) * | 1999-10-11 | 2002-03-19 | H. C. Starck, Inc. | Refractory metals with improved adhesion strength |
MXPA02008557A (es) | 2000-03-01 | 2003-04-14 | Cabot Corp | Metales nitrurados con efecto de valvula y procesos para la preparacion de los mismos. |
CZ20031556A3 (cs) * | 2000-11-06 | 2004-03-17 | Cabot Corporation | Modifikované oxidy ventilových kovů se sníženým obsahem kyslíku |
EP1454330B2 (en) * | 2001-12-10 | 2017-10-04 | Showa Denko K.K. | Niobium alloy, sintered body thereof, and capacitor using the same |
DE102005028262B4 (de) | 2005-06-17 | 2010-05-06 | Kemet Electronics Corp. | Kondensator mit einer Elektrode und Herstellungsverfahren für den Kondensator mit der Elektrode |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3597664A (en) * | 1969-12-05 | 1971-08-03 | Norton Co | Niobium-zirconium-titanium capacitor electrode |
JPS5858805B2 (ja) * | 1977-06-27 | 1983-12-27 | 富士通株式会社 | 固体電解コンデンサの製造方法 |
JPH05121274A (ja) * | 1991-09-05 | 1993-05-18 | Rohm Co Ltd | 固体電解コンデンサ及びその製造方法 |
JP3281658B2 (ja) * | 1992-11-30 | 2002-05-13 | 三洋電機株式会社 | 固体電解コンデンサとその製造方法 |
JP3196832B2 (ja) * | 1998-05-15 | 2001-08-06 | 日本電気株式会社 | 固体電解コンデンサ及びその製造方法 |
-
1998
- 1998-09-04 JP JP10250255A patent/JP2000082639A/ja active Pending
-
1999
- 1999-08-26 EP EP99250292A patent/EP0984470A3/en not_active Withdrawn
- 1999-09-03 US US09/389,489 patent/US6243255B1/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002134368A (ja) * | 2000-10-26 | 2002-05-10 | Showa Denko Kk | コンデンサ用粉体、焼結体及びその焼結体を用いたコンデンサ |
JP2009296019A (ja) * | 2001-04-12 | 2009-12-17 | Showa Denko Kk | ニオブコンデンサの製造方法 |
US7112819B2 (en) | 2003-04-23 | 2006-09-26 | Hitachi, Ltd. | Semiconductor device and manufacturing method thereof |
JP2007150252A (ja) * | 2005-11-07 | 2007-06-14 | Saga Sanyo Industries Co Ltd | 固体電解コンデンサの製造方法 |
JP2011155314A (ja) * | 2005-11-07 | 2011-08-11 | Sanyo Electric Co Ltd | 固体電解コンデンサの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0984470A2 (en) | 2000-03-08 |
EP0984470A3 (en) | 2003-12-10 |
US6243255B1 (en) | 2001-06-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9287055B2 (en) | Solid electrolytic capacitor and method for manufacturing same | |
US7729103B2 (en) | Solid electrolytic capacitor and method of producing the same | |
KR100880482B1 (ko) | 고체 전해 콘덴서 및 그 제조 방법 | |
EP1275125B1 (en) | Niobium sintered body, production method therefor, and capacitor using the same | |
EP0844630B1 (en) | Fabrication method of solid electrolytic capacitor | |
JP3296727B2 (ja) | 固体電解コンデンサの製造方法 | |
JP2000082639A (ja) | Nbコンデンサの製造方法 | |
US8513123B2 (en) | Method of manufacturing solid electrolytic capacitor | |
JP3486113B2 (ja) | Ta固体電解コンデンサの製造方法 | |
JP2005079333A (ja) | 分散液用弁作用金属粉末およびそれを使用した固体電解コンデンサ | |
JP3416061B2 (ja) | 固体電解コンデンサおよびその製造方法 | |
CN1499549A (zh) | 固体电解电容器的制造方法 | |
RU2463679C1 (ru) | Способ получения катодной обкладки конденсатора и оксидно-полупроводниковый конденсатор | |
KR20000022765A (ko) | 엔비콘덴서의 제조방법 | |
JPH02267915A (ja) | 固体電解コンデンサの製造方法 | |
JP2833383B2 (ja) | 固体電解コンデンサの製造方法 | |
JPH11224833A (ja) | 固体電解コンデンサ用多孔質陽極体の製造方法 | |
JP2004018966A (ja) | チタン酸化被膜の形成方法およびチタン電解コンデンサ | |
JPH05275293A (ja) | 固体電解コンデンサの製造方法 | |
JP2000188241A (ja) | 固体電解コンデンサ及びその製造方法 | |
JPH08162372A (ja) | 電解コンデンサの製造方法 | |
JP2003109850A (ja) | 固体電解コンデンサの製造方法 | |
JP3454733B2 (ja) | 固体電解コンデンサの製造方法 | |
JPH07153650A (ja) | 固体電解コンデンサの製造方法 | |
JP2730512B2 (ja) | 固体電解コンデンサ陽極体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040330 |