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JP2000080553A - 複合弾性不織布 - Google Patents

複合弾性不織布

Info

Publication number
JP2000080553A
JP2000080553A JP24617698A JP24617698A JP2000080553A JP 2000080553 A JP2000080553 A JP 2000080553A JP 24617698 A JP24617698 A JP 24617698A JP 24617698 A JP24617698 A JP 24617698A JP 2000080553 A JP2000080553 A JP 2000080553A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
net
composite
composite fiber
core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24617698A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazunari Nishino
和成 西野
Shigeyuki Motomura
茂之 本村
Kazuya Kusano
和也 草野
Haruki Nagaoka
春樹 長岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP24617698A priority Critical patent/JP2000080553A/ja
Publication of JP2000080553A publication Critical patent/JP2000080553A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度、風合いに優れるとともに、伸縮性に優
れ、かつ伸長後の残留歪みが小さい弾性不織布を提供す
る。 【解決手段】 複合弾性不織布は、エラストマー材料か
らなるネットの片面または両面に、スパンボンド法によ
り製造された複合繊維不織布が接合されている。ネット
の網目形状は方形状のものが好ましい。複合繊維は芯鞘
型またはサイドバイサイド型複合繊維が好ましく、さら
には偏心芯鞘型またはサイドバイサイド型の捲縮複合繊
繊維が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、引伸ばし可能な保
護カバー、包装材、パップ材、上着、下着、生理用品、
使い捨ておむつ等に用いられ、エラストマー材料等で成
形したネットに不織布を積層し複合化した複合弾性不織
布に関する。
【0002】
【従来の技術】スパンボンド不織布に代表される不織布
は、近年さまざまな用途に使用されてきている。そし
て、その用途に応じて各種特性の向上が要求される。例
えば、紙おむつのギャザー、生理用ナプキン等の衛生材
料の一部、湿布材の基布等に用いられる不織布は、使用
される箇所によっては通気性に優れるとともに、伸縮性
にも優れることが要求され、さらに、工業生産における
成形加工に際して適度な強度を有することも要求され
る。
【0003】伸縮性を有する不織布としては、これま
で、熱可塑性エラストマーおよび/またはポリオレフィ
ンを含む組成物を用いメルトブロー法によって成形した
不織布や、潜在捲縮繊維からなる不織布が知られてい
る。前者の不織布は、一般的なポリオレフィンからなる
不織布に比べて、目付量当たりの破断強度が弱いため、
所要の強度のものを得るためには、高目付量にしなけれ
ばならず高コストになる。さらに、縦方向に低応力で、
伸長性を有し、不織布原反巻き出し時に原反の幅落ち、
巻き取り時の巻き物硬さ等の問題があり成形加工への適
応性が低い。また、後者の潜在捲縮繊維からなる不織布
では、その伸縮性は繊維の捲縮・伸長にともなう構造変
化によって発現するため、伸縮性には限界があって小さ
いものにとどまり、さらに所要の強度を得るためには高
目付のものにする必要があり高コストにならざるを得な
い。
【0004】伸縮性を有する他の不織布としては、エラ
ストマー材料の繊維質ウェブに不織ウェブを積層させた
複合弾性不織布が知られる。たとえば、特開昭62−8414
3号公報、特開昭62−28456号公報、特開昭62−33889号
公報には、SEBS(ポリスチレン/ポリ(エチレン-ブ
チレン)/ポリスチレン)ブロック共重合体、SIS
(ポリスチレン/ポリイソプレン/ポリスチレン)ブロ
ック共重合体等のエラストマー材料を主成分とし、メル
トブロー法によって成形した不織弾性ウェブを伸張させ
て、これに非弾性材料でできた不織ウェブを積層後、熱
と圧力を掛けて接合した複合弾性不織布が開示されてい
る。
【0005】この複合弾性不織布は、引張強度は大きい
が、硬さ感が有り風合いに劣るという問題点がある。ま
た、エラストマー材料には耐熱性の面で難点があり、高
温成形を余儀なくされるメルトブロー法ではエラストマ
ー材料単体によるウェブ化が不可能である。その対策と
してエラストマー材料とポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフインとのブレンド樹脂が用いられるが、
高温においてはポリオレフインとSEBSブロック共重
合体或いはSISブロック共重合体等のエラストマー材
料との相容性が悪く、ブレンド可能な樹脂の選択範囲が
狭いという問題点がある。
【0006】この問題を解決するため、本出願人により
提出された特開平4−281059号公報によれば、エラスト
マー材料で成形したネットを芯材とし、これに不織布ウ
ェブを接合させた複合弾性不織布が開示される。これに
より縦および横方向の伸縮性は改善されたが、ネットの
拡幅装置を必要とするなど、まだ十分ではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術に伴う問題を解決しようとするものであっ
て、強度、風合いに優れるとともに、伸縮性に優れ、か
つ伸長後の残留歪みが小さい弾性不織布を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る複合弾性不
織布は、エラストマー材料からなるネットの片面または
両面に、スパンボンド法により製造された複合繊維不織
布が接合されたものである。本発明では、ネットの網目
形状として菱形ではなく方形状のものが好ましい。
【0009】本発明では、前記複合繊維が芯鞘型または
サイドバイサイド型複合繊維であることが好ましく、さ
らには、偏心芯鞘型またはサイドバイサイド型の捲縮複
合繊維であることが好ましい。
【0010】また、本発明に係る複合弾性不織布では、
前記複合繊維不織布として縦方向に延伸倍率1.1〜5
倍で延伸されたものを用いることが好ましい。
【0011】また、本発明の複合弾性不織布では、前記
ネットとして縦方向に延伸倍率1.1〜6倍で延伸され
たものを用いることが好ましい。
【0012】また、本発明の複合弾性不織布では、前記
複合繊維の表面の少なくとも一部を形成する樹脂がポリ
オレフィンからなり、かつ、前記ネットが、エラストマ
ー材料とポリオレフィンとのブレンド樹脂からなること
が好ましい。
【0013】本発明では、前記複合繊維の表面の少なく
とも一部を形成するポリオレフィン樹脂と、前記ネット
のエラストマー材料にブレンドされるポリオレフィンと
の融点差が、−5〜30℃の範囲内であることが好まし
い。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係る複合弾性不織布は、
エラストマー材料からなるネットの片面または両面に、
スパンボンド法により製造された複合繊維不織布が接合
されたものである。以下に、エラストマー材料からなる
ネットおよびスパンボンド法により製造された複合繊維
不織布について具体的に説明する。
【0015】ネット本発明のネットの成形材料として用
いられるエラストマーは、熱可塑性エラストマーであ
る。熱可塑性エラストマーは、常温では加硫ゴムと同様
な弾性体の性質を持ち(分子中のソフトセグメントによ
る)、高温では通常の熱可塑性樹脂と同様に既存の成形
機をそのまま使って成形することのできる(分子中のハ
ードセグメントによる)高分子材料である。
【0016】熱可塑性エラストマーとしては、スチレン
系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン
系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリア
ミド系エラストマー等が挙げられる。これらの中では、
スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、
ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー
が好ましい。
【0017】スチレン系エラストマーとしては、SEB
S、SIS、SEPS(ポリスチレン/ポリ(エチレン-
プロピレン)/ ポリスチレン)、SBS(ポリスチレン
/ポリブタジエン/ ポリスチレン)等のブロック共重
合体が例示される。具体的には、クレイトン(Kraton:
シェル化学(株)製)、キャリフレックスTR(シェル化
学(株)製)、ソルプレン(フィリップスペトロリファム
社製)、ユーロプレンSOLT(アニッチ社製)、タフ
プレン(旭化成(株)製)、ソルプレンT(日本エラスト
マー(株)製)、JSRTR(日本合成ゴム(株)製)、電
化STR(電気化学(株)製)、クインタック(日本ゼオ
ン(株)製)、クレイトンG(シェル化学(株)製)、タフ
テック(旭化成(株)製)〔いずれも商品名〕などが挙げ
られる。
【0018】オレフィン系エラストマーとしては、エチ
レン-α-オレフィンランダム共重合体や第三成分として
ジエンを共重合させたものなどが挙げられ、具体的に
は、エチレン-プロピレンランダム共重合体、エチレン-
1-ブテンランダム共重合体、EPDM(エチレン-プロ
ピレン-ジエン共重合体、ジエン成分としてはジシクロ
ペンタジエンまたはエチリデンノルボルネン)をソフト
セグメントに、ポリオレフィンをハードセグメントにし
たものなどが例示され、商品名としては、タフマー(三
井化学(株)製)、ミラストマー(三井化学(株)製)など
が挙げられる。
【0019】ウレタン系エラストマーとして熱可塑性の
ものは、ポリエステル、低分子グリコール、メチレンビ
スフェニルイソシアネートまたはトリジンジイソシアネ
ートからなるポリウレタンであり、ポリラクトンエステ
ルポリオールに短鎖ポリオールの存在下ポリイソシアネ
ートを付加重合したもの、アジピン酸とグリコールとの
アジピン酸エステルポリオールに短鎖ポリオールの存在
下ポリイソシアネートを付加重合したもの、テトラヒド
ロフランの開環で得られたポリテトラメチレングリコー
ルに短鎖ポリオールの存在下ポリイソシアネートを付加
重合したものなどが例示される。具体的には、ブルコラ
ン(バイエル社製)、ケミガムSL(グッドイヤー社
製)、アジプレン(デュポン社製)、バルカプレン(I
CI社製)〔いずれも商品名〕などが挙げられる。
【0020】ポリエステル系エラストマーとしては、芳
香族ポリエステルをハードセグメントに、非晶性ポリエ
ーテルや脂肪族ポリエステルをソフトセグメントにした
ものが挙げられる。具体的にはポリブチレンテレフタレ
ート/ポリテトラメチレンエーテルグリコールブロック
共重合体などが挙げられる。
【0021】ポリアミド系エラストマーとしては、ナイ
ロンをハードセグメントに、ポリエステルまたはポリオ
ールをソフトセグメントにしたものなどが挙げられる。
具体的には、ナイロン12/ポリテトラメチレングリコ
ールブロック共重合体などが挙げられる。
【0022】プラスチックネットの成形は公知である。
例えば、菱形目合いのプラスチックネットに関しては特
公昭34−4185号公報に、方形目合いのプラスチックネッ
トに関しては特公昭38−21224号公報に開示されてい
る。そして、連続的な製造方法に関しても、特公昭44−
3877号公報、特公昭52−107374号公報、特公昭63−2767
号公報、特公平3−71256号公報等に開示されているよう
に、多くの提案がなされている。本発明に係るネットの
製造は、それらに限定されることなく各種の方法を採用
し得る。例えば、条溝を一定間隔で多数外周面に形成し
たインナーダイと、内周面に形成したアウターダイとよ
り構成されたダイを用い、インナーダイとアウターダイ
とを互いに逆向きに回転させる押出し成形により筒状の
ネットが製造できる。本発明では、成形された筒状のも
のを切り開いて使用する。ネット目合いは、菱形目合い
であっても方形目合いであっても使用できるが、本発明
ではハンドリング上、また縦横方向への伸縮性の点で方
形目合いが好ましい。
【0023】上述の成形方法によれば、エラストマー材
料を低温(180〜210℃)成形でネットを得ること
が出来る。ネットと不織布の接合には、ウォータージェ
ットによる交絡方法も用いることができるが、後述する
ようにネットに不織布を積層後熱と圧力を掛けて接合す
る場合、エラストマー単体では耐熱性の問題から単体ネ
ットが切れ易くなるため、ポリオレフインをブレンドし
たものを用いるのが好ましい。
【0024】ここで用いられるポリオレフィンは、ポリ
エチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンが好ま
しく、ポリエチレンとしては、エチレンの単独重合体、
またはエチレンと、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセ
ン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンなどのα-オレフ
ィンとの共重合体が挙げられる。また、ポリプロピレン
としては、プロピレンの単独重合体、またはプロピレン
と、エチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペ
ンテン、1-オクテンなどのα-オレフィンとの共重合体
が挙げられる。この時の好ましいポリオレフィンのブレ
ンド割合は、50%重量以下である。 低温成形におい
てはエラストマー材料とポリオレフインとは相容性がよ
く、ブレンドする樹脂の選択幅を広げることができる。
【0025】本発明においては、ネットの目付が、10
〜200g/m2、さらには40〜100g/m2である
ことが好ましい。 以上の様にして得られるネットは、
横及び縦方向の伸縮性に優れ、低温成形が可能であるか
らエラストマー材料単体による成形もでき、熱接着時に
起こるネット切れを防止する目的でブレンドされるポリ
オレフインとの相容性に優れるので成形加工も容易とな
る。
【0026】複合繊維不織布 本発明に係る複合繊維は、低融点樹脂と、融点差が通常
10℃以上の高い融点を有する高融点樹脂とから構成さ
れる複合繊維であって、低融点樹脂が繊維表面の少なく
とも一部を長さ方向に連続して形成しているものであ
る。具体的には、低融点樹脂からなる鞘部と、高融点樹
脂からなる芯部とから構成される芯鞘型複合繊維、およ
び低融点樹脂部と高融点樹脂部とから構成されるサイド
バイサイド型複合繊維が好ましい。
【0027】本発明に係る芯鞘型複合繊維の鞘部を形成
する低融点樹脂としては、不織布の風合いの点でエチレ
ン系重合体が好ましい。本発明で用いられるエチレン系
重合体としては、エチレンの単独重合体、またはエチレ
ンと、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1
-ペンテン、1-オクテンなどのα-オレフィンとの共重合
体が挙げられる。
【0028】一方、芯鞘型複合繊維の芯部を形成する高
融点樹脂としては、たとえばプロピレン系重合体、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹
脂、ナイロン等のポリアミド樹脂などが挙げられる。こ
れらの中でも、プロピレン系重合体が好ましい。
【0029】プロピレン系重合体としては、プロピレン
の単独重合体、またはプロピレンと、エチレン、1-ブテ
ン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンな
どのα-オレフィンとの共重合体が挙げられる。これら
の中でも、プロピレンと少量のエチレンとからなり、エ
チレンに由来する構造単位含有量が5モル%以下のプロ
ピレン・エチレンランダム共重合体がとくに好ましい。
この共重合体を用いると、紡糸性が良好で、複合繊維の
生産性に優れ、良好な柔軟性を有する不織布が得られ
る。
【0030】低融点樹脂と高融点樹脂との重量構成比
(低融点樹脂/高融点樹脂)は、2/8〜8/2の範囲
にあることが好ましい。
【0031】上記のような本発明に係る芯鞘型複合繊維
は、通常、繊度は4d以下であり、より柔軟性に優れた
不織布が得られる点で、3d以下であることが好まし
い。
【0032】本願発明に係る芯鞘型複合繊維は、繊維断
面において、円形状の芯部が中心を同じくするドーナツ
状の鞘部に包まれる同芯型でもよいし、また、芯部の中
心と鞘部の中心がずれている偏芯型でもよい。また、芯
部が繊維表面に部分的に露出した偏芯の芯鞘型複合繊維
であってもよい。これらの中では、伸長性に優れる捲縮
複合繊維が得られる偏心芯鞘型が好ましい。
【0033】本発明に係るサイドバイサイド型複合繊維
は、低融点樹脂部と、高融点樹脂部とから構成されてい
る。このサイドバイサイド型複合繊維を形成する低融点
樹脂および高融点樹脂は、それぞれ上述した芯鞘型複合
繊維を形成する低融点樹脂および高融点樹脂と同じであ
る。
【0034】サイドバイサイド型複合繊維は、低融点樹
脂と高融点樹脂との重量構成比(低融点樹脂/高融点樹
脂)は、2/8〜8/2の範囲にあることが好ましい。
特に伸長性に優れる捲縮複合繊維が得られる点で、低融
点樹脂と高融点樹脂との重量構成比(低融点樹脂/高融
点樹脂)は、3/7〜7/3の範囲にあることが好まし
い。
【0035】また、上記のような本発明に係るサイドバ
イサイド型複合繊維は、通常、繊度は4d以下であり、
より柔軟性に優れた不織布が得られる点で、3d以下で
あることが好ましい。
【0036】本発明では、前記ネットがエラストマー材
料とポリオレフィンとのブレンド樹脂から形成される場
合、後述する熱融着による接合が容易である点で、複合
繊維の表面の少なくとも一部を形成する樹脂がポリエチ
レンやポリプロピレンなどのポリオレフィンであること
が好ましく、特にネットを形成するエラストマー材料に
ブレンドされるポリオレフィンの融点と、複合繊維の表
面の少なくとも一部を形成するポリオレフィンの融点と
の差が、−5〜30℃の範囲内であることが好ましい。
【0037】本発明に係る複合繊維不織布は、例えば上
記のような芯鞘型またはサイドバイサイド型複合繊維か
らなる不織布であり、スパンボンド法により製造され
る。複合繊維不織布は、芯鞘型複合繊維の芯を構成する
高融点樹脂と、鞘を構成する低融点樹脂とを、それぞれ
別個に押出機等で溶融し、各溶融物を所望の芯鞘構造を
形成して吐出するように構成された複合紡糸ノズルを有
する紡糸口金から吐出させて、芯鞘型の複合繊維を紡出
させる。紡出された複合繊維を、冷却流体により冷却
し、さらに延伸エアによって複合繊維に張力を加えて所
定の繊度とし、そのまま捕集ベルト上に捕集して所定の
厚さに堆積させて複合繊維のウェブを得る。これによ
り、高強度の不織布が得られるとともに、偏心芯鞘型に
することにより伸長性の捲縮複合繊維とすることができ
る。
【0038】その後、エンボスロールを用いる熱エンボ
ス加工により交絡させることによって調製する。熱エン
ボス加工におけるエンボス面積率(刻印面積率:不織布
における熱圧着部分の占める割合)は、用途に応じて適
宜決定することができる。通常、エンボス面積率を5〜
40%の範囲内にすると、柔軟性、通気度および摩擦堅
牢度のバランスに優れる複合繊維不織布が得られる。
【0039】また、上記芯鞘型複合繊維用複合紡糸ノズ
ルに代えて、サイドバイサイド型複合繊維用複合紡糸ノ
ズルを用いれば、本発明に係るサイドバイサイド型複合
繊維からなる不織布を得ることができる。これにより、
高強度の不織布が得られるとともに、伸長性の捲縮複合
繊維とすることができる。
【0040】本発明に係る複合繊維不織布は、通常、目
付が30g/m2以下の不織布が柔軟性を必要とする用
途には適しているが、用途に応じては30g/m2を超
える高目付の不織布であってもよい。
【0041】複合弾性不織布 また、本発明に係る複合弾性不織布は、上述したエラス
トマー材料からなるネットの片面または両面に、上述の
複合繊維不織布を接合してなるものである。接合の前
に、予め複合繊維不織布を縦延伸することが好ましい。
なお、「縦方向」とは、不織布の形成時にウェブの流れ
方向に平行な方向(MD)であり、「横方向」とは、ウ
ェブの流れ方向に垂直な方向(CD)である。芯鞘型や
サイドバイサイド型の複合繊維、特に偏心芯鞘型の捲縮
複合繊維やサイドバイサイド型の捲縮複合繊維からなる
不織布を縦方向に延伸することにより、低応力での横伸
長度が向上し、接合されたネットの伸縮に追従して伸縮
性に優れた複合弾性不織布を与える。しかも伸長後の残
留歪みが小さく、伸縮くり返し使用に十分な耐性を有す
る。
【0042】不織布の延伸は、次の条件で行うことが好
ましい。延伸温度は、低融点樹脂の融点より20〜40
℃低い温度、延伸倍率1.1〜5倍、延伸行路長2.5
m以下で、幅縮み量60%以上となるように縦延伸す
る。ここで、幅縮み量とは、〔{(延伸前の不織布幅)
−(延伸後の不織布幅)}/(延伸前の不織布幅)〕×
100で与えられる。また、延伸行路長とは、延伸処理
中に回転速度差をつけているロール間の距離をいう。不
織布の加熱方法は、オーブンや、熱板、赤外線などを用
いることができる。
【0043】延伸倍率が1,1倍に達しないと横伸長度
が低くなり過ぎ、5倍を超えると不織布の延伸切れを起
こす可能性が高くなる。より好ましい延伸倍率は、同芯
芯鞘型複合繊維の場合は、1.1〜5倍、さらには1.
2〜2.0倍であり、偏心芯鞘型やサイドバイサイド型
の捲縮複合繊維の場合は、1.1〜5倍、さらには1.
2〜3.0倍である。
【0044】また、複合繊維不織布との接合の前に、ネ
ットを延伸処理することは、ネットの横伸長度を挙げる
ために効果的である。ネットの延伸条件は、延伸温度9
0〜130℃、延伸倍率1.1〜6倍、好ましくは1.
3〜3倍である。1.1倍に達しない場合、エラストマ
ー材料の弾性範囲内のため延伸効果は得られない。一
方、5倍を超えると、エラストマー材料の破断点に近づ
くためネットの破断が生じ易くなる。
【0045】ネットと複合繊維不織布との接合は、例え
ばウォータージェット、超音波加工、ヒートエンボス、
ニードルパンチなどによって行われる。このうち、ウォ
ータージェットによるものが伸縮性に最も優れ、しかも
ネットの切断をもたらすことなく複合化することができ
て好ましい。図1はヒートエンボスによって行われる例
を示すもので、ネット4を引伸ばした状態で、両面にリ
ール5より繰出した不織布6を熱と圧力を掛けて接合す
るものである。
【0046】図1の例は、ネットを引伸ばした状態で不
織布を接合し、ネットが収縮したとき不織布を弛緩させ
伸張を容易にさせたものであるが、ネットを引伸ばさな
いで不織布を接合させることも同様にできる。
【0047】以上により得られた複合弾性不織布は、横
方向の伸長性に優れ、伸長後の残留歪みが小さく、伸縮
性に優れているので、引伸ばし可能な保護カバー、包装
材、パップ材、上着、下着、生理用品、使い捨ておむつ
等に好適に使用できる。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれら実施例により限定されるものではない。な
お、実施例および比較例で得られた不織布の柔軟性評価
および引張強度の測定は、次の方法により行なった。 (1)引張試験特性 JIS L1906に準拠し、幅50mmの試験片を引
張試験機を用いて、室温下グリップ間隔100mm、引
張速度100mm/分で測定した。破断したときの最大
強度、最大伸度を求めた。 (2)伸長時の歪 幅25mmの試験片を、引張試験と同様に、グリップ間
隔100mmで引張試験機に保持し、室温下、引張速度
100mm/分で伸度50%または100%まで伸長さ
せた後、同じ速度で戻し、応力が0となったときの伸び
率を歪として求めた。
【0049】(参考例1)メルトフローレート(ASTM1238
準拠、温度230℃、荷重2160g)12g/分、密度(勾
配管法)0.91g/cm3、硬度(JIS K6253準拠、スフ
゜リンク゛硬度計)Hs(ショアーA)80のSEBSを用いて、
目付80g/m2の目開き縦10mm、横4mmの方形
目合いの(Square)ネットを、条溝を一定間隔で多数外
周面に形成したインナーダイと、外周面に形成した固定
マンドレルと、上下運動する円形のマンドレルからな
り、下降して下端とが互いに接触する毎に間壁によって
部分的にふさがれ直線部材と連結するネット成形方法
で、成形温度190℃で作製した。このネットの測定結
果を表1に示す。
【0050】(参考例2)参考例1で作製したネット
を、沸騰水中で延伸倍率2倍で延伸を行った。このネッ
トの測定結果を表1に示す。
【0051】(実施例1)密度(勾配管法)が0.95
0g/cm3であり、融点(DSC測定値)が125℃
であるLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)からなる
低融点樹脂と、エチレン含量が4.0モル%であり、融
点が140℃であるポリプロピレンからなる高融点樹脂
を、それぞれ別個に押出機で溶融混練し、各溶融物を、
偏心芯鞘構造を形成して吐出するように構成された複合
紡糸ノズルを有する紡糸口金から吐出させて複合紡糸を
行ない、ポリプロピレンからなる芯部と、LLDPEか
らなる鞘部とから構成される偏芯芯鞘型の捲縮複合繊維
を形成した(芯/鞘重量比:8/2、繊度2.5d)。
得られた芯鞘型複合繊維を捕集面上に堆積させ、エンボ
ス加工装置を用いて、エンボスロール表面温度121℃
で熱エンボス加工(刻印面積率:25%)を施し、目付
23g/m2の複合繊維不織布を得た。
【0052】次に参考例1で得られたネットの両面にこ
の不織布を積層後、エンボス加工装置を用いてエンボス
ロール表面温度118/116℃で接合し、複合弾性不
織布を調製した。この不織布の評価結果を表1に示す。
【0053】(実施例2)ネットに参考例2のものを使
用した以外は、実施例1と同様に弾性複合不織布を調製
した。この不織布の評価結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明により、強度、風合いに優れると
ともに伸縮性に優れ、かつ伸長後の残留歪が小さい弾性
不織布を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るネットと複合繊維不織布のヒート
エンボスによる接合方法を示す模式図である。
【符号の説明】
1 S字型ローラ装置 2 ボンダー
ローラ装置 3 ネット原反リール 4 ネット 5 複合繊維不織布原反リール 6 複合繊維
不織布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 草野 和也 三重県四日市市朝明町1番地 三井化学株 式会社内 (72)発明者 長岡 春樹 三重県四日市市朝明町1番地 三井化学株 式会社内 Fターム(参考) 4F100 AK03A AK03B AK07 AK63 AL05A AL09A BA02 DC16A DG15B DG20B EC18 EJ37A EJ37B EJ40 GB15 GB72 JA04A JA04B JK01 JK07 YY00A YY00B 4L047 AA14 AA27 AB03 AB09 BA05 BA09 BB01 BB09 CA07 CA09 CA19 CC01 CC04 CC05 DA00 EA10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エラストマー材料からなるネットの片面
    または両面に、スパンボンド法により製造された複合繊
    維不織布が接合されてなることを特徴とする複合弾性不
    織布。
  2. 【請求項2】 前記複合繊維が、芯鞘型またはサイドバ
    イサイド型複合繊維である請求項1に記載の複合弾性不
    織布。
  3. 【請求項3】 前記複合繊維が、偏心芯鞘型またはサイ
    ドバイサイド型の捲縮複合繊維であることを特徴とする
    請求項1に記載の複合弾性不織布。
  4. 【請求項4】 前記複合繊維不織布が、縦方向に延伸倍
    率1.1〜5倍で延伸されたものであることを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の複合弾性不織
    布。
  5. 【請求項5】 前記ネットが、縦方向に延伸倍率1.1
    〜6倍で延伸されたものであることを特徴とする請求項
    1ないし4のいずれかに記載の複合弾性不織布。
  6. 【請求項6】 前記複合繊維の表面の少なくとも一部を
    形成する樹脂がポリオレフィンからなり、かつ、前記ネ
    ットが、エラストマー材料とポリオレフィンとのブレン
    ド樹脂からなるものであることを特徴とする請求項1な
    いし5のいずれかに記載の複合弾性不織布。
  7. 【請求項7】 前記複合繊維の表面の少なくとも一部を
    形成するポリオレフィン樹脂の融点と、前記ネットを形
    成するエラストマー材料にブレンドされるポリオレフィ
    ンの融点との差が、−5〜30℃の範囲内であることを
    特徴とする請求項6に記載の複合弾性不織布。
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