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JP2000067743A - プラズマディスプレイパネルの隔壁形成方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの隔壁形成方法

Info

Publication number
JP2000067743A
JP2000067743A JP23165398A JP23165398A JP2000067743A JP 2000067743 A JP2000067743 A JP 2000067743A JP 23165398 A JP23165398 A JP 23165398A JP 23165398 A JP23165398 A JP 23165398A JP 2000067743 A JP2000067743 A JP 2000067743A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
partition wall
photosensitive
solvent
wall material
acrylate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23165398A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Nakazawa
明 中澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP23165398A priority Critical patent/JP2000067743A/ja
Publication of JP2000067743A publication Critical patent/JP2000067743A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 PDPの隔壁形成方法に関し、感光性隔壁材
料層の所定部分をペースト状態のまま露光した後、現像
せずに乾燥させるだけで隔壁形状を形成し、それを焼成
することにより、より容易に、かつ高精度に隔壁を形成
する。 【解決手段】 基板に溶媒を含む感光性隔壁材料を塗布
し、実質的に溶媒を含む状態で感光性隔壁材料の所定位
置を露光した後、現像に付することなく溶媒を除去し、
焼成して隔壁を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、プラズマディス
プレイパネル(PDP)の隔壁形成方法に関し、さらに
詳しくは、マトリクス表示方式のPDPの隔壁形成方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】PDPは視認性に優れ、高速表示が可能
であり、しかも比較的大画面化の容易な薄型表示デバイ
スである。特に面放電型のPDPは、駆動電圧の印加に
際して対となる表示電極を同一の基板上に配列したPD
Pであり、蛍光体によるカラー表示に適している。
【0003】従来、マトリクス表示方式のPDPにおい
ては、隔壁(リブ)の形成は、主として、スクリーン印
刷法によりガラスペーストを繰り返し積層し、焼成する
ことにより行われていた。
【0004】また、感光性材料を用いた隔壁形成方法も
知られている。この方法としては、例えば、特開平9−
199013号公報に記載のような隔壁形成方法が知ら
れており、これにおいては、液状感光性樹脂組成物(感
光性ペースト)を基板に塗布後、露光し、この工程を繰
り返すことにより液状感光性樹脂組成物を積層し、その
後現像、焼成し、隔壁を得るようにしている。
【0005】さらに、特開平9−283035号公報に
記載のような隔壁形成方法も知られており、これにおい
ては、感光性材料、ガラス粉末、溶媒からなる感光性ペ
ーストを基板に塗布後、乾燥、露光、現像することによ
り隔壁を形成するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スクリ
ーン印刷による方法では、パネルの面積が大きくなるほ
ど位置合わせとスクリーン歪みによるパターン形状歪み
の問題があった。
【0007】また、上述の特開平9−199013号公
報や特開平9−283035号公報に記載の感光性材料
を用いた隔壁形成方法では、感光性ペーストを塗布後、
必ず露光、現像の工程を経て隔壁を形成する必要があっ
た。
【0008】この発明は、PDPの隔壁を、より容易
に、かつ高精度に形成するためになされたもので、感光
性隔壁材料層の所定部分を溶媒を含んだ状態(ペースト
状態)のまま露光した後、現像せずに溶媒を除去する
(乾燥させる)だけで隔壁形状を形成し、それを焼成す
ることで隔壁を形成するようにしたプラズマディスプレ
イパネルの隔壁形成方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者らは、感
光性ペーストに対し、ペースト状態で露光光を照射する
ことにより、以下のような作用で隔壁を形成することが
できることを見いだした。
【0010】すなわち、感光性ペーストを乾燥させず
に、ペースト状態のままで露光光を照射すると、表面に
樹脂層ができる。これは、以下のような原理に基づくも
のと考えられる。すなわち、感光性ペーストには、光重
合性化合物(感光性モノマー)が含まれており、これが
光重合することによって硬化する。この時、モノマーが
ポリマー(樹脂層)となるのであるが、この過程におい
て、露光部分では、溶媒中に均一に分散していたモノマ
ーが、感光度合いの高い部分、つまり感光性ペーストの
表面に集合しつつ重合してポリマーになり、これにより
感光性ペーストの表面に樹脂層ができるものと思われ
る。
【0011】そして、それをそのまま現像せずに乾燥さ
せると、乾燥時にはこの樹脂層がその下部の乾燥を抑え
るように働く。一方、未露光部は比較的速く乾燥する。
乾燥時には溶媒が蒸発するので、未露光部と樹脂層下部
とで溶媒の濃度に差が生じ、この差(浸透圧)により樹
脂層下部から未露光部に溶媒が移行(浸透)しようとす
るが、この時固形分(低融点ガラス)も一緒に移動す
る。これにより、露光部分は薄い膜になり、未露光部は
厚膜となって、隔壁形状が出現する、ということを見い
だし、本発明に至った。
【0012】かくしてこの発明によれば、基板に溶媒を
含む感光性隔壁材料を塗布し、実質的に溶媒を含む状態
で感光性隔壁材料の所定位置を露光した後、現像に付す
ることなく溶媒を除去し、焼成して隔壁を形成すること
を特徴とするプラズマディスプレイパネルの隔壁形成方
法が提供される。
【0013】本発明によれば、スクリーン印刷法で用い
るようなスクリーンが不要となり、スクリーンの位置合
わせや歪みも考慮する必要がないため、容易にかつ高精
度に隔壁を形成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】この発明においては、まず、基板
に溶媒を含む感光性隔壁材料を塗布する。基板として
は、ガラス、石英、シリコン等の基板や、これらの基板
上に、電極、絶縁膜、誘電体層、保護膜等の所望の構成
物を形成した基板が含まれる。
【0015】溶媒を含む感光性隔壁材料としては、有機
溶媒、感光性材料、低融点ガラス粉末からなるペースト
を用いることができる。
【0016】有機溶媒としては、例えば、エチルセロソ
ルブアセテート、エチルセロソルブ、トルエン、メチル
セロソルブ、酢酸エチル、メタノール、イソブチルアル
コール、ブチルセロソルブ、メチルセルソルブ、メチル
エチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノ
ン、シクロペンタノン、イソプロピルアルコール、テト
ラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチロ
ラクトンなどや、これらのうち1種以上を含有する有機
溶媒混合物を用いることができる。
【0017】感光性材料としては、特に限定されず、公
知の材料をいずれも使用することができる。例えば、分
子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和基
(ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基な
ど)を有する光重合性化合物、光重合開始剤等を含む感
光性材料が挙げられる。
【0018】感光性材料には、架橋剤、紫外線吸収剤、
増感剤、増感助剤、重合禁止剤、可塑剤、増粘剤、酸化
防止剤、分散剤、有機あるいは無機の沈殿防止剤などの
添加剤成分が加えられていてもよい。
【0019】光重合性化合物は、感光性モノマーおよび
感光性ポリマーの内、少なくとも1種類から選ばれる光
反応性成分を含むものであればよい。
【0020】感光性モノマーとしては、炭素−炭素不飽
和結合を含有する化合物で、その具体的な例として、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピル
アクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチル
アクリレート、sec−ブチルアクリレート、イソ−ブ
チルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n
−ペンチルアクリレート、アリルアクリレート、ベンジ
ルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキ
シトリエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシ
ルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジ
シクロペンテニルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルア
クリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソデキ
シルアクリレート、イソオキチルアクリレート、ラウリ
ルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メ
トキシエチレングリコールアクリレート、メトキシジエ
チレングリコールアクリレート、オクタフロロペンチル
アクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステア
リルアクリレート、トリフロロエチルアクリレート、ア
リル化シクロヘキシルジアクリレート、1,4−ブタン
ジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコール
ジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、
ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレング
リコールジアクリレート、、ポリエチレングリコールジ
アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタア
クリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレ
ート、グリセロールジアクリレート、メトキシ化シクロ
ヘキシルジアクリレート、ネオペンチルグルコールジア
クリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ポ
リプロピレングリコールジアクリレート、トリグリセロ
ールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート、アクリルアミド、アミノエチルアクリレート
および上記化合物の分子内のアクリレートを一部もしく
はすべてをメタクリレートに変えたもの、γ−メチクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−
ピロリドン、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキ
シエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アク
リレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナ
フチル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メ
タ)アクリレート、ビスフェノールA−エチレンオキサ
イド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール
A−プロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレ
ート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチ
ル(メタ)アクリレート、チオフェノール(メタ)アク
リレート、ベンジルメルカプタン(メタ)アクリレート
またこれらの芳香環中の1〜5個の水素原子を塩素また
は臭素原子に置換した化合物を用いることができる。
【0021】感光性ポリマーとしては、感光性オリゴマ
ーを含み、炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物や、
スチレンやビニルナフタレン、α−メチルナフタレン等
を重合して用いることができる。
【0022】光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフ
ェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス
(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジ
エチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロベン
ゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケ
トン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエ
トキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェ
ニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−
2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロ
アセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサ
ントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピル
チオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジル、
ベンジルジメチルケタノール、ベンジル−メトキシエチ
ルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−
t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノ
ン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズア
ントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、4
−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−
アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス
(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサ
ノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−
メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパ
ンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、
1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エ
トキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エト
キシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキ
シム、ミヒラ−ケトン、2−メチル−〔4−(メチルチ
オ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、
ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニル
クロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4−ア
ゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、
ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホルフィ
ン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェ
ニルスルホン、過酸化ベンゾインおよびエオシン、メチ
レンブルーなどの光還元性の色素とアスコルビン酸、ト
リエタノールアミンなどの還元剤の組み合わせなどが挙
げられ、これらを1種または2種以上使用することがで
きる。
【0023】低融点ガラス粉末としては、例えば、酸化
鉛,酸化ビスマス,酸化リチウム,酸化ナトリウム,酸
化カリウムを含有したガラス粉末を用いることができ
る。このガラス粉末は、SiO2 ,B2 3 ,BaO,
ZnO,Al2 3 ,PbO,MgO,CaO,TiO
2 ,ZrO2 を含んでいてもよい。
【0024】また、上記のようなガラス成分以外に、荷
重熱軟化温度が600℃以上のガラスやセラミックスな
どを含有することができる。これらの材料はフィラーと
して機能し、隔壁の強度を向上することができる。
【0025】荷重熱軟化温度が600℃以上のガラスや
セラミックスとしては、SiO2 を30重量%以上含有
するガラスやAl2 3 を20重量%以上含有するガラ
ス、もしくは、アルミナやジルコニアやコーディエライ
トのようなセラミックス粉末を用いることができる。
【0026】感光性隔壁材料の粘度は、無機微粒子、増
粘剤、有機溶媒、可塑剤および沈殿防止剤などの添加割
合によって適宜調整することができる。
【0027】次に、実質的に溶媒を含む状態で感光性隔
壁材料の所定位置を露光する。実質的に溶媒を含む状態
とは、感光性隔壁材料が乾燥せずペースト状態であるこ
とを意味する。すなわち、積極的に乾燥させない状態で
あり、沸点の高い溶媒を用いたとしても自然蒸発によっ
て失われる溶媒があるため、ある程度の溶媒を含む状態
であればよい。このように溶媒が含まれた状態の感光性
隔壁材料に露光光を照射することにより、感光性隔壁材
料の所定位置の表面に樹脂層を作る。
【0028】感光性隔壁材料の所定位置の露光は、公知
のフォトリソグラフィの手法を用いて行うことができ
る。すなわちフォトマスクを介して露光することにより
行うことができる。この時用いるフォトマスクは、材
料、形成方法とも、公知のフォトリソグラフィの手法で
用いられるものをそのまま適用することができる。な
お、この感光性隔壁材料の所定位置の露光は、これに限
定されず、レーザー光などで選択的に露光を行うなうも
のであってもよい。
【0029】露光の際の露光量については、通常の公知
のフォトリソグラフィの手法で用いられている露光量で
よいが、露光時間については、感光性隔壁材料の表面に
樹脂層ができるように適当に設定してもよい。
【0030】なお、露光により光重合性化合物が重合し
て樹脂を形成するが、この重合には、モノマーどうしの
重合の他、ポリマーとポリマー(またはモノマー)の架
橋による重合も含まれる。
【0031】露光光としては、例えば、近紫外線、紫外
線、電子線、X線などが挙げられるが、これらの中で紫
外線が好ましく、その光源としては、例えば、低圧水銀
灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌
灯などが使用できる。これらの中でも超高圧水銀灯が好
適である。露光条件は塗布厚みによって異なるが、5〜
1000mJ/cm2 の出力の超高圧水銀灯を用いて
0.1〜30分間露光を行う。
【0032】次に、現像に付することなく溶媒を除去
し、焼成する。現像に付することなく溶媒を除去すると
は、感光性隔壁材料を露光した後、現像せずに、感光性
隔壁材料を乾燥させることを意味する。乾燥に際して
は、基板ごと乾燥炉内に搬入し、70〜100℃の温度
で、15分〜30分程度かけてゆっくり乾燥させること
が望ましい。この乾燥の過程で、上述の原理により隔壁
形状が出現するのであるが、この隔壁の形状および隔壁
の高さは、感光性隔壁材料の乾燥の速さ、感光性隔壁材
料中の有機溶媒の種類および量によって左右されるた
め、これらを適当に設定する。
【0033】焼成は、焼成炉にて行う。焼成雰囲気や温
度はペーストや基板の種類によって異なるが、通常は空
気中もしくは窒素雰囲気中で焼成する。焼成温度は42
0〜460℃で行う。
【0034】この発明の隔壁形成方法においては、所定
位置として、隔壁間の溝部に対応する位置を露光するこ
とにより、隔壁を形成することができる。
【0035】感光性隔壁材料の塗布に際しては、溶媒を
含む感光性隔壁材料を基板上に保持するための保持枠を
基板に配置し、流動性(粘性)のあるペースト状の感光
性隔壁材料がその塗布した周辺部に流れないようにする
ことが望ましい。
【0036】この保持枠は、感光性隔壁材料の塗布高さ
を一定にするための機能と、フォトマスクと感光性隔壁
材料との距離を一定に保つためのスぺーサとしての機能
とを兼ね備えたものであることが望ましく、これによ
り、感光性隔壁材料の厚さを規定するとともに、フォト
マスクと感光性隔壁材料面との距離を一定に保つことが
できる。
【0037】以下、図面に示す実施の形態に基づいてこ
の発明を詳述する。なお、これによってこの発明が限定
されるものではない。
【0038】図1は本発明の実施例を示す3電極面放電
構造のPDPの内部構造を示す斜視図である。
【0039】PDP1は、前面側のガラス基板11の内
面に、行L毎に一対ずつサステイン電極(表示電極)
X,Yが配列されている。行Lは画面における水平方向
のセル列である。サステイン電極X,Yは、それぞれが
ITOからなる透明導電膜41とCr−Cu−Crから
なる金属膜(バス電極)42で形成され、低融点ガラス
からなる厚さ30μm程度の誘電体層17で被覆されて
いる。誘電体層17の表面にはマグネシア(MgO)か
らなる厚さ数千オングストロームの保護膜18が設けら
れている。アドレス電極Aは、背面側のガラス基板21
の内面を覆う下地層22の上に配列されており、厚さ1
0μm程度の誘電体層24によって被覆されている。誘
電体層24の上には、高さ150μmの平面視直線帯状
の隔壁29が、各アドレス電極Aの間に1つずつ設けら
れている。これらの隔壁29によって放電空間30が行
方向にサブピクセル(単位発光領域)毎に区画され、且
つ放電空間30の間隙寸法が規定されている。そして、
アドレス電極Aの上方及び隔壁29の側面を含めて背面
側の内面を被覆するように、カラー表示のためのR,
G,Bの3色の蛍光体層28R,28G,28Bが設け
られている。3色の配置パターンは、1列のセルの発光
色が同一で且つ隣接する列どうしの発光色が異なるスト
ライプパターンである。なお、隔壁形成に際しては、コ
ントラストを高めるために頂上部を暗色に着色し、他の
部分を白色に着色して可視光の反射率を高めるのが望ま
しい。着色は材料のガラスペーストに所定色の顔料を添
加することにより行う。
【0040】放電空間30には主成分のネオンにキセノ
ンを混合した放電ガスが充填されており(封入圧力は5
00Torr)、蛍光体層28R,28G,28Bは放
電時にキセノンが放つ紫外線によって局部的に励起され
て発光する。表示の1ピクセル(画素)は行方向に並ぶ
3個のサブピクセルで構成される。各サブピクセル内の
構造体がセル(表示素子)である。隔壁29の配置パタ
ーンがストライプパターンであることから、放電空間3
0のうちの各列に対応した部分は全ての行Lに跨がって
列方向に連続している。そのため、隣接する行Lどうし
の電極間隙(逆スリット)の寸法は各行Lの面放電ギャ
ップ(例えば50〜150μmの範囲内の値)より十分
に大きく、列方向の放電結合を防ぐことのできる値(例
えば150〜500μmの範囲内の値)に選定されてい
る。なお、逆スリットには非発光の白っぽい蛍光体層を
隠す目的で、前面側ガラス基板11の外面側又は内面側
に図示しない遮光膜が設けられる。
【0041】図2は隔壁の形成方法を示す説明図であ
る。本発明の隔壁形成方法においては、まず、背面側の
ガラス基板21の周囲に樹脂でペースト保持枠としての
スペーサ2を設け、感光性隔壁材料としての感光性ペー
スト3をスペーサ2と同じ高さになるように塗布する
(図2(A)参照)。
【0042】背面側のガラス基板21としては、図1で
示した背面側のガラス基板21に下地層22、アドレス
電極A、誘電体層24が形成されたものを用いる。
【0043】スペーサ2は、感光性ペースト3を背面側
のガラス基板21上に保持するためのものであり、これ
により流動性(粘性)のある感光性ペースト3がその塗
布した周辺部に流れず、一定の塗布高さに保たれるよう
にする。
【0044】すなわち、このスペーサ2は、感光性ペー
スト3の塗布高さを一定にするための機能と、後述する
フォトマスクと感光性ペースト3との距離を一定に保持
するためのスぺーサとしての機能とを兼ね備えており、
これにより、感光性ペースト3の厚さを規定するととも
に、フォトマスクと感光性ペースト3との距離を一定に
保つ。
【0045】本例においては、スペーサ2は、ポリエチ
レンテレフタレートの材料を用い、厚さ130μmに形
成した。スペーサ2としては、どのような樹脂を用いて
もよく、他にポリエチレンナフタレート、ポリイミド等
のものを用いることができる。
【0046】感光性ペースト3には、低融点ガラス粉末
と感光性材料と有機溶媒とを混ぜ合わせたものを用い
る。
【0047】本例においては、感光性ペースト3として
は、一般にネガ型フォトレジストとして市販されている
東京応化工業(株)社製のPMER N−HC600Y
に、公知の低融点ガラス粉末を混ぜ合わせたものを適用
した。混合比は、東京応化工業社製のフォトレジスト7
4重量%、低融点ガラス粉末26重量%とした。
【0048】東京応化工業社製のフォトレジストは、感
光性材料35重量%、有機溶媒(エチルセロソルブアセ
テート、エチルセロソルブ、トルエン、メチルセロソル
ブ、酢酸エチル、メタノール、イソブチルアルコール、
ブチルセロソルブ)65重量%の配合となっているの
で、感光性ペースト3の成分としては、低融点ガラス粉
末26重量%、感光性材料26重量%、有機溶媒48重
量%であった。有機溶媒は、上記と同等の沸点を有する
ものであればどのようなものを用いてもよい。
【0049】本例においては、感光性ペースト3は、ス
ペーサ2の高さと同じ130μmの厚みで塗布した。感
光性ペースト3の塗布方法は、公知のスクリーン印刷法
を適用したが、他の方法で塗布してもよい。
【0050】次に、感光性ペースト3を乾燥させずにペ
ースト状態のまま、感光性ペースト3上にフォトマスク
4を設置し、紫外線5を照射して、感光性ペースト3を
露光する(図2(B)参照)。これにより、感光性ペー
スト3の表面に樹脂層を形成する。
【0051】感光性ペースト3の感光の程度は、露光量
と感光性ペースト3中の感光性材料の質および量に影響
されるため、これらを適切に設定して、感光性ペースト
3の表面に樹脂層が形成されるようにする。
【0052】本例においては、感光性ペースト3の表面
から0.1mmのギャップになるようにフォトマスク4
を設置した。露光光は、超高圧水銀灯を用い、紫外線を
照射した。露光条件は500mJ/cm2 で露光を行っ
た。フォトマスク4は公知のフォトリソグラフィで用い
るものと同じものを用いた。これにより、感光性ペース
ト3の表面に深さ約5μmの樹脂層を形成することがで
きた。
【0053】次に、現像せずに、そのまま感光性ペース
ト3を乾燥させ、これにより自動的に隔壁形状6が出現
するようにする(図2(C)参照)。出現する隔壁の形
状および隔壁の高さは、感光性ペースト3の乾燥の速
さ、感光性ペースト3中の溶媒の種類および量によって
左右されるため、これらを適切に設定する。本例におい
ては、乾燥は、基板21を乾燥室に入れ、70℃で15
分間かけてゆっくり乾燥させた。
【0054】次に、スペーサ2を除去し、焼成すること
により隔壁を形成する(図2(D)参照)。本例では、
高さ90μmの隔壁29が形成された基板21を得た。
【0055】この隔壁形成方法は、図3に示すような原
理に基づくものである。すなわち、感光性ペースト3を
乾燥させずに、ペースト状態のままで紫外線を照射する
と、感光性ペースト3の表面に樹脂層3aができる(図
3(A)参照)。
【0056】これは、以下のような理由によるものと考
えられる。すなわち、上述したように、感光性ペースト
3には、光重合性化合物(感光性モノマー)が含まれて
おり、これが光重合することによって硬化する。この
時、モノマーがポリマー(樹脂層)となるのであるが、
この過程において、露光部分では、溶媒中に均一に分散
していたモノマーが、感光度合いの高い部分、すなわち
感光性ペーストの表面に集合しつつ重合してポリマーに
なり、これにより感光性ペーストの表面に樹脂層ができ
るものと思われる。
【0057】それをそのまま現像せずに乾燥させると、
乾燥時にはこの樹脂層3aがその下部の乾燥を抑えるよ
うに働く。一方、未露光部3bは樹脂層3aの部分と比
較して速く乾燥する。乾燥時には、未露光部3bから溶
媒が蒸発するので、未露光部3bと樹脂層3a下部とで
溶媒の濃度に差が生じ、この差(浸透圧)により樹脂層
3a下部から未露光部3bに、図中矢印で示すように、
溶媒が移行(浸透)しようとするが、この時低融点ガラ
スも一緒に移動する。このようにして樹脂層3aのでき
た露光部分は薄い膜になり、一方、未露光部3bは厚膜
となるため隔壁形状が出現する(図3(B)参照)。
【0058】そして、これを焼成することにより、隔壁
を形成することができる(図3(C)参照)。
【0059】
【発明の効果】この発明によれば、マスクに対するピッ
チ等のずれがなく、高精度の隔壁を形成することができ
る。また、塗布−露光−乾燥−焼成という簡単な工程な
ので低コストで隔壁を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す3電極面放電構造のPD
Pの内部構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の隔壁形成方法を示す説明図である。
【図3】本発明の隔壁形成方法の原理を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 AC型のPDP 2 スペーサ 3 感光性ペースト 4 フォトマスク 5 紫外線 6 隔壁状の凸部 11 前面側のガラス基板 17 誘電体層 18 保護膜 21 背面側のガラス基板 22 下地層 24 誘電体層 28R,28G,28B 蛍光体層 29 隔壁 30 放電空間 41 透明導電膜 42 金属膜 A アドレス電極 L 行 X,Y サステイン電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に溶媒を含む感光性隔壁材料を塗布
    し、実質的に溶媒を含む状態で感光性隔壁材料の所定位
    置を露光した後、現像に付することなく溶媒を除去し、
    焼成して隔壁を形成することを特徴とするプラズマディ
    スプレイパネルの隔壁形成方法。
  2. 【請求項2】 所定位置が、隔壁間の溝部に対応する位
    置である請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの
    隔壁形成方法。
  3. 【請求項3】 感光性隔壁材料の塗布が、感光性隔壁材
    料を基板上に保持するための保持枠を基板に配置して行
    われることからなる請求項1記載のプラズマディスプレ
    イパネルの隔壁形成方法。
  4. 【請求項4】 保持枠が、感光性隔壁材料の塗布高さを
    一定にするための機能と、フォトマスクと感光性隔壁材
    料との距離を一定に保つためのスぺーサとしての機能と
    を兼ね備えてなる請求項3記載のプラズマディスプレイ
    パネルの隔壁形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003197094A (ja) * 1999-10-19 2003-07-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電極及び電極の製造方法及びプラズマディスプレイ表示装置及びプラズマディスプレイ表示装置の製造方法

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