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JP2000063954A - カムシャフトの再溶融処理方法 - Google Patents

カムシャフトの再溶融処理方法

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JP2000063954A
JP2000063954A JP10226997A JP22699798A JP2000063954A JP 2000063954 A JP2000063954 A JP 2000063954A JP 10226997 A JP10226997 A JP 10226997A JP 22699798 A JP22699798 A JP 22699798A JP 2000063954 A JP2000063954 A JP 2000063954A
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remelting
cam
camshaft
treatment
marking
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Hiroaki Kusuki
弘明 楠木
Kazuyuki Oda
和幸 織田
Shinji Yamamoto
真司 山本
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Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な方法で、容易に再溶融処理にかかるカム
と装置とを対応づけすることができる再溶融処理方法を
提供することを目的とする。 【解決手段】再溶融処理装置は、通常の再溶融処理が完
了した後、図4に示すようにカム40のベース円部42
をトーチ23を用いてアークを照射して意図的に肩ダレ
が生じさせる。この場合、第1処理ステーションにおけ
る第1再溶融処理装置によって、再溶融処理がなされた
ことを示すために、当該処理したカムのベース円部42
の右側に1つの側部に上記意図的な肩ダレ43によって
マーキングを施す。再溶融処理においては、トーチ23
は、カム表面上を回転方向及び幅方向に関して、任意に
移動することができる。したがって、通常の再溶融処理
が行われた後に、所定の位置に意図的な肩ダレ43のた
めの照射を行うように、予め、コントロールユニット2
7において再溶融処理装置28に対し、カム上の回転位
置と、左右方向位置を設定して置けばよい。このこと
は、一般的には、プログラム上の操作であるので簡単で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カム表面に硬度の高い
チル化組織を形成するために高密度エネルギー熱源を利
用してカム表面を再溶融させるカムシャフトの再溶融処
理方法に関する。
【0002】
【本発明の背景】カム表面を再溶融処理し、その後冷却
することによってカム表面部分に所定の厚さで硬度の高
いチル化層を形成し、カムの耐磨耗性を向上させること
は従来から公知である。この方法では、カム表面を再溶
融させるために、TIGトーチあるいはプラズマトーチ
等を用い、トーチを一方の電極とし、カム側を他方の電
極とするように構成する。そして、該トーチと処理する
カム表面に高密度エネルギー熱源としてのアーク発生さ
せて、このアークをカム表面に照射し、カム表面を再溶
融させる。この方法においてはアークをカム表面に照射
するに際して、カムシャフトを回転させて、アーク照射
領域を順次回転方向に進めるようになっている。
【0003】カム表面の摺動部分についてはその全面に
わたって一様な深さの再溶融領域を形成することが望ま
しいが、トーチの照射範囲は、カム表面幅より狭いた
め、再溶融処理工程においてはカムシャフトを回転させ
ながらトーチを左右にオシレート、すなわち揺動させる
ようにして全幅にわたってアークを照射する。通常、一
本のカムシャフトには、複数のカムが設けられており、
そのそれぞれに対して再溶融処理装置を適用して上記再
溶融処理を行う。この場合、一般には、一対一組の再溶
融処理装置が1つのステーションに設けられており、一
対のカムシャフトが当該再溶融処理ステーションに導入
される。再溶融処理ステーションに導入された一対のカ
ムシャフトに対し、一対の再溶融処理装置が同時に動作
して再溶融処理を行う。そして、一対のカムの再溶融処
理が完了すると、カムシャフトは次のステーションに送
られ、さらに当該一対のカムシャフト上の別の一対のカ
ムについて同様に一対の再溶融処理装置を用いて再溶融
処理を行う。
【0004】したがって、4気筒エンジンの場合には一
本のカムシャフト上に8つのカムが形成されているの
で、4つのステーションにわたって再溶融処理が行われ
ることになる。この場合、カムの再溶融処理の仕上がり
に関して、不具合が生じているとき、その状態によって
は、再溶融処理装置に原因する場合がある。このような
場合には、どの再溶融処理装置によって処理がおこなわ
れたかを突き止める必要があるが、カムシャフトからで
は割り出すことは困難である。この場合、たとえば特開
平9−203344号に開示されるようにワークに刻印
を付すようにしておけば事後的に装置を突き止めること
が可能となる。
【0005】
【解決しようとする課題】しかし、上記公報に開示され
るように、ワークすなわち、カムシャフトに刻印を付す
こととすれば、刻印装置の設置が必要となり、装置の設
置のコストだけでなく、工数が増大することとなり、作
業能率が低下する。とくに、再溶融処理の直後において
は、100℃前後の温度になっているため再溶融処理が
適正であったかどうかを点検するには、作業員の安全性
の面あるいは点検装置の信頼性の面等から正確にその状
況を知ることは困難である。また、後工程において機械
加工が付加された場合には、正確に処理の的確性を追求
することは困難である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような事情
に鑑みて構成されたもので、再溶融処理の作業性を低下
させることなく、簡単な方法で、容易に再溶融処理にか
かるカムと装置とを対応づけすることができる再溶融処
理方法を提供することを目的とする。本発明のこの目的
は、複数のカムが設けられたカムシャフトのカム表面を
再溶融処理するに際し、一本のカムシャフト上の複数の
カムの再溶融処理装置がすべて共通とはならない再溶融
処理方法において、前記カムシャフトを再溶融処理ステ
ーションに導入し、前記カムシャフト上の所定のカムを
所定の再溶融処理装置を用いて再溶融処理し、次の工程
に移行する前に前記所定のカムの再溶融処理をおこなっ
た再溶融処理装置を用いてカムシャフト上に当該再溶融
処理にかかるカムと再溶融処理装置とを対応づけるマー
キングを付す、ことを特徴とするカムシャフトの再溶融
処理方法によって達成される。
【0007】この場合、前記マーキングが再溶融処理に
よりカムのベース円部の肩部に形成される肩だれとする
ことができる。ベース円部は通常、カムとしての機能が
要求されることはなく、再溶融処理を行う必要がないも
のである。したがって、この部分に肩だれを生じさせて
も、実害はない。本発明ではこの部分を利用して、マー
キングを行うようにしたものである。また、前記マーキ
ングを再溶融処理によりカムのベース円部に形成される
再溶融化チル層とすることができる。再溶融処理ののち
カム表面には、通常リューブライト処理といわれる処理
が施される。この処理は、カム表面にりん酸塩皮膜を形
成して表面の摩擦抵抗を減少させるものである。この処
理を行うと再溶融処理によって形成されたチル硬化層の
表面とそれが形成されていない表面とは色が異なるため
判別が可能となる。
【0008】本発明の好ましい態様では、再溶融処理を
行う領域に隣接したカム表面領域に前記マーキングを付
すようになっている。このようにすれば、容易にマーキ
ングが可能となるとともに、カムとこれを処理した再溶
融処理装置との対応も容易に行うことができる。さら
に、通常の再溶融処理の後、当該再溶融処理領域から隔
置した所定位置に前記マーキングを付ようにしてもよ
い。このようにすることにより、さらに別の装置にかか
る再溶融処理を区別することができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
図1を参照すると本発明の1実施例にかかるカムシャフ
トの再溶融処理工程に関係する装置の全体図が平面図の
形式で、搬送方向に沿って示されている。本例において
再溶融処理が施されるカムシャフトは、4気筒エンジン
のカムシャフトであって、4つの気筒に対応してそれぞ
れ4つの吸気用カムと排気カムが形成されている。この
カムシャフトの再溶融処理を行うために、4つの処理ス
テーションが搬送ライン上に設けられる。そして、搬送
ラインには、二本のカムシャフト1、2が処理のために
送り込まれ、4つのステーションのそれぞれにおいて一
対のカムが処理される。
【0010】再溶融処理のラインはその搬送方向に沿っ
て、搬入ステーション3、車種識別ステーション4、第
1予熱ステーション5、第2予熱ステーション6、第1
処理ステーション7、第1待機ステーション8、第2処
理ステーション9、第3処理ステーション10、第2待
機ステーション11、第4処理ステーション12及び搬
出ステーション13が設けられている。そして、フロア
にはピット14が搬送方向に沿って形成されている。搬
送ステーション3、第1、第2待機ステーション8、1
1、及び搬出ステーション13には、前後1対のワーク
受け部材15がピット14に臨むように設けられてい
る。車種識別ステーション4には、一対の支持機構16
と識別機構17とを有する車種識別装置18が配置さ
れ、第1、第2予熱ステーション5、6には、それぞれ
一対のプレヒータ19、20を有するプリヒート装置2
1、22が設けられる。また、第1〜第4再溶融処理ス
テーション7、8、9、10にはトーチ23、24、ト
ーチ移動装置、カムシャフト回転装置とが配置される。
【0011】ピット14には各ステーションからステー
ションに一対のカムシャフト1、2を順次搬送するため
の搬送装置が配置されている。搬送装置は、油圧シリン
ダなどで構成される駆動機構とピット内に配置され、所
定のストロークでサイクル駆動されるキャリア25を備
えており、ステーションの背後に配置された、制御盤2
6に設けられたコントローラ27により制御される。搬
入ステーション3には、一対のカムシャフトがオートロ
ーダによりカムシャフト製造ラインから搬入される。カ
ムシャフト1、2はワーク受け部材15によって支持さ
れ、処理が完了した後、所定のタイミングでキャリア2
5によに次のステーションにタクト搬送される。車種識
別ステーション4において、カムシャフト1、2は、支
持機構16で支持されるとともに、たとえば、第1カム
部の吸気用カムのノーズ部が鉛直下方を向く、所定の基
準回転位置となるように回転位相が調整される。この基
準回転位置において、適用車両車種識別マークが検出さ
れる。第1予熱ステーション21においてプレヒータ1
9により所定時間かけてたとえば200℃程度の所定温
度に加熱され、さらに、第2予熱ステーション22にお
いて、所定時間かけて、たとえば400℃に加熱され
る。
【0012】そして、第1処理ステーション7に搬入さ
れて再溶融処理される。第1処理ステーション7では、
第1カム部の吸気用及び排気用カムが再溶融処理され
る。そして、第2〜第4処理ステーション9、10、1
2において、順次、第2〜第4カム部の吸気用及び排気
用カムがそれぞれ再溶融処理される。このようにして、
8つのカムすなわち、第1カム〜第4カムの吸気用及び
排気用カムが第1〜第4処理ステーションを通じて、再
溶融処理されると、一対のカムシャフトは搬出ステーシ
ョンからエンジン組立ラインへと、搬出される。第1、
第2待機ステーション8、11は、ライン停止などの場
合に、一時的にカムシャフトを待機させるために設けら
れている。また、図2には、上記各処理ステーション
7、9、10、12に配置される再溶融処理装置28が
側面図の形態で示されている。
【0013】本例の再溶融処理装置28は、トーチ移動
装置29と、該トーチ移動装置29に設けられた高密度
エネルギー熱源としてのアークを発生する、一対のTI
Gトーチ23(24)を備えている。本例においては、
TIGトーチ23(24)が負電極、カムシャフト3が
正電極となるように電気回路を構成し、TIGトーチ2
3(24)とカムシャフト2のカムのカム表面との間に
アルゴン等の不活性ガス雰囲気を形成してアーク放電を
生じさせる。そして、このアーク放電による高密度エネ
ルギーを熱源として、カム表面を再溶融させる。その
後、冷却して硬度の高いチル化組織を形成する。さら
に、再溶融処理装置28は、温度検出器30、カムシャ
フトの両端の軸部を支持する回転支持装置31と、トー
チに対して上記アーク発生用電力を供給するトーチ電源
ユニット32を備えている。上記のように制御盤26に
は、4つの再溶融処理装置を制御するコントロールユニ
ット27を備えている。さらに、トーチ移動装置31等
を駆動するための油圧を供給する油圧供給装置33を備
えている。
【0014】回転支持装置は、ピット14の後方に配置
された油圧シリンダ34と該油圧シリンダ34のロッド
にガイド部材を介して連結された支持軸部材と、ピット
の前方に油圧シリンダと対向して配置された油圧シリン
ダ35と、該油圧シリンダのロッドにガイド部材を介し
て連結されたサーボモータ36と、該サーボモータ36
の出力軸端部に設けられてホルダ37を備えている。上
記支持部材とサーボモータ36及びホルダ37は油圧シ
リンダ35により、前進位置と後退位置との間で位置の
切替ができるようになっている。ホルダは3組の把持部
を有し、これらの把持部は油圧シリンダの作用により、
把持部と非把持部とに切替可能になっている。トーチ移
動装置29は、装置本体と該本体から前方に突出したア
ーム38を備え、該アームを前後方向に往復動させるサ
ーボモータと上下方向に往復動するサーボモータと、ア
ームの先端でトーチを支持する支持部材を備えている。
【0015】図3に示すように、トーチの近傍に、カム
表面の温度を形成する上記温度検出装置が取り付けられ
ている。温度検出装置30は、蒸着サーモパイルを検出
素子として内蔵した赤外線方式のものである。TIGト
ーチ23からカム面41に対して照射されるとき、カム
シャフト1は回転させられ、これによって、カム40の
カム面41へのアークの照射領域が順次送られるように
なっている。また、TIGトーチ23のTIGアーク照
射幅はカム幅より小さいのでカム面41の全幅にわたっ
て均一に溶融領域を形成するためにTIGトーチ23は
カム面41の幅方向にオシレートすなわち揺動される。
この結果、TIGトーチ23は、回転するカム面上にお
いて図の線Aに示すように蛇行したオシレート軌跡を描
きながら溶融領域6を形成する。
【0016】この場合において、チル組織は、カム表面
全面にわたって形成することがカムの耐磨耗性能上好ま
しい。このためには、オシレートの幅がカム40の幅と
が極力接近するようにトーチ23を揺動させるのが望ま
しい。本例において、再溶融処理装置は、通常の再溶融
処理が完了した後、図4に示すようにカム40のベース
円部42をトーチ23を用いてアークを照射して意図的
に肩ダレが生じさせる。この場合、第1処理ステーショ
ンにおける第1再溶融処理装置によって、再溶融処理が
なされたことを示すために、当該処理したカムのベース
円部42の右側に1つの側部に上記意図的な肩ダレ43
によってマーキングを施す。
【0017】上記したように、再溶融処理においては、
トーチ23は、カム表面上を回転方向及び幅方向に関し
て、任意に移動することができる。したがって、通常の
再溶融処理が行われた後に、所定の位置に意図的な肩ダ
レ43のための照射を行うように、予め、コントロール
ユニット27において再溶融処理装置28に対し、カム
上の回転位置と、左右方向位置を設定して置けばよい。
このことは、一般的には、プログラム上の操作であるの
で簡単である。本例では、各処理ステーション7、9、
10、12においてトーチ23、24は2つづつ設けら
れており、トーチは再溶融処理ステーションにおいて全
体で8個存在することとなる。したがってどのトーチに
よってカムの再溶融処理が行われたかを特定するために
は全部で8通りのマーキングを行えば良いことになる。
【0018】図4に示すように、カムの回転方向に関し
てベース円部の異なる位置に2カ所(たとえば、ノーズ
トップから120°及び240°)、幅方向に関して左
右側部の2カ所、合計4カ所の異なる部位において肩ダ
レ43を発生させて、マーキングを行うことにより、8
通り以上のマーキングが可能となる。たとえば、8個の
カムに対応して図5に示すようなマーキングを行うこと
によって、どのステーションのどのトーチによってそれ
ぞれのカムが再溶融処理されたかを事後的に突き止める
ことができる。このように、カムシャフトのそれぞれに
ついて、カムの仕上がりを、再溶融処理装置との関係を
正確に把握することができるようにすることは、再溶融
処理の性能を高め安定した高品質のチル硬化層を有する
カムシャフト1、2を製造するために極めて重要であ
る。
【0019】このことは、特に、本例のように、複数の
カムが設けられたカムシャフトのカム表面を再溶融処理
するに際し、一本のカムシャフト上の複数のカムの再溶
融処理装置がすべて共通とはならない再溶融処理を行う
場合には、重要である。すなわち、特定のカムの仕上が
りの不具合のためにすべての再溶融処理装置を点検する
こととなると、作業効率が著しく低下するからである。
この点、本発明では、カムシャフトの特定のカムを点検
することによって、再溶融処理が適正に行われていない
ことが再溶融処理後に判明した場合には、ただちに当該
カムの再溶融処理装置を突き止めることができる。これ
によって、当該再溶融処理にかかる装置のみを点検する
ことにより、迅速に装置の最適運転状態を回復すること
ができるからである。
【0020】この場合、カムの摺動特性の向上は、ノー
ズ部に形成されるチル化領域45において要求されるも
のであって、ベース円部42はカムとしての機能が要求
されることはなく、再溶融処理を行う必要がないもので
あって、この部分に肩だれを生じさせても、実害はな
い。図6には、本発明の他の実施例が示されている。本
例においては、通常の再溶融処理の後に当該再溶融処理
装置28を用いて、カムのベース円部42にマーキング
を施すことは前例と同じであるが、本例において、上記
のように肩だれを生じさせるのではなく、再溶融処理を
行うものである。すなわち、通常のチル化組織を形成す
るのと同じ処理を行う。そして、この後、カムシャフト
1、2に対してリューブライト処理と言われるリン酸塩
皮膜をカム表面に形成する処理が行われる。
【0021】この処理が行われると、チル化組織の形成
された表面とそれ以外の部分とは色が異なるため、チル
化組織の部分44を目視で区別することができる。した
がって、上記のように回転方向に2カ所、幅方向で2ヶ
所のマーキング位置をカム表面のベース円部に設定し、
この部分にチル化組織を形成するべく再溶融処理を行
う。これによって、前例の肩ダレによるマーキングと同
様の効果を得ることができる。本例においては、カム表
面に形成されるものであるので、肩だれと異なり、外観
上には全く表れないという利点がある。なお、上記回転
方向で2カ所及び幅方向で2カ所のマーキングを設定す
ることにより、最大24通りの再溶融処理を区別するこ
とができることになる。事実上あらゆる態様における再
溶融処理装置とカムとの対応付けを行うことができる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように極めて簡
単な作業により確実に、再溶融処理されたカムと当該再
溶融処理装置との対応づけを行うことができ、容易に再
溶融処理の不具合を発見できるとともに、迅速な対応が
可能となる。装置の不具合があったとしても速やかに復
旧して、最適運転を回復することができる。また、装置
ごとの管理が可能となるため、他の再溶融処理装置の計
測機器等の信頼性を損なうことがない。また、作業者の
安全性の面でも良好な結果を得ることができる。本発明
よれば、カムシャフトが再溶融処理の後の工程において
機械加工された場合であっても、確実の再溶融処理装置
との対応づけが可能であり、再溶融処理の品質を確実に
向上させることができる。
【0023】この結果、良好の品質のチル化組織を有す
るカムシャフトを安定的に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例にかかる再溶融処理装置を平
面図の形式で示した全体図、
【図2】図1の再溶融処理装置の内の1つの再溶融処理
装置の側面図、
【図3】再溶融処理の状態を示す斜視図、
【図4】マーキングの位置を示す説明図、
【図5】マーキングの種類を示す関係図、
【図6】他の実施例にかかるマーキングの位置を示す説
明図である。
【符号の説明】
1、2 カムシャフト 3 搬入ステーション 7、9、10、12 再溶融処理ステーション 23、24 トーチ 28 再溶融処理装置 43、44 マーキング。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 真司 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3G016 AA12 BA25 CA13 FA18 FA21 GA00 3J030 EA01 EB07 4K042 AA17 BA03 BA13 DA07 DB03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のカムが設けられたカムシャフトのカ
    ム表面を再溶融処理するに際し、一本のカムシャフト上
    の複数のカムの再溶融処理装置がすべて共通とはならな
    い再溶融処理方法において、 前記カムシャフトを再溶融処理ステーションに導入し、 前記カムシャフト上の所定のカムを所定の再溶融処理装
    置を用いて再溶融処理し、 次の工程に移行する前に前記所定のカムの再溶融処理を
    おこなった再溶融処理装置を用いてカムシャフト上に当
    該再溶融処理にかかるカムと再溶融処理装置とを対応づ
    けるマーキングを付す、 ことを特徴とするカムシャフトの再溶融処理方法。
  2. 【請求項2】請求項1の方法において、前記マーキング
    が再溶融処理によりカムのベース円部の肩部に形成され
    る肩だれであることを特徴とするカムシャフトの再溶融
    処理方法。
  3. 【請求項3】請求項1の方法において、さらに、カム表
    面にりん酸塩皮膜を形成する工程を備えており、前記マ
    ーキングが再溶融処理によりカムのベース円部に形成さ
    れる再溶融化チル層であることを特徴とするカムシャフ
    トの再溶融処理方法。
  4. 【請求項4】請求項1または3の方法において、通常の
    再溶融処理を行う領域に隣接したカム表面領域に前記マ
    ーキングを付すことを特徴とするカムシャフトの再溶融
    処理方法。
  5. 【請求項5】請求項1または3の方法において、通常の
    再溶融処理の後、当該再溶融処理領域から隔置した所定
    位置に前記マーキングを付すことを特徴とするカムシャ
    フトの再溶融処理方法。
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