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JP2000053719A - アクリル系重合体の製造方法 - Google Patents

アクリル系重合体の製造方法

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Publication number
JP2000053719A
JP2000053719A JP10239581A JP23958198A JP2000053719A JP 2000053719 A JP2000053719 A JP 2000053719A JP 10239581 A JP10239581 A JP 10239581A JP 23958198 A JP23958198 A JP 23958198A JP 2000053719 A JP2000053719 A JP 2000053719A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
polymerization
acrylic
meth
polymerization initiator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10239581A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Ito
賢司 伊藤
Katsuhide Azuma
勝秀 東
Kunihiko Mizutani
邦彦 水谷
Shinzo Narimatsu
信三 成松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP10239581A priority Critical patent/JP2000053719A/ja
Publication of JP2000053719A publication Critical patent/JP2000053719A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パップ剤用基材、増粘剤、粘着剤、抄紙用薬
剤、高分子凝集剤等への適用性に優れた未反応の残存単
量体含有量が低減されたアクリル系重合体の製造方法を
提供すること。 【解決手段】 カルボキシル基を有するアクリル系単量
体を水溶液中で重合反応が実質的に完了する迄反応させ
て得られた水溶性の含水ゲル状重合体にレドックス系重
合開始剤を添加して製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パップ剤用基材、
増粘剤、粘着剤、抄紙用薬剤、高分子凝集剤等への適用
性に優れた未反応の残存単量体含有量が低減されたアク
リル系重合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カルボキシル基を含有する水溶性のアク
リル系重合体のうち、含水によりゲル状となるような高
重合度のものは、従来より、パップ剤用基材のほか、増
粘剤、粘着剤、抄紙用薬剤、高分子凝集剤等に利用され
ている。当該重合体の製造方法としては、水溶液重合
法、スラリー重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の各種
ラジカル重合法が挙げられるが、製造プロセスが簡便で
あり、有機溶剤の除去や残存といった問題を伴わず、反
応操作が容易との利点から水溶液重合法の適用が一般的
である。水溶液重合法の適用例としては、例えば、(メ
タ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸塩等の重合性単量体
水溶液を所定濃度に調製し、溶存酸素を十分に窒素置換
した後、ラジカル重合開始剤を添加し、必要により適度
に加熱や紫外線照射することによって重合反応を行う方
法等が挙げられ、重合反応の進行に伴い(メタ)アクリル
酸(塩)系重合体水溶液は非常に粘性を増し、重合反応が
完了したときには、通常、含水ゲル状重合体として得ら
れる。必要であればこの含水ゲルを細断した後、熱風乾
燥、減圧乾燥、間接加熱乾燥等により乾燥し、更に粉砕
することによって粉末状の重合体を得ることができる。
しかし、このようにして得た重合体は、通常、未反応の
残存単量体が重合体純分に対して0.1重量%を超えて
多く含まれるため、このままの状態ではパップ剤用基
材、増粘剤、粘着剤、抄紙用薬剤、高分子凝集剤として
十分満足すべきものではなかった。
【0003】然るに、上記の問題を解決すべく、以下に
示す様な残存単量体の低減方法に関する検討がなされて
いる。例えば、重合体を得た後で限外濾過等により残存
単量体を分離除去する方法(特開平8-217802号)や重合反
応時の重合開始剤の添加量を増量する方法等である。こ
のうち、前者の方法では、十分に残存単量体を除去でき
なかったり、また、残存単量体の除去率を上げようとす
ると、設備の過大な大型化や著しい生産性の低下を伴う
場合があり未だ解決策とはなっていない。また、後者の
方法では、残存単量体は低減できるものの重合体の重合
度が低下したり、重合体の物性の経時変化が大きく、特
にパップ剤用基材への適用は困難であった。更に、後者
の方法の問題点を解決すべく、残存開始剤含有量を低減
する方法(特開平9-124467号)が提案されているが、過酷
な処理に起因して重合体の不溶化や着色が問題となっ
て、未だ根本的な解決策とはなっていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
実情を鑑みてなされたものであって、その主たる目的
は、パップ剤用基材、増粘剤、粘着剤、抄紙用薬剤、高
分子凝集剤等への適用に際して、好適な粘度、溶解性、
着色がないこと等の基本物性を維持したまま、未反応の
残存単量体含有量の低減した優れたアクリル系重合体の
製造方法の提供である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、カルボキシル基
を含有するアクリル系重合体を水溶液重合法により得る
製造方法において、まず重合反応により含水ゲル状重合
体を得て、ついで重合反応が実質的に完了した後の含水
ゲル状重合体にレドックス系重合開始剤を追加添加する
ことによってのみ、好適な粘度で、溶解性が良好であ
り、且つ、着色がないという基本物性を維持したまま、
未反応の残存単量体含有量を低減させた優れたアクリル
系重合体が得られることを見出して本発明を完成させた
のである。
【0006】すなわち、本発明はカルボキシル基を有す
るアクリル系単量体を水溶液中で重合反応が実質的に完
了する迄反応させて得られた水溶性の含水ゲル状重合体
にレドックス系重合開始剤を添加することを特徴とする
アクリル系重合体の製造方法に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明におけるカルボキシル基を
含有するアクリル系重合体は、直鎖状または分岐状の分
子構造を有する水溶性の重合体であって、当該重合体を
構成する主たる単量体がアクリル酸およびその塩、メタ
クリル酸およびその塩などの(メタ)アクリル酸(塩)であ
れば良く、これらは1種のみの単独重合体であっても必
要により2種以上を共重合させた共重合体であってもよ
い。当該アクリル系重合体の具体例としては、例えば、
直鎖状または分岐状の分子構造を有するポリ(メタ)アク
リル酸、ポリ(メタ)アクリル酸塩、(メタ)アクリル酸/
(メタ)アクリル酸塩共重合体等の(メタ)アクリル酸(塩)
系重合体が挙げられ、その中で(メタ)アクリル酸/(メ
タ)アクリル酸塩共重合体が好ましく、アクリル酸/(メ
タ)アクリル酸ナトリウム共重合体が更に好ましく、ア
クリル酸/アクリル酸ナトリウム/メタクリル酸ナトリウ
ム共重合体が最も好ましい。また、好ましい共重合体の
組成比の具体例としては、アクリル酸/アクリル酸ナト
リウム/メタクリル酸ナトリウムがそれぞれ5〜80/2
0〜95/0〜10モル%が好ましく、25〜65/35
〜75/0〜5モル%が更に好ましく、45〜55/42
〜52/0〜3モル%が最も好ましい。上記の他に、本
発明の目的とする効果を阻害しない範囲で、他の重合性
単量体を共重合した共重合体に対しても本発明の製造方
法を有効に用いることができる。他の重合性単量体の具
体例としては、例えば、マレイン酸、イタコン酸、フマ
ル酸などの不飽和カルボン酸およびその塩、2-アクリル
アミド-2-メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アリルス
ルホン酸、スチレンスルホン酸などの不飽和スルホン酸
およびその塩、(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル
アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミドなどの
(メタ)アクリルアミド誘導体、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレートの4級アンモニウム塩および中和塩
などが挙げられ、これらは必要により1種または2種以
上を用いることができる。
【0008】また、本発明により得られるアクリル系重
合体として好ましいものは、当該重合体の0.2重量%
濃度(固形分換算)の水溶液粘度をB型粘度計にて30rp
m、30℃で測定した値(以下、0.2%粘度と略記する)
が100〜800cpsの範囲にあるものであり、より好
ましいアクリル系重合体は250〜700cpsのもので
あり、特に好ましいものは480〜600cpsのもので
ある。0.2%粘度が100〜800cpsの範囲から外れ
たものは、重合度が高過ぎて不溶化する場合や逆に重合
度が低過ぎてパップ剤用基材、増粘剤、粘着剤、抄紙用
薬剤、高分子凝集剤等の用途としての十分な性能が得ら
れない場合がある。これらの用途には、通常、数十万か
ら数千万の分子量のものが使用される。
【0009】本発明の製造方法によれば、当該重合体中
の未反応の残存モノマー含有量が重合体純分に対して
0.1重量%以下のアクリル系重合体が容易に得られ、
本発明にとり好ましいアクリル系重合体は、残存モノマ
ー含有量が0.05重量%以下のものであり、より好ま
しいものは0.02重量%以下のものである。未反応の
残存単量体含有量が0.1重量%を越えると、例えば、
パップ剤用基材として適用した場合、パップ剤として要
求される接着性が不十分であったり、パップ剤の粘着部
であるゲル膏体の性状が経時変化を生じたり、支持体へ
のゲル膏体の滲み出しや粘着性の悪化という問題を生じ
る場合がある。また、他の用途においても、増粘性、粘
着性、凝集性が不足したり、残存単量体の刺激性に起因
して安全性が問題となる場合がある。
【0010】本発明が適用される水溶液重合法として
は、例えば、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸塩等
の重合性単量体水溶液を所定濃度に調製し、溶存酸素を
十分に窒素置換した後、ラジカル重合開始剤を添加し必
要により適度に加熱や紫外線照射することによって重合
反応を行う方法等が挙げられ、重合反応の進行に伴い
(メタ)アクリル酸(塩)系重合体水溶液は非常に粘性を増
し、重合反応が完了するときには、通常、含水ゲル状重
合体として得られる。必要であればこの含水ゲルを細断
した後、熱風乾燥、減圧乾燥、間接加熱乾燥等により乾
燥し、更に粉砕することによって粉末状の重合体を得る
ことができる。しかし、このようにして得た重合体は、
通常、未反応の残存単量体が重合体純分に対して0.1
重量%を超えて多く含まれるために、このままの状態で
は本発明が目的とするアクリル系重合体としては不十分
である。従って、本発明の製造方法では、残存単量体低
減方法として重合反応によって得られた含水ゲル状重合
体にレドックス系重合開始剤を追加添加する操作を含む
ことが必要である。
【0011】前記含水ゲル状重合体は、当該重合体の形
態が含水ゲル状であり、重合反応が実質的に完了した後
の重合体である。重合反応が実質的に完了した後の重合
体とは、重合反応によってアクリル系重合体の大部分の
連鎖形成が完了した後の重合体であり、例えば断熱系で
の重合の場合、少なくとも重合熱による反応系内の温度
の上昇が完結して最高温度に達した以後の重合体であっ
て、通常、反応率が95%以上、好ましくは98%以上
のものである。重合反応が実質的に完了する前に重合開
始剤を追加添加すると、アクリル系重合体の重合度が著
しく低下する場合があり、パップ剤用基材、増粘剤、粘
着剤、抄紙用薬剤、高分子凝集剤として期待される性能
が十分に得られないアクリル系重合体となる。
【0012】含水ゲル状重合体に追加添加する重合開始
剤は、酸化剤の残存を抑えることのできるレドックス系
重合開始剤でなければならない。酸化剤が重合体中に残
存すると、重合体を酸化劣化させて着色させる場合や、
重合体の不溶化もしくは重合度の低下を引き起こして問
題となる場合がある。
【0013】前記レドックス系重合開始剤は、(A)酸化
剤の少なくとも1種と、(B)還元剤の少なくとも1種と
を必須成分とする重合開始剤であって、(A)に対する
(B)の追加添加量のモル比は通常0.1〜200ある。
酸化剤および還元剤としては特に制限がなく、それぞれ
公知のものが使用でき、酸化剤としては、例えば、過硫
酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等
の過硫酸塩や過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の
有機過酸化物や過酸化水素などが用いられるが、その中
でも開始剤効率が高く、且つ、重合体の酸化劣化を比較
的生じ難い過硫酸塩が特に好ましい。これらの酸化剤は
必要により1種または2種以上を用いることができる。
また、還元剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜
硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム等の亜硫酸塩や亜硫
酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素ア
ンモニウム等の亜硫酸水素塩や二亜硫酸ナトリウム等の
二亜硫酸塩のほか次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カ
リウム、次亜リン酸アンモニウム等の次亜リン酸塩など
が用いられるが、その中でも酸化剤の残存を効果的に抑
えることができて、且つ、重合体の重合度の低下を生じ
難い亜硫酸塩や亜硫酸水素塩が特に好ましい。これら還
元剤は必要により1種または2種以上を用いることがで
きる。また、酸化剤に対する還元剤の追加添加量のモル
比は通常0.1〜200であり、好ましくは1.5〜10
0であり、更に好ましくは3〜40である。酸化剤に対
する還元剤の添加量のモル比が0.1〜200から外れ
るとレドックス系重合開始剤の効果が十分に発揮され
ず、残存単量体を0.1重量%以下に低減することがで
きないか、または、重合体の着色や重合体を不溶化もし
くは重合度の低下を引き起こして本発明で期待される良
好な重合体物性を維持できない場合がある。
【0014】レドックス系重合開始剤のうち、酸化剤の
添加量は残存単量体を十分に低減するのに必要な最低限
の量とすることが望ましく、通常重合体純分に対して1
〜1000ppm、好ましくは5〜500ppm、さらに好ま
しくは10〜300ppmである。酸化剤の添加量が1ppm
未満では残存単量体を0.1重量%以下に低減すること
ができず、また、1000ppmを超えると重合体の着色
や重合体を不溶化もしくは重合度の低下を引き起こして
本発明で期待される良好な重合体物性を維持できない場
合がある。レドックス系重合開始剤のうち、還元剤の添
加量については、通常重合体純分に対して1〜1000
0ppm、好ましくは5〜2000ppm、さらに好ましくは
20〜1000ppmである。還元剤の添加量が1ppm未満
では残存単量体を0.1重量%以下に低減することがで
きないか、または、重合体の着色や重合体を不溶化もし
くは重合度の低下を引き起こして本発明で期待される良
好な重合体物性を維持できない場合があり、10000
ppmを超えると重合体の経時安定性が悪くなって重合体
の品質や性能にバラツキが生じて問題となる場合があ
る。
【0015】従って、本発明の製造方法の好ましい適用
例としては、例えば、まず前記のように水溶液重合法に
より含水ゲル状重合体を得て、ついで重合反応が実質的
に完了した後の含水ゲル状重合体にレドックス系重合開
始剤を追加添加した後または追加添加しながら、ゲル粉
砕機等で含水ゲルを細断する。ゲル粉砕機により細断さ
れた含水ゲルは、同時にほぼ均一に重合開始剤と混合さ
れているため、得られた細断ゲルをそのまま乾燥、粉砕
することで未反応の残存単量体が低減されたアクリル系
重合体が得られて本発明は完成される。さらに、必要に
応じて細断ゲルを乾燥する前に混合や熟成の操作を行う
こともできる。
【0016】本発明におけるアクリル系重合体がパップ
剤として用いられるときなどには、架橋体として用いら
れるが、アクリル系重合体の架橋は、前記の様にして得
た未反応の残存モノマー含有量が重合体純分に対して
0.1重量%以下のカルボキシル基を含有するアクリル
系重合体を、含水ゲルの状態下で多価金属化合物により
架橋する方法が好ましく、例えば、パップ剤の粘着部で
あるゲル膏体の製造方法として該架橋方法が適用され
る。
【0017】前記ゲル膏体とは、パップ剤を構成する含
水ゲル状の粘着体であり、必須成分のアクリル系重合
体、多価金属化合物、水の他、保水剤や無機粉末等の添
加物や薬効成分等から構成されるものであり、各成分が
所定の配合比率となるように一括もしくは逐次添加・混
合した後、混練して得られる。好ましいゲル膏体の配合
比率の具体例としては、例えば、ゲル膏体全量に対し
て、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸塩共重合体な
どのアクリル系重合体を1〜20重量%、グリセリンな
どの保水剤を1〜30重量%、水酸化アルミニウムなど
の多価金属化合物を0.001〜3重量%、カオリンな
どの無機添加物を1〜10重量%、薬効成分を0.5〜
10重量%、水分を40〜80重量%が挙げられる。多
価金属化合物によるアクリル系重合体の架橋反応は、当
該ゲル膏体の調製後より経時的に進行するため、支持体
面に塗布展延されたゲル膏体は、架橋反応の進行に伴い
適度な速度で硬化して、優れた接着性および基剤強度を
有する様になって架橋が完了する。
【0018】前記多価金属化合物の例としては、例え
ば、水酸化アルミニウムや塩化アルミニウム、硫酸アル
ミニウム、ケイ酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、
水酸化アルミニウム・マグネシウム、アルミニウムグリ
シネート等が挙げられ、これらは単独で使用しても複数
を組み合わせて使用してもよい。また、これらの多価金
属化合物は水溶性であっても、難溶性であってもよい。
【0019】前記多価金属化合物のゲル膏体への配合量
は、前記アクリル系重合体の重合度及び配合量、多価金
属化合物の種類、他の配合物等の影響によって異なる
が、通常、ゲル膏体全量に対して0.001〜3重量%
であり、好ましくは0.001〜1重量%であり、更に
好ましくは0.01〜0.5重量%である。
【0020】前記アクリル系重合体のゲル膏体への配合
量は、ゲル膏体全量に対して好ましくは1〜20重量%
であり、更に好ましくは5〜15重量%である。重合体
の配合量が1重量%未満では粘着性、増粘性および賦形
性が低下し、20重量%を超えると増粘し過ぎるため
に、本発明で期待されるパップ剤の効果は得られない場
合がある。
【0021】
【実施例】以下に実施例、比較例を挙げて本発明を具体
的に説明する。また、実施例、比較例に用いた物性試験
方法も併せて記載する。 [残存単量体量]重合体サンプルを純水に溶解して、
1.0重量%濃度(固形分換算)の重合体溶解液を作成
し、この重合体溶解液2gを20mlのメタノール中に投
入後、30分間スターラー攪拌して重合体を沈殿させ
る。30分後、上澄み液を採取し、高速液体クロマトグ
ラフィーにて残存単量体量を測定した(カラム:日立HPL
Cパックドカラム#3056、溶離液:0.1%リン酸緩衝
液、検出器:UV195nm)。 [0.2%粘度]重合体サンプルを純水に溶解して、0.
2重量%濃度(固形分換算)の重合体溶解液を作成し、B
型粘度計にて30rpm、30℃での0.2%粘度を測定し
た。 [不溶解分]重合体サンプルを純水に溶解して、0.2
重量%濃度(固形分換算)の重合体溶解液400ccを作成
し、この溶解液全量を直径20cmの83meshの篩で濾
過、水洗した後、篩上に残った不溶解物を集めてシリン
ダーに取り容量を測定した。 [重合体着色]重合体サンプルを目視観察して重合体の
着色の有無を評価した。3段階評価で、評価基準は以下
のとおりとした。 ◎: 着色なし (白色) △: やや着色 (少し黄変) ×: 強着色 (黄変) [曳糸性]重合体サンプルを純水に溶解して、1.0重
量%濃度(固形分換算)の重合体溶解液をビーカーに作成
した後、25℃に温調し、直径10mmのガラス球を溶解
液に深さ約20mmの位置まで浸漬し、ビーカーを5mm/s
ecの速度で引き下げてガラス球の下端が溶解液表面に達
した時点から糸曳きが切れるまでの時間T(sec)を測定
し、次式で曳糸性を計算した。 曳糸性(mm) = 5×T この曳糸性の測定は、重合体の賦形性を評価する客観的
な方法であり、同程度の粘度を有する重合体の場合、糸
曳き長さが小さいほど賦形性に優れた重合体であり、通
常、40mm以下が望ましい。
【0022】実施例1 ステンレス製デュアー瓶にアクリル酸ナトリウム水溶
液、アクリル酸水溶液、メタクリル酸ナトリウム水溶液
をそれぞれ46.4モル%、51.22モル%、2.38
モル%の組成で全重量を1kg、単量体濃度を30重量%
になるようにイオン交換水を加えた。単量体水溶液の温
度を10℃に調整した後、窒素を導入し60分間脱気し
た。重合開始剤として、アゾビスアミジノプロパン塩酸
塩、過硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、エルビッ
ト-Nを全単量体重量に対してそれぞれ500ppm、10
0ppm、100ppm、20ppm添加して重合を開始した。
8時間後重合が完了したので得られた含水ゲル状重合体
を取り出し、追加添加のレドックス系重合開始剤とし
て、過硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウムを重合体純
分に対してそれぞれ60ppm、300ppm添加しながら、
含水ゲル状重合体を小型チョッパーに投入して挽き肉状
に細断処理した。得られた細断ゲルを100℃の熱風乾
燥機中で5時間乾燥し、乾燥物を粉砕して重合体Aを得
た。
【0023】比較例1 実施例1において、重合開始剤の追加添加を実施しなか
ったこと以外は同様にして重合体aを得た。 比較例2 実施例1と同様にして調整・脱気した単量体水溶液に、
アゾビスアミジノプロパン塩酸塩、過硫酸アンモニウ
ム、亜硫酸ナトリウム、エルビット-Nを全単量体重量に
対してそれぞれ500ppm、100ppm、100ppm、2
0ppm添加するのと同時に、まだ重合が開始する前であ
り含水ゲル状になる前の単量体水溶液に過硫酸アンモニ
ウム、亜硫酸ナトリウムを全単量体重量に対してそれぞ
れ30ppm、100ppm追加添加して重合を開始した。8
時間後重合が完了して得られた含水ゲル状重合体を取り
出し、小型チョッパーで細断した後、乾燥、粉砕して重
合体bを得た。 比較例3 実施例1と同様にして調整・脱気した単量体水溶液に、
アゾビスアミジノプロパン塩酸塩、過硫酸アンモニウ
ム、亜硫酸ナトリウム、エルビット-Nを全単量体重量に
対してそれぞれ500ppm、100ppm、100ppm、2
0ppm添加して重合を開始した。4時間後、反応率がお
よそ40%に達した時点で、まだ重合が完了する前の含
水ゲル状重合体に過硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウ
ムを単量体調製時の全単量体重量に対してそれぞれ10
0ppm、300ppm追加添加した後、ハンディーミキサー
にて含水ゲル状重合体を混合し、引き続き重合を継続し
た。さらに2時間後に重合が完了したので得られた含水
ゲル状重合体を取り出し、小型チョッパーで細断した
後、乾燥、粉砕して重合体cを得た。
【0024】実施例2〜7、比較例4〜5 実施例1において、重合開始剤の追加添加の処方を表1
に示した条件で実施したこと以外は同様にして重合体B
〜G及び重合体d〜eを得た。このようにして得た実施
例、比較例の重合体について前記物性試験を行った。そ
の結果を表1にまとめて示した。
【0025】
【表1】
【0026】表1より明らかに、比較例1〜4の重合体
は、残存単量体量が高くて問題であり、また、比較例5
の重合体は、残存単量体量は1000ppm以下に低減し
たものの不溶解分が多く、重合体の着色も著しく生じて
問題であった。これに対して、実施例の重合体は、0.
2%粘度、曵糸性、不溶解分ともに好適な値を維持した
まま、残存単量体量を1000ppm以下に低減し、且
つ、着色がない優れた物性の重合体であった。
【0027】○ 架橋性評価試験 次に、これらの重合体の架橋性について調べた。架橋性
の評価としては、パップ剤用のゲル膏体の硬さの変化
(硬化速度)を1週間に渡って経時的に測定することによ
り実施した。表2に示した処方に従ってゲル膏体の調製
を行った。まず、グリセリンに実施例1で得られた重合
体Aを均一に分散し、これをゲル膏体全量に対して50
重量%の水に加えて溶解した。一方、残りの水にカオリ
ン、酸化チタン、薬効成分としてサリチル酸メチル、1-
メントール、dl-カンフル、ハッカ油を加えて混合し、
更に水酸化アルミニウムゲルを加えて均一に攪拌混合し
たものを、先の重合体溶解液に加え、混練してゲル膏体
を調製した。同様に重合体B〜E、重合体a〜dを使用
してゲル膏体を調製した。これらのゲル膏体について、
以下の様にして硬化速度評価を行った。まず、サンプル
となる調製直後のゲル膏体を内径55mm、深さ20mmの
円筒形の容器にちょうど一杯になるように詰めると同時
に表面部を均して平坦にした。これを粘弾性測定装置(ア
イテクノエンシ゛ニアリンク゛社製 レオロメータ・マックスRX-1700)にて、定速圧
縮引張運動によりゲル膏体の硬さを測定した(100mm/
分:φ30mmフ゜ランシ゛ャー)。測定後、容器を密封して25℃
で保管し、所定時間経過ごとに同様にしてゲル膏体の硬
さを測定した。その結果を表3にまとめて示した。
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【発明の効果】表3より明らかに、比較例の重合体のゲ
ル膏体は硬化速度が遅いのに対し、本発明の重合体のゲ
ル膏体は硬化速度が飛躍的に向上して、極めて良好な架
橋性を示し、またゲル膏体自体の強度も強く、パップ剤
用基材として優れた性能を示すものであった。以上の様
に、本発明によれば、未反応の残存単量体含有量を低減
させた優れたアクリル系重合体を容易に得ることができ
る。また、本発明の製造方法によって得られるアクリル
系重合体は好適な粘度で、溶解性が良好であり、且つ、
着色がないために増粘剤、粘着剤、抄紙用薬剤、高分子
凝集剤等への適用性に優れる。さらに、パップ剤用基材
として適用することで、接着性および経時安定性に優
れ、皮膚刺激性を改善した安全性の高いパップ剤を得る
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 成松 信三 香川県坂出市昭和町二丁目4番1号 東亞 合成株式会社坂出工場内 Fターム(参考) 4J100 AJ02P AK08P CA01 GB01

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシル基を有するアクリル系単量
    体を水溶液中で重合反応が実質的に完了する迄反応させ
    て得られた水溶性の含水ゲル状重合体にレドックス系重
    合開始剤を添加することを特徴とするアクリル系重合体
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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