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JP2000052953A - 車輌の挙動制御装置 - Google Patents

車輌の挙動制御装置

Info

Publication number
JP2000052953A
JP2000052953A JP10218955A JP21895598A JP2000052953A JP 2000052953 A JP2000052953 A JP 2000052953A JP 10218955 A JP10218955 A JP 10218955A JP 21895598 A JP21895598 A JP 21895598A JP 2000052953 A JP2000052953 A JP 2000052953A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
state
spin
tuck
wheel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10218955A
Other languages
English (en)
Inventor
Takemi Murayama
武美 村山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP10218955A priority Critical patent/JP2000052953A/ja
Publication of JP2000052953A publication Critical patent/JP2000052953A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 タックインに起因する車輌のスピンを確実に
且つ効果的に防止する。 【解決手段】 スピン状態量SSを演算し(S20〜4
0)、ドリフトアウト状態量DSを演算し(S50〜7
0)、スピン状態量SSに基づき制御輪の目標スリップ
率を演算し(S120)、ドリフトアウト状態量DSに
基づき制御輪の目標スリップ率を演算し(S140)、
これらの目標スリップ率に基づき各輪の制動力を制御し
てスピン抑制制御若しくはドリフトアウト抑制制御を行
う(S150〜200)。特に車輌がタックイン状態に
なる虞れがあるか否かを判別し(S80〜110)、車
輌がタックイン状態になる虞れがあるときにはスピン抑
制制御を実行するか否かを判定するための閾値を低下さ
せる(S130)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輌の挙動制御装
置に係り、更に詳細には車輌のスピンを抑制する車輌の
挙動制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車輌の挙動制御装置の一つと
して、例えば本願出願人の出願にかかる特開平8−91
197号公報に記載されている如く、車輌のヨーレート
に基づき車輌の横すべり加速度を演算し、横すべり加速
度に基づき車輌のスピンの程度を示すスピンバリューを
演算し、このスピンバリューが閾値以上であるときには
スピンバリューに基づきスピン制御量を演算し、スピン
制御量に基づき各輪の制動力を制御することにより車輌
にアンチスピンモーメントを与えて車輌の挙動を安定化
させる挙動制御装置が従来より知られている。
【0003】かかる挙動制御装置によれば、車輌のスピ
ンの程度に応じて各輪の制動力が制御されることによ
り、スピンの程度に応じたアンチスピンモーメントが車
輌に与えられるので、旋回時に車輌が過大なスピン状態
になることを効果的に防止することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】周知の如く、自動車等
の車輌の旋回時に於ける好ましからざる挙動としてタッ
クインがあり、特にフロントエンジンフロントドライブ
車(本明細書に於いてはFF車という)に於いて生じ易
い。タックインは例えば下り坂のコーナーに於いてエン
ジンの出力が低減される場合に発生し、このタックイン
は車輌のヨーレートが急激に変化する現象ではないが、
カウンタ操舵操作が遅れると車輌がスピン状態になる可
能性が大きい。
【0005】しかるに上述の従来の挙動制御装置に於い
ては、タックインの挙動が考慮されていないため、車輌
のヨーレートが増大して車輌が実際にスピン状態になら
ない限りスピン抑制制御が開始されず、そのためタック
インに起因する車輌のスピンを確実に且つ効果的に防止
することができないという不具合がある。またタックイ
ンに起因する車輌のスピンを防止すべくスピンバリュー
の閾値を低めに設定すると、例えばダブルレーンチェン
ジ時等に於いて不必要なスピン抑制制御が行われ易くな
る。
【0006】本発明は、車輌のヨーレートに基づき車輌
のスピンの程度を示すスピンバリューを演算し、スピン
バリューが閾値以上であるときにスピンバリューに基づ
きスピン抑制制御を行うよう構成された従来の挙動制御
装置に於ける上述の如き不具合に鑑みてなされたもので
あり、本発明の主要な課題は、車輌がタックイン状態に
なる虞れがあるときには早めにスピン抑制制御を行うこ
とにより、タックインに起因する車輌のスピンを確実に
且つ効果的に防止することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の主要な課題は、本
発明によれば、請求項1の構成、即ち車輌の状態量に基
づきスピンの程度を示すスピン状態量を演算するスピン
状態量演算手段と、前記スピン状態量が閾値以上である
ときに車輪の制駆動力を制御することによりスピン抑制
制御を実行する制駆動力制御手段とを有する車輌の挙動
制御装置に於いて、車輌がタックイン状態になる虞れを
推定するタックイン推定手段と、前記タックイン推定手
段により車輌がタックイン状態になる虞れが推定された
ときには前記閾値を低下させる閾値補正手段とを有する
ことを特徴とする車輌の挙動制御装置によって達成され
る。
【0008】上記請求項1の構成によれば、車輌がタッ
クイン状態になる虞れが推定され、車輌がタックイン状
態になる虞れがあるときにはスピン抑制制御を実行する
ための閾値が低下されるので、車輌がタックイン状態に
なる虞れがあるときにはスピン抑制制御が早めに開始さ
れ、これによりタックインに起因するスピンが確実に且
つ効果的に抑制される。
【0009】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前
記タックイン推定手段は車輌の旋回方向と操舵角との関
係、車輌の原動機の出力、操舵角速度の少なくとも一つ
のパラメータ及び車輌のオーバステア状態に基づき車輌
がタックイン状態になる虞れを推定するよう構成される
(請求項2の構成)。
【0010】請求項2の構成によれば、車輌の旋回方向
と操舵角との関係、車輌の原動機の出力、操舵角速度の
少なくとも一つのパラメータ及び車輌のオーバステア状
態に基づき車輌がタックイン状態になる虞れが推定され
るので、例えば車輌のオーバステア状態のみに基づき車
輌がタックイン状態になる虞れが推定される場合に比し
て正確に車輌がタックイン状態になる虞れが推定され
る。
【0011】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1又は2の構成に於い
て、前記車輌はフロントエンジンフロントドライブ車で
あるよう構成される(請求項3の構成)。
【0012】請求項3の構成によれば、車輌はFF車で
あるので、タックインが生じ易いFF車に於けるタック
インに起因するスピンが確実に且つ効果的に抑制され
る。
【0013】
【課題解決手段の好ましい態様】本発明の一つの好まし
い態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、スピン
状態量演算手段は少なくとも車輌のヨーレートに基づき
スピン状態量を演算するするよう構成される(好ましい
態様1)。
【0014】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項1の構成に於いて、挙動制御装置は車輌
の状態量に基づきドリフトアウトの程度を示すドリフト
アウト状態量を演算するドリフトアウト状態量演算手段
を含み、制駆動力制御手段はスピン状態量若しくはドリ
フトアウト状態量が対応する閾値以上であるときに車輪
の制駆動力を制御することによりスピン抑制制御若しく
はドリフトアウト抑制制御を実行し、閾値補正手段はタ
ックイン推定手段により車輌がタックイン状態になる虞
れが推定されたときにはスピン状態量に関する閾値のみ
を低下させるよう構成される(好ましい態様2)。
【0015】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項2の構成に於いて、タックイン推定手段
は車輌のオーバステア状態、車輌の旋回方向と操舵角と
の関係、車輌の原動機の出力、及び操舵角速度に基づき
車輌がタックイン状態になる虞れを推定するよう構成さ
れる(好ましい態様3)。
【0016】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項3の構成に於いて、制駆動力制御手段は
スピン状態量が閾値以上であるときには旋回内側後輪の
車輪速度を基準にスピン状態量に応じて旋回外側前輪の
目標スリップ率を演算し、旋回外側前輪のスリップ率が
目標スリップ率になるよう旋回外側前輪の制駆動力を制
御するよう構成される(好ましい態様4)。
【0017】本発明の更に他の一つの好ましい態様によ
れば、上記請求項3の構成に於いて、挙動制御装置は車
輌の状態量に基づきドリフトアウトの程度を示すドリフ
トアウト状態量を演算するドリフトアウト状態量演算手
段を含み、制駆動力制御手段はスピン状態量が対応する
閾値以上であるときには旋回内側後輪の車輪速度を基準
にスピン状態量に応じて旋回外側前輪の目標スリップ率
を演算し、旋回外側前輪のスリップ率が目標スリップ率
になるよう旋回外側前輪の制駆動力を制御し、ドリフト
アウト状態量が対応する閾値以上であるときには旋回外
側後輪の車輪速度を基準にドリフトアウト状態量に応じ
て旋回外側後輪以外の車輪の目標スリップ率を演算し、
旋回外側後輪以外の車輪のスリップ率がそれぞれ対応す
る目標スリップ率になるよう各輪の制駆動力を制御する
よう構成される(好ましい態様5)。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照しつつ、本
発明を好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0019】図1はFF車に適用された本発明による挙
動制御装置の一つの実施形態を示す概略構成図である。
【0020】図1に於いて、10FL及び10FRはそれぞ
れ操舵輪であり且つ駆動輪である車輌12の左右の前輪
を示し、10RL及び10RRはそれぞれ従動輪である左右
の後輪を示している。各車輪には制動装置14FL、14
FR、14RL、14RRが設けられている。各制動装置14
FL〜14RRは油圧制御回路16によって制動油圧が制御
されることにより対応する車輪の制動力を制御し、油圧
制御回路16は電子制御装置18により制御されるよう
になっている。
【0021】周知の如く、左右の前輪10FL及び10FR
はエンジン20によりトルクコンバータ及びトランスミ
ッション22、左右のドライブシャフト24FL及び24
FRを介して回転駆動され、エンジン20はエンジン制御
装置26により制御されるようになっている。
【0022】電子制御装置18には車輪速度センサ28
FL〜28RRよりそれぞれ車輪10FL、10FR、10RL、
10RRの車輪速度(周速)Vwfl 、Vwfr 、Vwrl 、V
wrrを示す信号、車速センサ30より車速Vを示す信
号、実質的に車体の重心に設けられた横加速度センサ3
2より車体の横加速度Gy を示す信号、ヨーレートセン
サ34より車体のヨーレートγを示す信号、操舵角セン
サ36より操舵角θを示す信号、エンジン制御装置26
より図には示されていないエンジンの出力トルクTe を
示す信号が入力されるようになっている。尚横加速度セ
ンサ32、ヨーレートセンサ34、操舵角センサ36は
車輌の左旋回方向を正として横加速度等をするようにな
っている。
【0023】電子制御装置18は後述の如く図2及び図
3の制御フロー及び図4、図5のマップを記憶してお
り、上述の種々のセンサにより検出されたパラメータに
基づき後述の如く種々の演算を行い、車輌のスピンの程
度を示すスピン状態量SS及び車輌のドリフトアウトの
程度を示すドリフトアウト状態量DSを求め、これらの
状態量がそれぞれ対応する閾値以上であるときには対応
する状態量に基づきそれぞれスピン抑制制御及びドリフ
トアウト抑制制御を行うための各輪の目標スリップ率を
演算し、各輪のスリップ率が目標スリップ率になるよう
各輪の制動力を制御して車輌の旋回挙動を安定化させる
ようになっている。
【0024】特に電子制御装置18は車輌の状態量及び
運転者による操作量に基づき車輌がタックイン状態にな
る虞れがあるか否かを判定し、車輌がタックイン状態に
なる虞れがあるときにはスピン抑制制御の要否を判定す
るための閾値を低下させ、これにより車輌がタックイン
状態になる虞れがあるときには通常時に比して早めにス
ピン抑制制御を開始する。
【0025】尚電子制御装置18は例えば中央処理ユニ
ット(CPU)と、リードオンリメモリ(ROM)と、
ランダムアクセスメモリ(RAM)と、入出力ポート装
置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互い
に接続された一般的な構成のマイクロコンピュータであ
ってよい。
【0026】次に図2及び図3に示されたフローチャー
トを参照して車輌の挙動制御ルーチンについて説明す
る。尚図2及び図3に示されたフローチャートによる制
御は図には示されていないイグニッションスイッチの閉
成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
【0027】まずステップ10に於いては車輪速度セン
サ28FL〜28RRにより検出された車輪速度Vwfl 〜V
wrr を示す信号等の読込みが行われ、ステップ20に於
いては横加速度Gy と車速V及びヨーレートγの積V*
γとの偏差Gy −V*γとして横加速度の偏差、即ち車
輌の横すべり加速度Vydが演算され、横すべり加速度V
ydが積分されることにより車体の横すべり速度Vy が演
算され、車体の前後速度Vx (=車速V)に対する車体
の横すべり速度Vy の比Vy /Vx として車体のスリッ
プ角βが演算される。
【0028】ステップ30に於いてはK1 及びK2 をそ
れぞれ正の定数として車体のスリップ角β及び横すべり
加速度Vydの線形和K1 *β+K2 *Vydとしてスピン
量SVが演算され、ステップ40に於いてはヨーレート
γの符号に基づき車輌の旋回方向が判定され、スピン状
態量SSが車輌が左旋回のときにはSVとして、車輌が
右旋回のときには−SVとして演算され、演算結果が負
の値のときにはスピン状態量は0とされる。尚スピン量
SVは車体のスリップ角β及びその微分値βdの線形和
として演算されてもよい。
【0029】ステップ50に於いてはKh をスタビリテ
ィファクタとしHを車輌のホイールベースとして下記の
数1に従って目標ヨーレートγc が演算されると共に、
Tを時定数としsをラプラス演算子として下記の数2に
従って基準ヨーレートγt が演算される。尚目標ヨーレ
ートγc は動的なヨーレートを考慮すべく車輌の横加速
度Gy を加味して演算されてもよい。
【0030】
【数1】γc =V*θ/(1+Kh *V2)*H
【数2】γt =γc /(1+T*s)
【0031】ステップ60に於いては下記の数3に従っ
てドリフトアウト量DVが演算される。尚ドリフトアウ
ト量DVはHをホイールベースとして下記の数4に従っ
て演算されてもよい。
【0032】
【数3】DV=(γt −γ)
【数4】DV=H*(γt −γ)/V
【0033】ステップ70に於いてはヨーレートγの符
号に基づき車輌の旋回方向が判定され、ドリフトアウト
状態量DSが車輌が左旋回のときにはDVとして、車輌
が右旋回のときには−DVとして演算され、演算結果が
負の値のときにはドリフトアウト状態量は0とされる。
【0034】ステップ80に於いては例えばヨーレート
センサ34により検出された実ヨーレートγの絶対値が
ステップ50に於いて演算された基準ヨーレートγt の
絶対値よりも大きいか否かの判別により、車輌がオーバ
ステア状態にあるか否かの判別が行われ、否定判別が行
われたときにはステップ120へ進み、肯定判別が行わ
れたときにはステップ90へ進む。
【0035】ステップ90に於いては例えば操舵角θの
符号とヨーレートγの符号とが同一であるか否かの判別
により、運転者によりカウンタ操舵が行われていないか
否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにステッ
プ120へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ
100へ進む。
【0036】ステップ100に於いては例えばエンジン
制御装置26より入力されるエンジンの出力トルクTe
が予め設定された基準値Teo(正の定数)未満であるか
否かの判別により、図には示されていないアクセルぺダ
ルが実質的に踏み込まれていないか否かの判別が行わ
れ、否定判別が行われたときにはステップ120へ進
み、肯定判別が行なわれたときにはステップ110へ進
む。
【0037】ステップ110に於いては例えば操舵角θ
の時間微分値θd が演算されると共に、時間微分値θd
の絶対値が予め設定された基準値θdo(正の定数)未満
であるか否かの判別により、実質的に保舵状態にあるか
否かの判別が行なわれ、否定判別が行なわれたときには
ステップ120に於いてスピン状態量SSに基づく旋回
外側前輪の目標スリップ率Rssfoが図4の実線にて示さ
れたグラフに対応するマップより演算され、肯定判別が
行なわれたときにはスピン状態量SSに基づく旋回外側
前輪の目標スリップ率Rssfoが図4の破線にて示された
グラフに対応するマップより演算される。
【0038】かくしてステップ80〜110は車輌がオ
ーバステア状態にあり且つカウンタ操舵が行われておら
ず且つエンジンの出力トルクTe が小さく且つ実質的に
保舵状態にあるか否かの判別により、車輌がタックイン
状態になる虞れがあるか否かを判別し推定するタックイ
ン推定手段として機能する。またステップ130は車輌
がタックイン状態になる虞れがあるときにスピン抑制制
御を実行するか否かを判定するための閾値を低下させる
閾値補正手段として機能する。
【0039】尚図4の実線と破線との間の差、即ち閾値
補正量は、ステップ80〜110に於いて車輌がタック
イン状態になる虞れがあると判定されたにも拘わらず車
輌がタックイン状態にならなかった場合に、不必要なス
ピン抑制制御が開始されない程度の補正量に設定される
ことが好ましい。
【0040】ステップ140に於いてはドリフトアウト
状態量DSに基づく旋回外側前輪、旋回内側前輪、旋回
内側後輪の目標スリップ率目標値Rsdfo、Rsdfi、Rsd
riが図5に示されたグラフに対応するマップより演算さ
れる。
【0041】ステップ150に於いては下記の数5に従
って旋回外側前輪、旋回内側前輪、旋回外側後輪、旋回
内側後輪の目標スリップ率Rsfo 、Rsfi 、Rsro 、R
sriが演算される。
【数5】 Rsfo =Rssfo+Rsdfo Rsfi =Rsdfi Rsro =0 Rsri =Rsdri
【0042】ステップ160に於いてはヨーレートγの
符号に基づき車輌の旋回方向が判定されることにより旋
回内外輪が特定され、その特定結果に基づき各輪の最終
目標スリップ率Rsi(i=fr、fl、rr、rl)が演算され
る。即ち最終目標スリップ率Rsiが車輌の左旋回の場合
及び右旋回の場合についてそれぞれ下記の数6及び数7
に従って求められる。
【0043】
【数6】 Rsfr =Rsfo Rsfl =Rsfi Rsrr =Rsro Rsrl =Rsri
【数7】 Rsfr =Rsfi Rsfl =Rsfo Rsrr =Rsri Rsrl =Rsro
【0044】ステップ170に於いては全ての最終目標
スリップ率Rsiが0であるか否かの判別、即ち挙動制御
が不要であるか否かの判別が行われ、否定判別が行なわ
れたときにはステップ10へ戻り、肯定判別が行われた
ときにはステップ180に於いてVb を基準車輪速度
(スピン抑制制御時に於いては旋回内側後輪の車輪速度
であり、ドリフトアウト抑制制御時又はスピン抑制制御
とドリフトアウト抑制制御とが同時に行われるときには
旋回外側後輪の車輪速度である)として下記の数8に従
って各輪の目標車輪速度Vwti が演算される。
【数8】Vwti =Vb *(100−Rsi)/100
【0045】ステップ190に於いてはVwid を各輪の
車輪加速度(Vwiの微分値)とし、Vd を車速Vの時間
微分値又は図1には示されていない前後加速度センサに
より検出される車輌の前後加速度とし、Ks を正の一定
の係数として下記の数9に従って各輪の目標スリップ量
SPi が演算され、ステップ200に於いては各輪のス
リップ量が目標スリップ量SPi になるよう各輪の制動
力が制御される。
【数9】 SPi =Vwi−Vwti +Ks *(Vwid −Vd )
【0046】かくして図示の実施形態によれば、車輌の
旋回挙動が安定な状態にあるときには、ステップ170
に於いて否定判別が行われることによりそのままステッ
プ10へ戻り、従ってこの場合にはステップ180〜2
00による挙動制御は実行されず、これにより各車輪の
制動力は運転者によるブレーキペダルに対する踏力に応
じて制御される。
【0047】また車輌の旋回挙動が不安定な状態にある
ときには、ステップ170に於いて肯定判別が行われる
ことによりステップ180に於いて各輪の目標車輪速度
Vwti が演算され、ステップ190及び200に於いて
各輪の車輪速度が目標車輪速度Vwti になるようそれら
の制動力が制御され、これにより車輌の旋回挙動が安定
化される。
【0048】換言すれば、車体のスリップ角β等に基づ
いてスピン状態量が演算され、また実ヨーレートγ等に
基づいてドリフトアウト状態量が演算され、スピン状態
量及びドリフトアウト状態量の両方に基づき各輪の制動
力が制御され、これによりスピン状態及びドリフトアウ
ト状態の何れの場合にもそれらの不安定な挙動が低減さ
れる。
【0049】更にステップ80〜110に於いて車輌が
タックイン状態になる虞れがあるか否かが判定され、こ
れらのステップに於いて肯定判別が行われることにより
車輌がタックイン状態になる虞れがあると判定されたと
きには、ステップ130に於いてスピン状態量SSに基
づく旋回外側前輪の目標スリップ率Rssfoが図4の破線
にて示されたグラフに対応するマップより演算されるこ
とによってスピン抑制制御を実行するための閾値が低下
されるので、車輌がタックイン状態になる虞れがある状
況に於いてはスピン抑制制御が早めに開始され、これに
よりタックインに起因するスピンが確実に且つ効果的に
抑制される。
【0050】特に図示の実施形態によれば、ステップ8
0〜110の全てに於いて肯定判別が行われた場合に車
輌がタックイン状態になる虞れがあると判定されるの
で、例えばステップ80に於いて肯定判別が行われステ
ップ90〜110の何れかに於いて肯定判別が行われた
ときに車輌がタックイン状態になる虞れがあると判定さ
れる場合に比して正確にタックインの虞れを判定するこ
とができ、これによりタックインの虞れがない状況に於
いて不必要なスピン抑制制御が実行されることを防止し
つつ、タックインの虞れがある状況に於いて必要なスピ
ン抑制制御を確実に早めに開始させることができる。
【0051】以上に於いては本発明を特定の実施形態に
ついて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限
定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の
実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであ
ろう。
【0052】例えば上述の実施形態に於いては、ステッ
プ20〜70に於いてスピン状態量SS及びドリフトア
ウト状態量DSの両者が演算され、スピン状態量SS若
しくはドリフトアウト状態量DSが対応する閾値以上で
あるときに車輪の制動力を制御することによりスピン抑
制制御若しくはドリフトアウト抑制制御が行われるよう
になっているが、ドリフトアウト状態量DSの演算及び
ドリフトアウト抑制制御が省略されてもよい。
【0053】また上述の実施形態に於いては、スピン抑
制制御時には旋回外側前輪にのみ制動力が与えられるよ
うになっているが、車輌がタックイン状態になる虞れが
ないときには旋回外側前輪及び旋回外側後輪の目標スリ
ップ率Rssfo、Rssroがそれぞれ図6の太い実線及び細
い実線にて示されたグラフに対応するマップより演算さ
れ、車輌がタックイン状態になる虞れがあるときには目
標スリップ率Rssfo、Rssroがそれぞれ図6の太い破線
及び細い破線にて示されたグラフに対応するマップより
演算されてもよい。
【0054】またこの場合に於いて、スピン抑制制御及
びドリフトアウト抑制制御の両者が行われる場合には、
旋回外側後輪の制御量が0に設定され、他の車輪の目標
スリップ率が旋回外側後輪の車輪速度を基準に演算され
てよい。
【0055】また上述の実施形態に於いては、車輌がオ
ーバステア状態にあり(ステップ80)且つ運転者によ
りカウンタ操舵が行なわれておらず(ステップ90)且
つエンジンの出力トルクが基準値Teo未満であり(ステ
ップ100)且つ保舵状態にある(ステップ110)場
合に車輌がタックイン状態になる虞れがあると判定され
るようになっているが、運転者によりカウンタ操舵が行
なわれていないこと、エンジンの出力トルクTe が基準
値Teo未満であること、保舵状態であることの何れか少
なくとも一つの条件と車輌がオーバステア状態にあるこ
ととが成立する場合に車輌がタックイン状態になる虞れ
があると判定されてもよい。
【0056】また上述の実施形態に於いては、車輌がタ
ックイン状態になる虞れがないときには旋回外側前輪の
目標スリップ率Rssfoが図4の実線にて示されたグラフ
に対応するマップより演算され、車輌がタックイン状態
になる虞れがあるときには目標スリップ率Rssfoが図4
の破線にて示されたグラフに対応するマップより演算さ
れるようになっているが、車輌がタックイン状態になる
虞れがあるときには、図4の二点鎖線にて示されたグラ
フに対応するマップより演算されてもよく、或いはスピ
ン状態量SSがΔSS(図4の閾値低減量に相当する正
の定数)低減補正され、しかる後目標スリップ率Rssfo
が図4の実線にて示されたグラフに対応するマップより
演算されてもよい。
【0057】また上述の実施形態に於いては、車輌はF
F車であるが、本発明の挙動制御装置が適用される車輌
はFR(フロントエンジンリヤドライブ)車や4WD車
であってもよい。
【0058】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明の請求項1の構成によれば、車輌がタックイン状態に
なる虞れが推定され、車輌がタックイン状態になる虞れ
があるときにはスピン抑制制御を実行するための閾値が
低下されるので、車輌がタックイン状態になる虞れがあ
るときにはスピン抑制制御を早めに開始し、これにより
タックインに起因するスピンを確実に且つ効果的に抑制
することができる。
【0059】また請求項2の構成によれば、車輌の旋回
方向と操舵角との関係、車輌の原動機の出力、操舵角速
度の少なくとも一つのパラメータ及び車輌のオーバステ
ア状態に基づき車輌がタックイン状態になる虞れが推定
されるので、例えば車輌のオーバステア状態のみに基づ
き車輌がタックイン状態になる虞れが推定される場合に
比して正確に車輌がタックイン状態になる虞れを推定す
ることができ、これにより車輌がタックイン状態になる
虞れがない状況に於いて閾値が不必要に低下されること
及びこれに起因して不必要なスピン抑制制御が行われる
虞れを低減することができる。
【0060】また請求項3の構成によれば、車輌はFF
車であるので、タックインが生じ易いFF車に於けるタ
ックインに起因するスピンを確実に且つ効果的に抑制す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】FF車に適用された本発明による挙動制御装置
の一つの実施形態を示す概略構成図である。
【図2】実施形態の挙動制御ルーチンの前半を示すフロ
ーチャートである。
【図3】実施形態の挙動制御ルーチンの後半を示すフロ
ーチャートである。
【図4】図示の実施形態に於けるスピン状態量SSと旋
回外側前輪の目標スリップ率Rssfoとの間の関係を示す
グラフである。
【図5】ドリフトアウト状態量DSと目標スリップ率R
sdfo、Rsdfi、Rsdriとの間の関係を示すグラフであ
る。
【図6】修正例に於けるスピン状態量SSと旋回外側前
輪及び旋回外側後輪の目標スリップ率Rssfo、Rssroと
の間の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
14FL〜14RR…制動装置 16…油圧制御回路 18…電子制御装置 20…エンジン 26…エンジン制御装置 28FL〜28RR…車輪速度センサ 30…車速センサ 32…横加速度センサ 34…ヨーレートセンサ 36…操舵角センサ
フロントページの続き Fターム(参考) 3D041 AA47 AB01 AD00 AD02 AD10 AD47 AD51 AE03 AE41 AE45 AF01 3D045 BB40 EE21 FF42 GG10 GG25 GG26 GG27 3D046 AA02 BB21 EE01 GG02 HH08 HH21 HH22 HH25 JJ02 3G093 AA01 AA03 BA01 BA14 CB01 CB09 DA06 DB00 DB05 DB17 DB18 DB21 EA02 EB04 FA07 FA10 FB01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輌の状態量に基づきスピンの程度を示す
    スピン状態量を演算するスピン状態量演算手段と、前記
    スピン状態量が閾値以上であるときに車輪の制駆動力を
    制御することによりスピン抑制制御を実行する制駆動力
    制御手段とを有する車輌の挙動制御装置に於いて、車輌
    がタックイン状態になる虞れを推定するタックイン推定
    手段と、前記タックイン推定手段により車輌がタックイ
    ン状態になる虞れが推定されたときには前記閾値を低下
    させる閾値補正手段とを有することを特徴とする車輌の
    挙動制御装置。
  2. 【請求項2】前記タックイン推定手段は車輌の旋回方向
    と操舵角との関係、車輌の原動機の出力、操舵角速度の
    少なくとも一つのパラメータ及び車輌のオーバステア状
    態に基づき車輌がタックイン状態になる虞れを推定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車輌の挙動制御装
    置。
  3. 【請求項3】前記車輌はフロントエンジンフロントドラ
    イブ車であることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    車輌の挙動制御装置。
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