JP2000049412A - 半導体レーザ素子 - Google Patents
半導体レーザ素子Info
- Publication number
- JP2000049412A JP2000049412A JP10215747A JP21574798A JP2000049412A JP 2000049412 A JP2000049412 A JP 2000049412A JP 10215747 A JP10215747 A JP 10215747A JP 21574798 A JP21574798 A JP 21574798A JP 2000049412 A JP2000049412 A JP 2000049412A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- semiconductor laser
- laser device
- waveguide
- diffraction grating
- bragg diffraction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 title claims description 106
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 claims description 18
- 238000009826 distribution Methods 0.000 claims description 8
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 2
- 230000010355 oscillation Effects 0.000 description 29
- 239000010410 layer Substances 0.000 description 27
- 230000003287 optical effect Effects 0.000 description 16
- 230000008859 change Effects 0.000 description 15
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 11
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 8
- 238000002347 injection Methods 0.000 description 7
- 239000007924 injection Substances 0.000 description 7
- 239000012792 core layer Substances 0.000 description 6
- 239000000969 carrier Substances 0.000 description 4
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 4
- 239000000463 material Substances 0.000 description 3
- BASFCYQUMIYNBI-UHFFFAOYSA-N platinum Chemical compound [Pt] BASFCYQUMIYNBI-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 238000005253 cladding Methods 0.000 description 2
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 2
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 2
- 230000020169 heat generation Effects 0.000 description 2
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 2
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 2
- 230000000737 periodic effect Effects 0.000 description 2
- 230000009471 action Effects 0.000 description 1
- 239000011149 active material Substances 0.000 description 1
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 1
- 239000004020 conductor Substances 0.000 description 1
- 239000000470 constituent Substances 0.000 description 1
- 230000008878 coupling Effects 0.000 description 1
- 238000010168 coupling process Methods 0.000 description 1
- 238000005859 coupling reaction Methods 0.000 description 1
- 238000011161 development Methods 0.000 description 1
- 230000005684 electric field Effects 0.000 description 1
- 230000014509 gene expression Effects 0.000 description 1
- 230000010365 information processing Effects 0.000 description 1
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 1
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 1
- 230000005693 optoelectronics Effects 0.000 description 1
- 229910052697 platinum Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000000758 substrate Substances 0.000 description 1
Landscapes
- Semiconductor Lasers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 広い波長範囲で連続チューニングの可能な半
導体レーザ素子を提供する。 【解決手段】 半導体レーザ素子100は,均一な格子
周期を持つ第1ブラッグ回折格子150aが形成された
第1受動導波路110aと,不均一な格子周期を持つ第
2ブラッグ回折格子150cが形成された第2受動導波
路110cと,第1受動導波路110aと第2受動導波
路110cとを接続する活性導波路110bにを備えて
いる。ここで,第2ブラッグ回折格子150cの格子周
期は,活性導波路110bから離れるに連れて長くなっ
ている。したがって,第2受動導波路110cでの光P
1の反射位置が波長依存性を示し,モード飛びを起こさ
ずに波長チューニングが可能となる。結果として,連続
チューニング可能な波長範囲が拡大する。
導体レーザ素子を提供する。 【解決手段】 半導体レーザ素子100は,均一な格子
周期を持つ第1ブラッグ回折格子150aが形成された
第1受動導波路110aと,不均一な格子周期を持つ第
2ブラッグ回折格子150cが形成された第2受動導波
路110cと,第1受動導波路110aと第2受動導波
路110cとを接続する活性導波路110bにを備えて
いる。ここで,第2ブラッグ回折格子150cの格子周
期は,活性導波路110bから離れるに連れて長くなっ
ている。したがって,第2受動導波路110cでの光P
1の反射位置が波長依存性を示し,モード飛びを起こさ
ずに波長チューニングが可能となる。結果として,連続
チューニング可能な波長範囲が拡大する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,半導体レーザ素子
に関する。
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年,光通信技術や光情報処理技術の発
展に伴って,発振波長可変型の半導体レーザ素子には,
広い波長範囲で連続的にチューニングできる波長可変機
能が要求されている。かかる状況において,従来,例え
ば,S.Murata etal.Electron
Lett.vol23.No8,1987(p403〜
p405)には,7〜8nm程度の波長範囲で波長チュ
ーニングを行うことができる半導体レーザ素子が開示さ
れている。
展に伴って,発振波長可変型の半導体レーザ素子には,
広い波長範囲で連続的にチューニングできる波長可変機
能が要求されている。かかる状況において,従来,例え
ば,S.Murata etal.Electron
Lett.vol23.No8,1987(p403〜
p405)には,7〜8nm程度の波長範囲で波長チュ
ーニングを行うことができる半導体レーザ素子が開示さ
れている。
【0003】ここで,上記文献に開示されている従来の
半導体レーザ素子について,図9を参照しながら,半導
体レーザ素子400を例示して簡単に説明する。図9に
示すように,半導体レーザ素子400は,活性領域40
0aとDBR(Distributed Bragg
Refrector;分布ブラッグ反射)領域400c
との間に位相調整領域400bを設けた構成を有するD
BRレーザである。
半導体レーザ素子について,図9を参照しながら,半導
体レーザ素子400を例示して簡単に説明する。図9に
示すように,半導体レーザ素子400は,活性領域40
0aとDBR(Distributed Bragg
Refrector;分布ブラッグ反射)領域400c
との間に位相調整領域400bを設けた構成を有するD
BRレーザである。
【0004】かかる半導体レーザ素子400において,
活性領域400aには活性導波路410aが形成されて
いる。活性領域400aでは,かかる活性導波路410
aに第1電極460aを介して電流I4aを注入するこ
とで,光P4を発生させることができる。
活性領域400aには活性導波路410aが形成されて
いる。活性領域400aでは,かかる活性導波路410
aに第1電極460aを介して電流I4aを注入するこ
とで,光P4を発生させることができる。
【0005】また,位相調整領域400bには位相調整
導波路410bが形成されている。位相調整領域400
bでは,かかる位相調整導波路410bに第2電極46
0bを介して電流I4bを注入することで,光P4の位
相調整をすることができる。
導波路410bが形成されている。位相調整領域400
bでは,かかる位相調整導波路410bに第2電極46
0bを介して電流I4bを注入することで,光P4の位
相調整をすることができる。
【0006】さらに,DBR領域400cには受動導波
路410cが形成されている。DBR領域400cで
は,かかる受動導波路410cに形成されたブラッグ回
折格子450cの作用によって,光P4の選択的反射に
よりレーザ光L4を形成することができる。
路410cが形成されている。DBR領域400cで
は,かかる受動導波路410cに形成されたブラッグ回
折格子450cの作用によって,光P4の選択的反射に
よりレーザ光L4を形成することができる。
【0007】かかる構成を有する半導体レーザ素子40
0の発振波長は,光P4が伝搬する光路長とブラッグ回
折格子450cの格子周期とに依存して変化する。した
がって,位相調整導波路410bに注入する電流I4b
と受動導波路410cに第3電極を介して注入する電流
I4cとを調整することによって,波長チューニングを
行うことができる。特に,電流I4bと電流I4cとの
比を最適化した場合には,発振波長の連続チューニング
を実現することが可能である。
0の発振波長は,光P4が伝搬する光路長とブラッグ回
折格子450cの格子周期とに依存して変化する。した
がって,位相調整導波路410bに注入する電流I4b
と受動導波路410cに第3電極を介して注入する電流
I4cとを調整することによって,波長チューニングを
行うことができる。特に,電流I4bと電流I4cとの
比を最適化した場合には,発振波長の連続チューニング
を実現することが可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記従
来の半導体レーザ素子400では,位相調整領域400
bにおける光P4の位相調整を十分に行うことができな
かった。したがって,離散チューニングは7〜8nm程
度の波長範囲で実施できるにもかかわらず,連続チュー
ニングは4nm程度の波長範囲でしか実施することがで
きなかった。
来の半導体レーザ素子400では,位相調整領域400
bにおける光P4の位相調整を十分に行うことができな
かった。したがって,離散チューニングは7〜8nm程
度の波長範囲で実施できるにもかかわらず,連続チュー
ニングは4nm程度の波長範囲でしか実施することがで
きなかった。
【0009】さらに,半導体レーザ素子400において
は,波長チューニングに際して,電流I4bと電流I4
cとをそれぞれ調整する必要がある。特に,連続チュー
ニングに際しては,電流I4bと電流I4cとを,両者
の比を最適化しながらそれぞれ調整する必要がある。結
果として,従来の半導体レーザ素子400は,波長チュ
ーニングの操作が複雑化せざるを得ない。
は,波長チューニングに際して,電流I4bと電流I4
cとをそれぞれ調整する必要がある。特に,連続チュー
ニングに際しては,電流I4bと電流I4cとを,両者
の比を最適化しながらそれぞれ調整する必要がある。結
果として,従来の半導体レーザ素子400は,波長チュ
ーニングの操作が複雑化せざるを得ない。
【0010】また,従来において,特開平7−2847
3には,光の進行方向に対して周期の変化した回折格子
が形成された一方の導波路を有する方向性結合器と,半
導体レーザ素子とが,導電型の同一基板上に集積され
た,半導体レーザ素子が開示されている。しかし,かか
る従来の半導体レーザ素子は,構成が大型化し,コスト
的にも不利であった。
3には,光の進行方向に対して周期の変化した回折格子
が形成された一方の導波路を有する方向性結合器と,半
導体レーザ素子とが,導電型の同一基板上に集積され
た,半導体レーザ素子が開示されている。しかし,かか
る従来の半導体レーザ素子は,構成が大型化し,コスト
的にも不利であった。
【0011】本発明は,従来の半導体レーザ素子が有す
る上記問題点に鑑みてなされたものであり,広い波長範
囲において発振波長の連続チューニングを実施すること
ができる,新規かつ改良された半導体レーザ素子を提供
することを目的とする。さらに,本発明の他の目的は,
簡素な構成を持ち,簡単な操作で波長チューニングを実
施することができる,新規かつ改良された半導体レーザ
素子を提供することである。
る上記問題点に鑑みてなされたものであり,広い波長範
囲において発振波長の連続チューニングを実施すること
ができる,新規かつ改良された半導体レーザ素子を提供
することを目的とする。さらに,本発明の他の目的は,
簡素な構成を持ち,簡単な操作で波長チューニングを実
施することができる,新規かつ改良された半導体レーザ
素子を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に,請求項1に記載の発明は,実効的な格子周期が実質
的に均一な第1のブラッグ回折格子を有する,第1の反
射導波路と;実効的な格子周期が不均一な第2のブラッ
グ回折格子を有する,第2の反射導波路と;第2の反射
導波路と第1の反射導波路とを相互に接続する活性導波
路とを備える構成を採用する。
に,請求項1に記載の発明は,実効的な格子周期が実質
的に均一な第1のブラッグ回折格子を有する,第1の反
射導波路と;実効的な格子周期が不均一な第2のブラッ
グ回折格子を有する,第2の反射導波路と;第2の反射
導波路と第1の反射導波路とを相互に接続する活性導波
路とを備える構成を採用する。
【0013】かかる構成を有する請求項1に記載の発明
は,活性領域の両側にDBR反射鏡を形成したDBRレ
ーザであり,その発振原理は,導波型FP(Fabry
−Perot;ファブリー・ペロ)共振器レーザに近い
ものを持つ。かかる請求項1に記載の発明においては,
内部を共振しながら往復伝搬する導波モードの光がレー
ザ発振され,その発振波長は,レーザ共振器の有効共振
器長に依存する。
は,活性領域の両側にDBR反射鏡を形成したDBRレ
ーザであり,その発振原理は,導波型FP(Fabry
−Perot;ファブリー・ペロ)共振器レーザに近い
ものを持つ。かかる請求項1に記載の発明においては,
内部を共振しながら往復伝搬する導波モードの光がレー
ザ発振され,その発振波長は,レーザ共振器の有効共振
器長に依存する。
【0014】請求項1に記載の発明において,共振中の
光は,(a)第2の反射導波路内での反射位置から
(b)活性導波路を介して(c)第1の反射導波路内で
の反射位置に至る経路を往復伝搬する。ここで,第2の
ブラッグ回折格子の格子周期が不均一なために,第2の
反射導波路での光の反射位置は波長によって変化する。
光は,(a)第2の反射導波路内での反射位置から
(b)活性導波路を介して(c)第1の反射導波路内で
の反射位置に至る経路を往復伝搬する。ここで,第2の
ブラッグ回折格子の格子周期が不均一なために,第2の
反射導波路での光の反射位置は波長によって変化する。
【0015】したがって,請求項1に記載の発明におい
ては,有効共振器長が異なる複数のレーザの機能が,一
の光経路上に実現される。結果として,請求項1に記載
の発明によれば,発振条件の自由度が向上し,広い波長
範囲において安定した発振動作が可能な半導体レーザ素
子を提供することが可能となる。
ては,有効共振器長が異なる複数のレーザの機能が,一
の光経路上に実現される。結果として,請求項1に記載
の発明によれば,発振条件の自由度が向上し,広い波長
範囲において安定した発振動作が可能な半導体レーザ素
子を提供することが可能となる。
【0016】かかる請求項1に記載の発明においては,
請求項2に記載の発明のように,第2のブラッグ回折格
子の実効的な格子周期が第2の反射導波路に沿って活性
導波路から離れる程長くなる構成を採用することが好適
である。かかる構成においては,第2のブラッグ回折格
子の実効的な格子周期の変化量を適切に設定することに
よって,モード飛びを起こさずに発振波長を順次変化さ
せることができる。結果として,請求項2に記載の発明
によれば,広い波長範囲での連続チューニングが可能と
なる。
請求項2に記載の発明のように,第2のブラッグ回折格
子の実効的な格子周期が第2の反射導波路に沿って活性
導波路から離れる程長くなる構成を採用することが好適
である。かかる構成においては,第2のブラッグ回折格
子の実効的な格子周期の変化量を適切に設定することに
よって,モード飛びを起こさずに発振波長を順次変化さ
せることができる。結果として,請求項2に記載の発明
によれば,広い波長範囲での連続チューニングが可能と
なる。
【0017】さらに,第2のブラッグ回折格子の実効的
な格子周期は,請求項3に記載の発明のように,活性導
波路と接続された端部の反対側の端部において,第1の
ブラッグ回折格子の実効的な格子周期と実質的に等しく
なる構成が好適である。
な格子周期は,請求項3に記載の発明のように,活性導
波路と接続された端部の反対側の端部において,第1の
ブラッグ回折格子の実効的な格子周期と実質的に等しく
なる構成が好適である。
【0018】なお,第2のブラッグ回折格子の実効的な
格子周期を不均一にするには,例えば,請求項4に記載
の発明のように,実際の格子周期を不均一に形成するこ
とによって実現することが可能である。かかる構成にお
いては,他の構成要素を追加せずに,第2のブラッグ回
折格子の実効的な格子周期を不均一にすることができ
る。結果として,請求項4に記載の発明によれば,製造
工程数を増やさずに装置構成が小型で簡素な,発振波長
の調整自由度が高い波長可変型の半導体レーザ素子を提
供することが可能となる。
格子周期を不均一にするには,例えば,請求項4に記載
の発明のように,実際の格子周期を不均一に形成するこ
とによって実現することが可能である。かかる構成にお
いては,他の構成要素を追加せずに,第2のブラッグ回
折格子の実効的な格子周期を不均一にすることができ
る。結果として,請求項4に記載の発明によれば,製造
工程数を増やさずに装置構成が小型で簡素な,発振波長
の調整自由度が高い波長可変型の半導体レーザ素子を提
供することが可能となる。
【0019】また,第2のブラッグ回折格子の実効的な
格子周期を不均一にするには,請求項5に記載の発明の
ように,上述の構成要素に加え,さらに,進行方向に沿
った第2の反射導波路の屈折率分布を調整するための屈
折率調整手段を備えることによっても実現することがで
きる。
格子周期を不均一にするには,請求項5に記載の発明の
ように,上述の構成要素に加え,さらに,進行方向に沿
った第2の反射導波路の屈折率分布を調整するための屈
折率調整手段を備えることによっても実現することがで
きる。
【0020】かかる構成においては,第2の反射導波路
で不均一な屈折率分布を達成することによって,第2の
ブラッグ回折格子の実効的な格子周期を不均一化するこ
とができる。したがって,実際の格子周期を不均一に形
成する必要はなく,第2のブラッグ回折格子の形成工程
を簡素に行うことができる。
で不均一な屈折率分布を達成することによって,第2の
ブラッグ回折格子の実効的な格子周期を不均一化するこ
とができる。したがって,実際の格子周期を不均一に形
成する必要はなく,第2のブラッグ回折格子の形成工程
を簡素に行うことができる。
【0021】ここで,屈折率調整手段としては,請求項
6に記載の発明のように,電力供給手段を用いることが
可能である。かかる構成によれば,EO効果(Elec
tro−Optic effect;電気光学効果)に
よって第2の反射導波路に不均一な屈折率分布を生じさ
せることができ,その結果,第2ブラッグ回折格子の実
効的な格子周期の不均一化が実現される。ここで,具体
的な電力供給手段としては,例えば,請求項7に記載の
発明に適用されている,櫛歯が不均一に分布した櫛形電
極を使用することが可能である。
6に記載の発明のように,電力供給手段を用いることが
可能である。かかる構成によれば,EO効果(Elec
tro−Optic effect;電気光学効果)に
よって第2の反射導波路に不均一な屈折率分布を生じさ
せることができ,その結果,第2ブラッグ回折格子の実
効的な格子周期の不均一化が実現される。ここで,具体
的な電力供給手段としては,例えば,請求項7に記載の
発明に適用されている,櫛歯が不均一に分布した櫛形電
極を使用することが可能である。
【0022】さらに,屈折率調整手段としては,請求項
8に記載の発明のように,発熱手段を用いることが可能
である。かかる構成においては,TO効果(Therm
o−Optic effect;熱光学効果)によって
第2の反射導波路に不均一な屈折率分布を生じさせるこ
とができ,その結果,第2ブラッグ回折格子の実効的な
格子周期の不均一化が実現される。ここで,具体的な発
熱手段としては,例えば,請求項9に記載の発明に適用
されている,断面積が不均一に分布した抵抗膜を使用す
ることができる。
8に記載の発明のように,発熱手段を用いることが可能
である。かかる構成においては,TO効果(Therm
o−Optic effect;熱光学効果)によって
第2の反射導波路に不均一な屈折率分布を生じさせるこ
とができ,その結果,第2ブラッグ回折格子の実効的な
格子周期の不均一化が実現される。ここで,具体的な発
熱手段としては,例えば,請求項9に記載の発明に適用
されている,断面積が不均一に分布した抵抗膜を使用す
ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に,添付図面を参照しなが
ら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明す
る。なお,以下の説明及び添付図面において,略同一の
機能及び構成を有する構成要素については,同一符号を
付することにより,重複説明を省略する。
ら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明す
る。なお,以下の説明及び添付図面において,略同一の
機能及び構成を有する構成要素については,同一符号を
付することにより,重複説明を省略する。
【0024】(第1の実施の形態)最初に,第1の実施
の形態について,主に図1及び図2を参照しながら説明
する。ここで,図1は,本実施の形態にかかる半導体レ
ーザ素子100の概略構成を示す断面図であり,図2
は,半導体レーザ素子100の発振特性についての説明
図である。
の形態について,主に図1及び図2を参照しながら説明
する。ここで,図1は,本実施の形態にかかる半導体レ
ーザ素子100の概略構成を示す断面図であり,図2
は,半導体レーザ素子100の発振特性についての説明
図である。
【0025】まず,図1を参照しながら本実施の形態に
かかる半導体レーザ素子100の構成について説明す
る。図1に示すように,半導体レーザ素子100には,
第1素子端面100Aから第2素子端面100Bに渡っ
て光導波路110が形成されている。かかる光導波路1
10においては,コア層130への光閉じ込めを実現す
るために,下部クラッド層120とコア層130と上部
クラッド層140とを素子裏面100C側から素子表面
100D側に向かって順次積層する積層構造が採用され
ている。
かかる半導体レーザ素子100の構成について説明す
る。図1に示すように,半導体レーザ素子100には,
第1素子端面100Aから第2素子端面100Bに渡っ
て光導波路110が形成されている。かかる光導波路1
10においては,コア層130への光閉じ込めを実現す
るために,下部クラッド層120とコア層130と上部
クラッド層140とを素子裏面100C側から素子表面
100D側に向かって順次積層する積層構造が採用され
ている。
【0026】なお,本実施の形態においては,下部クラ
ッド層120を例えばn−InPから形成するとともに
上部クラッド層140を例えばp−InPから形成する
ことができる。かかる材料から下部クラッド層120と
上部クラッド層140とを形成した場合,コア層130
に対して,順バイアスによる電流注入や逆バイアスによ
る電界印加が可能となる。
ッド層120を例えばn−InPから形成するとともに
上部クラッド層140を例えばp−InPから形成する
ことができる。かかる材料から下部クラッド層120と
上部クラッド層140とを形成した場合,コア層130
に対して,順バイアスによる電流注入や逆バイアスによ
る電界印加が可能となる。
【0027】本実施の形態にかかる半導体レーザ素子1
00は,以上説明した基本構造の光導波路110に沿っ
て,3つの領域に分けられている。かかる3つの領域
は,第1素子端面100A側の第1DBR領域100a
と,第2素子端面100B側の第2DBR領域100c
と,第2DBR領域100cと第1DBR領域100a
とに挟まれた活性領域100bとである。
00は,以上説明した基本構造の光導波路110に沿っ
て,3つの領域に分けられている。かかる3つの領域
は,第1素子端面100A側の第1DBR領域100a
と,第2素子端面100B側の第2DBR領域100c
と,第2DBR領域100cと第1DBR領域100a
とに挟まれた活性領域100bとである。
【0028】活性領域100bから説明すると,活性領
域100bは,印加された電気エネルギを光エネルギに
変換する機能を主機能として備えている。そのため,活
性領域100bに形成された光導波路110(以下,
「活性導波路110b」という。)には,コア層130
として,活性材料から成る活性層130bが適用されて
いる。本実施の形態において,かかる活性層130b
は,例えばバンドギャップ波長が約1.55μmの組成
を持つInGaAsPから形成することができる。
域100bは,印加された電気エネルギを光エネルギに
変換する機能を主機能として備えている。そのため,活
性領域100bに形成された光導波路110(以下,
「活性導波路110b」という。)には,コア層130
として,活性材料から成る活性層130bが適用されて
いる。本実施の形態において,かかる活性層130b
は,例えばバンドギャップ波長が約1.55μmの組成
を持つInGaAsPから形成することができる。
【0029】また,第1DBR領域100aは,活性領
域100bで発生し導かれて来た光P1の所定波長成分
を反射して再び活性領域100bに戻す機能を主機能と
して備えている。そのため,第1DBR領域100aの
光導波路110(以下,「第1受動導波路110a」と
いう。)には,第1ブラッグ回折格子150aが形成さ
れている。
域100bで発生し導かれて来た光P1の所定波長成分
を反射して再び活性領域100bに戻す機能を主機能と
して備えている。そのため,第1DBR領域100aの
光導波路110(以下,「第1受動導波路110a」と
いう。)には,第1ブラッグ回折格子150aが形成さ
れている。
【0030】より詳しくは,第1受動導波路110aに
は,コア層130として第1導波層130aが適用され
ており,第1ブラッグ回折格子150aは,かかる第1
導波層130aに略均一な格子周期で形成されている。
なお,本実施の形態において,第1導波層130aは,
例えば,バンドギャップ波長が1.3μmの非活性材料
から形成することができる。
は,コア層130として第1導波層130aが適用され
ており,第1ブラッグ回折格子150aは,かかる第1
導波層130aに略均一な格子周期で形成されている。
なお,本実施の形態において,第1導波層130aは,
例えば,バンドギャップ波長が1.3μmの非活性材料
から形成することができる。
【0031】また,第2DBR領域100cにおいて
は,第1DBR領域100aと類似した構成によって,
活性領域100bに光を反射する機能が実現されてい
る。すなわち,第2DBR領域100cの光導波路11
0(以下,「第2受動導波路110c」という。)は,
第1受動導波路110aと類似の構成で形成されてお
り,かかる第2受動導波路110cには,第1導波層1
30aと類似の構成の第2導波層130cが適用されて
いる。
は,第1DBR領域100aと類似した構成によって,
活性領域100bに光を反射する機能が実現されてい
る。すなわち,第2DBR領域100cの光導波路11
0(以下,「第2受動導波路110c」という。)は,
第1受動導波路110aと類似の構成で形成されてお
り,かかる第2受動導波路110cには,第1導波層1
30aと類似の構成の第2導波層130cが適用されて
いる。
【0032】ただし,本実施の形態にかかる第2DBR
領域100cは,第2導波層130cに格子周期の不均
一な第2ブラッグ回折格子150cが形成されていると
いう特徴を有している。かかる第2ブラッグ回折格子1
50cの不均一な格子周期について説明すると,第2ブ
ラッグ回折格子150cは,活性領域100bとの境界
部付近では第1DBR領域100aの第1ブラッグ回折
格子150aよりも短い格子周期で形成されており,第
2素子端面100B付近では第1ブラッグ回折格子15
0aと略同一の格子周期で形成されている。すなわち,
かかる第2ブラッグ回折格子150cは,活性領域10
0bから離れて第2素子端面100Bに近付くに従って
格子周期が長くなるように形成されている。
領域100cは,第2導波層130cに格子周期の不均
一な第2ブラッグ回折格子150cが形成されていると
いう特徴を有している。かかる第2ブラッグ回折格子1
50cの不均一な格子周期について説明すると,第2ブ
ラッグ回折格子150cは,活性領域100bとの境界
部付近では第1DBR領域100aの第1ブラッグ回折
格子150aよりも短い格子周期で形成されており,第
2素子端面100B付近では第1ブラッグ回折格子15
0aと略同一の格子周期で形成されている。すなわち,
かかる第2ブラッグ回折格子150cは,活性領域10
0bから離れて第2素子端面100Bに近付くに従って
格子周期が長くなるように形成されている。
【0033】以上の3つの領域から構成される本実施の
形態にかかる半導体レーザ素子100には,素子裏面1
00C全面を覆うように共通電極160が設置されてい
る。さらに,半導体レーザ素子100には,素子表面1
00Dの活性領域100b部分に電極160bが設置さ
れている。半導体レーザ素子100においては,かかる
電極160bを介して,活性層130bへの電流I1b
の注入が可能となる。
形態にかかる半導体レーザ素子100には,素子裏面1
00C全面を覆うように共通電極160が設置されてい
る。さらに,半導体レーザ素子100には,素子表面1
00Dの活性領域100b部分に電極160bが設置さ
れている。半導体レーザ素子100においては,かかる
電極160bを介して,活性層130bへの電流I1b
の注入が可能となる。
【0034】さらにまた,素子表面100Dの第1DB
R領域100a部分には,受動導波路110aを覆うよ
うに電極160aが設置されている。半導体レーザ素子
100においては,かかる電極160aを介して,第1
受動導波路110aの導波層130aへの電流I1aの
注入が可能となる。なお,本実施の形態において,これ
ら共通電極160と電極160bと電極160aとは,
例えばAuから形成することができる。
R領域100a部分には,受動導波路110aを覆うよ
うに電極160aが設置されている。半導体レーザ素子
100においては,かかる電極160aを介して,第1
受動導波路110aの導波層130aへの電流I1aの
注入が可能となる。なお,本実施の形態において,これ
ら共通電極160と電極160bと電極160aとは,
例えばAuから形成することができる。
【0035】次に,本実施の形態にかかる半導体レーザ
素子100の発振動作について,引き続き図1を参照し
ながら説明する。図1に示すように,半導体レーザ素子
100の光導波路110は,第1受動導波路110aと
第2受動導波路110cとによって進行方向から活性導
波路110bを挟み込んだ構成になっている。また,半
導体レーザ素子100において,第1受動導波路110
aと第2受動導波路110cとは,ブラッグ反射による
逆方向結合によって光を反射する機能を備えている。
素子100の発振動作について,引き続き図1を参照し
ながら説明する。図1に示すように,半導体レーザ素子
100の光導波路110は,第1受動導波路110aと
第2受動導波路110cとによって進行方向から活性導
波路110bを挟み込んだ構成になっている。また,半
導体レーザ素子100において,第1受動導波路110
aと第2受動導波路110cとは,ブラッグ反射による
逆方向結合によって光を反射する機能を備えている。
【0036】したがって,電流I1bの注入によって活
性導波路110bで発生した光P1は,共振条件を満た
す場合に,光導波路110内を往復伝搬しながらその光
波パワーが蓄積される。かかる蓄積された光波パワー
に,更に,電流I1bの注入によって活性導波路110
bで利得が与えられて,第1素子端面100A又は第2
素子端面100Bからレーザ光L1が出力される。
性導波路110bで発生した光P1は,共振条件を満た
す場合に,光導波路110内を往復伝搬しながらその光
波パワーが蓄積される。かかる蓄積された光波パワー
に,更に,電流I1bの注入によって活性導波路110
bで利得が与えられて,第1素子端面100A又は第2
素子端面100Bからレーザ光L1が出力される。
【0037】本実施の形態にかかる半導体レーザ素子1
00において,かかるレーザ光L1の波長は,電極16
0aから注入する電流I1aによってチューニングする
ことができる。これは,電極160aから電流I1aを
注入すると,注入キャリアによるプラズマ効果によって
第1導波層130aの屈折率が低下し,第1ブラッグ回
折格子150aの実効的な格子周期が変化するためであ
る。
00において,かかるレーザ光L1の波長は,電極16
0aから注入する電流I1aによってチューニングする
ことができる。これは,電極160aから電流I1aを
注入すると,注入キャリアによるプラズマ効果によって
第1導波層130aの屈折率が低下し,第1ブラッグ回
折格子150aの実効的な格子周期が変化するためであ
る。
【0038】次に,半導体レーザ素子100のかかる波
長チューニングについて,図2と図10とを比較しなが
ら詳細に説明する。ここで,図2は,上述したように半
導体レーザ素子100の発振特性についての説明図であ
り,図10は,図9に示す従来の半導体レーザ素子40
0の発振特性についての説明図である。
長チューニングについて,図2と図10とを比較しなが
ら詳細に説明する。ここで,図2は,上述したように半
導体レーザ素子100の発振特性についての説明図であ
り,図10は,図9に示す従来の半導体レーザ素子40
0の発振特性についての説明図である。
【0039】発明者の知見によれば,共振器として構成
された半導体レーザ素子中では,発振波長と共振器長と
の間に, L/nλ=N ・・・ (1) の関係が成立する。ここで,Lは,共振器の有効共振器
長を示しており,nは,共振中に光が伝搬する光路の屈
折率を示している。また,λは,半導体レーザ素子の発
振波長を示しており,Nは整数を示している。
された半導体レーザ素子中では,発振波長と共振器長と
の間に, L/nλ=N ・・・ (1) の関係が成立する。ここで,Lは,共振器の有効共振器
長を示しており,nは,共振中に光が伝搬する光路の屈
折率を示している。また,λは,半導体レーザ素子の発
振波長を示しており,Nは整数を示している。
【0040】図9に示す従来の半導体レーザ素子400
において,波長チューニングのために電流I4bを注入
すると,受動導波路410cのコア層の屈折率が低下
し,受動導波路410cの反射特性と半導体レーザ素子
400の発振波長とが短波長側へシフトする。図10中
においては,受動導波路410cの反射特性は,図10
中で曲線470から曲線470’へと変化するものとし
て示されており,半導体レーザ素子400の発振波長
は,点480から点480’へと変化するものとして示
されている。
において,波長チューニングのために電流I4bを注入
すると,受動導波路410cのコア層の屈折率が低下
し,受動導波路410cの反射特性と半導体レーザ素子
400の発振波長とが短波長側へシフトする。図10中
においては,受動導波路410cの反射特性は,図10
中で曲線470から曲線470’へと変化するものとし
て示されており,半導体レーザ素子400の発振波長
は,点480から点480’へと変化するものとして示
されている。
【0041】この時,受動導波路410cの反射特性の
変化量は,受動導波路410c自身の屈折率変化のみで
決まる。これに対して,半導体レーザ素子400の発振
波長の変化量は,半導体レーザ素子400の共振器長に
依存するため,受動導波路410c以外の他の領域にも
関係して決まる。
変化量は,受動導波路410c自身の屈折率変化のみで
決まる。これに対して,半導体レーザ素子400の発振
波長の変化量は,半導体レーザ素子400の共振器長に
依存するため,受動導波路410c以外の他の領域にも
関係して決まる。
【0042】したがって,受動導波路410cの屈折率
変化は,半導体レーザ素子400の発振波長よりも受動
導波路410cの反射特性に対して大きな影響を与え
る。結果として,図10に示すように,半導体レーザ素
子400の発振波長の波長変化幅は,受動導波路410
cの反射特性の波長変化幅よりも小さくなる。
変化は,半導体レーザ素子400の発振波長よりも受動
導波路410cの反射特性に対して大きな影響を与え
る。結果として,図10に示すように,半導体レーザ素
子400の発振波長の波長変化幅は,受動導波路410
cの反射特性の波長変化幅よりも小さくなる。
【0043】以上説明したことから,図9に示す従来の
半導体レーザ素子400においては,受動導波路410
cの反射特性の変化が大きくなると,発振波長の変化が
追従し切れなくなる。したがって,従来の半導体レーザ
素子400では,発振波長をある程度以上変化させる
と,Nを変化させなければ上記(1)の関係を満たすこ
とができなくなり,その結果,モード飛びが起きて連続
チューニングができなくなる。
半導体レーザ素子400においては,受動導波路410
cの反射特性の変化が大きくなると,発振波長の変化が
追従し切れなくなる。したがって,従来の半導体レーザ
素子400では,発振波長をある程度以上変化させる
と,Nを変化させなければ上記(1)の関係を満たすこ
とができなくなり,その結果,モード飛びが起きて連続
チューニングができなくなる。
【0044】一方,図1に示す本実施の形態にかかる半
導体レーザ素子100においては,第2受動導波路11
0cに形成されている第2ブラッグ回折格子150cの
格子周期が変化しているため,第2受動導波路110c
での光P1の反射点が波長により変化する。すなわち,
光P1の短波長成分は,活性領域100bに近いところ
で反射するが,光P1の長波長成分は,活性領域100
bから遠いところで反射する。このことは,本実施の形
態にかかる半導体レーザ素子100は,波長により有効
共振器長が変化することを意味している。
導体レーザ素子100においては,第2受動導波路11
0cに形成されている第2ブラッグ回折格子150cの
格子周期が変化しているため,第2受動導波路110c
での光P1の反射点が波長により変化する。すなわち,
光P1の短波長成分は,活性領域100bに近いところ
で反射するが,光P1の長波長成分は,活性領域100
bから遠いところで反射する。このことは,本実施の形
態にかかる半導体レーザ素子100は,波長により有効
共振器長が変化することを意味している。
【0045】以上のことから,図2に示すように,本実
施の形態にかかる半導体レーザ素子100においては,
第1ブラッグ格子150aの格子周期の変化の大きさを
適当に制御すれば,第1ブラッグ格子150aの反射特
性の変化幅と発振波長の変化幅とを等しくできることが
分かる。なお,図2には,第1ブラッグ格子150aの
反射特性は,曲線170から曲線170’へ変化したも
のとして示しており,レーザ光Lの波長は,点180か
ら点180’へ変化したものとして示している。結果と
して,本実施の形態にかかる半導体レーザ素子100に
おいては,Nを一定に保ったまま上記(1)式の関係を
満たすことが可能となり,モード飛びを起こすことなく
大きな連続波長可変動作を実現することができる。
施の形態にかかる半導体レーザ素子100においては,
第1ブラッグ格子150aの格子周期の変化の大きさを
適当に制御すれば,第1ブラッグ格子150aの反射特
性の変化幅と発振波長の変化幅とを等しくできることが
分かる。なお,図2には,第1ブラッグ格子150aの
反射特性は,曲線170から曲線170’へ変化したも
のとして示しており,レーザ光Lの波長は,点180か
ら点180’へ変化したものとして示している。結果と
して,本実施の形態にかかる半導体レーザ素子100に
おいては,Nを一定に保ったまま上記(1)式の関係を
満たすことが可能となり,モード飛びを起こすことなく
大きな連続波長可変動作を実現することができる。
【0046】以上説明したように,本実施の形態によれ
ば,1の制御電流(図1中の電流I1aがこれに相当す
る。)のみで連続波長可変を実現することが出来る。ま
た,本実施の形態によれば,少なくとも,従来の3電極
DBRレーザの離散的波長可変幅である約7〜8nm
は,連続的波長可変幅として確保することができる。
ば,1の制御電流(図1中の電流I1aがこれに相当す
る。)のみで連続波長可変を実現することが出来る。ま
た,本実施の形態によれば,少なくとも,従来の3電極
DBRレーザの離散的波長可変幅である約7〜8nm
は,連続的波長可変幅として確保することができる。
【0047】(第2の実施の形態)次に,第2の実施の
形態について図3及び図4を参照しながら説明する。こ
こで,図3は,本実施の形態にかかる半導体レーザ素子
200の概略構成を示す断面図であり,図4は,半導体
レーザ素子200の概略構成を示す平面図である。
形態について図3及び図4を参照しながら説明する。こ
こで,図3は,本実施の形態にかかる半導体レーザ素子
200の概略構成を示す断面図であり,図4は,半導体
レーザ素子200の概略構成を示す平面図である。
【0048】図3に示すように,本実施の形態にかかる
半導体レーザ素子200は,図1に示す上記第1の実施
の形態にかかる半導体レーザ素子100と同様に,3つ
の領域から構成されている。本実施の形態にかかる半導
体レーザ素子200を構成する3つの領域は,それぞれ
図1に示す半導体レーザ素子100の対応する各領域と
略同一の機能を持つ。
半導体レーザ素子200は,図1に示す上記第1の実施
の形態にかかる半導体レーザ素子100と同様に,3つ
の領域から構成されている。本実施の形態にかかる半導
体レーザ素子200を構成する3つの領域は,それぞれ
図1に示す半導体レーザ素子100の対応する各領域と
略同一の機能を持つ。
【0049】しかし,構成については,かかる3つの領
域のうち第1DBR領域200aと活性領域200bと
は図1に示す半導体レーザ素子100のそれぞれに対応
する領域と略同一であるが,残りの第2DBR領域20
0cは本実施の形態にかかる特徴的な構成を有する。
域のうち第1DBR領域200aと活性領域200bと
は図1に示す半導体レーザ素子100のそれぞれに対応
する領域と略同一であるが,残りの第2DBR領域20
0cは本実施の形態にかかる特徴的な構成を有する。
【0050】3つの領域についてそれぞれ説明すると,
まず,中間に位置する活性領域200bは,図1に示す
活性領域100bと略同一の構成を有しており,活性層
230bが適用された活性導波路210bを備えてい
る。かかる活性導波路210bにおいては,電極260
bからの電流I2bの注入によって活性層230bでの
光P2の発生及び光P2への利得の付与を行うことがで
きる。
まず,中間に位置する活性領域200bは,図1に示す
活性領域100bと略同一の構成を有しており,活性層
230bが適用された活性導波路210bを備えてい
る。かかる活性導波路210bにおいては,電極260
bからの電流I2bの注入によって活性層230bでの
光P2の発生及び光P2への利得の付与を行うことがで
きる。
【0051】また,第1素子端面200A側の第1DB
R領域200aは,図1に示す第1DBR領域100a
と略同一の構成を有しており,均一な格子周期を持つ第
1ブラッグ回折格子250aが形成された第1受動導波
路210aを備えている。かかる第1DBR領域200
aにおいては,電極260aから電流I2aを注入する
ことによって,第1ブラッグ回折格子250aが形成さ
れた第1導波層230aの実効的な格子周期を変化させ
て,第1受動導波路210aでの反射波長を調節するこ
とができる。
R領域200aは,図1に示す第1DBR領域100a
と略同一の構成を有しており,均一な格子周期を持つ第
1ブラッグ回折格子250aが形成された第1受動導波
路210aを備えている。かかる第1DBR領域200
aにおいては,電極260aから電流I2aを注入する
ことによって,第1ブラッグ回折格子250aが形成さ
れた第1導波層230aの実効的な格子周期を変化させ
て,第1受動導波路210aでの反射波長を調節するこ
とができる。
【0052】さらに,第2素子端面200B側に位置す
る第2DBR領域200cは,均一な格子周期で第2ブ
ラッグ回折格子250cが形成されている第2受動導波
路250cを備えている。なお,これに対し,図1に示
す上記第1の実施の形態においては,第2DBR領域1
00cの第2受動導波路150cには,不均一な格子周
期で第2ブラッグ回折格子150cが形成されてた。
る第2DBR領域200cは,均一な格子周期で第2ブ
ラッグ回折格子250cが形成されている第2受動導波
路250cを備えている。なお,これに対し,図1に示
す上記第1の実施の形態においては,第2DBR領域1
00cの第2受動導波路150cには,不均一な格子周
期で第2ブラッグ回折格子150cが形成されてた。
【0053】図4に示すように,かかる第2DBR領域
200cにおいては,光P2の反射位置に波長依存性を
持たせるため,櫛形の形状をした櫛形電極260cが,
第2受動導波路210c上を覆うように素子表面200
Dに設けられている。かかる櫛形電極260cは,活性
領域200bに近い部分程櫛歯の割合が大きく逆に第2
素子端面200Bに近い部分程櫛歯の割合が小さくなっ
ている。
200cにおいては,光P2の反射位置に波長依存性を
持たせるため,櫛形の形状をした櫛形電極260cが,
第2受動導波路210c上を覆うように素子表面200
Dに設けられている。かかる櫛形電極260cは,活性
領域200bに近い部分程櫛歯の割合が大きく逆に第2
素子端面200Bに近い部分程櫛歯の割合が小さくなっ
ている。
【0054】図3に示すように,以上のように構成され
た半導体レーザ素子200での発振波長のチューニング
においては,まず櫛形電極260cに一定電流I2cが
注入される。この時,櫛形電極260cの櫛歯が不均一
に分布した櫛形形状のために,活性領域200bに近い
部分には多くのキャリヤが注入され,活性領域200b
から遠い部分には少しのキャリヤしか注入されない。
た半導体レーザ素子200での発振波長のチューニング
においては,まず櫛形電極260cに一定電流I2cが
注入される。この時,櫛形電極260cの櫛歯が不均一
に分布した櫛形形状のために,活性領域200bに近い
部分には多くのキャリヤが注入され,活性領域200b
から遠い部分には少しのキャリヤしか注入されない。
【0055】したがって,第2受動導波路210cで
は,第2導波層230cに注入されるキャリヤが不均一
になり,第2導波層230cに不均一な屈折率分布が生
じる。結果として,第2ブラッグ回折格子250cの実
効的な格子周期が不均一化して,第2受動導波路210
c各部でのブラッグ波長が変化し,周期変調回折格子が
実効的に実現できる。
は,第2導波層230cに注入されるキャリヤが不均一
になり,第2導波層230cに不均一な屈折率分布が生
じる。結果として,第2ブラッグ回折格子250cの実
効的な格子周期が不均一化して,第2受動導波路210
c各部でのブラッグ波長が変化し,周期変調回折格子が
実効的に実現できる。
【0056】本実施の形態にかかる半導体レーザ素子2
00においては,さらに,電極260aに電流I2aを
注入することによって第1受動導波路210aでの反射
波長を変化させて,モード飛びのない連続波長チューニ
ングをすることが可能となる。
00においては,さらに,電極260aに電流I2aを
注入することによって第1受動導波路210aでの反射
波長を変化させて,モード飛びのない連続波長チューニ
ングをすることが可能となる。
【0057】以上説明したように,本実施の形態におい
ても,上記第1の実施の形態と同様の原理によって,大
きな連続波長チューニングが可能となる。さらに,本実
施の形態において,必要なブラッグ回折格子は均一な格
子周期を持つ構成であるため,通常の干渉露光法を用い
て極めて容易な製造プロセスで形成することができる。
したがって,本実施の形態によれば,上記第1の実施の
形態にかかる半導体レーザ素子と比較して,製造の容易
な半導体レーザ素子を提供することができる。
ても,上記第1の実施の形態と同様の原理によって,大
きな連続波長チューニングが可能となる。さらに,本実
施の形態において,必要なブラッグ回折格子は均一な格
子周期を持つ構成であるため,通常の干渉露光法を用い
て極めて容易な製造プロセスで形成することができる。
したがって,本実施の形態によれば,上記第1の実施の
形態にかかる半導体レーザ素子と比較して,製造の容易
な半導体レーザ素子を提供することができる。
【0058】(第3の実施の形態)次に,第3の実施の
形態について図5及び図6を参照しながら説明する。こ
こで,図5は,本実施の形態にかかる半導体レーザ素子
300の概略構成を示す断面図であり,図6は,半導体
レーザ素子300の概略構成を示す平面図である。
形態について図5及び図6を参照しながら説明する。こ
こで,図5は,本実施の形態にかかる半導体レーザ素子
300の概略構成を示す断面図であり,図6は,半導体
レーザ素子300の概略構成を示す平面図である。
【0059】図5に示すように,本実施の形態にかかる
半導体レーザ素子300も,図1に示す上記第1の実施
の形態にかかる半導体レーザ素子100や図3に示す上
記第2の実施の形態にかかる半導体レーザ素子200と
同様に,3つの領域から構成されている。本実施の形態
にかかる半導体レーザ素子300の3つの領域は,図2
に示す半導体レーザ素子200のそれぞれに対応する各
領域と略同一の機能を持つ。
半導体レーザ素子300も,図1に示す上記第1の実施
の形態にかかる半導体レーザ素子100や図3に示す上
記第2の実施の形態にかかる半導体レーザ素子200と
同様に,3つの領域から構成されている。本実施の形態
にかかる半導体レーザ素子300の3つの領域は,図2
に示す半導体レーザ素子200のそれぞれに対応する各
領域と略同一の機能を持つ。
【0060】しかし,構成に関しては,かかる3つの領
域のうち活性領域300bは,図3に示す半導体レーザ
素子200の対応する領域と略同一の構成を有するが,
残りの第1DBR領域300aと第2DBR領域300
cとは,それぞれ本実施の形態にかかる特徴的な構成を
有する。
域のうち活性領域300bは,図3に示す半導体レーザ
素子200の対応する領域と略同一の構成を有するが,
残りの第1DBR領域300aと第2DBR領域300
cとは,それぞれ本実施の形態にかかる特徴的な構成を
有する。
【0061】3つの領域についてそれぞれ説明すると,
中間に位置する活性領域300bは,図3に示す活性領
域200bと略同一の構成を有しており,活性層330
bが適用された活性導波路310bを備えている。かか
る活性導波路310bにおいては,電極360bからの
電流I3bの注入によって活性層330bでの光P3の
発生及び光P3への利得の付与を行うことができる。
中間に位置する活性領域300bは,図3に示す活性領
域200bと略同一の構成を有しており,活性層330
bが適用された活性導波路310bを備えている。かか
る活性導波路310bにおいては,電極360bからの
電流I3bの注入によって活性層330bでの光P3の
発生及び光P3への利得の付与を行うことができる。
【0062】また,第1素子端面300A側の第1DB
R領域300aは,均一な格子周期で第1ブラッグ回折
格子350aが形成された第1受動導波路310aを備
えている。さらに,第1DBR領域300aは,かかる
第1受動導波路310aを覆うように素子表面300D
に設置された電極360aを備えている。さらにまた,
第1DBR領域300aにおいては,かかる電極360
aを覆うように,絶縁膜370aを介して第1抵抗加熱
膜380aが設置されている。
R領域300aは,均一な格子周期で第1ブラッグ回折
格子350aが形成された第1受動導波路310aを備
えている。さらに,第1DBR領域300aは,かかる
第1受動導波路310aを覆うように素子表面300D
に設置された電極360aを備えている。さらにまた,
第1DBR領域300aにおいては,かかる電極360
aを覆うように,絶縁膜370aを介して第1抵抗加熱
膜380aが設置されている。
【0063】したがって,第1DBR領域300aにお
いては,電極360aからの電流I3aの注入と第1抵
抗加熱膜380aの発熱とによって,第1ブラッグ回折
格子350aが形成された第1導波層330aの実効的
な格子周期を変化させて,第1受動導波路310aでの
反射波長を調節することができる。
いては,電極360aからの電流I3aの注入と第1抵
抗加熱膜380aの発熱とによって,第1ブラッグ回折
格子350aが形成された第1導波層330aの実効的
な格子周期を変化させて,第1受動導波路310aでの
反射波長を調節することができる。
【0064】また,第2素子端面300B側の第2DB
R領域300cは,均一な格子周期を持つ第2ブラッグ
回折格子350cが形成された第2受動導波路310c
を備えている。さらに,かかる第2DBR領域300c
において,素子表面300Dには,第2受動導波路31
0c上を覆うように電極360cが設置されている。
R領域300cは,均一な格子周期を持つ第2ブラッグ
回折格子350cが形成された第2受動導波路310c
を備えている。さらに,かかる第2DBR領域300c
において,素子表面300Dには,第2受動導波路31
0c上を覆うように電極360cが設置されている。
【0065】第2DBR領域300cにおいて,かかる
電極360cには,更に絶縁膜370cを介して本実施
の形態にかかる第2抵抗加熱膜380cが設置されてい
る。第2抵抗加熱膜380cは,活性領域300b側程
幅広になるように,例えば略三角形の形状に形成されて
いる。
電極360cには,更に絶縁膜370cを介して本実施
の形態にかかる第2抵抗加熱膜380cが設置されてい
る。第2抵抗加熱膜380cは,活性領域300b側程
幅広になるように,例えば略三角形の形状に形成されて
いる。
【0066】したがって,第2DBR領域300cにお
いては,電極360cからの電流I3cの注入で第2ブ
ラッグ回折格子350cが形成された第2導波層330
cの実効的な格子周期を変化させて,第2受動導波路3
10cでの反射波長を調節することができる。さらに,
第2抵抗加熱膜380cの発熱によって,第2導波層3
30cの屈折率分布が不均一化し,反射位置の波長依存
性が実現される。
いては,電極360cからの電流I3cの注入で第2ブ
ラッグ回折格子350cが形成された第2導波層330
cの実効的な格子周期を変化させて,第2受動導波路3
10cでの反射波長を調節することができる。さらに,
第2抵抗加熱膜380cの発熱によって,第2導波層3
30cの屈折率分布が不均一化し,反射位置の波長依存
性が実現される。
【0067】なお,本実施の形態において,抵抗加熱膜
380a及び抵抗加熱膜380cは,例えば白金(P
t)から形成することができる。また,抵抗加熱膜と半
導体部分とを電気的に分離する絶縁膜370a及び絶縁
膜370cは,例えばSi02から形成することができ
る。さらに,ワイヤボンディングのための電極パッドで
ある電極360a等は,例えばAuから形成することが
できる。
380a及び抵抗加熱膜380cは,例えば白金(P
t)から形成することができる。また,抵抗加熱膜と半
導体部分とを電気的に分離する絶縁膜370a及び絶縁
膜370cは,例えばSi02から形成することができ
る。さらに,ワイヤボンディングのための電極パッドで
ある電極360a等は,例えばAuから形成することが
できる。
【0068】以上のように形成された本実施の形態にか
かる半導体レーザ素子300において,抵抗加熱膜38
0cに電流を流すと,ジュール熱による発熱で第2導波
層330cの屈折率が大きくなる。
かる半導体レーザ素子300において,抵抗加熱膜38
0cに電流を流すと,ジュール熱による発熱で第2導波
層330cの屈折率が大きくなる。
【0069】発明者の知見によれば,電流を流した際の
抵抗体の発熱量Qは, Q=I2R・・・(2) で表される。ここで,Rは抵抗体の抵抗を表しており,
Iは抵抗体に流れる電流を表している。さらに,抵抗体
の抵抗は, R=ρL/S・・・(3) で表される。ここで,ρは抵抗体の抵抗率を表してお
り,Lは抵抗体の長さを表している。また,Sは抵抗体
の断面積を表している。
抵抗体の発熱量Qは, Q=I2R・・・(2) で表される。ここで,Rは抵抗体の抵抗を表しており,
Iは抵抗体に流れる電流を表している。さらに,抵抗体
の抵抗は, R=ρL/S・・・(3) で表される。ここで,ρは抵抗体の抵抗率を表してお
り,Lは抵抗体の長さを表している。また,Sは抵抗体
の断面積を表している。
【0070】かかる(2)及び(3)の関係式から,抵
抗体の単位長さ当たりの発熱量は,抵抗体の断面積に反
比例することが分かる。したがって,本実施の形態にか
かる半導体レーザ素子300に適用された抵抗加熱膜3
80cでは,活性領域300bに近い部分の発熱が小さ
く活性領域300bから遠い部分の発熱が大きいことが
分かる。
抗体の単位長さ当たりの発熱量は,抵抗体の断面積に反
比例することが分かる。したがって,本実施の形態にか
かる半導体レーザ素子300に適用された抵抗加熱膜3
80cでは,活性領域300bに近い部分の発熱が小さ
く活性領域300bから遠い部分の発熱が大きいことが
分かる。
【0071】ここで,図7には,第2受動導波路310
cの各位置でのブラッグ波長の特性を模式的に示す。図
7によれば,抵抗加熱膜380cへの電流注入時におけ
る第2受動導波路310cにおいては,第2素子端面1
00B付近(図7中では,「位置B」として示す。)で
のブラッグ波長λBの方が,活性領域300bと第2D
BR領域300cとの境界部付近(図7中では,「位置
A」として示す。)でのブラッグ波長λAよりも長いこ
とが分かる。また,図8には,半導体レーザ素子300
の実効共振長の波長特性を模式的に示す。図8によれ
ば,半導体レーザ素子300の共振器長は,波長λAに
対しての方が波長λBに対してよりも短いことが分か
る。
cの各位置でのブラッグ波長の特性を模式的に示す。図
7によれば,抵抗加熱膜380cへの電流注入時におけ
る第2受動導波路310cにおいては,第2素子端面1
00B付近(図7中では,「位置B」として示す。)で
のブラッグ波長λBの方が,活性領域300bと第2D
BR領域300cとの境界部付近(図7中では,「位置
A」として示す。)でのブラッグ波長λAよりも長いこ
とが分かる。また,図8には,半導体レーザ素子300
の実効共振長の波長特性を模式的に示す。図8によれ
ば,半導体レーザ素子300の共振器長は,波長λAに
対しての方が波長λBに対してよりも短いことが分か
る。
【0072】以上説明したように,本実施の形態におい
ては,抵抗加熱膜に電流を流すために抵抗加熱膜の電極
に電流を注入することによって,第1の実施の形態や第
2の実施の形態と同じ原理により,モード飛びのない連
続波長チューニングを行うことができる。さらに,本実
施の形態においては,上記第2の実施の形態と同様に,
均一な格子周期のブラッグ回折格子を形成するだけでよ
く,上記第1の実施の形態と比較して製造が容易な半導
体レーザ素子を提供することができる。
ては,抵抗加熱膜に電流を流すために抵抗加熱膜の電極
に電流を注入することによって,第1の実施の形態や第
2の実施の形態と同じ原理により,モード飛びのない連
続波長チューニングを行うことができる。さらに,本実
施の形態においては,上記第2の実施の形態と同様に,
均一な格子周期のブラッグ回折格子を形成するだけでよ
く,上記第1の実施の形態と比較して製造が容易な半導
体レーザ素子を提供することができる。
【0073】さらにまた,発明者の知見によれば,本実
施の形態においては,連続チューニング幅が20nm以
上と極めて大きな値を得ることができる。これは,第1
及び第2の実施の形態の場合には電流注入のプラズマ効
果による屈折率変化を用いるために,キャリヤ数の飽和
の効果でチューニング幅が最大でも8nm程度に抑えら
れるのに対して,本実施の形態においては熱の効果を用
いるためである。実際には,最大で20nm以上のチュ
ーニングが可能であることが確認された。
施の形態においては,連続チューニング幅が20nm以
上と極めて大きな値を得ることができる。これは,第1
及び第2の実施の形態の場合には電流注入のプラズマ効
果による屈折率変化を用いるために,キャリヤ数の飽和
の効果でチューニング幅が最大でも8nm程度に抑えら
れるのに対して,本実施の形態においては熱の効果を用
いるためである。実際には,最大で20nm以上のチュ
ーニングが可能であることが確認された。
【0074】以上,本発明の好適な実施の形態につい
て,添付図面を参照しながら説明したが,本発明はかか
る構成に限定されない。特許請求の範囲に記載された技
術的思想の範疇において,当業者であれば,各種の変更
例及び修正例に想到し得るものであり,それら変更例及
び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと
了解される。
て,添付図面を参照しながら説明したが,本発明はかか
る構成に限定されない。特許請求の範囲に記載された技
術的思想の範疇において,当業者であれば,各種の変更
例及び修正例に想到し得るものであり,それら変更例及
び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと
了解される。
【0075】例えば,上記実施の形態においては,Au
で形成される電極を適用した半導体レーザ素子を例に挙
げて説明したが,本発明はかかる構成に限定されない。
本発明は,金属を一として他の様々な導電材料から形成
される電極を適用した半導体レーザ素子に対しても適用
することができる。
で形成される電極を適用した半導体レーザ素子を例に挙
げて説明したが,本発明はかかる構成に限定されない。
本発明は,金属を一として他の様々な導電材料から形成
される電極を適用した半導体レーザ素子に対しても適用
することができる。
【0076】また,上記実施の形態においては,電流注
入により屈折率調整を行う受動導波路を反射導波路とし
て適用した半導体レーザ素子を例に挙げて説明したが,
本発明はかかる構成に限定されない。本発明は,他の様
々な反射導波路,例えば電圧を印加して屈折率を調整す
る受動導波路等を適用した半導体レーザ素子に対しても
適用することができる。
入により屈折率調整を行う受動導波路を反射導波路とし
て適用した半導体レーザ素子を例に挙げて説明したが,
本発明はかかる構成に限定されない。本発明は,他の様
々な反射導波路,例えば電圧を印加して屈折率を調整す
る受動導波路等を適用した半導体レーザ素子に対しても
適用することができる。
【0077】さらに,上記実施の形態においては,三角
形状の抵抗加熱膜を抵抗膜として適用した半導体レーザ
素子を例に挙げて説明したが,本発明はかかる構成に限
定されない。本発明は,他の様々な形状の抵抗膜を適用
した半導体レーザ素子に対しても適用することができ
る。
形状の抵抗加熱膜を抵抗膜として適用した半導体レーザ
素子を例に挙げて説明したが,本発明はかかる構成に限
定されない。本発明は,他の様々な形状の抵抗膜を適用
した半導体レーザ素子に対しても適用することができ
る。
【0078】さらにまた,上記実施の形態においては,
Ptで形成される抵抗加熱膜を適用した半導体レーザ素
子を例に挙げて説明したが,本発明はかかる構成に限定
されない。本発明は,他の様々な材料から形成される抵
抗膜を適用した半導体レーザ素子に対しても適用するこ
とができる。
Ptで形成される抵抗加熱膜を適用した半導体レーザ素
子を例に挙げて説明したが,本発明はかかる構成に限定
されない。本発明は,他の様々な材料から形成される抵
抗膜を適用した半導体レーザ素子に対しても適用するこ
とができる。
【0079】また,上記実施の形態においては,2の反
射導波路を活性導波路によって直接接続した構成の半導
体レーザ素子を例に挙げて説明したが,本発明はかかる
構成に限定されない。本発明は,2の反射導波路を活性
導波路によって間接的に接続した構成の半導体レーザ素
子に対しても適用することができる。すなわち,本発明
においては,活性導波路と反射導波路との間に,他の様
々な機能導波路,例えば位相調整導波路等を介装しても
構わない。
射導波路を活性導波路によって直接接続した構成の半導
体レーザ素子を例に挙げて説明したが,本発明はかかる
構成に限定されない。本発明は,2の反射導波路を活性
導波路によって間接的に接続した構成の半導体レーザ素
子に対しても適用することができる。すなわち,本発明
においては,活性導波路と反射導波路との間に,他の様
々な機能導波路,例えば位相調整導波路等を介装しても
構わない。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば,光導波路内にブラッグ
回折格子を形成したいわゆるブラッグ反射鏡において,
ブラッグ回折格子を周期変調格子として形成すること
で,光の反射位置に波長依存性を持たせている。これに
よって,波長毎に異なる共振光路を形成して,発振波長
の波長変調特性を向上させるとともに,複雑な制御を行
わずに発振波長の調整を行うことができる。
回折格子を形成したいわゆるブラッグ反射鏡において,
ブラッグ回折格子を周期変調格子として形成すること
で,光の反射位置に波長依存性を持たせている。これに
よって,波長毎に異なる共振光路を形成して,発振波長
の波長変調特性を向上させるとともに,複雑な制御を行
わずに発振波長の調整を行うことができる。
【図1】本発明を適用可能な半導体レーザ素子の概略構
成を示す断面図である。
成を示す断面図である。
【図2】図1に示す半導体レーザ素子の発振特性につい
ての説明図である。
ての説明図である。
【図3】本発明を適用可能な他の半導体レーザ素子の概
略構成を示す断面図である。
略構成を示す断面図である。
【図4】図3に示す半導体レーザ素子の概略構成を示す
平面図である。
平面図である。
【図5】本発明を適用可能な他の半導体レーザ素子の概
略構成を示す断面図ある。
略構成を示す断面図ある。
【図6】図5に示す半導体レーザ素子の概略構成を示す
平面図である。
平面図である。
【図7】図5に示す半導体レーザ素子内部のブラッグ波
長の特性の模式図である。
長の特性の模式図である。
【図8】図5に示す半導体レーザ素子の実効共振長の波
長特性の模式図である。
長特性の模式図である。
【図9】従来の半導体レーザ素子の概略構成を示す断面
図である。
図である。
【図10】図9に示す半導体レーザ素子の発振特性につ
いての説明図である。
いての説明図である。
100,200,300 半導体レーザ素子 110a,110c 受動導波路 110b 活性導波路 150a,150c ブラッグ回折格子 260c 櫛形電極 380c 抵抗加熱膜
Claims (9)
- 【請求項1】 実効的な格子周期が実質的に均一な第1
のブラッグ回折格子を有する,第1の反射導波路と;実
効的な格子周期が不均一な第2のブラッグ回折格子を有
する,第2の反射導波路と;前記第2の反射導波路と前
記第1の反射導波路とを相互に接続する活性導波路と
を;備えることを特徴とする,半導体レーザ素子。 - 【請求項2】 前記第2のブラッグ回折格子の実効的な
格子周期は,前記第2の反射導波路に沿って前記活性導
波路から離れる程長くなることを特徴とする,請求項1
に記載の半導体レーザ素子。 - 【請求項3】 前記第2のブラッグ回折格子の実効的な
格子周期は,前記活性導波路と接続された端部の反対側
の端部において,前記第1のブラッグ回折格子の実効的
な格子周期と実質的に等しくなることを特徴とする,請
求項2に記載の半導体レーザ素子。 - 【請求項4】 前記第2のブラッグ回折格子は,実際の
格子周期が不均一に形成されていることを特徴とする,
請求項1,2又は3のいずれかに記載の半導体レーザ素
子。 - 【請求項5】 さらに,進行方向に沿った前記第2の反
射導波路の屈折率分布を調整するための屈折率調整手段
を備えることを特徴とする,請求項1,2又は3のいず
れかに記載の半導体レーザ素子。 - 【請求項6】 前記屈折率調整手段は,電力供給手段で
あることを特徴とする,請求項5に記載の半導体レーザ
素子。 - 【請求項7】 前記電力供給手段は,櫛歯が不均一に分
布した櫛形電極であることを特徴とする,請求項6に記
載の半導体レーザ素子。 - 【請求項8】 前記屈折率調整手段は,発熱手段である
ことを特徴とする,請求項5に記載の半導体レーザ素
子。 - 【請求項9】 前記発熱手段は,断面積が不均一に分布
した抵抗膜であることを特徴とする,請求項8に記載の
半導体レーザ素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10215747A JP2000049412A (ja) | 1998-07-30 | 1998-07-30 | 半導体レーザ素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10215747A JP2000049412A (ja) | 1998-07-30 | 1998-07-30 | 半導体レーザ素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000049412A true JP2000049412A (ja) | 2000-02-18 |
Family
ID=16677552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10215747A Pending JP2000049412A (ja) | 1998-07-30 | 1998-07-30 | 半導体レーザ素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000049412A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011192877A (ja) * | 2010-03-16 | 2011-09-29 | National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology | 半導体レーザー装置 |
KR101221873B1 (ko) * | 2008-12-04 | 2013-01-15 | 한국전자통신연구원 | 다중 분포귀환 레이저 소자 |
KR101756106B1 (ko) * | 2010-12-09 | 2017-07-11 | 한국전자통신연구원 | 다중 분포 귀환 레이저 소자 |
KR101906587B1 (ko) * | 2015-06-19 | 2018-10-12 | 한국전자통신연구원 | 파장 가변 레이저 장치 |
-
1998
- 1998-07-30 JP JP10215747A patent/JP2000049412A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101221873B1 (ko) * | 2008-12-04 | 2013-01-15 | 한국전자통신연구원 | 다중 분포귀환 레이저 소자 |
JP2011192877A (ja) * | 2010-03-16 | 2011-09-29 | National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology | 半導体レーザー装置 |
KR101756106B1 (ko) * | 2010-12-09 | 2017-07-11 | 한국전자통신연구원 | 다중 분포 귀환 레이저 소자 |
KR101906587B1 (ko) * | 2015-06-19 | 2018-10-12 | 한국전자통신연구원 | 파장 가변 레이저 장치 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5793521A (en) | Differentially patterned pumped optical semiconductor gain media | |
US9312663B2 (en) | Laser device, light modulation device, and optical semiconductor device | |
EP0314490B1 (en) | Semiconductor laser | |
JP6273701B2 (ja) | 光半導体素子 | |
JPH07263817A (ja) | 半導体レーザとその調整方法 | |
JPH05315706A (ja) | 半導体レーザ | |
JP2007273644A (ja) | 光半導体装置、レーザチップおよびレーザモジュール | |
JP2015230991A (ja) | 変調光源 | |
JP3237733B2 (ja) | 半導体レーザ | |
JP2013033892A (ja) | 半導体レーザおよびレーザ装置 | |
JP6186864B2 (ja) | 半導体レーザ | |
JP2713256B2 (ja) | 光通信等に用いる波長可変半導体レーザ | |
JP2000049412A (ja) | 半導体レーザ素子 | |
JP3064118B2 (ja) | 分布反射型半導体レーザ | |
JP3247450B2 (ja) | 半導体発光素子および外部共振器型半導体光装置 | |
US6643309B1 (en) | Semiconductor laser device | |
JP5272859B2 (ja) | 半導体レーザ素子 | |
JP3169202B2 (ja) | 連続波長可変半導体レーザ | |
JPH03248130A (ja) | 半導体光増幅素子 | |
JP5058087B2 (ja) | 波長可変半導体レーザ | |
EP1304779B1 (en) | Distributed feedback semiconductor laser | |
JP4074534B2 (ja) | 半導体レーザ | |
JP4284718B2 (ja) | レーザ装置 | |
JP2011071562A (ja) | 光半導体装置、レーザチップおよびレーザモジュール | |
JP2000049411A (ja) | 半導体レーザ素子 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050712 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080806 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080812 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081209 |