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JP2000048644A - 無機粉末及び無機粉末の製造方法 - Google Patents

無機粉末及び無機粉末の製造方法

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JP2000048644A
JP2000048644A JP10225345A JP22534598A JP2000048644A JP 2000048644 A JP2000048644 A JP 2000048644A JP 10225345 A JP10225345 A JP 10225345A JP 22534598 A JP22534598 A JP 22534598A JP 2000048644 A JP2000048644 A JP 2000048644A
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inorganic powder
organic compound
powder
boiling organic
solvent
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Naoaki Ogata
直明 緒方
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凝集が少なく単分散性に優れた金属粉末やセ
ラミック粉末などの無機粉末及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 所定の粒径の無機粉末と、溶媒と、溶媒
を蒸発させる際に実質的に蒸発せずに残留する高沸点有
機化合物とを含有するスラリーから、前記溶媒を蒸発さ
せて、表面に高沸点有機化合物が付着した無機粉末を得
る。また、高沸点有機化合物として、200℃以上の沸
点を有する有機化合物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、金属粉末などの
無機粉末及びその製造方法に関し、特に、導電ペースト
用の金属粉末として用いるのに適した個々の粒子の分散
性(単分散性)の良好な無機粉末(金属粉末)及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、セラミックコンデンサは、図1
に示すように、セラミック1中に内部電極2が配設され
た素子3の両端側に、内部電極2と導通する外部電極4
が配設された構造を有している。
【0003】このようにセラミックの内部や表面に電極
(内部電極2や外部電極4)が形成されたセラミック電
子部品を製造する場合、電極は、通常、Ag、Pd、C
u、Ni、Ag−Pd合金などの導電金属粉末をガラス
フリット及び有機ビヒクルを混練してペースト状にした
導電ペーストを用い、これを塗布、印刷し、焼成する
(焼き付ける)方法により形成されている。
【0004】ところで、導電ペーストに用いられる導電
金属粉末は、導電ペーストを塗布して焼き付ける(焼成
する)ことにより形成される厚膜導体(厚膜電極)の特
性を制御する必要上、凝集が少なくて、単分散性に優れ
ていることが要求される。
【0005】そして、この導電ペーストに用いられる導
電金属粉末は、一般的に、以下に述べるような方法で製
造されている。
【0006】まず、第1の方法は、特開昭57−155
301号公報に開示されているように、Cu粉末と油性
樹脂をらいかい機にて混練し、ペースト状とした後、油
性樹脂のみを溶剤で溶解してCu粉末を濾別し、乾燥す
る方法である。
【0007】また、第2の方法は、乾燥した金属粉末と
玉石を混合し、これに溶媒を添加して又は添加しない
で、ポットミルなどを用いて解砕し、その後玉石と金属
粉末を分離し、溶媒を添加したときには、これを乾燥除
去して金属粉末を得る方法である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記第1の方
法では、油性樹脂を溶剤で溶解してCu粉末を濾別した
後の乾燥工程において、金属粉末どうしの直接的な接触
が起こり、金属粉末の凝集が発生する。そのため、乾燥
後の金属粉末に、多くの凝集粉末が含まれることにな
る。
【0009】また、第2の方法では、金属粉末と玉石を
混合し、ポットミルなどを用いて解砕し、凝集した金属
粉末を再分散させることにより、単分散性を向上させる
ようにしているが、凝集した金属粉末の解砕には強い解
砕力が必要となり、そのような強い力で解砕を行うと、
特に粒径が1μm以下の金属微粉末の場合、解砕と同時
に金属の塑性変形により、金属粉末の鱗片化及び合体が
進み単分散した金属粉末を得ることが困難になる。な
お、溶媒を添加して解砕するようにした場合、鱗片化及
び粒子の合体はいくらか抑えられるが、溶媒を乾燥除去
する際に粒子どうしの接触が起こり、乾燥後の金属粉末
には多くの凝集粉末が含まれることになる。
【0010】そして、上述のような方法で製造した金属
粉末は、複数個の金属粉末が凝集した凝集粉末を多く含
んでおり、これらの金属粉末を用いて製造した導電ペー
ストにより形成された厚膜導体(厚膜電極)は、表面粗
さが粗く、例えば、積層セラミックコンデンサの内部電
極に用いた場合、ショート率の増加を招くという問題点
がある。
【0011】なお、上記のような乾燥時の粒子の凝集の
問題は、金属粒子の場合だけではなく、セラミック粒子
などの場合にも当てはまるものである。
【0012】本願発明は、上記問題点を解決するもので
あり、凝集が少なく単分散性に優れた金属粉末やセラミ
ック粉末などの無機粉末及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願発明(請求項1)の
無機粉末の製造方法は、所定の粒径の無機粉末と、溶媒
と、溶媒を蒸発させる際に実質的に蒸発せずに残留する
高沸点有機化合物とを含有するスラリーを調整する工程
と、前記スラリーから溶媒を蒸発させて、表面に高沸点
有機化合物が付着した無機粉末を得る工程とを具備する
ことを特徴としている。
【0014】高沸点有機化合物を含有させた状態でスラ
リーから溶媒を蒸発させることにより、無機粉末を構成
する個々の粒子が高沸点有機化合物に覆われ、溶媒の蒸
発工程(乾燥工程)で無機粉末どうしが直接的に接触す
ることが抑制、防止されることから、無機粉末の凝集を
抑制し、無機粉末を構成する個々の粒子が十分に分散し
た、単分散性の良好な無機粉末を得ることが可能にな
る。
【0015】なお、所定の粒径の無機粉末と、溶媒と、
溶媒を蒸発させる際に実質的に蒸発せずに残留する高沸
点有機化合物とを含有するスラリーを調製する方法とし
ては、特に制約はなく、例えば、金属塩溶液に還元剤を
添加して金属粉末を沈殿させ、水もしくは有機溶剤で洗
浄した後、無機粉末、溶媒、及び高沸点有機化合物が配
合されたスラリーとする方法などが例示される。なお、
このように金属塩溶液に還元剤を添加して金属粉末を沈
殿させる方法の場合、粉砕媒体を用いて粉砕する場合に
生じるような、粒子の鱗片化や合体を招くことがなく好
ましい。但し、場合によっては、上記の方法で得たスラ
リーをさらにポットミルなどで湿式解砕することも可能
である。また、無機粉末と、溶媒と、高沸点有機化合物
を混合した状態で、ポットミルなどにより粉砕する方法
や、無機粉末と溶媒とを混合した状態で、ポットミルな
どにより粉砕した後、これに高沸点有機化合物を添加す
る方法などによりスラリーを調製することも可能であ
る。
【0016】なお、溶媒としては、水、アルコール、ア
セトンなど種々の物質を使用することが可能である。
【0017】また、溶媒を蒸発させる方法(乾燥方法)
としては、オーブン乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥などの種
々の方法を用いることが可能である。
【0018】また、無機粉末種としては、セラミック粉
末や金属粉末が例示される。さらに、金属粉末として
は、積層セラミックコンデンサの内部電極の形成に用い
られる導電ペーストに使用される金属粉末である、A
g、Pd、Cu、Ni粉末や、Ag−Pd合金粉末など
が例示される。
【0019】また、請求項2の無機粉末の製造方法は、
前記高沸点有機化合物が、200℃以上の沸点を有する
有機化合物であることを特徴としている。
【0020】200℃以上の沸点を有する高沸点有機化
合物を用いることにより、蒸発工程での蒸発を確実に防
止して無機粉末の凝集防止作用を奏させることが可能に
なる。なお、高沸点有機化合物と溶媒との沸点差を大き
くした場合、乾燥条件の自由度を増大させることが可能
になり、工程管理上有利である。
【0021】また、請求項3の無機粉末の製造方法は、
前記高沸点有機化合物が、60℃以下の融点を有し、か
つ、前記溶媒に溶解する有機化合物であることを特徴と
している。
【0022】60℃以下の融点を有し、かつ、前記溶媒
に溶解する高沸点有機化合物を用いることにより、乾燥
工程で高沸点有機化合物が溶融して液体となり、無機粉
末の表面を確実に覆って、無機粉末どうしが直接的に接
触することを阻止することが可能になり、無機粉末の凝
集を効率よく防止することができるようになる。
【0023】また、請求項4の無機粉末の製造方法は、
前記高沸点有機化合物が、炭化水素類、アルコール類、
フェノール類、エーテル類、ケトン類、脂肪酸、及びエ
ステル類からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有
するものであることを特徴としている。
【0024】本願発明の無機粉末の製造方法において
は、高沸点有機化合物として、炭化水素類、アルコール
類、フェノール類、エーテル類、ケトン類、脂肪酸、及
びエステル類を用いることにより、無機粉末の表面を有
機化合物で確実に覆って、無機粉末どうしが接触するこ
とを阻止し、凝集を効率よく防止することが可能にな
る。
【0025】なお、具体的には、ドデシルベンゼンなど
の炭化水素類、オレイルアルコールなどのアルコール
類、キシレノールなどのフェノール類、ジベンジルエー
テルなどのエーテル類、アセトフェノンなどのケトン
類、カプリル酸などの脂肪酸、フタル酸ジエチルなどの
エステル類などが使用可能であり、これらを単体で、あ
るいは2種以上を組み合わせて使用することが可能であ
る。
【0026】また、請求項5の無機粉末の製造方法は、
前記高沸点有機化合物が、炭素数9以上のアルコールで
あることを特徴としている。
【0027】高沸点有機化合物として、炭素数9以上の
アルコールを用いることにより、無機粉末として、導電
ペースト用の金属粉末を製造した場合に、金属粉末に付
着する高沸点有機化合物の、導電ペースト構成材料(有
機ビヒクルなど)との相容性、及び導電ペーストの印刷
性などを確保することが可能になり、本願発明をより実
効あらしめることが可能になる。
【0028】また、請求項6の無機粉末の製造方法は、
前記高沸点有機化合物の前記無機粉末に対する割合が、
無機粉末100重量部に対して1重量部以上の割合であ
ることを特徴としている。
【0029】高沸点有機化合物の無機粉末に対する割合
を、無機粉末100重量部に対して1重量部以上の割合
とした場合、乾燥工程での凝集を効率よく防止できるよ
うになり、本願発明を実効あらしめることができる。な
お、高沸点有機化合物の割合が1重量部未満でもある程
度の凝集防止効果は得られるが、無機粉末どうしの直接
的な接触を抑制する効果は低下する。また、高沸点有機
化合物の割合の上限は、得られる無機粉末の用途により
定まるものであり、特別の制約はないが、通常は、10
重量部程度が上限となる。
【0030】また、請求項7の無機粉末の製造方法は、
前記無機粉末が、粒径1μm以下の無機粉末であること
を特徴としている。
【0031】本願発明を、特に乾燥工程で凝集が起こり
やすい、粒径が1μm以下の無機粉末の製造に適用した
場合、微細で、単分散性に優れた無機粉末を得ることが
できて特に有意義である。なお、粒径が1μm以下にな
ると特に凝集が起こりやすくなるのは、微粉末になるほ
ど比表面積が大きくなり、無機粉末単位重量あたりの個
々の粒子どうしの接触箇所が増大し、再分散しにくくな
ることによる。
【0032】また、請求項8の無機粉末の製造方法は、
前記無機粉末が、金属粉末であることを特徴としてい
る。
【0033】本願発明は、セラミック粉末の製造方法な
どにも適用することが可能であるが、金属粉末、特に粒
径が1μm以下の微細な金属粉末を製造するのに適用し
た場合に、他の方法では製造しにくい、微細で単分散性
に優れた金属粉末を得ることができて有意義である。
【0034】本願発明(請求項9)の無機粉末は、請求
項1〜8のいずれかに記載の方法により製造された無機
粉末であって、表面に前記高沸点有機化合物が付着して
いることを特徴としている。
【0035】本発明の無機粉末は、表面に高沸点有機化
合物が付着しており、無機粉末どうしが直接に接触しな
いため、凝集がなく、優れた単分散性を備えており、種
々の用途に好適に利用することが可能になる。
【0036】また、請求項10の無機粉末は、前記無機
粉末が、ガラスフリット及び有機ビヒクルと配合されて
導電ペーストを構成する金属粉末であることを特徴とし
ている。
【0037】本願発明の方法で製造した、微細で、単分
散性に優れた金属粉末を導電ペーストに用いた場合、そ
の導電ペーストを用いて表面が滑らかで、ショートなど
の発生しにくい信頼性の高い厚膜電極(厚膜導体)を確
実に形成することが可能になる。したがって、本願発明
の金属粉末を用いて製造した導電ペーストを、例えば、
積層セラミックコンデンサの内部電極に用いた場合、シ
ョート率が低く、所望の特性を備えた積層セラミックコ
ンデンサを得ることが可能になる。なお、本願発明の方
法で製造した金属粉末を用いて導電ペーストを製造する
場合の金属粉末の種類(金属種)には特別の制約はな
く、Ag、Pd、Cu、Ni、Ag−Pd合金などの種
々の金属の粉末を用いることが可能である。また、導電
ペーストを製造する場合に用いるガラスフリットや有機
ビヒクルの種類や配合割合などについても特別の制約は
なく、公知の種々のガラスフリットや有機ビヒクルを任
意の割合で配合することが可能である。本願発明の金属
粉末を用いて製造した導電ペーストは、その他の種々の
セラミック電子部品の電極や回路などを形成する場合に
広く用いることができる。
【0038】なお、本願発明の方法で製造した金属粉末
を導電ペーストに用いた場合、金属粉末の表面に付着し
た高沸点有機化合物は、導電ペーストの焼き付け工程
(焼成工程)で焼失するため、金属粉末の焼結特性や、
セラミックの誘電体特性などに悪影響を与えることはな
い。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を示
して、その特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0040】[本願発明の実施形態にかかるCu粉末の
製造]湿式合成により得た粒径0.2μmのCu粉末を
水洗した後、アセトンで洗浄し、Cu粉末100gとア
セトン300mlからなるスラリーを得た。
【0041】それから、このスラリーに、高沸点有機化
合物としてオレイルアルコール(化学式C18360、沸
点205〜210℃/15mmHg)を、0.1〜5g
(すなわち、Cu粉末100重量部に対して0.1〜5
重量部)の割合で添加した後、1mmHgの減圧下で24
時間乾燥した。そして、この粉末を325メッシュのふ
るいで整粒することによりCu粉末(表1の実施例1〜
6)を得た。
【0042】このCu粉末について、レーザー回折散乱
式粒度分布測定器を用いて粒度分布を測定し、分散の状
態を調べた。その結果を表1に示す。
【0043】また、比較のため、以下の方法でCu粉末
を製造した。 [比較例のCu粉末の製造] 比較例1 高沸点有機化合物(オレイルアルコール)を添加しない
ことを除いては、上記の実施形態の場合と同様の方法で
作成したスラリーを、同じ条件で乾燥することによりC
u粉末を得た。このCu粉末について、レーザー回折散
乱式粒度分布測定器を用いて粒度分布を測定し、分散の
状態を調べた。 比較例2 油性樹脂であるアルキッド樹脂20gと、0.2μmの
Cu粉末100gを混合し、らいかい機で20時間混練
した後、アセトンを用いて樹脂を溶解し、Cu粉末を濾
別してCu粉末を得た。このCu粉末について、レーザ
ー回折散乱式粒度分布測定器を用いて粒度分布を測定
し、分散の状態を調べた。 比較例3 0.2μmのCu粉末をボールミルで10時間粉砕し
た。粉砕後のCu粉末について、レーザー回折散乱式粒
度分布測定器を用いて粒度分布を測定し、分散の状態を
調べた。
【0044】上記実施例1〜6のCu粉末と、上記比較
例1〜3のCu粉末の粒度分布の測定結果を表1に併せ
て示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1に示すように、高沸点有機化合物を添
加していない比較例1のCu粉末では、D50が1.50
μmとなっており、乾燥工程でCu粉末が激しく凝集し
ていることがわかる。また、油性樹脂と金属粉末を混練
した後、アセトンを用いて樹脂を溶解し、濾別した比較
例2のCu粉末も、D50が1.20μmとなっており、
乾燥工程でCu粉末がかなり凝集していることがわか
る。また、Cu粉末をボールミルで10時間粉砕した比
較例3のCu粉末も、D50が1.20μmとなってお
り、乾燥工程でCu粉末がかなり凝集していることがわ
かる。
【0047】これに対して、本願発明の実施例1〜6
の、高沸点有機化合物を添加して乾燥を行ったCu粉末
では、比較例1〜3に比べて、D50が小さくなってお
り、高沸点有機化合物の添加量が1重量部未満の0.1
重量部の場合(実施例1)でも、D50が0.70μm、
0.2重量部(実施例2)では、D50が0.40μm、
0.5重量部(実施例3)では、D50が0.30μmと
なっており、高沸点有機化合物の添加量が1.0重量部
を超える(実施例4〜6)と、ほぼ一定で、D50が0.
22μm以下となっており、ほぼ単分散状にまで分散し
ていることがわかる。
【0048】このように、高沸点有機化合物を添加した
実施例1〜6のCu粉末は、比較例に比べて分散性が大
幅に向上しており、特に高沸点有機化合物の添加量が
1.0重量部を超えると十分な単分散性が得られること
がわかる。
【0049】なお、上記実施形態では、高沸点有機化合
物として、オレイルアルコールを用いた場合について説
明したが、高沸点有機化合物の種類は、これに限られる
ものではなく、その他の炭化水素類、アルコール類、フ
ェノール類、エーテル類、ケトン類、脂肪酸、エステル
類などを用いることも可能である。
【0050】また、上記実施形態では高沸点有機化合物
を5.0重量部までしか添加していないが、必要に応じ
て、さらに多くの高沸点有機化合物を添加することも可
能である。
【0051】また、上記実施形態ではCu粉末を製造す
る場合を例にとって説明したが、Cu粉末以外のAg、
Pd、Ni、Ag−Pd合金などの金属粉末を製造する
場合にも本願発明を適用することが可能である。
【0052】また、本願発明は、金属粉末以外のセラミ
ック粉末などの無機粉末を製造する場合にも適用するこ
とが可能である。
【0053】本願発明は、さらにその他の点において
も、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要
旨の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが
可能である。
【0054】
【発明の効果】上述のように、本願発明(請求項1)の
無機粉末の製造方法は、所定の粒径の無機粉末と、溶媒
と、高沸点有機化合物とを含有するスラリーを調整し、
このスラリーから溶媒を蒸発させるようにしているの
で、表面を高沸点有機化合物で覆って、溶媒の蒸発工程
(乾燥工程)で無機粉末どうしが直接的に接触すること
を抑制、防止して、無機粉末の凝集を抑制することが可
能になり、単分散性に優れた無機粉末を得ることが可能
になる。
【0055】また、請求項2の無機粉末の製造方法のよ
うに、高沸点有機化合物として200℃以上の沸点を有
する有機化合物を用いた場合、蒸発工程での蒸発を確実
に防止して無機粉末の凝集防止作用を奏させることが可
能になる。なお、高沸点有機化合物と溶媒との沸点差を
大きくした場合、乾燥条件の自由度を増大させることが
可能になり、工程管理上有利である。
【0056】また、請求項3の無機粉末の製造方法のよ
うに、60℃以下の融点を有し、かつ、溶媒に溶解する
高沸点有機化合物を用いた場合、乾燥工程で高沸点有機
化合物が溶融して液体となり、無機粉末の表面を確実に
覆って、無機粉末どうしが直接的に接触することを阻止
し、凝集を効率よく防止することができる。
【0057】また、請求項4の無機粉末の製造方法のよ
うに、高沸点有機化合物として、炭化水素類、アルコー
ル類、フェノール類、エーテル類、ケトン類、脂肪酸、
エステル類などを用いることにより、無機粉末の表面を
有機化合物で確実に覆って、無機粉末どうしが接触する
ことを阻止し、凝集を効率よく防止することができる。
【0058】また、請求項5の無機粉末の製造方法のよ
うに、高沸点有機化合物として、炭素数9以上のアルコ
ールを用いた場合、無機粉末として、導電ペースト用の
金属粉末を製造した場合に、金属粉末に付着する高沸点
有機化合物の、導電ペースト構成材料(有機ビヒクルな
ど)との相容性、及び導電ペーストの印刷性などを確保
することが可能になり、本願発明をより実効あらしめる
ことができる。
【0059】また、請求項6の無機粉末の製造方法のよ
うに、高沸点有機化合物の無機粉末に対する割合を、無
機粉末100重量部に対して1重量部以上の割合とした
場合、乾燥工程での凝集を効率よく防止できるようにな
り、本願発明を実効あらしめることができる。
【0060】また、請求項7の無機粉末の製造方法のよ
うに、本願発明を、特に乾燥工程で凝集が起こりやす
い、粒径が1μm以下の無機粉末の製造に適用した場
合、微細で、単分散性に優れた無機粉末を得ることがで
きて特に有意義である。
【0061】また、本願発明は、セラミック粉末の製造
方法などにも適用することが可能であるが、請求項8の
ように、金属粉末、特に粒径が1μm以下の微細な金属
粉末を製造するのに適用した場合に、他の方法では製造
しにくい、微細で単分散性に優れた金属粉末を得ること
ができて特に有意義である。
【0062】本願発明(請求項9)の無機粉末は、請求
項1〜8のいずれかに記載の方法により製造された無機
粉末であって、表面に高沸点有機化合物が付着してお
り、無機粉末どうしが直接に接触しないため、凝集がな
く、優れた単分散性を備えている。
【0063】また、本願発明の方法で製造した、微細
で、単分散性に優れた金属粉末を導電ペーストに用いた
場合、その導電ペーストを用いて表面が滑らかで、ショ
ートなどの発生しにくい信頼性の高い厚膜電極(厚膜導
体)を確実に形成することが可能になる。したがって、
本願発明の金属粉末を用いて製造した導電ペーストを、
例えば、積層セラミックコンデンサの内部電極に用いた
場合、ショート率が低く、所望の特性を備えた積層セラ
ミックコンデンサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】セラミック電子部品の一例である積層セラミッ
クコンデンサの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 セラミック 2 内部電極 3 素子 4 外部電極

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の粒径の無機粉末と、溶媒と、溶媒を
    蒸発させる際に実質的に蒸発せずに残留する高沸点有機
    化合物とを含有するスラリーを調整する工程と、 前記スラリーから溶媒を蒸発させて、表面に高沸点有機
    化合物が付着した無機粉末を得る工程とを具備すること
    を特徴とする無機粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】前記高沸点有機化合物が、200℃以上の
    沸点を有する有機化合物であることを特徴とする請求項
    1記載の無機粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】前記高沸点有機化合物が、60℃以下の融
    点を有し、かつ、前記溶媒に溶解する有機化合物である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の無機粉末の製造
    方法。
  4. 【請求項4】前記高沸点有機化合物が、炭化水素類、ア
    ルコール類、フェノール類、エーテル類、ケトン類、脂
    肪酸、及びエステル類からなる群より選ばれる少なくと
    も1種を含有するものであることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の無機粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】前記高沸点有機化合物が、炭素数9以上の
    アルコールであることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載の無機粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】前記高沸点有機化合物の前記無機粉末に対
    する割合が、無機粉末100重量部に対して1重量部以
    上の割合であることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載の無機粉末の製造方法。
  7. 【請求項7】前記無機粉末が、粒径1μm以下の無機粉
    末であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
    載の無機粉末の製造方法。
  8. 【請求項8】前記無機粉末が、金属粉末であることを特
    徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の無機粉末の製
    造方法。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載の方法によ
    り製造された無機粉末であって、表面に前記高沸点有機
    化合物が付着していることを特徴とする無機粉末。
  10. 【請求項10】前記無機粉末が、ガラスフリット及び有
    機ビヒクルと配合されて導電ペーストを構成する金属粉
    末であることを特徴とする請求項8記載の無機粉末。
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