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JP2000043664A - エアバッグ及びその製造方法 - Google Patents

エアバッグ及びその製造方法

Info

Publication number
JP2000043664A
JP2000043664A JP10227663A JP22766398A JP2000043664A JP 2000043664 A JP2000043664 A JP 2000043664A JP 10227663 A JP10227663 A JP 10227663A JP 22766398 A JP22766398 A JP 22766398A JP 2000043664 A JP2000043664 A JP 2000043664A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
airbag
sewing
sewn
cloth
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10227663A
Other languages
English (en)
Inventor
Iwao Takagi
岩雄 高木
Makoto Ozaki
眞 尾崎
Minoru Fujioka
稔 藤岡
Kenichi Kusakabe
健一 日下部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP10227663A priority Critical patent/JP2000043664A/ja
Publication of JP2000043664A publication Critical patent/JP2000043664A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Air Bags (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 縫製箇所が少なく作り易く製造効率の高いエ
アバッグを提供する。 【解決手段】 本エアバッグ106のつり紐6は、その
中央に位置する第1の縫合部61が、上面基布12の略
中央に縫製箇所41にて縫合されており、脚部8と整流
体7との境界に設けられた第2の縫合部が縫製箇所42
により、互いに縫合されている。これにより、本つり紐
6は、X型の形状を成しており、また、縫製箇所43が
縫製されることにより、ガス流の絞り効果を強化する形
状規定部が形成されている。また、底面部62は、リテ
ーナ20とエアバッグ収納ケースとの間に挟持されるこ
とにより固定されている。この構成により、つり紐6に
関する縫製作業は、基布11、12を袋状に形成する前
に全て完了することができるため極めて簡潔となる。ま
た、この形状規定部の形成作業には特に制約がなく、非
常に容易に縫製作業を行うことができるため、作業効率
が大きく向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の運転席側或
いは助手席側に設けられ、その乗員保護に用いられるエ
アバッグ装置において、平面展開された布材を縫合して
袋状に形成されたエアバッグの内側につり紐または内側
布を設け、このつり紐または内側布によりエアバッグの
展開形状、展開順序または展開速度を制御するようにし
たエアバッグの構造及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エアバッグの内側につり紐または内側布
を設け、このつり紐または内側布によりエアバッグの展
開形状、展開順序または展開速度を制御するように工夫
されたエアバッグとしては、「特開平10−10082
6号公報」、「特開平7−186862号公報」、「特
開平8−104195号公報」、「特開平6−2865
41号公報」等に記載されたものが知られている。これ
らの中でも、特に「特開平10−100826号公報」
に記載のエアバッグ1(図15、16)については、エ
アバッグの展開制御性とエアバッグの部品点数の削減の
点で工夫が成されている。「特開平10−100826
号公報」に記載されている従来技術によるエアバッグ1
の上面基布12の平面図(a)及び底面基布11の平面
図(b)を図15に、本エアバッグ1の断面図を図16
(e)にそれぞれ示す。これらの図から判るように、こ
のエアバッグ1は、エアバッグの展開形状を規定するつ
り紐6及びインフレータから発生するガスの流れの噴出
方向を制御する整流体7を備えており、これにより、本
エアバッグにおいては、展開形状及び展開順序が安全に
制御されている。尚且つ、本エアバッグは、基本的に上
面基布12、底面基布11及びつり紐6を形成する一枚
布16の僅か3枚の布から構成されており、部品点数削
減の観点においても優れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本エア
バッグ1においては、製造工程に以下に示す難点があ
り、製造効率上大きな問題となっていた。 (難点1)つり紐6を上面基布12の略中央に縫製によ
り接続する際(図16(c))、つり紐6を形成する一
枚布16の両端部16eを縫製しにくい。即ち、この場
合には、開口部3、16bを利用して、かつ、つり紐6
を開口部3、16bに縫い付けてしまわないように注意
しながら、この両端部16eを上面基布12の略中央に
縫製せねばならず、高度な熟練技術が要求される。 (難点2)整流体7を形成するために縫合部7aを縫製
する際(図16(d))、この縫合部7aを開口部3、
16bからバッグの外へ引き出さねばならず、縫製作業
が難しく、作業時間が長くなる。 (難点3)インフレータから発生するガスのガス流に対
する絞り効果を強化するために整流体7の所定の部位を
互いに縫合して絞りを形成することが難しい。例えば、
図15(b)に示すように一枚布16を底面基布11と
縫合した後に、図6の形状規定部43に示すような絞り
を作ろうとすると、底面基布11が邪魔になり非常に縫
製しにくい。また、この段階でこの形状規定部を形成す
ることができたとしても、これにより、つり紐6(16
d)は非常に短くなるため、上記難点1、難点2に示し
た作業は更に困難を極め、事実上量産は不可能となる。
【0004】本発明は、これらの課題を解決するために
成されたものであり、その目的は、部品点数や縫製箇所
が少なく、展開形状及び展開順序がより安全に制御で
き、尚且つ作り易く製造効率の高いエアバッグを提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めには、以下の手段が有効である。即ち、第1の手段
は、乗員側に位置する上面基布とインフレータ側に位置
する底面基布との接続により袋状に形成され、インフレ
ータの吹き出し口が配置される開口部を有し、一枚布ま
たは連続した一体の複合体より形成されたつり紐の一部
である第1の縫合部が上面基布の内側に縫合されたエア
バッグにおいて、開口部付近に位置するつり紐の一部を
用いて、インフレータから発生するガスのガス流の噴射
方向を規制する整流体を形成し、この整流体を、基布を
固定するリテーナとエアバッグ収納ケースまたはインフ
レータのフランジとエアバッグ収納ケースとの間に挟持
し、更に、整流体の所定の部位を互いに縫合することに
より、整流体の展開時の形状を規定する形状規定部を形
成し、これにより、インフレータから発生するガス流に
対する絞り効果を強化することである。この構成によ
り、整流体を形成するつり紐は、第1の縫合部で上面基
布と縫合されるとともに、つり紐の整流体が、基布を固
定するリテーナとエアバッグ収納ケースまたはインフレ
ータのフランジとエアバッグ収納ケースとの間に挟持さ
れて、つり紐がエアバッグに固定されるため、エアバッ
グにつり紐を縫製する際、上面基布だけですみ製造効率
が向上することは無論のこと、基布を袋状に形成する前
につり紐の縫製が完成し、この後、つり紐の整流体が、
基布を固定するリテーナとエアバッグ収納ケースまたは
インフレータのフランジとエアバッグ収納ケースとの間
に挟持されることによって、エアバッグにつり紐が固定
されるため、製造効率が大幅に向上する。また、ガス流
の絞り効果を奏する形状規定部の形成により、エアバッ
グの展開速度、展開形状及び展開順序をより安全に制御
することが可能となる。整流体は、底面基布に縫合され
ないため、形状規定部の形成には特に制約がなく、非常
に容易に縫製作業を行うことができる。
【0006】また、第2の手段は、乗員側に位置する上
面基布とインフレータ側に位置する底面基布との接続に
より袋状に形成され、インフレータの吹き出し口が配置
される開口部を有し、連続した一枚布より形成されたつ
り紐の一部である第1の縫合部が上面基布の内側に縫合
されたエアバッグにおいて、開口部付近に位置するつり
紐の一部を用いて、この連続した一枚布をループ状に配
置することにより、インフレータから発生するガスのガ
ス流の噴射方向を規制する整流体を形成し、整流体は、
基布を固定するリテーナとエアバッグ収納ケースまたは
インフレータのフランジとエアバッグ収納ケースとの間
に挟持することにより固定することである。この構成に
より、整流体を形成するつり紐は、第1の縫合部で上面
基布と縫合されるとともに、つり紐の整流体が、基布を
固定するリテーナとエアバッグ収納ケースまたはインフ
レータのフランジとエアバッグ収納ケースとの間に挟持
されて、つり紐がエアバッグに固定される。この時、こ
のつり紐は、第1の縫合部以外には、縫製箇所を一切持
たないため、つり紐に関する縫製作業は、上面基布との
接続を行う第1の縫合部についてのみとなり、製造効率
が向上する。また、基布を袋状に形成する前につり紐の
縫製が完成し、この後、つり紐の整流体が、基布を固定
するリテーナとエアバッグ収納ケースまたはインフレー
タのフランジとエアバッグ収納ケースとの間に挟持され
ることによって、エアバッグにつり紐が固定されるた
め、更なる縫製作業が発生せず、製造効率が大幅に向上
する。
【0007】また、第3の手段は、上記の第1の手段に
おいて、つり紐の所定の部位である第2の縫合部を互い
に縫合することにより、整流体を形成することである。
この構成により、整流体をより望ましい形状に構成する
ことが可能となるため、ガス気流の制御性が良くなる。
また、同時に、つり紐をより短くすることができるよう
になるため、縫製作業時等につり紐が取り扱い易くな
り、布材のコストも削減できる。
【0008】また、第4の手段は、上記の第1乃至第3
のいずれか1つの手段において、基布、つり紐、整流
体、補強布、耐熱布またはリテーナを、溶着、接着、縫
着または縛着等により互いに仮固定するための仮固定部
を設けることである。この構成により、整流体をバッグ
の開口部に仮固定することができるため、バッグの開口
部よりリテーナまたはインフレータをバック内に挿入
し、リテーナまたはインフレータのボルト部をバッグ及
び整流体のボルト穴に勘合させる際に、作業がし易くな
り、作業効率が向上する。
【0009】また、第5の手段は、上記の第1、第3、
第4のいずれか1つの手段において、つり紐を、複数枚
の布を縫合することにより形成された複合体より形成す
ることである。この構成により、つり紐をより短くする
ことができるようになるため、縫製作業時等につり紐が
取り扱い易くなり、布材のコストも削減できる。あるい
は、複数の種類の布材よりつり紐を構成することが可能
となるため、例えば、耐熱性が要求される一部分だけを
耐熱布で形成することが可能となる。
【0010】また、第6の手段は、上記の第1乃至第5
のいずれか1つの手段において、第1の縫合部、また
は、第2の縫合部の縫製強度を小さくすることにより、
エアバッグ展開時にこの縫合部が解離するようにするこ
とである。この構成により、その用途によって、つり紐
に整流体を必要としないエアバッグや整流体だけを必要
とするエアバッグを製造する場合においても、上記の縫
製強度以外は全く同じ構造のエアバッグを製造すること
により所望のエアバッグを得ることができるようにな
る。これにより、エアバッグの構造の種類を増やさず
に、その機能的な観点から見たエアバッグの種類だけを
増やすことができるため、設計及び製造段階におけるエ
アバッグの規格化や標準化を進めることが可能となる。
【0011】また、第7の手段は、上記の第1乃至第6
のいずれか1つの手段において、つり紐をリテーナを用
いた挟持により固定するためにリテーナのボルト部を貫
通させる整流体に設けられたボルト穴の内径をリテーナ
のボルト部の外径よりも小さくすることである。この構
成により、一旦、整流体に設けられたボルト穴を貫通し
たリテーナのボルト部は、整流体から外れにくくなるた
め、ボルト部が外れてしまった場合の作業のやり直しが
無くなり、作業効率が向上する。
【0012】また、第8の手段は、請求項3乃至請求項
7のいずれか1項に記載のエアバッグを製造する際に、
第1の縫合部を縫製する第1の工程、及び、第2の縫合
部を縫製する第2の工程を、表裏を反転した状態にて袋
状に接続された基布を開口部を用いて再度反転する第3
の工程よりも先に実行することである。この方法によ
り、前記(難点1)、(難点2)に示した困難な作業が
一切無くなり、作業効率が大きく向上する。
【0013】また、第9の手段は、上記の第8の手段に
おいて、整流体を第3の工程実行後に、開口部を形成す
る底面基布、補強布または耐熱布と仮固定部にて仮固定
することである。この方法により、バッグの開口部より
リテーナをバック内に挿入し、リテーナのボルト部をバ
ッグ及び整流体のボルト穴に勘合させる際に、作業がし
易くなり、作業効率が向上する。
【0014】また、第10の手段は、請求項5乃至請求
項7のいずれか1項に記載のエアバッグを製造する際
に、第1の縫合部を縫製する第1の工程と、開口部を形
成する底面基布、補強布または耐熱布と、整流体とを仮
固定部にて仮固定または固定する第2の工程と、表裏を
反転した状態にて袋状に接続された基布を開口部を用い
て反転する第3の工程と、第2の縫合部を縫製する第4
の工程とを実行し、且つその時に、この第1及び第2の
工程は、第3の工程よりも先に実行し、更に、第4の工
程は、第3の工程よりも後に、第2の縫合部を再度開口
部より引き出して、或いは、第3の工程の実行中に、第
2の縫合部が開口部よりまだ出ている状態にて、実行す
ることである。この方法により、前記(難点1)に示し
た困難な作業を排除することが可能となるため、作業が
し易くなり、作業効率が向上する。以上の手段を用いれ
ば、前記の課題を解決することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。 (第1実施例)図1は、第1実施例におけるエアバッグ
101のつり紐6の平面図(a)、底面基布11の平面
図(b)及びエアバッグ101の断面図(c)である。
本つり紐6は、図1(a)に示すように、一枚布より形
成されており、主に脚部8と整流体7とから構成されて
いる。脚部8には、その先端に第1の縫合部61が設け
られており、略円形の上面基布12の略中央に縫製箇所
41にて縫合されている。整流体7の底面基布11側に
は、底面部62があり、その略中央には、開口部63が
設けられ、底面部62の開口部63の周辺には、リテー
ナ20(図7(c))のボルト部21を通すためのボル
ト穴64が設けられている。図1(b)に示すように、
略円形の底面基布11の略中央には、開口部3がもうけ
られており、その周辺には、ボルト穴4が設けられてい
る。略同心円より形成される環状の補強布9は、縫製箇
所91にて開口部3の周囲に縫合されており、その開口
部93及びボルト穴94は、本平面上で底面基布11の
開口部3、ボルト穴4とそれぞれ重なるように配置され
ている。
【0016】図1(c)に示すように、上面基布12と
底面基布11とは、縫製箇所13にて袋状に縫合されて
おり、上記の開口部3、63、63、93は、重なるよ
うに配置され、この時のつり紐6の側面図を示せば、図
2(a)(6型)の如くとなる。各ボルト穴4、64、
64、94についてもそれぞれ重なるように配置され、
このボルト穴に、開口部から挿入されたリテーナ20の
ボルト部21を通し、ナット22で締結することによ
り、整流体7は本エアバッグの内部に固定される。この
ようにエアバッグを構成することにより、その一部にて
整流体7を形成するつり紐6は、第1の縫合部61を縫
製箇所41にて縫合される以外には、縫製される箇所が
ない。従って、整流体7を形成するつり紐6は、第1の
縫合部61で上面基布12と縫合されるとともに、つり
紐6の整流体7が、基布11、12を固定する図略のリ
テーナとエアバッグ収納ケースとの間に挟持されて、つ
り紐6がエアバッグに固定される。これにより、エアバ
ッグにつり紐6を縫製する際、上面基布12とだけでそ
の縫製が済み、製造効率が向上する。更に、基布11、
12を袋状に形成する前につり紐6の縫製が完成し、こ
の後、つり紐6の整流体7が、基布11、12を固定す
るリテーナとエアバッグ収納ケースとの間に挟持される
ことによって、エアバッグにつり紐6が固定されるた
め、製造効率が大幅に向上する。
【0017】本実施例に類似したつり紐6の例として、
図2(b)、(c)、(d)に、前記の第1の手段によ
る、その他の主なエアバッグのつり紐6の側面図を示
す。これらは、各つり紐6の側面形状に因んで、上記の
6型の他にΩ型、k型、Q型などに分類される。6型及
びQ型のつり紐6は、略帯状の布の一方の先端部を略筒
状に巻くことにより、整流体7を形成したものである。
また、Ω型及びk型のつり紐6は、略帯状の布の中間に
つり紐6の長手方向とは垂直に2本の折り目案内線65
を設け、この2本の折り目案内線65の間に位置する部
分の布を用いて略筒状の整流体7を形成したものであ
る。
【0018】これらのエアバッグにおいても、図2から
判るように、製造時の縫製作業は大幅に軽減されるの
で、第1実施例と全く同様の作用・効果を得ることがで
きる。以下、特に図2(b)のΩ型のつり紐6を持つエ
アバッグ103の構造について説明する。
【0019】(第2実施例)図3は、第2実施例のエア
バッグ103のつり紐6の平面図(a)、底面基布11
の平面図(b)及びエアバッグ103の断面図(c)で
ある。本エアバッグ103は、エアバッグ101と多く
の共通点、類似点を持つが、つり紐6の両端に第1の縫
合部61を1つづつ持ち、断面図(c)において左右対
象の形をしているところがエアバッグ101とは異なっ
ている。図3(a)に示すように、つり紐6は、その長
手方向とは垂直方向に、2つの円形の開口部63の各中
心を通る折り目案内線65を有し、この折り目案内線6
5を間に挟んで互いに向き合うボルト穴64同士が重な
るように、つり紐6は2本の折り目案内線65にて折り
畳まれている。
【0020】これにより、2つの半円が形成され、更
に、この2本の折り目案内線65を互いに重ね、その折
り目を接するように配置することにより、図3(c)に
示すように、新たな開口部63が形成されている。この
2つの半円を組み合わせて形成した新たな開口部63を
バッグの開口部3、93と重ねることにより、整流体7
が形成されている。このようにエアバッグ103を構成
することによっても、第1実施例と同等の作用・効果を
得ることができる。尚、この2本の折り目案内線65
は、必ずしも接していなくとも良い。また、この2本の
折り目案内線65は、必ずしも平行に位置している必要
はなく、これらの場合にも、第1実施例と同等の作用・
効果を得ることができる。
【0021】(第3実施例)図4は、第3実施例におけ
るエアバッグ104のつり紐6の平面図(a)、底面基
布11の平面図(b)及びエアバッグ104の断面図
(c)である。このエアバッグ104は、図2(d)に
示すQ型のつり紐6の整流体7にガス流の絞り効果を強
化するための絞り(形状規定部43)を設けたものであ
る。本形状規定部は、つり紐6の長手方向とは垂直方向
に、図4(a)に示すように、2本の折り目案内線65
を設け、この2本の折り目案内線65に沿ってつり紐6
を折り畳んで整流体7を矩形に形成し、その4つ角の縫
製箇所43にて相対面する部分を互いに縫合することに
より形成した。このようにエアバッグ104を構成する
ことによって、エアバッグにつり紐6を縫製する際、上
面基布12とだけでその縫製が済み、製造効率が向上し
た。また、形状規定部43の形成作業を非常に容易に行
うことができるようになった。これにより、ガス流の整
流作用がより効果的になり、エアバッグの展開速度、展
開形状及び展開順序をより安全に制御することが容易に
なった。
【0022】(第4実施例)図5は、第4実施例のエア
バッグ105のつり紐6の平面図(a)、底面基布11
の平面図(b)及びエアバッグ105の断面図(c)で
ある。本エアバッグ105においては、つり紐6は、逆
Y型の形状を有する。即ち、エアバッグ104と同様に
形状規定部43が設けられると同時に、図5(c)に示
すように、第2の縫合部の縫製箇所42にてつり紐6が
互いに縫合されることにより、整流体7が所望の形状に
形成されている。このようにエアバッグ105を構成す
ることによって、前記の第1乃至第3の手段による作用
・効果を得ることができる。このようにエアバッグ10
5を構成することによって、エアバッグにつり紐6を縫
製する際、上面基布12とだけでその縫製が済み、製造
効率が向上した。また、形状規定部43の形成作業を非
常に容易に行うことができるようになった。これによ
り、ガス流の整流作用がより効果的になり、エアバッグ
の展開速度、展開形状及び展開順序をより安全に制御す
ることが容易になった。更に、縫製箇所42により、整
流体7をより望ましい形状に構成することが可能とな
り、ガス気流の制御性が良くなった。また、同時に、つ
り紐6をより短くすることができるようになるため、縫
製作業時等につり紐6が取り扱い易くなり、布材のコス
トも削減できた。
【0023】(第5実施例)図6に、第5実施例のエア
バッグ106の斜視図(a)及びつり紐6の平面図
(b)を、図7に、同エアバッグ106の底面の平面図
(a)、断面図(b)及びリテーナ20の斜視図(c)
をそれぞれ示す。図6(a)に示すように、本エアバッ
グ106のつり紐6は、その中央に位置する第1の縫合
部61が、上面基布12の略中央に縫製箇所41にて縫
合されており、脚部8と整流体7との境界に設けられた
第2の縫合部が縫製箇所42により、互いに縫合されて
いる。これにより、本つり紐6は、X型の形状を成して
おり、また、縫製箇所43が縫製されることにより、ガ
ス流の絞り効果を強化する形状規定部が形成されてい
る。本つり紐6は、図6(b)に示すように、一枚布よ
り形成されており、主に脚部8と整流体7とから構成さ
れている。脚部8には、その先端に第1の縫合部61が
設けられており、略円形の上面基布12の略中央に縫製
箇所41にて縫合される。整流体7の底面基布11側に
は、底面部62があり、その略中央には、開口部63が
設けられ、底面部62の開口部63の周辺には、リテー
ナ20(図7(c))のボルト部21を通すためのボル
ト穴64が設けられている。
【0024】図7(a)に示すように、略円形の底面基
布11の略中央には、開口部3がもうけられており、そ
の周辺には、ボルト穴4が設けられている。略同心円よ
り形成される環状の補強布9は、縫製箇所91にて開口
部3の周囲に縫合されており、その開口部93及びボル
ト穴94は、本平面上で底面基布11の開口部3、ボル
ト穴4とそれぞれ重なるように配置されている。即ち、
図7(b)に示すように、上面基布12と底面基布11
とは、縫製箇所13にて袋状に縫合されており、上記の
開口部3、63、63、93は、重なるように配置され
ている。各ボルト穴4、64、64、94についてもそ
れぞれ重なるように配置され、このボルト穴に、開口部
から挿入されたリテーナ20のボルト部21を通し、ナ
ット22で締結することにより、整流体7は本エアバッ
グの内部に固定される。
【0025】このようにエアバッグ106を構成するこ
とによって、その一部にて整流体7を形成するつり紐6
は、第1の縫合部61を縫製箇所41にて縫合される以
外には、縫製される箇所がない。従って、整流体7を形
成するつり紐6は、第1の縫合部61で上面基布12と
縫合されるとともに、つり紐6の整流体7が、基布1
1、12を固定する図略のリテーナとエアバッグ収納ケ
ースとの間に挟持されて、つり紐6がエアバッグに固定
される。これにより、エアバッグにつり紐6を縫製する
際、上面基布12とだけでその縫製が済み、製造効率が
向上した。更に、基布11、12を袋状に形成する前に
つり紐6の縫製が完成し、この後、つり紐6の整流体7
が、基布11、12を固定するリテーナとエアバッグ収
納ケースとの間に挟持されることによって、エアバッグ
につり紐6が固定されるため、製造効率が大幅に向上し
た。
【0026】また、このようにエアバッグ106を構成
することによって、形状規定部43の形成作業には何の
制約もなくなり、従来困難であったこの縫製作業を非常
に容易に行うことができるようになった。これにより、
ガス流の整流作用がより効果的になり、よって、エアバ
ッグの展開速度、展開形状及び展開順序をより安全に制
御することが容易になった。
【0027】また、第2の縫合部42を互いに縫合する
ことにより、整流体7を形成することにより、整流体7
をより望ましい形状に構成することが可能となるため、
ガス気流の制御性が向上した。
【0028】また、図7(a)に示すように、4つのボ
ルト部21に勘合する4つのボルト穴の内、開口部3の
中央を間に挟んで互いに向き合う2つ一組のボルト穴に
は、それぞれ仮固定部5が熱溶着により設けられ、これ
によりこの2つのボルト穴を構成している各布のボルト
穴94、4、64、64は、互いに仮固定されている。
この構成により、整流体7をバッグの開口部3に仮固定
することができるため、バッグの開口部3よりリテーナ
20をバック内に挿入し、リテーナ20のボルト部21
をバッグ及び整流体7のボルト穴に勘合させる際に、作
業がし易くなり、作業効率が向上した。
【0029】また、ボルト穴64の内径は、リテーナ2
0のボルト部21の外径よりも小さく形成されており、
かつ、ボルト穴64の周囲には放射状に小さな切り込み
641が設けられている。この切り込み641は、ボル
ト部21が通り易く、かつ、外れにくいようにするため
のものであり、仮固定部5を形成する場合には、無くと
も良い。ボルト穴64をこのように形成することによ
り、一旦、整流体7に設けられたボルト穴64を貫通し
たリテーナ20のボルト部21は、整流体7から外れに
くくなるため、ボルト部21が外れてしまった場合の作
業のやり直しが無くなり、作業効率が向上する。
【0030】尚、図8に、本エアバッグ106のつり紐
6の、その他の挟持方法を示す断面図(a)及びインフ
レータの斜視図(b)を示す。このように、インフレー
タのフランジ及びそのボルト部を締結部材として用い
て、つり紐6をインフレータのフランジとエアバッグ収
納ケースとの間に挟持することによっても、上記の第5
実施例と全く同様の作用・効果を得ることができる。
【0031】(第6実施例)図9は、第6実施例のエア
バッグ108のつり紐6の平面図(a)及びエアバッグ
108の断面図((b)…第1の縫合部61解離前、
(c)…同解離後)である。このエアバッグ108は、
第5実施例のエアバッグ106と構造が似ているが、以
下に示す特徴を持つ。 (特徴1)つり紐6は、図9(a)に示す形状の2枚の
布を第2の縫合部(縫製箇所42)にて縫合することに
より形成された複合体よりなる。 (特徴2)第1の縫合部61を上面基布12に縫合して
いる縫製箇所41の縫製強度は比較的弱く、エアバッグ
108展開時には、本縫合部61は、バッグ内のガス圧
によって解離する。 (特徴3)2つの第1の縫合部61の先端は、略円形の
上面基布12の外周の方向をそれぞれ向いている。 (特徴4)折れ目線65の両端には、窪み66がそれぞ
れ設けられている。
【0032】本エアバッグ108は、上記の特徴1によ
り、前記の第5の手段による作用・効果を得ることがで
きる。また、上記の特徴2により、前記の第6の手段に
よる作用・効果を得ることができる。即ち、本エアバッ
グ108の用途によりつり紐6の脚部8の機能が必要な
いので、第1の縫合部が上面基布12より解離するた
め、脚部8の機能が必要なエアバッグと同等の構造にす
ることができる。また、上記の特徴3により、第1の縫
合部61を上面基布12に縫合する縫製箇所41は、第
2の縫合部を縫合する縫製箇所42の縫製作業後にも容
易に縫製することができる。これにより、作業順序に関
する自由度がより大きくなる。更に、上記の特徴4によ
り、縫製箇所43を縫製する際に、折れ目線65に沿っ
て速く正確に底面部62を折り畳むことができる。これ
により、作業効率が向上する。
【0033】(第7実施例)図10は、第7実施例のエ
アバッグ109のつり紐6の平面図(a)及びエアバッ
グ109の断面図((b)…第2の縫合部解離前、
(c)…同解離後)である。本つり紐6は、図10
(a)に示すように、底面部62の中央に位置する開口
部63を中心に左右対象の形状を成しており、左右の両
先端に第一の縫合部61をそれぞれ1つづつ備えてい
る。整流体7と脚部8との境界には、第2の縫合部が設
けられており、その縫製箇所42は、つり紐6の長手方
向とは垂直の方向に設定されている。この各縫製箇所4
2の両端には、縫製時の位置合わせを速く正確に行うた
めに、それぞれ凸部67が設けられている。
【0034】本エアバック109は、図10(b)に示
すように、縫製箇所41、縫製箇所42、縫製箇所13
の順に縫製されたものである。縫製箇所91の縫製は、
縫製箇所13の縫製よりも先に行われれば、いつ行って
も良い。
【0035】本エアバック109は、エアバッグ展開時
には、先ず始に、図10(b)に示すように展開する。
即ち、インフレータへの点火によりエアバックの展開が
開始されてから(b)のようにエアバッグが展開するま
では、整流体7が作用しているが、その後この整流体7
の機能が必要なくなった段階からは、第2の縫合部を縫
合していた縫製箇所42の縫製糸の破断により、第2の
縫合部は互いに解離し、その後は図10(c)に示すよ
うに展開する。このようにエアバッグ109を構成する
ことによっても、上記の第6実施例と同様の作用・効果
を得ることができる。
【0036】(第8実施例)図11は、第8実施例のエ
アバッグ110のつり紐6の上半部68(脚部8と第1
及び第2の縫合部)の平面図(a)、つり紐6の整流体
7形成部の平面図(b)及びエアバッグ110の断面図
(c)である。本エアバッグ110の整流体7は、図1
1(c)に示すように、2枚の布を重ねてその中央に開
口部63を設けることにより、形成されている。この整
流体7を形成する2枚の布は、それぞれ図11(b)に
示す形状に形成されており、その内、整流体7の内側に
位置する1枚の布は、他の布とは素材の異なる耐熱布7
1より構成されている。このように、本エアバッグ11
0のつり紐6は、3枚の布68、7、71から形成さた
複合体より成る。
【0037】このエアバッグ110は、以下の順序に従
って形成されたものである。即ち、先ず最初に、第2の
縫合部の縫製箇所42を縫製することにより、上記の複
合体より成るつり紐6を形成した。次に、2本の折り目
案内線65に沿って上半部68を折り畳み、第1の縫合
部61の縫製箇所41を縫製することにより、図11
(c)に示すように、つり紐6を上面基布12に縫合し
た。その後、開口部3の周囲に補強布9が縫合された底
面基布11を縫合箇所13にて上面基布12に縫合し、
最後に、開口部3を使ってバッグを表裏反転させた。
【0038】第1の縫合部と第2の縫合部の各縫製箇所
41、42の縫製順序は、上記の逆でもよい。図11
(c)に示すように、第1の縫合部61と2本の脚部
8、8により形成される略三角形の外側に縫製箇所41
を設けたことにより、図9のエアバッグ108と同様
に、この縫製順序は容易に入れ換えることができる。以
上のようにエアバッグ110を構成することにより、つ
り紐6を構成する布をより短くすることができるように
なるため、縫製作業時等につり紐6が取り扱い易くな
り、布材のコストも削減できる。また、複数の種類の布
材よりつり紐6を構成したことにより、耐熱性が要求さ
れる一部分だけを耐熱布71で形成することが可能とな
った。
【0039】(製造方法1)以下、上記実施例のエアバ
ッグの製造方法について、図6及び図7に示したエアバ
ッグ106の製造方法を中心に、図12を用いて説明す
る。図12は、本発明によるエアバッグの製造方法1
(請求項8、請求項9相当分)を示す製造工程ダイアグ
ラムである。エアバッグ106は、以下の順序に従って
製造することができる。
【0040】即ち、先ず最初に、つり紐6の第1の縫合
部61を縫製箇所41にて上面基布12の略中央に縫合
する(請求項8の第1の工程:図12(a))。次に、
つり紐6の第2の縫合部を縫製箇所42にて互いに縫合
する(請求項8の第2の工程:図12(c))。そし
て、底面基布11と上面基布12とを縫製箇所13にて
縫合する(図12(d))。ただし、図略の補強布9に
ついては、縫製箇所13を縫製する前の段階であれば、
いつ底面基布11に縫合しても良い。以上の順序、即
ち、図12(a)→(c)→(d)の順序に従って縫製
作業を行えば、(d)に示す、表裏反転前の状態のエア
バッグを得ることができる。
【0041】尚、縫製箇所42の縫製作業(第2の工
程)と、縫製箇所13の縫製作業とは、どちらを先に行
っても良い。即ち、図12(a)→(b)→(d)の順
序に従って縫製作業を行っても、(d)に示す、表裏反
転前の状態のエアバッグを得ることができる。また、図
9のエアバッグ108や図11のエアバッグ110を製
造する場合には、第1の工程と第2の工程の順序、即
ち、縫製箇所41と縫製箇所42の縫製順序は、容易に
入れ換えることができる。従って、この場合には、図1
2(a’)→(c)→(d)の順序に従って縫製作業を
行うことにより、(d)に示す表裏反転前の状態のエア
バッグを得ることができる。
【0042】尚、形状規定部(絞り)を形成するための
縫製箇所43の縫製は、開口部3を用いてバッグの表裏
を反転する工程(請求項8の第3の工程:図12(*)
印)よりも前の段階であれば、いつ縫製しても良い。即
ち、この場合には、第2の手段による作用・効果を得る
ことができる。また、つり紐6が、例えば、図11に示
すエアバッグ110のように、上半部68(脚部8と第
1及び第2の縫合部:図11(a))と整流体7形成部
(図11(b))との複合体より形成される場合にも、
第2の縫合部を縫合する縫製箇所42の縫製順序は、上
記と同じで良い。即ち、第2の工程の実行順序は、この
場合、上記と同じで良い。この場合には、図12(c)
又は図12(d)の図面の上半分を図12(c’)/
(d’)と置き換えて解釈すれば、上記の縫製順序と全
く同様に第2の工程を実施することができる。
【0043】リテーナ20を整流体7の内側に入れ、そ
のボルト部21を図6のボルト穴64に貫通させる作業
は、上記図12(d)の表裏反転前の状態のエアバッグ
を反転する作業(請求項8の第3の工程:図12(*)
印)の前後どちらにおいて行っても良い。即ち、図12
(d)→(e)(→(f))→(h)の順序に従ってリ
テーナ20をエアバッグの開口部3に勘合させても、図
12(d)→(g)→(h)の順序に従ってリテーナ2
0をエアバッグの開口部3に勘合させても、どちらでも
良い。
【0044】ただし、前者の順序でリテーナ20の勘合
作業を行う場合には、前記の第4の手段を用いることが
得策である。即ち、第3の工程完了後(図12
(e))、例えば、図7(a)、(b)に示すようにボ
ルト穴4、64、64、94を熱溶着により互いに仮固
定することにより、仮固定部5を形成し(図12
(f))、その後に、リテーナ20の勘合作業を行う。
即ち、図12(d)→(e)→(f)→(h)の順序に
従ってリテーナ20をエアバッグの開口部3に勘合させ
れば、整流体7をバッグの開口部3に仮固定することが
できるため、バッグの開口部3よりリテーナ20をバッ
ク内に挿入し、リテーナ20のボルト部21をバッグ及
び整流体7のボルト穴に勘合させる際に、作業がし易く
なり、作業効率が向上する。
【0045】また、後者の順序でリテーナ20の勘合作
業を行う場合には、前記の第7の手段を用いることが得
策である。即ち、図6のボルト穴64の内径をボルト部
21の外径よりも若干小さくしておく。これにより、
(g)→(h)なるバッグ反転作業(図12(*)印:
請求項8の第3の工程)を行う際に、前記の第7の手段
による作用・効果を得ることができる。即ち、ボルト穴
64の内径は、リテーナ20のボルト部21の外径より
も小さく形成されており、かつ、ボルト穴64の周囲に
は放射状に小さな切り込み641が設けられている(図
6(b))。この切り込み641は、ボルト部21が通
り易く、かつ、外れにくいようにするためのものであ
る。従って、ボルト穴64をこのように形成することに
より、一旦、整流体7に設けられたボルト穴64を貫通
したリテーナ20のボルト部21は、整流体7から外れ
にくくなるため、ボルト部21が外れてしまった場合の
作業のやり直しが無くなり、作業効率が向上する。
【0046】(第9実施例)図13は、第9実施例のエ
アバッグ112の上面基布12及び上半部68(脚部8
と第1及び第2の縫合部)の平面図(a)、底面基布1
1及び整流体7形成部の平面図(b)及びエアバッグ1
12の断面図(c)である。図13からも判るように、
本エアバッグ112のつり紐6は、整流体7形成部と上
半部68との複合体より形成されている。図13(b)
に示すように、つり紐6の底面部62は、ボルト穴4、
64、94を互いに熱容着することにより形成された3
つの仮固定部5により仮固定されている。
【0047】(製造方法2)以下、第9実施例のエアバ
ッグ112の製造方法について、図14を用いて説明す
る。図14は、製造方法2(請求項10相当分)による
本エアバッグ112の製造工程ダイアグラムである。本
エアバッグ112は、以下の順序に従って製造すること
ができる。
【0048】即ち、先ず最初に図14(a)に示すよう
に、つり紐6の上半部68の第1の縫合部61が、上面
基布12の略中央の所定の位置、即ち、縫製箇所41に
て縫合される(請求項10の第1の工程)。次に、図1
3(b)及び図14(b)に示すように、3カ所の仮固
定部5により、つり紐6の底面部62が底面基布11の
開口部3周辺に仮固定される(請求項10の第2の工
程)。その後、図14(d)に示すように、底面基布1
1の周と上面基布12の周とが縫製箇所13にて互いに
縫合されて、開口部3を持つ反転前の袋状のバッグ10
(外面袋体)が形成される((a)→(b)→
(d))。
【0049】尚、縫製箇所41の縫製が、縫製箇所13
の縫製よりも先に行われるのであれば、上記の工程の順
序は任意で良い。例えば、縫製箇所13の縫製と仮固定
部5の熱容着の実行順序は、上記とは逆でも良い。この
場合には、(a)→(c)→(d)の順序に従って、開
口部3を持つ反転前の袋状のバッグ10(外面袋体)が
形成される。また、この第1の工程と第2の工程とは、
平行して実行することもできる。
【0050】次に、図14(d)に示す反転前の袋状の
バッグ10を開口部3を用いて反転させることにより、
図14(e)に示す、反転後のバッグ10を得ることが
できる(図14(d)→(e):請求項10の第3の工
程)。そして、開口部3より、第2の縫合部の縫製箇所
42を引き出して、縫製する(図14(e)→(f):
請求項10の第4の工程)。この縫製箇所42の縫製
(第4の工程)は、第3の工程(バッグ反転作業)の実
行中に、第2の縫合部が開口部3よりまだ出ている状態
にて、実行することも可能である(図14(d)→
(f))。
【0051】その後、第2の縫合部をエアバッグの中に
入れれば、図13(c)に示す断面形状のエアバッグ1
12を得ることができる(図14(f)→(g))。最
後にリテーナ20を開口部3より挿入し、ボルト部21
をボルト穴4、64、94に勘合させることにより、図
14(h)に示すエアバッグ112を得ることができ
る。
【0052】この製造方法2により、前記(難点1)に
示した従来技術における困難な作業を排除することが可
能となるため、作業がし易くなり、作業効率が向上す
る。また、この製造方法2は、上記の仮固定を縫製によ
る本固定とした場合にも、全く同様に有効である。した
がって、その場合には、図15、16に示した従来技術
によるエアバッグ1に類似のエアバッグを従来技術によ
る方法よりも遥かに容易に得ることができるという効果
もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるエアバッグ101のつり紐6の平
面図(a)、底面基布11の平面図(b)及びエアバッ
グ101の断面図(c)。
【図2】本発明によるエアバッグのつり紐6の側面図
((a)…6型、(b)…Ω型、(c)…k型、(d)
…Q型)。
【図3】本発明によるエアバッグ103のつり紐6の平
面図(a)、底面基布11の平面図(b)及びエアバッ
グ103の断面図(c)。
【図4】本発明によるエアバッグ104のつり紐6の平
面図(a)、底面基布11の平面図(b)及びエアバッ
グ104の断面図(c)。
【図5】本発明によるエアバッグ105のつり紐6の平
面図(a)、底面基布11の平面図(b)及びエアバッ
グ105の断面図(c)。
【図6】本発明によるエアバッグ106の斜視図(a)
及びつり紐6の平面図(b)。
【図7】本発明によるエアバッグ106の底面の平面図
(a)、断面図(b)及びリテーナ20の斜視図
(c)。
【図8】本発明によるエアバッグ106のその他の挟持
方法を示す断面図(a)及びインフレータの斜視図
(b)。
【図9】本発明によるエアバッグ108のつり紐6の平
面図(a)及びエアバッグ108の断面図((b)…第
1の縫合部解離前、(c)…同解離後)。
【図10】本発明によるエアバッグ109のつり紐6の
平面図(a)及びエアバッグ109の断面図((b)…
第2の縫合部解離前、(c)…同解離後)。
【図11】本発明によるエアバッグ110のつり紐6の
上半部68(脚部8と第1及び第2の縫合部)の平面図
(a)、つり紐6の整流体7形成部の平面図(b)及び
エアバッグ110の断面図(c)。
【図12】本発明によるエアバッグの製造方法1(請求
項8、請求項9相当分)を示す製造工程ダイアグラム。
【図13】本発明によるエアバッグ112の上面基布1
2の平面図(a)、底面基布11の平面図(b)及びエ
アバッグ112の断面図(c)。
【図14】本発明によるエアバッグの製造方法2(請求
項10相当分)を示す製造工程ダイアグラム。
【図15】従来技術によるエアバッグ1の上面基布12
の平面図(a)及び底面基布11の平面図(b)。
【図16】従来技術によるエアバッグ1の製造方法を示
す製造工程ダイアグラム。
【符号の説明】
20 … リテーナ 3 … 開口部 4 … ボルト穴 5 … 仮固定部 6 … つり紐 61 … 第1の縫合部 7 … 整流体 8 … 脚部 9 … 補強布 10 … バッグ(外面袋体) 11 … 底面基布 12 … 上面基布 41 … 第1の縫合部の縫製箇所 42 … 第2の縫合部の縫製箇所 43 … 形状規定部(絞り)の縫製箇所
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤岡 稔 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソ−内 (72)発明者 日下部 健一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソ−内 Fターム(参考) 3D054 AA02 AA03 CC10 CC11 CC34 CC38 CC42 CC43 FF17

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗員側に位置する上面基布とインフレー
    タ側に位置する底面基布との接続により袋状に形成さ
    れ、前記インフレータの吹き出し口が配置される開口部
    を有し、一枚布または連続した一体の複合体より形成さ
    れたつり紐の一部である第1の縫合部が前記上面基布の
    内側に縫合されたエアバッグにおいて、 前記つり紐は、前記開口部付近において、前記インフレ
    ータから発生するガスのガス流の噴射方向を規制する整
    流体を形成し、 前記整流体は、前記基布を固定するリテーナとエアバッ
    グ収納ケースまたは前記インフレータのフランジとエア
    バッグ収納ケースとの間に挟持されることにより固定さ
    れ、 前記整流体の所定の部位は、互いに縫合されることによ
    り、前記整流体の展開時の形状を規定する形状規定部を
    形成し、前記インフレータから発生する前記ガス流に対
    する絞り効果を強化することを特徴とするエアバッグ。
  2. 【請求項2】 乗員側に位置する上面基布とインフレー
    タ側に位置する底面基布との接続により袋状に形成さ
    れ、前記インフレータの吹き出し口が配置される開口部
    を有し、連続した一枚布より形成されたつり紐の一部で
    ある第1の縫合部が前記上面基布の内側に縫合されたエ
    アバッグにおいて、前記つり紐は、 前記開口部付近において、連続した前記一枚布をループ
    状に配置することにより、前記インフレータから発生す
    るガスのガス流の噴射方向を規制する整流体を形成し、
    前記整流体は、 前記基布を固定するリテーナとエアバッグ収納ケースま
    たは前記インフレータのフランジとエアバッグ収納ケー
    スとの間に挟持されることにより固定されていることを
    特徴とするエアバッグ。
  3. 【請求項3】 前記つり紐の所定の部位である第2の縫
    合部は、 互いに縫合されることにより、前記整流体を形成するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ。
  4. 【請求項4】 前記基布、前記つり紐、前記整流体、補
    強布、耐熱布または前記リテーナは、溶着、接着、縫着
    または縛着等により互いに仮固定された仮固定部を有す
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1
    項に記載のエアバッグ。
  5. 【請求項5】 前記つり紐は、複数枚の布を縫合するこ
    とにより形成された複合体より成ることを特徴とする請
    求項1、請求項3、請求項4のいずれか1項に記載のエ
    アバッグ。
  6. 【請求項6】 前記第1の縫合部、または、前記第2の
    縫合部は、 その縫製強度が小さいことにより、エアバッグ展開時に
    解離することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいず
    れか1項に記載のエアバッグ。
  7. 【請求項7】 前記つり紐を前記挟持により固定するた
    めに前記リテーナのボルト部を貫通させる前記整流体に
    設けられたボルト穴の内径は、 前記ボルト部の外径よりも小さいことを特徴とする請求
    項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のエアバッグ。
  8. 【請求項8】 請求項3乃至請求項7のいずれか1項に
    記載のエアバッグの製造方法であって、 前記第1の縫合部を縫製する第1の工程、及び、前記第
    2の縫合部を縫製する第2の工程は、 表裏を反転した状態にて袋状に接続された前記基布を前
    記開口部を用いて反転する第3の工程よりも先に実行さ
    れることを特徴とするエアバッグの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記整流体を前記第3の工程実行後に、
    前記開口部を形成する前記底面基布、前記補強布または
    前記耐熱布と前記仮固定部にて仮固定することを特徴と
    する請求項8に記載のエアバッグの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項5乃至請求項7のいずれか1項
    に記載のエアバッグの製造方法であって、 前記第1の縫合部を縫製する第1の工程と、 前記開口部を形成する前記底面基布、前記補強布または
    前記耐熱布と、前記整流体とを前記仮固定部にて仮固定
    または固定する第2の工程と、 表裏を反転した状態にて袋状に接続された前記基布を前
    記開口部を用いて再度反転する第3の工程と、 前記第2の縫合部を縫製する第4の工程とを有し、 前記第1及び第2の工程は、前記第3の工程よりも先に
    実行され、前記第4の工程は、 前記第3の工程よりも後に、前記第2の縫合部を再度前
    記開口部より引き出して、或いは、 前記第3の工程の実行中に、前記第2の縫合部が前記開
    口部よりまだ出ている状態にて、実行されることを特徴
    とするエアバッグの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007145028A1 (ja) * 2006-06-16 2007-12-21 Takata Corporation エアバッグ及びエアバッグ装置
JP2009160996A (ja) * 2007-12-28 2009-07-23 Nippon Plast Co Ltd エアバッグ装置
JP2012505107A (ja) * 2008-10-13 2012-03-01 オートリブ ディベロップメント エービー エアバッグ
WO2014103650A1 (ja) * 2012-12-25 2014-07-03 オートリブ ディベロップメント エービー 車両用エアバッグ構造及び車両用サイドエアバッグ装置

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