JP2000043044A - プラスチック/無機物複合廃棄物の熱処理装置 - Google Patents
プラスチック/無機物複合廃棄物の熱処理装置Info
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- Y02W30/62—Plastics recycling; Rubber recycling
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- Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
- Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 プラスチックを無機材料から効率よくか
つ高い分離率で分離しうるプラスチックと無機物の複合
廃棄物の熱処理装置と、この装置を用いた無機物の回収
装置を提供する。 【解決手段】 上記課題は、プラスチックと無機物を含
む複合廃棄物を浸漬して該プラスチックと無機物を比重
分離する熱媒体を収容した熱処理槽と、該熱媒体をプラ
スチックを無機物から分離しうる温度に加熱する加熱機
構よりなる熱処理装置において、前記熱処理槽内を投入
された複合廃棄物を熱処理する熱処理室と、プラスチッ
クと無機物を比重分離する比重分離室に仕切り、該仕切
りの下部には両室を連通させる通路を設けたことを特徴
とする、プラスチック/無機物複合廃棄物の熱処理装置
によって解決される。
つ高い分離率で分離しうるプラスチックと無機物の複合
廃棄物の熱処理装置と、この装置を用いた無機物の回収
装置を提供する。 【解決手段】 上記課題は、プラスチックと無機物を含
む複合廃棄物を浸漬して該プラスチックと無機物を比重
分離する熱媒体を収容した熱処理槽と、該熱媒体をプラ
スチックを無機物から分離しうる温度に加熱する加熱機
構よりなる熱処理装置において、前記熱処理槽内を投入
された複合廃棄物を熱処理する熱処理室と、プラスチッ
クと無機物を比重分離する比重分離室に仕切り、該仕切
りの下部には両室を連通させる通路を設けたことを特徴
とする、プラスチック/無機物複合廃棄物の熱処理装置
によって解決される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃プラスチックの
処理装置に関し、特に廃自動車や廃家電製品のような金
属とプラスチックが互いに入り組んだ形状の金属複合廃
プラスチックを迅速に簡便に処理して、そこに含まれて
いる金属等の無機物を金属源あるいはその他の無機物源
として、そしてプラスチックを高炉用還元材などの資源
や燃料等として回収する装置に関する。
処理装置に関し、特に廃自動車や廃家電製品のような金
属とプラスチックが互いに入り組んだ形状の金属複合廃
プラスチックを迅速に簡便に処理して、そこに含まれて
いる金属等の無機物を金属源あるいはその他の無機物源
として、そしてプラスチックを高炉用還元材などの資源
や燃料等として回収する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、産業廃棄物や一般廃棄物としてプ
ラスチック等の合成樹脂類が増加しており、その処理が
社会的、環境上、大きな問題となっている。特に、廃自
動車や廃家電製品から発生するシュレッダーダストはさ
まざまな物質からなる混合物であり、プラスチックの
他、金属、ゴム、木、紙、ガラス等が含まれ、かつ嵩密
度が低く、取扱い、回収、処理が困難な廃棄物である。
ラスチック等の合成樹脂類が増加しており、その処理が
社会的、環境上、大きな問題となっている。特に、廃自
動車や廃家電製品から発生するシュレッダーダストはさ
まざまな物質からなる混合物であり、プラスチックの
他、金属、ゴム、木、紙、ガラス等が含まれ、かつ嵩密
度が低く、取扱い、回収、処理が困難な廃棄物である。
【0003】その構成成分であるプラスチックは燃焼時
に発生する発熱量が高く、焼却処理した場合に焼却炉の
炉壁を傷める等の問題から専用の焼却設備を必要とする
ことや、ダスト中に含まれる亜鉛や鉛等の有害な金属も
その回収・固定化技術が必要となる等の問題があった。
かかる状況下で現状は投棄処理されているが、投棄は埋
立て地の地盤の低下をもたらすと共に、環境上好ましく
ない。また、昨今では処理費の高騰とともに埋立て地用
の用地確保が社会問題となりつつあり、このため投棄に
よらない無機材料複合廃プラスチック、例えばシュレッ
ダーダストの大量処理方法の開発が切望されている。
に発生する発熱量が高く、焼却処理した場合に焼却炉の
炉壁を傷める等の問題から専用の焼却設備を必要とする
ことや、ダスト中に含まれる亜鉛や鉛等の有害な金属も
その回収・固定化技術が必要となる等の問題があった。
かかる状況下で現状は投棄処理されているが、投棄は埋
立て地の地盤の低下をもたらすと共に、環境上好ましく
ない。また、昨今では処理費の高騰とともに埋立て地用
の用地確保が社会問題となりつつあり、このため投棄に
よらない無機材料複合廃プラスチック、例えばシュレッ
ダーダストの大量処理方法の開発が切望されている。
【0004】この廃プラスチックの処理方法として、2
00℃ないし400℃の融点を有する低融点金属または
合金を加熱・溶融し、その中に廃プラスチックを一定時
間浸漬、分解する方法が知られている(特開昭50−9
677号公報)。この方法は、ポリ塩化ビニル系樹脂を
焼却炉で処理すると有害な塩化水素が発生するので、焼
却に先立ってこれを脱塩化水素する方法として開発され
たものである。
00℃ないし400℃の融点を有する低融点金属または
合金を加熱・溶融し、その中に廃プラスチックを一定時
間浸漬、分解する方法が知られている(特開昭50−9
677号公報)。この方法は、ポリ塩化ビニル系樹脂を
焼却炉で処理すると有害な塩化水素が発生するので、焼
却に先立ってこれを脱塩化水素する方法として開発され
たものである。
【0005】また、食用油廃液を溶媒としてポリエチレ
ン等接着性を有する樹脂を金属素材から除去し、金属を
採り出す方法が知られている(特開平5−147041
号公報)。
ン等接着性を有する樹脂を金属素材から除去し、金属を
採り出す方法が知られている(特開平5−147041
号公報)。
【0006】250〜300℃のプラスチック溶融液に
ポリ塩化ビニルを含む複合廃プラスチックを投入して溶
融液面に浮上したポリ塩化ビニルの脱塩素炭化物を除去
し、塩化ビニルを除去してプラスチックを回収する方法
も知られている(特開平6−210263号公報)。
ポリ塩化ビニルを含む複合廃プラスチックを投入して溶
融液面に浮上したポリ塩化ビニルの脱塩素炭化物を除去
し、塩化ビニルを除去してプラスチックを回収する方法
も知られている(特開平6−210263号公報)。
【0007】さらに、プラスチック材が流動化する温度
250〜300℃の溶融塩を用い、該溶融塩を加熱によ
って前記温度に制御し、さらに溶融塩を前記温度より2
℃〜5℃高く加熱した雰囲気中にプラスチック廃棄物を
投入することによりプラスチック廃棄物を分離し、溶融
塩の液面上に流動化したプラスチック材を浮上せしめる
とともに、液面下に金属材やガラス材を沈降させ、プラ
スチック材と金属材やガラス材をそれぞれ採り出すプラ
スチック廃棄物の溶融塩による分離回収方法も知られて
いる(特開平8−108165号公報)。
250〜300℃の溶融塩を用い、該溶融塩を加熱によ
って前記温度に制御し、さらに溶融塩を前記温度より2
℃〜5℃高く加熱した雰囲気中にプラスチック廃棄物を
投入することによりプラスチック廃棄物を分離し、溶融
塩の液面上に流動化したプラスチック材を浮上せしめる
とともに、液面下に金属材やガラス材を沈降させ、プラ
スチック材と金属材やガラス材をそれぞれ採り出すプラ
スチック廃棄物の溶融塩による分離回収方法も知られて
いる(特開平8−108165号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術の抱
える共通課題にプラスチックと無機材料の分離速度の遅
いことがある。すなわち、プラスチックと無機材料の分
離が粘性の大きい熱媒体中で行なわれるためプラスチッ
クの分離速度が遅く、分離率が不充分であるという問題
があった。
える共通課題にプラスチックと無機材料の分離速度の遅
いことがある。すなわち、プラスチックと無機材料の分
離が粘性の大きい熱媒体中で行なわれるためプラスチッ
クの分離速度が遅く、分離率が不充分であるという問題
があった。
【0009】本発明の目的は、このような問題を解決し
て、プラスチックを無機材料から効率よくかつ高い分離
率で分離しうるプラスチックと無機物の複合廃棄物の熱
処理装置と、この装置を用いた無機物の回収装置を提供
することにある。
て、プラスチックを無機材料から効率よくかつ高い分離
率で分離しうるプラスチックと無機物の複合廃棄物の熱
処理装置と、この装置を用いた無機物の回収装置を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するべく鋭意検討の結果、熱処理槽内を仕切板で
複合廃棄物投入部とプラスチックと無機物の比重分離室
に仕切ることが極めて有効であり、それによってプラス
チックを無機物から効率よく高い分離率で分離しうるこ
とを見出して本発明を完成するに至った。
を解決するべく鋭意検討の結果、熱処理槽内を仕切板で
複合廃棄物投入部とプラスチックと無機物の比重分離室
に仕切ることが極めて有効であり、それによってプラス
チックを無機物から効率よく高い分離率で分離しうるこ
とを見出して本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、プラスチックと無機
物を含む複合廃棄物を浸漬して該プラスチックと無機物
を比重分離する熱媒体を収容した熱処理槽と、該熱媒体
をプラスチックを無機物から分離しうる温度に加熱する
加熱機構よりなる熱処理装置において、前記熱処理槽内
を投入された複合廃棄物を熱処理する熱処理室と、プラ
スチックと無機物を比重分離する比重分離室に仕切り、
該仕切りの下部には両室を連通させる通路を設けたこと
を特徴とする、プラスチック/無機物複合廃棄物の熱処
理装置と、上記の熱処理装置と、その熱処理槽にプラス
チックと無機物を含む複合廃棄物を供給する供給装置
と、該熱処理槽から取出した無機物から鉄を分離する磁
気分別機と、鉄を分離した該無機物から非鉄金属を分離
する静電選別装置と、該非鉄金属からアルミニウムを分
離する渦電流分別装置とからなる、プラスチック/無機
物複合廃棄物からの無機物回収装置に関するものであ
る。
物を含む複合廃棄物を浸漬して該プラスチックと無機物
を比重分離する熱媒体を収容した熱処理槽と、該熱媒体
をプラスチックを無機物から分離しうる温度に加熱する
加熱機構よりなる熱処理装置において、前記熱処理槽内
を投入された複合廃棄物を熱処理する熱処理室と、プラ
スチックと無機物を比重分離する比重分離室に仕切り、
該仕切りの下部には両室を連通させる通路を設けたこと
を特徴とする、プラスチック/無機物複合廃棄物の熱処
理装置と、上記の熱処理装置と、その熱処理槽にプラス
チックと無機物を含む複合廃棄物を供給する供給装置
と、該熱処理槽から取出した無機物から鉄を分離する磁
気分別機と、鉄を分離した該無機物から非鉄金属を分離
する静電選別装置と、該非鉄金属からアルミニウムを分
離する渦電流分別装置とからなる、プラスチック/無機
物複合廃棄物からの無機物回収装置に関するものであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明を適用し得るプラスチック
と無機物を含む複合廃棄物の種類は問わないが、例え
ば、廃自動車、廃家電製品、廃OA機器などが適用可能
である。これらのプラスチック/無機物複合廃棄物はそ
のままでも処理可能であるが、シュレッダー等により細
片化しておくことが好ましい。細片の大きさは0.01
〜100mm程度、特に0.05〜50mm程度とする
ことが好ましい。廃車や廃家電をシュレッダー、ギロチ
ン、シャーなどで粉砕して金属を回収した後の破片状の
廃棄物であるシュレッダーダストも好適に使用が可能で
ある。その主成分はプラスチック、繊維、鉄、銅、アル
ミニウム、ゴム、ガラス等である。プラスチックの種類
は特に限定されるものではなく、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカー
ボネート等の熱可塑性樹脂、ゴム、エポキシ樹脂、ポリ
ウレタン等の熱硬化性樹脂等である。金属以外の無機物
を主体とするプラスチック/無機物複合廃棄物の例とし
ては光ケーブル、FRP等がある。
と無機物を含む複合廃棄物の種類は問わないが、例え
ば、廃自動車、廃家電製品、廃OA機器などが適用可能
である。これらのプラスチック/無機物複合廃棄物はそ
のままでも処理可能であるが、シュレッダー等により細
片化しておくことが好ましい。細片の大きさは0.01
〜100mm程度、特に0.05〜50mm程度とする
ことが好ましい。廃車や廃家電をシュレッダー、ギロチ
ン、シャーなどで粉砕して金属を回収した後の破片状の
廃棄物であるシュレッダーダストも好適に使用が可能で
ある。その主成分はプラスチック、繊維、鉄、銅、アル
ミニウム、ゴム、ガラス等である。プラスチックの種類
は特に限定されるものではなく、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカー
ボネート等の熱可塑性樹脂、ゴム、エポキシ樹脂、ポリ
ウレタン等の熱硬化性樹脂等である。金属以外の無機物
を主体とするプラスチック/無機物複合廃棄物の例とし
ては光ケーブル、FRP等がある。
【0013】熱媒体はプラスチック/無機物複合廃棄物
のプラスチックを溶融しあるいは分解して無機物と分離
する温度において液体として存在するものであり、低融
点合金、食用油廃液、溶融プラスチック、溶融塩等であ
る。しかしながら、溶融金属を熱媒体として使用した場
合は金属の精錬過程で有害となる成分が金属に同伴する
ため、その分離が困難である。溶融プラスチックはその
溶融粘度が高いため、複合廃プラスチックに異物として
混入する金属類はプラスチックに混入してしまうため、
金属類を分離・回収することは容易でない。また、溶融
塩を用いる方法は回収される金属に溶融塩の成分であり
溶解炉炉壁の劣化を引き起こすアルカリが同伴される上
に、プラスチックの種類によっては熱処理が不十分で熱
溶融せずに沈降する金属複合廃プラスチックと金属の分
離が困難になる問題がある。
のプラスチックを溶融しあるいは分解して無機物と分離
する温度において液体として存在するものであり、低融
点合金、食用油廃液、溶融プラスチック、溶融塩等であ
る。しかしながら、溶融金属を熱媒体として使用した場
合は金属の精錬過程で有害となる成分が金属に同伴する
ため、その分離が困難である。溶融プラスチックはその
溶融粘度が高いため、複合廃プラスチックに異物として
混入する金属類はプラスチックに混入してしまうため、
金属類を分離・回収することは容易でない。また、溶融
塩を用いる方法は回収される金属に溶融塩の成分であり
溶解炉炉壁の劣化を引き起こすアルカリが同伴される上
に、プラスチックの種類によっては熱処理が不十分で熱
溶融せずに沈降する金属複合廃プラスチックと金属の分
離が困難になる問題がある。
【0014】一方、本発明者らは、特定の有機媒体がこ
のような問題がなく、プラスチック/無機物複合廃棄物
からのプラスチックの分離に極めて好都合なことを見出
した。この有機媒体として使用される材料は、複合廃棄
物の浸漬温度で液体として存在し、分離された金属の溶
融時に有害となるアルカリ塩等有害成分の混入が無く、
燃料にもなるものである。そのほか、この浸漬温度では
少なくともほとんど分解せずにその粘度等の物理的性質
が変化しないこと、かつ分離された金属やその他の無機
材料からの分離が容易なことが必要である。さらに、分
離されたポリマーが有機媒体から浮上分離するものが望
ましい。これらの条件を満たすものは沸点が250℃以
上であり、かつ芳香族指数が0.2以上を有するもので
ある。好ましくは沸点が300℃以上、特に好ましくは
350℃以上である。一方、沸点の上限はその熱安定性
から定められ、600℃以下、特に550℃以下である
ことが好ましい。芳香族指数は全炭素数に対する芳香族
炭素数の比率であり、Brown−Ladner法
(J.K.Brown,W.R.Ladner and N.
Sheppard,Fuel,39,79(1960)で
測定することができる。芳香族指数は好ましくは0.2
以上、特に好ましくは0.25以上であり、上限は1.
0以下、特に好ましくは0.95以下のものがよい。具
体的に例示すれば、コールタール系の重質油、ピッチ、
石炭液化油、特定の油種(カフジ等芳香族成分が多いも
の)からの石油系の減圧残油、エチレンボトム油、改質
油、FCCオイル等が挙げられる。特に、溶解炉の排ガ
ス処理の観点からは硫黄分の少ないコールタール系重質
油が望ましく用いられる。
のような問題がなく、プラスチック/無機物複合廃棄物
からのプラスチックの分離に極めて好都合なことを見出
した。この有機媒体として使用される材料は、複合廃棄
物の浸漬温度で液体として存在し、分離された金属の溶
融時に有害となるアルカリ塩等有害成分の混入が無く、
燃料にもなるものである。そのほか、この浸漬温度では
少なくともほとんど分解せずにその粘度等の物理的性質
が変化しないこと、かつ分離された金属やその他の無機
材料からの分離が容易なことが必要である。さらに、分
離されたポリマーが有機媒体から浮上分離するものが望
ましい。これらの条件を満たすものは沸点が250℃以
上であり、かつ芳香族指数が0.2以上を有するもので
ある。好ましくは沸点が300℃以上、特に好ましくは
350℃以上である。一方、沸点の上限はその熱安定性
から定められ、600℃以下、特に550℃以下である
ことが好ましい。芳香族指数は全炭素数に対する芳香族
炭素数の比率であり、Brown−Ladner法
(J.K.Brown,W.R.Ladner and N.
Sheppard,Fuel,39,79(1960)で
測定することができる。芳香族指数は好ましくは0.2
以上、特に好ましくは0.25以上であり、上限は1.
0以下、特に好ましくは0.95以下のものがよい。具
体的に例示すれば、コールタール系の重質油、ピッチ、
石炭液化油、特定の油種(カフジ等芳香族成分が多いも
の)からの石油系の減圧残油、エチレンボトム油、改質
油、FCCオイル等が挙げられる。特に、溶解炉の排ガ
ス処理の観点からは硫黄分の少ないコールタール系重質
油が望ましく用いられる。
【0015】有機媒体へのポリマーの移行を促進するた
めにプラスチック分解触媒を使用することは好ましい。
プラスチック分解触媒としては、ルイス酸、ブレンステ
ッド酸等の酸触媒が使用可能であり、工業的に使用され
ているシリカ・アルミナ系やゼオライト系のFCC触
媒、水素化分解用触媒等の固体酸、アルキル化用触媒で
ある濃硫酸、HF、AlCl3等も使用可能である。分解
触媒は処理後に回収し、再利用することが望ましいが、
工業的に使用済みの触媒をワンウェイで使用することも
好ましい。用いる触媒量は0.5から50wt%程度、
好ましくは1〜30wt%の範囲で用いられる。触媒量
が低い場合は熱分解性能が発現されないためであり、多
い場合は媒体中への触媒分散とその移送が困難となるか
らである。プラスチック分解触媒は通常は無機材料含有
廃ポリマーの浸漬前あるいは浸漬時に有機媒体に加えら
れるが、状況判断等によって後から添加することもでき
る。本発明の方法では、通常はプラスチック分解触媒を
用いてもポリマーが完全分解されるわけではなく、一部
は残存する。
めにプラスチック分解触媒を使用することは好ましい。
プラスチック分解触媒としては、ルイス酸、ブレンステ
ッド酸等の酸触媒が使用可能であり、工業的に使用され
ているシリカ・アルミナ系やゼオライト系のFCC触
媒、水素化分解用触媒等の固体酸、アルキル化用触媒で
ある濃硫酸、HF、AlCl3等も使用可能である。分解
触媒は処理後に回収し、再利用することが望ましいが、
工業的に使用済みの触媒をワンウェイで使用することも
好ましい。用いる触媒量は0.5から50wt%程度、
好ましくは1〜30wt%の範囲で用いられる。触媒量
が低い場合は熱分解性能が発現されないためであり、多
い場合は媒体中への触媒分散とその移送が困難となるか
らである。プラスチック分解触媒は通常は無機材料含有
廃ポリマーの浸漬前あるいは浸漬時に有機媒体に加えら
れるが、状況判断等によって後から添加することもでき
る。本発明の方法では、通常はプラスチック分解触媒を
用いてもポリマーが完全分解されるわけではなく、一部
は残存する。
【0016】熱処理槽は箱形、長箱形、円筒形などでよ
い。しかしながら、これらに限定されるものではなく、
プラスチック/無機物複合廃棄物を浸漬できれば如何な
る形状であってもよい。
い。しかしながら、これらに限定されるものではなく、
プラスチック/無機物複合廃棄物を浸漬できれば如何な
る形状であってもよい。
【0017】この熱処理槽は仕切板で熱処理室と比重分
離室に分け、それによってプラスチックと無機物の分離
を円滑に行なわせることができる。熱処理室はプラスチ
ック/無機物複合廃棄物を熱媒体と混合して熱処理する
室であり、廃棄物はこの室に投入される。混合を充分に
行なわせるため、必要により攪拌機を設ける。また、少
なくともこの室は外気と遮断して内部を非酸化性ガス雰
囲気とすることが好ましい。これは、樹脂の酸化による
劣化を防止し、かつプラスチックが塩素含有樹脂である
場合にダイオキシン等の有害物質の発生を防止するため
である。そのため、熱処理室は原則として密閉構造と
し、非酸化性ガス供給手段を設けて内部に非酸化性ガス
を充満させておくようにする。非酸化性ガスは窒素、ヘ
リウム、炭酸ガス等如何なるものであってもよいが、窒
素が安価で簡便である。さらに、熱処理室の上流側に非
酸化性ガス室を設けて熱処理室内への空気の侵入を阻止
することも有効である。
離室に分け、それによってプラスチックと無機物の分離
を円滑に行なわせることができる。熱処理室はプラスチ
ック/無機物複合廃棄物を熱媒体と混合して熱処理する
室であり、廃棄物はこの室に投入される。混合を充分に
行なわせるため、必要により攪拌機を設ける。また、少
なくともこの室は外気と遮断して内部を非酸化性ガス雰
囲気とすることが好ましい。これは、樹脂の酸化による
劣化を防止し、かつプラスチックが塩素含有樹脂である
場合にダイオキシン等の有害物質の発生を防止するため
である。そのため、熱処理室は原則として密閉構造と
し、非酸化性ガス供給手段を設けて内部に非酸化性ガス
を充満させておくようにする。非酸化性ガスは窒素、ヘ
リウム、炭酸ガス等如何なるものであってもよいが、窒
素が安価で簡便である。さらに、熱処理室の上流側に非
酸化性ガス室を設けて熱処理室内への空気の侵入を阻止
することも有効である。
【0018】比重分離室は熱処理室の後流側に配置され
熱処理室から排出される処理液から密度が熱媒体より低
いため液面に浮上分離する有機物と、密度が高いために
室下部に沈降する無機物を分離する室である。この比重
分離室も密閉構造として、排出ガスは捕集するようにす
るのがよい。
熱処理室から排出される処理液から密度が熱媒体より低
いため液面に浮上分離する有機物と、密度が高いために
室下部に沈降する無機物を分離する室である。この比重
分離室も密閉構造として、排出ガスは捕集するようにす
るのがよい。
【0019】両室を仕切る仕切りは、熱処理室に投入さ
れた複合廃棄物が下方に移動して下部から比重分離室に
入るように仕切るものであり、熱媒体自体は仕切りを自
由に通過できてもよい。従って仕切りはネット等で形成
されていてもよい。仕切る位置は熱処理室:比重分離室
の液充填部の容積比で1:0.01〜1:10程度、好
ましくは1:1〜1:5程度が適当である。通路の形状
は問うところではなく、仕切りの下部に間際を設けた
り、穴を設けたりすればよい。仕切りは複合廃棄物が上
下に蛇行するように複数を交互に設けることも可能であ
る。
れた複合廃棄物が下方に移動して下部から比重分離室に
入るように仕切るものであり、熱媒体自体は仕切りを自
由に通過できてもよい。従って仕切りはネット等で形成
されていてもよい。仕切る位置は熱処理室:比重分離室
の液充填部の容積比で1:0.01〜1:10程度、好
ましくは1:1〜1:5程度が適当である。通路の形状
は問うところではなく、仕切りの下部に間際を設けた
り、穴を設けたりすればよい。仕切りは複合廃棄物が上
下に蛇行するように複数を交互に設けることも可能であ
る。
【0020】熱媒体供給ラインは熱処理室側に取付ける
のがよい。比重分離室に浮上したプラスチックは掬い取
ってもよいが、熱媒体の循環ラインを形成して比重分離
室から溢流させることによってプラスチックを取り出す
ようにすることが好ましい。熱ロスを少なくするため熱
処理槽の外壁は断熱壁とするのがよい。
のがよい。比重分離室に浮上したプラスチックは掬い取
ってもよいが、熱媒体の循環ラインを形成して比重分離
室から溢流させることによってプラスチックを取り出す
ようにすることが好ましい。熱ロスを少なくするため熱
処理槽の外壁は断熱壁とするのがよい。
【0021】熱媒体は無機物からプラスチックを分離し
うる温度に加熱し、そのための加熱機構を設ける。この
加熱機構は蒸気、電気など如何なる手段によるものであ
ってもよく、熱処理室の内外いずれに設けてもよい。本
装置の周辺に利用できる熱源があれば熱交換器等を設け
てそれを利用することもできる。また、有機媒体自体が
その製造時に必要な温度を有していれば、そのまま利用
できることはいうまでもない。
うる温度に加熱し、そのための加熱機構を設ける。この
加熱機構は蒸気、電気など如何なる手段によるものであ
ってもよく、熱処理室の内外いずれに設けてもよい。本
装置の周辺に利用できる熱源があれば熱交換器等を設け
てそれを利用することもできる。また、有機媒体自体が
その製造時に必要な温度を有していれば、そのまま利用
できることはいうまでもない。
【0022】浸漬温度と時間は通常ポリマーの溶融、分
解が十分に進行するように定められ、これはポリマーの
種類、使用量によって異なるが、200〜400℃程
度、好ましくは250〜350℃で、0.5〜30分間
程度、好ましくは1.5〜15分程度が適当である。こ
の時、ポリマーの種類により分解挙動は異なるが、おお
むね、溶融し、また接触分解によるポリマー主鎖の切
断、低分子化、およびガス化が生起する。ポリ塩化ビニ
ル系樹脂の場合には塩素はそのほぼ全量がHClとして
除去できる。溶融したポリマーは本発明で使用される有
機媒体中ではその溶解性が低いため浮上分離し、一方、
比重の高い無機物は沈降する。同時に一部のプラスチッ
クやポリウレタン等の発泡樹脂や繊維類、及びゴム類は
一部分解が起こってその容積が減少し、金属、無機物と
の分離が容易となる。また、塩化ビニルの場合は熱分解
により脱HClも起こり、HClの発生とともに熱分解
したチャーも生成する。
解が十分に進行するように定められ、これはポリマーの
種類、使用量によって異なるが、200〜400℃程
度、好ましくは250〜350℃で、0.5〜30分間
程度、好ましくは1.5〜15分程度が適当である。こ
の時、ポリマーの種類により分解挙動は異なるが、おお
むね、溶融し、また接触分解によるポリマー主鎖の切
断、低分子化、およびガス化が生起する。ポリ塩化ビニ
ル系樹脂の場合には塩素はそのほぼ全量がHClとして
除去できる。溶融したポリマーは本発明で使用される有
機媒体中ではその溶解性が低いため浮上分離し、一方、
比重の高い無機物は沈降する。同時に一部のプラスチッ
クやポリウレタン等の発泡樹脂や繊維類、及びゴム類は
一部分解が起こってその容積が減少し、金属、無機物と
の分離が容易となる。また、塩化ビニルの場合は熱分解
により脱HClも起こり、HClの発生とともに熱分解
したチャーも生成する。
【0023】以上説明した熱処理装置には、複合廃棄物
を連続的に供給する装置や、回収した有機物を回収する
装置、無機物を回収する装置等を用いることも可能であ
る。例示すれば、以下の装置などが使用可能である。
を連続的に供給する装置や、回収した有機物を回収する
装置、無機物を回収する装置等を用いることも可能であ
る。例示すれば、以下の装置などが使用可能である。
【0024】(1) 供給装置 原料ホッパーとロータリーフィーダーやサークルフィー
ダー、あるいはスクリューフィーダーなどの供給装置か
らなり連続的に廃棄物を熱処理槽に供給するものであ
る。なお、廃棄物はその形態によりそのままでの処理も
可能であるが、熱処理槽に供給する前に粉砕機を具備
し、200×200mm以下に粉砕後、磁選で200m
mを越える粗大な鉄を除去し、振動篩や風力選別装置等
で200mmを越える粗大物を除去することも可能であ
る。
ダー、あるいはスクリューフィーダーなどの供給装置か
らなり連続的に廃棄物を熱処理槽に供給するものであ
る。なお、廃棄物はその形態によりそのままでの処理も
可能であるが、熱処理槽に供給する前に粉砕機を具備
し、200×200mm以下に粉砕後、磁選で200m
mを越える粗大な鉄を除去し、振動篩や風力選別装置等
で200mmを越える粗大物を除去することも可能であ
る。
【0025】(2) 有機物回収装置 本装置は回収した有機物から熱媒体を除去回収する固液
分離装置と熱媒体を循環する循環ラインとからなる。固
液分離装置は振動篩、遠心分離器、フィルタープレス、
スクリュープレス等から選ばれる装置であり、ここでは
有機物に同伴する熱媒体が除去・回収される。ここで回
収された熱媒体は循環ラインにより熱媒体の加熱器に移
送され、再利用される。
分離装置と熱媒体を循環する循環ラインとからなる。固
液分離装置は振動篩、遠心分離器、フィルタープレス、
スクリュープレス等から選ばれる装置であり、ここでは
有機物に同伴する熱媒体が除去・回収される。ここで回
収された熱媒体は循環ラインにより熱媒体の加熱器に移
送され、再利用される。
【0026】(3) 無機物回収装置 本装置は回収した無機物から熱媒体を除去回収する固液
分離装置と熱媒体を循環する循環ラインと熱媒体を除去
回収した無機物から鉄を分離する磁気分別機と鉄を分離
した該無機物から非鉄金属を分離する静電選別装置と該
非鉄金属からアルミニウムを分離する渦電流分別装置と
からなる。固液分離装置は振動篩、遠心分離器、フィル
タープレス、スクリュープレス等から選ばれる装置であ
り、ここでは無機物に同伴する熱媒体が除去・回収され
る。ここで回収された熱媒体は循環ラインにより前記加
熱器に移送され、再利用される。鉄は熱媒体を回収した
無機物から磁気ドラムや磁気ベルト式磁選機等の磁気分
別装置で回収する。磁気分別装置で鉄を分離した無機物
を静電選別装置で非鉄金属と非金属とに選別する。非鉄
金属からは渦電流選別機を用いてアルミニウムと銅を主
体とする非鉄金属を回収する。
分離装置と熱媒体を循環する循環ラインと熱媒体を除去
回収した無機物から鉄を分離する磁気分別機と鉄を分離
した該無機物から非鉄金属を分離する静電選別装置と該
非鉄金属からアルミニウムを分離する渦電流分別装置と
からなる。固液分離装置は振動篩、遠心分離器、フィル
タープレス、スクリュープレス等から選ばれる装置であ
り、ここでは無機物に同伴する熱媒体が除去・回収され
る。ここで回収された熱媒体は循環ラインにより前記加
熱器に移送され、再利用される。鉄は熱媒体を回収した
無機物から磁気ドラムや磁気ベルト式磁選機等の磁気分
別装置で回収する。磁気分別装置で鉄を分離した無機物
を静電選別装置で非鉄金属と非金属とに選別する。非鉄
金属からは渦電流選別機を用いてアルミニウムと銅を主
体とする非鉄金属を回収する。
【0027】
【実施例】以下、本発明の一実施例である熱処理装置お
よびそれを用いた廃棄物からの有機物及び無機物の回収
装置を図1に基づいて具体的に説明する。
よびそれを用いた廃棄物からの有機物及び無機物の回収
装置を図1に基づいて具体的に説明する。
【0028】この装置の熱処理槽1は密閉構造の箱形を
しており、内部は槽の上面から垂下する仕切板2によっ
て、左側の熱処理室4と右側の比重分離室5に分けられ
ている。熱処理室4の上面にはプラスチック/無機物複
合廃棄物供給ライン7と排ガスライン8が接続され、下
部には非酸化性ガス雰囲気にする窒素ガス吹込管9が設
けられている。さらに、内部を攪拌する攪拌機10が取
付けられている。
しており、内部は槽の上面から垂下する仕切板2によっ
て、左側の熱処理室4と右側の比重分離室5に分けられ
ている。熱処理室4の上面にはプラスチック/無機物複
合廃棄物供給ライン7と排ガスライン8が接続され、下
部には非酸化性ガス雰囲気にする窒素ガス吹込管9が設
けられている。さらに、内部を攪拌する攪拌機10が取
付けられている。
【0029】比重分離室5には内部を2つに仕切る仕切
板3が設けられている。これは熱処理の不充分な複合廃
棄物がプラスチックに混入するのを防止するためのもの
である。比重分離室5の右側には溢流するプラスチック
と熱媒体を受ける溢流受槽11が設けられている。一
方、上面には排ガスライン8が接続されている。熱処理
槽1の底面は両側端から中央方向に向かって下降する斜
面となっており、比重分離室5の中央部を最深部として
いる。この最深部から底面に沿って上昇する無機物搬出
用のチェインコンベア12が設けられている。
板3が設けられている。これは熱処理の不充分な複合廃
棄物がプラスチックに混入するのを防止するためのもの
である。比重分離室5の右側には溢流するプラスチック
と熱媒体を受ける溢流受槽11が設けられている。一
方、上面には排ガスライン8が接続されている。熱処理
槽1の底面は両側端から中央方向に向かって下降する斜
面となっており、比重分離室5の中央部を最深部として
いる。この最深部から底面に沿って上昇する無機物搬出
用のチェインコンベア12が設けられている。
【0030】廃棄物供給ライン7には、シュレッダーダ
ストを粉砕する粉砕機16、その粉砕物を受けるホッパ
ー17およびホッパー17から粉砕物を熱処理室4に送
る粉砕廃棄物フィーダー18が設置されている。
ストを粉砕する粉砕機16、その粉砕物を受けるホッパ
ー17およびホッパー17から粉砕物を熱処理室4に送
る粉砕廃棄物フィーダー18が設置されている。
【0031】熱処理室4と比重分離室5の排ガスライン
8は途中で合流してスクラバー19に接続されている。
8は途中で合流してスクラバー19に接続されている。
【0032】溢流受槽11の底部からは固液分離装置2
0に接続されている。
0に接続されている。
【0033】熱媒体供給ライン15は加熱器21の出口
側に接続され、加熱器21の入口側は熱媒体タンク22
に接続されている。一方、固液分離装置20の液体出口
側はこの加熱器21の入口側に接続されて熱媒体循環ラ
イン23を形成している。
側に接続され、加熱器21の入口側は熱媒体タンク22
に接続されている。一方、固液分離装置20の液体出口
側はこの加熱器21の入口側に接続されて熱媒体循環ラ
イン23を形成している。
【0034】無機物搬出用チェインコンベア12の搬出
側端は固液分離装置24に接続されている。この固液分
離装置24の液体出口側は熱媒体循環ライン23に接続
されている。一方、固体出口側は磁気分別機25、静電
選別機26、渦電流選別装置27がこの順に接続されて
いる。
側端は固液分離装置24に接続されている。この固液分
離装置24の液体出口側は熱媒体循環ライン23に接続
されている。一方、固体出口側は磁気分別機25、静電
選別機26、渦電流選別装置27がこの順に接続されて
いる。
【0035】シュレッダーダストは粉砕機16で粉砕さ
れてからホッパー17に入り、フィダー18によって熱
処理室4に送入される。熱処理槽1内には熱媒体が充填
されており、この粉砕物は熱処理室4内で攪拌機10に
よって熱媒体と混合され、下降する。この熱処理槽内は
窒素ガス吹込管9から吹込まれる窒素ガスで非酸化性ガ
ス雰囲気を保たれている。次いで熱媒体の流れに従って
比重分離室5に入り、そこで無機物とプラスチックの比
重分離が起こる。プラスチックは溶融したまま溢流して
溢流受槽11に入り、固液分離装置20に入る。その内
に冷却固化したプラスチックはそこで熱媒体と分離され
て取出される。一方、分離された熱媒体は熱媒体循環ラ
イン23を通って加熱器21に入り、そこで加熱されて
熱処理槽1に返送される。熱媒体の不足分は熱媒体タン
ク22から適宜補充される。排ガスは窒素ガスとともに
排ガスライン8を通ってスクラバー19で洗浄され、系
外に放出される。比重分離室5の底部に溜まった無機物
はチェインコンベアによって搬送されて固液分離装置2
4で無機物に付着している熱媒体が分離される。分離さ
れた熱媒体は熱媒体循環ライン23を通って熱処理槽1
に返送される。一方、無機物からは磁気分離機25によ
って鉄が回収される。さらに鉄を除去した無機物から静
電選別機26によってガラスや砂等の非金属と非鉄金属
が回収される。さらに、回収された非鉄金属から渦電流
選別装置27でアルミニウムが回収され、銅を主成分と
するその他の非鉄金属とに分別される。
れてからホッパー17に入り、フィダー18によって熱
処理室4に送入される。熱処理槽1内には熱媒体が充填
されており、この粉砕物は熱処理室4内で攪拌機10に
よって熱媒体と混合され、下降する。この熱処理槽内は
窒素ガス吹込管9から吹込まれる窒素ガスで非酸化性ガ
ス雰囲気を保たれている。次いで熱媒体の流れに従って
比重分離室5に入り、そこで無機物とプラスチックの比
重分離が起こる。プラスチックは溶融したまま溢流して
溢流受槽11に入り、固液分離装置20に入る。その内
に冷却固化したプラスチックはそこで熱媒体と分離され
て取出される。一方、分離された熱媒体は熱媒体循環ラ
イン23を通って加熱器21に入り、そこで加熱されて
熱処理槽1に返送される。熱媒体の不足分は熱媒体タン
ク22から適宜補充される。排ガスは窒素ガスとともに
排ガスライン8を通ってスクラバー19で洗浄され、系
外に放出される。比重分離室5の底部に溜まった無機物
はチェインコンベアによって搬送されて固液分離装置2
4で無機物に付着している熱媒体が分離される。分離さ
れた熱媒体は熱媒体循環ライン23を通って熱処理槽1
に返送される。一方、無機物からは磁気分離機25によ
って鉄が回収される。さらに鉄を除去した無機物から静
電選別機26によってガラスや砂等の非金属と非鉄金属
が回収される。さらに、回収された非鉄金属から渦電流
選別装置27でアルミニウムが回収され、銅を主成分と
するその他の非鉄金属とに分別される。
【0036】本装置でシュレッダーダストを処理した結
果、プラスチックには金属は1wt%以下の混入率であ
り、無機物には2wt%程度のプラスチックが含まれる
程度であった。極めて効率的な分離効率であることが分
かった。
果、プラスチックには金属は1wt%以下の混入率であ
り、無機物には2wt%程度のプラスチックが含まれる
程度であった。極めて効率的な分離効率であることが分
かった。
【0037】本発明の別の実施例である熱処理装置およ
びそれを用いた廃棄物からの有機物および無機物の回収
装置を図2に基づいて具体的に説明する。
びそれを用いた廃棄物からの有機物および無機物の回収
装置を図2に基づいて具体的に説明する。
【0038】この装置の熱処理槽1は密閉構造の箱形を
しており、内部は槽の上面から垂下する仕切板2によっ
て、左側の熱処理室4と右側の比重分離室5に分けられ
ている。熱処理室4の上面にはプラスチック/無機物複
合廃棄物供給ライン7と排ガスライン8が接続され、下
部には非酸化性ガス雰囲気にする窒素ガス吹込管9が設
けられている。さらに、内部を攪拌する2基の循環装置
6が取付けられている。28は投入される複合廃棄物を
熱処理槽の左側に落下させるための整流板である。
しており、内部は槽の上面から垂下する仕切板2によっ
て、左側の熱処理室4と右側の比重分離室5に分けられ
ている。熱処理室4の上面にはプラスチック/無機物複
合廃棄物供給ライン7と排ガスライン8が接続され、下
部には非酸化性ガス雰囲気にする窒素ガス吹込管9が設
けられている。さらに、内部を攪拌する2基の循環装置
6が取付けられている。28は投入される複合廃棄物を
熱処理槽の左側に落下させるための整流板である。
【0039】比重分離室5の熱媒体液面付近には水平に
設置されて浮上しているプラスチックを掬い取る目開き
チェインコンベア13Aと、これに連設されてプラスチ
ックを熱処理槽外へ搬出するチェインコンベア13Bが
設けられている。また、この熱処理槽1は平底をしてお
り、その底面付近に水平に設置されて沈降した無機物を
図面右方に移送するチェインコンベア14Aと、これに
連設されて無機物を熱処理槽外へ搬出するチェインコン
ベア14Bが設けられている。これらのチェインコンベ
アはいずれも目開き1mmの金網製のものである。チェ
インコンベアの代わりにスクレーパーやスキマーを使用
することも可能である。熱処理槽付属設備の構成は図1
の装置と同様である。
設置されて浮上しているプラスチックを掬い取る目開き
チェインコンベア13Aと、これに連設されてプラスチ
ックを熱処理槽外へ搬出するチェインコンベア13Bが
設けられている。また、この熱処理槽1は平底をしてお
り、その底面付近に水平に設置されて沈降した無機物を
図面右方に移送するチェインコンベア14Aと、これに
連設されて無機物を熱処理槽外へ搬出するチェインコン
ベア14Bが設けられている。これらのチェインコンベ
アはいずれも目開き1mmの金網製のものである。チェ
インコンベアの代わりにスクレーパーやスキマーを使用
することも可能である。熱処理槽付属設備の構成は図1
の装置と同様である。
【0040】[比較例1]仕切り板2および3を取り付
けない以外は図1と同様な装置を用いて、シュレッダー
ダストを処理したところ、固液分離槽から回収したプラ
スチックには金属が20wt%混入しており、熱処理が
不十分な成分がそのまま回収された。一方チェインコン
ベア12から排出される無機物を分取して分析した結
果、10wt%のプラスチックが混入していた。
けない以外は図1と同様な装置を用いて、シュレッダー
ダストを処理したところ、固液分離槽から回収したプラ
スチックには金属が20wt%混入しており、熱処理が
不十分な成分がそのまま回収された。一方チェインコン
ベア12から排出される無機物を分取して分析した結
果、10wt%のプラスチックが混入していた。
【0041】[比較例2]仕切り板3を取り付けない以
外は図1と同様な装置を用いて、シュレッダーダストを
処理したところ、固液分離槽から回収したプラスチック
中の金属の混入率は2wt%程度であったが、チェイン
コンベア12から排出される無機物を分取して分析した
結果、8wt%のプラスチックが混入していた。
外は図1と同様な装置を用いて、シュレッダーダストを
処理したところ、固液分離槽から回収したプラスチック
中の金属の混入率は2wt%程度であったが、チェイン
コンベア12から排出される無機物を分取して分析した
結果、8wt%のプラスチックが混入していた。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって、
廃棄物は無公害で連続的に処理され、有価物としてプラ
スチック等の有機物および鉄や非鉄金属類の回収が可能
となる。
廃棄物は無公害で連続的に処理され、有価物としてプラ
スチック等の有機物および鉄や非鉄金属類の回収が可能
となる。
【図1】 本発明の一実施例である熱処理装置とそれを
用いてプラスチックと無機物を分別回収する装置の構成
を示す図である。
用いてプラスチックと無機物を分別回収する装置の構成
を示す図である。
【図2】 本発明の別の実施例である熱処理装置とそれ
を用いてプラスチックと無機物を分別回収する装置の構
成を示す図である。
を用いてプラスチックと無機物を分別回収する装置の構
成を示す図である。
1……熱処理槽 2……仕切板 3……仕切板 4……熱処理室 5……比重分離室 6……循環装置 7……プラスチック/無機物複合廃棄物供給ライン 8……排ガスライン 9……窒素ガス吹込管 10…攪拌機 11…溢流受槽 12…チェインコンベア 13A,13B…チェインコンベア 14A,14B…チェインコンベア 15…熱媒体供給ライン 16…粉砕機 17…ホッパー 18…粉砕廃棄物フィーダー 19…スクラバー 20…固液分離装置 21…加熱器 22…熱媒体タンク 23…熱媒体循環ライン 24…固液分離装置 25…磁気分別機 26…静電選別機 27…渦電流選別装置 28…整流板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細井 吉郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 安岡 秀憲 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4F201 AA50 AB16 AD03 BA05 BC02 BC12 BC25 BC37 BN08 BP09 BP10 BP26 BP31 BQ44
Claims (2)
- 【請求項1】 プラスチックと無機物を含む複合廃棄物
を浸漬して該プラスチックと無機物を比重分離する熱媒
体を収容した熱処理槽と、該熱媒体をプラスチックを無
機物から分離しうる温度に加熱する加熱機構よりなる熱
処理装置において、前記熱処理槽内を投入された複合廃
棄物を熱処理する熱処理室と、プラスチックと無機物を
比重分離する比重分離室に仕切り、該仕切りの下部には
両室を連通させる通路を設けたことを特徴とする、プラ
スチック/無機物複合廃棄物の熱処理装置 - 【請求項2】 請求項1記載の熱処理装置と、その熱処
理槽にプラスチックと無機物を含む複合廃棄物を供給す
る供給装置と、該熱処理槽から取出した無機物から鉄を
分離する磁気分別機と、鉄を分離した該無機物から非鉄
金属を分離する静電選別装置と、該非鉄金属からアルミ
ニウムを分離する渦電流分別装置とからなる、プラスチ
ック/無機物複合廃棄物からの無機物回収装置
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21168298A JP2000043044A (ja) | 1998-07-28 | 1998-07-28 | プラスチック/無機物複合廃棄物の熱処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21168298A JP2000043044A (ja) | 1998-07-28 | 1998-07-28 | プラスチック/無機物複合廃棄物の熱処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000043044A true JP2000043044A (ja) | 2000-02-15 |
Family
ID=16609849
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21168298A Pending JP2000043044A (ja) | 1998-07-28 | 1998-07-28 | プラスチック/無機物複合廃棄物の熱処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000043044A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002187974A (ja) * | 2000-12-19 | 2002-07-05 | Shozo Yamaguchi | プラスチックス処理装置及び処理方法 |
JP2006159149A (ja) * | 2004-12-10 | 2006-06-22 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | 光ファイバー回収方法 |
JP2006159150A (ja) * | 2004-12-10 | 2006-06-22 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | 光ファイバーの被覆材分離方法および装置 |
JP2008213480A (ja) * | 2002-02-06 | 2008-09-18 | Sanai Fujita | 金属含有プラスチック製品処理装置 |
JP2010234812A (ja) * | 2010-05-27 | 2010-10-21 | Sharp Corp | プラスチック廃材の再資源化方法、およびそれを用いたプラスチック成形体の製造方法、プラスチック成形体 |
EP3106279A1 (de) * | 2015-06-20 | 2016-12-21 | Karl-Heinz Kleinen | Vorrichtung und verfahren zum behandeln von insbesondere kleinstückigem schüttgut |
WO2017154098A1 (ja) * | 2016-03-08 | 2017-09-14 | 日立化成株式会社 | 無機材料の分離方法、再生材料の製造方法、及び有機物の除去方法 |
-
1998
- 1998-07-28 JP JP21168298A patent/JP2000043044A/ja active Pending
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