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JP2000035166A - マンホール壁面開口部の閉塞部材およびマンホール壁面開口部の閉塞方法 - Google Patents

マンホール壁面開口部の閉塞部材およびマンホール壁面開口部の閉塞方法

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Publication number
JP2000035166A
JP2000035166A JP10205547A JP20554798A JP2000035166A JP 2000035166 A JP2000035166 A JP 2000035166A JP 10205547 A JP10205547 A JP 10205547A JP 20554798 A JP20554798 A JP 20554798A JP 2000035166 A JP2000035166 A JP 2000035166A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
manhole
closing member
water
opening
wall surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10205547A
Other languages
English (en)
Inventor
Shozo Yano
正三 矢野
Kosaku Oshima
幸作 大島
Toshiichi Kajikawa
敏一 梶川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP10205547A priority Critical patent/JP2000035166A/ja
Publication of JP2000035166A publication Critical patent/JP2000035166A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 止水性に優れ、かつ作業性のよいマンホール
壁面開口部の閉塞部材およびマンホール壁面開口部の閉
塞方法を提供する。 【解決手段】 樹脂材料から成り管路2の挿通孔3aが
形成されているユニット部材3の複数個を、マンホール
壁面開口部5aに配置して閉塞する。目地部4は、ヨウ
素価25以下でムーニー粘度ML1+4(100℃)5〜
35の原料ゴム100重量部に対し、無機充填剤30〜
80重量部を配合して成るゴム組成物のシール材7で止
水処理されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマンホール壁面開口
部の閉塞部材およびマンホール壁面開口部の閉塞方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、街の景観美化等の観点から、電力
ケーブルや通信ケーブルを地中に埋設することが行われ
ている。そして、通常これらのケーブルは、地中に埋設
された所定の強度を有する保護管路に収納されている。
【0003】ところで、上記管路を敷設するルートや距
離に応じて、適切な距離間隔を置いてマンホールを設置
し、上記管路の両端部を各マンホールの壁面に接続する
ことが施されている。
【0004】そして、上記管路とマンホール壁面とを接
続する方法としては、壁面に設けた丸孔や角形の開口部
に管路の端部を挿通し、上記管路の端部と上記開口部間
に生じた隙間とその周辺部にモルタル、コンクリート、
あるいは合成樹脂製パテ等を充填して、管路の端部を固
定するとともに上記隙間を閉塞し、マンホールの外側か
ら漏水して内部に水が溜まることを防止している。
【0005】しかし、この方法の場合、複数の管路の敷
設に伴って管路端部とマンホール壁面の開口部との隙間
全てに上記モルタル等の充填剤を充填する作業が必要で
あるため、この作業は煩雑で施工に長時間を要するとい
う問題がある。しかも、作業には熟練を要するために、
場合によっては、充填部の仕上がり外観が悪くなり、ま
た隙間の充填・閉塞状態が不十分となって止水性が確保
できなくなり、マンホール内への漏水を招くという問題
を生ずることもある。
【0006】一方で、所定数の孔が予め形成された板状
またはブロック状のユニット部材を上記開口部に複数個
設置し、この孔に管路を挿通して開口部を閉塞すること
も行われている。この場合、上記ユニット部材には複数
の管路挿通孔が形成されているとともに、上記開口部の
大きさに合わせて適宜ユニット材を積み上げて開口部を
閉塞することができるので、多数の管路を固定する場合
であっても、管路同士の隙間や、管路と開口部間の隙間
の全てに充填剤を充填する必要がないという利点があ
り、その結果充填作業が容易となり、また施工に熟練も
要求されないため、作業性が向上する。
【0007】このようなユニット部材の材料としては、
コンクリート、陶器の他、ポリエチレンやポリプロピレ
ン等の樹脂材料が用いられている。ここで、コンクリー
トや陶器製のユニット部材は重量が大きいため、その設
置には重機等を必要とする。一方、上記樹脂材料の場合
は軽量であるため、ユニット部材の運搬や設置を人力で
行うことができ、ユニット部材を積み上げる作業も容易
となる。また耐衝撃性だけでなく、地中埋設後の耐食性
にも優れているので、上記樹脂材料はマンホール壁面開
口部の閉塞材料として好適であるといえる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記樹
脂製ユニット部材でマンホール開口部を閉塞する場合、
次のような問題が生じる。
【0009】即ち、マンホール壁面の開口部の大きさに
合わせて上記ユニット部材を積み上げた際、ユニット部
材間に形成された目地部を充填剤で閉塞する必要がある
が、樹脂製ユニット部材が例えばポリエチレンやポリプ
ロピレンの場合、これらの樹脂材料は難接着性の材料で
あるため、ユニット部材と充填剤との接着性が悪く、目
地部から漏水するという事態が生じる。
【0010】また、作業を簡易化する方法として、上記
目地部に例えばテープ状のシール材を貼着することも行
われているが、この場合にも樹脂製ユニット部材との接
着性は悪く、目地部の完全閉塞は困難であり、結果とし
て止水性の実現は満足すべき状態にならない。
【0011】なお、ユニット部材を積み上げてマンホー
ル壁面開口部に設置した際、開口部側壁面とユニット部
材の外周側面間には空隙が形成されるので、この空隙に
モルタルやコンクリートを充填して当該空隙を閉塞する
ことが必要になる。
【0012】しかしながら、前記空隙に単にモルタル等
を充填するだけでは、モルタル等が硬化する際にその体
積が収縮するので、上記側壁面や外周側面との間に微少
なクリアランスを生じてしまい、ここから漏水が生じる
こととなってしまう。
【0013】このような問題に対しては、水を吸収して
体積膨張する高分子等から成る水膨張性パッキンを上記
空隙に充填する方法も採られている。しかしながら、壁
面開口部の大きさに応じて上記空隙の寸法は種々変化す
るため、実際にはマンホール内で上記パッキンを空隙に
適した寸法に加工するという煩雑な作業を行う必要が生
じ、また上記空隙が大きい場合には使用するパッキンの
量も膨大となり、充填に要するコストが大幅に上昇して
しまうという問題がある。
【0014】本発明は、マンホール壁面開口部を閉塞す
る際における上記した問題を解決することができる閉塞
部材、およびマンホール壁面開口部の閉塞方法の提供を
目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、請求項1の本発明においては、樹脂材料から成
り地中埋設用管路の挿通孔が形成されているユニット部
材の複数個を、マンホール壁面開口部に配置して前記開
口部を閉塞するマンホール壁面開口部の閉塞部材であっ
て、前記各ユニット部材の目地部は、ヨウ素価25以下
でムーニー粘度ML1+4(100℃)5〜35の原料ゴ
ム100重量部に対し、無機充填剤30〜80重量部を
配合して成るゴム組成物のシール材で止水処理されてい
ることを特徴とするマンホール壁面開口部の閉塞部材が
提供される。
【0016】好ましくは、前記ユニット部材がポリエチ
レン、またはポリプロピレン樹脂から成る閉塞部材が提
供される(請求項2)。
【0017】さらに、前記シール材がヨウ素価10以下
でムーニー粘度ML1+4(100℃)8〜25の原料ゴ
ム100重量部に対し、無機充填剤50〜70重量部を
配合して成るゴム組成物を成分とする閉塞部材、および
前記閉塞部材の前記マンホールの外面となる面に、前記
止水処理がされている閉塞部材が提供される(請求項
3、4)。
【0018】そして、請求項5の本発明においては、マ
ンホール壁面開口部に閉塞部材を配置し、前記開口部の
側壁面および前記閉塞部材の外周側面に水膨潤性樹脂シ
ートを貼着し、前記側壁面と前記外周面間に生じた空隙
にモルタルまたはコンクリートを充填して前記空隙を閉
塞することを特徴とするマンホール壁面開口部の閉塞方
法が提供される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る閉塞部材を
図1を参照して説明する。図1は、マンホールの内面5
から見たときの本発明の閉塞部材の実施形態を示す模式
図である。
【0020】図1において、マンホールの壁面開口部5
aに、本発明の閉塞部材1を配置して当該壁面開口部5
aを閉塞する。
【0021】この例の閉塞部材1は、難接着性樹脂材料
から成る複数のユニット部材3を組み付けることによっ
て構成されていて、ユニット部材3には管路を挿通する
ための挿通孔3aが一定方向に形成されている。
【0022】ここで難接着性樹脂とは、極性が小さく、
後述するシール材との接着性が低い樹脂をいい、その種
類については特に制限されないが、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレンを挙げることができる。
【0023】ユニット部材3は、マンホール壁面開口部
5aの形状に合わせて積み重ねることができるように、
板状またはブロック形状とするのが望ましく、また組み
付ける際は、挿通孔3aが同一方向に並ぶように配置さ
れる。ここで組み付け作業はマンホールの内部で行って
もよいが、あらかじめ地上で組み付けたものを開口部5
aに設置してもよい。
【0024】ユニット部材3を組み付けたときには、各
ユニット部材3の間に目地部4が生じるが、この目地部
4に対し、後述するゴム組成物から成るシール材7を用
いて止水処理が施される。
【0025】本発明で用いるシール材7は、ヨウ素価2
5以下でムーニー粘度ML1+4(100℃)5〜35の
原料ゴム100重量部に対し無機充填剤30〜80重量
部を配合して成るゴム組成物から成る。
【0026】そのゴム組成物は、ベースとなる原料ゴム
の極性を低減させて、難接着性樹脂材料から成るユニッ
ト部材3との接着性を改善させたものである。すなわ
ち、原料ゴム分子中の二重結合の数を低下させる事によ
り極性を低減させたもので、具体的にはヨウ素価25以
下としたものを原料ゴムとして使用したものである。
【0027】ここでいうヨウ素価とは、二重結合の量、
すなわち不飽和度を示す尺度であり、JIS規格(K0
070−1992)に基づいて測定された値である。
【0028】ここで、ヨウ素価が25を超える原料ゴム
を用いると、原料ゴムの極性が大きくなり、ユニット部
材3の材料であるポリエチレン等との極性の差が大きく
なってしまうので接着性が低下することになる。
【0029】また、ゴム組成物は、シール材7をユニッ
ト部材3の表面形状に追随させて接触面積を増大させ、
接着性をさらに向上させることを目的として、塑性変形
性を有する原料ゴムを用いていることを特徴とする。即
ち、ユニット部材3の表面が粗く、凹凸を有する場合で
あっても、シール材に外力を加えれば、容易にシール材
が塑性変形して凹部や凸部に密着して隙間が生じなくな
るからである。
【0030】このような性質を付与するためには、原料
ゴムのムーニー粘度ML1+4(100℃)が5〜35の
範囲にあることが必要である。ここでムーニー粘度ML
1+4(100℃)はJIS規格(K6300−197
4)に基づいて測定された値である。
【0031】上記ムーニー粘度が5未満である場合に
は、ゴム組成物の剛性が低下するので、閉塞部材に常時
負荷している水圧に耐えられずに破裂してしまうからで
あり、また上記ムーニー粘度が35を超える場合には、
ゴム組成物の塑性変形が起こりにくくなって、シール材
とユニット部材との接着性が低下するからである。
【0032】本発明に用いる原料ゴムは、特に制限され
ないが、例えばブチルゴムやエチレン−プロピレンゴム
を挙げることができる。
【0033】さらに、本発明では、原料ゴム100重量
部に対し無機充填剤30〜80重量部を配合して、接着
性をさらに向上させるとともに、適度な剛性が付与され
る。ここで無機充填剤は、原料ゴムの架橋構造内に充填
されて、原料ゴムの塑性変形を適正化しつつ接着性を向
上させるとともに、シール材の形状を保持して剛性を向
上させる機能を有するものと考えられる。
【0034】無機充填剤の配合量が30重量部未満であ
る場合には、シール材の塑性変形が起こりにくくなって
接着界面に隙間が生じ、止水性の低下を招く。一方、配
合量が80重量部を超える場合は、シール材が弾性を失
って硬くなり、接着性を全く有しなくなってしまう。
【0035】本発明に用いる無機充填剤としては、水酸
化マグネシウム、炭酸カルシウム、シリカ結晶、アルミ
ナ等を挙げることができる。
【0036】シール材の組成を上記のようにすることに
よって、本発明の閉塞部材においては、ユニット部材3
が難接着性樹脂材料で成形されている場合でも良好なシ
ール性を発揮する。
【0037】なお、沿岸部や地下水の水位が高い場所で
は、水圧が高くなってマンホール内部へ水が流入しやす
くなるので、シール材の接着性・剛性をさらに向上させ
る必要がある。従って、このような場合には、ヨウ素価
が10以下でムーニー粘度ML1+4(100℃)8〜2
5の原料ゴム100重量部に対し無機充填剤50〜70
重量部を配合して成るゴム組成物をシール材7の成分と
することが、より好ましい。
【0038】このようなシール材7の形状としては、例
えばパテ等を使用することもできるが、テープ状のもの
が好適である。目地部4に沿って貼着するだけで済み、
作業上も簡易で好ましいからである。
【0039】次に、シール材7で目地部4を止水処理す
る場合の態様について、図2および図3を参照して説明
する。図2および図3は、マンホールの外面5bから見
たときの、本発明の閉塞部材の止水処理状態を示してい
る。
【0040】図2において、閉塞部材1がマンホールの
外面となる面1b、および閉塞部材の外周側面1cにテ
ープ状のシール材7を貼着し、目地部4を止水処理して
いる。また、マンホールの外面となる面1bに代えて、
マンホールの内面となる面1aにシール材7を貼着して
もよい。いずれの場合であっても、閉塞部材1の表面に
テープ状のシール材7を貼着して押圧するだけで止水処
理を行うことができるので、パテ等を用いて目地部4を
充填する場合よりも作業性が向上する。
【0041】特に、マンホールの外面となる面1bに、
目地部4に沿ってシール材7を貼着するのが望ましい。
この場合、マンホールの外面からかかる水圧はシール材
7を閉塞部材1側へ押圧する方向に働くため、シール材
と閉塞部材との密着性が向上し、止水性が良好となるか
らである。
【0042】一方、マンホールの内面となる面1aにシ
ール材7を貼着した場合には、シール材7が閉塞部材1
から剥離する方向に水圧がかかるので、例えば0.3〜
0.5MPa程度の高い水圧が長期間かかると、シール
材7が閉塞部材1から剥離して漏水に至る可能性があ
る。
【0043】また、図3のようにして目地部4を止水処
理することもできる。
【0044】図3の場合は、ユニット部材3の側壁面3
bにシール材7を貼着してから閉塞部材として組み上
げ、次いで完成した閉塞部材の外周側面を加圧してシー
ル材7を圧着し、側壁面3bにシール材7を密着させて
止水性を確保している。但し、この場合には上記した加
圧作業が必要となるので、作業性の点からは図2のよう
にして閉塞部材1の表面1aまたは1bにシール材7を
貼着することの方が望ましい。
【0045】なお、図2に示したように、管路2にパッ
キン13を外嵌してから、管路2を挿通孔3aに挿通
し、管路と挿通孔間を止水処理するのが望ましい。パッ
キン13は管路2および挿通孔3aに適合した径のリン
グ状のものを用いればよい。また、パッキン13を挿通
孔3aに装着しておいてから、管路2を挿通孔3aに挿
通してもよい。さらに、管路2を挿通する際に、管路2
が挿通孔3aを突き抜けてマンホール内面に突出してし
まうことを防止するため、挿通孔3aに図示しないスト
ッパーを形成させてもよい。
【0046】また、図4に示したように、ユニット部材
3の側壁面3bに凸部3cおよび凹部3dを形成し、こ
れらユニット部材3を壁面開口部5aに組み付け配置し
てもよい。
【0047】この場合には、凸部3cおよび凹部3dは
それぞれ相補的な位置に形成され、ユニット部材3を配
置した際に、隣接する凸部3cと凹部3dが嵌合するよ
うになっているので、ユニット部材3の位置決めが容易
になる。さらに、下側のユニット部材3の上部には凸部
3cが連続して形成されているので、その上のユニット
部材3を図示X方向に容易に移動させることができ、ユ
ニット部材3の設置を人力で簡単に行えるという利点を
有する。
【0048】次に、本発明のマンホール壁面開口部の閉
塞方法を図5を参照して説明する。図5はマンホールの
内面5から見たときに、本発明の閉塞方法によって開口
部5aを閉塞した状態を示している。
【0049】図5において、開口部5aの側壁面5c、
および閉塞部材1の外周面1cに水膨潤性樹脂シート9
を貼着し、次いで、側壁面5cと外周面1c間に生じた
空隙にモルタル11またはコンクリート11を充填して
開口部5aが閉塞されている。
【0050】この閉塞方法は、閉塞部材1として既に上
記で説明したものを用い、壁面開口部5aと上記閉塞部
材1との空隙に、モルタルまたはコンクリートと水膨潤
性樹脂シートとを同時に使用することを特徴としてい
る。
【0051】前記したように、モルタルまたはコンクリ
ートのみを用いた場合には、これらが硬化してその体積
が収縮するので、上記側壁面5cや外周側面1cとモル
タル等との間に微少なクリアランスを生じてしまい、こ
こから漏水が生じることがあり、また、水膨潤性樹脂シ
ートのみを用いた場合、シートの寸法を上記空隙に合わ
せて加工する作業が煩雑となり、また空隙が大きい場合
にはシートの使用量が増えるので充填に要するコストが
上昇する不都合が生じる。
【0052】しかしながら、図5で示した本発明の閉塞
方法によれば、モルタル11またはコンクリート11が
硬化して収縮する際に、水膨潤性樹脂シート9とモルタ
ル等との間にクリアランスが生じて、このクリアランス
部分に水が侵入したとしても、水膨潤性樹脂シート9が
水を吸収して膨張・保水するため、結果として上記クリ
アランスは閉塞され、止水性が向上することになる。
【0053】水膨潤性樹脂シート9としては、例えば吸
水性高分子材料を基材でサンドイッチ状に挟み込んだ構
造のものを用いることができる。そして吸水性高分子と
しては、例えばデンプン−アクリル酸系高分子や、メタ
クリル酸メチル−酢酸ビニル共重合系高分子を用いるこ
とができる。
【0054】
【実施例】実施例1〜4,比較例1〜6 1.閉塞部材の組み立て ユニット部材4個を縦横2個ずつ配置して閉塞部材と
し、その目地部を表1に示す組成のシール材で止水処理
した。ここで、ユニット部材はポリエチレン(PE)ま
たはポリプロピレン(PP)を、原料ゴムとしてはブチ
ルゴム(Bu)またはエチレン−プロピレンゴム(E
P)を用いた。
【0055】目地部のシール方法は、閉塞部材がマンホ
ールの外面となる面にテープ状のシール材を貼着する方
法(シール方法A)、およびユニット部材の側壁面にシ
ール材を貼着して加圧し、ユニット部材間にシール材を
介装する方法(シール方法B)を採用した。
【0056】2.耐水圧試験 図6に示す試験装置を用いて、閉塞部材の耐水圧を測定
した。
【0057】図において、閉塞部材1がマンホールの外
面となる面1bに試験装置15の開口部を密着させ、面
1bと試験装置15で囲まれた空間に水を満たした。さ
らにY方向から水を加圧し、マンホールの内面となる面
1a方向から目視観察して、目地部から水が漏れ始めた
ときの水圧を耐水圧値として評価した。
【0058】この値が大きいほど、止水性に優れている
ことを表す。
【0059】なお、閉塞部材1の挿通孔はパッキンを外
嵌した管路2を挿通して止水処理されていて、管路2の
他端にはキャップ2aが冠着されている。
【0060】3.作業性の評価 上記閉塞部材の目地部をシール材で止水処理する際に、
シール材が容易に閉塞部材に接着したものを「○」、シ
ール材が接着しなかったものを「×」とした。
【0061】以上の結果を表1に示した。
【0062】
【表1】
【0063】表1から次のことが明らかである。 (1)本発明のマンホール壁面開口部の閉塞部材は、目地
部へのシール材の接着性が良好であり、目地部から漏水
することはなく、止水性、作業性ともに優れたものとな
っている。 (2)原料ゴムのヨウ素価が25を超えた比較例1の場合
はゴムの極性が大きくなってユニット部材に接着せず、
耐水圧評価を行うことができないとともに、作業性が大
幅に低下している。このようなことから、原料ゴムのヨ
ウ素価を25以下に設定すべきであることがわかる。 (3)原料ゴムのムーニー粘度ML1+4(100℃)を3と
した比較例2の場合はゴムの剛性が低下してシール材が
水圧により破裂し、ML1+4(100℃)を40とした
比較例3の場合はゴムが塑性流動しないため接着界面に
隙間を生じ、いずれも耐水圧性が大幅に低下している。
このようなことから、原料ゴムのムーニー粘度ML1+4
(100℃)を5〜35に設定すべきであることがわか
る。 (4)原料ゴムに無機充填剤を配合しなかった比較例4、
および配合量を20重量部とした比較例5の場合はゴム
が塑性変形しないため接着界面に隙間を生じ、耐水圧性
が大幅に低下している。一方、配合量を90重量部とし
た比較例6の場合はゴムが硬くなってユニット部材に接
着せず、耐水圧評価を行うことができないとともに、作
業性が大幅に低下している。このようなことから、原料
ゴムに無機充填剤を30〜80重量部配合すべきである
ことがわかる。
【0064】実施例5〜14 実施例1〜4と同様にして閉塞部材を組み立て、耐水圧
および作業性を評価した。
【0065】以上の結果を表2および表3に示した。
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】表2および表3から次のことが明らかであ
る。 (1)実施例5、9と実施例6〜8を対比して明らかなよ
うに、実施例6〜8は、実施例5,9に比べてさらに耐
水圧性が向上している。このようなことから、原料ゴム
のムーニー粘度ML1+4(100℃)を8〜25に設定
するのが、より好ましい。 (2)実施例10、14と実施例11〜13を対比して明
らかなように、実施例11〜13は、実施例10、14
に比べてさらに耐水圧性が向上している。このようなこ
とから、原料ゴムに無機充填剤を50〜70重量部配合
するのが、より好ましい。
【0069】実施例5〜14 1.壁面開口部と閉塞部材間に生じた空隙の閉塞 実施例1〜4と同様にして閉塞部材を組み立てた後、こ
の閉塞部材をマンホール壁面開口部に設置し、壁面開口
部と閉塞部材間に生じた空隙を以下の方法で閉塞した。 (a)開口部の側壁面および閉塞部材の外周側面に水膨潤
性樹脂シートを貼着し、側壁面と外周面間に生じた空隙
にモルタルを充填する方法(方法X)。 (b)空隙の全てに水膨潤性樹脂シートを充填する方法
(方法Y)。 (c)空隙の全てにモルタルを充填する方法(方法Z)。
【0070】なお、水膨張性シートには、デンプン−ア
クリル酸系吸水性高分子材料を用いた。
【0071】2.耐水性評価 実施例1〜4と同様にして、図6に示す試験装置を用い
て閉塞部材の耐水圧を測定した。
【0072】図において、閉塞部材1の周囲のマンホー
ルの外面5bに試験装置17の開口部を密着させ、面5
bと試験装置17で囲まれた空間に水を満たした。さら
にY方向から水を加圧し、マンホール内面となる面1a
方向から目視観察して、上記空隙の閉塞部12から水が
漏れ始めたときの水圧を耐水圧値として評価した。
【0073】この値が大きいほど、止水性に優れている
ことを表す。
【0074】3.作業性の評価 上記空隙を閉塞する際に、作業が短時間で終了したもの
を「○」、作業が煩雑で長時間を要したものを「×」と
した。
【0075】以上の結果を表4に示した。
【0076】
【表4】
【0077】表4から次のことが明らかである。 (1)本発明のマンホール壁面開口部の閉塞方法によれ
ば、壁面開口部と閉塞部材間に生じた空隙から漏水する
ことはなく、止水性は良好であり、また空隙を閉塞する
作業性も優れたものとなる。このようなことから、壁面
開口部の側壁面および閉塞部材の外周面に水膨潤性樹脂
シートを貼着し、側壁面と外周面間に生じた空隙にモル
タルを充填して閉塞する本発明の優位性が明らかであ
る。 (2)空隙の全てに水膨張性樹脂シートを充填した比較例
7の場合は、空隙の寸法に合わせてシートを加工する必
要が生じ、作業性が大幅に低下した。 (3)空隙の全てにモルタルを充填した比較例8の場合
は、モルタルが硬化収縮した際に生じたクリアランス部
分から漏水し、耐水圧性が大幅に低下した。
【0078】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
マンホール壁面開口部の閉塞部材およびマンホール壁面
開口部の閉塞方法によれば、難接着性樹脂材料から成る
閉塞部材の目地部を、良好な接着性を有するゴム組成物
で止水処理しているので、従来に比べて止水性および作
業性を大幅に向上させることができ、その工業的価値は
大である。
【0079】さらに、壁面開口部と閉塞部材間に生じた
空隙を水膨張性樹脂シートとモルタルを複合使用するこ
とによって閉塞しているので、この空隙に対する止水性
および作業性をも大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマンホール壁面開口部の閉塞部材の実
施形態を示す部分断面斜視図である。
【図2】本発明の閉塞部材の目地部の止水処理状態の一
例を示す部分断面斜視図である。
【図3】本発明の閉塞部材の目地部の止水処理状態の別
の例を示す部分断面斜視図である。
【図4】本発明の閉塞部材を構成するユニット部材の一
例を示す部分断面斜視図である。
【図5】本発明のマンホール壁面開口部の閉塞方法によ
って開口部を閉塞した状態を示す部分断面斜視図であ
る。
【図6】本発明の閉塞部材の耐水圧を測定する試験装置
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 閉塞部材 2 管路 3 ユニット部材 3a 挿通孔 4 目地部 5 マンホールの内面 5a マンホール壁面開口部 7 シール材 9 水膨張性樹脂シート 11 モルタルまたはコンクリート 15、17 耐水圧試験装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂材料から成り地中埋設用管路の挿通
    孔が形成されているユニット部材の複数個を、マンホー
    ル壁面開口部に配置して前記開口部を閉塞するマンホー
    ル壁面開口部の閉塞部材であって、 前記各ユニット部材の目地部は、ヨウ素価25以下でム
    ーニー粘度ML1+4(100℃)5〜35の原料ゴム1
    00重量部に対し、無機充填剤30〜80重量部を配合
    して成るゴム組成物のシール材で止水処理されているこ
    とを特徴とするマンホール壁面開口部の閉塞部材。
  2. 【請求項2】 前記ユニット部材がポリエチレン、また
    はポリプロピレン樹脂から成ることを特徴とする請求項
    1記載のマンホール壁面開口部の閉塞部材。
  3. 【請求項3】 前記シール材がヨウ素価10以下でムー
    ニー粘度ML1+4(100℃)8〜25の原料ゴム10
    0重量部に対し、無機充填剤50〜70重量部を配合し
    て成るゴム組成物を成分とすることを特徴とする請求項
    1または2記載のマンホール壁面開口部の閉塞部材。
  4. 【請求項4】 前記閉塞部材の前記マンホールの外面と
    なる面に、前記止水処理がされていることを特徴とする
    請求項1〜3記載のマンホール壁面開口部の閉塞部材。
  5. 【請求項5】 マンホール壁面開口部に請求項1〜4に
    記載の閉塞部材を配置し、 前記開口部の側壁面および前記閉塞部材の外周側面に水
    膨潤性樹脂シートを貼着し、 前記側壁面と前記外周面間に生じた空隙にモルタルまた
    はコンクリートを充填して前記空隙を閉塞することを特
    徴とするマンホール壁面開口部の閉塞方法。
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