JP2000034276A - 光学活性なn―置換アゼチジン―2―カルボン酸エステル類のラセミ化法 - Google Patents
光学活性なn―置換アゼチジン―2―カルボン酸エステル類のラセミ化法Info
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Abstract
ン酸エステル類のラセミ化法を提供すること。 【解決手段】 一般式(1) (式中、R1はアリール、飽和炭化水素、不飽和炭化水
素基、R2は飽和炭化水素、不飽和炭化水素、アルキル
オキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、スル
ホニル。)で示される光学活性なN−置換アゼチジン−
2−カルボン酸エステル類を、100℃以上に加熱する
か、或いは、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水
素化物、3級アルコールのアルカリ金属アルコキサイド
または有機アミンから選ばれる塩基性化合物と接触させ
ることを特徴とする一般式(1)で示される光学活性な
N−置換アゼチジン−2−カルボン酸エステル類のラセ
ミ化法。
Description
アゼチジン−2−カルボン酸エステル類のラセミ化法に
関する。
れているように、光学活性なN−置換アゼチジン−2−
カルボン酸エステルは医薬品などの有用な中間体であ
り、該エステルのラセミ体を光学分割することにより製
造されることが知られている。そして分割後のN−置換
アゼチジン−2−カルボン酸エステルの残された他方の
異性体の再利用方法を開発することが経済的にもまた廃
棄物の減少の点からも望まれている。
利用されずに残る他方の光学異性体をラセミ化し、再利
用をするべく光学活性なN−置換アゼチジン−2−カル
ボン酸エステル類のラセミ化法について鋭意検討した結
果、簡便なN−置換アゼチジン−2−カルボン酸エステ
ル類のラセミ化方法を見い出し、本発明に至った。
般式(1) (式中、*は不斉炭素原子を示し、R1はアリール基、
またはアリール基で置換されていてもよい飽和炭化水素
基、または不飽和炭化水素基を示し、R2はアリール基
で置換されていてもよい飽和炭化水素基、または不飽和
炭化水素基、または置換されていてもよいアルキルオキ
シカルボニル基、またはアルケニルオキシカルボニル
基、またはスルホニル基を示す。)で示される光学活性
なN−置換アゼチジン−2−カルボン酸エステル類を、
100℃以上に加熱するか、或いは、アルカリ金属もし
くはアルカリ土類金属水素化物、3級アルコールのアル
カリ金属アルコキサイドまたは有機アミンから選ばれる
塩基性化合物と接触させることを特徴とする一般式
(1)で示される光学活性なN−置換アゼチジン−2−
カルボン酸エステル類のラセミ化法を提供するものであ
る。
する。一般式(1)で示される光学活性なN−置換アゼ
チジン−2−カルボン酸エステル類において、置換基R
1はアリール基、またはアリール基で置換されていても
よい飽和炭化水素基、または不飽和炭化水素基である。
アリール基としては例えばフェニル基等が、アリール基
で置換されていてもよい飽和炭化水素基としては例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、
t−ブチル基等のアルキル基、ベンジル基、p−メトキ
シベンジル基、o−ニトロベンジル基、ベンズヒドリル
基、トリフェニルメチル基等の(ハロゲン、アルキル、
アルコキシまたはニトロで置換されていてもよい)アラ
ルキル基が挙げられ、不飽和炭化水素基としては例えば
アリル基、3−ブテニル基等のアルケニル基等が挙げら
れる。
もよい飽和炭化水素基、または不飽和炭化水素基、また
はアリール基で置換されていてもよいアルキルオキシカ
ルボニル基、またはアルケニルオキシカルボニル基また
はスルホニル基が挙げられる。アリール基で置換されて
いてもよい飽和炭化水素基としては例えばメチル基、エ
チル基等のアルキル基、ベンジル基、p−メトキシベン
ジル基、α−フェニルエチル基、β−フェニルエチル
基、フェニルプロピル基、ベンズヒドリル基、トリフェ
ニルメチル基等の(ハロゲン、アルキル、アルコキシま
たはニトロで置換されていてもよい)アラルキル基が挙
げられ、不飽和炭化水素基としてはアリル基等のアルケ
ニル基等が挙げられる。置換されていてもよいアルキル
オキシカルボニル基としては、例えばt−ブトキシカル
ボニル基、トリクロロエチルオキシカルボニル基、ベン
ジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシ
カルボニル基、2−フェニルエチルオキシカルボニル基
等のアリール基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基またはニトロ基で置換されていてもよいアルキルオ
キシカルボニル基が挙げられる。アルケニルオキシカル
ボニル基としては例えばビニルオキシカルボニル基、ア
リルオキシカルボニル基、1−イソプロピルアリルオキ
シカルボニル基等が挙げられる。スルホニル基としては
例えばベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル
基、 p−メトキシベンゼンスルホニル基、 o−ニトロ
ベンゼンスルホニル基等の(アルキル、アルコキシまた
はニトロで置換されていてもよい)ベンゼンスルホニル
基等が挙げられる。上記飽和炭化水素基、または不飽和
炭化水素基はアルコキシ基、ハロゲン原子等で1個以上
置換されていてもよい。
いてもよい。不斉炭素原子を有する置換基R2としては
例えば(S)−メチルベンジル基、(R)−メチルベン
ジル基、(S)-1-フェニルプロピル基、(R)-1-フェニルプ
ロピル基、(S)-1-(p−トリル)エチル基、(R)-1-(p
−トリル)エチル基、(S)-1-(p-クロロフェニル)エ
チル基、(R)-1-(p-クロロフェニル)エチル基、(S)-1
-(2,4-ジクロロフェニル)エチル基、(R)-1-(2,4-ジ
クロロフェニル)エチル基、(S)-1-(p-メトキシフェ
ニル)エチル基、(R)-1-(p-メトキシフェニル)エチ
ル基、(S)-1-(4-ヒドロキシフェニル)エチル基、(R)-
1-(4-ヒドロキシフェニル)エチル基等が挙げられる。
−カルボン酸エステル類(1)としては、例えばN−メ
チルアゼチジン−2−カルボン酸メチルエステル、N−
エチルアゼチジン−2−カルボン酸メチルエステル、N
−ベンジルアゼチジン−2−カルボン酸メチルエステ
ル、N−p−メトキシベンジルアゼチジン−2−カルボ
ン酸メチルエステル、N−[(S)−フェニルエチル]
−アゼチジン−2−カルボン酸メチルエステル、N−
[(R)−フェニルエチル]−アゼチジン−2−カルボ
ン酸メチルエステル、N−[(S)−フェニルプリピ
ル]−アゼチジン−2−カルボン酸メチルエステル、N
−[(R)−フェニルプロピル]−アゼチジン−2−カ
ルボン酸メチルエステル、N−[(S)−1-(p-トリ
ル)エチル]−アゼチジン−2−カルボン酸メチルエス
テル、N−[(R)−−1-(p-トリル)エチル]−ア
ゼチジン−2−カルボン酸メチルエステル、N−
[(S)−1-(p-クロロフェニル)エチル]−アゼチ
ジン−2−カルボン酸メチルエステル、N−[(R)−
1―(p-クロロフェニル)エチル]−アゼチジン−2
−カルボン酸メチルエステル、N−[(S)−1―
(2,4―ジクロロフェニル)エチル]−アゼチジン−
2−カルボン酸メチルエステル、N−[(R)−1―
(2,4―ジクロロフェニル)エチル]−アゼチジン−
2−カルボン酸メチルエステル、N−[(S)−1-(p
-メトキシフェニル)エチル]−アゼチジン−2−カル
ボン酸メチルエステル、N−[(R)―1―(p-メト
キシフェニル)エチル]−アゼチジン−2−カルボン酸
メチルエステル、N−[(S)−1-(p-ヒドロキシフ
ェニル)エチル]−アゼチジン−2−カルボン酸メチル
エステル、N−[(R)―1―(p-ヒドロキシフェニ
ル)エチル]−アゼチジン−2−カルボン酸メチルエス
テル、N−β−フェニルエチルアゼチジン−2−カルボ
ン酸メチルエステル、N−フェニルプロピルアゼチジン
−2−カルボン酸メチルエステル、N−ベンズヒドリル
アゼチジン−2−カルボン酸メチルエステル、N−トリ
フェニルメチルアゼチジン−2−カルボン酸メチルエス
テル、N−アリルアゼチジン−2−カルボン酸メチルエ
ステル、N−t−ブトキシカルボニルアゼチジン−2−
カルボン酸メチルエステル、N−トリクロロエチルオキ
シカルボニルアゼチジン−2−カルボン酸メチルエステ
ル、N−ベンジルオキシカルボニルアゼチジン−2−カ
ルボン酸メチルエステル、N−p−メトキシベンジルオ
キシカルボニルアゼチジン−2−カルボン酸メチルエス
テル、N−2−フェニルエチルオキシカルボニルアゼチ
ジン−2−カルボン酸メチルエステル、N−ビニルオキ
シカルボニルアゼチジン−2−カルボン酸メチルエステ
ル、N−アリルオキシカルボニルアゼチジン−2−カル
ボン酸メチルエステル、N−1−イソプロピルアリルオ
キシカルボニルアゼチジン−2−カルボン酸メチルエス
テル、N−ベンゼンスルホニルアゼチジン−2−カルボ
ン酸メチルエステル、N−p−トルエンスルホニルアゼ
チジン−2−カルボン酸メチルエステル、N−p −メ
トキシベンゼンスルホニルアゼチジン−2−カルボン酸
メチルエステル、N−o−ニトロベンゼンスルホニルア
ゼチジン−2−カルボン酸メチルエステルおよび上記各
化合物におけるエステル置換基がメチルに代わりエチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、t−ブチル、ベンジル、p−メ
トキシベンジル、o−ニトロベンジル、ベンズヒドリ
ル、トリフェニルメチル、アリル、3−ブテニルに相当
する化合物等が挙げられる。
式(1)で示される光学活性なN−置換アゼチジン−2
−カルボン酸エステル類は、いずれかの光学異性体を過
剰に含む混合物であればよく、その過剰率は特に限定さ
れるものではない。また、これら原料は蒸留やカラムク
ロマトグラフィー等により精製されたものでもよいし、
塩分割法や酵素分割法等の分割を行った際に残された一
方の異性体を過剰に含む異性体混合物であってもよい。
斉炭素原子を有する置換基であってもよく、その場合、
一般式(1)の*で示される不斉炭素上で高選択的にラ
セミ化が進行しジアステレオマー混合物が生成する。生
成したジアステレオマー混合物はカラムクロマトグラフ
ィー、光学活性な酸を用いた光学分割等通常の方法によ
り分離することができる。
換アゼチジン−2−カルボン酸エステル類をラセミ化す
る方法は、100℃以上に加熱することにより行われ
る。また塩基性化合物を用いることも可能である。塩基
性化合物を使用する場合は、通常有機溶媒を用い、塩基
性化合物を使用しない場合には、有機溶媒を用いること
なく反応を行うことができる。
ゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、クロロベ
ンゼン等の芳香族炭化水素類、あるいはヘキサン、シク
ロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン等の脂肪属炭化水
素類、あるいはt−ブチルメチルエーテル、イソプロピ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル類、あるいはメタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、n−ブタノール、t−ブタノール等のアルコー
ル類、あるいはアセトン、2−ブタノン等のケトン類、
あるいはアセトニトリル等のニトリル類、あるいはN,
N−ジメチルホルムアミド、N,N―ジメチルアセトア
ミド等のアミド類、あるいはジメチルスルホキシド等の
スルホキシド類等の溶媒単独または混合物が挙げられ
る。
る光学活性なN−置換アゼチジン−2−カルボン酸エス
テル類に対して通常100重量倍以下、好ましくは20
重量倍以下、さらに好ましくは10重量倍以下である。
下限は特に限定されない。
換アゼチジン−2−カルボン酸エステル類は100℃以
上に加熱されるが、その温度は通常100〜300℃程
度、好ましくは100〜250℃程度、更に好ましくは
100〜200℃程度である。
活性なN−置換アゼチジン−2−カルボン酸エステル類
を、アルカリ金属水素化物、3級アミンのアルコキサイ
ドまたは有機アミンから選ばれる塩基性化合物と接触さ
せることによりラセミ化させることもできる。かかる塩
基性化合物の例としては、水素化ナトリウム、水素化カ
リウム、水素化リチウム、水素化カルシウム等のアルカ
リまたはアルカリ土類金属水素化物、カリウムターシャ
リーブトキサイドなどの3級アルコールのアルコキサイ
ド、あるいはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチル
アミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5
−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウ
ンデセン、N−メチルモルホリン等の有機アミン類が挙
げられる。これらの塩基性化合物はそれぞれ単独で用い
てもよいが、2種以上混合して用いてもよい。特にアル
カリ金属水素化物が好ましく用いられる。
のではないが、光学活性なN−置換アゼチジン−2−カ
ルボン酸エステル類(1)に対して通常0.01〜10
モル倍程度、好ましくは0.01〜5モル倍程度、さら
に好ましくは0.1〜2モル倍程度である。
常−20〜200℃程度、好ましくは0〜150℃程
度、さらに好ましくは20〜100℃程度である。
換アゼチジン−2−カルボン酸エステル化合物は、必要
により、酸性水等により中和した後溶媒を留去する等の
操作により、光学分割の原料として再使用することがで
きる。
−置換アゼチジン−2−カルボン酸エステル類(1)を
容易にかつ効率よくラセミ化することができる。
明するが、本発明はこれにより限定されるものではな
い。
ル]−アゼチジン−2−カルボン酸メチルエステル5.
9g(2R体:2S体=94:6)を170℃に加熱
し、同温度で8時間保温した。得られた油状物をガスク
ロマトグラフィーにより分析したところN−[(S)−
フェニルエチル]−アゼチジン−2−カルボン酸メチル
エステルを収率71.7%で得た。そのときのジアステ
レオマー比は、2R体:2S体=42:58であった。
ル]−アゼチジン−2−カルボン酸メチルエステル4.
3g(2R体:2S体=92:8)を190℃に加熱
し、同温度で10時間保温した。得られた油状物をガス
クロマトグラフィーにより分析したところN−[(S)
−フェニルエチル]−アゼチジン−2−カルボン酸メチ
ルエステルを収率70.4%で得た。そのときのジアス
テレオマー比は、2R体:2S体=45:55であっ
た。
ル]−アゼチジン−2−カルボン酸メチルエステル1
3.4g(2R体:2S体=93:7)を190℃に加
熱し、同温度で10時間保温した。得られた油状物をガ
スクロマトグラフィーにより分析したところN−
[(S)−フェニルエチル]−アゼチジン−2−カルボ
ン酸メチルエステルを収率73.8%で得た。そのとき
のジアステレオマー比は、2R体:2S体=50:50
であった。
ル]−アゼチジン−2−カルボン酸メチルエステル2
0.0g(2R体:2S体=93:7)をトルエン7
3.6gに溶解させた溶液に水素化ナトリウム3.65
g(含量約60%のオイル懸濁物)を室温で加えた。こ
れを80℃に加熱し、同温度で8時間保温した。得られ
た溶液に氷冷下、水20g続いて35%塩酸24.8g
を滴下しpH0.6とした後、油層と水層を分液した。
水層をトルエン40gで洗浄し、再びトルエン40gを
加え、次いで20%水酸化ナトリウム水溶液33.9g
を滴下してpH6.3とした後、油層と水層を分液し
た。油層を水40gで洗浄した後、溶媒を留去し、得ら
れた油状物をガスクロマトグラフィーにより分析したと
ころN−[(S)−フェニルエチル]−アゼチジン−2
−カルボン酸メチルエステルを収率94.6%で得た。
そのときのジアステレオマー比は、2R体:2S体=4
2:58であった。
ル]−アゼチジン−2−カルボン酸メチルエステル7.
0g(2R体:2S体=93:7)をトルエン25.7
gに溶解させた溶液に水素化ナトリウム1.28g(含
量約60%のオイル懸濁物)を室温で加えた。これを7
0℃に加熱し、同温度で10時間保温した。得られた溶
液に氷冷下、水7g続いて35%塩酸9.8gを滴下し
pH1.0とした後、油層と水層を分液した。水層をト
ルエン14gで洗浄し、再びトルエン14gを加え、次
いで20%水酸化ナトリウム水溶液12.0gを滴下し
てpH6.1とした後、油層と水層を分液した。油層を
水14gで洗浄した後、溶媒を留去し、得られた油状物
をガスクロマトグラフィーにより分析したところN−
[(S)−フェニルエチル]−アゼチジン−2−カルボ
ン酸メチルエステルを収率96.7%で得た。そのとき
のジアステレオマー比は、2R体:2S体=44:56
であった。
ル]−アゼチジン−2−カルボン酸メチルエステル7.
0g(2R体:2S体=93:7)をトルエン25.7
gに溶解させた溶液に水素化ナトリウム1.28g(含
量約60%のオイル懸濁物)を室温で加えた。これを6
0℃に加熱し、同温度で20時間保温した。得られた溶
液に氷冷下、水7g続いて35%塩酸9.8gを滴下し
pH1.1とした後、油層と水層を分液した。水層をト
ルエン14gで洗浄し、再びトルエン14gを加え、次
いで20%水酸化ナトリウム水溶液11.8gを滴下し
てpH6.3とした後、油層と水層を分液した。油層を
水14gで洗浄した後、溶媒を留去し、得られた油状物
をガスクロマトグラフィーにより分析したところN−
[(S)−フェニルエチル]−アゼチジン−2−カルボ
ン酸メチルエステルを収率92.7%で得た。そのとき
のジアステレオマー比は、2R体:2S体=44:56
であった。
ル]−アゼチジン−2−カルボン酸ベンジルエステル
5.0g(2R体:2S体=100:0)をトルエン2
0.0gに溶解させた溶液に水素化ナトリウム0.74
g(含量約60%のオイル懸濁物)を室温で加えた。こ
れを80℃に加熱し、同温度で3時間保温した。得られ
た溶液に氷冷下、水5g続いて35%塩酸2.1gを滴
下しpH6.5とした後、油層と水層を分液した。油層
を水5gで洗浄した後、溶媒を留去し、得られた油状物
をガスクロマトグラフィーにより分析したところN−
[(S)−フェニルエチル]−アゼチジン−2−カルボ
ン酸ベンジルエステルを収率81.8%で得た。そのと
きのジアステレオマー比は、2R体:2S体=41:5
9であった。
−カルボン酸メチルエステル3.0g(2R体:2S体
=100:0)をトルエン12.1gに溶解させた溶液
に水素化ナトリウム0.65g(含量約60%のオイル
懸濁物)を室温で加えた。これを80℃に加熱し、同温
度で3時間保温した。得られた溶液に氷冷下、水10g
続いて35%塩酸1.5gを滴下しpH6.5とした
後、油層と水層を分液した。油層を水5gで洗浄した
後、溶媒を留去し、得られた油状物をガスクロマトグラ
フィーにより分析したところN−ベンジルアゼチジン−
2−カルボン酸メチルエステルを収率75.0%で得
た。そのときのジアステレオマー比は、2R体:2S体
=50:50であった。
ル]−アゼチジン−2−カルボン酸メチルエステル1.
0g(純分0.8g;2R体:2S体=34:66)を
t−ブチルメチルエーテル15ml、N,N−ジメチル
ホルムアミド5mlからなる混合溶媒に溶解させた溶液
に水素化ナトリウム0.16g(含量約60%のオイル
懸濁物)を室温で加えた。同温度で5時間保温した。得
られた溶液をガスクロマトグラフィーにより分析したと
ころN−[(R)−フェニルエチル]−アゼチジン−2
−カルボン酸メチルエステルのジアステレオマー比は2
R体:2S体=56:44であった。更にこの溶液を4
5℃に加熱し、同温度で3時間保温したところジアステ
レオマー比は2R体:2S体=60:40であった。
0.58g(5.0mmol)のジメチルスルホキサイ
ド(DMSO、10ml)溶液に、N−[(S)−フェ
ニルエチル]−アゼチジン−2―(S)―カルボン酸メ
チルエステル 1.00g(4.53mmol、100
%d.e.)を26〜28℃で加えた。同温で30分撹
拌後、得られた溶液をガスクロマトグラフィーにより分
析したところ、N−[(S)−フェニルエチル]−アゼ
チジン−2―カルボン酸メチルエステルのジアステレオ
マー比は2R体:2S体=57:43であった。同温で
さらに22h撹拌したがジアステレオマー比に変化はな
かった。更にこの溶液を50℃で2時間撹拌したが、ジ
アステレオマー比は2R体:2S体=57:43で変化
はなかった。
ジン−2−カルボン酸エステル類は以下に示すような手
法等により光学分割することが可能である。 (参考例1)実施例4で得られたN−[(S)−フェニ
ルエチル]−アゼチジン−2−カルボン酸メチルエステ
ル18.9g(2R体:2S体=42:58)をトルエ
ン9.6g、メタノール2.7gからなる混合溶媒に溶
解した後、60℃に加熱した。この溶液にN−[(S)
−フェニルエチル]−アゼチジン−2−カルボン酸メチ
ルエステル(2R体:2S体=0:100)のL−酒石
酸塩をごく少量種晶として添加し、次いでメタノール2
4.6gに溶解したL−酒石酸13.6gの溶液を60
℃で2時間かけて滴下した。続いてこの溶液を0℃まで
3時間かけて冷却し、同温度で3時間保温した後、得ら
れた結晶を濾別し、N−[(S)−フェニルエチル]−
アゼチジン−2−カルボン酸メチルエステル(2R体:
2S体=0.2:99.8)のL−酒石酸塩を収率4
8.6%で得た。
(S)―カルボン酸メチルエステル(23.7mmo
l、100%d.e.)のメタノール(200ml)溶液に
ナトリウムメトキサイド(0.26g、4.8mmo
l)を加え、24時間還流させた。反応混合物にpH
6.5になるまで酢酸を加え、溶媒を留去した。その残
渣を酢酸エチルに溶解させ水洗し、真空下に溶媒を留去
した結果、5.04g(98.9%d.e.)のエステ
ルを淡黄色液体として回収した。
Claims (4)
- 【請求項1】一般式(1) (式中、*は不斉炭素原子を示し、R1はアリール基、
またはアリール基で置換されていてもよい飽和炭化水素
基、または不飽和炭化水素基を示し、R2はアリール基
で置換されていてもよい飽和炭化水素基、または不飽和
炭化水素基、または置換されていてもよいアルキルオキ
シカルボニル基、またはアルケニルオキシカルボニル
基、またはスルホニル基を示す。)で示される光学活性
なN−置換アゼチジン−2−カルボン酸エステル類を、
100℃以上に加熱するか、或いは、アルカリ金属もし
くはアルカリ土類金属水素化物、3級アルコールのアル
カリ金属アルコキサイドまたは有機アミンから選ばれる
塩基性化合物と接触させることを特徴とする一般式
(1)で示される光学活性なN−置換アゼチジン−2−
カルボン酸エステル類のラセミ化法。 - 【請求項2】一般式(1)で示される光学活性なN−置
換アゼチジン−2−カルボン酸エステル類において
R1、R2がともにアリール基で置換されていてもよい飽
和炭化水素基、または不飽和炭化水素基である請求項1
に記載のラセミ化法。 - 【請求項3】ラセミ化反応の温度が200℃以下である
請求項1または2に記載のラセミ化法。 - 【請求項4】塩基性化合物がアルカリ金属水素化物であ
る請求項1、2または3に記載のラセミ化法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13257599A JP2000034276A (ja) | 1998-05-14 | 1999-05-13 | 光学活性なn―置換アゼチジン―2―カルボン酸エステル類のラセミ化法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP13214598 | 1998-05-14 | ||
JP10-132145 | 1998-05-14 | ||
JP13257599A JP2000034276A (ja) | 1998-05-14 | 1999-05-13 | 光学活性なn―置換アゼチジン―2―カルボン酸エステル類のラセミ化法 |
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JP13257599A Pending JP2000034276A (ja) | 1998-05-14 | 1999-05-13 | 光学活性なn―置換アゼチジン―2―カルボン酸エステル類のラセミ化法 |
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1999
- 1999-05-13 JP JP13257599A patent/JP2000034276A/ja active Pending
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