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JP2000030298A - 情報記録媒体 - Google Patents

情報記録媒体

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Publication number
JP2000030298A
JP2000030298A JP10200585A JP20058598A JP2000030298A JP 2000030298 A JP2000030298 A JP 2000030298A JP 10200585 A JP10200585 A JP 10200585A JP 20058598 A JP20058598 A JP 20058598A JP 2000030298 A JP2000030298 A JP 2000030298A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
film
translucent
light
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10200585A
Other languages
English (en)
Inventor
Naomasa Nakamura
直正 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP10200585A priority Critical patent/JP2000030298A/ja
Publication of JP2000030298A publication Critical patent/JP2000030298A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】再生時のフォーカシング及びトラッキングを安
定して行うことができ、かつ記録・消去に使用可能なレ
ーザー光のパワーマージンを拡大することが可能な情報
記録媒体を提供すること。 【解決手段】本発明の情報記録媒体1は、光透過性の基
板2、前記基板2の一方の主面上に形成された半透明干
渉膜3、前記半透明干渉膜3上に形成され、光ビームを
照射することにより可逆的に相変化して光学的特性に変
化を生ずる記録膜5、前記記録膜5上に形成された半透
明反射層7、前記半透明干渉膜3と前記記録膜5との間
に設けられ、前記記録膜5よりも高い融点を有する光透
過性の第1の保護膜4、及び前記記録膜5と前記半透明
反射層7との間に設けられ、前記記録膜5よりも高い融
点を有する光透過性の第2の保護膜6を具備することを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の光を照射す
ることにより光学的特性の変化を生ずる記録膜を有する
情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大容量メモリとして光ディスクが
注目を浴びている。その中でも、相変化型光ディスク
は、情報の記録・消去を自由に行うことが可能であるた
め、特に注目を集めている。
【0003】図7に、従来の相変化型光ディスクの断面
図を示す。図7において相変化型光ディスク51は、基
板52上に、第1の保護膜53、記録膜54、第2の保
護膜55、及び反射層56が順次積層された構造を有し
ている。
【0004】一般に、上記相変化型光ディスク51にお
いて、基板52は、ガラスやプラスチック材料からな
り、第1及び第2の保護膜53,55は、ZnS、Si
2 、Al23 及びこれらの混合物からなる。記録膜
54は、GeSbTeのようなカルコゲナイドを真空蒸
着法やスパッタリング法等により基板上に堆積すること
により形成される。また、反射層56は、Al或いはA
lにTi、Mo、Zr及びCr等を含有する合金からな
る。
【0005】上記相変化型光ディスク51への情報の記
録・消去は、例えば、以下に示す方法により行われる。
まず、作製直後の光ディスク51の全面に光を照射す
る。これにより、記録膜54は加熱され、結晶性の高い
状態、すなわち原子が比較的規則正しく配列した状態
(以下、結晶質状態という)となる。次に、結晶質状態
とした記録膜54に高い強度のパルス光を照射して、記
録膜54を溶融・急冷する。それにより、記録膜54の
パルス光照射部は、結晶性が低下した状態、すなわち原
子配列が乱れた状態(以下、非晶質状態という)とな
り、情報が書き込まれる。
【0006】ここで、これら結晶質状態と非晶質状態と
では、原子の配列構造が異なることから光学的性質(透
過率や反射率等)が異なり、この光学的性質の違いを反
射光の強度から検出することにより、記録された情報の
再生が可能となる。また、記録された情報の消去は、記
録膜54の記録部を非晶質状態から結晶質状態へと変化
させることにより行う。これは、記録部に低い強度のパ
ルス光を照射して、記録部を結晶化温度以上、融点未満
に加熱することにより可能である。
【0007】上述した記録・消去方法は、光ディスク5
1が作製直後である場合についてのものであるが、既に
情報を記録した光ディスク51に対しては、以下に示す
オーバーライト記録を行うことが可能である。
【0008】図8に、オーバーライト記録に必要なレー
ザ光のパワーをグラフにして示す。なお、図中、横軸は
時間を示し、縦軸はレーザ光のパワーを示している。図
8に示すように、オーバーライト記録は、消去信号に記
録信号を重畳することにより行われる。すなわち、レー
ザー光のパワーを消去パワー(バイアスパワー)と記録
パワーとの間で制御することにより、記録された情報を
消去しつつ、新たな記録を行うことができる。
【0009】また、従来、上記光ディスク51への記録
は、グルーブ部及びランド部のいずれか一方に対しての
み行われていた。しかしながら、近年、光ディスク51
の大容量化が求められており、図9(a),(b)に示
すように、ランド部とグルーブ部の双方に記録を行うラ
ンド/グルーブ記録法も提案されている。
【0010】図9(a),(b)に、ランド/グルーブ
記録法を概略的に示す。なお、図9(a)は光ディスク
51を示す斜視図であり、図9(b)は光ディスク51
を示す平面図である。図9(a),(b)に示す光ディ
スク51には、ランド部61とグルーブ部62とが形成
されている。また、ランド部61及びグルーブ部62に
は記録マーク63が形成されている。
【0011】ランド部61及びグルーブ部62の双方に
対して記録を行うには、例えば、N.Miyagawa et al. が
J.J.Appl.Phys.Vol.32(1993)pp5324-5328 に開示するよ
うに、ランド部61に対するグルーブ部62の深さを約
λ/6とする(λは記録に用いるレーザー光の波長)。
これにより、隣接するトラックからのクロストークを防
止することが可能である。
【0012】以上説明した光ディスク51には、未記録
時に比べて記録時に反射率が低下するタイプと、未記録
時に比べて記録時に反射率が上昇するタイプとが存在す
る。以下に、それぞれのタイプについて説明する。
【0013】上述したように、上記光ディスク51よる
と、反射光の強度を測定することにより記録された情報
の再生が行われる。この反射光強度には、各界面からの
反射光間の光学的干渉が大きく影響する。したがって、
各層に用いる材料の光学定数に応じて、反射光の強度変
化(反射率変化)を最大とすることが可能な膜厚は異な
る。
【0014】図10に、保護膜の厚さと反射率との関係
の一例をグラフにして示す。図10に示すグラフは、記
録膜54をGeSbTeで構成し、反射層56にAlを
用い、保護膜53,55にZnS・SiO2 混合物を用
いた場合に得られるデータの一例を示している。
【0015】なお、図中、横軸は保護膜55の厚さを示
しており、縦軸は反射率及び反射率変化量を示してい
る。また、記録膜54が非晶質状態にある場合に得られ
るデータを曲線57で示し、結晶質状態にある場合に得
られるデータを曲線58で示し、さらに、これらデータ
間の差を曲線59で示している。
【0016】図10から明らかなように、保護膜55の
膜厚を10〜20nm程度とするか、或いは140〜1
50nm程度とした場合に、反射率の変化量を最大とす
ることができる。また、保護膜55の膜厚を10〜20
nm程度とした場合、反射率変化量は正となっている。
すなわち、この場合、情報の記録を行うことにより、反
射率は未記録時に比べて低下する。一方、保護膜55の
膜厚を140〜150nm程度とした場合、反射率変化
量は負となっている。すなわち、この場合、情報の記録
を行うことにより、反射率は未記録時に比べて上昇す
る。このように、保護膜55の厚さを制御することによ
り、異なるタイプの光ディスク51を実現することが可
能であると考えられる。
【0017】しかしながら、保護膜55を厚く形成した
場合、放熱性が低下してしまう。この場合、記録膜54
を急冷することができず、記録特性の低下を生ずる(T.
OHTAet al. JJAP.VOL 128(1989)SUPPLEMENT28-3,pp123-
128)。したがって、記録膜54がGeSbTe等の記
録材料で構成される光ディスクにおいては、通常、保護
膜55は10〜20nm程度の厚さに形成されている。
すなわち、従来、光ディスク51は、未記録時に比べて
記録時に反射率が低下するタイプに形成されていた。
【0018】ところが、上記光ディスク51を未記録時
に比べて記録時に反射率が低下するタイプとした場合、
光ディスク51へデジタルデータを記録する際に、以下
に示す問題を生ずる。以下、記録方式としてマーク位置
記録方式及びマーク長記録方式を採用した場合につい
て、それぞれ説明する。
【0019】図11(a),(b)に、それぞれ、マー
ク位置記録方式及びマーク長記録方式を概略的に示す。
図11(a)は、マーク長記録方式を概略的に示す図で
ある。この図に示すように、マーク長記録方式において
は、情報“0”及び“1”は、それぞれ長さの異なる記
録マーク61,62に対応している。
【0020】上記光ディスク51が未記録時に比べて記
録時に反射率が低下するタイプである場合に、このマー
ク長記録方式を適用すると、記録部の光吸収率は未記録
部のそれに比べて大きくなる。そのため、同じパワーの
レーザー光を照射したとしても、未記録部においては記
録部ほどの到達温度を得ることができない。さらに、記
録膜54の未記録部を溶融するには潜熱を必要とする。
【0021】したがって、上記光ディスク51にオーバ
ーライト記録を行った場合、未記録部に形成される記録
マークは記録部に形成される記録マークよりも小さくな
る。ここで、マーク長記録方式は、記録マークの長さを
利用した記録方法である。したがって、マーク長記録方
式においては、オーバーライト記録により形成する記録
マークのサイズが一定しないため、記録の精度が低下す
るという問題を生ずる。
【0022】図11(b)は、マーク位置記録方式を概
略的に示す図である。この図に示すように、マーク位置
記録方式においては、記録膜54上に形成される記録マ
ーク60はそれぞれ同じ形状に形成され、隣り合う記録
マーク60間での中心位置の間隔から、情報“0”及び
“1”が区別される。
【0023】未記録時に比べて記録時に反射率が低下す
るタイプの光ディスク51にマーク位置記録方式を採用
した場合、以下の問題を生ずる。光ディスク51が、未
記録時に比べて記録時に反射率が低下するタイプである
場合、再生時における平均反射率は、未記録部(結晶質
部)に対する記録部(非晶質部)の面積比が大きいほど
低下する。一般的な光ディスクドライブにおいて、フォ
ーカシング及びトラッキングを十分に安定に行うために
は、再生時における平均反射率は少なくとも10%程度
以上である必要がある。
【0024】光ディスク51へのデジタルデータの記録
をマーク長記録方式により行う場合、光ディスク51の
記録部の面積は、未記録部の面積に比べて広くなる。一
方、上記記録をマーク位置記録方式により行う場合、光
ディスク51の記録部の面積は、未記録部の面積に比べ
て広くはない。例えば、マーク長記録方式では、記録マ
ークの幅を0.78μmとし、記録密度を同様とした場
合、未記録部に対する記録部の面積比は44%である。
それに対し、マーク位置記録方式では、記録マークの直
径を0.78μmとし、記録密度をある値とした場合、
未記録部に対する記録部の面積比は26%である。
【0025】このようにマーク位置記録方式によると、
マーク長記録方式に比べて再生時の平均反射率は高くな
る。したがって、従来のマーク位置記録方式において
は、再生時においても十分な平均反射率が得られ、フォ
ーカシング及びトラッキングを安定に行うことが可能で
あった。
【0026】しかしながら、近年、記録の高密度化が求
められている。マーク位置記録方式において記録密度を
高めるには、記録マークの間隔を狭めることが必要であ
る。この場合、未記録部に対する記録部の面積比が増大
するため、平均反射率は、例えば、従来の60%程度ま
で低下することが考えられる。ここで、保護膜55の厚
さが図9のAに示す厚さであるとすると、再生時の平均
反射率は10%以下となってしまう。
【0027】再生時の平均反射率を増加させるには、保
護膜55をより厚く形成すればよい。しかしながら、保
護膜55の膜厚をより厚くすると、反射率変化量を最大
とすることができない。
【0028】このように、未記録時に比べて記録時に反
射率が低下するタイプの光ディスク51にマーク位置記
録方式を採用した場合、いずれの記録方式を用いたとし
ても、記録密度を高め、再生時にフォーカシング及びト
ラッキングを安定に行い、かつ十分な反射率変化量を得
ることは困難であった。
【0029】上述した問題を解決する方法として、上記
光ディスク51の基板52と保護膜53との間に、半透
明金属層(半透明干渉膜)や高屈折率層を介在させるこ
とが提案されている。この方法によると、半透明金属層
や高屈折率層が光学的干渉条件に影響するため、保護膜
55を薄く形成し、かつ記録時の反射率を未記録時に比
べて高めることができる。すなわち、記録密度を高めた
場合においても、再生時にフォーカシング及びトラッキ
ングを安定に行うことが可能である。
【0030】しかしながら、基板52と保護膜53との
間に半透明金属層や高屈折率層を介在させた従来の光デ
ィスク51において、記録部と未記録部との光吸収率の
比、及び記録部と未記録部とでの反射率の差等を最適化
した場合、記録・消去に用いるレーザー光のパワーの許
容範囲が極めて少なかった。すなわち、従来の光ディス
ク51においては、記録密度を高めた場合に、再生時の
フォーカシング及びトラッキングを安定して行うこと、
及び記録・消去に用いるレーザー光のパワーマージンを
拡大することは困難であった。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題に
鑑みてなされたものであり、再生時のフォーカシング及
びトラッキングを安定して行うことができ、かつ記録・
消去に使用可能なレーザー光のパワーマージンを拡大す
ることが可能な情報記録媒体を提供することを目的とす
る。
【0032】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、光透過性の基板、前記基板の一方の主面
上に形成された半透明干渉膜、前記半透明干渉膜上に形
成され、光ビームを照射することにより可逆的に相変化
して光学的特性に変化を生ずる記録膜、前記記録膜上に
形成された半透明反射層、前記半透明干渉膜と前記記録
膜との間に設けられ、前記記録膜よりも高い融点を有す
る光透過性の第1の保護膜、及び前記記録膜と前記半透
明反射層との間に設けられ、前記記録膜よりも高い融点
を有する光透過性の第2の保護膜を具備することを特徴
とする情報記録媒体を提供する。
【0033】上記情報記録媒体において好ましい態様を
以下に示す。 ・前記基板側から前記記録膜へ向けて光ビームを照射す
ることにより観測される反射率は、前記記録膜がより安
定な相にある場合に比べ、前記記録膜がより不安定な相
にある場合においてより高いこと。
【0034】・前記半透明反射層は、Au、Cu、A
g、及びこれらを主成分とする合金からなる群より選ば
れる材料から実質的になること。 ・前記記録膜はGeSbTe系合金から実質的になるこ
と。
【0035】・前記第1及び第2の保護膜の少なくとも
一方は、ZnS・SiO2 混合物、SiO2 、TiO
2 、及びAl23 からなる群より選ばれる材料から実
質的になること。
【0036】・前記半透明干渉膜は、Au、Ag、C
u、Si、Ge及びこれらを主成分とする合金からなる
群より選ばれる材料から実質的になること。 ・前記記録膜はGeSbTe系合金から実質的になり、
前記第1及び第2の保護膜はそれぞれZnS・SiO2
混合物から実質的になり、前記半透明干渉膜及び前記半
透明反射層はそれぞれAu、Cu、Ag、及びこれらを
主成分とする合金からなる群より選ばれる材料から実質
的になること。
【0037】・前記記録膜の厚さは35nm以下である
こと。 ・前記半透明干渉膜の厚さは80nm以下であること。 ・前記第1の保護膜の厚さd1 が下記不等式(1)また
は(2)に示す関係を満たし、前記第1の保護膜の厚さ
2 が下記不等式(3)または(4)に示す関係を満た
すこと。
【0038】・前記半透明反射層の厚さは30nm以下
であること。 ・前記記録膜はGeSbTe系合金から実質的になり、
前記第1及び第2の保護膜はそれぞれZnS・SiO2
混合物から実質的になり、前記半透明干渉膜及び前記半
透明反射層はそれぞれAu、Cu、Ag、及びこれらを
主成分とする合金からなる群より選ばれる材料から実質
的になり、前記半透明干渉膜の厚さは80nm以下であ
り、前記第1の保護膜の厚さd1 は下記不等式(1)ま
たは(2)に示す関係を満たし、前記記録膜の厚さは3
5nm以下であり、前記第1の保護膜の厚さd2 は下記
不等式(3)または(4)に示す関係を満たし、前記半
透明反射層の厚さは30nm以下であること。
【0039】・前記基板の一方の主面には、ランド部と
グルーブ部とが形成されたこと。 ・前記ランド部に対する前記グルーブ部の深さDは、下
記不等式(5)または(6)に示す関係を満たすこと。
【0040】・前記相変化は結晶質状態と非晶質状態と
の間の変化であること。 ・前記相変化は結晶質状態と非晶質状態との間の変化で
あり、前記記録膜の結晶質状態にある部分と、前記記録
膜の非晶質状態にある部分とで、前記光ビームの波長に
おける位相差が±45°以下であること。
【0041】 0.2・λ/n≦d1 ≦0.4・λ/n …(1) 0.7・λ/n≦d1 ≦0.9・λ/n …(2) 0.05・λ/n≦d2 ≦0.36・λ/n …(3) 0.54・λ/n≦d2 ≦0.86・λ/n …(4) 0.14・λ/n≦D≦0.2・λ/n …(5) 0.3・λ/n≦D≦0.4・λ/n …(5) なお、上記不等式(1)〜(6)において、λは前記光
ビームの波長を示し、nは前記第1及び第2の保護膜の
屈折率を示す。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照
しながらより詳細に説明する。図1に、本発明の実施形
態に係る情報記録媒体の断面図を示す。図1において、
情報記録媒体(光ディスク)1は、基板2上に、半透明
干渉膜3、第1の保護膜4、記録膜5、第2の保護膜
6、及び半透明反射層7が順次積層された構造を有して
いる。
【0043】上記光ディスク1において、基板2は、ポ
リメチルメタクリレート樹脂やポリカーボネート樹脂等
のプラスチック材料やガラス等のように、光透過性の材
料からなる。
【0044】記録膜5は、光照射により非晶質状態と結
晶質状態との間で可逆的に相変化する材料で構成される
ことが必要である。この記録膜5は、通常、35nm以
下の厚さに形成される。記録膜5を構成する材料として
は、例えば、GeSbTe系合金のようなカルコゲナイ
ド等を挙げることができる。
【0045】第1及び第2の保護膜4,6は、記録膜5
にレーザ光等を照射する際に記録膜5が蒸発するのを防
止するために設けられる。すなわち、第1及び第2の保
護膜4,6を設けることにより、記録膜5の穴明きを防
ぎ、記録膜5の耐熱保護を図ることができる。
【0046】第1及び第2の保護膜4,6に用いられる
材料としては、例えば、ZnS・SiO2 混合物、Si
2 、TiO2 、及びAl23 等の光透過性の誘電体
を挙げることができる。なお、上記光ディスク1におい
て、保護膜4,6は、半透明干渉膜3及び半透明反射層
7との相乗効果により再生信号を光学的にエンハンスす
るように設計されている。
【0047】半透明干渉膜4は、光ディスク1の光学的
干渉条件に影響を与え、保護膜6を薄く形成した場合に
おいても、記録時の反射率を未記録時に比べて高めるこ
とを可能とする。したがって、上記光ディスク1による
と、記録密度を高めた場合においても、再生時にフォー
カシング及びトラッキングを安定に行うことが可能であ
る。
【0048】半透明干渉膜3は、Au、Ag、Cu、S
i、Ge及びこれらを主成分とする合金等からなる。半
透明干渉膜3は、基板2側から照射されたレーザ光が記
録膜5へと到達可能である程度に薄い必要がある。ま
た、半透明干渉膜3は、半透明干渉膜3と半透明反射層
7との間で光の干渉を生じさせて再生信号をエンハンス
するために、ある程度の厚さを必要とする。したがっ
て、半透明干渉膜3は、通常、1〜30nm程度の厚さ
に形成される。
【0049】また、上記光ディスク1において、半透明
反射層7は、基板2側から照射されるレーザー光の一部
を透過させ、残りを反射するように形成される。ここ
で、半透明反射層7がレーザー光の一部を透過させるた
めには、半透明反射層7の光透過率が10%以上である
ことが必要であると定義する。
【0050】従来の光ディスクにおいては、上記半透明
反射層7の代わりに反射層が設けられていた。従来の光
ディスクにおける反射層は、基板2側から照射されるレ
ーザー光の全てを反射或いは吸収するものである。その
ため、従来の光ディスクにおいて所望の干渉条件を得る
ためには、基板と反射層との間に介在する層構成を制御
するより他はない。
【0051】それに対し、上記光ディスク1によると、
干渉条件を半透明反射層7の反射率或いは光透過率等で
制御することができる。また、半透明反射層7の反射率
或いは光透過率等は、半透明反射層7に用いる材料或い
はその膜厚により容易に制御可能である。
【0052】本発明者は、半透明反射層7の膜厚等と光
ディスク1の光学特性との関係を調べたところ、以下の
関係を見出した。すなわち、記録膜54の記録部と未記
録部との間の光吸収率の比は半透明反射層7の膜厚に殆
ど依存せず、それぞれの光吸収率は半透明反射層7の膜
厚に応じて変化するのである。
【0053】したがって、例えば、基板2上に形成する
半透明反射層7以外の層構成を最適化することにより記
録膜54の記録部と未記録部との間の光吸収率の比を所
望値に設定し、半透明反射層7の厚さを最適化すること
により所望の記録感度等を得ることができる。すなわ
ち、記録部と未記録部との間の光吸収率の比に殆ど影響
を与えることなく、記録・消去に使用可能なレーザー光
のパワーマージンを拡大することが可能となる。
【0054】上記光ディスク1において、半透明反射層
7に用いる材料は、複素屈折率n−ikの屈折率n及び
消衰係数kが下記不等式を満たすことが好ましい。 n≦0.5 k≧2 このような材料を用いた場合、半透明反射層7を均一な
厚さで形成し、かつ半透明反射層7の光透過率等を所望
値に制御することが可能となる。屈折率n及び消衰係数
kが上記不等式を満たす材料としては、例えば、Au、
Cu及びAg等の金属、或いはこれらを主成分とした合
金を挙げることができる。なお、上記材料を用いた場
合、半透明反射層7の厚さを30nm以下とすることに
より、上述した効果が顕著となる。
【0055】上記光ディスク1は、ランド部とグルーブ
部とに情報の記録を行うタイプであってもよい。この場
合、ランド部に対するグルーブ部の深さは、0.14λ
/n〜0.20λ/n或いは0.30λ/n〜0.40
λ/nであることが好ましい。ランド部に対するグルー
ブ部の深さを上記範囲内とした場合、隣接トラックから
の信号のもれ込み(クロストーク)量を少なくすること
ができる。なお、nは保護膜4,6の屈折率であり、λ
は記録・消去に用いるレーザー光の波長である。
【0056】また、光ディスク1を上記タイプとした場
合、記録部と未記録部とでの反射光の位相差が±45°
以下となるように層構成を制御することが好ましい。位
相差を上記範囲内とすることにより、ランド部及びグル
ーブ部の信号振幅を揃えることが可能となる。
【0057】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (実施例1)図1に示す光ディスク1について、その光
学的特性と各層の膜厚との関係を以下に示す方法により
調べた。
【0058】図2は、本発明の実施例に係る光ディスク
の保護膜の厚さと反射率変化量との関係を示すグラフで
ある。図中、横軸は第1の保護膜4の厚さにn/λを乗
じた数値を示し、縦軸は第2の保護膜6の厚さにn/λ
を乗じた数値を示し、等高線に付された数値は、未記録
時に対する記録時の反射率変化量を示している。なお、
nは保護膜4,6の屈折率であり、λは記録・消去に用
いるレーザー光の波長(660nm)である。
【0059】また、図2に示すデータは、半透明干渉膜
3を厚さ10nmのAu膜とし、記録膜5を厚さ10n
mのGeSbTe膜とし、半透明反射層7を厚さ30n
mのAu膜とした場合に得られたものである。
【0060】図2から明らかなように、第1の保護膜4
の膜厚が0.2・λ/n〜0.4・λ/n及び0.7・
λ/n〜0.9・λ/nのいずれか一方の範囲内にあ
り、かつ第2の保護膜6の膜厚が0.05・λ/n〜
0.36・λ/n及び0.54・λ/n〜0.86・λ
/nのいずれか一方の範囲内にある場合に、大きな反射
率変化量を得ることができる。このように、保護膜4,
6の膜厚に応じて反射率変化量が変化する理由は、基板
2側から入射したレーザー光が各層界面で多重反射を起
こすためである。
【0061】次に、図2に関して説明したのと同条件下
で、記録部の光吸収率に対する未記録部の光吸収率の比
を調べた。その結果を図3に示す。図3は、本発明の実
施例に係る光ディスクの保護膜の厚さと記録部に対する
未記録部の光吸収率の比との関係を示すグラフである。
図中、横軸は第1の保護膜4の厚さにn/λを乗じた数
値を示し、縦軸は第2の保護膜6の厚さにn/λを乗じ
た数値を示し、等高線に付された数値は、記録部に対す
る未記録部の光吸収率の比を示している。
【0062】図3から明らかなように、保護膜4,6の
厚さを図2において大きな反射率変化量が得られた範囲
内とした場合、記録部(非晶質部)に対する未記録部
(結晶質部)の光吸収率の比を1より大きくすることが
できる。上述したように、非晶質部に比べて、結晶質部
を溶融するにはより大きな熱量を必要とする。したがっ
て、非晶質部に対する結晶質部の光吸収率の比を1より
大きくした場合、それぞれをほぼ同じ速度で昇温するこ
とができる。すなわち、記録部及び未記録部間における
記録マークのサイズばらつきを低減することが可能とな
る。
【0063】次に、図1に示す光ディスク1について、
半透明干渉膜3の膜厚と半透明反射層7の膜厚とが、記
録膜5の記録部に対する未記録部の光吸収率に与える影
響を調べた。また、半透明干渉膜3の膜厚と半透明反射
層7の膜厚とが、記録膜5の未記録部の光吸収率に与え
る影響を調べた。なお、ここでは、記録膜5を厚さ10
nmのGeSbTe膜とし、第1の保護膜4の厚さにn
/λを乗じた数値を0.1とし、第2の保護膜6の厚さ
にn/λを乗じた数値を0.3とした。図4及び図5に
その結果を示す。
【0064】図4は、本発明の実施例に係る光ディスク
の半透明干渉膜及び半透明反射層の厚さと、記録部に対
する未記録部の光吸収率の比との関係を示すグラフであ
る。図中、横軸は半透明干渉膜3の膜厚を示し、縦軸は
半透明反射層7の膜厚を示し、曲線に付された数値は、
記録部に対する未記録部の光吸収率の比を示している。
【0065】図5は、本発明の実施例に係る光ディスク
の半透明干渉膜及び半透明反射層の厚さと、未記録部の
光吸収率との関係を示すグラフである。図中、横軸は半
透明干渉膜3の膜厚を示し、縦軸は半透明反射層7の膜
厚を示し、曲線に付された数値は未記録部の光吸収率を
示している。
【0066】図4から明らかなように、記録部に対する
未記録部の光吸収率の比は、半透明干渉膜3の膜厚に応
じて変化するが、半透明反射層7の膜厚には殆ど依存し
ていない。一方、図5から明らかなように、半透明反射
層7の膜厚を5〜30nmの間で変化させることによ
り、記録部の光吸収率を0.65〜0.9の間で変化さ
せることができる。
【0067】以上から、記録の線速度、記録パルスの時
間及びそのパワーに応じて半透明反射層7の膜厚を設定
することにより、記録部と未記録部との間の光吸収率の
比に殆ど影響を与えることなく、最適な記録感度を得る
ことができることが確認された。
【0068】(実施例2)以下に示す方法により、図1
に示す光ディスク1を以下に作製し、半透明反射層7の
厚さと記録・消去特性との関係を調べた。
【0069】まず、表面に渦巻線状の溝が形成された直
径90mm、厚さ0.6mmのポリカーボネート製円盤
ディスク2上に、Auからなる厚さ10nmの半透明干
渉膜3を成膜した。次に、半透明干渉膜3上に、ZnS
とSiO2 との混合物からなる保護膜4を93nmの厚
さに形成した。なお、保護膜4の厚さ93nmは、0.
3・λ/n(λはレーザー光の波長、nは保護膜4の屈
折率)に相当する。
【0070】次に、保護膜4上に、GeSbTeからな
る記録膜5を30nmの厚さに形成した。記録膜5中の
Ge、Sb、Teの原子比は、2:2:5とした。記録
膜5上に、ZnSとSiO2 との混合物からなる保護膜
6を31nm(0.1・λ/n)の厚さに形成し、保護
膜6上にAuからなる半透明反射層7を100nmの厚
さに形成した。なお、基板2上への成膜には全て真空ス
パッタリング法を用いた。
【0071】さらに、半透明反射層7上に、基板2と同
様のポリカーボネート製円盤ディスクを紫外線硬化樹脂
を用いて接着することにより、光ディスク1を得た。以
上のようにして作製した光ディスク1をサンプル(1)
とする。
【0072】次に、半透明反射層7を10nmの厚さに
形成したこと以外はサンプル(1)に関して説明したの
と同様にして光ディスク1を作製した。以上のようにし
て作製した光ディスク1をサンプル(2)とする。
【0073】上述した方法により作製したサンプル
(1),(2)の記録・消去特性を図6に示す装置を用
いて調べた。図6は、本発明の実施例において用いられ
る光ディスクドライブ装置を概略的に示す図である。
【0074】図6に示すように、光ディスク1は、スピ
ンドルモータ32の回転軸に保持される。光ディスク1
は、スピンドルモータ32の回転数を制御することによ
り、所定の回転数で回転される。
【0075】入力装置36から入力される信号は、変調
回路35において“1”または“0”の信号へとデジタ
ル化される。変調回路35からのデジタル信号はレーザ
ドライバ37へと送られ、光学ヘッド33から出射され
るレーザー光のON/OFFを制御する。これにより、
ディスク1上へのデータの書込みが行われる。
【0076】ディスク1に所定のパワーのレーザー光を
照射することにより得られる再生信号は、光学ヘッド3
3に接続されたプリアンプ38で増幅される。増幅され
た再生信号は、次に2値化回路39において、アナログ
信号からデジタル信号へとデジタル化される。デジタル
化された再生信号は、さらに復調回路40において復調
され、アナログ信号として出力装置41へと出力され
る。
【0077】なお、図6において、制御系43は、レー
ザドライバ37を介して光学ヘッド33から出射される
レーザ光強度を制御したり、例えば、リニアモータ駆動
制御系46を介してリニアモータ34を駆動することに
より光学ヘッド33を所望の位置に制御するのに用いら
れる。また、制御系43は、フォーカス駆動制御系44
やトラック駆動制御系45を介して、光学ヘッド33に
設けられた対物レンズアクチュエータを駆動することに
より、ディスク1の面振れやトラックの偏心に追従する
ように対物レンズの位置を制御するのに用いられる。
【0078】以上のように構成される光ディスクドライ
ブ装置30を用いてサンプル(1),(2)の記録・消
去特性を測定するのに先立ち、サンプル(1),(2)
の記録膜を、それぞれアルゴンレーザーを用いて結晶化
させた。
【0079】次に、図6に示す光ディスクドライブ装置
30を用い、スピンドルモータ32の回転数を1800
rpmに制御して、サンプル(1),(2)に情報を記
録した。なお、この記録は、記録信号を単一信号とし、
記録マーク長が0.6μmとなるように行った。
【0080】上記サンプル(1),(2)は、未記録時
に比べて記録時に反射率が上昇するタイプであるので、
記録の前及び後のいずれにおいてもフォーカシング及び
トラッキングを安定して行うことができた。また、未記
録部の反射率は11%であり、記録部の反射率は35%
であった。
【0081】次に、上記サンプル(1),(2)につい
て、信号対雑音比(CNR値)と、記録に用いるレーザ
ー光のパワーとの関係を調べた。なお、この記録は、記
録信号を単一信号とし、レーザー光のパワーを12mW
とした場合に、長さ0.6μmの記録マークが形成され
るように行った。
【0082】また、上記サンプル(1),(2)に、記
録マーク長が0.6μmとなるように12mWのレーザ
ー光を照射して記録を行い、この記録の消去に用いるレ
ーザー光のパワーと、記録の消去率との関係を調べた。
なお、消去率は、上記記録直後のCNR値を、記録を消
去した後のCNR値で減じることにより得られる値であ
る。これらの結果を、下記表1,2に示す。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】上記表1から明らかなように、サンプル
(1)においては、CNR値はレーザー光のパワーに応
じて変化した。それに対し、サンプル(2)において
は、レーザー光のパワーを12mW以上とすることによ
り、CNR値の変化は飽和に達した。すなわち、サンプ
ル(1)に比べてサンプル(2)の方が、レーザー光パ
ワーが記録特性に与える影響は少ないといえる。
【0086】また、表2から明らかなように、サンプル
(1)に比べ、サンプル(2)において、より大きな消
去率を得ることができた。また、サンプル(2)におい
ては、消去を可能とするレーザー光のパワー範囲がサン
プル(1)に比べて拡大されている。
【0087】以上から、本発明の実施例に係る光ディス
クによると、半透明反射層7の厚さを適切に設定するこ
とにより、記録・消去に使用可能なレーザー光のパワー
マージンを拡大することが可能となる。
【0088】(比較例)半透明反射層7の代わりに、A
lからなる反射層を100nmの厚さに形成したこと以
外は実施例2においてサンプル(1)に関して説明した
のと同様にして光ディスクを作製した。以上のようにし
て作製した光ディスクを比較用サンプル(2)とする。
【0089】さらに、半透明反射層7の代わりに、Al
からなる反射層を10nmの厚さに形成したこと以外は
実施例2においてサンプル(1)に関して説明したのと
同様にして光ディスクを作製した。以上のようにして作
製した光ディスクを比較用サンプル(2)とする。
【0090】なお、比較用サンプル(1),(2)の反
射層は、いずれも光透過性を有していない。Alを用い
て半透明反射層を形成しようと試みた場合、膜厚を極め
て薄く制御しなければならない。しかしながら、Alを
用いて、そのように極めて薄い半透明反射層を均一な厚
さに形成することは現実的には不可能である。
【0091】次に、比較用サンプル(1),(2)の記
録膜を、それぞれアルゴンレーザーを用いて結晶化させ
た後、図6に示す光ディスクドライブ装置30を用い、
スピンドルモータ32の回転数を1800rpmに制御
して、情報を記録した。なお、この記録は、記録信号を
単一信号とし、記録マーク長が0.6μmとなるように
行った。
【0092】上記比較用サンプル(1),(2)は、未
記録時に比べて記録時に反射率が上昇するタイプである
ので、記録の前及び後のいずれにおいてもフォーカシン
グ及びトラッキングを安定して行うことができた。ま
た、未記録部の反射率は10%であり、記録部の反射率
は32%であった。
【0093】次に、上記比較用サンプル(1),(2)
について、信号対雑音比(CNR値)と、記録に用いる
レーザー光のパワーとの関係を調べた。なお、この記録
は、記録信号を単一信号とし、レーザー光のパワーを1
2mWとした場合に、長さ0.6μmの記録マークが形
成されるように行った。
【0094】また、上記比較用サンプル(1),(2)
に、記録マーク長が0.6μmとなるように12mWの
レーザー光を照射して記録を行い、この記録の消去に用
いるレーザー光のパワーと、記録の消去率との関係を調
べた。なお、消去率は、上記記録直後のCNR値を、記
録を消去した後のCNR値で減じることにより得られる
値である。これらの結果を、下記表3,4に示す。
【0095】
【表3】
【0096】
【表4】
【0097】上記表3から明らかなように、比較用サン
プル(1),(2)の双方において、CNR値はレーザ
ー光のパワーに応じて変化し、飽和に達することはなか
った。すなわち、比較用サンプル(1),(2)におい
ては、レーザー光パワーが記録特性に与える影響は大き
いといえる。
【0098】また、表4から明らかなように、比較用サ
ンプル(1),(2)においては、実施例2のサンプル
(2)程の大きな消去率を得ることができなかった。ま
た、比較用サンプル(1),(2)においては、消去を
可能とするレーザー光のパワー範囲が実施例2のサンプ
ル(2)に比べて狭いものであった。
【0099】さらに、表3及び表4から明らかなよう
に、比較用サンプル(1),(2)からは、ほぼ同じデ
ータが得られた。以上から、比較用サンプル(1),
(2)によると、例え、反射層の膜厚を変えたとして
も、記録・消去に使用可能なレーザー光のパワーマージ
ンを拡大することが困難であることが明らかになった。
【0100】
【発明の効果】以上示したように、本発明の情報記録媒
体は半透明干渉膜を有している。半透明干渉膜は、情報
記録媒体の光学的干渉条件に影響するため、保護膜を薄
く形成し、かつ記録時の反射率を未記録時に比べて高め
ることができる。すなわち、記録密度を高めた場合にお
いても、再生時にフォーカシング及びトラッキングを安
定に行うことが可能である。また、本発明の情報記録媒
体には、反射層の代わりに半透明反射層が設けられる。
半透明反射層を用いた場合、その反射率や透過率等を制
御することにより、記録膜の記録部と未記録部との間の
光吸収率の比に影響を与えることなく、記録・消去に使
用可能なレーザー光のパワーマージンを拡大することが
可能となる。
【0101】すなわち、本発明によると、再生時のフォ
ーカシング及びトラッキングを安定して行うことがで
き、かつ記録・消去に使用可能なレーザー光のパワーマ
ージンを拡大することが可能な情報記録媒体が提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る情報記録媒体を示す断
面図。
【図2】本発明の実施例に係る光ディスクの保護膜の厚
さと反射率変化量との関係を示すグラフ。
【図3】本発明の実施例に係る光ディスクの保護膜の厚
さと記録部に対する未記録部の光吸収率の比との関係を
示すグラフ。
【図4】本発明の実施例に係る光ディスクの半透明干渉
膜及び半透明反射層の厚さと、記録部に対する未記録部
の光吸収率の比との関係を示すグラフ。
【図5】本発明の実施例に係る光ディスクの半透明干渉
膜及び半透明反射層の厚さと、未記録部の光吸収率との
関係を示すグラフ。
【図6】本発明の実施例において用いられる光ディスク
ドライブ装置を概略的に示す図。
【図7】従来の相変化型光ディスクを示す断面図。
【図8】オーバーライト記録に必要なレーザ光のパワー
を示すグラフ。
【図9】ランド/グルーブ記録法を概略的に示す図。
【図10】保護膜の厚さと反射率との関係の一例を示す
グラフ。
【図11】マーク長記録方式を概略的に示す図。
【符号の説明】
1,51…光ディスク 2,52…基板 3…半透明干渉膜 4,6,53,55…保護膜 5,54…記録膜 7…半透明反射層 30…光ディスクドライブ装置 32…スピンドルモータ 33…光学ヘッド 34…リニアモータ 35…変調回路 36…入力装置 37…レーザドライバ 38…プリアンプ 39…2値化回路 40…復調回路 41…出力装置 43…制御系 44…フォーカス駆動制御系 45…トラック駆動制御系 46…リニアモータ駆動制御系 56…反射層 57〜59…曲線 60〜63…記録マーク 61…ランド部 62…グルーブ部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光透過性の基板と、 前記基板の一方の主面上に形成された半透明干渉膜と、 前記半透明干渉膜上に形成され、光ビームを照射するこ
    とにより可逆的に相変化して光学的特性に変化を生ずる
    記録膜と、 前記記録膜上に形成された半透明反射層と、 前記半透明干渉膜と前記記録膜との間に設けられ、前記
    記録膜よりも高い融点を有する光透過性の第1の保護膜
    と、 前記記録膜と前記半透明反射層との間に設けられ、前記
    記録膜よりも高い融点を有する光透過性の第2の保護膜
    とを具備することを特徴とする情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記基板側から前記記録膜へ向けて光ビ
    ームを照射することにより観測される反射率は、前記記
    録膜が安定な相にある場合に比べ、前記記録膜がより不
    安定な相にある場合においてより高いことを特徴とする
    請求項1に記載の情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記半透明反射層は、Au、Cu、A
    g、及びこれらを主成分とする合金からなる群より選ば
    れる材料から実質的になることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記記録膜はGeSbTe系合金から実
    質的になることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2の保護膜の少なくとも
    一方は、ZnS・SiO2 混合物、SiO2 、TiO
    2 、及びAl23 からなる群より選ばれる材料から実
    質的になることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の情報記録媒体。
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