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JP2000025730A - ポリカーボネート製容器 - Google Patents

ポリカーボネート製容器

Info

Publication number
JP2000025730A
JP2000025730A JP21033598A JP21033598A JP2000025730A JP 2000025730 A JP2000025730 A JP 2000025730A JP 21033598 A JP21033598 A JP 21033598A JP 21033598 A JP21033598 A JP 21033598A JP 2000025730 A JP2000025730 A JP 2000025730A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polycarbonate
ppm
less
container according
container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21033598A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Sugano
龍也 菅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP21033598A priority Critical patent/JP2000025730A/ja
Publication of JP2000025730A publication Critical patent/JP2000025730A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形加工が容易で、透明性及び色相に優れ、
しかも熱安定性に優れたポリカーボネート製容器を得
る。 【解決手段】 ポリカーボネート製容器は、フェノール
性末端基濃度が5モル%以上のポリカーボネートからな
る。前記ポリカーボネートの粘度平均分子量は1800
0〜40000程度であり、分子量分布は2.0〜3.
8程度である。このようなポリカーボネートは、芳香族
ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを、例えば含窒
素塩基性化合物などの塩基性エステル交換触媒の存在下
で溶融重縮合させることにより得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飲食物、医薬品、
その他各種物品を包装、充填するためのポリカーボネー
ト製容器に関する。
【0002】
【従来の技術】飲食物等の容器としてポリエチレンテレ
フタレート(以下、PETと略称する)を材料とする容
器が広く用いられている。しかし、PETは機械的強
度、透明性、保香性などに優れるものの、滅菌などの目
的で加熱処理を行うと、結晶化が進行し白濁化する。ま
た、アルカリ洗浄液などで洗浄すると容易に加水分解し
て変質、劣化するため、リターナブル容器として使用す
ることは困難である。また、衝撃強度が小さいため、大
型のボトル用などには使用できない。飲食物等の容器と
してポリエチレン製の容器も使用されている。ポリエチ
レンは、安価で耐アルカリ性に優れるという特徴を有す
るものの、耐熱性が低いという短所を有する。
【0003】一方、ポリカーボネートは、透明性、機械
的強度(特に衝撃強度)、保香性及び耐熱性に優れると
ともに、滅菌処理などの加熱処理を行っても、白濁しな
い。また、アルカリ洗浄液などで洗浄しても、PETと
比較して変質や劣化の度合いが小さい。そのため、ポリ
カーボネート製の容器が次第に利用されるようになって
きている。しかし、成形して容器を製造する場合、ポリ
カーボネートは一般に溶融粘度が高いため、成形加工性
が低いという問題がある。また、溶融粘度を低くするた
め、成形温度を高くすると、得られる容器の着色の度合
いが著しくなる。また、成形して得られた容器を長期間
使用した場合には、透明性や色相が悪化するとともに、
熱により劣化しやすくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、成形加工が容易で、透明性及び色相に優れ、しかも
熱安定性に優れたポリカーボネート製容器を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討した結果、フェノール性末端基
濃度が特定の範囲にあるポリカーボネートで容器を構成
すると、成形加工が容易となるだけでなく、成形の際の
着色及び成形して得られた容器の経時的な特性低下を抑
制できることを見出し、本発明を完成した。すなわち、
本発明は、フェノール性末端基濃度が5モル%以上のポ
リカーボネートからなるポリカーボネート製容器を提供
する。なお、本明細書において、「ppm」とは重量基
準の値を意味する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のポリカーボネート製容器
の特徴は、全末端基に対するフェノール性末端基濃度が
5モル%以上(5〜100モル%)のポリカーボネート
で構成されている点にある。前記フェノール性末端基濃
度は、好ましくは8モル%以上(例えば8〜50モル%
程度)、さらに好ましくは10モル%以上(例えば10
〜40モル%程度)であり、5〜30モル%(特に8〜
25モル%)程度である場合が多い。フェノール性末端
基濃度は、13C−NMRやFT−IRなどを用いること
により測定できる。ポリカーボネートのフェノール性末
端基濃度が5%未満の場合には、成形加工性が低く、し
かも成形加工により得られる容器が着色しやすい。ま
た、このような容器は、熱により劣化しやすい。これに
対し、フェノール性末端基濃度が5%以上のポリカーボ
ネートで容器を構成すると、溶融時の流動性が高いため
成形加工が容易になるだけでなく、成形して得られる容
器の色相に優れるとともに熱安定性も高い。
【0007】本発明の容器を構成するポリカーボネート
は、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを、
エステル交換触媒の存在下でエステル交換反応させるこ
とにより製造できる。なお、いわゆるホスゲン法により
得られる一般的なポリカーボネートにおいては、フェノ
ール性末端基濃度は5モル%未満である。
【0008】[芳香族ジヒドロキシ化合物]芳香族ジヒ
ドロキシ化合物には下記式(1)で表される化合物が含
まれる。
【化1】 (式中、Aは、単結合、フェニル基で置換されていても
よく、また炭素原子間にフェニレン基を介していてもよ
い炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン
基、2価の環状炭化水素基、−O−、−S−、−CO
−、−SO−又は−SO2−を示し、X及びYは、ベン
ゼン環上の置換基であり、同一又は異なって、ハロゲン
原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示し、m及びn
は、同一又は異なって、0〜4の整数を示す) 上記式(1)で表される化合物の代表的な例としては、
4,4′−ジヒドロキシビフェニルなどのジヒドロキシ
ビフェニル類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1
−ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−2−フェニルエタン、2,2−ビ
ス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−
イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシ−3−s−ブチルフェニル)プロパン、2,
2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t
−ブチルフェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシア
リール)アルカン類;1,1′−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,1′−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピル
ベンゼンなどのビス(ヒドロキシアリール)ジアルキル
ベンゼン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリール)
シクロアルカン類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)エ
ーテルなどのビス(ヒドロキシアリール)エーテル類;
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィドなどのビス
(ヒドロキシアリール)スルフィド類;ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ケトンなどのビス(ヒドロキシアリー
ル)ケトン類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホ
キシドなどのビス(ヒドロキシアリール)スルホキシド
類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのビ
ス(ヒドロキシアリール)スルホン類などが挙げられ
る。
【0009】また、芳香族ジヒドロキシ化合物として、
前記式(1)で表される化合物のほか、ジヒドロキシベ
ンゼン、ジヒドロキシナフタレンなどを使用することも
できる。芳香族ジヒドロキシ化合物は、単独で用いても
よく、また、共重合体を得るため2種以上を併用しても
よい。
【0010】[炭酸ジエステル]炭酸ジエステルとして
は、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、
ビス(2−クロロフェニル)カーボネート、ビス(3−
クロロフェニル)カーボネート、ビス(4−クロロフェ
ニル)カーボネート、ビス(2,4,6−トリクロロフ
ェニル)カーボネート、ジ(m−クレジル)カーボネー
ト、ジナフチルカーボネートなどのジアリールカーボネ
ート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、
ジブチルカーボネートなどのジアルキルカーボネート;
ジシクロヘキシルカーボネートなどのジシクロアルキル
カーボネートなどが挙げられる。これらのなかでも、ジ
フェニルカーボネートなどのジアリールカーボネートが
好ましい。
【0011】なお、前記炭酸ジエステルと共に、ジカル
ボン酸又はジカルボン酸エステルを用いることもでき
る。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタ
レンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸が挙げられ
る。ジカルボン酸エステルとしては、テレフタル酸ジフ
ェニル、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジフェニ
ルなどの前記芳香族カルボン酸のエステル(特に、芳香
族カルボン酸アリールエステル)などが挙げられる。ジ
カルボン酸及びジカルボン酸エステルは、単独で又は2
種以上を混合して用いることができる。ジカルボン酸又
はジカルボン酸エステルの使用量は、前記炭酸ジエステ
ルとジカルボン酸又はジカルボン酸エステルの総量に対
して、例えば0〜50モル%、好ましくは0〜30モル
%程度である。
【0012】ジカルボン酸又はジカルボン酸エステルを
炭酸ジエステルと併用した場合には、ポリエステルポリ
カーボネートが得られる。本発明のポリカーボネートに
は、このようなポリエステルポリカーボネートも含まれ
る。
【0013】成形加工により得られる容器の着色を防止
するため、反応に用いる炭酸ジエステルに含まれる特定
の不純物の含有量をできるだけ小さくするのが好まし
い。例えば、炭酸ジエステル中の塩化物イオン濃度(加
水分解により生成可能な塩化物イオンを含む)は4pp
m以下、ナトリウムイオン濃度は1ppm以下、鉄イオ
ン濃度は1ppm以下、銅イオン濃度は1ppm以下、
スズイオン濃度は5ppm以下、リン濃度(リン原子と
して)は20ppm以下、サリチル酸フェニル、o−フ
ェノキシ安息香酸及びo−フェノキシ安息香酸フェニル
の合計濃度は50ppm以下、メチルフェニルカーボネ
ート濃度は50ppm以下である。なお、加水分解によ
り生成可能な塩化物イオンとは、例えばフェニルクロロ
フォーメートなどの含塩素有機化合物を加水分解した際
に生成し得る塩化物イオンを意味する。
【0014】上記の不純物は、例えば、(1)炭酸ジエ
ステルを熱水又は弱塩基性水溶液で洗浄したり、(2)
炭酸ジエステルに尿素を加えて加熱溶融処理したり、
(3)炭酸ジエステルに、アルカリ金属又はアルカリ土
類金属の塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリ
ウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウムな
ど)を加えて減圧蒸留することにより除去できる。
【0015】また、炭酸ジエステル中の水分は0.3重
量%以下であるのが好ましい。水分が多いと、ポリカー
ボネートの製造時に炭酸ジエステルが加水分解して、ポ
リマーの重合度が上がりにくくなる。
【0016】ポリカーボネートのフェノール性末端基濃
度の調節は、例えば、前記芳香族ジヒドロキシ化合物と
炭酸ジエステルとのモル比を変化させたり、反応系にお
ける揮発成分の還流条件を変化させることにより行うこ
とができる。例えば、炭酸ジエステルの芳香族ジヒドロ
キシ化合物に対するモル比を低くすればするほど、生成
するポリカーボネートのフェノール性末端基濃度は高く
なる。
【0017】炭酸ジエステルの使用量は、芳香族ジヒド
ロキシ化合物1モルに対して、例えば0.95〜1.2
モル、好ましくは0.97〜1.1モル、さらに好まし
くは0.98〜1.05モル程度の範囲から選択でき
る。
【0018】[エステル交換触媒]芳香族ジヒドロキシ
化合物と炭酸ジエステルとの反応は、エステル交換触媒
の存在下で進行する。エステル交換触媒としては、公知
のエステル交換触媒の何れを用いることもできる。エス
テル交換触媒は単独で又は2種以上混合して使用でき
る。好ましいエステル交換触媒には、塩基性触媒が含ま
れる。塩基性触媒として、例えば、含窒素塩基性化合
物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物など
が挙げられる。塩基性触媒は単独で又は2種以上組み合
わせて使用できる。
【0019】含窒素塩基性化合物には、電子供与性含窒
素複素環化合物又はその塩、鎖状アミン類又はその塩、
アンモニウムヒドロキシド類等が含まれる。
【0020】電子供与性含窒素複素環化合物の代表的な
例としては、2−アミノピリジン、4−アミノピリジ
ン、2−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシピリジ
ン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、4
−ジメチルアミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジ
ン、4−ピロリジノピリジン、4−(4−メチルピロリ
ジニル)ピリジン、4−(4−メチル−1−ピペリジニ
ル)ピリジンなどのピリジン類;アミノキノリンなどの
キノリン類;イミダゾール、2−ジメチルアミノイミダ
ゾール、2−メトキシイミダゾール、2−メチルイミダ
ゾール、4−メチルイミダゾール、2−メルカプトイミ
ダゾールなどのイミダゾール類;ベンズイミダゾールな
どのベンズイミダゾール類;ジアザビシクロオクタン
(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.
0]−7−ウンデセン(DBU)などの環状アミン類
(特に、橋頭位に窒素原子を有する多環式アミン類)な
どが挙げられる。鎖状アミン類としては、トリメチルア
ミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリンな
どの第3級アミン;ジメチルアミン、ジエチルアミン、
N−メチルアニリンなどの第2級アミン;メチルアミ
ン、エチルアミン、ベンジルアミン、アニリンなどの第
1級アミンなどが挙げられる。アンモニウムヒドロキシ
ド類としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げ
られる。電子供与性含窒素複素環化合物及び鎖状アミン
類の塩としては、ギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩などの有
機酸塩;炭酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、リン酸
塩、フッ化ホウ素酸塩、水素化ホウ素化物などの無機酸
塩などが例示できる。
【0021】含窒素塩基性化合物のなかでも、特に、電
子供与性含窒素複素環化合物及びその塩から選択された
1種又は2種以上の組み合わせが好ましい。
【0022】アルカリ金属化合物の代表例としては、水
酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化セシウムなどの水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどの炭酸塩;炭
酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ムなどの炭酸水素塩;ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウ
ム、ホウ酸カリウムなどのホウ酸塩;水素化ホウ素リチ
ウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム
などの水素化ホウ素化物;リン酸水素二リチウム、リン
酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウムなどのリン
酸水素二塩;酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリ
ウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウ
ム、ステアリン酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香
酸ナトリウム、安息香酸カリウムなどの有機酸塩;リチ
ウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエ
トキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、
セシウムメトキシドなどのアルコキシド;ビスフェノー
ルAの二リチウム塩、ビスフェノールAの二ナトリウム
塩、ビスフェノールAの二カリウム塩、フェノールのリ
チウム塩、フェノールのナトリウム塩、フェノールのカ
リウム塩、フェノールのセシウム塩などのフェノール類
との塩などが挙げられる。これらのアルカリ金属化合物
のうち、水酸化リチウム、ホウ酸リチウムなどのリチウ
ム化合物などが好ましい。また、好ましいアルカリ金属
化合物には、ホウ酸アルカリ金属塩及び酢酸アルカリ金
属塩、特にホウ酸アルカリ金属塩が含まれる。
【0023】アルカリ土類金属化合物の代表例として
は、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ス
トロンチウム、水酸化バリウムなどの水酸化物;炭酸マ
グネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭
酸バリウムなどの炭酸塩;ホウ酸マグネシウム、ホウ酸
カルシウム、ホウ酸ストロンチウム、ホウ酸バリウムな
どのホウ酸塩;酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢
酸ストロンチウム、酢酸バリウム、ステアリン酸マグネ
シウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ストロ
ンチウム、ステアリン酸バリウムなどの有機酸塩などが
挙げられる。これらのアルカリ土類金属化合物のなかで
も、ホウ酸マグネシウムなどのホウ酸アルカリ土類金属
塩が好ましい。
【0024】エステル交換触媒としては、上記のほか、
例えば、ホウ酸アンモニウム;ホウ酸銅、ホウ酸マンガ
ンなどのホウ酸遷移金属塩;テトラブチルホスホニウム
ヒドロキシド、テトラフェニルホスホニウムヒドロキシ
ドなどのホスホニウムヒドロキシド類などを使用するこ
ともできる。
【0025】成形により得られる容器の色相の点から、
好ましいエステル交換触媒には、含窒素塩基性化合物
(特に、電子供与性含窒素複素環化合物又はその塩)、
又は前記含窒素塩基性化合物とアルカリ金属化合物また
はアルカリ土類金属化合物とを組み合わせた触媒が含ま
れる。エステル交換触媒の使用量は、芳香族ジヒドロキ
シ化合物1モルに対して、例えば、10-9〜10-1
ル、好ましくは10-8〜10-2モル程度である。
【0026】エステル交換触媒として塩基性触媒を用い
る場合には、塩基性触媒の中和剤を併用するのが好まし
い。中和剤を使用することにより、成形時の着色や、成
形により得られた容器の経時的な色相の悪化を顕著に防
止できる。
【0027】中和剤としては、酸、酸の酸性塩、エステ
ルなどの酸性物質又はその等価体を使用できる。特に、
中和剤として、弱酸、酸性を示す弱酸の塩又は弱酸の酸
性塩、弱酸のエステルなどの弱酸性物質又はその等価体
が好ましい。前記弱酸として、例えば、ホウ酸、亜リン
酸などの無機酸;酢酸などの有機酸などが挙げられる。
また、前記酸性を示す弱酸の塩又は弱酸の酸性塩として
は、亜リン酸水素アンモニウムなどの亜リン酸水素塩な
どが挙げられる。特に好ましい中和剤には、ホウ酸、亜
リン酸水素塩(特に、亜リン酸水素アンモニウム)など
が含まれる。中和剤は、単独で又は2種以上を組み合わ
せて使用できる。
【0028】中和剤の使用量は、前記エステル交換触媒
1モルに対して、例えば10-5〜103モル、好ましく
は10-3〜102モル程度である。中和剤は、エステル
交換反応工程又は反応後の任意の時点で添加できる。
【0029】また、エステル交換反応(重縮合反応)に
おいて、末端封止剤として、種々のフェノール類、炭酸
ジエステル類などを使用できる。フェノール類として
は、例えば、p−フェニルフェノール、p−クミルフェ
ノール、p−t−ブチルフェノールなどが挙げられる。
また、末端封止剤としての炭酸ジエステルには、2−メ
トキシカルボニル−5−t−ブチルフェニルフェニルカ
ーボネートなどが含まれる。末端封止剤の使用量は、芳
香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、例えば0〜
0.1モル、好ましくは0〜0.07モル程度である。
【0030】[エステル交換反応(重縮合反応)]芳香
族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとのエステル交
換反応(重縮合反応)は、公知乃至慣用の方法により行
うことができる。例えば、副生するヒドロキシ化合物を
減圧下に留去しつつ、反応温度100〜300℃(好ま
しくは130〜280℃)の範囲で前記反応成分を反応
させることによりポリカーボネートを得ることができ
る。ポリカーボネートの製造工程は、粘度平均分子量4
000〜15000程度のプレポリマーを生成させる前
重縮合工程と、さらに重縮合反応を進行させて、粘度平
均分子量18000〜40000程度の高分子量ポリカ
ーボネートを生成させる後重縮合工程とで構成される場
合が多い。前記各工程は、連続式、回分式、及び半回分
式の何れの方法で行うこともできる。
【0031】反応装置は、反応の進行に伴う反応液の粘
度に応じて、竪型反応器及び横型反応器を適宜組み合わ
せて使用できる。なお、芳香族ジヒドロキシ化合物など
の酸性物質により鉄成分が溶出するのを防止するため、
製造装置、例えば反応器(特に、前重縮合工程に用いる
反応器)の少なくとも接液部を鉄成分(鉄として)20
重量%以下、好ましくは10重量%以下、さらに好まし
くは5重量%以下の材質とするのが好ましい。例えば、
製造装置(特に、反応器)の材質として、ハステロイ、
ニッケル、チタン、ジルコニウム、モリブデン、タンタ
ル、これらの合金、フッ素化樹脂、ポリオレフィン系樹
脂などの樹脂、ガラスなどを用いたり、製造装置の内部
を前記材料でライニングするのが望ましい。特に、ニッ
ケル製(ニッケルライニングを含む)又はハステロイ製
が好ましい。
【0032】上記エステル交換法により得られるポリカ
ーボネートは、一般に、分子量分布が広く、低分子量の
ポリマー(オリゴマーなど)の含有量が多い。そのため
か、溶融時の流動性が高く、成形加工性をより向上でき
る。また、成形温度を低くできることから、成形時の着
色を抑制できる。ポリカーボネートの分子量分布(重量
平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mn)
は、例えば2.0〜3.8、好ましくは2.5〜3.
5、さらに好ましくは2.7〜3.5程度である。な
お、ポリカーボネートの分子量分布は、例えば、重縮合
時の反応温度、反応時間、芳香族ジヒドロキシ化合物と
炭酸ジエステルの供給モル比、反応で副生するヒドロキ
シ化合物(フェノール類)の留出条件(留出時期、留出
速度など)、末端封止剤の使用量などにより調節でき
る。
【0033】ポリカーボネートのメルトフローレート
(JIS K 7210;300℃、試験荷重1.2k
gf)は、例えば9.0〜11g/10分、好ましくは
9.4〜10.1g/10分程度である。
【0034】[成形用樹脂組成物]ポリカーボネート製
容器の成形には、少なくとも前記ポリカーボネートを含
み、必要に応じて各種添加剤が配合された樹脂組成物が
用いられる。前記添加剤としては、慣用の添加剤、例え
ば、熱安定剤などの安定剤、難燃剤、耐候剤、加水分解
防止剤、帯電防止剤、滑剤、酸化防止剤、着色剤、充填
材(強化剤)、可塑剤、赤外線吸収剤、抗菌剤などが例
示できる。これらの添加剤は、1種又は2種以上組み合
わせて使用できる。
【0035】安定剤には、例えば、リン化合物、ヒンダ
ードフェノール化合物、トリアゾール化合物、エポキシ
化合物、金属塩などが含まれる。
【0036】前記リン化合物として、例えば、トリエチ
ルホスファイト、トリイソプロピルホスファイト、トリ
イソデシルホスファイト、トリドデシルホスファイト、
フェニルジイソデシルホスファイト、ジフェニルイソデ
シルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス
−トリルホスファイト、フェニル−ビス(4−ノニルフ
ェニル)ホスファイト、トリス(4−オクチルフェニ
ル)ホスファイト、トリス[4−(1−フェニルエチ
ル)フェニル]ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)ホスファイト、ペンタエリスリトー
ル−ビス[(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ニル)ホスファイト]、ペンタエリスリトール−ビス
[(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト]
などのホスファイト化合物;テトラキス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)−4,4′−ビフェニレンジホス
フォナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル)−4,4′−(2,2−ジフェニルプロパン)ホ
スフォナイトなどのホスフォナイト化合物;フェニルホ
スフォン酸ジメチルなどのフェニルホスフォン酸エステ
ル化合物などが挙げられる。
【0037】ヒンダードフェノール化合物としては、オ
クタデシルプロピオネート−3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)、N,N′−ヘキサメ
チレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−ヒドロシンナミド)、トリエチレングリコール−ビス
[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール
−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−
テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジルホスフォネート−ジエチルエステル、イ
ソシアヌル酸(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニルメチル)、1,1,3−トリス(5−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、
1,1−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−
メチルフェニル)ブタンなどが挙げられる。
【0038】安定剤は、単独で又は2種以上組み合わせ
て使用できる。安定剤の使用量は、例えば、ポリカーボ
ネート100重量部に対して、0〜1重量部、好ましく
は0.001〜0.5重量部程度である。前記樹脂組成
物は、溶融粘度が低いので、成形加工性に優れる上、成
形温度を低くできるという利点を有する。そのため、安
定剤の量が少なくても、成形時における着色が著しく小
さい。
【0039】難燃剤としては、例えば、ハロゲン系難燃
剤(芳香族系、ポリマー型、オリゴマー型など)、リン
系難燃剤(赤リン、芳香族リン酸エステル類など)、金
属塩系難燃剤(有機スルホン酸金属塩、カルボン酸金属
塩、芳香族スルホンイミド金属塩、ホウ酸亜鉛など)な
どが挙げられる。難燃剤の使用量は、例えば、ポリカー
ボネート100重量部に対して、0〜10重量部程度の
範囲から適宜選択できる。
【0040】耐候剤としては、例えば、ベンゾトリアゾ
ール、ベンゾフェノンなどの紫外線吸収剤;ヒンダード
アミンなどのラジカル捕捉剤;Ni−クエンチャーなど
の消光剤;酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、カー
ボンブラックなどの光遮蔽剤などが挙げられる。耐候剤
の使用量は、例えば、ポリカーボネート100重量部に
対して、0〜10重量部程度の範囲から適宜選択でき
る。上記の添加剤は、エステル交換反応工程又は反応後
の任意の時点で添加することができる。
【0041】[ポリカーボネート製容器]本発明のポリ
カーボネート製容器は、前記ポリカーボネートを含む樹
脂組成物を、慣用の成形加工法、例えば、射出成形、ブ
ロー成形、射出延伸ブロー成形などに付すことにより得
られる。例えば、ボトル状容器は、射出延伸ブロー成形
(射出二軸延伸ブロー成形など)等により製造できる。
また、前記樹脂組成物を、例えば押出成形などに付して
フィルム又はシートを成形し、得られたフィルム又はシ
ートから真空成形や圧縮成形などの二次加工により容器
を製造することもできる。
【0042】成形温度(シリンダー温度)は、例えば2
40〜340℃、好ましくは250〜300℃程度の範
囲で適宜選択できる。本発明におけるポリカーボネート
は、溶融粘度が低いため、比較的低い温度で成形でき
る。
【0043】容器の形状は、特に限定されず、例えば、
ボトル状、筒型状、カップ状、箱状、球状、楕円状、多
角体状などが例示できる。本発明の容器の好ましい態様
では、鉄イオン含量は5ppm以下、ナトリウムイオン
含量は1ppm以下、塩化物イオン(加水分解により生
成可能な塩化物イオンを含む)含量は10ppm以下で
ある。また、スズイオン含量は5ppm以下、銅イオン
濃度含量は1ppm以下、クロムイオン含量は1ppm
以下、ニッケルイオン含量は1ppm以下であるのが好
ましい。
【0044】このように、鉄などの特定成分の含有量の
少ない容器では、着色度が著しく小さい。また、優れた
透明性、色相を長期間維持でき、熱による劣化も小さ
い。なお、鉄含量の少ない容器は、前記のように、ポリ
カーボネートの製造に用いる製造装置の少なくとも接液
部を鉄成分(鉄として)20重量%以下の材質とするこ
とにより得ることができる。また、ナトリウムイオン、
塩化物イオンなどの含有量の少ない容器は、ポリカーボ
ネートの製造に用いる反応原料(特に炭酸ジエステル)
として、前記成分の含有量の少ないものを使用すること
により得ることができる。
【0045】また、本発明の容器の他の好ましい態様で
は、エステル交換触媒である塩基性物質と、中和剤であ
るホウ酸及び/又は亜リン酸水素アンモニウムとを含ん
でいる。好ましい塩基性物質には、前記の含窒素塩基性
化合物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物
が含まれる。このような容器も、透明性、色相及び熱安
定性に優れている。
【0046】上記のポリカーボネート製容器において、
塩基性物質が含窒素塩基性化合物である場合には、ホウ
酸(ホウ素原子換算)及び/又は亜リン酸水素アンモニ
ウム(リン原子換算)の量は、含窒素塩基性化合物の塩
基性基1モルに対して、0.01〜500モル、好まし
くは0.01〜10モル程度である。塩基性物質がアル
カリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物(好ましく
は、ホウ酸アルカリ金属塩又はホウ酸アルカリ土類金属
塩)である場合には、ホウ酸(ホウ素原子換算)及び/
又は亜リン酸水素アンモニウム(リン原子換算)の量
は、アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物の
アルカリ金属又はアルカリ土類金属1モルに対して、
0.01〜500モル、好ましくは5〜200モル程度
である。また、塩基性物質が含窒素塩基性化合物とアル
カリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物との組み合
わせの場合には、ホウ酸(ホウ素原子換算)及び/又は
亜リン酸水素アンモニウム(リン原子換算)の量は、ア
ルカリ金属化合物のアルカリ金属とアルカリ土類金属化
合物のアルカリ土類金属の総計1モルに対して、0.0
1〜500、好ましくは5〜200モル程度である。
【0047】本発明のポリカーボネート製容器は、機械
的強度(特に衝撃強度)、保香性及び耐熱性に優れる。
また、加熱処理を行っても白濁せず、耐洗浄性にも優れ
ている。しかも、成形加工が容易で、所望の厚み及び形
状を有する容器を簡易に得ることができる。さらに、透
明性及び色相に優れ、熱安定性も高く、長期に亘って使
用しても熱劣化が小さい。また、ポリプロピレンなどと
比較して臭い移りが極めて少ない。そのため、飲食物、
医薬品、その他各種物品を包装、充填する容器として、
特に洗浄して繰り返し使用するリターナブル容器(ボト
ル)として好適に使用できる。
【0048】
【発明の効果】本発明のポリカーボネート製容器は、特
定のポリカーボネートで構成されているため、成形加工
が容易で、透明性及び色相に優れ、しかも熱安定性が高
い。
【0049】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。なお、各物性値の測定は下記の方法に
よった。 (粘度平均分子量(Mv))20℃における塩化メチレ
ン溶液の固有粘度[η]をウベローデ粘度計を用いて測
定し、次式に基づいて粘度平均分子量(Mv)を求め
た。 [η]=1.11×10-4(Mv)0.82 (分子量分布)ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)により、重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)とを求め、次式により分子量分布を算出
した。 分子量分布=Mw/Mn (メルトフローレート)JIS K 7210に準じ、
温度300℃、試験荷重1.2kgfの条件で測定し
た。 (フェノール性末端基濃度)13C−NMR(日本電子
製、GX-270、測定モード:ゲーテッド・デカップリン
グ)を用い、114.80ppm及び129.50ppmのピークの積分値
比より算出した。 (不純物濃度)試料を、必要に応じて適当な溶媒に溶解
した後、次の測定法(測定装置)により求めた。 サリチル酸フェニル、o−フェノキシ安息香酸、o−フ
ェノキシ安息香酸フェニル、メチルフェニルカーボネー
ト:ガスクロマトグラフ装置(島津製作所製、GC-14A) 塩化物イオン:イオンクロマトグラフィー(Yokogawa E
lectric works 製、IC100) ナトリウムイオン、鉄イオン、クロムイオン:原子吸光
法(セイコー電子製、SAS-727) 銅イオン、リン:高周波プラズマ発光分析装置(ICP,
島津製作所製、ICPS-1000III) スズイオン:原子吸光法(島津製作所製、AA-670G
型)、グラファイトファーネストアナライザー(島津製
作所製、GFA-4A型) 水分:微量水分測定装置(三菱化成製、CA-05型) (色相)シートのX,Y,Z値(三刺激値)を、日本電
色工業(株)製のColor and Color Defference Meter N
DJ-1001DPを用いて、透過法により測定し、黄色度の尺
度を示すYI値を求め、これを色相の指標とした。ま
た、シートを160℃の温度条件下で30日静置した後
のYI値を前記と同様にして求めた。YI値が大きいほ
ど着色していることを示す。 (熱劣化性)シートを160℃の温度条件下に静置し、
10日後、20日後及び30日後における粘度平均分子
量を測定し、下記式により切断数を求めた。 Ct=(Mv0/Mvt)−1 Ct :t日後の切断数 Mv0:試験開始前の粘度平均分子量 Mvt:t日後の粘度平均分子量 実施例1 ビスフェノールA100重量部、ジフェニルカーボネー
ト102.5重量部、ホウ酸リチウム・2水和物(エス
テル交換触媒)0.00039重量部、ホウ酸(中和
剤)0.0046重量部の溶融混合物を、第1の竪型撹
拌反応装置(ニッケルライニング製)に連続的に供給
し、150mmHgの圧力下、副生するフェノールを留
出させながら、220℃の温度で撹拌混合し(滞留時間
30分)、次いで、反応混合液を第2の竪型撹拌反応装
置(ニッケルライニング製)に連続的に供給し、10m
mHgの圧力下、副生するフェノールを留出させなが
ら、260℃の温度で撹拌混合し(滞留時間120
分)、粘度平均分子量約10000のプレポリマーを得
た。
【0050】なお、反応に用いたジフェニルカーボネー
ト中の不純物濃度は、塩化物イオン2ppm、鉄イオン
0.5ppm未満、ナトリウムイオン0.5ppm未
満、銅イオン0.05ppm未満、リン化合物(リンと
して)15ppm、スズイオン0.5ppm、クロムイ
オン0.1ppm未満、サリチル酸フェニル、o−フェ
ノキシ安息香酸及びo−フェノキシ安息香酸フェニルの
合計30ppm、メチルフェニルカーボネート8pp
m、水分0.25重量%であった。
【0051】得られたプレポリマーを、第1の横型反応
装置(ステンレス製)に連続的に供給し、5mmHgの
圧力下、副生するフェノールを留出させながら、270
℃の温度で撹拌混合し(滞留時間30分)、次いで、第
2の横型反応装置(ステンレス製)に連続的に供給し、
0.3mmHgの圧力下、副生するフェノールを留出さ
せながら、270℃の温度で撹拌混合し(滞留時間50
分)、無色透明のポリカーボネートを得た。
【0052】得られたポリカーボネートの粘度平均分子
量は28000、フェノール性末端基濃度は17モル
%、分子量分布は3.0、メルトフローレート(MF
R)は9.6g/10分であった。また、ポリカーボネ
ート中の不純物濃度は、塩化物イオン1ppm、鉄イオ
ン0.5ppm未満、ナトリウムイオン0.5ppm未
満、銅イオン0.05ppm未満、リン化合物(リンと
して)7ppm、スズイオン0.3ppm、クロムイオ
ン0.1ppm未満であった。
【0053】上記ポリカーボネートを、射出成形機を用
い、シリンダー温度270℃、金型温度80℃の条件で
射出成形し、5cm×5cm×厚さ2mmのシートを得
た。得られたシートの色相と熱劣化性を調べた。その結
果を表1に示す。
【0054】実施例2 ホウ酸リチウム・2水和物に代えて、4−(N,N−ジ
メチルアミノ)ピリジン(エステル交換触媒)を0.0
1重量部用いると共に、ホウ酸に代えて、リン酸水素ア
ンモニウム(中和剤)を0.04重量部用いた点以外
は、実施例1と同様の操作を行い、無色透明のポリカー
ボネートを得た。得られたポリカーボネートの粘度平均
分子量は27000、フェノール性末端基濃度は22モ
ル%、分子量分布は3.1、メルトフローレート(MF
R)は9.5g/10分であった。また、ポリカーボネ
ート中の不純物濃度は、塩化物イオン1ppm、鉄イオ
ン0.5ppm未満、ナトリウムイオン0.5ppm未
満、銅イオン0.05ppm未満、スズイオン0.3p
pm、クロムイオン0.1ppm未満であった。上記ポ
リカーボネートを、射出成形機を用い、シリンダー温度
270℃、金型温度80℃の条件で射出成形し、5cm
×5cm×厚さ2mmのシートを得た。得られたシート
の色相と熱劣化性を調べた。その結果を表1に示す。
【0055】比較例1 ビスフェノールAをホスゲン法により重縮合させ、フェ
ニル基で末端封止した市販のポリカーボネート(粘度平
均分子量23000;フェノール性末端基濃度1モル
%;分子量分布2.5;メルトフローレート(MFR)
10.3g/10分)を、射出成形機を用い、シリンダ
ー温度270℃、金型温度80℃の条件で射出成形し、
5cm×5cm×厚さ2mmのシートを得た。得られた
シートの色相と熱劣化性を調べた。その結果を表1に示
す。
【0056】
【表1】 実施例3 実施例1で得られたポリカーボネートを、インジェクシ
ョンストレッチブロー成形機を用い、溶融温度260
℃、ブロー温度240℃の条件で射出延伸ブロー成形し
て、内容積180mlのボトル状容器を作製した。この
容器に牛乳を充填し冷蔵庫中で1日放置した後、容器を
85℃のアルカリ洗浄水で1回洗浄し、さらに70℃の
温水で3回洗浄した。その結果、白濁等の外観の変化は
全く見られず、臭い移りも全く認められなかった。
【0057】比較例2 市販のポリエチレンテレフタレート(ガラス転移点75
℃)を、インジェクションストレッチブロー成形機を用
い、溶融温度260℃、ブロー温度220℃の条件で射
出延伸ブロー成形して、内容積180mlのボトル状容
器を作製した。この容器に牛乳を充填し冷蔵庫中で1日
放置した後、容器を85℃のアルカリ洗浄水で1回洗浄
し、さらに70℃の温水で3回洗浄した。その結果、自
立性がなくなり容器の形状を保持できなくなると共に、
容器に白濁が見られ、僅かに牛乳臭が残っていた。
【0058】比較例3 市販のポリプロピレン(融点169℃)を、インジェク
ションストレッチブロー成形機を用い、溶融温度220
℃、ブロー温度160℃の条件で射出延伸ブロー成形し
て、内容積180mlのボトル状容器を作製した。この
容器に牛乳を充填し冷蔵庫中で1日放置した後、容器を
85℃のアルカリ洗浄水で1回洗浄し、さらに70℃の
温水で3回洗浄した。その結果、容器に牛乳臭が残って
いた。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール性末端基濃度が5モル%以上
    のポリカーボネートからなるポリカーボネート製容器。
  2. 【請求項2】 ポリカーボネートの粘度平均分子量が1
    8000〜40000であり、且つ分子量分布が2.0
    〜3.8である請求項1記載のポリカーボネート製容
    器。
  3. 【請求項3】 ポリカーボネートが、芳香族ジヒドロキ
    シ化合物と炭酸ジエステルとをエステル交換触媒の存在
    下で溶融重縮合させて得られたポリカーボネートである
    請求項1記載のポリカーボネート製容器。
  4. 【請求項4】 ポリカーボネートが、水分0.3重量%
    以下、塩化物イオン濃度(加水分解により生成可能な塩
    化物イオンを含む)4ppm以下、ナトリウムイオン濃
    度1ppm以下、鉄イオン濃度1ppm以下、銅イオン
    濃度1ppm以下、スズイオン濃度5ppm以下、リン
    濃度20ppm以下、サリチル酸フェニル、o−フェノ
    キシ安息香酸及びo−フェノキシ安息香酸フェニルの合
    計濃度50ppm以下、メチルフェニルカーボネート濃
    度50ppm以下の炭酸ジエステルを用いて得られたポ
    リカーボネートである請求項3記載のポリカーボネート
    製容器。
  5. 【請求項5】 ポリカーボネートが、エステル交換触媒
    として、含窒素塩基性化合物、アルカリ金属化合物及び
    アルカリ土類金属化合物からなる群から選択された少な
    くとも1種を用いて得られたポリカーボネートである請
    求項3記載のポリカーボネート製容器。
  6. 【請求項6】 ポリカーボネートが、塩基性のエステル
    交換触媒と、この触媒を中和するための酸性物質の存在
    下でエステル交換反応させて得られたポリカーボネート
    である請求項3記載のポリカーボネート製容器。
  7. 【請求項7】 酸性物質が、ホウ酸及び亜リン酸水素ア
    ンモニウムから選択された少なくとも1種である請求項
    6記載のポリカーボネート製容器。
  8. 【請求項8】 ポリカーボネートが、少なくとも接液部
    が鉄分20重量%以下の材質からなる反応器を用いて反
    応して得られたポリカーボネートである請求項3記載の
    ポリカーボネート製容器。
  9. 【請求項9】 鉄イオン含量が5ppm以下である請求
    項1記載のポリカーボネート製容器。
  10. 【請求項10】 ナトリウムイオン含量が1ppm以下
    であり、且つ塩化物イオン含量(加水分解により生成可
    能な塩化物イオンを含む)が10ppm以下である請求
    項1記載のポリカーボネート製容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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