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JP2000013018A5 - - Google Patents

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JP2000013018A5
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【書類名】 明細書
【発明の名称】 回路形成基板の製造方法とその製造装置および回路形成基板用材料
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高分子フィルムに離型層を形成した離型性フィルムを両面に備えたプリプレグシートに貫通孔をあける工程と、前記貫通孔に導電ペーストを充填する工程と、前記離型性フィルムを剥離する工程と、前記プリプレグシートの両面に金属箔を加熱圧接する工程と、エッチングにより回路形成する工程を有し、前記離型性フィルムを剥離する工程において、剥離時に前記プリプレグシートを除電する回路形成基板の製造方法。
【請求項2】 プリプレグシートに導電性粒子を分散させた請求項1記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項3】 高分子フィルムに離型層を形成した離型性フィルムを両面に備えたプリプレグシートに貫通孔をあける工程と、前記貫通孔に導電ペーストを充填する工程と、前記離型性フィルムを剥離する工程と、前記プリプレグシートの両面に金属箔を加熱圧接する工程と、エッチングにより回路形成する工程を有し、前記離型性フィルムを剥離する工程において、前記プリプレグシート両面それぞれの剥離部近傍に静電吸着を行う手段を配設して静電吸着を行った回路形成基板の製造方法。
【請求項4】 静電吸着を行う手段の帯電量が、離型性フィルムを剥離した時に発生するプリプレグシートの帯電量よりも大きい請求項3記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項5】 片側の離型性フィルムのみを静電吸着しながら全面剥離した後、もう一方の離型性フィルムを静電吸着しながら剥離する請求項3または4記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項6】 片側の離型性フィルムを静電吸着しながら剥離開始した後に、遅れてもう一方の離型性フィルムを静電吸着しながら剥離開始する請求項3または4記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項7】 高分子フィルムに離型層を形成した離型性フィルムを両面に備えたプリプレグシートに貫通孔をあける工程と、前記貫通孔に導電ペーストを充填する工程と、前記離型性フィルムを剥離する工程と、前記プリプレグシートの両面に金属箔を加熱圧接する工程と、エッチングにより回路形成する工程を有し、前記離型性フィルムを剥離する工程において、剥離時に前記離型性フィルムを帯電させる回路形成基板の製造方法。
【請求項8】 片側の離型性フィルムのみを帯電しながら全面剥離した後、もう一方の離型性フィルムを帯電しながら剥離する請求項7記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項9】 片側の離型性フィルムを帯電しながら剥離開始した後に、遅れてもう一方の離型性フィルムを帯電しながら剥離開始する請求項7記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項10】 高分子フィルムに導電性粒子を分散させた離型性フィルム、あるいは離型層と反対面に形成したコート層に導電性粒子を分散させた離型性フィルムを、プリプレグシートの導電ペーストを充填する面に備えた請求項1〜9のいずれかに記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項11】 少なくとも導電ペーストを充填する面あるいはその反対側の面に備えた離型性フィルムが、表面抵抗1012Ω/cm2となる導電性粒子を分散させた離型性導電フィルムである請求項10記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項12】 高分子フィルムに離型層を形成した離型性フィルムと、導電性粒子を分散させた高分子フィルムに離型層を形成した離型性導電フィルムまたは離型層と反対面に形成したコート層に導電性粒子を分散させた離型性導電フィルムをそれぞれ両面に備えたプリプレグシートに貫通孔をあける工程と、前記離型性導電フィルム側を充填面として前記貫通孔に導電ペーストを充填する工程と、前記離型性フィルムと前記離型性導電フィルムを剥離する工程と、前記プリプレグシートの両面に金属箔を加熱圧接する工程と、エッチングにより回路形成する工程を有し、前記離型性フィルムと前記離型性導電フィルムを剥離する工程において、前記離型性フィルムを全面剥離した後、前記離型性導電フィルムを剥離する回路形成基板の製造方法。
【請求項13】 高分子フィルムに離型層を形成した離型性フィルムと、導電性粒子を分散させた高分子フィルムに離型層を形成した離型性導電フィルムまたは離型層と反対面に形成したコート層に導電性粒子を分散させた離型性導電フィルムをそれぞれ両面に備えたプリプレグシートに貫通孔をあける工程と、前記離型性導電フィルム側を充填面として前記貫通孔に導電ペーストを充填する工程と、前記離型性フィルムと前記離型性導電フィルムを剥離する工程と、前記プリプレグシートの両面に金属箔を加熱圧接する工程と、エッチングにより回路形成する工程を有し、前記離型性フィルムと前記離型性導電フィルムを剥離する工程において、前記離型性フィルムを剥離開始した後に、遅れて前記離型性導電フィルムを剥離開始する回路形成基板の製造方法。
【請求項14】 導電ペースト充填面の反対面に配した離型性フィルムが、導電性粒子を分散し表面抵抗が1012Ω/cm2以上となる離型性導電フィルムである請求項12または13記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項15】 導電性粒子がカーボンである請求項2,10および12〜14のいずれかに記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項16】 プリプレグシートの両面に備えた高分子フィルムに離型層を形成した離型性フィルムを剥離する製造装置において、剥離時に前記プリプレグシートを除電する手段を有する回路形成基板の製造装置。
【請求項17】 プリプレグシートの両面に備えた高分子フィルムに離型層を形成した離型性フィルムを剥離する製造装置において、剥離部近傍に静電吸着を行う手段を有する回路形成基板の製造装置。
【請求項18】 静電吸着を行う手段の帯電量が、離型性フィルムを剥離した時に発生するプリプレグシートの帯電量よりも大きい請求項17記載の回路形成基板の製造装置。
【請求項19】 片側の離型性フィルムのみを静電吸着しながら全面剥離した後、もう一方の離型性フィルムを静電吸着しながら剥離する請求項17または18記載の回路形成基板の製造装置。
【請求項20】 片側の離型性フィルムを静電吸着しながら剥離開始した後に、遅れてもう一方の離型性フィルムを静電吸着しながら剥離開始する請求項17または18記載の回路形成基板の製造装置。
【請求項21】 プリプレグシートの両面に備えた高分子フィルムに離型層を形成した離型性フィルムを剥離する製造装置において、剥離に前記離型性フィルムのみを帯電させる手段を有する回路形成基板の製造装置。
【請求項22】 片側の離型性フィルムのみを帯電しながら全面剥離した後、もう一方の離型性フィルムを帯電しながら剥離する請求項21記載の回路形成基板の製造装置。
【請求項23】 片側の離型性フィルムを帯電しながら剥離開始した後に、遅れてもう一方の離型性フィルムを帯電しながら剥離開始する請求項21記載の回路形成基板の製造装置。
【請求項24】 高分子フィルムに離型層を形成した離型性フィルムを両面に備えたプリプレグシートに導電性粒子を分散させた回路形成基板用材料。
【請求項25】 高分子フィルムに離型層を形成した離型性フィルムを両面に備えたプリプレグシートにおいて、どちらか一方の面または両面が導電性粒子を分散させた高分子フィルムに離型層を形成した離型性導電フィルムまたは離型層と反対面に形成したコート層に導電性粒子を分散させた離型性導電フィルムである回路形成基板用材料。
【請求項26】 離型性フィルムが、導電性粒子を分散し表面抵抗が1012Ω/cm2以上となる離型性導電フィルムである請求項25記載の回路形成基板用材料。
【請求項27】 導電性粒子がカーボンである請求項24〜26のいずれかに記載の回路形成基板用材料。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路形成基板の製造方法とその製造装置および回路形成基板用材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器の小型化・高密度化に伴って、電子部品を搭載する回路形成基板も従来の片面基板から両面、多層基板の採用が進み、より多くの回路を基板上に集積可能な高密度回路形成基板の開発が行われている。
【0003】
回路基板では、高密度化を妨げる要因となっていたメッキスルーホールに代わって、導電ペーストによるインナービアホール接続による回路基板の製造方法が提案されている(例えば特開平6−268345号公報)。
【0004】
この回路基板の製造方法は、両面に離型性を有する高分子フィルム(以下離型性フィルムと称する)を備えた被圧縮性で多孔質のプリプレグシートに貫通孔をあけ、その穴に導電ペーストを充填し、離型性フィルムを剥離した後、プリプレグシートの両面に金属箔を張り付けて加熱圧接することで基板の両面を電気接続し、さらに金属箔をエッチングによってパターニングして回路形成するものである。
【0005】
以下従来の回路基板の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0006】
図5(a)〜(f)は従来の回路基板の製造工程を示す工程断面図である。まず、図5(a)に示すように、厚さ約20μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)等の高分子フィルム片面にシリコーン系の離型層を形成した離型性フィルム22を両面に備えた、寸法が□500mm、厚さt1mmの多孔質のプリプレグシート21が準備される。多孔質のプリプレグシート21としては、例えば芳香族ポリアミド繊維の不織布に熱硬化性エポキシ樹脂を含浸させた複合材が用いられる。
【0007】
次に図5(b)に示すように、プリプレグシート21の所定の位置にレーザなどのエネルギービームを利用して貫通孔23が形成される。
【0008】
次に図5(c)に示すように、プリプレグシート21を印刷機(図示せず)のテーブル上に配置し、導電ペースト24が離型性フィルム22の上から印刷され、貫通孔23に充填される。この時、上面の離型性フィルム22は印刷マスクとプリプレグシート21の汚染防止の役割を果たしている。
【0009】
次に図5(d)に示すように、プリプレグシート21の両面の離型性フィルム22が剥離される。そして、図5(e)に示すようにプリプレグシート21の両面に銅箔などの金属箔25を張り付け、この状態で加熱加圧することにより、図5(f)に示すようにプリプレグシート21と金属箔25とが接着されると同時に、プリプレグシート21が厚さt2mmまで圧縮(t1>t2)として両面の金属箔25が導電ペースト24によって電気的に接続される。この時、プリプレグシート21の一構成成分であるエポキシ樹脂および導電ペースト24は硬化する。
【0010】
その後、両面の金属箔25を選択的にエッチングして回路パターン(図示せず)を形成することで両面の回路基板が得られる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成では以下の課題があった。
【0012】
レーザ等によりプリプレグシート21に貫通孔23をあけると、図5(b)に示すように両面の離型性フィルム22にも同時に貫通孔23が形成される。しかし、図6に示すように導電ペースト24充填後に離型性フィルム22を剥離すると、離型性フィルム22にも形成された貫通孔23内壁面にわずかながら導電ペースト24が付着する。そして、離型性フィルム22剥離時にプリプレグシート21に発生した静電気により、導電ペースト24の一部がプリプレグシート21に飛散して静電吸着する。
【0013】
特に充填面と反対の面においては、スキージによりペーストが掻き取られる充填面に比べて、離型性フィルム22に形成された貫通孔23内壁面に付着する導電ペースト24の量が多くなるため、この現象は顕著になる。そして、この吸着した導電ペースト24が回路形成工程においても残っており、これが原因で回路配線のショートあるいは配線間絶縁抵抗の劣化が起こるという課題があった。この課題は、配線パターンが高密度になるほど顕著になってくる。
【0014】
本発明は、剥離工程の導電ペースト飛散による配線回路のショートおよび絶縁信頼性の低下を防止するもので、歩留まりの向上を図り、高品質で高信頼性の回路基板を実現するための回路形成基板の製造方法とその製造装置および回路形成基板用材料を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の回路形成基板の製造方法は、高分子フィルムに離型層を形成した離型性フィルムを両面に備えたプリプレグシートに貫通孔をあける工程と、前記貫通孔に導電ペーストを充填する工程と、前記離型性フィルムを剥離する工程と、前記プリプレグシートの両面に金属箔を加熱圧接する工程と、エッチングにより回路形成する工程を有し、前記離型性フィルムを剥離する工程において、剥離時に前記プリプレグシートを除電するものである。
【0016】
この発明によれば、導電ペースト飛散による配線回路のショートや絶縁信頼性の低下を防止し、高品質で信頼性の高い回路形成基板を提供することができるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、高分子フィルムに離型層を形成した離型性フィルムを両面に備えたプリプレグシートに貫通孔をあける工程と、前記貫通孔に導電ペーストを充填する工程と、前記離型性フィルムを剥離する工程と、前記プリプレグシートの両面に金属箔を加熱圧接する工程と、エッチングにより回路形成する工程を有し、前記離型性フィルムを剥離する工程において、剥離時に前記プリプレグシートを除電する回路形成基板の製造方法としたものであり、プリプレグシートの帯電量が相対的に低くなって、導電ペーストがプリプレグシートへ静電吸着するのを防止し、歩留まりの向上および高品質で高信頼性の回路基板が得られるという作用を有する。
【0018】
請求項2に記載の発明は、プリプレグシートに導電性粒子を分散させた請求項1記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、プリプレグシートの除電効果が向上するという作用を有する。
【0019】
請求項3に記載の発明は、高分子フィルムに離型層を形成した離型性フィルムを両面に備えたプリプレグシートに貫通孔をあける工程と、前記貫通孔に導電ペーストを充填する工程と、前記離型性フィルムを剥離する工程と、前記プリプレグシートの両面に金属箔を加熱圧接する工程と、エッチングにより回路形成する工程を有し、前記離型性フィルムを剥離する工程において、前記プリプレグシート両面それぞれの剥離部近傍に静電吸着を行う手段を配設して静電吸着を行った回路形成基板の製造方法としたものであり、離型性フィルムに付着した導電ペーストを強制的に捕獲し、プリプレグシートへの付着を防止するという作用を有する。
【0020】
請求項4に記載の発明は、静電吸着を行う手段の帯電量が、離型性フィルムを剥離した時に発生するプリプレグシートの帯電量よりも大きい請求項3記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、離型性フィルムに付着した導電ペーストを確実に強制的に捕獲し、プリプレグシートへの付着を防止するという作用を有する。
【0021】
請求項5に記載の発明は、片側の離型性フィルムのみを静電吸着しながら全面剥離した後、もう一方の離型性フィルムを静電吸着しながら剥離する請求項3または4記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、離型性フィルムに付着した導電ペーストが反対面に設けた静電気によりプリプレグシートへ飛散するのを防止するという作用を有する。
【0022】
請求項6に記載の発明は、片側の離型性フィルムを静電吸着しながら剥離開始した後に、遅れてもう一方の離型性フィルムを静電吸着しながら剥離開始する請求項3または4記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、生産性を低下させることなく、離型性フィルムに付着した導電ペーストが反対面に設けた静電気によりプリプレグシートへ飛散するのを防止するという作用を有する。
【0023】
請求項7に記載の発明は、高分子フィルムに離型層を形成した離型性フィルムを両面に備えたプリプレグシートに貫通孔をあける工程と、前記貫通孔に導電ペーストを充填する工程と、前記離型性フィルムを剥離する工程と、前記プリプレグシートの両面に金属箔を加熱圧接する工程と、エッチングにより回路形成する工程を有し、前記離型性フィルムを剥離する工程において、剥離時に前記離型性フィルムを帯電させる回路形成基板の製造方法としたものであり、離型性フィルムの帯電量が相対的に大きくなって、導電ペーストがプリプレグシートへ静電吸着するのを防止し、歩留まりの向上および高品質で高信頼性の回路基板が得られるという作用を有する。
【0024】
請求項8に記載の発明は、片側の離型性フィルムのみを帯電しながら全面剥離した後、もう一方の離型性フィルムを帯電しながら剥離する請求項7記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、離型性フィルムに付着した導電ペーストが反対面に帯電させた静電気によりプリプレグシートへ飛散するのを防止するという作用を有する。
【0025】
請求項9に記載の発明は、片側の離型性フィルムを帯電しながら剥離開始した後に、遅れてもう一方の離型性フィルムを帯電しながら剥離開始する請求項7記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、生産性を低下させることなく、離型性フィルムに付着した導電ペーストが反対面に帯電させた静電気によりプリプレグシートへ飛散するのを防止するという作用を有する。
【0026】
請求項10に記載の発明は、高分子フィルムに導電性粒子を分散させた離型性フィルム、あるいは離型層と反対面に形成したコート層に導電性粒子を分散させた離型性フィルムを、プリプレグシートの導電ペーストを充填する面に備えた請求項1〜9のいずれかに記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、穴加工時の加工粉や大気中のゴミが離型性フィルム表面に静電吸着するのを防止するという作用を有する。
【0027】
請求項11に記載の発明は、少なくとも導電ペーストを充填する面あるいはその反対側の面に備えた離型性フィルムが、表面抵抗1012Ω/cm2となる導電性粒子を分散させた離型性導電フィルムである請求項10記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、プリプレグシートへの導電ペースト付着を防止し、かつ穴加工時の加工粉や大気中のゴミが離型性フィルム表面に静電吸着するのを防止するという作用を有する。
【0028】
請求項12に記載の発明は、高分子フィルムに離型層を形成した離型性フィルムと、導電性粒子を分散させた高分子フィルムに離型層を形成した離型性導電フィルムまたは離型層と反対面に形成したコート層に導電性粒子を分散させた離型性導電フィルムをそれぞれ両面に備えたプリプレグシートに、貫通孔をあける工程と、前記離型性導電フィルム側を充填面として前記貫通孔に導電ペーストを充填する工程と、前記離型性フィルムと前記離型性導電フィルムを剥離する工程と、前記プリプレグシートの両面に金属箔を加熱圧接する工程と、エッチングにより回路形成する工程を有し、前記離型性フィルムと前記離型性導電フィルムを剥離する工程において、前記離型性フィルムを全面剥離した後、前記離型性導電フィルムを剥離する回路形成基板の製造方法としたものであり、プリプレグシートの帯電量が相対的に低くなって、導電ペーストがプリプレグシートへ静電吸着するのを防止し、歩留まりの向上および高品質で高信頼性の回路基板が得られるという作用を有する。
【0029】
また、コート層を熱硬化性樹脂とすることにより、貫通孔加工時の加工熱により高分子フィルムが収縮後退して、離型性フィルムの穴径がプリプレグシートより大きくなるのを防止するという作用を有する。
【0030】
請求項13に記載の発明は、高分子フィルムに離型層を形成した離型性フィルムと、導電性粒子を分散させた高分子フィルムに離型層を形成した離型性導電フィルムまたは離型層と反対面に形成したコート層に導電性粒子を分散させた離型性導電フィルムをそれぞれ両面に備えたプリプレグシートに、貫通孔をあける工程と、前記離型性導電フィルム側を充填面として前記貫通孔に導電ペーストを充填する工程と、前記離型性フィルムと前記離型性導電フィルムを剥離する工程と、前記プリプレグシートの両面に金属箔を加熱圧接する工程と、エッチングにより回路形成する工程を有し、前記離型性フィルムと前記離型性導電フィルムを剥離する工程において、前記離型性フィルムを剥離開始した後に、遅れて前記離型性導電フィルムを剥離開始する回路形成基板の製造方法としたものであり、生産性を低下させることなくプリプレグシートの帯電量が相対的に低くなって、導電ペーストがプリプレグシートへ静電吸着するのを防止し、歩留まりの向上および高品質で高信頼性の回路基板が得られるという作用を有する。
【0031】
請求項14に記載の発明は、導電ペースト充填面の反対面に配した離型性フィルムが、導電性粒子を分散し表面抵抗が1012Ω/cm2以上となる離型性導電フィルムである請求項12または13記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、プリプレグシートへの導電ペースト付着を防止し、かつ穴加工時の加工粉や大気中のゴミが離型性フィルム表面に静電吸着するのを防止する作用を有する。
【0032】
請求項15に記載の発明は、導電性粒子がカーボンである請求項2,10および12〜14のいずれかに記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、安価で安定した特性が得られるという作用を有する。
【0033】
また、プリプレグシートを熱可塑性樹脂あるいは未硬化成分を含む熱硬化性樹脂のうちどちらか一方あるいは両方の混合物を主体とするシート状の基板材料である、または織布あるいは不織布に前記熱可塑性樹脂あるいは未硬化成分を含む熱硬化性樹脂のうちどちらか一方あるいは両方の混合物を主体とする材料を含浸してなるシート状の基板材料とすることにより、加熱加圧により導電ペーストの電気接続が容易に行え、また順次重ねて多層化ができるという作用を有する。
【0034】
また、熱硬化性樹脂をエポキシ系樹脂とすることにより、樹脂の耐湿性が向上するという作用を有する。
【0035】
また、織布あるいは不織布が有機繊維材料を主体としてなる材料とすることにより、樹脂と比較的物性の近い有機繊維を用いることによりエネルギービームによる穴加工が容易に行えるという作用を有する。
【0036】
また、有機繊維材料として芳香族ポリアミド繊維を主体としてなる材料とすることにより、エネルギービームによる穴加工が容易に行え、回路形成基板の軽量化、高信頼性化等が図れるという作用を有する。
【0037】
また、織布あるいは不織布がガラス繊維材料を主体としてなる材料とすることにより、耐熱性、機械的剛性が向上するという作用を有する。
【0038】
また、高分子フィルムをポリエステルテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイト、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキサイドのいずれかとすることにより、フィルム化が容易であるという作用を有する。
【0039】
また、貫通孔をあける工程をレーザービームとすることにより、プリプレグシート上への集光性がよく、光学素子等を用いて走査が容易である等の作用を有する。
【0040】
また、レーザービームを炭酸ガスレーザとすることにより、高エネルギーのビームが得られ、コストが安い等の作用を有する。
【0041】
請求項16に記載の発明は、プリプレグシートの両面に備えた高分子フィルムに離型層を形成した離型性フィルムを剥離する製造装置において、剥離時に前記プリプレグシートを除電する手段を有する回路形成基板の製造装置としたものであり、プリプレグシートの帯電量が相対的に低くなって、導電ペーストがプリプレグシートへ静電吸着するのを防止し、歩留まりの向上および高品質で高信頼性の回路基板が得られるという作用を有する。
【0042】
請求項17に記載の発明は、プリプレグシートの両面に備えた高分子フィルムに離型層を形成した離型性フィルムを剥離する製造装置において、剥離部近傍に静電吸着を行う手段を有する回路形成基板の製造装置としたものであり、離型性フィルムに付着した導電ペーストを強制的に捕獲し、プリプレグシートへの付着を防止するという作用を有する。
【0043】
請求項18に記載の発明は、静電吸着を行う手段の帯電量が、離型性フィルムを剥離した時に発生するプリプレグシートの帯電量よりも大きい請求項17記載の回路形成基板の製造装置としたものであり、離型性フィルムに付着した導電ペーストを確実に強制的に捕獲し、プリプレグシートへの付着を防止するという作用を有する。
【0044】
請求項19に記載の発明は、片側の離型性フィルムのみを静電吸着しながら全面剥離した後、もう一方の離型性フィルムを静電吸着しながら剥離する請求項17または18記載の回路形成基板の製造装置としたものであり、離型性フィルムに付着した導電ペーストが反対面に設けた静電気によりプリプレグシートへ飛散するのを防止するという作用を有する。
【0045】
請求項20に記載の発明は、片側の離型性フィルムを静電吸着しながら剥離開始した後に、遅れてもう一方の離型性フィルムを静電吸着しながら剥離開始する請求項17または18記載の回路形成基板の製造装置としたものであり、生産性を低下させることなく、離型性フィルムに付着した導電ペーストが反対面に設けた静電気によりプリプレグシートへ飛散するのを防止するという作用を有する。
【0046】
請求項21に記載の発明は、プリプレグシートの両面に備えた高分子フィルムに離型層を形成した離型性フィルムを剥離する製造装置において、剥離に前記離型性フィルムのみを帯電させる手段を有する回路形成基板の製造装置としたものであり、離型性フィルムの帯電量が相対的に大きくなって、導電ペーストがプリプレグシートへ静電吸着するのを防止し、歩留まりの向上および高品質で高信頼性の回路基板が得られるという作用を有する。
【0047】
請求項22に記載の発明は、片側の離型性フィルムのみを帯電しながら全面剥離した後、もう一方の離型性フィルムを帯電しながら剥離する請求項21記載の回路形成基板の製造装置としたものであり、離型性フィルムに付着した導電ペーストが反対面に帯電させた静電気によりプリプレグシートへ飛散するのを防止するという作用を有する。
【0048】
請求項23に記載の発明は、片側の離型性フィルムを帯電しながら剥離開始した後に、遅れてもう一方の離型性フィルムを帯電しながら剥離開始する請求項21記載の回路形成基板の製造装置としたものであり、生産性を低下させることなく、離型性フィルムに付着した導電ペーストが反対面に帯電させた静電気によりプリプレグシートへ飛散するのを防止するという作用を有する。
【0049】
請求項24に記載の発明は、高分子フィルムに離型層を形成した離型性フィルムを両面に備えたプリプレグシートに導電性粒子を分散させた回路形成基板用材料としたものであり、プリプレグシートの除電効果が向上するという作用を有する。
【0050】
また、コート層を熱硬化性樹脂であるとすることにより、貫通孔加工時の加工熱により高分子フィルムが収縮後退して、離型性フィルムの穴径がプリプレグシートより大きくなるのを防止するという作用を有する。
【0051】
請求項25に記載の発明は、高分子フィルムに離型層を形成した離型性フィルムを両面に備えたプリプレグシートにおいて、どちらか一方の面または両面が導電性粒子を分散させた高分子フィルムに離型層を形成した離型性導電フィルムである、あるいは離型層と反対面に形成したコート層に導電性粒子を分散させた離型性導電フィルムである回路形成基板用材料としたものであり、穴加工時の加工粉や大気中のゴミが離型性フィルム表面に静電吸着するのを防止するという作用を有する。
【0052】
請求項26に記載の発明は、離型性フィルムが、導電性粒子を分散し表面抵抗が1012Ω/cm2以上となる離型性導電フィルムである請求項25記載の回路形成基板用材料としたものであり、プリプレグシートへの導電ペースト付着を防止し、かつ穴加工時の加工粉や大気中のゴミが離型性フィルム表面に静電吸着するのを防止するという作用を有する。
【0053】
請求項27に記載の発明は、導電性粒子がカーボンである請求項24〜26のいずれかに記載の回路形成基板用材料としたものであり、安価で安定した特性が得られるという作用を有する。また、プリプレグシートを熱可塑性樹脂あるいは未硬化成分を含む熱硬化性樹脂のうちどちらか一方あるいは両方の混合物を主体とするシート状の基板材料である、または織布あるいは不織布に前記熱可塑性樹脂あるいは未硬化成分を含む熱硬化性樹脂のうちどちらか一方あるいは両方の混合物を主体とする材料を含浸してなるシート状の基板材料とすることにより、加熱加圧により導電ペーストの電気接続が容易に行え、また順次重ねて多層化ができるという作用を有する。
【0054】
また、熱硬化性樹脂をエポキシ系樹脂とすることにより、樹脂の耐湿性が向上するという作用を有する。織布あるいは不織布を有機繊維材料を主体としてなる材料とすることにより、樹脂と比較的物性の近い有機繊維を用いることによりエネルギービームによる穴加工が容易に行えるという作用を有する。
【0055】
また、有機繊維材料として芳香族ポリアミド繊維を主体とすることにより、エネルギービームによる穴加工が容易に行え、回路形成基板の軽量化、高信頼性化等が図れるという作用を有する。
【0056】
織布あるいは不織布をガラス繊維材料を主体とすることにより、耐熱性、機械的剛性が向上するという作用を有する。
【0057】
高分子フィルムをポリエステルテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイト、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキサイドのいずれかとすることにより、フィルム化が容易であるという作用を有する。
【0058】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図4を用いて説明する。
【0059】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における回路形成基板の製造方法を示す工程断面図である。工程は、穴加工工程(b)、導電ペースト充填工程(c)、離型性フィルム剥離工程(d)、加熱加圧工程(e,f)および回路形成工程の順序で構成される。
【0060】
プリプレグシート1は、熱硬化性樹脂(例えばエポキシ樹脂)と芳香族ポリアミド繊維(以下アラミド繊維)不織布の複合材料となっている。熱硬化性樹脂は完全に硬化したものではなく、未硬化分を含むいわゆるBステージ状態である。また、2は、厚さ約20μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)等の高分子フィルムに、膜厚が100オングストローム程度のシリコーン系の離型層を片面に形成した離型性フィルムであり、プリプレグシート1の両面にはこの離型層面が接するような構成で接着されている。
【0061】
厚さ約150μmのプリプレグシート1は、レーザ加工機により炭酸ガスレーザビームなどのエネルギービームをプリプレグシート1上に照射して、穴径が約200μmの貫通孔3を形成する。更に、図1(c)に示すように導電性粒子とエポキシ系樹脂を主体とする導電ペースト4を印刷法等により貫通孔3に充填した後(充填面を上面、その反対面を下面とする)、図1(d)に示すように上下面の離型性フィルム2を剥離する。
【0062】
そして、図1(e)に示すように金属箔5をプリプレグシート1の両面に重ね合わせて加熱加圧することにより、図1(f)に示すようにプリプレグシート1は厚み方向に圧縮成形され、導電ペースト4によってプリプレグシート1の両面に重ね合わせた金属箔5は電気的に接合される。最後に、両面の金属箔5を選択的にエッチングして回路パターンを形成することで両面の回路形成基板が得られる(図示せず)。
【0063】
それでは本実施の形態における特徴部分について説明する。剥離工程における除電処理は、離型性フィルム剥離装置内に設けた除電装置6によって行われる。具体的には、図1(d)に示すように剥離直後のプリプレグシート1近傍に片面もしくは両面に配した除電装置6により、剥離によってプリプレグシート1に発生した静電気を除去する。当然のことながら剥離した離型性フィルム2にも静電気は発生するが、この静電気の除電は行わない。
【0064】
これにより、離型性フィルム2に発生した静電気の帯電量はプリプレグシート1よりも相対的に大きくなり、離型性フィルム2の貫通孔3内壁に付着した導電ペースト4は、プリプレグシート1に静電吸着することなく離型性フィルム2の静電気により吸着したままとなる。また、絶縁抵抗の劣化を起こさない程度の微量の導電性粒子(例えばカーボン)を分散させたプリプレグシート1を用いれば、剥離時に発生するプリプレグシート1の静電気をより効果的に除電できる。
【0065】
なお、剥離時には除電装置6を固定してプリプレグシート1を移動させながら、あるいはプリプレグシート1を固定して除電装置6を移動させながら離型性フィルム2を剥離することにより、除電装置6が常に剥離直後のプリプレグシート1表面近傍に配され、発生した静電気を即座に除電することができる。
【0066】
(実施の形態2)
工程は、基本的に離型性フィルム剥離工程以外は実施の形態1と同じ構成なので、詳細な説明は省略する。
【0067】
それでは本実施の形態における特徴部分について説明する。剥離工程における静電吸着する手段7は、離型性フィルム剥離装置内に設けた帯電発生装置などによって行われる。具体的には、図2(a)に示すように離型性フィルム2の剥離直後近傍に静電吸着する手段7を設置する。静電吸着する手段7の帯電量は、プリプレグシート1に発生する静電気の帯電量より大きい条件で行う。これにより、離型性フィルム2の貫通孔3内壁に付着した導電ペースト4は、静電吸着する手段7に強制的に静電吸着され、プリプレグシート1に静電吸着することはない。
【0068】
ここで、図2(a)に示すように静電吸着する手段7が対向する場合、一方の離型性フィルム2に付着した導電ペースト4が、もう一方の静電吸着する手段7によってプリプレグシート1に引きつけられる可能性がある。そこで、図2(b)に示すように静電吸着する手段7をお互いずらして配置して、一方の面を剥離開始した後に少し遅れてもう一方の面を剥離開始する。または大きくずらして片面ずつ全面剥離を行う。
【0069】
このような方法をとれば、離型性フィルム2に付着した導電ペースト4が反対側の静電吸着する手段7に干渉されず、プリプレグシートに静電吸着することはない。なお、図2(a)において片側の静電吸着する手段7のみを用いて片面を全面剥離した後、プリプレグシート1を反転させ再度同じ静電吸着する手段7を用いてもう一方の面を全面剥離することによっても同じ効果が得られる。
【0070】
(実施の形態3)
工程は、基本的に離型性フィルム剥離工程以外は実施の形態1と同じ構成なので詳細な説明は省略する。
【0071】
それでは本実施の形態における特徴部分について図2を利用して説明する。剥離工程における離型性フィルム2の帯電は、離型性フィルム剥離装置内に設けた帯電装置(図示せず)によって行われる。具体的には、離型性フィルムを帯電しながら剥離していく。ここで、帯電の極性は剥離時に離型性フィルム2に発生する静電気の極性と同じでなければならない。これにより、離型性フィルム2の帯電量の方がプリプレグシート1の帯電量より相対的に大きくなるので、離型性フィルム2の貫通孔3内壁に付着した導電ペースト4は強制的に静電吸着されたままとなり、プリプレグシート1に静電吸着することがなくなる。
【0072】
ここで、両面の離型性フィルム2を帯電させながら剥離すると、実施の形態2で述べたのと同様に一方の離型性フィルム2に付着した導電ペースト4がもう一方の離型性フィルム2に帯電した静電気によってプリプレグシート1に引きつけられる可能性がある。そこで、実施の形態2と同じように片面ずつ帯電しながら全面剥離する、あるいは片面を少し遅らせて両面を剥離すれば防止できる。
【0073】
(実施の形態4)
工程は、基本的にプリプレグシートの構成および離型性フィルム剥離工程以外は実施の形態1と同じ構成なので詳細な説明は省略する。
【0074】
それでは本実施の形態における特徴部分について説明する。図3(a)に示すように高分子フィルム9の片面に離型層10を形成した離型性フィルム2をプリプレグシート1の下面に備え、高分子フィルム9に例えばカーボンのような導電性粒子(図示せず)を分散させた離型性導電フィルム8、あるいは図3(b)に示すように高分子フィルム9の片面に形成された離型層10と反対面に形成したコート層12に導電性粒子を分散させた離型性導電フィルム8をプリプレグシート1の上面に備えている。
【0075】
剥離工程において、図4(a)に示すようにまず下面の離型性フィルム2のみを全面剥離する。この時、剥離によって離型性フィルム2、プリプレグシート1に静電気が発生するが、プリプレグシート1の上面には離型性導電フィルム8が設けられたままなので、剥離した離型性フィルム2の帯電量よりプリプレグシート1の方が相対的に小さくなり、プリプレグシート1に静電吸着することはない。
【0076】
その後上面の離型性導電フィルム8を剥離するが、特にスキージ等で充填した場合には貫通孔3内上面側の導電ペーストをある程度掻き取ることが可能なので、これにより上面の離型性導電フィルム8に付着した導電ペースト4は極端に少なくなり、静電気が発生しても問題にはならない。
【0077】
また、片面ずつ全面剥離する他に、図4(b)に示すようにまず下面の離型性フィルム2のみを剥離開始し、その後遅れて上面の離型性導電フィルム8を剥離開始する方法でも同様の効果は得られる。なお、コート層としてエポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂を用いれば、穴加工時に発生する加工熱により高分子フィルムが収縮後退して離型性フィルム2の穴径がプリプレグシート1より大きくなるのを防止することができる。
【0078】
以上のような離型性導電フィルム8を用いれば、次のような効果が更に得られる。フィルム剥離前のプリプレグシート1は、穴加工工程やペースト充填工程での取り扱い時、表面に静電気が発生しやすい。そのため、貫通孔3加工時の加工粉や大気中のゴミなどが表面に吸着しやすく、これらが貫通孔3に入ると導電ペースト4が十分に充填されなくなり、接続抵抗が高くなるという問題がある。しかし、導電性粒子を分散させた離型性導電フィルム8を用いれば、表面抵抗が下がって取り扱い時に発生する静電気が低減され、ごみの吸着を減らすことができる。
【0079】
一方、下面の離型性フィルム2についても同様に離型性導電フィルム8を用いれば、加工粉やゴミの吸着が低減できる。しかし、下面の場合は表面抵抗が低すぎると、剥離時に離型性フィルム2に発生した静電気の方がプリプレグシート1よりも相対的に小さくなってしまうため、フィルムに付着した導電ペースト4がプリプレグシート1に静電吸着してしまう。
【0080】
そこで、本発明の実験によれば1012Ω/cm2以上の表面抵抗となる程度の導電性粒子を分散させた離型性導電フィルム8とすれば、ゴミの吸着を抑えつつ、かつ剥離時に発生する導電ペースト4のプリプレグシート1への静電吸着も低減することが可能となる。ここで説明した離型性導電フィルム8を設けたプリプレグシート1の構成を、実施の形態1から3で述べた構成についても用いれば、本実施の形態と同様に加工粉やゴミの静電気吸着を極端に少なくできるという効果が得られる。
【0081】
なお、以上4つの実施の形態では穴加工方法として炭酸ガスレーザを用いて説明したが、その他の気体レーザおよびYAGレーザ等の固体レーザ、エキシマレーザ、あるいはレーザ以外のエネルギービームの使用、そしてエネルギービーム以外にドリル加工、プラズマエッチング、パンチングも可能である。
【0082】
また、両面回路形成基板について説明したが、工程を繰り返すことにより多層回路形成基板が得られることは言うまでもない。更に、高分子フィルムにはPET以外に、PI(ポリイミド)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイト)、PP(ポリプロピレン)、PPO(ポリフェニレンオキサイド)等を用いても良い。
【0083】
また、不織布の代わりに織布を使用すること、および織布あるいは不織布を構成する繊維としてアラミド以外の有機繊維材料あるいはガラスなどの無機繊維材料を使用すること、熱硬化性樹脂に代えて熱可塑性樹脂を用いることも可能である。
【0084】
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではない。
【0085】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、離型性フィルム剥離工程においてプリプレグシートを除電することにより、導電ペースト飛散による配線回路のショートや絶縁信頼性の低下を防止するもので、歩留まりの向上を図り、高品質で高信頼性の回路形成基板を実現できるという有利な効果が得られる。
【0086】
特に、高密度配線回路基板においては有効な手段となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の第1の実施の形態における回路形成基板の製造方法の工程断面図
【図2】
本発明の第2の実施の形態における剥離工程の断面図
【図3】
本発明の第4の実施の形態におけるプリプレグシートの構成を示す断面図
【図4】
本発明の第4の実施の形態における剥離工程の断面図
【図5】
従来の回路形成基板の製造方法の工程断面図
【図6】
同剥離工程の断面図
【符号の説明】
1 プリプレグシート
2 離型性フィルム
3 貫通孔
4 導電ペースト
5 金属箔
6 除電装置
7 静電吸着する手段
8 離型性導電フィルム
9 高分子フィルム
10 離型層
12 コート層
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