JP2000009968A - 受光モジュール - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 光通信システムに使用される光−電気変換を
行う光受信機において、光結合効率が高い光ファイバと
受光素子の光結合構造であり経時劣化が少なく生産性に
優れた受光モジュールを提供する。 【解決手段】 先端部斜め研磨光ファイバ11より反射
して出射した光14を、光ファイバクラッドの屈折率と
等しい屈折率整合接着剤17を介して、基板16上に設
けられた受光素子15の受光部に入射されるようにした
光結合構造を有する受光モジュールであり、全反射して
光ファイバ11の側方より出射する光の発散、および空
気層と受光素子15の受光面との境界面で起こる光の反
射を屈折率整合接着剤17によって抑制するので、高い
光結合効率を得られる。また、光ファイバ11先端と受
光素子15受光面は屈折率整合接着剤17により位置固
定されるので光ファイバ11の経時的撓みによる特性劣
化が少ない受光モジュールが得られる。
行う光受信機において、光結合効率が高い光ファイバと
受光素子の光結合構造であり経時劣化が少なく生産性に
優れた受光モジュールを提供する。 【解決手段】 先端部斜め研磨光ファイバ11より反射
して出射した光14を、光ファイバクラッドの屈折率と
等しい屈折率整合接着剤17を介して、基板16上に設
けられた受光素子15の受光部に入射されるようにした
光結合構造を有する受光モジュールであり、全反射して
光ファイバ11の側方より出射する光の発散、および空
気層と受光素子15の受光面との境界面で起こる光の反
射を屈折率整合接着剤17によって抑制するので、高い
光結合効率を得られる。また、光ファイバ11先端と受
光素子15受光面は屈折率整合接着剤17により位置固
定されるので光ファイバ11の経時的撓みによる特性劣
化が少ない受光モジュールが得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力した光信号を
電気信号に変換して出力する受光素子と光ファイバとを
光学的に結合してなる受光モジュールに関する。
電気信号に変換して出力する受光素子と光ファイバとを
光学的に結合してなる受光モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な光通信システムの受信側では、
光伝送路(光ファイバ)を介して伝送されてきた光信号
をフォトダイオード等の受光素子により光−電気変換し
て電気信号を得て、この電気信号に基づいて情報の再生
を行うようにしている。このようなシステムにおいて使
用される受光モジュールは、受光素子と光ファイバとを
所定の位置関係で固定して構成される。また、光ファイ
バと微細化する方向にある受光素子を光結合するに際し
て、受信感度を高めるために、光学的な結合率が高いこ
とが要求される。
光伝送路(光ファイバ)を介して伝送されてきた光信号
をフォトダイオード等の受光素子により光−電気変換し
て電気信号を得て、この電気信号に基づいて情報の再生
を行うようにしている。このようなシステムにおいて使
用される受光モジュールは、受光素子と光ファイバとを
所定の位置関係で固定して構成される。また、光ファイ
バと微細化する方向にある受光素子を光結合するに際し
て、受信感度を高めるために、光学的な結合率が高いこ
とが要求される。
【0003】図7は従来の受光モジュールの構成を示す
図である。
図である。
【0004】光通信等に使用される光−電気変換部分を
含む受光モジュールは、高速応答特性、高周波特性、雑
音特性が良好で、光ファイバと受光素子との光結合効率
が高く小型なものが必要とされる。高速化、広帯域化の
ためには、受光素子の受光面と電気信号の流れる方向と
を同一にして、受光素子と電気回路との接続を直接実装
(フリップ・フロップ・ボンディング)すること、ま
た、小型化のためには、光ファイバの光軸の方向と電気
信号の流れる方向とが同一であるように光−電気変換部
分を光実装することが必要となる。
含む受光モジュールは、高速応答特性、高周波特性、雑
音特性が良好で、光ファイバと受光素子との光結合効率
が高く小型なものが必要とされる。高速化、広帯域化の
ためには、受光素子の受光面と電気信号の流れる方向と
を同一にして、受光素子と電気回路との接続を直接実装
(フリップ・フロップ・ボンディング)すること、ま
た、小型化のためには、光ファイバの光軸の方向と電気
信号の流れる方向とが同一であるように光−電気変換部
分を光実装することが必要となる。
【0005】このため従来は、図7に示すように、コア
72を有する光ファイバ71の先端部を斜めに研磨して
全反射を起こさせるか、あるいはその傾斜研磨面73に
金等の反射特性が良好な物質を蒸着することにより、反
射を起こさせ、その傾斜研磨面73で反射して光ファイ
バ71の側方から出射した信号光74をセラミックス等
から基板76上面に実装されているアバランシェ・フォ
ト・ダイオード(APD)等の受光素子75に入射させ
るようにしていた。なお、図7には図示されていない
が、受光素子75等が外気の影響を受けないようにケー
スによって気密封止されている。
72を有する光ファイバ71の先端部を斜めに研磨して
全反射を起こさせるか、あるいはその傾斜研磨面73に
金等の反射特性が良好な物質を蒸着することにより、反
射を起こさせ、その傾斜研磨面73で反射して光ファイ
バ71の側方から出射した信号光74をセラミックス等
から基板76上面に実装されているアバランシェ・フォ
ト・ダイオード(APD)等の受光素子75に入射させ
るようにしていた。なお、図7には図示されていない
が、受光素子75等が外気の影響を受けないようにケー
スによって気密封止されている。
【0006】上述した構成によれば、受光素子75の受
光面と電気信号の流れる方向が同一であるから、高速化
・広帯域化が可能になり、また、光ファイバ71の光軸
の方向と電気信号の流れる方向が同一であるから、装置
の小型化が可能になる。
光面と電気信号の流れる方向が同一であるから、高速化
・広帯域化が可能になり、また、光ファイバ71の光軸
の方向と電気信号の流れる方向が同一であるから、装置
の小型化が可能になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の受光モジュールにおいては、以下に記す問題を
有している。
た従来の受光モジュールにおいては、以下に記す問題を
有している。
【0008】(イ)全反射して光ファイバ71の側方よ
り出射する信号光74は外部に発散されて損失となる。
り出射する信号光74は外部に発散されて損失となる。
【0009】(ロ)光ファイバ71の側方より出射する
信号光74が、空気層を介してAPD等の受光面に入射
するとき、空気層とAPD受光面との境界面において反
射が起こり、光結合効率が低下する。
信号光74が、空気層を介してAPD等の受光面に入射
するとき、空気層とAPD受光面との境界面において反
射が起こり、光結合効率が低下する。
【0010】(ハ)光ファイバ71の支持構造が、光フ
ァイバ71を固定する光ファイバブロック77から先端
までの長さが長く、片持ち構造であるために、製造時に
光結合効率が最大となるように調整されても、経時的に
光ファイバ71が撓み、適正な位置関係を維持すること
が難しい。
ァイバ71を固定する光ファイバブロック77から先端
までの長さが長く、片持ち構造であるために、製造時に
光結合効率が最大となるように調整されても、経時的に
光ファイバ71が撓み、適正な位置関係を維持すること
が難しい。
【0011】(ニ)光ファイバ71中の信号光74が傾
斜研磨面73で全反射する場合、臨界全反射研磨角度は
光ファイバコア72の屈折率、信号光74の波長等によ
り定まるので、必ずしも光伝送方向に対して直角方向に
光を出射するような研磨角度(45°)を形成すること
はできない。そのため、受光素子75の受光面上の出射
ビームは楕円形となる。また、光ファイバ71側方より
信号光74が垂直出射される場合に比べ、光路長が長く
なるので損失となり、その結果、光結合効率が低下す
る。
斜研磨面73で全反射する場合、臨界全反射研磨角度は
光ファイバコア72の屈折率、信号光74の波長等によ
り定まるので、必ずしも光伝送方向に対して直角方向に
光を出射するような研磨角度(45°)を形成すること
はできない。そのため、受光素子75の受光面上の出射
ビームは楕円形となる。また、光ファイバ71側方より
信号光74が垂直出射される場合に比べ、光路長が長く
なるので損失となり、その結果、光結合効率が低下す
る。
【0012】(ホ)光ファイバ71中の信号光74が傾
斜研磨面73で全反射する場合、傾斜研磨面73に結露
が付着すると信号光74の反射角が変化し、光軸ずれが
起こる。従来、受光モジュールは、結露対策として光結
合部をケースによって気密封止されていたが、生産性が
悪くコスト高になる。
斜研磨面73で全反射する場合、傾斜研磨面73に結露
が付着すると信号光74の反射角が変化し、光軸ずれが
起こる。従来、受光モジュールは、結露対策として光結
合部をケースによって気密封止されていたが、生産性が
悪くコスト高になる。
【0013】(ヘ)光ファイバ71の先端部端面を斜め
研磨する際に、光ファイバ71のエッジが欠けるなど、
生産性が悪くコストの低減が困難である。
研磨する際に、光ファイバ71のエッジが欠けるなど、
生産性が悪くコストの低減が困難である。
【0014】本発明は、上記従来の問題点を解決するも
のであり、光結合効率が高い光ファイバと受光素子の光
結合構造であり、さらに経時劣化が少なく、小型で高密
度実装に適した受光モジュールを提供することを目的と
する。
のであり、光結合効率が高い光ファイバと受光素子の光
結合構造であり、さらに経時劣化が少なく、小型で高密
度実装に適した受光モジュールを提供することを目的と
する。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、端面を光ファイバ光軸に対して直角、かつ
平滑な切り口に切断した後、光ファイバコアを含む箇所
まで斜め研磨加工を施した光ファイバを、基板平面に対
して所定角度に傾け、光ファイバ先端の研磨面で反射し
て出射した光が、光ファイバクラッドの屈折率と等しい
屈折率整合接着剤を介して、基板上に設けられた受光素
子の受光部に垂直に入射するようにしたものである。
の本発明は、端面を光ファイバ光軸に対して直角、かつ
平滑な切り口に切断した後、光ファイバコアを含む箇所
まで斜め研磨加工を施した光ファイバを、基板平面に対
して所定角度に傾け、光ファイバ先端の研磨面で反射し
て出射した光が、光ファイバクラッドの屈折率と等しい
屈折率整合接着剤を介して、基板上に設けられた受光素
子の受光部に垂直に入射するようにしたものである。
【0016】以上により、光ファイバコア部を含む箇所
のみ斜め研磨加工を施すので、研磨除差部が少なく、生
産性が良い受光モジュールを得ることができる。また、
屈折率整合接着剤により、光の発散、および空気層とA
PD受光面との境界面で起こる光の反射を抑制するた
め、高い光結合効率が得られるとともに、光ファイバ先
端部を屈折率整合接着剤により受光素子受光面に固定す
るので、特性の経時的劣化が少ない受光モジュールを得
ることができる。また、傾斜研磨面には発水性樹脂によ
る薄膜が形成されているので、傾斜研磨面に水分は付着
されず、結露による光軸のずれを防止することができ
る。
のみ斜め研磨加工を施すので、研磨除差部が少なく、生
産性が良い受光モジュールを得ることができる。また、
屈折率整合接着剤により、光の発散、および空気層とA
PD受光面との境界面で起こる光の反射を抑制するた
め、高い光結合効率が得られるとともに、光ファイバ先
端部を屈折率整合接着剤により受光素子受光面に固定す
るので、特性の経時的劣化が少ない受光モジュールを得
ることができる。また、傾斜研磨面には発水性樹脂によ
る薄膜が形成されているので、傾斜研磨面に水分は付着
されず、結露による光軸のずれを防止することができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
光ファイバ光軸に対して斜めに研磨してなる傾斜研磨面
を先端に有する光ファイバから出射した光を、基板上に
設けられた受光素子の受光面に、光ファイバクラッドの
屈折率と等しい屈折率整合接着剤を介して入射させるよ
うに構成した受光モジュールであり、全反射して光ファ
イバの側方より出射する光の発散、および空気層とAP
D受光面との境界面で起こる光の反射を屈折率整合接着
剤によって抑制するので、高い光結合効率を得ることが
できるという作用を有する。また、光ファイバ先端と受
光素子受光面は該屈折率整合接着剤により位置固定され
るので、光ファイバの経時的撓みによる特性劣化が少な
い受光モジュールを得ることができるという作用を有す
る。
光ファイバ光軸に対して斜めに研磨してなる傾斜研磨面
を先端に有する光ファイバから出射した光を、基板上に
設けられた受光素子の受光面に、光ファイバクラッドの
屈折率と等しい屈折率整合接着剤を介して入射させるよ
うに構成した受光モジュールであり、全反射して光ファ
イバの側方より出射する光の発散、および空気層とAP
D受光面との境界面で起こる光の反射を屈折率整合接着
剤によって抑制するので、高い光結合効率を得ることが
できるという作用を有する。また、光ファイバ先端と受
光素子受光面は該屈折率整合接着剤により位置固定され
るので、光ファイバの経時的撓みによる特性劣化が少な
い受光モジュールを得ることができるという作用を有す
る。
【0018】また、請求項2記載の発明は、前記光ファ
イバ光軸を、基板平面に対して所定角度に傾け、前記傾
斜研磨面で反射した光が、前記受光素子の受光面に垂直
に入射するようにしたものであり、受光素子の受光面上
における出射ビームの形状は円形になるとともに、光フ
ァイバより出射された信号光の光路長は最短となるた
め、光結合効率が向上するという作用を有する。
イバ光軸を、基板平面に対して所定角度に傾け、前記傾
斜研磨面で反射した光が、前記受光素子の受光面に垂直
に入射するようにしたものであり、受光素子の受光面上
における出射ビームの形状は円形になるとともに、光フ
ァイバより出射された信号光の光路長は最短となるた
め、光結合効率が向上するという作用を有する。
【0019】また、請求項3記載の発明は、前記傾斜研
磨面に、前記屈折率接着剤による薄膜を形成することに
より、屈折率整合接着剤と空気層との境界面で反射した
光を受光素子に入射させるようにしたものであり、傾斜
研磨面の面粗さによる信号光の反射損失、および研磨加
工条件による反射率のばらつきを防ぐという作用を有す
る。
磨面に、前記屈折率接着剤による薄膜を形成することに
より、屈折率整合接着剤と空気層との境界面で反射した
光を受光素子に入射させるようにしたものであり、傾斜
研磨面の面粗さによる信号光の反射損失、および研磨加
工条件による反射率のばらつきを防ぐという作用を有す
る。
【0020】また、請求項4記載の発明は、前記傾斜研
磨面に、発水性樹脂による薄膜を形成したものであり、
傾斜研磨面に水分は付着されず、結露による光軸位置ず
れを防ぐという作用を有する。
磨面に、発水性樹脂による薄膜を形成したものであり、
傾斜研磨面に水分は付着されず、結露による光軸位置ず
れを防ぐという作用を有する。
【0021】また、請求項5記載の発明は、前記光ファ
イバの端面を、光ファイバコアを含む前記傾斜研磨面
と、前記傾斜研磨面の先端部に形成され、前記光ファイ
バ光軸に対して直角かつ平滑な切り口からなる直角研磨
面とから構成した受光モジュールであり、光ファイバコ
アを含む箇所のみ斜め研磨加工を施すので、研磨除差部
が少なく、生産性が良い受光モジュールを得ることがで
きるという作用を有する。
イバの端面を、光ファイバコアを含む前記傾斜研磨面
と、前記傾斜研磨面の先端部に形成され、前記光ファイ
バ光軸に対して直角かつ平滑な切り口からなる直角研磨
面とから構成した受光モジュールであり、光ファイバコ
アを含む箇所のみ斜め研磨加工を施すので、研磨除差部
が少なく、生産性が良い受光モジュールを得ることがで
きるという作用を有する。
【0022】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図6を用いて説明する。
から図6を用いて説明する。
【0023】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1の受光モジュールにおける光ファイバと受光素子と
光結合構造を示す側面断面図であり、11は光ファイ
バ、12はコア、13は光ファイバ11の先端を斜めに
研磨することにより形成された傾斜研磨面、14は信号
光、15は受光素子、16は基板、17は屈折率整合接
着剤である。光ファイバ11のコア12間を伝搬してき
た信号光14は、光ファイバ11の傾斜研磨面13によ
って全反射され、基板16上に直接実装(フリップ・チ
ップ・ボンディング)されているアバランシェ・フォト
・ダイオード(APD)等からなる受光素子15の受光
面に入射される。光ファイバ11の側方と受光素子15
との間には、光ファイバ11のクラッドと屈折率の等し
い屈折率整合接着剤17が充填されており、信号光14
の導波路が形成されている。
態1の受光モジュールにおける光ファイバと受光素子と
光結合構造を示す側面断面図であり、11は光ファイ
バ、12はコア、13は光ファイバ11の先端を斜めに
研磨することにより形成された傾斜研磨面、14は信号
光、15は受光素子、16は基板、17は屈折率整合接
着剤である。光ファイバ11のコア12間を伝搬してき
た信号光14は、光ファイバ11の傾斜研磨面13によ
って全反射され、基板16上に直接実装(フリップ・チ
ップ・ボンディング)されているアバランシェ・フォト
・ダイオード(APD)等からなる受光素子15の受光
面に入射される。光ファイバ11の側方と受光素子15
との間には、光ファイバ11のクラッドと屈折率の等し
い屈折率整合接着剤17が充填されており、信号光14
の導波路が形成されている。
【0024】以上のように構成された受光モジュールに
ついて、光結合構造の製造方法を説明する。まず、アバ
ランシェ・フォト・ダイオード(APD)等からなる受
光素子15については、例えば、フリップ・チップ・ボ
ンディングによりセラミック等からなる基板16上に固
定しておく。次に、受光素子15の受光面に、光ファイ
バ11のクラッドと屈折率の等しい屈折率整合接着剤1
7を塗布する。塗布後、光ファイバ11の先端を受光素
子15の受光面上に載置し、光ファイバ11の傾斜研磨
面13における反射光軸が受光素子15の受光面垂線と
一致するように光ファイバ11を回転調整する。回転調
整後、十分な光結合効率を得るために、光ファイバ11
と受光面を近接させ、受光素子15上に塗布された屈折
率整合接着剤17に光ファイバ11の先端部側面を浸
す。次に、前記反射光軸上に受光素子15の受光面が位
置するように、光ファイバ11を基板16上平面方向に
移動調整する。調整後、屈折率整合接着剤17を硬化さ
せる。屈折率整合接着剤17としては、例えば、紫外線
硬化型樹脂を使用する。そして、光軸調整後に、紫外線
硬化型樹脂に対して紫外線を照射することによって、短
時間に硬化作業を行うことができる。
ついて、光結合構造の製造方法を説明する。まず、アバ
ランシェ・フォト・ダイオード(APD)等からなる受
光素子15については、例えば、フリップ・チップ・ボ
ンディングによりセラミック等からなる基板16上に固
定しておく。次に、受光素子15の受光面に、光ファイ
バ11のクラッドと屈折率の等しい屈折率整合接着剤1
7を塗布する。塗布後、光ファイバ11の先端を受光素
子15の受光面上に載置し、光ファイバ11の傾斜研磨
面13における反射光軸が受光素子15の受光面垂線と
一致するように光ファイバ11を回転調整する。回転調
整後、十分な光結合効率を得るために、光ファイバ11
と受光面を近接させ、受光素子15上に塗布された屈折
率整合接着剤17に光ファイバ11の先端部側面を浸
す。次に、前記反射光軸上に受光素子15の受光面が位
置するように、光ファイバ11を基板16上平面方向に
移動調整する。調整後、屈折率整合接着剤17を硬化さ
せる。屈折率整合接着剤17としては、例えば、紫外線
硬化型樹脂を使用する。そして、光軸調整後に、紫外線
硬化型樹脂に対して紫外線を照射することによって、短
時間に硬化作業を行うことができる。
【0025】受光モジュールの光結合構造において、光
ファイバ11による光の反射から受光素子15への入射
経路を、図2を用いてその動作を説明する。光ファイバ
21のコア22間を伝搬してきた信号光24は傾斜研磨
面23で全反射した後、光ファイバ21の側方より出射
する。光ファイバ21側方から出射された光ビームの強
度分布はガウス形状とみなすことができ、回折により出
射された光ビームは図2に示すように広がる。光ビーム
の1/e2となる光ビームの半径をωとし、光ファイバ
21側方から出射された信号光24が受光素子25の受
光面までに到達する光路長をZとすると、半径ωは(数
1)により表される。
ファイバ11による光の反射から受光素子15への入射
経路を、図2を用いてその動作を説明する。光ファイバ
21のコア22間を伝搬してきた信号光24は傾斜研磨
面23で全反射した後、光ファイバ21の側方より出射
する。光ファイバ21側方から出射された光ビームの強
度分布はガウス形状とみなすことができ、回折により出
射された光ビームは図2に示すように広がる。光ビーム
の1/e2となる光ビームの半径をωとし、光ファイバ
21側方から出射された信号光24が受光素子25の受
光面までに到達する光路長をZとすると、半径ωは(数
1)により表される。
【0026】
【数1】ω2=ω0 2{1+(λZ/πω0 2n)2} ω0:光ファイバのコア径 λ :光の波長 n :媒質間の屈折率 屈折率整合接着剤17の屈折率nは1.46程度である
ため、屈折率整合接着剤17中を伝搬する信号光24は
空気層(n=1)中を伝搬する光に比べて、光の発散が
小さくなる。また、信号光24が光ファイバ21の側方
より射出する際、および受光素子25の受光面に入射す
る際には、光の反射が伴う。反射光強度は、媒質間の屈
折率差が大きくなるに伴い大きくなる。したがって、光
ファイバ21の側方と受光素子25との間に光ファイバ
21のクラッドと屈折率の等しい屈折率整合接着剤17
を充填すれば、空気層の場合に比べて媒質間の屈折率の
差が小さくなるので、反射光28による損失が小さくな
る。
ため、屈折率整合接着剤17中を伝搬する信号光24は
空気層(n=1)中を伝搬する光に比べて、光の発散が
小さくなる。また、信号光24が光ファイバ21の側方
より射出する際、および受光素子25の受光面に入射す
る際には、光の反射が伴う。反射光強度は、媒質間の屈
折率差が大きくなるに伴い大きくなる。したがって、光
ファイバ21の側方と受光素子25との間に光ファイバ
21のクラッドと屈折率の等しい屈折率整合接着剤17
を充填すれば、空気層の場合に比べて媒質間の屈折率の
差が小さくなるので、反射光28による損失が小さくな
る。
【0027】以上のように実施の形態1によれば、先端
が斜めに研磨された光ファイバより出射した光を、光フ
ァイバクラッドの屈折率と屈折率整合接着剤を介して、
基板上に設けられた受光素子の受光面に入射されるよう
にした光結合構造とすることにより、全反射して光ファ
イバの側方より出射する光の発散、および空気層とAP
D受光面との境界面で起こる光の反射を抑制するので、
高い光結合効率を得ることができる。
が斜めに研磨された光ファイバより出射した光を、光フ
ァイバクラッドの屈折率と屈折率整合接着剤を介して、
基板上に設けられた受光素子の受光面に入射されるよう
にした光結合構造とすることにより、全反射して光ファ
イバの側方より出射する光の発散、および空気層とAP
D受光面との境界面で起こる光の反射を抑制するので、
高い光結合効率を得ることができる。
【0028】本発明の実施の形態1による受光モジュー
ルの特性と従来の受光モジュールの特性との比較を図8
に示した。
ルの特性と従来の受光モジュールの特性との比較を図8
に示した。
【0029】図8から明らかなように、実施の形態1に
よる受光モジュールは、光ファイバと受光素子15を光
結合するに際して光学的な結合率が高く、受信感度の点
で優れた効果が得られる。
よる受光モジュールは、光ファイバと受光素子15を光
結合するに際して光学的な結合率が高く、受信感度の点
で優れた効果が得られる。
【0030】以上のように実施の形態1によれば、光フ
ァイバ11の側方と受光素子15との間に、光ファイバ
11のクラッドと屈折率の等しい屈折率整合接着剤17
を充填することにより、高い光結合効率を得ることがで
きる。また、光ファイバ11の先端部を屈折率整合接着
剤17により受光素子15の受光面に固定するので、光
ファイバ11の経時的撓みによる特性劣化が少ない受光
モジュールを得ることができる。また、従来は受光素子
等が外気の影響を受けないようにケースによって気密封
止されていたが、実施の形態1によれば、屈折率整合接
着剤17により樹脂封止することによって受光素子15
は外気の影響を受けず、受光モジュール構造の簡素化、
および生産性が良い受光モジュールを得ることができ
る。
ァイバ11の側方と受光素子15との間に、光ファイバ
11のクラッドと屈折率の等しい屈折率整合接着剤17
を充填することにより、高い光結合効率を得ることがで
きる。また、光ファイバ11の先端部を屈折率整合接着
剤17により受光素子15の受光面に固定するので、光
ファイバ11の経時的撓みによる特性劣化が少ない受光
モジュールを得ることができる。また、従来は受光素子
等が外気の影響を受けないようにケースによって気密封
止されていたが、実施の形態1によれば、屈折率整合接
着剤17により樹脂封止することによって受光素子15
は外気の影響を受けず、受光モジュール構造の簡素化、
および生産性が良い受光モジュールを得ることができ
る。
【0031】(実施の形態2)図3は本発明の実施の形
態2の光ファイバ先端部分における信号光の反射経路を
示す説明図である。光ファイバ31先端部の研磨角度を
θp,光ファイバ31のコア32内を伝搬する信号光3
4の伝搬角度をθc,コア32の屈折率をn1とすると、
信号光34が傾斜研磨面33で全反射する条件は、(数
2)となる。
態2の光ファイバ先端部分における信号光の反射経路を
示す説明図である。光ファイバ31先端部の研磨角度を
θp,光ファイバ31のコア32内を伝搬する信号光3
4の伝搬角度をθc,コア32の屈折率をn1とすると、
信号光34が傾斜研磨面33で全反射する条件は、(数
2)となる。
【0032】
【数2】θp≦90−θc−arcsin(1/n1) コア32の屈折率(n1)が1.45,信号光34の波長
(λ)が1.55μmの場合、臨界全反射角度(θp)は
44.4°となる。また、光ファイバ31からのビーム
中心の出射角度(θa)は、(数3)となる。
(λ)が1.55μmの場合、臨界全反射角度(θp)は
44.4°となる。また、光ファイバ31からのビーム
中心の出射角度(θa)は、(数3)となる。
【0033】
【数3】θa=arcsin[n2sin(90−2θp)] n2:クラッドの屈折率 製造精度を考慮して光ファイバ31の先端部の研磨角度
を40°とした場合、θaは15°になる。その結果、
光ファイバ31より出射された信号光34は受光素子の
受光面垂線に対し、傾いて入射されるため、受光面上の
出射ビームは楕円形となる。また、光ファイバ31側方
より信号光34が垂直出射される場合に比べ、光路長が
長くなるので損失となるとともに、受光面に斜めより光
が入射されるので反射損失が大きくなり、その結果、光
結合効率が低下する。
を40°とした場合、θaは15°になる。その結果、
光ファイバ31より出射された信号光34は受光素子の
受光面垂線に対し、傾いて入射されるため、受光面上の
出射ビームは楕円形となる。また、光ファイバ31側方
より信号光34が垂直出射される場合に比べ、光路長が
長くなるので損失となるとともに、受光面に斜めより光
が入射されるので反射損失が大きくなり、その結果、光
結合効率が低下する。
【0034】実施の形態2は、実施の形態1のように構
成された受光モジュールにおいて、光ファイバ11の光
軸を基板平面に対して15°傾け、光ファイバ11の先
端の傾斜研磨面13で反射して出射した光が、受光素子
15の受光面に垂直に入射するようにしたものである
(図1)。ただし、受光素子15の受光面に垂直入射し
た信号光14は、受光面において反射することにより、
入射経路を逆進して光ファイバ11まで戻るおそれがあ
る。したがって、受光面表面には反射防止膜を施す必要
がある。
成された受光モジュールにおいて、光ファイバ11の光
軸を基板平面に対して15°傾け、光ファイバ11の先
端の傾斜研磨面13で反射して出射した光が、受光素子
15の受光面に垂直に入射するようにしたものである
(図1)。ただし、受光素子15の受光面に垂直入射し
た信号光14は、受光面において反射することにより、
入射経路を逆進して光ファイバ11まで戻るおそれがあ
る。したがって、受光面表面には反射防止膜を施す必要
がある。
【0035】以上のように実施の形態2によれば、光フ
ァイバ31の光軸を基板平面に対して所定角度に傾け、
光ファイバ11先端の傾斜研磨面33で反射して出射し
た光を受光素子15の受光面に垂直に入射させることに
より、受光面上における出射ビームの形状は円形になる
とともに、光ファイバ31より出射された伝搬光の光路
長は最短となる。また、受光素子15の受光面に入射す
る光の反射損失が軽減するため、光結合効率を向上させ
ることができる。
ァイバ31の光軸を基板平面に対して所定角度に傾け、
光ファイバ11先端の傾斜研磨面33で反射して出射し
た光を受光素子15の受光面に垂直に入射させることに
より、受光面上における出射ビームの形状は円形になる
とともに、光ファイバ31より出射された伝搬光の光路
長は最短となる。また、受光素子15の受光面に入射す
る光の反射損失が軽減するため、光結合効率を向上させ
ることができる。
【0036】(実施の形態3)図4は本発明の実施の形
態3における光ファイバと受光素子の光結合構造の要部
拡大図であり、光ファイバ41先端部の傾斜研磨面43
の表面には光ファイバ41のクラッドと等しい屈折率を
有する屈折率整合接着剤47によって、薄膜48が形成
されている。なお、光ファイバ41のコアとクラッドの
屈折率の差はほとんどないので、光ファイバ41のコア
42内を伝搬してきた信号光44は、コア42と傾斜研
磨面43に薄膜48を形成している屈折率整合接着剤4
7との境界面で反射することなく、薄膜48内を透過す
る。薄膜48内を透過した信号光44は、屈折率整合接
着剤47の薄膜48と空気層との境界面で全反射し、光
ファイバ41の側方より出射する。
態3における光ファイバと受光素子の光結合構造の要部
拡大図であり、光ファイバ41先端部の傾斜研磨面43
の表面には光ファイバ41のクラッドと等しい屈折率を
有する屈折率整合接着剤47によって、薄膜48が形成
されている。なお、光ファイバ41のコアとクラッドの
屈折率の差はほとんどないので、光ファイバ41のコア
42内を伝搬してきた信号光44は、コア42と傾斜研
磨面43に薄膜48を形成している屈折率整合接着剤4
7との境界面で反射することなく、薄膜48内を透過す
る。薄膜48内を透過した信号光44は、屈折率整合接
着剤47の薄膜48と空気層との境界面で全反射し、光
ファイバ41の側方より出射する。
【0037】以上のように構成された受光モジュールに
ついて、光結合構造の製造方法を説明する。基板46上
に直接実装された受光素子45の受光面に、光ファイバ
41のクラッドと屈折率の等しい屈折率整合接着剤47
を充填した後、光ファイバ41先端部を、受光面上を覆
う屈折率整合接着剤47に挿入する。次に、光ファイバ
41を受光面から上方に微小移動させると、光ファイバ
41先端部の傾斜研磨面43には、表面張力により屈折
率整合接着剤47の薄膜48が形成される。なお、屈折
率整合接着剤47の薄膜48と空気層との境界面は平面
と見なし、光ファイバ41光軸と前記境界面がなす角度
は、光ファイバ41の先端部の傾斜研磨面43の角度と
等しくなる。
ついて、光結合構造の製造方法を説明する。基板46上
に直接実装された受光素子45の受光面に、光ファイバ
41のクラッドと屈折率の等しい屈折率整合接着剤47
を充填した後、光ファイバ41先端部を、受光面上を覆
う屈折率整合接着剤47に挿入する。次に、光ファイバ
41を受光面から上方に微小移動させると、光ファイバ
41先端部の傾斜研磨面43には、表面張力により屈折
率整合接着剤47の薄膜48が形成される。なお、屈折
率整合接着剤47の薄膜48と空気層との境界面は平面
と見なし、光ファイバ41光軸と前記境界面がなす角度
は、光ファイバ41の先端部の傾斜研磨面43の角度と
等しくなる。
【0038】次に、境界面における反射光軸と受光素子
45の受光面が位置するように、光ファイバ41を基板
46上平面方向に移動調整する。調整後、屈折率整合接
着剤47を硬化させる。従来は、光ファイバ41先端部
の傾斜研磨面43における面粗さにより、信号光44の
反射率にばらつきが生じていた。しかし、傾斜研磨面4
3に前記屈折率整合接着剤47による薄膜部48を形成
することにより、傾斜研磨面43の凹凸を屈折率整合接
着剤47により均一にし、また、薄膜部48と空気層と
の境界面は平坦になるので、高い光反射率を得るととも
に、研磨加工による反射率のばらつきを抑制することが
できる。また、実施の形態1による受光モジュールの光
結合構造では、傾斜研磨面に屈折整合接着剤を付着させ
ず製作するのは困難である。
45の受光面が位置するように、光ファイバ41を基板
46上平面方向に移動調整する。調整後、屈折率整合接
着剤47を硬化させる。従来は、光ファイバ41先端部
の傾斜研磨面43における面粗さにより、信号光44の
反射率にばらつきが生じていた。しかし、傾斜研磨面4
3に前記屈折率整合接着剤47による薄膜部48を形成
することにより、傾斜研磨面43の凹凸を屈折率整合接
着剤47により均一にし、また、薄膜部48と空気層と
の境界面は平坦になるので、高い光反射率を得るととも
に、研磨加工による反射率のばらつきを抑制することが
できる。また、実施の形態1による受光モジュールの光
結合構造では、傾斜研磨面に屈折整合接着剤を付着させ
ず製作するのは困難である。
【0039】以上のように本発明の実施の形態3によれ
ば、光ファイバ先端の傾斜研磨面43表面に屈折率整合
接着剤47による薄膜を形成することにより、屈折率整
合接着剤47と空気層との境界面で反射した光を受光素
子45に入射させる。その結果、傾斜研磨面43の面精
度による伝搬光の反射損失、および傾斜研磨面43にお
ける反射率のばらつきを防ぎ、安定した品質の受光モジ
ュールを提供することができる。
ば、光ファイバ先端の傾斜研磨面43表面に屈折率整合
接着剤47による薄膜を形成することにより、屈折率整
合接着剤47と空気層との境界面で反射した光を受光素
子45に入射させる。その結果、傾斜研磨面43の面精
度による伝搬光の反射損失、および傾斜研磨面43にお
ける反射率のばらつきを防ぎ、安定した品質の受光モジ
ュールを提供することができる。
【0040】(実施の形態4)図5は本発明の実施の形
態4における光ファイバと受光素子の光結合構造の要部
拡大図であり、光ファイバ51の先端部の傾斜研磨面5
3の表面には発水性樹脂による薄膜58が形成されてい
る。
態4における光ファイバと受光素子の光結合構造の要部
拡大図であり、光ファイバ51の先端部の傾斜研磨面5
3の表面には発水性樹脂による薄膜58が形成されてい
る。
【0041】以上のように構成された受光モジュールに
ついて、図5を用いてその動作を説明する。先端が斜め
に研磨された光ファイバ51により反射して出射した信
号光54を、基板56上に設けられた受光素子55の受
光面に入射されるようにした実施の形態4における受光
モジュールでは、光ファイバ51のコア52内を伝搬す
る信号光54が傾斜研磨面53で全反射する条件を求め
るとき、傾斜研磨面53と空気層との境界面で全反射が
起こると想定している。したがって、傾斜研磨面53に
空気と屈折率の違う水分が結露等により付着すると、信
号光54の全反射する条件が変わり、その結果、信号光
54は傾斜研磨面53において全反射を起さず、受光モ
ジュールの光結合効率が低下するという問題がある。し
たがって、傾斜研磨面53に水分が付着しないように、
発水性樹脂による薄膜58を形成した。
ついて、図5を用いてその動作を説明する。先端が斜め
に研磨された光ファイバ51により反射して出射した信
号光54を、基板56上に設けられた受光素子55の受
光面に入射されるようにした実施の形態4における受光
モジュールでは、光ファイバ51のコア52内を伝搬す
る信号光54が傾斜研磨面53で全反射する条件を求め
るとき、傾斜研磨面53と空気層との境界面で全反射が
起こると想定している。したがって、傾斜研磨面53に
空気と屈折率の違う水分が結露等により付着すると、信
号光54の全反射する条件が変わり、その結果、信号光
54は傾斜研磨面53において全反射を起さず、受光モ
ジュールの光結合効率が低下するという問題がある。し
たがって、傾斜研磨面53に水分が付着しないように、
発水性樹脂による薄膜58を形成した。
【0042】以上のように実施の形態4によれば、光フ
ァイバ51先端の傾斜研磨面53表面に発水性樹脂によ
る薄膜58を形成することにより、結露による光軸位置
ずれを防ぐことができる。
ァイバ51先端の傾斜研磨面53表面に発水性樹脂によ
る薄膜58を形成することにより、結露による光軸位置
ずれを防ぐことができる。
【0043】(実施の形態5)図6は本発明の実施の形
態5における光ファイバと受光素子の光結合構造の要部
拡大図であり、61は光ファイバを示す。この光ファイ
バ61は、光ファイバ端面を光ファイバ光軸に対して直
角、かつ平滑な切り口に切断した後、光ファイバ61の
コア62を含む箇所まで斜め研磨加工を施している。光
ファイバ61先端部の傾斜研磨面63と空気層との境界
面により信号光64を全反射させるには、光ファイバ6
1のコア62を含む面が傾斜研磨面63となれば良い。
態5における光ファイバと受光素子の光結合構造の要部
拡大図であり、61は光ファイバを示す。この光ファイ
バ61は、光ファイバ端面を光ファイバ光軸に対して直
角、かつ平滑な切り口に切断した後、光ファイバ61の
コア62を含む箇所まで斜め研磨加工を施している。光
ファイバ61先端部の傾斜研磨面63と空気層との境界
面により信号光64を全反射させるには、光ファイバ6
1のコア62を含む面が傾斜研磨面63となれば良い。
【0044】しかし、光ファイバ61先端部において、
信号光64の反射経路になるエッジ部分にだれ,欠けが
あると光損失になる。実施の形態5では、図6に示すよ
うに、基板66上に直接実装された受光素子65の受光
面に、光ファイバ61のクラッドと等しい屈折率整合接
着剤67を充填した後、コア62を含む面まで斜め研磨
加工を施した光ファイバ61の先端部を、受光素子65
の受光面上を覆う屈折率整合接着剤67中にコア62が
浸らないように挿入する。その結果、信号光64の反射
経路は、屈折率の等しい媒介中を進むので光損失がなく
なる。
信号光64の反射経路になるエッジ部分にだれ,欠けが
あると光損失になる。実施の形態5では、図6に示すよ
うに、基板66上に直接実装された受光素子65の受光
面に、光ファイバ61のクラッドと等しい屈折率整合接
着剤67を充填した後、コア62を含む面まで斜め研磨
加工を施した光ファイバ61の先端部を、受光素子65
の受光面上を覆う屈折率整合接着剤67中にコア62が
浸らないように挿入する。その結果、信号光64の反射
経路は、屈折率の等しい媒介中を進むので光損失がなく
なる。
【0045】以上のように実施の形態5によれば、実施
の形態1の受光モジュールに用いる光ファイバの斜め研
磨加工において、光ファイバ61端面を光ファイバ光軸
に対して直角、かつ平滑な切り口に切断した後、コア6
2を含む箇所のみ斜め研磨加工を施すので、研磨除差部
68が少なくなり、生産性が良い受光モジュールを得る
ことができる。
の形態1の受光モジュールに用いる光ファイバの斜め研
磨加工において、光ファイバ61端面を光ファイバ光軸
に対して直角、かつ平滑な切り口に切断した後、コア6
2を含む箇所のみ斜め研磨加工を施すので、研磨除差部
68が少なくなり、生産性が良い受光モジュールを得る
ことができる。
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明は、受光モジュール
の光結合構造に関して、端面を光ファイバ光軸に対して
直角、かつ平坦な切り口に切断した後、光ファイバコア
を含む箇所まで斜め研磨加工を施した光ファイバを、基
板平面に対して所定角度に傾け、該光ファイバ先端の研
磨面で反射して射出した光が、光ファイバクラッドの屈
折率と等しい屈折率整合接着剤を介して、基板上に設け
られた受光素子の受光部に垂直に入射させることによ
り、高い光結合効率が得られるとともに、生産性が良
く、特性の経時的劣化が少ない受光モジュールを得られ
る。
の光結合構造に関して、端面を光ファイバ光軸に対して
直角、かつ平坦な切り口に切断した後、光ファイバコア
を含む箇所まで斜め研磨加工を施した光ファイバを、基
板平面に対して所定角度に傾け、該光ファイバ先端の研
磨面で反射して射出した光が、光ファイバクラッドの屈
折率と等しい屈折率整合接着剤を介して、基板上に設け
られた受光素子の受光部に垂直に入射させることによ
り、高い光結合効率が得られるとともに、生産性が良
く、特性の経時的劣化が少ない受光モジュールを得られ
る。
【図1】本発明の実施の形態1,2における光ファイバ
と受光素子の光結合構造を示す側面断面図
と受光素子の光結合構造を示す側面断面図
【図2】本発明の実施の形態1との比較例を示す説明図
【図3】光ファイバ先端部分における信号光の反射経路
を示す図
を示す図
【図4】本発明の実施の形態3における光ファイバと受
光素子の光結合構造の要部拡大図
光素子の光結合構造の要部拡大図
【図5】本発明の実施の形態4における光ファイバと受
光素子の光結合構造の要部拡大図
光素子の光結合構造の要部拡大図
【図6】本発明の実施の形態5における光ファイバ端末
の要部拡大図
の要部拡大図
【図7】従来の光ファイバと受光素子の光結合構造を示
す側面断面拡大図
す側面断面拡大図
【図8】実施の形態による受光モジュールの特性と従来
の受光モジュールの特性とを示すグラフ
の受光モジュールの特性とを示すグラフ
11,21,31,41,51,61 光ファイバ 12,22,32,42,52,62 コア 13,23,33,43,53,63 傾斜研磨面 14,24,34,44,54,64 信号光 15,25,45,55,65 受光素子 16,26,46,56,66 基板 17,47,57,67 屈折率整合接着剤 27 出射ビーム 28 反射光 35 光ファイバクラッド 48 屈折率整合接着剤による薄膜 58 発水性樹脂による薄膜 68 研磨除差部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 根岸 英彦 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 Fターム(参考) 2H037 AA01 BA11 CA00 CA10 DA04 DA06 DA17 5F088 AA01 BA10 BA11 BA13 BB01 JA14 LA01
Claims (5)
- 【請求項1】 光ファイバ光軸に対して斜めに研磨して
なる傾斜研磨面を先端に有する光ファイバから出射した
光を、基板上に設けられた受光素子の受光面に、光ファ
イバクラッドの屈折率と等しい屈折率整合接着剤を介し
て入射させるように構成したことを特徴とする受光モジ
ュール。 - 【請求項2】 前記光ファイバ光軸を、基板平面に対し
て所定角度に傾け、前記傾斜研磨面で反射した光が、前
記受光素子の受光面に垂直に入射するように構成したこ
とを特徴とする請求項1記載の受光モジュール。 - 【請求項3】 前記傾斜研磨面に、前記屈折率接着剤に
よる薄膜を形成することを特徴とする請求項1記載の受
光モジュール。 - 【請求項4】 前記傾斜研磨面に、発水性樹脂による薄
膜を形成したことを特徴とする請求項1記載の受光モジ
ュール。 - 【請求項5】 前記光ファイバの端面を、光ファイバコ
アを含む前記傾斜研磨面と、前記傾斜研磨面の先端部に
形成され、前記光ファイバ光軸に対して直角かつ平滑な
切り口からなる直角研磨面とから構成したことを特徴と
する請求項1記載の受光モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10172956A JP2000009968A (ja) | 1998-06-19 | 1998-06-19 | 受光モジュール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10172956A JP2000009968A (ja) | 1998-06-19 | 1998-06-19 | 受光モジュール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000009968A true JP2000009968A (ja) | 2000-01-14 |
Family
ID=15951489
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10172956A Pending JP2000009968A (ja) | 1998-06-19 | 1998-06-19 | 受光モジュール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000009968A (ja) |
Cited By (15)
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---|---|---|---|---|
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KR100536435B1 (ko) * | 2002-07-12 | 2005-12-16 | 김미화 | 파장 및 편광의존도를 줄인 광도파로 탭 |
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WO2007080932A1 (ja) * | 2006-01-11 | 2007-07-19 | Omron Corporation | 光ケーブルモジュール及びそれを用いた機器 |
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JP2010217322A (ja) * | 2009-03-13 | 2010-09-30 | Fujikura Ltd | 光結合構造および光送受信モジュール |
JP2010237641A (ja) * | 2009-03-13 | 2010-10-21 | Fujikura Ltd | 光モジュールおよびモジュール付きケーブル |
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