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ICE 4

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ICE 4
ICE 4
基本情報
運用者 ドイツ鉄道
製造所 シーメンス・モビリティボンバルディア
運用開始 2017年12月
主要諸元
編成 K1n: 7両編成(3M4T)
K3s: 12両編成(6M6T)
軸配置 K1n: 2′2′+Bo′Bo′+2′2′+Bo′Bo′+Bo′Bo′+2′2′+2′2′
K3s: 2′2′+Bo′Bo′+Bo′Bo′+2′2′+Bo′Bo′+Bo′Bo′+2′2′+Bo′Bo′+2′2′+Bo′Bo′+2′2′+2′2′
軌間 1,435 mm
電気方式 交流15 kV 16.7 Hz
最高運転速度 K1n: 230 km/h
K3s(10両編成): 249 km/h
K3s(7・12両編成): 250 km/h
K4s: 265 km/h
編成重量 K1n: 455 t
K3s: 659 t
長さ 先頭車: 29,106 mm
中間車: 28.75 m
2,852 mm
高さ 4,111 mm
編成出力 K1n: 4,950 kW
K3s (12輌編成): 9,900 kW
K4s: 11550 kW
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ICE 4は、ドイツ鉄道の高速列車ICEで使用される動力分散方式高速鉄道電車である[1]。車両形式は電動車412形制御車付随車812形が付与された。

概要

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機関車が牽引する客車列車のICと、ICE 1ICE 2の置き換え、将来的なICE網の拡充のために導入が計画された。 そのため、高速化に重点が置かれていたICE 3までのICEシリーズに対し、ICE 4では最高速度はやや控えめで、多様な両数の編成にも柔軟に対応できるなど、経済性に重点が置かれている[2]

量産先行車の落成は2015年1月で、同年3月に10両から12両編成に注文を変更、同年12月にICxからICE4に再命名され[3]た。2016年の秋から14ヶ月の試運転を開始し[4]、2017年12月から運用開始の予定であったが[3]、同年6月時点で異常振動が発生しているとデア・シュピーゲル紙が報じている[5]

構造

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編成あたりの貫通路の数を減らし、収容能力を上げるため全長は約29mとなった。強度と室内空間の両立を狙って製車体となり、歪みを低減し薄肉化が可能なレーザー溶接を適用することで軽量化を図った[6]。前面形状はICE 3に類似しているが、多くの平面で構成されているという差異が見られる。運転席はICE 3同様、車体中央部に配置されている。これにより、国によって複線の通行方向(右側・左側、ドイツは右側通行)が異なっていても対応できるようになっている。

MT比が1:1の動力分散方式で、制御装置はインバータ制御方式、最高速度は組成によって異なり、3M4Tは量産先行車(K1n 編成)が230 km/h、量産車(K1s)が250 km/h、5M5T(K3s)が249 km/h、6M6T(K3s)が250 km/h、7M6T(K4s)が265 km/hである[3]欧州鉄道機関相互運用性を確保するTSIの等級区分のうち、速度の境界は250 km/hであり、K3sの10両編成を190 km/h以上250 km/h未満の「クラス2」とすることで設備投資を抑えることが可能となる。

12両編成では、全長346 m、座席数830席(1等205席、2等625席)[3]となる。

編成表

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7両編成

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号車 21 22 23 24 25 26 27
31 32 33 34 35 36 37
形式 Bpmdzf 7812.2 Bpmz 3412.7 Bpmz 3812.2 Bpmz 3412.2 Bpmbsz 7412.2 ARmz 8812.2 Apmzf 6812.2
車種 2等車 食堂車/1等車 1等車
全長 29,106mm 28,750mm 29,106mm
重量 55t 61t 51t 61t 63t 48t 55t
座席数 1等 21 50
2等 59 88 88 88 44
折り畳み 2
食堂車 16
備考・参考 [7]

12両編成

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号車 1 2 3 4 5 6 7 9 10 11 12 14
形式 Bpmdzf 5812.0 Bpmz 2412.8 Bpmz 2412.5 Bpmz 4812.0 Bpmz 2412.3 Bpmz 2412.0 Bpmz 9812.0 Bpmbsz 6412.0 ARmz 8812.0 Apmz 1412.0 Apmz 1812.0 Apmzf 0812.0
車種 2等車 食堂車/1等車 1等車
全長 29,106mm 28,750mm 29,106mm
重量 54.5t 60.5t 61.0t 51.0t 61.0t 60.5t 50.0t 62.5t 47.5t 61.0t 45.0t 54.5t
座席数 1等 21 67 67 50
2等 59 88 88 88 88 88 88 38
折り畳み 2
食堂車 22
備考・参考 [8][9]

13両編成

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号車 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 14
形式 Bpmdzf 5812.0 Bpmz 2412.8 Bpmz 2412.5 Bpmz 2412.7 Bpmz 4812.0 Bpmz 2412.3 Bpmz 2412.0 Bpmz 9812.0 Bpmbsz 6412.0 ARmz 8812.0 Apmz 1412.0 Apmz 1812.0 Apmzf 0812.0
車種 2等車 食堂車/1等車 1等車
全長 29,106mm 28,750mm 29,106mm
重量 55t 61t 61t 51t 61t 61t 50t 61t 63t 48t 61t 45t 55t
座席数 1等 21 67 67 50
2等 59 88 88 88 88 88 88 88 38
折り畳み 2
食堂車 22
備考・参考 [10]

脚注

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  1. ^ ICE 4, the high-speed train for Deutsche Bahn”. SIEMENS (2019年). 2019年8月5日閲覧。
  2. ^ 世界の高速列車のトレンドに発生した"異変" 鉄道見本市「イノトランス」速報レポート2016年9月20日,東洋経済オンライン
  3. ^ a b c d (英語)ICx becomes ICE 42015年12月7日,レールウェイ・ガゼット・インターナショナル
  4. ^ (英語)Premiere in Berlin: the ICE 4 has arrived 2016年9月14日,ドイツ鉄道公式
  5. ^ (ドイツ語)Probleme beim ICE 4 Neuer Superzug vibriert während der Fahr 2017年6月21日,デア・シュピーゲル
  6. ^ All aboard for the laser!”. 2024年6月1日閲覧。
  7. ^ Deutsche Bahn AG 2021, p. 116-125.
  8. ^ Deutsche Bahn AG (2017年9月). Fahrzeuglexikon für den Fernverkehr (PDF) (Report). 2020年12月27日閲覧
  9. ^ ICE4”. KATO. 2020年12月27日閲覧。
  10. ^ Deutsche Bahn AG 2021, p. 142-159.

参考資料

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関連項目

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外部リンク

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