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1982年カナダグランプリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カナダの旗 1982年カナダグランプリ
レース詳細
日程 1982年シーズン第8戦
決勝開催日 6月13日
開催地 サーキット・ジル・ヴィルヌーヴ
カナダ モントリオール
コース長 4.410km
レース距離 70周(308.700km)
決勝日天候 曇り
ポールポジション
ドライバー
タイム 1'27.509
ファステストラップ
ドライバー フランスの旗 ディディエ・ピローニ
タイム 1'28.323(Lap 66)
決勝順位
優勝
2位
3位

1982年カナダグランプリは、1982年F1世界選手権の第8戦として、1982年6月13日サーキット・ジル・ヴィルヌーヴで開催された。

第5戦ベルギーGP予選で事故死したジル・ヴィルヌーヴの業績を称えるためサーキット名が「サーキット・イル・ノートルダム」から「サーキット・ジル・ヴィルヌーヴ」に変更された。

BMWターボエンジンを搭載したブラバムをドライブするネルソン・ピケが優勝、BMWエンジンにF1初優勝をもたらした。

スタート直後の事故

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決勝スタート前のフォーメーションラップ終了後、後方の集団がグリッドに付くのに手間取りレッドシグナルの点灯が遅れた[1]。この影響で、レッドシグナルが点灯した瞬間にポールポジションのディディエ・ピローニフェラーリ)がエンジンストールを起こした。スタート後、グリッド上に止まったピローニを後続車が避けていったが、予選21番手からスタートしたラウル・ボーセルマーチ)がピローニと接触、さらにその後方からリカルド・パレッティオゼッラ)が160km/hのスピード[2][3][4]でフェラーリの後部に正面から衝突した。この衝撃でパレッティのマシンはフロント部がめり込む形で大破した[4]

レースは中断されピローニやコースマーシャルらが救助活動を開始したが、パレッティは潰れたシャシーに挟まれた状態にあったため救助は難航。さらに大破したマシンから流れ出したガソリンが引火しその消火に追われたこともあり、パレッティが救助されるまで30分が経過していた[4][5]。その後ヘリコプターで病院に搬送されたが、内臓破裂(ステアリングが胸部を圧迫したことによる胸郭破裂とも[4])により2時間後に死亡した[5]。この事故を受け、オゼッラは再スタートに出走せず決勝レースから撤退した。

予選

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順位 No ドライバー コンストラクター 1日目 2日目 タイム差
1 28 フランスの旗 ディディエ・ピローニ フェラーリ 1'31.332 1'27.509
2 16 フランスの旗 ルネ・アルヌー ルノー 1'31.494 1'27.895 +0.386
3 15 フランスの旗 アラン・プロスト ルノー 1'32.258 1'28.563 +1.054
4 1 ブラジルの旗 ネルソン・ピケ ブラバムBMW 1'32.105 1'28.663 +1.154
5 23 イタリアの旗 ブルーノ・ジャコメリ アルファロメオ 1'33.136 1'28.740 +1.231
6 7 イギリスの旗 ジョン・ワトソン マクラーレンフォード 1'35.027 1'28.822 +1.313
7 6 フィンランドの旗 ケケ・ロズベルグ ウィリアムズフォード 1'30.963 1'28.874 +1.365
8 2 イタリアの旗 リカルド・パトレーゼ ブラバムフォード 1'31.343 1'28.999 +1.490
9 22 イタリアの旗 アンドレア・デ・チェザリス アルファロメオ 1'30.286 1'29.183 +1.674
10 11 イタリアの旗 エリオ・デ・アンジェリス ロータスフォード 1'33.242 1'29.228 +1.719
11 8 オーストリアの旗 ニキ・ラウダ マクラーレンフォード 1'32.246 1'29.544 +2.035
12 25 アメリカ合衆国の旗 エディ・チーバー リジェマトラ 1'32.969 1'29.590 +2.081
13 5 アイルランドの旗 デレック・デイリー ウィリアムズフォード 1'31.757 1'29.883 +2.374
14 12 イギリスの旗 ナイジェル・マンセル ロータスフォード 1'33.023 1'30.048 +2.539
15 3 イタリアの旗 ミケーレ・アルボレート ティレルフォード 1'32.792 1'30.146 +2.637
16 29 スイスの旗 マルク・スレール アロウズフォード 1'36.428 1'30.518 +3.009
17 30 イタリアの旗 マウロ・バルディ アロウズフォード 1'38.956 1'30.599 +3.090
18 31 フランスの旗 ジャン=ピエール・ジャリエ オゼッラフォード 1'41.588 1'30.717 +3.208
19 26 フランスの旗 ジャック・ラフィット リジェマトラ 1'33.664 1'30.946 +3.437
20 14 コロンビアの旗 ロベルト・ゲレーロ エンサインフォード 1'36.524 1'31.235 +3.726
21 18 ブラジルの旗 ラウル・ボーセル マーチフォード 1'35.573 1'31.759 +4.250
22 17 ドイツの旗 ヨッヘン・マス マーチフォード 1'33.756 1'31.861 +4.352
23 32 イタリアの旗 リカルド・パレッティ オゼッラフォード 1'41.020 1'31.901 +4.392
24 10 チリの旗 エリセオ・サラザール ATSフォード 1'39.542 1'32.203 +4.694
25 33 イギリスの旗 ジェフ・リース セオドールフォード 1'36.359 1'32.205 +4.696
26 4 イギリスの旗 ブライアン・ヘントン ティレルフォード 1'39.211 1'32.325 +4.816
DNQ 9 ドイツの旗 マンフレッド・ヴィンケルホック ATSフォード 1'32.359 +4.850
DNQ 19 スペインの旗 エミリオ・デ・ヴィロタ マーチフォード 1'37.409 1'34.045 +6.536
DNQ 20 ブラジルの旗 チコ・セラ フィッティパルディフォード 1'37.678 1'42.730 +10.169
出典:[6]
  • 上位26台が予選通過
  • 太字は予選通過タイム

決勝

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順位 No ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 1 ブラジルの旗 ネルソン・ピケ ブラバムBMW 70 1:46'39.577 4 9
2 2 イタリアの旗 リカルド・パトレーゼ ブラバムフォード 70 +13.799 8 6
3 7 イギリスの旗 ジョン・ワトソン マクラーレンフォード 70 +1'01.836 6 4
4 11 イタリアの旗 エリオ・デ・アンジェリス ロータスフォード 69 +1 Lap 10 3
5 29 スイスの旗 マルク・スレール アロウズフォード 69 +1 Lap 16 2
6 22 イタリアの旗 アンドレア・デ・チェザリス アルファロメオ 68 燃料切れ 9 1
7 5 アイルランドの旗 デレック・デイリー ウィリアムズフォード 68 燃料切れ 13  
8 30 イタリアの旗 マウロ・バルディ アロウズフォード 68 + 2 Laps 17  
9 28 フランスの旗 ディディエ・ピローニ フェラーリ 67 +3 Laps 1  
10 25 アメリカ合衆国の旗 エディ・チーバー リジェマトラ 66 燃料切れ 12  
11 17 ドイツの旗 ヨッヘン・マス マーチフォード 66 +4 Laps 22  
NC 4 イギリスの旗 ブライアン・ヘントン ティレルフォード 59 周回数不足 26  
Ret 6 フィンランドの旗 ケケ・ロズベルグ ウィリアムズフォード 52 ギアボックス 7  
Ret 18 ブラジルの旗 ラウル・ボーセル マーチフォード 47 エンジン 21  
Ret 3 イタリアの旗 ミケーレ・アルボレート ティレルフォード 41 エンジン 15  
Ret 15 フランスの旗 アラン・プロスト ルノー 30 エンジン 3  
Ret 16 フランスの旗 ルネ・アルヌー ルノー 28 スピン 2  
Ret 10 チリの旗 エリセオ・サラザール ATSフォード 20 エンジン 24  
Ret 8 オーストリアの旗 ニキ・ラウダ マクラーレンフォード 17 クラッチ 11  
Ret 26 フランスの旗 ジャック・ラフィット リジェマトラ 8 燃料系 19  
Ret 14 コロンビアの旗 ロベルト・ゲレーロ エンサインフォード 2 クラッチ 20  
Ret 23 イタリアの旗 ブルーノ・ジャコメリ アルファロメオ 1 接触 5  
Ret 12 イギリスの旗 ナイジェル・マンセル ロータスフォード 1 接触 14  
Ret 31 フランスの旗 ジャン=ピエール・ジャリエ オゼッラフォード 0 棄権 18  
Ret 32 イタリアの旗 リカルド・パレッティ オゼッラフォード 0 事故死 23  
Ret 33 イギリスの旗 ジェフ・リース セオドールフォード 0 接触 25  
  • スタート直後に多重クラッシュが発生したため、レースは一時中断、後に再スタート
  • No.32がクラッシュにより死亡したため、No.31は再スタートに参加せず
  • No.33は再スタート時にスペアカーがなかったため再スタートできず

第8戦終了時点でのランキング

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  • :ドライバー、コンストラクター共にトップ5のみ表示。

脚注

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  1. ^ カーグラフィック二玄社、1982年9月号、225頁。
  2. ^ 『カーグラフィック』、226頁。
  3. ^ オートスポーツ三栄書房、1982年8月15日号、91頁。
  4. ^ a b c d 1982年リカルド・パレッティ”. All for WIN!. 2013年11月9日閲覧。
  5. ^ a b 『カーグラフィック』、227頁。
  6. ^ オートスポーツ、90頁。

外部リンク

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前戦
1982年アメリカ東グランプリ
FIA F1世界選手権
1982年シーズン
次戦
1982年オランダグランプリ
前回開催
1981年カナダグランプリ
カナダの旗 カナダグランプリ 次回開催
1983年カナダグランプリ