藤井一至
藤井 一至(ふじい かずみち、1981年10月8日 - )は、日本の土壌学者。京都大学より博士(農学)の学位を取得後、日本学術振興会特別研究員を経て、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所主任研究員[1][2]。JST創発研究者[3]。持続的な食糧生産や土壌管理技術を研究する。著書に『大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち』(山と溪谷社)、『土 地球最後のナゾ 100億人を養う土壌を求めて』(光文社)で第七回河合隼雄学芸賞受賞[1][4]。
経歴
[編集]富山県中新川郡立山町生まれ[5]。子供の頃の趣味は岩石採集[6][7]。立山町立雄山中学校、富山県立富山中部高等学校を経て[5][8]、京都大学農学部を卒業。京都大学大学院農学研究科博士課程修了、博士(農学)の学位を取得[5]。大学では将棋部に所属し、関西学生王将(2003年)を獲得した。『風の谷のナウシカ』(宮崎駿)、『栽培植物と農耕の起源』(中尾佐助)に影響を受け、土の研究を志す[9][10]。土壌学研究室では吉田山の土壌生成過程、インドネシアの熱帯雨林の土地利用変化の影響を研究し[11]、森林総合研究所ではカナダの永久凍土の温暖化影響等を研究した[12]。国際連合食糧農業機関のGlobal Soil Partnershipの活動への参画、文科省に対する高校地理教科書改訂の提言も行う[13][14]。東京大学、東京農工大学、日本女子大学、日本大学、玉川大学、桜美林大学、東京都立大学等で非常勤講師を務める。朝日新聞 Globe+「疲れる土」特集で解説を担当した[15]。2022年10月31日TBS系で放映された『クレイジージャーニー』では、日本に僅かしかいない土壌学者の一人として、高校地理の土壌分布図の改訂に貢献したことが紹介された。
著書
[編集]受賞歴
[編集]- 2012年 Best Poster Award 8th International Symposium on Plant-Soil Interactions at Low pH(インド)
- 2013年 第一回 日本生態学会奨励賞(鈴木賞)
- 2015年 第三十三回 日本土壌肥料学会奨励賞
- 2016年 第十五回 日本農学進歩賞
- 2019年 第七回 河合隼雄学芸賞受賞
- 2019年 Ecological Research Paper Award 2018
- 2020年 第十一回 日本ペドロジー学会論文賞
- 2022年 第三十九回 とやま賞
- 2023年 第二十七回 日本生態学会宮地賞
- 2023年 第9回 World OMOSIROI Award
出演
[編集]- 久米宏 ラジオなんですけど(2018年10月3日、TBSラジオ)
- ハライチの魂の研究者24時(2019年12月28日、BS朝日)
- 又吉直樹のヘウレーカ!「ノー “土” ノー ライフ!?」(2020年1月15日、NHK教育)
- NHKBS キャッチ!世界のトップニュース「失われる土」(2020年2月10日、NHKBS)
- GROWING REED(2020年3月8日、J-Wave)
- ホンマでっか!?TV(2020年3月11日、フジテレビ)
- GOOD NEIGHBORS(2020年7月16日、J-Wave)
- NHK world Japan Science View "Quest for Soil - Creating Soil to Feed 10 Billion People"[16](2020年9月23日、NHK)
- 探求の階段(2020年12月3日、テレビ東京)
- 1億人の大質問!?笑ってコラえて!(2021年2月3日、日本テレビ)
- 赤江珠緒たまむすび(2021年4月8日、TBSラジオ)
- アシタノカレッジ(2021年12月2日、TBSラジオ)
- サイエンスZERO(2022年5月22日、NHK教育)
- クレイジージャーニー(2022年10月31日、TBS)
- 葉加瀬太郎 ANA WORLD AIR CURRENT (2022年12月10日、J-Wave)
- サンデーLIVE 松岡修造のみんながん晴れ[17](2023年1月22日、テレビ朝日)
- こねくと (2023年6月29日、TBSラジオ)[18]
- ヒューマニエンス(2023年12月25日、NHKBS)
- グレートネイチャー(2024年9月16日、NHKBS)
出典
[編集]- ^ a b “子供の習い事.net 土の研究者 藤井一至さん”. 2022年10月19日閲覧。
- ^ “肥沃な土はどこにある? 土壌学者に聞く宇宙からベランダ菜園までの土の話(前編)”. 2022年10月19日閲覧。
- ^ 科学技術振興機構, 国立研究開発法人. “理事長記者説明会|JSTについて|国立研究開発法人 科学技術振興機構”. www.jst.go.jp. 2022年10月21日閲覧。
- ^ “河合隼雄物語賞、三浦しをんさんに 学芸賞は藤井一至氏 - 産経ニュース”. 産経新聞 (2019年5月29日). 2022年10月19日閲覧。
- ^ a b c “藤井一至のホームページ - (1) プロフィール”. 2022年10月19日閲覧。
- ^ “大学で学ぶ意味ってなんですか?世界中の「土」を研究してきた博士に聞いてみた #学問の面白さ | マイナビ学生の窓口”. マイナビ学生の窓口 | マイナビ学生の窓口. 2022年10月21日閲覧。
- ^ 日本放送協会. “教えて先輩!土研究者 藤井一至さん【前編】|NHK就活応援ニュースゼミ”. NHK NEWS WEB. 2023年6月30日閲覧。
- ^ edumap. “【NIE研究発表大会】藤井先生が母校で講演”. oyama-j.edumap.jp. 2023年2月3日閲覧。
- ^ “フカフカの土が世界を救う!? 学校では教えてくれない「土」のはなし(1)”. みんなのミシマガジン. 2023年1月21日閲覧。
- ^ “一般財団法人 河合隼雄財団”. 一般財団法人 河合隼雄財団. 2022年10月25日閲覧。
- ^ “スマホも食べ物も土からできている。土壌学者に聞いた「非」再生可能な土の未来 Yahoo! JAPAN SDGs - 豊かな未来のきっかけを届ける”. 2022年10月19日閲覧。
- ^ (日本語) 【森林講座】永久凍土地帯に広がる酔っぱらいの森のナゾ(藤井一至) 2023年1月21日閲覧。
- ^ “藤井一至のホームページ - (3) 論文 & 学会発表”. sites.google.com. 2022年10月19日閲覧。
- ^ 一至, 藤井; 陽次郎, 松浦; 均志, 菅野; 裕介, 高田; 俊太郎, 平舘; 憲司, 田村; 英明, 平井; 隆, 小崎 (2019). “高等学校地理科目における土壌教育内容の更新の必要性”. ペドロジスト 63 (2): 73–81. doi:10.18920/pedologist.63.2_73 .
- ^ “いまなぜ土が「アツい」のか 土壌学者が語る「土・貧困・未来」の深い関係:朝日新聞GLOBE+”. 朝日新聞GLOBE+. 2022年10月21日閲覧。
- ^ (英語) Quest for Soil - Creating Soil to Feed 10 Billion People - Science View - TV | NHK WORLD-JAPAN Live & Programs 2023年1月26日閲覧。
- ^ (日本語) 【松岡修造のみんながん晴れ】飢餓も貧困も解決!土が世界を救う(2023年1月22日) 2023年1月26日閲覧。
- ^ “こねくと 2023年06月29日”. radioupdate.net. 2023年6月30日閲覧。
外部リンク
[編集]- 日本の研究.com:383029
- 藤井一至 - researchmap
- 藤井一至 - KAKEN 科学研究費助成事業データベース
- 藤井一至 (@VirtualSoil) - X(旧Twitter)
- 藤井一至 (@kazumichifujii) - Instagram