強要罪
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この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
強要罪 | |
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法律・条文 | 刑法223条 |
保護法益 | 意思決定の自由 |
主体 | 人 |
客体 | 人 |
実行行為 | 強要 |
主観 | 故意犯 |
結果 | 結果犯、侵害犯 |
実行の着手 | 暴行・脅迫を開始した時点 |
既遂時期 | 相手方が義務のないことを行った時点 |
法定刑 | 3年以下の懲役 |
未遂・予備 | 未遂223条3項 |
日本の刑法 |
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刑事法 |
刑法 |
刑法学 ・ 犯罪 ・ 刑罰 |
罪刑法定主義 |
犯罪論 |
構成要件 ・ 実行行為 ・ 不作為犯 |
間接正犯 ・ 未遂 ・ 既遂 ・ 中止犯 |
不能犯 ・ 因果関係 |
違法性 ・ 違法性阻却事由 |
正当行為 ・ 正当防衛 ・ 緊急避難 |
責任 ・ 責任主義 |
責任能力 ・ 心神喪失 ・ 心神耗弱 |
故意 ・ 故意犯 ・ 錯誤 |
過失 ・ 過失犯 |
期待可能性 |
誤想防衛 ・ 過剰防衛 |
共犯 ・ 正犯 ・ 共同正犯 |
共謀共同正犯 ・ 教唆犯 ・ 幇助犯 |
罪数 |
観念的競合 ・ 牽連犯 ・ 併合罪 |
刑罰論 |
死刑 ・ 懲役 ・ 禁錮 |
罰金 ・ 拘留 ・ 科料 ・ 没収 |
法定刑 ・ 処断刑 ・ 宣告刑 |
自首 ・ 酌量減軽 ・ 執行猶予 |
刑事訴訟法 ・ 刑事政策 |
カテゴリ |
強要罪(きょうようざい)とは、刑法で規定された個人的法益に対する犯罪。権利の行使を妨害し、義務なきことを強制することで成立する。保護法益は、意思の自由。「刑法 第二編 罪 第三十二章 脅迫の罪」に、脅迫罪とともに規定されている。
人を逮捕・監禁して第三者に義務なき行為を要求した場合には、特別法である人質による強要行為等の処罰に関する法律により重く処罰される。
概説
[編集]→「刑法223条」および「コンメンタール刑法223条」を参照
成立要件
[編集]- 脅迫を用いる行為:「殴るぞ」「土地を取るぞ」、そばアレルギーの人に「蕎麦食え」など。
- 暴行を用いる行為:殴り続ける、胸ぐらを掴むなど。
- 義務ではないことを強要する、権利行使を妨害する行為:「土下座しろ」や「借金を無い事にしろ」など。
前者2点のうちいずれかと後者が当てはまる場合に強要罪が成立する。
強要罪が成立したケース
[編集]- いわゆる「押し売り」。
- 建設業者が、宅地開発を許可しない県庁の課長の腕を掴んで、無理やり公印を押させた。
- 周囲を取り囲み、謝罪文を書かせた。
- 脅迫により質問への回答を無理強いする(ロート製薬強要事件)。
- そばアレルギーの人にそばを食わせて、重篤状態に陥らせた。
- 使用者が労働者に解雇か一身上の都合での退職を選べと選択を迫り、「会社都合」ではなく「一身上の都合」とした退職願いを書かせた[1]。
- 店員に土下座を強要し、その様子をツイッターに投稿(しまむら土下座強要事件)[2]。
- 店員にクレームをつけ、土下座を強要(ボウリング場土下座強要事件)[3]。
他罪との関係
[編集]- 害悪を告知しても結果が発生しなかった場合は、脅迫罪ではなく223条3項により強要罪の未遂が成立する。
- 害悪を告知して人の財物等を強取した場合は236条により強盗罪が成立する。畏怖させて財物等を提供させた場合は249条により恐喝罪が成立する。
- 自殺を強要する行為は自殺教唆罪が成立するが程度によっては殺人罪が成立する。
- 多衆により・また暴力団及びその構成員の威勢を利用して強要行為を行った場合には暴力行為等処罰ニ関スル法律が適用される場合がある。
- 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(組織的犯罪処罰法)の適用を受ける場合には、法定刑は5年以下の懲役に加重される(組織的犯罪処罰法3条1項9号)。
- 脅迫・暴行を用いて、13歳以上の者にわいせつな行為をした場合は、不同意わいせつ罪が成立する。
- 不同意性交等罪、逮捕・監禁罪などが成立する場合は、強要罪の成立は排除される。
法定刑
[編集]法定刑は、3年以下の懲役。未遂罪であっても同じく3年以下の懲役。
強要罪の時効
[編集]強要罪の公訴時効は3年。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ 昭和28年11月26日 最高裁判決
- ^ 「しまむら店員に土下座強要」で「炎上」した女性が逮捕 Huffington Post Japan、2013年10月7日
- ^ 平成27年3月18日 大津地方裁判所
参考文献
[編集]- 『デイリー六法2016 平成28年版 』三省堂、2015年10月16日。1856頁。ISBN 4-3851-5959-9。