[go: up one dir, main page]

コンテンツにスキップ

天藤真

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

天藤 真(てんどう しん、1915年8月8日 - 1983年1月25日)は、日本推理作家。 本名は遠藤 晋。

来歴

[編集]

東京都生まれ。東京帝国大学国文科卒。同盟通信社記者を経て、戦後は千葉県開拓農民となる。 また千葉敬愛短期大学講師も務める。寡作ながらユーモアウィットに富んだ文体、状況設定の巧みさと読者の意表を突く展開の作風が特徴的である。現在、ほとんどの作品が創元推理文庫に入っている。

1962年、旧『宝石』に投稿した『親友記』が宝石賞に佳作入選して、作家活動を開始。また同年『陽気な容疑者たち』が第八回江戸川乱歩賞の最終候補となり、大下宇陀児らの推薦を得て翌年刊行に至る。1963年、『鷹と鳶』で第二回宝石賞を受賞。

1979年、『大誘拐』で第三十二回日本推理作家協会賞を受賞。

作品リスト

[編集]
  • 『陽気な容疑者たち』(東都書房) 1963、のち角川文庫 1980、のち創元推理文庫 1995.5
  • 『死の内幕』(宝石社) 1963、のち角川文庫 1981年、のち創元推理文庫 1995.3
  • 鈍い球音』(青樹社) 1971、のち角川文庫 1980、のち日本文華社 1980、のち青樹社 1992、のち創元推理文庫 1995.6
  • 『皆殺しパーティ』(サンケイ新聞社出版局、サンケイノベルス 1972、のち角川文庫 1980、のち創元推理文庫 1997.3
  • 『殺しへの招待』(産報、サンポウ・ノベルス) 1973、のち角川文庫 1980、のち創元推理文庫 1997.5
手紙-殺しへの招待-』としてテレビドラマ化された。
立風書房版・徳間文庫版では鷹見緋沙子名義。
創元推理文庫版には短編「覆面レクイエム」を収録。
  • 『炎の背景』(幻影城ノベルス) 1976、のち角川文庫 1981、のち創元推理文庫 2000.3
  • 『死角に消えた殺人者』(KKベストセラーズ、ベストセラー・ノベルズ) 1976、のち角川文庫 1981、のち創元推理文庫 2000.5
  • 大誘拐』(カイガイ出版 1978、のちトクマ・ノベルズ 1979、のち角川文庫 1980、のちトクマ・ノベルズ【新装版】 1990.11、のち双葉文庫[1] 1996.5、のち創元推理文庫 2000.7
  • 『絶命詞 自選推理小説集』(双葉社) 1979
    • 収録作品:「逢う時は死人」「鷹と鳶」「穴物語」「金瓶梅殺人事件」「死の色は紅」「絶命詞」
  • 『善人たちの夜』(トクマ・ノベルズ) 1980、のち創元推理文庫 1996.10
  • 『遠きに目ありて』(大和書房) 1981、のち創元推理文庫 1992.12
    • 収録作品:「多すぎる証人」「宙を飛ぶ死」「出口のない街」「見えない白い手」「完全な不在」
  • 『あたしと真夏とスパイ』(大和書房) 1982.9
    • 収録作品:「親友記」「星を拾う男たち」「あたしと真夏とスパイ」「背が高くて東大出」「隠すよりなお顕れる」「七人美登利」
  • 『犯罪講師』(角川文庫) 1982.10
    • 収録作品:「犯罪講師」「共謀者」「天然色アリバイ」「目撃者」「誘拐者」「日本KKK始末」「採点委員」「死神はコーナーに待つ」
  • 『雲の中の証人』(角川文庫)1983.3 - 創元推理文庫刊の同題の短編集とは収録作品が異なる。
    • 収録作品:「雲の中の証人」「逢う時は死人」「赤い鴉」「公平について」「悪徳の果て」「或る殺人」
  • 『完全なる離婚』(角川文庫) 1984.1
    • 収録作品:「鷹と鳶」「夫婦悪日」「密告者」「重ねて四つ」「完全なる離婚」「崖下の家」「私が殺した私」「背面の悪魔 」「三枚の千円札」「純情な蠍」
  • 『極楽案内』(角川文庫) 1985.4
    • 収録作品:「金瓶梅殺人事件」「極楽案内」「三匹の虻」「袋小路」「夜は三たび死の時を鳴らす」「真説・赤城山」「われら殺人者」「死の色は紅」
  • 『日曜探偵』(出版芸術社) 1992.5
    • 収録作品:「塔の家の三人の女」「誰が為に鐘は鳴る」「日曜日は殺しの日」
  • 『もだんミステリーワールド(10) 天藤真集』(中島河太郎監修、リブリオ出版) 1998.4 - 大活字本
    • 収録作品:「犯罪は二人で」「塔の家の三人の女」
  • 『親友記』(創元推理文庫) 2000.11
    • 収録作品:「親友記」「塔の家の三人の女」「なんとなんと」「犯罪講師」「鷹と鳶」「夫婦悪日」「穴物語」「声は死と共に」「誓いの週末」
  • 『星を拾う男たち』(創元推理文庫) 2001.1
    • 収録作品:「天然色アリバイ」「共謀者」「目撃者」「誘拐者」「白い火のゆくえ」「極楽案内」「星を拾う男たち」「日本KKK始末」「密告者」「重ねて四つ」「三匹の虻」
  • 『われら殺人者』(創元推理文庫)2001.3
    • 収録作品:「夜は三たび死の時を鳴らす」「金瓶梅殺人事件」「白昼の恐怖」「幻の呼ぶ声」「完全なる離婚」「恐怖の山荘」「袋小路」「われら殺人者」「真説・赤城山」「崖下の家」「悪徳の果て」
  • 『雲の中の証人』(創元推理文庫) 2001.5 - 角川文庫刊の同題の短編集とは収録作品が異なる。
    • 収録作品:「逢う時は死人」「公平について」「雲の中の証人」「赤い鴉」「私が殺した私」「あたしと真夏とスパイ」「或る殺人」「鉄段」「めだかの還る日」
  • 『背が高くて東大出』(創元推理文庫) 2001.7
    • 収録作品:「背が高くて東大出」「父子像」「背面の悪魔」「女子高生事件」「死の色は紅」「日曜日は殺しの日」「三枚の千円札」「死神はコーナーに待つ」「札吹雪」「誰が為に鐘は鳴る」
  • 『犯罪は二人で』(創元推理文庫) 2001.9
    • 収録作品:「運食い野郎」「推理クラブ殺人事件」「隠すよりなお顕れる」「絶命詞」「のりうつる」「犯罪は二人で」「一人より二人がよい」「闇の金が呼ぶ」「純情な蠍」「採点委員」「七人美登利」「飼われた殺意」
  • 『逢う時は死人 昭和ミステリールネサンス』(山前譲編、光文社文庫) 2021.3
    • 収録作品:「親友記」「逢う時は死人」「犯罪講師」「鷹と鳶」「穴物語」「共謀者」「星を拾う男たち」「日本KKK始末」

共著

[編集]
  • 『近代小説に現われた女性像』(遠藤晋名義、大野茂男共著、秀英出版) 1969年、のちコスモ出版 1976年
  • 『闇からの狙撃者』(鷹見緋沙子名義、徳間文庫)1981年 - 天藤真による短編「覆面レクイエム」を収録
  • 『日曜日は殺しの日』(草野唯雄共著、カドカワノベルズ) 1984.4

脚注

[編集]
  1. ^ 日本推理作家協会賞受賞作全集

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]