[go: up one dir, main page]

コンテンツにスキップ

モリブデン酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
モリブデン酸
識別情報
CAS登録番号 7782-91-4 チェック, 13462-95-8, 25942-34-1
PubChem 82208
ChemSpider 74188
UNII I96N991J1N チェック
EC番号 231-970-5
KEGG C06232
ChEBI
特性
化学式 MoO3·H2O
モル質量 161.95 g mol−1 [1]
外観 白色結晶 (無水物)
黄色結晶 (一水和物)
密度 3.112 g/cm3 (無水物)
3.124 g/cm3 (一水和物)
融点

300 °C, 573 K, 572 °F [1]

への溶解度 1510 mg dm−3 10%アンモニアに可溶 (35gm/lt)
構造
結晶構造 hexagonal (無水物)
monoclinic (一水和物)
危険性
GHSピクトグラム 急性毒性(低毒性)経口・吸飲による有害性
GHSシグナルワード 警告(WARNING)
Hフレーズ H319, H335, H373
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

モリブデン酸(Molybdic acid)は、酸化モリブデン(VI)及び関連化合物の水和物型である。一水和物(MoO3・H2O)と二水和物(MoO3・2H2O)の性質がよく調べられている。黄色の反磁性固体である。

固体の構造

[編集]
水和モリブデン酸の層の一部分

モリブデン酸の固体は、配位高分子である。一水和物は、4つの頂点を共有する八面体配位したMoO3・H2Oユニットの層から形成されている[2]。左図の二水和物は、同じ層構造の層の間を「余分な」水分子がインターカレーションしている[3]

溶液中の構造

[編集]

酸性水溶液中では、錯体MoO3(H2O)3が観測される。各々のモリブデン原子は、恐らく3つのオキソ配位子と3つのアクア配位子を持ち、再度八面体形分子構造をとる[4]

は、モリブデン酸塩と呼ばれ、モリブデン酸溶液に塩基を加えることで得られる。

利用

[編集]

酸化モリブデンの多くは、酸化等に対しての不均一触媒に用いられる。モリブデン酸とその塩は、アルカロイドの推定のためのフレーデ試薬に用いられる。

出典

[編集]
  1. ^ a b Molybdic acid | 7782-91-4”. Chemicalbook.com. 2012年8月23日閲覧。
  2. ^ Wells A.F. (1984) Structural Inorganic Chemistry 5th edition Oxford Science Publications ISBN 0-19-855370-6
  3. ^ Krebs, B. (1972). “Die Kristallstruktur von MoO3(H2O)2”. Acta Crystallographica B 28 (7): 2222–2231. doi:10.1107/S0567740872005849. 
  4. ^ Solution structure of molybdic acid from Raman spectroscopy and DFT analysis, Oyerindea O.F., Week C.L., Anbarb A.D., Spiro T.G. Inorganica Chimica Acta, 361, 4, (2008), 1000-1007, doi:10.1016/j.ica.2007.06.025