クバント2
クバント2 | |
モジュールの詳細 | |
---|---|
所属 | ソビエト連邦 |
状態 | 運用終了 |
打ち上げ機 | プロトン8K82K |
ドッキング対象 | ミールコアモジュール |
機能 |
エアロック 生命維持システムなど |
打ち上げ日時 | 1989年11月26日 |
ドッキング日 | 1989年12月6日 |
大気圏再突入日 | 2001年3月23日 |
物理的特徴 | |
長さ | 13.73 m |
直径 | 4.35 m |
本体質量 | 19,640 kg |
与圧区画容積 | 61.9 m3 |
電力 | |
太陽電池面積 | 56 m2 |
発生電力 | 6,900 W |
クバント2(ロシア語:Квант-2、ラテン文字表記の例:Kvant 2)(77KSD, TsM-D, 11F77D) は、1989年にプロトンロケットで打ち上げられたミール宇宙ステーションのモジュール。コアモジュールとクバント1に続く第3のモジュールで、ステーションの姿勢制御や生命維持システムを強化し、観測・実験装置や船外活動のためのエアロックを追加した。
設計
[編集]クバント2はTKSを元に設計され、長さ13.73m、直径4.35mの円筒形をしていた。モジュール内部は船外活動用のエアロック、貨物区画、実験区画の3つに分かれており、貨物区画は気密ハッチで閉じる事が出来たため、エアロックの予備として使う事が出来た。クバント2到着前は、船外活動はミール・コアモジュールのドッキング用のノード区画を減圧して行われていた。 また2枚の太陽電池パネルで6.9kWの電力を供給した[1]。
クバント2にはソ連版の有人機動ユニット(MMU)ともいえる船外活動用のバックパック推進装置、Argon 16Bよりも能力が向上された新型コンピューターSalyut 5B 、尿再生装置、クバント1に次いでの搭載となる姿勢制御用の6基のジャイロダインが搭載され、ミール宇宙ステーションの機能・性能強化が図られた。実験・観測装置としては、高解像度カメラ、分光計、X線センサ、Volna 2流体実験装置、鳥類孵化実験用の孵卵器"Inkubator-2"も搭載されていた。
1987年に打ち上げられたクバント1モジュールは、クバント2と同様にTKSを転用したものだった。ただし前者においてTKS由来のモジュールは本体をステーションに送り届けた後に分離・廃棄されたのに対し、クバント2ではそのままステーションの一部として使用する設計になっていた。
運用
[編集]クバント2は1989年11月26日にバイコヌール宇宙基地からプロトンによって打ち上げられた。当初は12月2日にミールとドッキングする計画だったが、技術的問題のため12月6日まで遅れた。クバント2はコアモジュールの5つのドッキングポートのうち軸線上のポートに結合していたが、2日後にアームを用いて側面を向いたポートに移された[1]。
クバント2は、2001年3月23日に他のミールのモジュールと共に大気圏に再突入し、廃棄された。
-
クバント2の外見。右端の構造がエアロック室。
-
クバント2の内部構造。
-
後期のミールにおける位置(左下の濃い水色)。
参考文献
[編集]- “Kvant-2 module (77KSD)”. RussianSpaceWeb.com. 2010年7月18日閲覧。