自動車産業の強みだったケイレツが、「弱み」になりつつある。トヨタ自動車が空前の利益をたたき出す一方、サプライヤーは人件費の高騰分を価格に転嫁できず、財務を悪化させている。部品メーカーが完成車メーカーに依存し、支配される現状は、電気自動車(EV)化への対応が遅れる要因にもなっており、このままでは自動車業界が地盤沈下しかねない。特集『自動車・サプライヤー SOS』では、10月4日(金)から12回以上にわたり、サプライヤーの幹部ら250人から回答を得たアンケートの結果を基に、同業界の病根に切り込む。
#1 10月4日(金)配信
【自動車サプライヤー幹部250人調査】トヨタ・ホンダ・日産の「通信簿」、役員のビジョン・値下げ圧力などを辛口評価
ダイヤモンド編集部は、自動車メーカーによる「下請けいじめ」の実態などを解明するため、サプライヤー幹部らを対象にした緊急アンケートを実施した。部品メーカー幹部らに、トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車の「役員のビジョン」や「値上げ許容度」「交渉の態度、コンプラ」などを辛口評価してもらい、問題点を浮き彫りにする。
#2 10月9日(水)配信
日産「下請けいじめ」の実態解明!リベート要求続く、販売不振の損失押し付けも【自動車サプライヤー幹部250人調査】
自動車メーカー取引先アンケートで、サプライヤーからの評価が最も低かった日系の大手自動車メーカーが日産自動車だ。下請法違反が指摘された割戻金(リベート)の問題は是正されたのか。「下請けいじめ」で利益を圧迫されてきたサプライヤーが、日産からの見積依頼を拒むケースが発生しており、クルマの開発体制にも支障を来しかねない状況だ。
#3 10月10日(木)配信
トヨタが「買いたたき」方針を大転換も、サプライヤーが不満を募らせる理由【自動車サプライヤー幹部250人調査】
トヨタ自動車は、過去最高益をたたき出していることもあり、利益をサプライヤーに還元し始めている。だが、部品の調達価格の適正化や、EVの普及を見据えたサプライヤーの再編は道半ばだ。トヨタと部品メーカーや自動車ディーラーが胸襟を開いて対話することが難しくなっていることを指摘する声もある。自動車業界のリーダー的な存在であるトヨタが抱える問題に迫る。
#4 10月11日(金)配信
ホンダ「下請けいじめ」の実態!部品メーカーにリベート要求、短納期の無理強いも【自動車サプライヤー幹部250人調査】
「下請けいじめ」が問題になった日産自動車の陰に隠れて目立たなかったが、ホンダにもサプライヤーとの問題が山積している。ダイヤモンド編集部の自動車メーカー取引先アンケートで、ホンダによる海外での部品調達で原価低減の圧力がいまだに強いことや、日本国内のでリベートを要求していることが明らかになった。ホンダのサプライヤー政策の問題点に迫る。
#5 10月16日(水)配信
中国に買われる自動車サプライヤー…EVに欠かせないブリヂストン防振ゴム事業の売却は「国家的損失」、次は三菱電機?
日本の製造業の肝だった金型メーカーが中国の大手EVメーカーBYDに買収され、同社の躍進のきっかけになったことは広く知られている。だが、日本の自動車部品メーカーが中国企業に買収されたのは、金型にとどまらない。EVの乗り心地を左右する「防振ゴム」など隠れたコア技術が流出している問題を解明する。
#6 10月17日(木)配信
自動車サプライヤーの「受け身」姿勢がEV敗戦の一因!?下請け企業が完成車メーカーに依存する実態を解明【自動車サプライヤー幹部250人調査】
日本の2次下請け、3次下請けの自動車部品メーカーは、1次下請けの顧客企業に「おんぶにだっこ」であり、自社には経営企画部はおろか、営業部も持たない企業が多い。こうしたサプライヤーの依存体質が、EV時代への対応の遅れや、自動車メーカーとの対等な開発パートナーになれない問題を引き起こしている。
#7 10月18日(金)配信
自動車メーカー役員がもらう「昇進祝い」は10万円!下請け企業が接待、贈答品の額を暴露【自動車サプライヤー幹部250人調査】
自動車部品メーカーにとって、完成車メーカーからの仕事を失うことは「死」を意味することさえある。ダイヤモンド編集部は自動車メーカー取引先アンケートで、サプライヤーが自動車メーカー幹部らに、どんな接待や贈り物をしているかを徹底調査した。ゴルフやビール券など昭和を感じさせる「上下関係」の実態とは。
#8 10月21日(月)配信
残れるのはトヨタ系サプライヤーだけか!?車載OSなどソフトを軸に“新たなケイレツ”が誕生し、旧ヒエラルキーは瓦解へ
トヨタ自動車などを頂点とするケイレツは、日本の自動車産業の「強み」であり、電機メーカーを凋落させた水平分業の波にのまれることもなく生き残った。だが、自動車産業が右肩上がりの時代は終焉。ケイレツのヒエラルキー構造は傘下の企業から機動力を奪い、バッテリーなどをEVメーカーが内製する垂直統合の時代に置き去りにされつつある。自動車のサプライチェーンの緊急事態に迫った。
#9 10月23日(水)配信
トヨタ会長の報酬16億円…グループ企業で「1億円プレーヤー」続々誕生の一方、デンソー・アイシンは低空飛行!役員報酬からグループ内序列を解明
2024年3月期の決算で営業利益5兆円を稼ぎ出したトヨタ自動車だが、トヨタ系サプライヤーもその恩恵を受けられているのか。役員報酬の推移を分析し、トヨタ役員の高額報酬の実態とグループ内の序列を解明する。
#10 10月24日(木)配信
三菱電機とトヨタ系アイシンがEV合弁会社で「主導権争い」の内幕、両社の野望にトヨタとデンソーが睨み!?
総合電機メーカー大手の三菱電機とトヨタ系サプライヤーのアイシンが車載事業で合弁会社を立ち上げる。まだ設立に向けて合意した段階だが、関係者によると、早くも主導権争いが勃発しているという。両社の思惑を明らかにするとともに、持ち前の技術力を車載事業に生かし切れない三菱電機の苦悩、トヨタグループ内での葛藤や暗闘を浮き彫りにする。
#11 10月25日(金)配信
フォルクスワーゲン撃沈でもボッシュ・コンチは躍進!独メガサプライヤーが自動車メーカーを陰で操れる理由、日本のケイレツとは大違い
独自動車大手のフォルクスワーゲンが大規模なリストラに追い込まれる一方、独自動車部品大手のボッシュは快走を続けている。その理由は、自動車メーカーに追随しない独自の戦略と、ビジネスモデルの転換にあった。また、中国大手EVメーカーのBYDは部品の内製化を進め、部品メーカーの存在感が薄れている。そうした中、日本の自動車サプライヤーは生き残ることができるのか。世界で進むサプライヤー再編などから日本の自動車産業の課題を明らかにするとともに、勝ち筋に迫る。
#12 10月28日(月)配信
トヨタ、パナをEVバッテリーで頼ったSUBARU…補助金「7000億円」投下の“電池サプライヤー勢力図”を大公開
電気自動車(EV)の普及には、バッテリー市場の活性化が不可欠だ。政府もバックアップの姿勢を鮮明にしており、昨年と今年で総額7000億円近い補助金が電池産業に投下される見通しだ。国の後押しを受けた自動車メーカー各社は、それぞれ電池サプライチェーンを固めつつある。パナソニックをはじめバッテリーメーカーの戦略を明かすとともに、トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車など各陣営の「電池サプライチェーン」を一挙公開する。
#13 10月29日(火)配信
自動車業界の“搾取構造”はもう限界…「上下関係の解消は必須!」自動車部品メーカー幹部の悲痛な叫び【自動車サプライヤー幹部250人調査】
好業績が目立つ自動車業界だが、その陰には赤字覚悟でも大手自動車メーカーに部品を提供するサプライヤーの涙ぐましい努力があった。自動車部品メーカー幹部ら250人の悲痛な叫びを紹介し、自動車産業の課題を明らかにする。
#14~
Coming Soon
Key Visual by Noriyo Shinoda, Kanako Onda