今月11日と15日に2026W杯アジア最終予選が行われ、サッカー日本代表はサウジアラビア・オーストラリアと対戦。サウジアラビアには2-0で勝利し、オーストラリアには1-1で引き分けた。

 元日本代表で、現在はサッカー解説者として活躍する城彰二氏は、この試合をどう見たのか。話を聞いた。

オーストラリア戦に臨む日本代表 ©時事通信社

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サウジ戦で感じたセットプレーの精度の向上

――10月は、サウジアラビア、オーストラリアという強豪チームとの2試合になりましたが、1勝1分けという結果でした。

城彰二さん(以下、城) 悪くないですよ。特にアウェイのサウジ戦に2-0で勝ち、「日本、強いなぁ」って印象だった。大勝した中国戦とバーレーン戦ではボールを支配していたけど、サウジは技術の高い選手がいて、序盤はマウントを取られた感じの試合展開になった。でも、そこでの対応力というか、守備が非常に良かった。

――サウジ戦の前半42分、鈴木彩艶がシュートを止めたシーンなどGKが目立った試合でした。

 あそこで決められていたら、スタジアムが異様な盛り上がりになって、また違う展開になったと思うけど、股抜きのシュートで軌道が見えにくかったのによく止めたと思いますね。アジアカップではミス絡みで散々叩かれたけど、自分のクラブ(イタリア・パルマ所属)でしっかりと活躍できる環境を作って来たことで安定感が出てきたし、自信もついたんじゃないかな。

――後半は、小川航基がコーナーキックから追加点を奪いました。拮抗した試合展開でのセットプレーからのゴールは、大きかったですね。

 このコーナーキックからのゴールを含めて、最近はセットプレーがしっかりデザインされているなと思います。この時は、谷口(彰悟)が前で相手をつる動きをして、その裏の小川に合わせたんだけど、これは完全に狙っていたと思います。キックも狙いどころを持って蹴っていますし、精度がかなり上がってきている。

 これまでキッカーとボックス内の選手との呼吸、狙いどころがもうひとつピンと来ないシーンが多く、セットプレーを無駄にしていたけど、これから得点のチャンスがより増えていくと思います。