総理大臣としての連続在職日数が憲政史上最長となった安倍首相ですが、マスコミ各社の調査では支持率が軒並み過去最低水準に。国民は長期政権に厳しい目を向けています。そもそも安倍首相は長きに渡る在任期間中、どんな成果を上げてきたのでしょうか?メルマガ『きっこのメルマガ』を発行する人気ブロガーのきっこさんは、安倍首相は「拉致問題」や「北方領土問題」で何の成果も得られておらず、むしろ状況を後退させたと分析。世界各国に累計60兆円をばら撒くなど「負の遺産」だけを残してしまったと指摘しています。
負の遺産だらけの安倍政権
8月24日、安倍晋三首相の連続在職日数が2,799日となり、自身の大叔父でもある佐藤栄作氏の2,798日を超えて、憲政史上最長となりました。どうしてこのようなミラクルが起こったのか、それは2017年に安倍首相が行なった自民党の党則改正にあります。
自民党は1974年の田中角栄氏の時代から、総裁の任期を党則で「連続2期6年」と定めていました。これは、同じ人物が2期以上総裁をつとめると、総裁が力を持ち過ぎてしまい、党内の派閥のバランスが崩れてしまうからです。しかし、2012年12月に政権に返り咲いた安倍首相は、自身の「2期満了」が翌年に迫った2017年、この党則を「連続3期9年」に変更したのです。
自分に都合よくルールを変える、卑怯な安倍首相らしい姑息な手口ですよね。安倍首相は、ことあるごとに「悪夢の民主党政権時代」と言い、「アベノミクスで民主党政権時代よりGDPが増えた」と胸を張りますが、これも同じこと。民主党政権時代にはGDPの試算に含んでいなかった「開発費」や「不動産取引」など、ありとあらゆるものをGDPに加算して、思い切り上げ底にして数字を膨らませたのです。そのため、景気が良くなったという実感などまったくないのに、GDPだけは右肩上がりだったのです。
話を戻し、この党則改正を行なわなければ、安倍首相は2018年9月で自民党総裁の任期が満了していました。それに伴い、自民党の総裁選が行なわれ、新しい総裁が首相になっていましたから、今回の安倍首相の連続在職日数の記録は生まれていませんでした。まあ、それはどうでもいいのですが、もしも自民党総裁の任期が、以前から「連続3期9年」だったとしたら、どうなっていたでしょうか。
あたしは、やはり安倍首相の連続在職日数の記録は生まれていなかったと思います。それは、小泉純一郎氏がいるからです。2001年4月から2006年9月まで、第87代、88代、89代の首相をつとめた小泉純一郎氏は、連続在職日数が1,980日ですが、もしもこの時、自民党総裁の任期が「連続3期9年」だったとしたら、小泉純一郎氏は間違いなく、もう1期、総裁をつとめ、首相としての連続在職日数は3,000日を超えていたからです。
…そんなわけで、今回の連続在職日数の最長記録更新について、安倍首相は当日の午後、首相官邸で会見を行ない、次のように述べました。
「政治においては、その職に何日間、在職したかではなく、何を成し遂げたかが問われるのだろうと思いますが、この7年8カ月、国民の皆様にお約束した政策を実行するため、結果を出すために、一日一日、日々、全身全霊を傾けてまいりました。その積み重ねの上に、今日の日を迎えることができたんだろうと考えております。全ては、これまでの国政選挙において、力強い支持を頂いた国民の皆様のおかげでございます。心から御礼を申し上げたいと思います」
2014年2月の山梨の豪雪災害の時は赤坂の高級料亭でお友だちと天ぷら三昧、2014年8月の広島の土砂災害の時は緊急連絡を受けても無視してゴルフを継続、2018年7月の西日本豪雨災害の時は赤坂自民亭で酔っ払ってドンチャン騒ぎ、2019年9月の千葉の台風災害の時は組閣に夢中で完全スルー、こんな人物に「全身全霊を傾けてまいりました」などと言われても「はぁ?」としか答えられませんよね。でも、冒頭の「政治においては、その職に何日間、在職したかではなく、何を成し遂げたかが問われる」というのは「その通リ」です。