出版社内容情報
中学受験も、親友との関係も、家族のことも、絶対に後悔したくない。なのに小学校最後の夏休み、十和の感情は大爆発する。だから……! 全力で受験に向かっていく。『店長がバカすぎて』山本猛店長(武蔵野書店吉祥寺本店)推薦「当店いち押しの感動作。私も大活躍しております!」【内容紹介】小学6年生の十和は、家族の幸せの形がわからない。楽しい母、やさしい父、かわいい妹。それなのに、どうして心がこんなに荒むのか。苛立つ十和に対して、母はなかば強引に中学受験を決めてしまう。このわだかまる気持ちをぶつけられるのは、LINEで繋がる「あの人」だけだ――。ここから逃げ出したい。その思いは大阪で一人暮らす祖母へと向かい、十和は大阪の私立中学に進む決意をする。4人が離れて暮らすことに父は反対するが、あることを条件に十和の希望を受け入れるのだった。バラバラになりそうな一家は、この問題を解決することができるのか? 中学受験を通して家族の成長を描く感動作。45万部突破の人気シリーズ『店長がバカすぎて』の山本猛店長も登場?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆのん
43
タイトルから家族の中のイヤミス的ないざこざが描かれるのかと思いきや『受験』?しかも中学受験。主人公は小学生!思春期の子供が主人公の話はあまり好きではないのだが面白くて一気読みでした。他人の受験でこんなにドキドキする自分に驚く。しかも単なる『受験小説』ではない。何かありそうな主人公の家庭とこちらも何かありそうな親友の家庭。少しずつ明かされていく家庭事情にも心を痛めたり、ほっこりしたり涙したりと本当に面白かった。父母の気持ちが痛い程共感出来てラスト近くでは涙した。苦手意識を排除して読んで良かった1冊でした。2025/01/22
ぽてち
26
小学6年生の十和が主人公のお受験小説。ぼくは落ちこぼれなので、早い段階から親が目の色変えて熱中する受験には否定的だ。小学生の女の子が主人公というのもどうなんだろうと、最初はあまり気乗りしなかった。が、さすがは早見さん。タイトルにあるとおり“家族の幸せ”を考えさせる内容に夢中になり、途中何度も目頭が熱くなった。それぞれに問題を抱えた友達同様、普通に幸せそうに見える家庭内で十和も悩みを抱えている。それが志望校にも反映される。彼女の決断を支持する家族の姿がいい。『店バカ』のあの人達も登場し、思わずニヤリとした。2025/02/02
keisuke
5
店長がどうちょっと出てくるのかな、と思ったら割とガッツリ出てきて笑った。中学受験に挑む女の子達の話と、家族の話。ヨシお父さんはすごいな。自分はあんなにいいお父さんをできていないし、今後もなれる気がしない。自分に余裕がなくて子どもに対してちゃんと「父親」として対峙できてないんだろう。これ十和を通して読む小説だと思うけど、自分の最近の悩みで父親が胸に響いた。電車で読んで泣くとかだった。最後の大西先生の言葉は激しく同意。2025/03/07
yasuyuki suzuki
4
読み終わり題名「問題」の深い意味がわかったような気がします。中学受験の問題、家族関係の問題、友達関係の問題、親子関係の問題がそれぞれ深く考えさせる難問のような問題を解く感覚で読みました。十和の成長が素晴らしく感銘を受けました。そして祖母、父親、母親との複雑な関係がしみじみと奥が深いなぁと思いました。これ程までに熱中して手に汗握って読んだ作品はいまだかつてなかったと思います。あなたも読んで感動して下さい。家族とは何か考えて読んでみて下さい。2025/02/24
♪ぶるぼん
4
中学受験を通した家族の物語です。主人公・十和は中学受験の塾に通いながらもなかなかやる気が起きない小学生。もうすぐ6年になるというのに集中もできず、成績もさほどあがってない。受験を薦めた母親ですら口出しもしてこない。父親とはうまくいっておらず、イラつくことも多い。だけど、塾には仲良くしてる友達もいて通うことは嫌じゃない。この年頃の女の子は思春期なのもあって、わけもなくイライラしたりすることも多いと思うけど、何かのスイッチが入ると突然努力を始める子供たちは以外と多い。 2025/02/04