マイナ保険証ゴリ押しへ新たな「ニンジン作戦」…10月からこっそり診療報酬4割アップの姑息
現行の保険証廃止まで残り5カ月を切ったが、マイナ保険証の利用率はいまだ9.9%(6月)。1割にすら届いていない惨状だ。利用率向上に躍起の政府が、医療機関の頬をカネで張る新たな「ニンジン作戦」を打ち出した。
厚労省は5~7月を「マイナ保険証利用促進強化月間」に位置付け、予算217億円を元手に病院や薬局へ支援金をバラマキ。6月には補助額を最大20万円から40万円に倍増する“禁じ手”にまで手を染めた。
なりふり構わずニンジンをブラ下げたものの、まったく成果に乏しく、6月の利用率は前月比2.17ポイント上がっただけ。民間企業なら「コスパ悪過ぎ」とドヤしつけられる“営業成績”だが、厚労省は反省の色なし。懲りずに繰り出す次なる一手が、診療報酬の加算だ。
6月の診療報酬改定で、デジタル化を進めた医療機関にインセンティブを与える「医療DX推進体制整備加算」を新設。初診時に限り、診療報酬の点数に医科8点、歯科6点、調剤4点をそれぞれ加点する仕組みをつくった。
さらに医療機関へアメを与えるべく、厚労省は今月17日の中央社会保険医療協議会(中医協)に加算の見直し案を諮問。10月からマイナ保険証の利用率に応じて、最大で医科11点、歯科9点、調剤7点を診療点数に上乗せする案を諮り、中医協は即日、了承した。