JPH11335164A - 酸化物イオン伝導体とその用途 - Google Patents
酸化物イオン伝導体とその用途Info
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- JPH11335164A JPH11335164A JP10237620A JP23762098A JPH11335164A JP H11335164 A JPH11335164 A JP H11335164A JP 10237620 A JP10237620 A JP 10237620A JP 23762098 A JP23762098 A JP 23762098A JP H11335164 A JPH11335164 A JP H11335164A
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Abstract
性を示し、耐熱性が高く、低温でもイオン伝導性が高
く、イオン伝導性の酸素分圧依存性が小さく、かつイオ
ン伝導性と電子伝導性の比率が自由に制御可能な、固体
酸化物型燃料電池の電解質もしくは空気極、酸素センサ
ー等に有用で、酸素分離膜にも使用可能な酸化物イオン
伝導体を提供する。 【解決手段】 一般式:Ln1-x Ax Ga1-y-z B1y B2z O
3 で示される酸化物イオン伝導体 (式中、Ln=La、Ce、
Pr、Nd、Sm;A=Sr、Ca、Ba;B1=Mg、Al、In;B2=C
o、Fe、Ni、Cu;x=0.05〜0.3 ;y=0〜0.29;z=
0.01〜0.3 ;y+z= 0.025〜0.3)。
Description
構造をとる希土類ガレート系の新規な酸化物イオン伝導
体に関する。本発明の酸化物イオン伝導体は、酸素分圧
にあまり影響されずに非常に高い酸化物イオン伝導性あ
るいは酸化物イオン混合伝導性を示し、燃料電池の電解
質または空気極、酸素センサー等のガスセンサー、電気
化学式酸素ポンプ等の酸素分離膜、およびガス分離膜等
として有用である。
ン (O2-) の移動により電気伝導性を示す酸化物イオン
伝導体は、一般にO2-空孔を生ずるように他金属をドー
プした金属酸化物からなり、固体酸化物型 (固体電解質
型) 燃料電池 (SOFC) の電解質、酸素センサー等のガス
センサー、電気化学式酸素ポンプ用酸素分離膜等への応
用が試みられてきた。
コニウム(ZrO2)に少量のCaO, MgO,Y2O3, Gd2O3 などの
2価または3価金属酸化物を固溶させた、安定化ジルコ
ニアと呼ばれる立方晶系ホタル石型の固溶体である。安
定化ジルコニアは、耐熱性に優れている上、酸素雰囲気
から水素雰囲気までの全ての酸素分圧下で酸化物イオン
伝導性が支配的であって、酸素分圧が低下してもイオン
輸率 (電気伝導性に占める酸化物イオン伝導性の割合)
が低下しにくい。
ア (酸素) センサーとして、製鋼をはじめとする種々の
工業プロセスの制御や、自動車エンジンの燃焼 (空燃
比) 制御に広く利用されている。また、開発中の1000℃
前後で作動する固体酸化物型燃料電池 (SOFC) にも電解
質として用いられている。しかし、安定化ジルコニアの
酸化物イオン伝導性は十分には高くなく、特に温度が低
くなると伝導性が不足する。例えば、Y2O3安定化ジルコ
ニアのイオン伝導度は、1000℃では10-1 S/cm である
が、500 ℃では10-4 S/cm に低下するので、使用温度が
最低でも800 ℃以上という高温に制限される。
イオン伝導性を示すホタル石型酸化物として、Bi2O3 に
Y2O3を固溶させたBi2O3 系酸化物がある。この酸化物は
酸化物イオン伝導性は非常に高いものの、融解温度が85
0 ℃弱と低いことから耐熱性が不十分である。その上、
還元性雰囲気に弱く、酸素分圧が下がるとBi3+→Bi2+の
変化によりn型の電子性電気伝導が現れ、さらに酸素分
圧が下がって純水素雰囲気に近くなると金属にまで還元
されてしまうので、固体酸化物型燃料電池には使用でき
ない。
うち、ThO2系酸化物は酸化物イオン伝導性が安定化ジル
コニアよりずっと低い上、低酸素分圧では電子性電気伝
導が支配的になるので、イオン輸率が著しく低下する。
CeO2系酸化物は安定化ジルコニアを凌ぐ酸化物イオン伝
導性を示すものの、酸素分圧が10-12 気圧以下に下がる
とCe4+→Ce3+の変化によりn型の電子性電気伝導が現
れ、やはりイオン輸率が大きく下がる。
オン伝導体として、PbWO4, LaAlO3,CaTiO3 が知られて
いるが、これらはいずれも酸化物イオン伝導性が低い
上、低酸素分圧下では半導性が現れて電子性電気伝導が
主になり、イオン輸率が低下する。
安定化ジルコニアより酸化物イオン伝導性の高い酸化物
イオン伝導体は知られているものの、耐熱性が不十分で
あったり、低酸素分圧では電子性電気伝導が支配的にな
りイオン輸率が大きく低下するため、固体酸化物型燃料
電池の電解質や酸素センサーといった用途には適してい
なかった。
物イオン伝導性を示し、耐熱性が高く、高温はもちろ
ん、温度が低下しても酸化物イオン伝導性が高く、さら
に好ましくは酸素雰囲気から水素雰囲気までのあらゆる
酸素分圧で (即ち、酸素分圧が低くても) イオン輸率の
低下が小さく、酸化物イオン伝導が支配的であるか、又
は混合イオン伝導性を示す酸化物イオン伝導体を提供す
ることを課題とする。
を解決する目的で研究を進める中で、ペロブスカイト型
構造のABO3 (式中、Aは1種もしくは2種以上のラ
ンタノイド系希土類金属、BはGa) で示される希土類ガ
レート系酸化物において、Aサイトの希土類金属の一部
をアルカリ土類金属で、および/またはBサイトのGa原
子の一部をMg、In、Alといった非遷移金属で置換する
と、高い酸化物イオン伝導性を示す材料が得られること
を見出した。中でも、La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2O3で示され
る材料が高い酸化物イオン伝導性を示した。
酸化物イオン伝導体と比較したグラフを示す。このグラ
フからわかるように、La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2O3は、従来
の代表的な安定化ジルコニアであるY2O3安定化ジルコニ
アや CaO安定化ジルコニアに比べて非常に高い伝導性
(電気伝導性、以下同じ) を示す。Bi2O3 系酸化物はこ
れよりさらに高い伝導性を示すが、上述したように耐熱
性が不十分である上、還元雰囲気に弱いため、酸化物イ
オン伝導体としての実用化は困難である。
高い材料について探究した結果、上記の希土類ガレート
系酸化物のBサイトに少量の特定の遷移金属を含有させ
ると、酸化物イオン伝導性がさらに向上し、低温でも高
い酸化物イオン伝導性を示すことを見出し、本発明に到
達した。
酸化物イオン伝導体である。 Ln1-x Ax Ga1-y-z B1y B2z O3 ・・・ 式中、Ln=La、Ce、Pr、Nd、Smの1種もしくは2種以
上;A=Sr、Ca、Baの1種もしくは2種以上;B1=Mg、
Al、Inの1種もしくは2種以上;B2=Co、Fe、Ni、Cuの
1種もしくは2種以上;x=0.05〜0.3 ;y=0〜0.2
9;z=0.01〜0.3 ;y+z= 0.025〜0.3 。
とは、実質的な酸化物イオン伝導性を示す電気伝導性材
料を意味する。即ち、電気伝導性の大部分を酸化物イオ
ン伝導性が占める狭義の酸化物イオン伝導体だけでな
く、場合により電子−イオン混合伝導体(または酸化物
イオン混合伝導体)と呼ばれる、電子伝導性と酸化物イ
オン伝導性の両方が大きな割合を占める材料も、本発明
では酸化物イオン伝導性を示す材料として、酸化物イオ
ン伝導体に含める。
が占める狭義の酸化物イオン伝導体の場合、イオン輸率
(電気伝導性に占める酸化物イオン伝導性の割合) は好
ましくは0.7 以上であり、より好ましくは0.9 以上であ
る。一方、電子−イオン混合伝導体の場合には、イオン
輸率は好ましくは 0.1〜0.7 、より好ましくは 0.2〜0.
6 である。
伝導体を電解質または空気極に使用した固体酸化物型燃
料電池、この酸化物イオン伝導体からなるガスセンサ
ー、電気化学的酸素ポンプ用酸素分離膜、ならびにガス
濃度差を利用するガス分離膜も提供される。
物イオン伝導体は、ペロブスカイト型結晶構造を持ち、
ABO3 で示されるペロブスカイト型結晶のAサイトを
上記一般式のLn原子とA原子が占め、そのBサイトを残
りのGa原子、B1原子、およびB2原子が占めている。な
お、B1原子は無くてもよい。
一部を2価金属 (例えば、Aサイトを占める上記A原
子、Bサイトを占めるB1のMg) または遷移金属 (Bサイ
トを占めるB2原子) が占めることにより、酸素空孔を生
じ、この酸素空孔により酸化物イオン伝導性が現れる。
従って、酸素原子数はこの酸素空孔の分だけ減少するこ
とになる。
に表示されているが、実際には酸素原子数は3以下であ
る。但し、酸素空孔の数は添加原子 (A、B1、B2) の種
類のみならず、温度、酸素分圧、B2原子の種類・量によ
っても変動するため、正確に表示することは困難であ
る。そのため、本明細書のペロブスカイト型材料を示す
化学式では、酸素原子比の数値を便宜上3として表示す
る。
土類金属であり、Aはアルカリ土類金属であり、B1は非
遷移金属であり、B2は遷移金属である。即ち、本発明の
酸化物イオン伝導体は、ランタノイド・ガレート (LnGa
O3)を基本構造とし、これにアルカリ土類金属 (A) 、
非遷移金属 (B1) 、および遷移金属 (B2) の3種類、ま
たはアルカリ土類金属 (A) および遷移金属 (B2) の2
種類の原子をドープした、5元系 (Ln+A+Ga+B1+B
2) または4元系 (Ln+A+Ga+B2) の複合酸化物であ
る。以下、この複合酸化物を5/4元系複合酸化物とい
うことがある。
代表例は上記La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2O3) も、図1に示し
たように、安定化ジルコニアより高い酸化物イオン伝導
性を示す優れた酸化物イオン伝導体である。これを本発
明では対照4元系複合酸化物という。本発明によれば、
この対照4元系複合酸化物のB1原子の一部または全部を
遷移金属 (B2原子) で置換することにより、一般に対照
4元系複合酸化物よりさらに高い酸化物イオン伝導性を
示す酸化物イオン伝導体が得られる。
元系複合酸化物のMgの一部を遷移金属 (図2の一般式で
は、Mと表示) で置換して5元系にした本発明の酸化物
イオン伝導体 (LnがLa、AがSr、B1がMg、B2がM原子)
の電気伝導性を示す。
一般式ではM) がCoまたはFeであると、どの温度でも対
照4元系複合酸化物より非常に高い電気伝導性を示す。
特に対照4元系複合酸化物では低温側 (横軸の値が1.1
以上、約630 ℃以下) で伝導性の低下が大きいため、低
温側ではCoまたはFeの含有による伝導性の向上が大きく
なる。B2原 (M) 子がNiの場合には、横軸が約0.9 以上
(温度約840 ℃以下)において伝導性が対照4元系複合
酸化物の伝導性を超えるようになる。B2原子がCuの場合
には、横軸が約1.1 以上 (温度約630 ℃以下) において
伝導性が対照4元系複合酸化物の伝導性を超えるように
なり、注目すべきことに、これより温度が下がっても伝
導性が低下せず、ほぼ一定であるため、横軸が1.3 以上
(温度約500 ℃以下) では図中で最も高い伝導性を示す
ようになる。
的低温側で酸化物イオン伝導体として使用することが好
ましい。但し、図2において比較の対象とした対照4元
系複合酸化物 (La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2O3) は、図1に示
したように、横軸が1.0 を超える高温側でも安定化ジル
コニアより非常に高い伝導性を示すので、B2原子がNiや
Cuの場合の場合でも、安定化ジルコニアに比べれば、低
温側のみならず、高温側でも伝導性は十分に高いといえ
る。
と、横軸が1.1 以下の高温側では対照4元系複合酸化物
より伝導性が低く、横軸が1.1 以上の低温側でも対照4
元系複合酸化物と伝導性が同程度であって、Mgの一部を
遷移金属で置換することによる伝導性の向上がどの温度
でも実質的に得られない。従って、遷移金属のB2原子と
しては、対照4元系複合酸化物に比べた伝導性の向上が
少なくとも一部の温度で得られる、Co、Fe、Ni、Cuから
選んだ1種もしくは2種以上とする。
イトにおけるA原子の原子比 (x)、またはBサイトに
おけるB1原子+B2原子の合計原子比 (y+z) が上記の
範囲外になると、本発明の5/4元系複合酸化物の電気
伝導性あるいはイオン輸率が低下する。
場合の伝導性を示し、A原子の原子比 (x) が0.05〜0.
3(=Ln原子の原子比が 0.7〜0.95) の範囲を外れると、
伝導性が低下することがわかる。
(y+z、但しy:z=11.5:8.5)を変化させた場合の
伝導性を示す。この合計値が大きくなるにつれて伝導性
が増大する。しかし、図4(b) に示すようにy+zの値
が増加するとイオン輸率の低下が認められ、0.3(=Gaの
原子比が 0.7) を越えるとイオン輸率が0.7 を下回るよ
うになる。
子については、図5に示すように、B2原子(Co)の原子比
であるz値が増大するほど、電気伝導性は高くなる。こ
れは、B2原子が遷移金属であり、原子価の変動によりn
型またはp型の電子性電気伝導を発現し易いため、この
原子が多くなるほど電子性電気伝導が増大して、電気伝
導性が高くなるためである。それに伴って、酸化物イオ
ン伝導性の割合 (イオン輸率) が低下する。
5元系複合酸化物であれば、イオン輸率が0.7 以上とな
り、特にz値が0.10以下であるとイオン輸率は0.9 以上
と高く、前述した狭義の酸化物イオン伝導体として機能
する。但し、この場合はBサイトに非遷移金属であるB1
原子がある程度含まれていないと、電子性電気伝導の寄
与の割合を0.3 以下に維持できない。このような材料
は、後述するように、固体酸化物型燃料電池の電解質、
ガスセンサー、電気化学的酸素ポンプ用酸素分離膜など
として有用である。
が0.7 以下に下がって、電子−イオン混合伝導体として
機能するようになる。前述したように、このような材料
も本発明では酸化物イオン伝導体の中に含める。注目す
べきことに、z値が0.2(即ち、y値=0) 、つまりMg
(B1原子) が完全にCo (B2原子) で置換された4元系の
複合酸化物でも、イオン輸率は約0.3 にとどまり、なお
電子−イオン混合伝導体(即ち、酸化物イオン混合伝導
体) として十分に機能し、前述したように伝導性は最も
高くなる。このような混合伝導体は、後述するように、
固体酸化物型燃料電池の空気極またはガス分離膜に有用
である。
である。Ln=La、Ndまたはこれらの混合物、特にLa、A
=Sr、B1=Mg、B2=Co、x=0.10〜0.25、特に0.17〜0.
22、y=0〜0.17、特に0.09〜0.13、y+z=0.10〜0.
25、特に0.15〜0.20。
輸率が0.7 以上、好ましくは0.9 以上) を持つ狭義の意
味での酸化物イオン伝導体として機能させる場合、z=
0.02〜0.15、特に0.07〜0.10であることが好ましい。一
方、電子−イオン混合伝導体として機能させたい場合に
は、z値は0.15<z≦0.3 であり、好ましくは0.15<z
≦0.25である。
A=Sr、B1=Mg、B2=Fe、x= 0.1〜0.3 、y= 0.025
〜0.29、z=0.01〜0.15、y+z= 0.035〜0.3 であ
る。即ち、この酸化物イオン伝導体は、次の式で示さ
れる。
0.15;y+z= 0.035〜0.3 。
素分圧にほとんど依存せずに高い電気伝導性を示す。こ
の電気伝導性には、高酸素分圧下でわずかにP型半導性
が寄与するもの、1〜10-21 atm の広い酸素分圧 (即
ち、還元性雰囲気から酸化性雰囲気に及ぶ酸素分圧)
で、酸化物イオン伝導性が支配的であり、かつ電気伝導
性のイオン輸率が0.9 以上と高い。このように酸素分圧
に関係なく高いイオン輸率を示し、同時に電気伝導性も
高いことから、本発明の酸化物イオン伝導体の電気伝導
性の向上は、主に酸化物イオン伝導性の向上によるもの
と考えられる。
る対照4元系複合酸化物のMgの一部をFeで置換した5元
系複合酸化物 (即ち、La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2-zFez O3)
の電気伝導性 (950 ℃、酸素分圧=10-5 atm) を示す。
この図からわかるように、z=0の対照4元系複合酸化
物に比べて、Mgの一部をFeで置換すると一般に電気伝導
性が高くなり、電気伝導性はz=0.01〜0.05の範囲で特
に高く、z=0.03付近で最高値に達することがわかる。
O3 (z=0.03、0.05、0.1 、0.15)で示される式で示
される5元系複合酸化物と、z=0の4元系複合酸化物
の電気伝導性の温度変化 (アレニウスプロット) を、図
7(b) は式でz=0.03の5元系複合酸化物と関連化合
物の電気伝導性の酸素分圧依存性をそれぞれ示す。この
図からわかるように、この5元系複合酸化物は広い温度
および酸素分圧の範囲で高い電気伝導性を示し、かつ電
気伝導度が酸素分圧依存性をほとんど示さないことから
0.9 以上の高いイオン輸率を示すことがわかる。
化物型燃料電池の電解質、ガスセンサー、電気化学的酸
素ポンプ用酸素分離膜などとして有用である。酸化物イ
オン伝導性が安定化ジルコニアより高く、かつ温度や酸
素分圧による変化が小さいため、安定化ジルコニアより
性能の優れた製品を与えることができよう。
である。x=0.15〜0.25、特に0.17〜0.22、y=0.09〜
0.24、特に0.10〜0.20、z=0.01〜0.05、特に約0.03、
y+z=0.10〜0.25、特に0.15〜0.22。
の各酸化物の粉末を所定の配合割合でよく混合した混合
物を適宜手段で成形し、焼成して焼結させることにより
製造することができる。原料粉末としては、酸化物以外
に、焼成中に熱分解して酸化物になる前駆物質 (例、炭
酸塩、カルボン酸等) も使用できる。焼結のための焼成
温度は1200℃以上、好ましくは1300℃以上であり、焼成
時間は数時間ないし数十時間である。焼成時間を短縮す
るため、原料混合物を焼結温度より低温で予備焼成して
もよい。この予備焼成は、例えば、 500〜1300℃で1〜
10時間程度加熱することにより実施できる。予備焼成し
た混合物を、必要であれば粉砕した後、成形し、最終的
に焼結させる。成形は、一軸圧縮成形、静水圧プレス、
押出し成形、テープキャスト成形などの適宜の粉体成形
手段を採用できる。予備焼成も含めて焼成雰囲気は、空
気等の酸化性雰囲気か不活性ガス雰囲気が好ましい。
が0.025 以上で、かつz値が0.15以下の5元系のもの
は、電気伝導性において酸化物イオン伝導性が支配的
(即ち、イオン輸率が0.7 以上) であり、上記の狭義の
酸化物イオン伝導体となる。この材料は、従来は安定化
ジルコニアが使用されてきた各種の酸化物イオン伝導体
の用途 (例、SOFCの電解質、ガスセンサー) に利用でき
る。本発明のこの種の酸化物イオン伝導体は、酸化物イ
オン伝導性が安定化ジルコニアより高く、低温でも作動
可能であることから、安定化ジルコニアより性能の優れ
た製品を与えるものと期待される。
野は広範囲に及んでいるが、重要な用途の1つが固体酸
化物型 (固体電解質型) 燃料電池 (SOFC) の電解質であ
る。現時点で最も開発が進んでいるSOFCは、Y2O3安定化
ジルコニア(YSZ) の薄膜を電解質とし、空気極 (カソー
ド) には電子性電気伝導を示すペロブスカイト型材料
(例、Sr含有LaMnO3) 、燃料極 (アノード) にはNi等の
金属またはNi-YSZなどのサーメットを用いた電池構成を
とる。YSZ の伝導性が低温では低いことと、1000℃付近
では排ガスの熱を利用したタービン発電機の運転を行う
コジェネレーションによる発電効率の増大が可能となる
ことから、YSZ を電解質とするSOFCは1000℃前後の高温
で作動させるように設計されている。
きく、薄膜ほど高出力が得られる。そのため、電解質の
YSZ は30〜50μm程度の薄膜で使用されている。しか
し、それでもなおYSZ の酸化物イオン伝導度が小さいた
め、実用上十分な性能を得るために約1000℃に加熱する
必要がある。膜厚30μm厚の薄膜YSZ で作動温度1000℃
における実用的な出力密度は、0.35 W/cm2程度と報告さ
れている。これより電池の出力を高くするか、作動温度
を低くするために、数μmないし10μm程度という薄さ
のYSZ 薄膜を使用した実験例が報告されているが、この
ような薄膜では電解質に求められるガス不透過性が不確
実となり、信頼性の面で望ましくない。
らなる狭義の酸化物イオン伝導体は、YSZ より酸化物イ
オン伝導性が非常に高いものを得ることができるので、
例えば厚さ0.5 mm (=500 μm) という焼結法で製造可
能な厚膜の電解質を用いてSOFCを構成した場合でも、上
記のYSZ 薄膜より高い出力を得ることができる。この場
合の最大出力密度は、B2原子の種類や原子比によっても
異なるが、30μm厚のYSZ 薄膜を用いたSOFCと比べて、
作動温度1000℃でもこれを凌ぎ、作動温度800℃では数
倍 (例、3倍またはそれ以上) も大きくなる。或いは、
厚さ約200 μmの膜で用いれば、600 ℃ないし700 ℃と
いう低温において、30μm厚のYSZ 膜が1000℃で発揮す
るのと同等の出力密度を得ることができる。
質に用いる場合、使用する具体的な材料は、作動温度に
応じて選択すればよい。例えば、コジェネレーションと
して排ガスによるタービン発電を同時に行う場合には、
1000℃前後の高い作動温度が必要であるので、このよう
な高温で高い酸化物イオン伝導性を示す、B2原子がCoま
たFe、特にCoである5元系複合酸化物を電解質に使用す
ることが好ましい。一方、作動温度が800 ℃程度であれ
ば上記以外にB2原子がNiであるものも使用でき、さらに
作動温度が600 ℃以下であればB2原子がCuであるものも
使用できる。
も、水蒸気または他の排ガスによる発電を同時に行う
か、或いは熱源としてのエネルギー有効利用を同時に達
成することで、SOFCの発電効率はそれほど低下しない。
このように作動温度が低くなると、SOFCの構造材料にス
テンレス鋼等の鉄鋼材料を使用でき、作動温度が1000℃
前後の場合のNi−Cr合金やセラミックといった材料に比
べて材料費が著しく低減するという利点もある。従来の
YSZ では、このような低温で作動させるSOFCを構築する
ことはできなかったが、本発明によればこのような低温
作動型から高温作動型まで、使用環境に合わせて多様な
SOFCを構築することが可能となる。
からなる酸化物イオン伝導体は、高い酸化物イオン伝導
性を示す温度範囲が広いため、 600〜700 ℃という比較
的低い作動温度から1000℃前後の高い作動温度のいずれ
の温度においてもSOFCの電解質として十分に機能する。
従って、電解質としてこの酸化物イオン伝導体を選択し
た場合には、この材料だけで低温作動型から高温作動型
までの多様なSOFCを構築することができる。
物は、YSZ に比べて酸化物イオン伝導性が非常に高いた
め、電解質を厚くして、例えば0.5 mm程度の焼結体から
製造することが可能となるため、機械的強度、寿命が大
幅に向上し、しかもYSZ を電解質とする場合より最大出
力密度の高いSOFCを製造することができる。
解質とするSOFCの電極は特に制限されず、従来のSOFCに
利用されている電極材料を使用できる。例えば、空気極
をSm0.5-0.7Sr0.3-0.5CoO3から、燃料極をNi金属から構
成できる。この電池構成をとると、特に低温での出力が
増大し、800 ℃でも1.5 W/cm2 を超える高い最大出力密
度が得られ、さらには600 ℃でも比較的高い出力密度が
得られるので、600 ℃またはそれ以下という従来は不可
能であった低温作動が可能な固体酸化物型燃料電池が作
製可能となるものと期待される。燃料極は、電極過電圧
を低減させるため、Ni−CeO2等のサーメットでもよい。
特に好ましい空気極と燃料極については後述する。
サーであり、自動車の空燃比制御に大量に使用されてい
るほか、製鋼等の工業プロセスの制御にも利用されてい
る。この酸素センサーは固体電解質酸素センサーと呼ば
れ、酸素濃淡電池の原理により酸度濃度を測定するもの
である。即ち、酸化物イオン伝導体からなる材料の両端
に酸素ガス分圧の差があると、材料内部に酸化物イオン
が拡散して酸素濃淡電池を構成するため、両端に電極を
つけて起電力を測定することにより酸素分圧を測定する
ことが可能となる。固体電解質酸素センサーは、酸素ガ
ス以外にSOx ,NOx といった酸素含有ガスのセンサーと
しても利用できる。
ではあるが、低温では酸化物イオン伝導性が低下するた
め、600 ℃以上の高温でしかセンサーを使用できず、用
途が制限されていた。これに対し、酸化物イオン伝導性
が支配的な本発明の5元系の酸化物イオン伝導体 (y≧
0.025 、z≦0.15、上記式で示されるものも含む)
は、YSZ より高い酸化物イオン伝導性を示すので、ガス
センサー、特に酸素センサーとして有用であり、低温で
も酸化物イオン伝導性が高いことから600 ℃以下でも十
分に使用可能なガスセンサーとなる。
の5元系の酸化物イオン伝導体 (y≧0.025 、z≦0.1
5、上記式で示されるものも含む) は、電気化学的酸
素ポンプ用酸素分離膜としても使用できる。酸化物イオ
ン伝導体からなる分離膜の両側に電位差を与えると、内
部を酸化物イオンが移動して電流が流れ、酸素が片側の
面から反対側の面に1方向に流れるようになる。これが
酸素ポンプである。例えば、空気を流すと、反対側の面
から酸素が富化された空気が得られるので、酸素分離膜
として利用されている。
空機やヘリコプターなどで、周囲の希薄空気から酸素富
化空気を作るのに利用されている。医療用酸素ボンベの
代替品としても応用可能性があると考えられる。
オン輸率が0.7 以下) を示す本発明の5/4元系ペロブ
スカイト型酸化物イオン伝導体 (z>0.15) は、酸素に
電子付与するイオン化触媒として機能し、集電体として
機能するのに必要な電子伝導性と、酸化物イオンを電解
質に送りこむための酸化物イオン伝導体として機能する
のに十分な酸化物イオン伝導性の両方を示すので、前述
したSOFCの空気極の材料に適しており、空気極の少なく
とも一部をこの材料から構成することが好ましい。
オン伝導性が支配的な狭義の酸化物イオン伝導体である
本発明の5元系材料 (式でy≧0.025 、z≦0.15、特
にz≦0.10であるもの、上記式で示されるものも含
む) から構成する場合、その空気極に電子−イオン混合
伝導性を示す本発明の5/4元系材料 (式でz>0.15
のもの、y=0の場合を含む) を使用すると、SOFCの電
解質と空気極が同種の材料から構成されることになり、
SOFCの性能が向上する。
は電解質と空気極が異種の材料から構成されている [例
えば、電解質がYSZ で、空気極はLa(Sr)CoO3] 。この場
合には、原子レベルで微視的に見ると、電解質と空気極
との界面に両層の材料が混じり合ったごく薄い界面層が
生成し、その界面抵抗による電圧損のために、出力が低
下する。電解質と空気極を同種の材料から構成すると、
界面層の生成が抑制され、界面抵抗が小さくなる。
が異種の材料である場合には、両者の熱膨張率が異なる
ため、昇温時や降温時に加わる熱応力が大きくなる。こ
の問題も、電解質と空気極を同種の材料から構成するこ
とにより著しく低減する。
極との間に、これらの2材料の中間の組成を持つ1また
は2以上の中間層を設けて、電解質から空気極に組成が
徐々に変化するようにすると、さらに抑制することがで
きる。
れてきた各種材料から構成できるが、特に好ましい燃料
極の材料は、(1) Niと、(2) 一般式:Ce1-mCmO2 (式
中、CはSm、Gd、YおよびCaの1種もしくは2種以上を
意味し、m=0.05〜0.4)で示される化合物とからなるも
のである。両者の割合は、 (1):(2) の体積比が95:5
〜20:80の範囲内であることが好ましい。より好ましく
はm値が 0.1〜0.3であり、 (1):(2) の体積比が90:1
0〜40:60である。
平板型でもよく、また平板型の場合はスタック型と一体
焼結型(モノリス型)のいずれでもよい。いずれの場合
も、電解質層を空気極と燃料極とで挟んだ3層の積層体
(電解質層は片面が空気極層に、他面が燃料極層に接す
る)が基本セル構造になる。電解質層はガス不透過性で
あり、空気極と燃料極の各層は、ガスが通過できるよう
に多孔質である。円筒型の場合には、円筒の内部と外部
に分けて燃料ガス(例、水素)と空気(または酸素)が
別々に供給され、多数の円筒型セルがその外面の一部に
設けたインターコネクタを介して接続される。平板型の
場合には、燃料ガスと空気を別々に供給できる流路を設
けた概ね平板型のインターコネクタを利用してガスが供
給される。このインターコネクタを上記の3層の積層構
造からなる平板型セルと交互に積み重ねて多層化され
る。
は、次式で示される空気極での酸素のイオン化である。 1/2O2 + 2e- →O2- この反応は、空気極と電解質と空気との界面で起こるた
め、この界面の面積が大きいほど反応量が多くなる。そ
のため、例えば、上記の3層構造物を平板ではなく、波
型にすることがこれまでも行われてきた。
ように、電解質層の両面に凹凸を形成し、この表面凹凸
部に空気極または燃料極の材料を粒子状で付着させたセ
ル構造を利用する。この場合、電解質層の本体部分はガ
ス不透過性とする必要があるが、両面の表面に形成した
凹凸部は多孔質であってもよい。この凹凸部の材料は、
電解質と同じ材料 (即ち、狭義の酸化物イオン伝導体)
でもよいが、好ましくは電子−イオン混合伝導性を示す
材料とする。例えば、空気極側の凹凸部を本発明に係る
電子−イオン混合伝導性を示す材料 (z>0.15) から構
成することができる。その場合、この凹凸部に付着させ
た個々の粒子は、従来の空気極材料のような、電子性電
気伝導が支配的な材料から構成することが好ましい。
イオン−電子混合伝導体粒子を焼付け、次にさらにその
表面により微細な電子伝導体粒子を付着させ、焼付ける
ことによって形成することができる。或いは、単にイオ
ン−電子混合伝導体粒子と電子伝導体粒子の混合物を電
解質層の表面に付着させ、焼付けることによっても、一
定の割合で同様の構造を実現することができる。
r)MnO3といった電子性電気伝導が支配的な (イオン輸率
の低い) 電子伝導体であるため、空気中の酸素を酸化物
イオンにイオン化しても、空気極材料の中を通過して電
解質へ酸化物イオンを送り込むとができない。そのた
め、この空気極材料を使用する場合には、図8の空気極
側の表面凹凸部は電解質材料から構成し、空気極材料は
この表面凹凸部に粒子状で付着させることになる。その
場合の酸素のイオン化は、図9(a) に示すように、電解
質層と空気極粒子と空気の3相の界面、即ち、電解質層
と空気極粒子の接合面の外縁(円周)に沿った一次元的
な領域でしか起こらない。その結果、空気極の分極が大
きくなり、SOFCの出力の低下が起こる。また、酸化物イ
オンを取込むために電解質層が空気と接している必要が
あるため、空気極が電解質層を完全に覆うことができ
ず、付着量にも制限がある。従って、空気極の電子性電
気伝導に依存する外部端子への電気的接続も不完全にな
り易い。或いは、十分な電気的接続を得るために、3相
界面を粗に覆って空気極粒子同士をつなぐ導電材料の空
隙に富む架橋構造が必要となるが、その場合にはその空
隙構造がガスの通過に対して抵抗となる。
ン−電子混合伝導性を示すため、この材料それ自体が空
気中の酸素を酸化物イオンにイオン化することができ
る。そのため、上述したように、図8の空気極側の表面
凹凸部を、この混合伝導性の空気極材料から構成し、こ
の凹凸部に付着させる個々の粒子を従来の電子伝導体の
空気極材料から構成することができる。その場合の酸素
のイオン化は、図9(b)に示すように、混合伝導性材料
の表面凹凸部と空気の2相の界面、即ち、この材料の外
表面全体という二次元の領域で起こるため、イオン化効
率が飛躍的に増大し、空気極の分極が防止できるため、
SOFCの出力が向上する。イオン化により生成した酸化物
イオンは、この混合伝導性空気極材料の酸化物イオン伝
導性により空気極材料を伝わって電解質に流れる。ま
た、この表面凹凸部を形成する混合伝導性空気極材料は
電子性電気伝導も可能であり、外部端子に電気を流すこ
とができるが、それを助けるために電子伝導体の粒子を
空気極側の凹凸部の表面に付着させる。
料 (Ce1-mCmO2)から構成することが好ましい。この場
合も、酸化物イオン混合伝導体であるセリア系材料が燃
料極側の表面凹凸部を構成し、その表面の個々の粒子を
電子伝導体であるNiから構成する。この構成により、上
述した空気極の場合と同様に、二次元的な領域でH2への
酸化物イオンの受渡しが行われ、やはりH2O 生成反応の
効率が著しく向上する。
化物イオン伝導体 (z>0.15) は、ガス濃度差を利用す
るガス分離膜としても利用できる。ガス分離膜の場合に
は、膜の両側に外部から電位差を与える必要はなく、分
離膜の両側のガス中の酸素濃度差が分離の駆動力とな
る。この酸素濃度差により、酸化物イオンが高濃度側か
た低濃度側に流れ、この流れを電気的に補償するために
電子が逆方向に流れる。従って、酸化物イオン伝導性と
一緒にある程度の電子性電気伝導もないと (即ち、電子
−イオン混合伝導体でないと) 電子が流れないために機
能しなくなる。
えば、水やNOX の分解にも使用できる。水の場合、分
離膜の表面で酸化物イオンと水素に分解すると、膜の両
側で酸化物イオン濃度に差ができ、これが駆動力となっ
て酸化物イオンの流れができ、水素は流れずに残るの
で、水から水素を製造することができる。NOX の場合
も、分解してNOX が無害化され、窒素と酸素に分離さ
れる。
電気化学的反応器や酸素同位体分離膜などにも利用可能
である。
ならびにCoO, Fe2O3, Ni2O3, CuO, MnO2から選んだ遷移
金属酸化物の各粉末を、La0.8 Sr0.2 Ga0.8 Mg0.1 M
0.1 O3 (Mは遷移金属) を生ずる割合で配合し、よく混
合した後、1000℃で6時間予備焼成した。この予備焼成
した混合物を粉砕し、静水圧プレスにより厚み0.5 mm、
直径15 mm のディスク状に圧縮成形し、成形体を1500℃
で6時間焼成して焼結させた。得られた焼結体の結晶構
造をX線回折により調べたところ、いずれもペロブスカ
イト型結晶構造を有していた。
形の焼結体から切断した直方体試料に、電極となる白金
ペーストを塗布した後、白金線を接続して950 〜1200℃
で10〜60分間焼き付け、任意の酸素分圧と温度に調整可
能な装置内で、直流四端子法または交流二端子法で抵抗
値を測定することにより求めた。酸素分圧の調整は、O2
−N2、CO−CO2 、H2−H2O 混合ガスを用いて行った。
は、酸素分圧が一定 (10-5 atm) で、温度を変化させた
場合の電気伝導度 (伝導度のアレニウスプロット) を示
す。図10は、温度が一定 (950 ℃) で、酸素分圧を変化
させた場合の電気伝導度 (伝導度の酸素分圧依存性) を
示す。図2については既に説明したが、遷移金属がCo、
Fe、NiまたはCuであると、Mgの一部を遷移金属で置換す
ることにより、少なくとも低温側では伝導性が大きく向
上することがわかる。
あると、伝導性が酸素分圧により変動するが、遷移金属
がCoまたはFeであると、酸素分圧が変動してもほぼ一定
の高い伝導性を保持していることがわかる。
ン輸率を測定した結果を図5に電気伝導率と一緒に示
す。このイオン輸率は、仕切りにより試料の両端の雰囲
気の酸素分圧を互いに異なる既知の値にして酸素濃淡電
池を作製し、この電池の起電力を測定すると共に、同条
件の理論起電力をネルンスト式から求め、起電力の測定
値の理論起電力に対する比として求めた。遷移金属がCo
以外であっても、図5とほぼ同様の傾向が認められ、Mg
に対する遷移金属の割合が増大すると、電気伝導性は増
大し、イオン輸率は低下した。しかし、電気伝導性の増
大は対数的増大であるので、イオン輸率の低下よりずっ
と大きい。従って、イオン輸率が低下しても、酸化物イ
オン伝導性の絶対値は増大しているのである。
0.8 Sr0.2 Ga0.8 Mg0.115 Co0.085 O3の焼結体からなる
酸化物イオン伝導体を作製し、酸素分圧10-5 atmで温度
を変化させて電気伝導性を測定した。測定結果 (伝導度
のアレニウスプロット) を図11に示す。
1-x Srx Ga0.8 Mg0.115 Co0.085 O3 (式中x=0.05、0.1
、0.15、0.2 、0.25または0.3)の焼結体からなる酸化
物イオン伝導体を作製し、温度または酸素分圧を変化さ
せて電気伝導度を測定した。950 ℃におけるxの値と電
気伝導性との関係を図3に示す。伝導度のアレニウスプ
ロット (酸素分圧10-5 atm) と酸素分圧依存性 (温度95
0 ℃) をそれぞれ図12(a) および(b)に示す。酸素分圧
依存性はx値によって挙動が変化することが注目され
る。
Sr0.2 Ga(1-y-z) Mgy Coz O3 (式中、y+z=0.05、0.
1 、0.15、0.2 、0.25または0.3 、y:z=11.5:8.5)
の焼結体からなる酸化物イオン伝導体を作製し、温度を
変えて電気伝導度とイオン輸率を測定した。各 (y+
z) 値における伝導度のアレニウスプロット (酸素分圧
10-5atm)を図4(c) に示す。950 ℃における (y+z)
値と電気伝導性との関係を図4(a)に、またイオン輸率
との関係を図4(b) に示す。
A0.1 Ga0.8 B10.1 Co0.1 O3 なる組成で、Ln、A、B1
の各金属原子を変更した焼結体からなる酸化物イオン伝
導体を作製し、その電気伝導性を測定した。酸素分圧10
-5 atm、950 ℃での電気伝導度 (σ/Scm-1) は次の通
りであった。
0.2-zFez O3 (z=0〜0.2)の焼結体からなる酸化物イ
オン伝導体を作製した。得られた焼結体の結晶構造をX
線回折により調べたところ、いずれもペロブスカイト型
結晶構造を有していた。
素分圧10-5 atmにおける電気伝導性の測定結果は、図6
に示した通りである。この図から、前述したようにz=
0.01〜0.15の範囲内の場合に高い電気伝導性が得られる
ことがわかる。また、上記組成においてz=0.03の場合
の電気伝導性の温度変化および酸素分圧依存性は、それ
ぞれ図7(a) および(b) に示した通りである。この酸化
物イオン伝導体は、広い温度範囲および酸素分圧の範囲
で高い電気伝導性とイオン輸率を示すことがわかる。
イオン伝導体である安定化ジルコニアより酸化物イオン
伝導性が高いのはもちろん、それより酸化物イオン伝導
性が高いAサイトとBサイトに非遷移金属だけをドープ
した4元系複合酸化物に比べても、酸化物イオン伝導性
がさらに高く、また酸化物イオン伝導性と電子伝導性の
割合、即ち、イオン輸率を容易かつ自由に制御すること
ができる酸化物イオン伝導体が実現できる。従って、電
気伝導性が高く、かつイオン輸率が0.9 以上と高い、狭
義の酸化物イオン伝導体として有用な材料だけでなく、
電子−イオン混合伝導体として有用な材料も得られる。
導体は、安定化ジルコニアより低温でも使用でき、かつ
酸素雰囲気から水素雰囲気に至る全ての酸素分圧下で高
い酸化物イオン伝導性を示すので、固体酸化物型燃料電
池の電解質、酸素センサー等のガスセンサー、および電
気化学式酸素ポンプ用酸素分離膜として有用であり、従
来より高性能の製品を実現できる可能性がある。特に、
上記式で示される酸化物イオン伝導体は、広い温度範
囲および純酸素雰囲気から実質的な水素雰囲気に及ぶ非
常に広い酸素分圧で高い酸化物イオン伝導性を保持する
点で非常に有利である。
明の酸化物イオン伝導体は、固体酸化物型燃料電池の空
気極や、ガス濃度差を利用するガス分離膜として利用で
きる。特に、この電子−イオン混合伝導性を示す本発明
の酸化物イオン伝導体を空気極とし、上記のイオン輸率
の高い本発明に係る狭義の酸化物イオン伝導体を電解質
としてSOFCを構築すると、界面抵抗が減少するため、SO
FCの高出力化を図ることができる。
r0.2Ga0.8Mg0.2O3なる組成を持つ4元系複合酸化物から
なるペロブスカイト型酸化物イオン伝導体の電気伝導性
を示すグラフである。
導体のMgの一部を遷移金属で置換した、5元系複合酸化
物からなる電気伝導性を、4元系のものと比較して示す
グラフである。
イオン伝導体のAサイトのドープ原子であるA原子 (S
r) の割合 (x値) と電気伝導性との関係を示すグラフ
である。
らなる酸化物イオン伝導体のBサイトのドープ原子の割
合、即ち、B1原子+B2原子の合計原子比 (y+z, 但し
y:z=11.5:8.5)と、電気伝導性との関係を示すグラ
フであり、図4(b) は、同上 (y+z) 値とイオン輸率
との関係を示すグラフであり、図4(c) は、同上、様々
な (y+z) 値を有する5元系複合酸化物からなる酸化
物イオン伝導体の電気伝導性と温度の関係を示すグラフ
である。
化物イオン伝導体のBサイトのドープ原子のうち遷移金
属であるB2原子の割合 (z値) と電気伝導性およびイオ
ン輸率との関係を示すグラフである。
酸化物の電気伝導性 (950 ℃、酸素分圧=10-5 atm) を
z値に対して示すグラフである。
明の酸化物イオン伝導体の電気伝導性の酸素分圧10-5 a
tmにおける温度変化(a) と950 ℃における酸素分圧依存
性(b) を示す。
構造の模式的断面図である。
説明図である。
物イオン伝導体の電気伝導性の酸素分圧依存性を示すグ
ラフである。
酸化物イオン伝導体の電気伝導性の温度変化示すグラフ
である。
酸化物イオン伝導体の電気伝導性の温度変化(a) および
酸素分圧依存性(b) を示すグラフである。
Claims (13)
- 【請求項1】 一般式:Ln1-x Ax Ga1-y-z B1y B2z O
3 で示される酸化物イオン伝導体。式中、 Ln=La、Ce、Pr、Nd、Smの1種もしくは2種以上;A=
Sr、Ca、Baの1種もしくは2種以上;B1=Mg、Al、Inの
1種もしくは2種以上;B2=Co、Fe、Ni、Cuの1種もし
くは2種以上;x=0.05〜0.3 ;y=0〜0.29;z=0.
01〜0.3 ;y+z= 0.025〜0.3 。 - 【請求項2】 y≧0.025 、z≦0.15である、酸化物イ
オン伝導性の高い請求項1記載の酸化物イオン伝導体。 - 【請求項3】 z>0.15である、電子−イオン混合伝導
性を示す請求項1記載の酸化物イオン伝導体。 - 【請求項4】 Ln=Laおよび/またはNd、A=Sr、B1=
Mg、B2=Co、x=0.10〜0.25、y=0〜0.17、z=0.02
〜0.15、y+z=0.10〜0.25である、請求項1記載の酸
化物イオン伝導体。 - 【請求項5】 Ln=La、A=Sr、B1=Mg、B2=Fe、x=
0.1〜0.3 、y= 0.025〜0.29、z=0.01〜0.15、y+
z= 0.035〜0.3 である、請求項2記載の酸化物イオン
伝導体。 - 【請求項6】 x=0.15〜0.25、y=0.09〜0.24、z=
0.01〜0.05、y+z=0.10〜0.25である、請求項5記載
の酸化物イオン伝導体。 - 【請求項7】 請求項2、4、5または6記載の酸化物
イオン伝導体からなる電解質を備えた固体酸化物型燃料
電池。 - 【請求項8】 請求項3記載の酸化物イオン伝導体を含
む空気極を備えた固体酸化物型燃料電池。 - 【請求項9】 請求項2、4、5または6記載の酸化物
イオン伝導体からなる電解質と、請求項3記載の酸化物
イオン伝導体を含む空気極とを備えた、固体酸化物型燃
料電池。 - 【請求項10】 (1) Niと、(2) 一般式:Ce1-mCmO2
(式中、CはSm、Gd、YおよびCaの1種もしくは2種以
上を意味し、m=0.05〜0.4)で示される化合物とからな
る燃料極を備えた、請求項7〜9のいずれか1項に記載
の固体酸化物型燃料電池。 - 【請求項11】 請求項2、4、5または6記載の酸化
物イオン伝導体からなるガスセンサー。 - 【請求項12】 請求項2、4、5または6記載の酸化
物イオン伝導体からなる電気化学的酸素ポンプ用酸素分
離膜。 - 【請求項13】 請求項3記載の酸化物イオン伝導体か
らなるガス分離膜。
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