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JPH11182479A - 冷媒圧縮機 - Google Patents

冷媒圧縮機

Info

Publication number
JPH11182479A
JPH11182479A JP34741997A JP34741997A JPH11182479A JP H11182479 A JPH11182479 A JP H11182479A JP 34741997 A JP34741997 A JP 34741997A JP 34741997 A JP34741997 A JP 34741997A JP H11182479 A JPH11182479 A JP H11182479A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control valve
pressure
piston
type control
bypass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34741997A
Other languages
English (en)
Inventor
Wataru Izumisawa
渉 泉澤
Hiroshi Ogawa
博史 小川
Minoru Ishii
稔 石井
Yoshihide Ogawa
喜英 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP34741997A priority Critical patent/JPH11182479A/ja
Publication of JPH11182479A publication Critical patent/JPH11182479A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B1/00Compression machines, plants or systems with non-reversible cycle
    • F25B1/04Compression machines, plants or systems with non-reversible cycle with compressor of rotary type
    • F25B1/047Compression machines, plants or systems with non-reversible cycle with compressor of rotary type of screw type
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B1/00Compression machines, plants or systems with non-reversible cycle
    • F25B1/10Compression machines, plants or systems with non-reversible cycle with multi-stage compression
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B49/00Arrangement or mounting of control or safety devices
    • F25B49/02Arrangement or mounting of control or safety devices for compression type machines, plants or systems
    • F25B49/022Compressor control arrangements

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バイパス運転と全容量運転との切り替え時
に、バイパス流路が半開半閉状態で停滞しにくく、ハン
チング動作を起こしにくく、圧縮効率および信頼性に優
れ、かつ低コストな冷媒圧縮機を得ること。 【解決手段】 密閉容器内に設けられ、回転運動を行い
駆動源となる回転体と、この回転体の回転運動によって
ガス冷媒を圧縮搬送する圧縮機構部分と、この圧縮機構
部分に設けられた圧縮室と、密閉容器内に設けられた吸
入ガス空間と、圧縮室と吸入ガス空間とを連通し、その
開閉により圧縮室の行程容積を可変とするバイパス流路
と、一方の面に圧縮室の吸入圧力と弾性力を作用させ、
他方の面に圧縮室の吐出圧力を作用させ、バイパス流路
の開閉動作を行うピストンを有するピストン式制御弁と
を備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は空気調和機又は冷
凍機等に使用される冷媒圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の冷媒圧縮機の機構および動作をス
クロール圧縮機を用いて説明する。スクロール圧縮機の
圧縮機構部分は一般的に、その自転を規制しながら公転
運動をする揺動スクロールと、揺動スクロールに対して
位相を約180°ずらして設置された固定スクロールに
よって構成されている。揺動スクロールおよび固定スク
ロールは、互いに組み合わされることによって三日月形
状の圧縮室を形成し、揺動スクロールの公転運動に伴い
この圧縮室は渦巻の中心方向へと移動し、かつこの圧縮
室は徐々にその容積を減少させ内部雰囲気である冷媒ガ
スを圧縮搬送する機構を構成している。
【0003】近年、空調機あるいは冷凍機がさほど能力
を必要としない条件下に於いて圧縮機より搬送される冷
媒ガスの流量を制限するため、圧縮室の内部に圧縮前の
吸入ガス雰囲気と連通するバイパス流路を設けることで
圧縮機の冷媒押しのけ量を可変とした、いわゆる容量制
御機構を備えたスクロール圧縮機が提案されている。一
般的にこのような容量制御機構は圧縮機外部にバイパス
流路を開閉する制御弁装置を備え、この制御弁装置は冷
凍回路の運転状態に応じて冷凍回路側より電気的な制御
信号を受け、全容量運転とバイパスによる容量制御運転
の切り替えを行っている。
【0004】また、近年ではさらにこのような外部のバ
イパス制御弁や制御回路を持たず、単体のみで冷凍回路
の負荷の変動に応じたバイパス運転の切り替えを行う機
構が提案されている。このような機構を圧縮機内部に組
み込むことによって、従来は大きなコストアップの要因
を占めていた電磁弁を始めとするバイパス制御機構周辺
の大幅な部品数低減と、これに伴う大幅なコスト低減が
可能となる。
【0005】図24は特開平4−287888号公報に
示された可変容量スクロール圧縮機の圧縮機構部分の断
面図である。図に於いて、密閉容器10に固定された固
定スクロール11は揺動スクロール(図示せず)と互い
に約180度位相をずらして組み合わされており、この
揺動スクロールはクランクシャフト(図示せず)端部の
偏心軸(図示せず)に回転自在に嵌合され、前記クラン
クシャフトの回転によって固定スクロール11に対して
円軌道上を公転運動する。
【0006】前記固定スクロール11の渦巻形状歯11
aおよび前記揺動スクロールの渦巻形状歯によって形成
された三日月形状の圧縮室は、前記クランクシャフトの
回転に伴って次第にその容積を減少させながら渦巻中心
方向へと移動し、これにより前記圧縮室に取り込まれた
冷媒ガスは連続的な圧縮作用を受けながら渦巻中心方向
へと搬送され、前記固定スクロール中心部の吐出口14
より吐出される。
【0007】前記密閉容器10の端部には直線状のシリ
ンダー2が形成されており、このシリンダー2はその軸
方向位置によって外径を異にしている。前記シリンダー
2内部にはピストン式制御弁1が一軸方向可動に設置さ
れており、ピストン式制御弁1の大径部分1aおよび小
径部分1bはそれぞれ、シリンダー2の大径部分2aお
よび小径部分2bとスライド可能に嵌合され、ピストン
リング15および16によってピストン軸方向への冷媒
ガスの洩れを防いでいる。
【0008】シリンダー2には、以下に示す4本の通路
が設けられている。大径部分2aのピストン式制御弁1
の位置に応じて開閉される位置に第一の通路31が、小
径部分2bのピストン式制御弁1と干渉しない背圧空間
2dに第二の通路32が、対する大径部分2aのピスト
ン式制御弁1と干渉しないばね側空間2cに第三の通路
33が、大径部分2aと小径部分2bの段差の補助背圧
空間2eには第四の通路34が開口している。
【0009】また、第一の通路31は固定スクロール周
囲の吸入ガス空間11bと、第二の通路32は吐出口1
4と、第三の通路33は圧縮途中の吸入圧力でも吐出圧
力でもないいわゆる中間圧力をもつ中間圧室11cと、
第四の通路34は吸入ガス空間11bと連通している。
ここで、第一の通路31と第三の通路33はバイパス流
路を構成している。シリンダー2内部のばね側空間2c
には圧縮ばね7が設置されており、そのばね力によって
ピストン式制御弁1を第二の通路32に向けて押し付け
ている。
【0010】次に、このピストン式制御弁1の基本動作
について説明する。図24、図25および図26に於い
て、吸入圧力をPs、吐出圧力をPd、中間圧力をPm
とする。また、ピストン式制御弁1の大径部分の面積を
S1、小径部分の面積をS2とする。ここで図25の状
態に於いて、図中のピストン式制御弁1には主として以
下の式(1)〜(4)で示す力Fb、Fs、Fd、Fm
が作用する。ただしkは圧縮ばねのばね定数、xはその
圧縮方向への変位である。 Fb=kx …(1) Fs=(S1−S2)×Ps …(2) Fd=S2×Pd …(3) Fm=S1×Pm …(4) 圧縮機が停止しているとき、吸入圧力Ps、吐出圧力P
d、中間圧力Pmは互いに等しく、ピストン式制御弁1
は図26のようにばね力によってシリンダー2の小径部
分2bに押し付けられており、第一の通路31と第三の
通路33とがシリンダー2を介して連通している。従っ
てこの条件ではピストン式制御弁1はバイパス流路が開
いた状態となっており、スクロール圧縮機はバイパス状
態となっている。
【0011】圧縮機は起動直後はバイパス運転状態であ
るが、その後差圧がつき始めるとFd>(Fb+Fm)
=(Fb+Fs)となりピストン式制御弁1が空間2c
の向きに動き始め、その際冷凍回路の冷媒循環量に対し
ての熱負荷が大きいと更に中間圧力Pmに対して吐出圧
力Pdが大きくなり、ピストン式制御弁1が図25の状
態を経て図24の状態となり、第一の通路31、いわゆ
るバイパス流路は塞がれ全容量運転となる。
【0012】逆に冷凍回路の冷媒循環量が熱負荷に対し
て大きくなると吐出圧力Pdに対して中間圧力Pmの値
が大きくなり、ピストン式制御弁1は小径部分2bの向
きへと移動して第一の通路31、いわゆるバイパス流路
が開きバイパス運転状態となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来の冷媒圧縮機は以
上のように構成されているので、図24〜図26に示さ
れたピストン式制御弁では、バイパス流路を開いている
状態から閉じようとする力に吸入圧力Psと吐出圧力P
dを用いており、一方バイパス流路が閉じている状態か
ら開こうとする力にばね力と第3の通路33から連通し
た中間圧力Pmを用いている。この中間圧力Pmは、バ
イパス流路即ち第一の通路31が開いている状態では吸
入圧力Psと等しくなるが、バイパス流路が閉じている
状態では中間圧力Pmとなり、第三の通路33の圧縮室
への開口部分の位置に応じて吸入圧力Psよりも大きく
なる。
【0014】従って、例えば図26のバイパス流路が開
いている状態に於いて冷凍回路の熱負荷が大きくなり吐
出圧力Pdと吸入圧力Psの差が開いてくると、ピスト
ン式制御弁1は次第にバイパス流路を閉じる方向へと移
動を始めやがて図25の状態となるが、この状態では第
一の通路31が半開半閉状態であり、その流路面積が減
少することから、第一の通路31の流路抵抗が増し、そ
の結果ピストン式制御弁1を押し戻そうとする向きに働
くばね側空間2cの圧力が吸入圧力Psよりも大きくな
り、バイパス流路を完全に閉じるためには更なる吐出圧
力Pdの上昇が必要となる。
【0015】図27の曲線は、前記ピストン式制御弁1
の挙動を、横軸に圧縮ばねの圧縮方向へのピストンの変
位、縦軸に吐出圧力Pdと吸入圧力Psの差をとって表
したものであるが、曲線はバイパス流路が閉じ始める全
開限界位置までは直線変化するものの、全開限界位置と
全閉限界位置で囲まれた半開領域では、曲線の直線部分
を延長した図中の2点鎖線と比較してピストンの変位に
対する差圧のこう配が増大し、バイパス流路は半開半閉
状態にて停滞したり、あるいはハンチング動作を起こす
可能性が高くなる。前記半開領域を通過しバイパス流路
が完全に閉じられればこう配は再び直線部分と等しくな
るものの、ピストン式制御弁の開閉には非常に大きな差
圧の変化が必要である。
【0016】図28は吸入圧力Psの条件変化に対する
ピストン式制御弁の開閉時圧力の変化を示したものであ
るが、吸入圧力Psが上昇するほど弁閉開始線と弁開開
始線の間隔、即ち半開領域は大きくなる。バイパス流路
が半開半閉状態で長く停滞すると、冷媒ガスが閉じ込み
完了からバイパス流路の連通位置に至るまでの行程に於
いてある程度の圧縮作用を受けるため、圧縮室からの吸
入側への洩れと同様に再膨張による損失が発生し、圧縮
効率の低下を招くこととなる。
【0017】また、半ば圧縮されかけた冷媒ガスはある
程度の高温と化すが、第一の通路31が完全に閉じきっ
ていないことからこの高温と化したガスの一部は吸入ガ
ス空間へと戻ることになり、このような現象が繰り返さ
れることで吸入ガスおよび吐出ガスが非常に高温とな
る。吸入ガスが高温となれば冷媒循環量の低下を招き、
能力や圧縮効率を低下させる可能性があった。また吐出
ガスが高温となれば、最悪の場合熱膨張等による圧縮機
構部分の破損が起こる可能性があった。
【0018】また、従来の可変容量式冷媒圧縮機は、相
似的な一対の圧縮室を持つスクロール圧縮機などに於い
て、相似的な一対の圧縮室に対して開口した一対のバイ
パス流路の開閉動作ポイントがずれたり、またバイパス
流路の絞り抵抗がずれることで、相似的な一方の圧縮室
の内圧が他方の圧縮室の内圧より低くなり、一方の圧縮
室がバイパス状態で他方の圧縮室が全容量状態である等
といった片肺運転に陥る可能性があり、軸受を始めとす
る機械要素に大きな負担が加わり、摩耗や焼付などの信
頼性上のトラブルを招く可能性があった。また、負荷の
アンバランスにより圧縮機の振動、騒音が大きくなる可
能性もあった。
【0019】また、圧縮機の運転速度を可変とすること
で冷凍回路における冷媒循環量を調節する従来の可変速
圧縮機では、低速時の運転条件では圧縮室からの冷媒漏
れ量が冷媒循環量に対して相対的に大きくなったり、軸
受の油膜が確保できなくなったりと、性能及び信頼性の
観点から劣る点があった。
【0020】この発明は上記の問題点を解決するために
なされたもので、第一の目的はピストン式制御弁の動作
をスムーズに行いバイパス流路が半開半閉状態で停滞す
る頻度を減少させることで、圧損および吐出ガス温度の
上昇を低減し、ハンチング動作を起こしにくく圧縮効率
および信頼性に優れ、かつ低コストをである容量制御式
の冷媒圧縮機を得ることである。
【0021】また、第二の目的はピストン式制御弁の動
作によるバイパス運転と全容量運転の切り替えを対にな
った圧縮室に対して同時かつ均等に行うことにより、片
肺運転を起こす恐れのない容量制御機構を有する冷媒圧
縮機を得ることである。
【0022】また、第三の目的は可変速圧縮機の低速あ
るいは中速での運転をバイパスによる容量制御運転によ
ってより高速側で運転することにより、低負荷時の性能
及び信頼性を向上させた冷媒圧縮機を得ることである。
【0023】
【課題を解決するための手段】この発明に係る冷媒圧縮
機は、密閉容器と、この密閉容器内に設けられ、回転運
動を行い駆動源となる回転体と、この回転体の回転運動
によってガス冷媒を圧縮搬送する圧縮機構部分と、この
圧縮機構部分に設けられた圧縮室と、密閉容器内に設け
られた吸入ガス空間と、圧縮室と吸入ガス空間とを連通
し、その開閉により圧縮室の行程容積を可変とするバイ
パス流路と、一方の面に圧縮室の吸入圧力と弾性力を作
用させ、他方の面に圧縮室の吐出圧力を作用させ、バイ
パス流路の開閉動作を行うピストンを有するピストン式
制御弁とを備えたものである。
【0024】また、ピストン式制御弁の吐出圧力を作用
させる他方の面の一部に、吸入圧力と中間圧力とが切り
替わって作用する構成としたものである。
【0025】また、ピストン式制御弁の吐出圧力を作用
させる他方の面の一部に、吸入圧力と吐出圧力とが切り
替わって作用する構成としたものである。
【0026】また、ピストン式制御弁に於いて、吸入圧
力と吐出圧力との切り替えに要するピストンの行程が、
バイパス流路の開閉動作に要するピストンの行程より大
きいものである。
【0027】また、一対の圧縮室を有し、バイパス流路
はこの一対の圧縮室の相似的な位置に設けられ、ピスト
ン式制御弁を同時に開閉させたものである。
【0028】また、回転体の回転数を可変としたもので
ある。
【0029】また、最低回転数近傍に於いて大部分の運
転時間がバイパス運転状態であるものである。
【0030】また、密閉容器と、この密閉容器内に設け
られ、回転運動を行い駆動源となる回転体と、この回転
体の回転運動によってガス冷媒を圧縮搬送する圧縮機構
部分と、この圧縮機構部分に設けられた圧縮室と、密閉
容器内に設けられた吸入ガス空間と、圧縮室と吸入ガス
空間とを連通し、その開閉により圧縮室の行程容積を可
変とするバイパス流路と、このバイパス流路を背圧を切
り替えることで開閉するバイパス流路開閉弁と、一方の
面に圧縮室の吸入圧力と弾性力を作用させ、他方の面に
圧縮室の吐出圧力を作用させ、バイパス流路開閉弁の背
圧を切り替えるピストン式制御弁とを備えたものであ
る。
【0031】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の形態1を図1〜図5について、スクロール圧縮機
を用いて説明する。図1は、この発明の実施の形態1に
おける可変容量スクロール圧縮機の圧縮機構部分の断面
図である。図に於いて、密閉容器10に固定された固定
スクロール11は揺動スクロール(図示せず)と互いに
約180°位相をずらして組み合わされており、この揺
動スクロールはクランクシャフト(図示せず)端部の偏
心軸(図示せず)に回転自在に嵌合され、駆動源となる
回転体である前記クランクシャフトの回転によって固定
スクロール11に対して円軌道上を公転運動する。前記
固定スクロール11の渦巻形状歯11aおよび前記揺動
スクロールの渦巻形状歯によって形成された三日月形状
の圧縮室は、前記クランクシャフトの回転に伴って次第
にその容積を減少させながら渦巻中心方向へと移動し、
これにより前記圧縮室に取り込まれた冷媒ガスは連続的
な圧縮作用を受けながら渦巻中心方向へと搬送され、前
記固定スクロール中心部の吐出口14より吐出される。
【0032】前記密閉容器10の端部には直線状のシリ
ンダー2が形成されている。このシリンダー2は図1に
示したように固定スクロール11に対して加工されたも
のでも、また図示はしないが密閉容器10内部の固定ス
クロール2以外の部分に設置されたものでも良い。前記
シリンダー2内部にはピストン式制御弁1が一軸方向可
動に設置されており、ピストン式制御弁1はシリンダー
2と軸方向にスライド可能に嵌合し、ピストンリング1
5および16によってピストン軸方向への冷媒ガスの洩
れを防いでいる。ピストン式制御弁1のスライド幅はス
トッパー2fおよびストッパー2gによってその規制さ
れている。このストッパーはシリンダー2と一体加工さ
れたものでも、別個の部品であっても良い。
【0033】また、シリンダー2には圧縮室内外部と連
通した通路が開口している。即ち、ピストン式制御弁1
によって開閉されうる位置に第一の通路31が、背圧空
間2dには第二の通路32が、その反対側の圧縮ばね7
が存在するばね側空間2cに第三の通路33が開口して
いる。また、第一の通路31は中間圧力室11cと、第
二の通路32は吐出口14を経由するなどして吐出圧力
空間11dなどの吐出ガス雰囲気と、第三の通路33は
吸入圧力空間11bなどの吸入ガス雰囲気とそれぞれ連
通している。ピストン式制御弁1にはバイパス連通路1
cが設けられており、ピストン式制御弁1の位置に応じ
て第一の通路31とばね側空間2cとを連通する。
【0034】さて、圧縮機が停止している状態では吸入
圧力Psおよび吐出圧力Pdは等しく、ピストン式制御
弁1は図3の状態にあり、圧縮ばね7によるばね力とス
トッパー2gからの抗力のみが主に働いている。この状
態に於いてバイパス連通路1cは第一の通路31と完全
に連通しており、この圧縮機はバイパス運転状態にある
と言える。
【0035】圧縮機が起動し吸入圧力Psと吐出圧力P
dの差圧がつき始めるとピストン式制御弁1はストッパ
ー2gからの抗力を受けなくなり、圧縮ばね7を圧縮す
る方向へと移動を始める。この状態で、ピストン式制御
弁1には主に次式にて表される力が作用している。ここ
で、Fbは圧縮ばねによる力、Fsは吸入圧力Psによ
る力、Fdは吐出圧力Pdによる力を表しており、続く
数字は図番に対応している。また、Sはピストン式制御
弁1の断面積、kは圧縮ばねのばね定数、xはその圧縮
方向への変位である。 Fb3=kx3 …(5) Fs3=S×Ps3 …(6) Fd3=S×Pd3 …(7) ピストン式制御弁1が移動し図2の状態となると、第一
の通路31とバイパス連通路1cの位置がずれるため、
バイパス流路は半開状態となり絞られ、中間圧力室11
cの圧力は吸入圧力Psよりやや高めの圧力となる。た
だし、本実施の形態1ではばね側空間2cは中間圧力室
11cではなく吸入圧力空間11bと連通しているた
め、ピストン式制御弁1が移動してもばね側空間2cの
内圧は変化しない。
【0036】従って本実施の形態1のピストン式制御弁
1は、圧縮ばね7の圧縮方向への変位xおよび吐出圧力
Pdと吸入圧力Psの差に対して図4に表すような特性
を示す。即ち、バイパス運転状態、半開領域、全容量運
転状態に於いてこう配が変化しないため、従来の技術と
異なり小さな高低圧差あるいは圧縮比でも弁の開閉動作
が完了することになる。また、ピストン式制御弁1の作
動に中間圧力Pmを用いないため、図5に示すように吸
入圧力Psや吐出圧力Pdの大小に関わらず一定の差圧
で制御することが可能となる。
【0037】図4に於いて差圧が更に大きくなり直線が
全閉限界位置に到達すると、ピストン式制御弁1は図1
の状態となり全容量運転状態となる。逆にこの状態で差
圧が小さくなると、ピストン式制御弁1は図2の半開状
態を経由して図3のバイパス運転状態となる。
【0038】図4における直線の全開限界位置より左
側、および全閉限界位置より右側はバイパス制御に関係
のない無駄なピストン式制御弁1の行程となるが、スト
ッパー2fおよびストッパー2gの位置を調節すること
でその挙動を最適に設定することが可能である。
【0039】また、本実施の形態1ではバイパス連通路
1cを介してバイパス流路を構成しているが、従来の技
術と同ようにピストン式制御弁1の端面にてバイパス流
路の開閉を行う構造にすることでピストン式制御弁1の
構造をより簡単にすることが可能となる。また、実施の
形態1では、直線方向に開閉動作を行うピストンで説明
したが、軸周りの回転動作によって開閉を行うピストン
でもよい。
【0040】実施の形態2.以下、この発明の実施の形
態2を図6〜図13について、スクロール圧縮機を用い
て説明する。実施の形態1と共通の構成や動作の説明は
省略する。図6は、この発明の実施の形態2における可
変容量スクロール圧縮機の圧縮機構部分の断面図であ
る。図に於いて、ピストン式制御弁1は大径部分1aお
よび小径部分1bとから成り、シリンダー2の大径部分
2aおよび小径部分2bとそれぞれ嵌合している。シリ
ンダー2の大径部分2aには第一の通路31が開口して
おり、ピストン式制御弁1の軸方向位置に応じてバイパ
ス流路として開閉する。
【0041】シリンダー2側方の背圧空間2dは第二の
通路32を経由し吐出圧力空間11dなどの吐出ガス雰
囲気と連通し、その内圧は吐出圧力Pdと等しくなって
おり、一方ばね側空間2cは第三の通路33を経由して
吸入圧力空間11bなどの吸入ガス雰囲気と連通し、そ
の内圧は吸入圧力Psと等しくなっている。また、ピス
トン式制御弁1の大径部分1aと小径部分1bとの段差
部分、シリンダー2の大径部分2aと小径部分2bとの
段差部分で構成される補助背圧空間2eには、中間圧力
室11cから導かれた第四の通路34が開口している。
【0042】次に、本実施の形態2におけるピストン式
制御弁1に働く力関係について説明する。圧縮機起動前
は吸入圧力Ps、吐出圧力Pdおよび中間圧力Pmは全
て等しく、ピストン式制御弁1は図8の状態にあり、主
に圧縮ばね7によるばね力と、ストッパー2gから受け
る抗力のみが働いている。この状態で第一の通路31と
第三の通路33は連通しており、即ちこの圧縮機はバイ
パス状態にある。
【0043】さて、図8に於いて圧縮機が起動し徐々に
差圧がつき始めると、圧力差によってピストン式制御弁
1は圧縮ばね7を圧縮する方向に移動を始めストッパー
8からの抗力を受けなくなる。ただし、この状態では中
間圧力室11cは吸入圧力空間11bと連通しているた
め、その内圧は吸入圧力Psと等しくなる。従ってピス
トン式制御弁1には主に以下の式で表される力が作用す
る。ここで、Fbは圧縮ばねによる力、Fsは吸入圧力
Psによる力、Fdは吐出圧力Pdによる力、Fmは中
間圧力による力を表しており、続く数字は図番に対応し
ている。また、S1はピストン式制御弁1の大径部分1
aの面積、S2は小径部分1bの面積であり、kは圧縮
ばねのばね定数、xはその圧縮方向への変位である。
【0044】差圧が更に大きくなり、ピストン式制御弁
1が更に圧縮ばねを圧縮する方向に移動すると、バイパ
ス連通路1cは図7に示すように第一の通路31に対し
て半開状態となる。この状態では第一の通路31即ちバ
イパス流路が半開半閉状態であり、その流路面積が減少
することから第一の通路31の流路抵抗が増し、中間圧
力室11cの内圧は吸入圧力Psと比較して上昇する。
これに伴って補助背圧空間2eの内圧も上昇し、ピスト
ン式制御弁1の圧縮ばね7を圧縮する方向に移動させる
力が更に増大する。従って、中間圧力Pmが比較的大き
ければ、ピストン式制御弁1はこのバイパス流路半開状
態では差圧の増加に対して非常に感度良く移動すること
になる。図7の状態で、ピストン式制御弁には主に次の
ような力関係が成り立つ。 また、中間圧力Pmはバイパス流路が閉じるに連れて上
昇するため、ピストン式制御弁1の移動がある臨界点に
達し、中間圧力Pm圧による押付け力Fmの増加が圧縮
ばね力Fbの増加より大きくなると、それ以降ピストン
式制御弁1は高低圧差の更なる増加に依存することなく
自然にバイパス流路を閉鎖し、圧縮機は図6の全容量運
転状態へと移行する。
【0045】従って本実施の形態2のピストン式制御弁
1は、圧縮ばね7の圧縮方向への変位xおよび吐出圧力
Pdと吸入圧力Psの差に対して図9の二点鎖線部分に
表すような不可逆的な特性を示す。即ち、全開限界位置
に於いてバイパス流路は閉じ始め、これによって補助背
圧空間2eの内圧が上昇し、高低圧差のこう配が小さく
なる。差圧およびバイパス流路の開閉度に応じて決定さ
れるある臨界点にピストン式制御弁1が達すると、ピス
トン式制御弁1は二点鎖線で表されるように自動的に不
可逆的にバイパス流路を閉じる方向に移動する。
【0046】さて、ピストン式制御弁1が移動しバイパ
ス流路開口部6cが完全に塞がると図6の全容量運転状
態となる。図6の状態から再びバイパス運転状態に移行
するには高低圧差の減少が条件となるが、 Pm6>Pm7>Pm8=Ps8 …(18) であり、補助背圧空間2eの内圧が上昇していることか
ら、バイパス流路が開いている状態から閉じるときの高
低圧差又は圧縮比が、バイパス流路が閉じている状態か
ら開くときの高低圧差又は圧縮比より大きい、ハンチン
グ耐力に優れた容量制御機構を簡単な構造で構築するこ
とができる。全容量運転からバイパス運転への移行につ
いても、ピストン式制御弁が圧縮ばね7を押し戻す方向
に移動し、バイパス流路が半開半閉状態となると、補助
背圧空間2eの内圧は急激に吸入圧力Psと混合し減圧
するため、ピストン式制御弁1を押し戻そうとする力が
弱まり、臨界点に達すると、それ以降は更なる差圧の減
少に依存することなく、二点鎖線で示されるように自動
的かつ不可逆的にバイパス運転状態へと移行することが
可能となる。
【0047】図10は実施の形態2におけるピストン式
制御弁のパラメータをある適当な値に設定した際の、吸
入圧力Psおよび吐出圧力Pdに対するピストン式制御
弁の開閉状態を表した図である。図10に於いて、弁閉
開始線はある吸入圧力Psに於いてバイパス運転状態か
ら全容量運転状態へと移行する際の吐出圧力Pdの境界
を表しており、弁開開始線はある吸入圧力Psに於いて
全容量運転状態からバイパス運転状態へと移行する際の
吐出圧力Pdの境界を表している。
【0048】図10に於いて、弁開開始線と弁閉開始線
の傾きが異なるため図中の破線より右側の領域では弁開
開始線が弁閉開始線と比較してより高圧側に位置してお
り、バイパス流路が開いている状態から閉じるときの高
低圧差又は圧縮比がバイパス流路が閉じている状態から
開くときの高低圧差又は圧縮比より大きく、図9のよう
にバイパス流路の開閉動作は不可逆特性を持つことがで
きるが、破線に近づくにつれて全容量運転移行時とバイ
パス運転移行時の圧力差が図11に示すように小さくな
り、図10破線の位置で弁開開始線と弁閉開始線は交差
し、バイパス流路が開いている状態から閉じるときの高
低圧差又は圧縮比がバイパス流路が閉じている状態から
開くときの高低圧差又は圧縮比と等しくなる。
【0049】更に図10の破線より左側の領域では弁開
開始線と弁閉開始線の上下位置が入れ替わり、吸入圧力
Psが低下するに従って図13のように半開領域でのこ
う配が直線変化に近づく。これは、ピストン式制御弁に
不可逆特性をもたらしている中間圧力Pmが、吸入圧力
Psの変動に応じて比例的に変化するため、吸入圧力P
sの低下に伴って図6〜図8における補助背圧空間2e
の圧力変動幅が小さくなることに起因する。
【0050】従って、実施の形態2は、吸入圧力Pmの
変動がさほど大きくない冷媒圧縮機に於いて非常に有効
である。また、実施の形態2ではバイパス連通路1cを
介してバイパス流路を構成しているが、従来の技術と同
ようにピストン式制御弁1の端面にてバイパス流路の開
閉を行う構造をとってもよい。また、実施の形態1で
は、直線方向に開閉動作を行うピストンで説明したが、
軸周りの回転動作によって開閉を行うピストンでもよ
い。
【0051】実施の形態3.以下、この発明の実施の形
態3を図14〜図19について、スクロール圧縮機を用
いて説明する。実施の形態1、2と共通の構成や動作の
説明は省略する。図14は、この発明の実施の形態3に
おける可変容量スクロール圧縮機の圧縮機構部分の断面
図である。図に於いて、ピストン式制御弁1は大径部分
1aおよび小径部分1bとから成り、シリンダー2の大
径部分2aおよび小径部分2bとそれぞれ嵌合してい
る。シリンダー2の大径部分2aには第一の通路31が
開口しており、ピストン式制御弁1の軸方向位置に応じ
てバイパス流路として開閉する。
【0052】シリンダー2側方の背圧空間2dは第二の
通路32を経由し吐出圧力空間11dなどの吐出ガス雰
囲気と連通し、その内圧は吐出圧力Pdと等しくなって
おり、一方ばね側空間2cは第三の通路33を経由して
吸入圧力空間11bなどの吸入ガス雰囲気と連通し、そ
の内圧は吸入圧力Psと等しくなっている。ピストン式
制御弁1にはバイパス連通路1cの他に吸入圧力抽気通
路1dおよび吐出圧力抽気通路1eが設けられており、
またシリンダー2にも補助背圧空間2eと連通された補
助背圧空間連通路2hが設けられている。
【0053】次に、本実施の形態3におけるピストン式
制御弁1に働く力関係について説明する。圧縮機起動前
は吸入圧力Psおよび吐出圧力Pdは等しいため、ピス
トン式制御弁1は図16のようにバイパス状態にあり、
ストッパー2gから抗力を受けている。また、補助背圧
空間連通路2hは吸入圧力抽気通路1dと連通し、補助
背圧空間2eの内圧Pxは吸入圧力Psと等しくなって
いる。
【0054】さて、図16に於いて圧縮機が起動し徐々
に差圧がつき始めるとピストン式制御弁1は圧縮ばねを
圧縮する方向に向かって移動を始めストッパー8からの
抗力を受けなくなる。この状態で、ピストン式制御弁に
は主に次式にて表される力が作用する。ここで、Fbは
圧縮ばねによる力、Fsは吸入圧力Psによる力、Fd
は吐出圧力Pdによる力、Fxは補助背圧空間2eの内
圧による力を表しており、続く数字は図番に対応してい
る。また、S1はピストン式制御弁1の大径部分1aの
面積、S2は小径部分1bの面積であり、kは圧縮ばね
のばね定数、xはその圧縮方向への変位である。
【0055】差圧が更に大きくなるとピストン式制御弁
はこれに応じて更に圧縮ばねを圧縮する方向に移動し、
これまで吸入圧力抽気通路1dに連通していた補助背圧
空間連通路2hは図15に示されるように吸入圧力抽気
通路1dと吐出圧力抽気通路1eの中間部に位置するよ
うになる。吸入圧力抽気通路1dと吐出圧力抽気通路1
eの中間部には圧力こう配があり、ピストン式制御弁1
の移動によって補助背圧空間2eの内圧Pxは吸入圧力
Psから吐出圧力Pdへと次第に上昇し、ピストン式制
御弁1の圧縮ばね7を圧縮する方向に働く力が更に増大
する。
【0056】従って、ピストン式制御弁1は、補助背圧
空間連通路2hが吸入圧力抽気通路1dと吐出圧力抽気
通路1eの中間部に位置した状態では差圧の増加に対し
て非常に感度良く移動することになる。ピストン式制御
弁1が移動し、ある臨界点においてこの圧力こう配によ
って押付け力Fxの増加がばね力Fbの増加より大きく
なれば、ピストン式制御弁は更なる差圧の上昇に依存す
ることなく、自動的かつ不可逆的に図14の状態にまで
移動し全容量運転状態へと移行する。図14の状態にお
けるピストン式制御弁1にかかる力は次式にて表され
る。 Fb14=kx14 …(23) Fs14=S1×Ps14 …(24) Fd14=S2×Pd14 …(25) Fm14=(S1−S2)×Pd14 …(26) また、この全容量運転状態からバイパス運転状態に移行
するには高低圧差が低下すれば良いが、図14の状態で
は補助背圧空間2eの内圧PxがPd14へと上昇して
いることから、ピストンが作動を始める高低圧差は図1
6のバイパス状態よりも低くなり、バイパス流路が開い
ている状態から閉じるときの高低圧差又は圧縮比が、バ
イパス流路が閉じている状態から開くときの高低圧差又
は圧縮比より大きい、ハンチング耐力に優れた容量制御
機構を簡単な構造で構成することができる。
【0057】全容量運転からバイパス運転への移行につ
いても、ピストン式制御弁が圧縮ばね7を押し戻す方向
に移動すると補助背圧空間2eの内圧が圧力こう配に応
じて減圧するため、ピストン式制御弁1を押し戻そうと
する力が弱まり、ある臨界点に達すれば更なる差圧の減
少に依存することなく自動的にバイパス運転状態へと移
行することが可能となる。
【0058】従って実施の形態3のピストン式制御弁1
は、圧縮ばね7の圧縮方向への変位xおよび吐出圧力P
dと吸入圧力Psの差に対して図17に表すような挙動
を示す。即ち、全開限界位置に於いてバイパス流路は閉
じ始めるが、補助背圧空間2eの内圧が上昇し、高低圧
差のこう配が小さくなり、差圧に応じて決定されるある
臨界点にピストン式制御弁1が達すると、ピストン式制
御弁1は二点鎖線で表されるように自動的かつ不可逆的
にバイパス流路を閉じる方向に移動する。
【0059】図18は実施の形態3におけるピストン式
制御弁のパラメータをある適当な値に設定した際の、吸
入圧力Psおよび吐出圧力Pdに対するピストン式制御
弁の開閉状態を表した図である。実施の形態3では弁開
開始線と弁閉開始線の傾きが等しく互いに交差すること
がないため、吸入圧力Psの値が変化しても常に、バイ
パス流路が開いている状態から閉じようとするときの差
圧が、バイパス流路が閉じている状態から開こうとする
時の差圧より大きい容量制御機構となり、冷凍回路にて
用いられる運転条件の変動の大きい圧縮機においても特
に有効である。
【0060】さて、実施の形態2では補助背圧空間2e
の内圧がバイパス流路の開閉度合に直接依存しており、
図9において曲線のこう配や臨界点の位置は全開限界位
置および全閉限界位置に対して一意的に決定されるもの
であったが、実施の形態3においては吸入圧力抽気通路
1dと吐出圧力抽気通路1eをバイパス流路に対して任
意の位置に配置できるため、図17における曲線のこう
配や臨界点の位置が全開限界位置および全閉限界位置に
対して理想的となるように、補助背圧空間2eの内圧変
動を最適設計することが可能である。バイパス流路が半
開状態にある頻度はできるだけ小さい方が望ましいた
め、図17においてピストン式制御弁1は、半開領域に
おいては可能な限り二点鎖線にて表される自動的かつ不
可逆的な挙動を示すことが理想的である。従って、バイ
パス流路が半開半閉状態にあるときは、ピストン式制御
弁1の移動に対して常に補助背圧空間2eの内圧が変化
するように設計を行えばよい。
【0061】従って、例えば図19に示すように、吸入
圧力抽気通路1dおよび吐出圧力抽気通路1eの距離を
バイパス流路の開閉に要するピストン式制御弁1の移動
距離より十分大きくとるなどして、吸入圧力と吐出圧力
との切り替えに要するピストンの行程が、バイパス流路
の開閉動作に要するピストンの行程より大きくなるよう
にピストン式制御弁1を設計すれば、図17に示すよう
に半開領域では常に二点鎖線で表された自動的かつ不可
逆的な挙動を示すピストン式制御弁を得ることが可能と
なる。
【0062】また、実施の形態3ではバイパス連通路1
cを介してバイパス流路を構成しているが、従来の技術
と同ようにピストン式制御弁1の端面にてバイパス流路
の開閉を行う構造をとってもよい。また、実施の形態1
では、直線方向に開閉動作を行うピストンで説明した
が、軸周りの回転動作によって開閉を行うピストンでも
よい。
【0063】実施の形態4.実施の形態1〜3に示した
スクロール圧縮機は、例えば図1において圧縮途中の中
間圧力室11cにバイパス流路が開口しており、バイパ
ス運転時は圧縮室に組み込まれた冷媒ガスはこのバイパ
ス流路を経由して吸入圧力雰囲気へと戻される。この
時、この冷媒ガスがある程度の圧縮作用を受けてからバ
イパスすると、圧縮室外への冷媒ガス漏れの発生と同様
に再圧縮による損失が発生し、圧縮効率の低下や吐出ガ
ス温度の上昇を招くこととなる。
【0064】従って、前記バイパス流路の圧縮室への開
口部分が、圧縮室への冷媒ガス組み込み完了時に前記圧
縮室に連通していれば、再圧縮による損失の発生と吐出
ガス温度の上昇を回避することが可能となる。スクロー
ル圧縮機は一般に圧縮室への冷媒ガスの組み込み完了か
ら吐出ガス雰囲気への吐出開始までクランクシャフトが
複数回転するが、バイパス流路開口部を圧縮室への冷媒
ガス組み込み完了時に圧縮室と連通する位置に設ければ
よい。
【0065】また、スクロール圧縮機以外にもヘリカル
ブレード圧縮機等が圧縮室への冷媒ガスの組み込み完了
から吐出ガス雰囲気への吐出開始までクランクシャフト
が複数回転する圧縮機として知られているが、スクロー
ル圧縮機と同様にバイパス流路開口部を圧縮室への冷媒
ガス組み込み完了時に圧縮室と連通する位置に設けるこ
とで再圧縮による損失の発生と吐出ガス温度の上昇を回
避することが可能となる。
【0066】実施の形態5.以下、この発明の実施の形
態5を図20について、スクロール圧縮機を用いて説明
する。なお、本発明の実施の形態1〜4と共通の構造や
動作の説明は省略する。図20は本発明の実施の形態5
における可変容量スクロール圧縮機の固定スクロール背
面部分の断面図である。図に於いて、固定スクロール1
1の中間圧力室11cにはバイパス流路11eが開口し
ており、バイパス流路は実施の形態1〜3で示したピス
トン式制御弁1によってその開閉を制御されている。ピ
ストン式制御弁1は一対の相似的な圧縮室各々に対して
一対配置されており、また一対のバイパス流路11eの
圧縮室への開口部分も、各々の圧縮室に対して同一のク
ランクシャフトの回転位相角度にて同時に開閉する位置
に配置されている。
【0067】また、一対のピストン式制御弁1のばね定
数やシリンダー内径を始めとする設計値も統一されてい
る。従って、この可変容量冷媒圧縮機は、一対の圧縮室
の相似的な位置に設けた複数のバイパス流路を同時に開
閉することとなり、一方の圧縮室がバイパス状態で、他
方の圧縮室が全容量状態といった片肺運転に陥り、揺動
スクロールが自転しようとする自転モーメントが増大し
たり、圧縮室内のガス負荷のアンバランスが生じている
方向に圧縮室を変形させようとする力が働き軸受を始め
とする機械要素に大きな負担が加わる可能性を低減する
ことが可能となる。
【0068】さて、一対の相似的な圧縮室についてはバ
イパス流路を同時に開閉させるが、これらのバイパス流
路とは別のクランクシャフトの回転位相角度にて連通す
るような位置に更なる一対のバイパス流路を設置し、バ
イパス流路が開閉動作するための条件設定を任意に振り
分けることで、運転条件の変化に対して更にきめ細かく
対応可能な、多段階的な容量制御機構を得ることが可能
である。
【0069】実施の形態6.以下、この発明の実施の形
態6を図21について、スクロール圧縮機を用いて説明
する。なお、実施の形態1〜5と共通の構造や動作の説
明は省略する。図21は本発明の実施の形態6における
可変容量スクロール圧縮機の固定スクロール背面部分の
斜視図である。図に於いて、固定スクロール11及び揺
動スクロール(図示せず)によって形成される一対の相
似的な圧縮室には、同一のクランクシャフトの回転位相
角度にて同時に開閉する位置に一対のバイパス流路11
eが各々に対して連通している。これらのバイパス流路
11eはバイパス弁3によって開閉され、バイパス弁3
は実施の形態1〜3にて示したピストン式制御弁1と連
結されており、ピストン式制御弁1の動作に応じてバイ
パス流路11eを開閉する。
【0070】実施の形態6では1個のピストン式制御弁
1の動作によって複数のバイパス流路11eの開閉動作
を行うため、実施の形態5のように相似的な一対の圧縮
室各々にピストン式制御弁1を用いる場合に起こり得
る、ピストン式制御弁1のばらつきによるバイパス流路
11eの開閉ポイントのずれを未然に回避することが可
能となる。従って、この可変容量冷媒圧縮機は、一対の
圧縮室の相似的な位置に設けた複数のバイパス流路が、
1個ないし数個のピストン式制御弁によって同時に開閉
することとなり、一方の圧縮室がバイパス状態で、他の
圧縮室が全容量状態といった片肺運転に陥る可能性を低
減するとともに、部品点数を低減させることが可能とな
る。
【0071】実施の形態7.以下、この発明の実施の形
態7を図22について、スクロール圧縮機を用いて説明
する。なお、本発明の実施の形態1〜5と共通の構造や
動作の説明は省略する。図22は本発明の実施の形態7
における可変容量スクロール圧縮機の固定スクロールの
断面図である。図に於いて、固定スクロール11、及び
揺動スクロール(図示せず)によって形成される一対の
相似的な圧縮室には、同一のクランクシャフトの回転位
相角度にて同時に開閉する位置に一対のバイパス流路1
1eが各々に対して連通している。これらのバイパス流
路11eはバイパス流路開閉弁3によって開閉され、バ
イパス流路開閉弁3は圧縮ばね8によるばね力、吸入圧
力空間11bから連通した吸入圧力Ps、中間圧力室1
1cからバイパス流路11eを経て連通した中間圧力P
m、および密閉容器内の適当な場所に設置されたチャン
バー5内の背圧力Pbによって制御されている。チャン
バー5内の背圧力Pbは実施の形態1〜3にて示したピ
ストン式制御弁(図示せず)によって制御されており、
一対のバイパス流路開閉弁3は同一の背圧力Pbを受け
ている。
【0072】従って実施の形態7では複数のバイパス開
閉動作が一つのピストン式制御弁の動作に集約されてい
るため、この可変容量冷媒圧縮機は、一対の圧縮室の相
似的な位置に設けた複数のバイパス流路が同時に開閉す
ることとなり、一方の圧縮室がバイパス状態で、他の圧
縮室が全容量状態といった片肺運転に陥る可能性を低減
するとともに、部品点数を低減させることが可能とな
る。
【0073】実施の形態8.実施の形態1〜7において
示したピストン式制御弁によるバイパス制御機構を、回
転体の回転数が一定である可変容量式冷媒圧縮機に適用
することで、従来は大きなコストアップの要因を占めて
いた電磁弁やセンサー類、制御用の外部配管を始めとす
るバイパス制御機構周辺の大幅な部品数低減が可能とな
り、これに伴う大幅なコスト低減を実現した圧縮機を得
ることができる。また、実施の形態1〜7では主にスク
ロール圧縮機を用いて実施の形態を説明したが、実施の
形態1〜7はロータリー方式、レシプロ方式、あるいは
ヘリカルブレード方式などの他方式の冷媒圧縮機につい
ても適用可能である。
【0074】実施の形態9.実施の形態1〜7において
示したピストン式制御弁によるバイパス制御機構を、従
来まで圧縮機の運転速度を可変とすることで冷媒循環量
を可変としていた可変速圧縮機に適用することで、冷凍
回路の運転条件変化に対してより幅広くかつ効率的に対
応することが可能となる。例えば従来、可変速圧縮機は
その最大能力に対して冷凍回路がさほど冷凍能力を必要
としない場合、最大運転速度に対してその運転速度を中
速あるいは低速に落とすことで冷媒循環量を絞っていた
が、圧縮機はその運転速度が小さくなるほど冷媒循環量
に対する圧縮室外への冷媒漏れ量が相対的に大きくな
り、漏れにより圧縮効率が低下する。
【0075】また、運転速度が小さくなると、軸受など
の油膜が確保しにくくなるなど、機械要素部分の信頼性
が低下する。また、冷凍回路においては、冷凍回路が必
要としている冷凍能力が小さいとき必然的に冷凍回路の
高低圧差若しくは圧縮比が小さい場合が多いが、スクロ
ール圧縮機やヘリカルブレード圧縮機のように圧縮機の
最適圧縮比が設計時点に於いて決定されるような圧縮機
では、低負荷運転時に過圧縮による損失が発生する。
【0076】従って、実施の形態9では、従来の可変速
圧縮機に実施の形態1〜7に示したピストン式制御弁に
よるバイパス制御機構を組み合わせることで、従来の可
変速圧縮機における低負荷運転、即ち低速あるいは中速
運転を、バイパス制御による中速あるいは高速運転にて
代替することが可能となる。これによって、最低能力が
従来と同等でありながら最低運転速度が従来より高い、
性能及び信頼性に優れた可変速圧縮機を得ることができ
る。
【0077】図23は小能力運転時の可変速スクロール
圧縮機について、横軸にクランクシャフトの回転角度、
縦軸に圧縮室の内圧をとって表したものである。従来の
可変速スクロール圧縮機では、冷凍回路の負荷が比較的
小さいとき、冷凍回路の高低圧差に対して圧縮機の組み
込み圧縮比が相対的に大きくなり、過圧縮による損失が
発生したが、冷凍回路の負荷が小さい、即ち圧縮機の運
転速度が低速であるような運転条件時にバイパス流路を
開きバイパス流路開口から圧縮を開始させれば、低負荷
時でも過圧縮損失の発生しない高効率な可変速圧縮機を
得ることができる。バイパス流路開口位置を1箇所のみ
でなく数箇所適当な位置に配置すれば、運転条件の変化
に対して更にきめ細かく対応したバイパス制御機構を得
ることが可能である。
【0078】
【発明の効果】この発明に係る冷媒圧縮機は、ピストン
式制御弁の開閉動作はバイパス流路の圧力変動によって
妨げられることがなくなり、バイパス流路の半開状態で
停滞する運転範囲が減少するため、全体として半開に起
因する圧損の小さい高効率な冷媒圧縮機が得られる。さ
らに、半開に起因する圧損が小さいため、その圧損に起
因する吐出ガス温度の上昇を低減することが可能な信頼
性の高い圧縮機が得られる。さらに、高低圧差が大きい
とき若しくは圧縮比が大きいときには確実に全容量運転
となり、逆に高低圧差が小さいとき若しくは圧縮比が小
さいときには確実にバイパス運転となるので、制御性の
良い、高効率、高信頼性の冷媒圧縮機が得られる。
【0079】また、ピストン式制御弁の吐出圧力を作用
させる他方の面の一部に中間圧力又は吸入圧力を切り替
えて作用させることにより、ピストン式制御弁は不可逆
特性を有することとなり、その結果ピストン式制御弁の
安定性が向上し、運転圧力が多少ハンチングしてもそれ
につられてピストン式制御弁がハンチングを起こすこと
はない。このため、制御性が良好でかつ、ピストン式制
御弁などの破損確立の小さい信頼性の高い冷媒圧縮機を
得ることができる。また簡単な構造でバイパス流路の半
開での停滞が解消されるため、全体として半開に起因す
る圧損の無い高効率な冷媒圧縮機が低コストで得られ
る。さらに、半開に起因する圧損がないため、その圧損
に起因する吐出ガス温度の上昇を回避することが可能な
信頼性の高い冷媒圧縮機が低コストで得られる。
【0080】また、ピストン式制御弁の吐出圧力を作用
させる他方の面の一部に吐出圧力又は吸入圧力を切り替
えて作用させることにより、ピストン式制御弁は全運転
領域で不可逆特性を有することとなり、その結果ピスト
ン式制御弁の安定性が向上し、運転圧力が多少ハンチン
グしてもそれにつられてピストン式制御弁がハンチング
を起こすことはない。このため、全運転領域で制御性が
良好でかつ、ピストン式制御弁などの破損確立の小さい
信頼性の高い冷媒圧縮機を得ることができる。また、簡
単な構造でバイパス流路の半開での停滞が解消されるた
め、全運転領域で半開に起因する圧損の無い高効率な冷
媒圧縮機が低コストで得られる。さらに、半開に起因す
る圧損がないため、全運転領域でその圧損に起因する吐
出ガス温度の上昇を回避することが可能な信頼性の高い
冷媒圧縮機が低コストで得られる。
【0081】また、ピストン式制御弁の吸入圧力と吐出
圧力との切り替えに要するピストンの行程が、バイパス
流路の開閉動作に要するピストンの行程より大きくなる
構成としたので、ピストン式制御弁の部品の多少のばら
つきが多少あっても、安定したバイパス制御が可能とな
り、容量制御の制御信頼性の高い冷媒圧縮機が安価に得
られる。
【0082】また、一対の圧縮室の相似的な位置に設け
たバイパス流路を同時に開閉させることにより、対にな
っている圧縮室の一部の圧縮室だけが全容量運転とな
り、残りの圧縮室がバイパス運転となるいわゆる片肺運
転を回避できる。このため、片肺運転に起因して自転モ
ーメント、即ち揺動スクロール自身が自転しようとする
モーメントが増大することのない、高効率で信頼性の高
い冷媒圧縮機が得られる。
【0083】また、回転体の回転数が可変の冷媒圧縮機
にバイパス制御機構を適用することにより、中速及び低
速での軽負荷運転を高速及び中速でのバイパス運転にて
代替することとなり、中速及び低速での軽負荷時の過圧
縮損失の発生が回避され、高効率な冷媒圧縮機が得られ
る。
【0084】また、最低回転数近傍に於いて大部分の運
転時間がバイパス運転状態になるようにして、運転回転
数が増加するように設定したので、最低回転数近傍に於
いての過圧縮及びスラスト軸受損失などが回避され、高
効率な冷媒圧縮機が得られると同時に、軸受部分の摺動
速度が増加することで軸受の潤滑状態が改善された信頼
性の高い冷媒圧縮機が得られる。
【0085】また、バイパス流路の開閉動作をバイパス
流路開閉弁の背圧の切り替えによって行う場合に、ピス
トン式制御弁の動作によって背圧の切り替えを行うよう
にしたので、従来の電磁弁やセンサー類や制御用の外部
配管が不要となることに加えて、複数のバイパス流路の
開閉を一つのピストン式制御弁の動作で制御することが
可能となり、部品数の大幅な低減による低コスト化と高
い制御安定性を確保することが可能な冷媒圧縮機が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1を示す冷媒圧縮機の断
面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1を示す冷媒圧縮機にお
けるピストン式制御弁部分の断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態1を示す冷媒圧縮機にお
けるピストン式制御弁部分の断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態1におけるピストン式制
御弁の挙動を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態1におけるピストン式制
御弁の挙動を示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態2を示す冷媒圧縮機の断
面図である。
【図7】 本発明の実施の形態2を示す冷媒圧縮機にお
けるピストン式制御弁部分の断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態2を示す冷媒圧縮機にお
けるピストン式制御弁部分の断面図である。
【図9】 本発明の実施の形態2におけるピストン式制
御弁の挙動を示す図である。
【図10】 本発明の実施の形態2におけるピストン式
制御弁の挙動を示す図である。
【図11】 本発明の実施の形態2におけるピストン式
制御弁の挙動を示す図である。
【図12】 本発明の実施の形態2におけるピストン式
制御弁の挙動を示す図である。
【図13】 本発明の実施の形態2におけるピストン式
制御弁の挙動を示す図である。
【図14】 本発明の実施の形態3を示す冷媒圧縮機の
断面図である。
【図15】 本発明の実施の形態3を示す冷媒圧縮機に
おけるピストン式制御弁部分の断面図である。
【図16】 本発明の実施の形態3を示す冷媒圧縮機に
おけるピストン式制御弁部分の断面図である。
【図17】 本発明の実施の形態3におけるピストン式
制御弁の挙動を示す図である。
【図18】 本発明の実施の形態3におけるピストン式
制御弁の挙動を示す図である。
【図19】 本発明の実施の形態3におけるピストン式
制御弁の要部断面図である。
【図20】 本発明の実施の形態5を示す冷媒圧縮機の
断面図である。
【図21】 本発明の実施の形態6を示す冷媒圧縮機の
断面図である。
【図22】 本発明の実施の形態7を示す冷媒圧縮機の
断面図である。
【図23】 本発明の実施の形態9における冷媒圧縮機
の特性を示す図である。
【図24】 従来の冷媒圧縮機を示す断面図である。
【図25】 従来の冷媒圧縮機におけるピストン式制御
弁部分の断面図である。
【図26】 従来の冷媒圧縮機におけるピストン式制御
弁部分の断面図である。
【図27】 従来の冷媒圧縮機におけるピストン式制御
弁の挙動を示す図である。
【図28】 従来の冷媒圧縮機におけるピストン式制御
弁の挙動を示す図である。
【符号の説明】
1 ピストン式制御弁、1a 大径部分、1b 小径部
分、1c バイパス連通路、1d 吸入圧力抽気通路、
1e 吐出圧力抽気通路、2 シリンダー、2a 大径
部分、2b 小径部分、2c ばね側空間、2d 背圧
空間、2e 補助背圧空間、2f ストッパー、2g
ストッパー、2h 補助背圧空間連通路、3 バイパス
流路開閉弁、4 シリンダー、5 チャンバー、7 圧
縮ばね、8 圧縮ばね、11 固定スクロール、11a
固定スクロール歯先、11b吸入圧力空間、11c
中間圧力室、11d 吐出圧力空間、11e バイパス
流路、14 吐出口、15 ピストンリング、16 ピ
ストンリング、31 第一の通路、32 第二の通路、
33 第三の通路、34 第四の通路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 喜英 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉容器と、 この密閉容器内に設けられ、回転運動を行い駆動源とな
    る回転体と、 この回転体の回転運動によってガス冷媒を圧縮搬送する
    圧縮機構部分と、 この圧縮機構部分に設けられた圧縮室と、 前記密閉容器内に設けられた吸入ガス空間と、 前記圧縮室と前記吸入ガス空間とを連通し、その開閉に
    より前記圧縮室の行程容積を可変とするバイパス流路
    と、 一方の面に前記圧縮室の吸入圧力と弾性力を作用させ、
    他方の面に前記圧縮室の吐出圧力を作用させ、前記バイ
    パス流路の開閉動作を行うピストンを有するピストン式
    制御弁と、 を備えたことを特徴とする冷媒圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記ピストン式制御弁の吐出圧力を作用
    させる他方の面の一部に、吸入圧力と中間圧力とが切り
    替わって作用する構成としたことを特徴とする請求項1
    記載の冷媒圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記ピストン式制御弁の吐出圧力を作用
    させる他方の面の一部に、吸入圧力と吐出圧力とが切り
    替わって作用する構成としたことを特徴とする請求項1
    記載の冷媒圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記ピストン式制御弁に於いて、吸入圧
    力と吐出圧力との切り替えに要する前記ピストンの行程
    が、前記バイパス流路の開閉動作に要する前記ピストン
    の行程より大きいことを特徴とする請求項3記載の冷媒
    圧縮機。
  5. 【請求項5】 一対の前記圧縮室を有し、前記バイパス
    流路はこの一対の圧縮室の相似的な位置に設けられ、前
    記ピストン式制御弁を同時に開閉させたことを特徴とす
    る請求項1記載の冷媒圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記回転体の回転数が可変であることを
    特徴とする請求項1記載の冷媒圧縮機。
  7. 【請求項7】 最低回転数近傍に於いて大部分の運転時
    間がバイパス運転状態であることを特徴とする請求項6
    記載の冷媒圧縮機。
  8. 【請求項8】 密閉容器と、 この密閉容器内に設けられ、回転運動を行い駆動源とな
    る回転体と、 この回転体の回転運動によってガス冷媒を圧縮搬送する
    圧縮機構部分と、 この圧縮機構部分に設けられた圧縮室と、 前記密閉容器内に設けられた吸入ガス空間と、 前記圧縮室と前記吸入ガス空間とを連通し、その開閉に
    より前記圧縮室の行程容積を可変とするバイパス流路
    と、 このバイパス流路を背圧を切り替えることで開閉するバ
    イパス流路開閉弁と、 一方の面に前記圧縮室の吸入圧力と弾性力を作用させ、
    他方の面に前記圧縮室の吐出圧力を作用させ、前記バイ
    パス流路開閉弁の背圧を切り替えるピストン式制御弁
    と、を備えたことを特徴とする冷媒圧縮機。
JP34741997A 1997-12-17 1997-12-17 冷媒圧縮機 Pending JPH11182479A (ja)

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