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JPH11115333A - 印刷版用アルミニウム合金板及びその製造方法 - Google Patents

印刷版用アルミニウム合金板及びその製造方法

Info

Publication number
JPH11115333A
JPH11115333A JP9285866A JP28586697A JPH11115333A JP H11115333 A JPH11115333 A JP H11115333A JP 9285866 A JP9285866 A JP 9285866A JP 28586697 A JP28586697 A JP 28586697A JP H11115333 A JPH11115333 A JP H11115333A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum alloy
weight
plate
intermetallic compounds
alloy plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9285866A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Tanigawa
正樹 谷川
Shinichiro Hosono
晋一郎 細野
Kozo Hoshino
晃三 星野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP9285866A priority Critical patent/JPH11115333A/ja
Publication of JPH11115333A publication Critical patent/JPH11115333A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間の電解粗面化処理で未エッチング部が
ない均一なピットを形成できると共に、ピットが浅い場
合であっても粗面化ピットを均一に形成することができ
る印刷版用アルミニウム合金板及びその製造方法を提供
する。 【解決手段】 Fe:0.20乃至0.6重量%、S
i:0.03乃至0.15重量%、Ti:0.005乃
至0.05重量%、必要に応じてNi:0.005乃至
0.20重量%を含有し、残部がAl及び不可避的不純
物からなる組成を有する。前記元素の一部又は全部は金
属間化合物を形成しており、前記金属間化合物のうち、
表面に存在し粒子径が1乃至10μmである金属間化合
物が1000乃至8000個/mm2である。また、表
面に存在する粒子径1乃至5μmの金属間化合物個数の
割合が、表面に存在する粒子径1乃至10μmの金属間
化合物個数の80%以上である。前記組成のアルミニウ
ム合金鋳塊に、500乃至630℃の温度で均質化処理
し、次いで、開始温度を400乃至450℃として熱間
圧延することにより、アルミニウム合金板を製造するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平版印刷版用アルミ
ニウム板及びその製造方法に関し、特に均一な電解粗面
化面を形成することができる印刷版用アルミニウム合金
板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にオフセット印刷において、アルミ
ニウムを支持体として用いることは従来から行われてお
り、感光膜の密着性及び非画像部の保水性の点からその
表面を粗面化しておくことが必要である。
【0003】この粗面化処理方法としては、従来から、
ボール研磨法及びブラシ研磨法等の機械的処理法がある
が、近時、塩酸又はこれを主体とする電解液、及び硝酸
を主体とする電解液を用いて板表面を電気化学的に粗面
化する電解粗面化処理法、又は上記のような機械的処理
方法と電解粗面化処理法を組み合わせた処理方法が主体
となってきている。この理由としては、電解粗面化によ
り得られた粗面板の製版適正及び印刷性能が優れている
こと並びにコイル材の連続処理に適していること等が挙
げられる。
【0004】以上のように使用される印刷版用アルミニ
ウム合金板には粗面化処理によって均一な凹凸が形成さ
れることが要求され、このように均一な凹凸を付加する
ことにより、感光膜との密着性及び保水性が向上し、画
像鮮明性及び耐刷性が優れた印刷版が得られる。更に、
近時、粗面化処理コストを低減させるため、より短時間
又は低通電量で均一な凹凸が得られる電解粗面化効率が
優れた材料の開発が要望されている。
【0005】電解粗面化効率が優れたアルミニウム合金
板として、例えば、特開昭58−210144号公報に
は、Fe:0.2乃至1.0%、Sn、In、Ga及び
Znからなる群から選択された少なくとも1つの元素を
0.05乃至0.1%並びにCu:0.1乃至2%含有
し、化学的エッチング処理に対して優れた溶解速度を示
し、かつ均一なピットの形成を促進させるような金属間
化合物を形成させたものが開示されている。
【0006】また、特開平3−177528号公報に
は、組成を、Fe:0.1乃至0.5%、Si:0.0
3乃至0.30%、Cu:0.001乃至0.03%、
Ni:0.001乃至0.03%、Ti:0.002乃
至0.05%、及びGa:0.005乃至0.020%
を含有し、かつGaとTiの合計含有量が0.010乃
至0.050%の範囲とすることにより、粗面の均一性
を向上させたアルミニウム合金板が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近時、
コスト低減のために、電解処理速度の向上が要求されて
おり、短時間の電解粗面化処理で均一なピットが形成さ
れると共に、ピットが浅い場合があっても、短時間で均
一にエッチングされ、アルミニウム板に未エッチング部
が発生しないことが要望されている。しかしながら、従
来のアルミニウム板はこのような要望を満足するもので
はなかった。
【0008】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、短時間の電解粗面化処理で未エッチング部
がない均一なピットを形成できると共に、ピットが浅い
場合であっても粗面化ピットを均一に形成することがで
きる印刷版用アルミニウム合金板及びその製造方法を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る印刷版用ア
ルミニウム合金板は、Fe:0.20乃至0.6重量
%、Si:0.03乃至0.15重量%、Ti:0.0
05乃至0.05重量%及び、必要に応じてNi:0.
005乃至0.20重量%を含有し、残部がAl及び不
可避的不純物からなる。そして、本発明の印刷版用アル
ミニウム合金板は、前記元素の一部又は全部が金属間化
合物を形成しており、前記金属間化合物のうち、表面に
存在し粒子径が1乃至10μmである金属間化合物が1
000乃至8000個/mm2であることを特徴とす
る。
【0010】本発明に係る印刷版用アルミニウム合金板
の製造方法は、Fe:0.20乃至0.6重量%、S
i:0.03乃至0.15重量%、Ti:0.005乃
至0.05重量%及び、必要に応じてNi:0.005
乃至0.20重量%を含有し、残部がAl及び不可避的
不純物からなるアルミニウム合金鋳塊に、500乃至6
30℃の温度で均質化処理する工程と、次いで開始温度
を400乃至450℃として熱間圧延する工程とを有す
る。これにより、本発明方法は、表面に粒子径1乃至1
0μmの金属間化合物が1000乃至8000個/mm
2析出した印刷版用アルミニウム合金板を得ることを特
徴とする。この場合に、前記熱間圧延の後に、順次、冷
間圧延、中間焼鈍及び最終冷間圧延を施すことができ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳細に
説明する。本願発明者らは、短時間処理においても未エ
ッチング部が発生せず、且つ、均一なエッチングピット
が得られる印刷版用アルミニウム合金板を得るために、
鋭意研究した結果、アルミニウム合金板が含有する合金
元素であるFe、Si、Ti、Niを管理することに加
え、それら合金元素の一部又は全部が形成する金属間化
合物のうち、表面に存在する粒子径1乃至10μmの金
属間化合物の個数を管理することが有効であることを見
出した。金属間化合物はアルミニウムマトリクスとの間
に電位差を生じるため、電解粗面化時にイニシャルピッ
トの起点として作用し、材料のエッチング性、粗面均一
性に多大な影響を及ぼす。なかでも、表面に存在する粒
子径1乃至10μmの金属間化合物はその影響が大き
く、従って、上述のごとく表面に存在する粒子径1乃至
10μmの金属間化合物の個数を管理することが極めて
重要である。
【0012】上述の印刷版用アルミニウム合金板を製造
する場合は、組成を上記のものにすることに加えて、均
質化処理温度及び熱間圧延開始温度を制御して、金属間
化合物の存在数を制御することが重要である。これによ
り得られたアルミニウム合金板に電解粗面化処理を施し
た場合は、短時間処理においても未エッチング部が発生
せず、且つ粗面も均一となる。 (1)次に、本発明の成分添加理由及び組成限定理由に
ついて説明する。
【0013】Fe:0.20乃至0.6重量% Feは純アルミニウム系合金の主要構成成分である。F
eはアルミニウム合金中ではAl−Fe系の金属間化合
物を形成する元素である。Feは再結晶粒の微細化及び
組織の均一化による機械的強度維持に効果を有する。更
に、Feは電解粗面化時のイニシャルピットの開始点と
して作用するものである。然るに、Fe含有量が0.2
0重量%未満では、金属間化合物が不足し、電解粗面化
時のイニシャルピットの形成能が不十分となる。また、
Fe含有量が0.6重量%を超える場合は、粗大化合物
の形成により、電解粗面化面が不均一となる。
【0014】Si:0.03乃至0.15重量% SiはAl−Fe−Si系金属間化合物を形成して、イ
ニシャルピットの形成を促進すると共に、ピットの均一
性を向上させる。Si含有量が0.03重量%未満で
は、金属間化合物が不足するため、イニシャルピットの
形成が不十分となる。一方、Si含有量が0.15重量
%を超えると、粗大化合物が形成され、電解粗面化面が
不均一となる。従って、Si含有量は0.03乃至0.
15重量%とする。
【0015】Ti:0.005乃至0.05重量% Tiは鋳造組織を微細化する元素である。Ti含有量が
0.005重量%未満では微細化効果が不十分となり、
粗面の均一性にも悪影響を及ぼす。一方、Ti含有量が
0.05重量%を超えると、Ti含有による微細化効果
が飽和してしまい、無駄であることに加えて、粗大化合
物が形成され、電解粗面化処理時に不均一なピットが生
成されやすくなってしまう。従って、Ti含有量は0.
005乃至0.05重量%とする。
【0016】Ni:0.005乃至0.20重量% Niはアルミニウム合金板の化学溶解性を向上させて、
電化粗面化のエッチング性を向上させる効果を有する元
素である。また、Niはアルミニウム合金中でAl−F
e−Ni系の金属間化合物を形成し、この化合物はアル
ミニウムマトリクスとの電位差をAl−Fe系の化合物
よりさらに拡大させ、電解粗面化によるイニシャルピッ
トの形成をより促進させ、単時間で均一な粗面の形成を
可能とする。
【0017】然るに、Niが0.005重量%未満では
化学溶解性向上及びイニンシャルピット形成能ともに不
十分である。また、添加量が0.20重量%を超える
と、化学溶解が過剰に促進されるため、電解粗面におけ
るピットの均一性が損なわれてしまう。従って、Ni含
有量は0.005乃至0.20重量%とする。
【0018】表面に存在する粒子径1乃至10μmの金
属間化合物:1000乃至8000個/mm2 前述の如く金属間化合物はイニシャルピットの起点とし
て作用し、エッチング性及び粗面均一性に多大な効果を
有する。特に、表面に存在する粒子径1乃至10μmの
金属間化合物の効果が極めて大きい。本発明における表
面とは、圧延板の表面はもとより、機械的研磨及び化学
研磨(アルカリでの電解前処理も含む)等で現出した表
面、即ち粗面化処理を施す状態での表面をも包含するも
のである。
【0019】以下に表面に存在する粒子径1乃至10μ
mの金属間化合物の個数の限定理由について説明する。
表面に存在する粒子径1乃至10μmの金属間化合物が
1000個/mm2未満の場合、イニシャルピットの起
点数が不十分であり、エッチング性及び粗面化均一性が
劣る。一方、このような金属間化合物が8000個/m
2を超えると、粗大なピットが形成されやすくなり、
粗面の均一性が損なわれてしまう。従って、表面に存在
する粒子径1乃至10μmの金属間化合物個数は100
0乃至8000個/mm2とする。
【0020】表面に存在する粒子径1乃至5μmの金属
間化合物個数の割合:表面に存在する粒子径1乃至10
μmの金属間化合物個数の80%以上 上述の如く、表面に存在する粒子径1乃至10μmの金
属間化合物はエッチング性及び粗面均一性が特に優れて
いるため、その個数を制御することが必要である。それ
に加えて、表面に存在する粒子径1乃至5μmの金属間
化合物を、表面に存在する粒子径1乃至10μmの金属
間化合物個数に対して一定割合で存在させることによっ
て、粗面均一性を更に一層向上させることができる。
【0021】表面に存在する粒子径1乃至5μmの金属
間化合物の個数の割合が表面に存在する粒子径1乃至1
0μmの金属間化合物の個数の80%未満の場合、粗面
均一性が劣化する。従って、表面に存在する粒子径1乃
至5μmの金属間化合物の個数の割合は表面に存在する
粒子径1乃至10μmの金属間化合物の個数の80%以
上とする。
【0022】次に、本発明に係る印刷版用アルミニウム
合金板の製造方法について説明する。本発明における印
刷版用アルミニウム合金板の製造条件では、上述の化学
成分を有する合金鋳塊を使用することに加えて、均質化
処理温度及び熱間圧延開始温度を制御して、金属間化合
物の存在数を制御することが必要である。
【0023】以下、本発明に係る印刷版用アルミニウム
合金板の製造方法における均質化処理温度及び熱間圧延
開始温度の数値限定理由について説明する。
【0024】均質化処理温度:500乃至630℃ アルミニウム合金鋳塊から印刷版用アルミニウム合金板
を圧延等により製造する場合に、この鋳塊を圧延する前
に、所定温度で均質化処理することが必要である。この
均質化処理により金属間化合物を析出させ、析出した化
合物をイニシャルピットとして作用させることによっ
て、均一な電解粗面を得ることができる。均質化処理温
度が500℃未満では、均質化が不十分であることに加
え、金属間化合物の析出量が多すぎるため、電解粗面の
均一性が損なわれる。一方、均質化処理が630℃を越
えると、金属間化合物の析出量が少なくなりすぎて、イ
ニシャルピットが不足し、未エッチング部が増加すると
ともに、粗面の均一性が損なわれる。従って、均質化処
理温度は500乃至630℃とする。
【0025】熱間圧延開始温度:400乃至450℃ 上述の均質化処理の後、アルミニウム合金鋳塊に所定の
開始温度で熱間圧延を施す。熱間圧延開始温度が400
℃未満では、圧延中の動的再結晶が不十分であり、圧延
板の結晶組織が不均一となる。また、金属間化合物の析
出量が過少となり、イニシャルピットが不足して、電解
粗面化時に未エッチング部の増加を招くと共に、粗面の
均一性が損なわれる。一方、熱間圧延開始温度が450
℃を超えると、熱間圧延の各パス間において、結晶粒が
過剰に成長してしまうことに加え、金属間化合物の析出
量が多くなりすぎて、電解粗面の均一性が損なわれる。
従って、金属間化合物の析出量が多くなりすぎて、電解
粗面の均一性が損なわれる。従って、熱間圧延開始温度
は400乃至450℃とする。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例について、その特許請
求の範囲から外れる比較例と比較して説明する。
【0027】第1実施例 下記表1に示す化学組成を有する各アルミニウム合金の
鋳塊(実施例1乃至7及び比較例1乃至8)を、面削し
て厚さを470mmとし、590℃の温度で4時間の均
質化処理を施し、次いで開始温度を450℃に設定して
熱間圧延し、更に冷間圧延、中間焼鈍及び冷間圧延を順
次施して、板厚が0.3mmのアルミニウム合金板を得
た。各アルミニウム合金板の化学成分は発光分光法を使
用して測定した。また、表面に存在する粒子径1乃至1
0μmの金属間化合物の個数は、走査電子顕微鏡を用い
て、500倍の倍率で表面の反射電子線像を観察し、1
視野の面積が0.04mm2となるように25視野写真
撮影し、得られた写真から画像解析によりその個数をカ
ウントした。なお、ここでは、電子顕微鏡による表面観
察は圧延板表面及び該圧延板を40℃、10%の水酸化
ナトリウム水溶液中で10秒間溶解した後の表面の双方
で実施したが、両者はほぼ同等の数値を示したため、圧
延板表面の数値を代表値とした。
【0028】次に、上述のようにして製造した各アルミ
ニウム合金板に、下記表2に示す処理条件1又は2にて
脱脂及び中和洗浄を施した後、交流電解粗面化処理を施
し、更に、電解により形成された酸化物等を除去するデ
スマット処理を施した。このデスマット処理の終了後、
各アルミニウム合金板を水洗及び乾燥させ、一定の大き
さに切り取って、これを供施材とした。
【0029】各供試材のエッチング性及び均一性を下記
の試験により評価した。
【0030】エッチング性評価 各供試材の粗面化表面を、走査電子顕微鏡を使用して、
350倍の倍率で表面観察し、視野の面積が0.02m
2となるように写真を撮影した。得られた写真から、
下記数式1より未エッチング率を算出した。
【0031】
【数1】未エッチング率(%)={(粗面化されていな
い部分の面積)/(全体の面積)}×100 この算出結果から、下記基準でエッチング性を評価し
た。
【0032】
【0033】均一性評価 各供試材の粗面化表面を走査電子顕微鏡を使用して、5
00倍の倍率で表面観察し、写真撮影した。得られた観
察写真上に全長が100cmの線を引き、線の下のピッ
トの大きさ(直径)を測定した。最小のピットと最大の
ピットとの大きさの差異により、以下の基準で均一性を
評価した。
【0034】
【0035】表1に第1実施例の各材料のエッチング性
及び均一性に対する評価を示す。なお、各実施例及び比
較例において、処理条件1における各評価と処理条件2
における各評価とはいずれも同一であった。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】第2実施例 下記表3に示す化学組成を有する各アルミニウム合金の
鋳塊(実施例1乃至5及び比較例1乃至10)を使用し
て、第1実施例と同様の方法でアルミニウム合金板を得
た。また、各アルミニウム合金板の化学成分及び表面に
存在する粒子径1乃至10μmの金属間化合物個数を第
1実施例と同一の方法で測定した。
【0039】次に、上述のようにして製造した各アルミ
ニウム合金板に、前記表2に示す処理条件1又は2にて
脱脂及び中和洗浄を施した後、交流電解粗面化処理を施
し、更に、電解により形成された酸化物等を除去するデ
スマット処理を施した。このデスマット処理の終了後、
各アルミニウム合金板を水洗及び乾燥させ、一定の大き
さに切り取って、これを供試材とした。
【0040】各供試材のエッチング性及び均一性を第1
実施例と同一の方法で評価した。下記表4に第2実施例
の各材料のエッチング性及び均一性に対する評価を示
す。なお、各実施例及び比較例において、処理条件1に
おける各評価と処理条件2における各評価とはいずれも
同一であった。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】第3実施例 下記表5に示す化学組織を有する各アルミニウム合金の
鋳塊(実施例1乃至9及び比較例1乃至2)を使用し
て、第1実施例と同様の方法でアルミニウム合金板を得
た。各アルミニウム合金板の組成は第1実施例と同様の
方法で測定した。また、表面に存在する金属間化合物個
数は第1実施例と同様の方法で観察し、写真撮影した
後、画像解析により、粒子径1乃至5μm、粒子径5乃
至10μmの双方の金属間化合物をカウントし、その数
値により、粒子径1乃至10μmの金属間化合物個数及
びそれらに対する粒子径1乃至5μmの金属間化合物個
数の割合を算出した。
【0044】次に、上述のようにして製造した各アルミ
ニウム合金板に、前記表2に示す処理条件1又は2にて
脱脂及び中和洗浄を施した後、交流電解粗面化処理を施
し、更に、電解により形成された酸化物等を除去するデ
スマット処理を施した。このデスマット処理の終了後、
各アルミニウム合金板を水洗及び乾燥させ、一定の大き
さに切り取って、これを供試材とした。
【0045】各供試材のエッチング性及び均一性を第1
実施例と同一の方法で評価した。下記表6に第3実施例
の各材料のエッチング性及び均一性に対する評価結果を
示す。なお、各実施例及び比較例において、処理条件1
における各評価と処理条件2における各評価とはいずれ
も同一であった。
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】第4実施例 上記表1に示す実施例1と同一の化学組成を有する各ア
ルミニウム合金鋳塊を、面削して厚さを470mmと
し、次いで下記表7に示す条件で、均質化処理及び熱間
圧延し、更に冷間圧延、中間焼鈍及び冷間圧延して、板
厚が0.3mmのアルミニウム合金板を得た。なお、各
アルミニウム合金板の化学成分及び表面に存在する粒子
径1乃至10μmの金属間化合物個数を第1実施例と同
一の方法で測定した。
【0049】次いで、上述のようにして製造した各アル
ミニウム合金板に、前記表2に示す処理条件1又は2に
て脱脂及び中和洗浄を施した後、交流電解粗面化処理を
施し、更に、電解により形成された酸化物等を除去する
デスマット処理を施した。このデスマット処理の終了
後、各アルミニウム合金板を水洗及び乾燥させ、一定の
大きさを切り取って、これを供試材とした。
【0050】各供試材のエッチング性及び均一性を第1
実施例と同一の方法で評価した。下記表7に第4実施例
の各材料のエッチング性及び均一性に対する評価を示
す。なお、各実施例及び比較例において、処理条件1に
おける各評価と処理条件2における各評価とはいずれも
同一だった。
【0051】
【表7】
【0052】第5実施例 上記表3に示す実施例1と同一の化学組成を有する各ア
ルミニウム合金鋳塊を、面削して厚さを470mmと
し、次いで下記表8に示す条件で、均質化処理及び熱間
圧延し、更に冷間圧延、中間焼鈍及び冷間圧延して、板
厚が0.3mmのアルミニウム合金板を得た。なお、各
アルミニウム合金板の化学成分及び表面に存在する粒子
径1乃至10μmの金属間化合物個数を第1実施例と同
一の方法で測定した。
【0053】次に、上述のようにして製造した各アルミ
ニウム合金板に、前記表2に示す処理条件1又は2にて
脱脂及び中和洗浄を施した後、交流電解粗面化処理を施
し、更に、電解により形成された酸化物等を除去するデ
スマット処理を施した。このデスマット処理の終了後、
各アルミニウム合金板を水洗及び乾燥させ、一定の大き
さを切り取って、これを供試材とした。
【0054】各供試材のエッチング性及び均一性を第1
実施例と同一の方法で評価した。下記表8に第5実施例
各材料のエッチング性及び均一性に対する評価を示す。
なお、各実施例及び比較例において、処理条件1におけ
る各評価と処理条件2における各評価とはいずれも同一
だった。
【0055】
【表8】
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る印刷
版用アルミニウム合金板は所定の化学成分に加え、表面
に粒子径1乃至10μmの金属間化合物個数が所定量存
在するため、粗面化ピットが電解粗面に均一に形成され
ると共に、各ピットの大きさが略一定となる。
【0057】また、本発明に係る印刷版用アルミニウム
合金板の製造方法は、所定の化学成分を有するアルミニ
ウム合金鋳塊を所定の条件で均質化処理及び熱間圧延す
るので、表面に粒子径1乃至10μmの金属間化合物個
数が所定量存在し、粗面化ピットが電解粗面に均一に形
成されるとともに、各ピットの大きさが略一定となる印
刷版用アルミニウム合金板を得ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 682 C22F 1/00 682 683 683 691 691B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe:0.20乃至0.6重量%、S
    i:0.03乃至0.15重量%及びTi:0.005
    乃至0.05重量%を含有し、残部がAl及び不可避的
    不純物からなる組成を有し、前記元素の一部又は全部は
    金属間化合物を形成しており、前記金属間化合物のう
    ち、表面に存在し粒子径が1乃至10μmである金属間
    化合物が1000乃至8000個/mm2であることを
    特徴とする印刷版用アルミニウム合金板。
  2. 【請求項2】 Fe:0.20乃至0.6重量%、S
    i:0.03乃至0.15重量%、Ti:0.005乃
    至0.05重量%及びNi:0.005乃至0.20重
    量%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる
    組成を有し、前記元素の一部又は全部は金属間化合物を
    形成しており、前記金属間化合物のうち、表面に存在し
    粒子径が1乃至10μmである金属間化合物が1000
    乃至8000個/mm2であることを特徴とする印刷版
    用アルミニウム合金板。
  3. 【請求項3】 表面に存在する粒子径1乃至5μmの金
    属間化合物個数の割合が、表面に存在する粒子径1乃至
    10μmの金属間化合物個数の80%以上であることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の印刷版用アルミニウ
    ム合金板。
  4. 【請求項4】 Fe:0.20乃至0.6重量%、S
    i:0.03乃至0.15重量%及びTi:0.005
    乃至0.05重量%を含有し、残部がAl及び不可避的
    不純物からなるアルミニウム合金鋳塊に、500乃至6
    30℃の温度で均質化処理する工程と、次いで開始温度
    を400乃至450℃として熱間圧延する工程とを有
    し、これにより表面に粒子径1乃至10μmの金属間化
    合物が1000乃至8000個/mm2析出した印刷版
    用アルミニウム合金板を得ることを特徴とする印刷版用
    アルミニウム合金板の製造方法。
  5. 【請求項5】 Fe:0.20乃至0.6重量%、S
    i:0.03乃至0.15重量%、Ti:0.005乃
    至0.05重量%及びNi:0.005乃至0.20重
    量%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる
    アルミニウム合金鋳塊に、500乃至630℃の温度で
    均質化処理する工程と、次いで開始温度を400乃至4
    50℃として熱間圧延する工程とを有し、これにより表
    面に粒子径1乃至10μmの金属間化合物が1000乃
    至8000個/mm2析出した印刷版用アルミニウム合
    金板を得ることを特徴とする印刷版用アルミニウム合金
    板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記熱間圧延工程の後に、冷間圧延工
    程、中間焼鈍工程及び最終冷間圧延工程を有することを
    特徴とする請求項4又は5に記載の印刷版用アルミニウ
    ム合金板の製造方法。
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