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JPH10316453A - 積層体およびそれを使用した窓 - Google Patents

積層体およびそれを使用した窓

Info

Publication number
JPH10316453A
JPH10316453A JP13794897A JP13794897A JPH10316453A JP H10316453 A JPH10316453 A JP H10316453A JP 13794897 A JP13794897 A JP 13794897A JP 13794897 A JP13794897 A JP 13794897A JP H10316453 A JPH10316453 A JP H10316453A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aqueous solution
gel
water
laminate
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13794897A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruo Watanabe
晴男 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AFFINITY KK
Original Assignee
AFFINITY KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by AFFINITY KK filed Critical AFFINITY KK
Priority to JP13794897A priority Critical patent/JPH10316453A/ja
Publication of JPH10316453A publication Critical patent/JPH10316453A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高機能性の高分子水溶液またはハイドロゲル
をもつ積層体が、温度上昇により全面が同様に変化する
のではなく、部分的に透視性をもたせることで上下分
割、ストライプ、格子縞、ドット、文字、抽象模様等の
画像をもった積層体およびそれを使用した窓または表示
体をうることである。 【解決手段】 温度の上昇により水に溶解している分子
の凝集変化により光透過が変化する高分子水溶液または
ハイドロゲルを少なくとも一部が透明で前記高分子水溶
液またはハイドロゲルを直視可能な基板で積層した積層
体において、前記高分子水溶液またはハイドロゲルとと
もに水と混和しない疎水性の液体またはゲルを積層・封
止してなる積層体とそれを使用した窓または表示体であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱作用により水溶
液が呈色変化または白濁光散乱する機能をもつガラスの
積層体をより高度化することに関する。これは、特に夏
季において、太陽の直射光線を受けたガラス面が透視性
をもちつつ遮光、防眩する窓を提供できる。また、熱素
子と組合せることにより電子カーテンつき間仕切り、
扉、表示体等にもなる。
【0002】
【従来の技術】近年、環境共生の考えのもと、太陽光線
を有効に利用して快適で省エネルギーの窓が求められて
いる。窓に熱線反射ガラス、熱線吸収ガラス等が実用化
しているが冬季、曇天、雨天等において自然光を遮光し
てしまい開放感を大きく損ない昼光利用に問題があっ
た。そこで、可逆変化して遮光できる調光ガラスがもと
められてきた。
【0003】本発明者は、太陽エネルギーが窓に照射し
ていることに注目してきた。このエネルギーの有無によ
り、窓ガラスが自律応答して透明ー光散乱の可逆変化を
おこして、快適な居住空間にすることを検討してきた。
この自律応答特性は、照射面のみ遮光する特長や省エネ
ルギー効果のみならず施工、メンテナンス、維持費等か
らも非常に魅力的であることに着目した。この点から、
フォトクロミック方式とサーモクロミック、サーモトロ
ピック方式が選択できるが、作用機構が複雑でかつ波長
依存をもつフォトクロミック方式よりも、人為的にも必
要に応じて容易に温度調整できる熱作用のみに依存する
サーモクロミック、サーモトロピック方式が優れてい
る。なお、本発明は、太陽熱エネルギーの照射によりガ
ラスの温度が上昇することを利用している。また、当
然、熱素子を付加して人工的に温度制御することで光散
乱状態にして遮光、画像表示等をすることもできる。
【0004】本発明に関係するサーモクロミック、サー
モトロピック方式は、水を媒体にした高機能性をもつ高
分子水溶液またはハイドロゲルである。サーモトロピッ
ク方式は、温度に依存して透明状態と白濁遮光状態を可
逆変化するものである。サーモクロミック方式は、温度
に依存して呈色変化するものである。具体的には、前者
は、温度上昇で凝集して白濁光散乱を示す水溶性高分子
(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、N−イソプ
ロピル−アクリルアミドの重合体、ポリビニルメチルエ
ーテル等)を主体とする高分子水溶液、温度上昇で凝集
して白濁光散乱を示す両親媒性物質と水溶性高分子から
なる高分子水溶液、温度上昇で凝集して白濁光散乱を示
す3次元架橋型高分子のをもつハイドロゲル等があり、
後者は、ヒドロキシプロピルセルロース等の高濃度水溶
液であるライオトロピック型の高分子液晶がある。本発
明は、これらの白濁変化、呈色変化する高分子水溶液ま
たはハイドロゲル(以下、高機能性水溶液と記す)を利
用し、さらに高機能性をもたせた積層体とその応用であ
る。
【0005】高機能性をもたせた積層体とは、積層体の
温度が上昇しても全面が同様に変化するのではなく、上
下分割、スリット、格子縞、文字画像、抽象模様等をも
つ積層体、すなわち広い意味の画像をもつ積層体であ
る。具体的な応用として、建物の窓ガラスの場合、目線
より上部を白濁可変にして下部を変化しない透明状態に
することで庇効果がえられる。スリット、格子縞等を設
けるとそこから木漏れ日のように太陽光線を室内に導光
できかつ部分的に透視性を確保できる窓となる。また、
ABC等の様に画像を設ければ、加温の有無で表示がき
りかわる従来にない表示体等になる。すでに、本発明者
は、画像形成の方法を特願平3−361226、特願平
5−62502、特願平7−134724等で鋭意検討
してきた。例えば、2種類以上の高機能性水溶液をもつ
積層体、高機能性水溶液と可逆変化しない透明な水溶液
をもつ積層体、高機能性水溶液層厚を連続的に変えて白
濁不透明状態の程度を連続的に変化させた積層体、基板
に凸凹を設けて水溶液2の層厚をかえて透視性を確保し
た積層体等がある。本発明は、機械的な形態効果を利用
する方法ではなく、液体接触の方法でより広範囲に利用
できる汎用性のある積層体をうるものである。
【0006】より具体的には、特願平3−361226
は、本発明の図2に近いが、ここで述べている密着剤と
高機能性水溶液の水分子が相互作用して、どうしても密
着剤が白濁して曇る現象が発生して不可逆状態を呈し
た。特に、反応硬化型の樹脂は、水と接触すると境界部
に不可逆なむらをみた。これは、視覚的な違和感となり
透視機能を重視する製品には知命的な欠陥であった。ま
た、シリコーン系の樹脂、シーラント、ゴムは、ヘイズ
をもちクリアーな透明感をえられず、また透水性が大き
く単独では封止剤とは成りえない基本的な問題点もあっ
た。次に、特願平7−134724は、分割のための区
分線のために接着性をもつ樹脂、シーラントを配置する
方法であり、特に区分線の透明性を求めていない。前記
と同様な理由により、接着性をもつ樹脂(例えば、えポ
キシ樹脂、感光性アクリル樹脂等)は不適であり、ま
た、シリコーンシーラントも同様に使用できない。な
お、特願平5−62502は、説明するまでもなく本発
明とは異なる。そこで、本発明者は、ヘイズなく完全な
透明性を持ちかつ水と混和せずに境界線がクリアーに維
持できる物質を鋭意検討して本発明に至った。なお、本
発明に使用する液体またはゲルは、従来の樹脂、シーラ
ント、ゴムのような個体状態、ゴム状態の物質とは全く
異なるものである。
【0007】つぎに、2種類以上の水溶液が接触すると
は、低分子、イオンの自己拡散が発生することを意味
し、目的の初期状態を維持できなかった。まず、高分子
の濃度差は水分子の拡散により濃度変化を引き起こし、
電解質(例えば、塩化ナトリウム等)の濃度差はイオン
移動によりイオン濃度変化を引き起こし、低分子量の両
親媒性物質の濃度差は分子移動による濃度変化をを引き
起こす本質的な問題点があった。ただ、両親媒性物質の
分子量の大きくなると、拡散速度が小さくなるが、徐々
に拡散していく。本発明に使用する多くの高機能性水溶
液は、低分子、電解質等が添加されており接触界面で自
己拡散が起きて初期状態を維持することはできなかっ
た。そこで、本発明者は、全ての高機能性水溶液に適用
しうる方法を鋭意検討して本発明に至った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】高機能性水溶液をもつ
積層体が、温度上昇により全面が同様に変化するのでは
なく、部分的に常に透視性をもたせることで上下分割、
ストライプ、格子縞、ドット、文字、抽象模様等の画像
をもった積層体をうることである。上下分割、ストライ
プ、格子縞、ドットは、その面積比、ピッチ等により透
視性と遮光性の比を任意に選択できるようにして、開放
感を維持しながら、快適性と省エネルギーを満たす窓シ
ステムをうることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決するためになされたものであり、温度の上昇によ
り水に溶解している分子の凝集変化により光透過が変化
する高分子水溶液またはハイドロゲルを少なくとも一部
が透明で前記高分子水溶液またはハイドロゲルを直視可
能な基板で積層した積層体において、前記高分子水溶液
またはハイドロゲルとともに水と混和しない疎水性の液
体またはゲルを積層・封止してなる積層体および温度の
上昇により水に溶解している分子の凝集変化により光透
過が変化する高分子水溶液またはハイドロゲルを少なく
とも一部が透明で前記高分子水溶液またはハイドロゲル
を直視可能な基板で積層した積層体を使用した窓におい
て、前記高分子水溶液またはハイドロゲルとともに水と
混和しない疎水性の液体またはゲルを積層・封止してな
る窓を提供するものである。
【発明の実施の形態】
【0010】つぎに、本発明について図面を基にして説
明する。図1、図2は、本発明の実施例の断面図であ
る。1は基板であり、2は高機能性水溶液であり、3は
水と混和しない疎水性の液体またはゲルであり、4はイ
ソブチルシーラントであり、5は基板接着性樹脂であ
り、6は薄い担体である。
【0011】図1は、本発明の基本をなすものであり、
1対の基板間に高機能性水溶液2と疎水性の液体または
ゲル3を設けた断面図である。この原理図から分かるよ
うに、温度上昇により高機能性水溶液2は、白濁光散乱
して太陽光線を遮光するが、疎水性の液体またはゲル3
は、温度により全く光透過の変化はなく、完全な無色透
明状態をとり、室内に太陽光線を常に導入することがで
きる。さらに具体的に説明すると、本発明に使用する高
機能性水溶液2は、温度上昇により透明状態から白濁遮
光状態に変化するので、外気温が低い冬季は、常に透明
状態にあり無色透明なガラスと同様に太陽光線を室内に
十分に導入でき、外気温が高い夏季は、太陽光線の照射
された部分が選択的に温度が高くなり白濁遮光して室内
の快適性を維持するとともに省エネルギーに寄与する窓
システムを提供できるものであり、本発明者も系統的に
鋭意検討してきた。
【0012】そこで、窓の機能は、壁と本質的に異なる
点は、最も快適な自然光である太陽光線を室内に導入す
ることと、窓を通して外部の景色、情報を確認できるこ
とである。そこで、本発明者は、1枚のガラス板内で透
視性を常に確保しうる構造を鋭意検討した。その結果、
図1、図2のように高機能性水溶液2とともに水と混和
しない疎水性の液体またはゲル3を設けることでこの課
題を解決した。具体的には、特に図示しないが、上下分
割、ストライプ、格子縞、ドット、文字、抽象模様等の
画像をもった積層体である。文字、模様は、広告板等の
表示体に使用でき、上下分割、ストライプ、格子縞、ド
ットは、その面積比、ピッチ等の調整で透視性と遮光性
の割合を任意に選択できる従来にない窓システムが可能
にした。よって、夏季でも木漏れ日のような自然光の導
入ができ、より開放感をもったアトリウム、天窓、ファ
サード、通路の天井等がえられる。当然、冬季は、全面
が透明状態を維持して室内に十分に太陽光線を導入でき
る。このようなことは、従来の熱線反射ガラス、熱線吸
収ガラスでは、可逆変化を取れないので季節が全く異な
る夏季と冬季を共に満足させる窓ガラスと成りえなかっ
た。さらに、曇天、雨天等のような日は、開放感を著し
く減退させた。このように、部分的に常に透視性をもた
せたガラスによって、開放感を維持しながら、快適性と
省エネルギーを満たす窓システムを提供できた。
【0013】疎水性の液体またはゲル3とは、高機能性
水溶液2と混和しない、すなわち水と混和しない液体ま
たはゲルであれば広く利用できる。例えば、シリコーン
オイル、シリコーンゲル、流動パラフィン(例えば、松
村石油研究所社のハイホワイト350等)等がある。特
に、シリコーンオイル、シリコーンゲルは、完全に無色
透明、耐光性、耐熱性、高い引火点等の特長をもち建築
材料の素材として必要十分であり、非常に有用である。
当然、実施例に記したように、高機能性水溶液2と接触
状態で60℃で1ヶ月間放置テストしたが、境界での混
和等の問題も全くなく非常に良好であった。ただ、室温
にもどすと僅かにシリコーン内に拡散した水分子がシリ
コーン内で結露して光線の角度によって淡く光散乱がみ
られたが、全く透視性に影響するもではなかった。この
現象も室温放置とともに徐々に消失し可逆変化して完全
に無色透明に復帰した。よって、1日の通常の温度サイ
クルではほぼ常に完全に無色透明状態を維持でき全く問
題にならなかった。より具体的には、シリコーンオイ
ル、シリコーンゲルともに、説明するまでもなくジメチ
ルポリシロキサン骨格が基本である。オイルでは、粘度
も広く選択でき化学的にも安定であり、例えば、信越化
学工業社のKF96がある。さらに、水と混和しなけれ
ば官能基を付加した変性ジメチルポリシロキサン(例え
ば、信越化学工業社のフッ素変性のFL100、メチル
スチリル変性のKF410等)等も使用できる。これら
を屈折率の調整等のために混合使用してもよい。ゲルで
は、東レ・ダウコーニング・シリコーン社の2液型であ
る水素転移によるビニル基への付加反応によりゲル化す
るSE1887等がある。このゲルは、反応前は粘度も
低く、完全に無色透明で、室温でゲル化し、反応副生成
物が無く、耐湿性にすぐれ、反応後大きく増粘するもの
であり、空間を埋める充填剤として非常に有用であっ
た。これら水と混和しないシリコーンオイル、シリコー
ンゲル(以下、シリコーン物質と記す)を代表例とし
て、以後主に記すがこれに限定されるものではない。な
お、シリコーン物質は、はっ水性と他の物質に溶解しに
くい性質をもち、また、高機能性水溶液2に添加される
物質は、基本的には親水性をもつので、両者の相互拡散
は僅かな水分を除いてほとんど無いといえる。
【0014】つぎに、高機能性水溶液2とは、温度が低
い時は無色透明で温度が上昇すると溶解していた分子が
凝集して白濁光散乱状態になり、光を遮光する高分子水
溶液またはハイドロゲルである。加えるに、水を溶媒と
するライオトロピック型の高分子液晶も本発明に有効に
使用できる。具体的には、温度上昇で凝集して白濁光散
乱を示す水溶性高分子(例えば、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、N−イソプロピル−アクリルアミドの重合
体、ポリビニルメチルエーテル等)を主体とする高分子
水溶液、温度上昇で凝集して白濁光散乱を示す両親媒性
物質と水溶性高分子からなる主になる高分子水溶液、温
度上昇で凝集して白濁光散乱を示すとともに3次元架橋
型高分子を系内にもつハイドロゲル等があり、また特異
な水溶液として、温度に依存して選択散乱光が変わり呈
色変化(より高い温度になるとやはり白濁化する)する
ヒドロキシプロピルセルロース等の高濃度水溶液である
ライオトロピック型の高分子液晶等がある。本発明は、
これらの白濁変化、呈色変化する高分子水溶液またはハ
イドロゲルを利用してさらに高機能性をもたせた積層体
とその応用にあるので、ここでは、高機能性水溶液2の
詳細な説明は省略する。
【0015】図1の積層体は、本発明に係わる積層体の
基本形態を有し、少なくとも一部が透明で高機能性水溶
液2を直視可能な基板1の間に高機能性水溶液2を積層
したものである。高機能性水溶液2の層厚は、特に限定
されるものではないが0.01mmから2mm程度でよ
く、0.2mm程度の厚みで十分に遮光できる。封止
は、水の蒸発を防止するためにあり、基板間で少なくと
も2段封止すると非常に好ましい。イソブチルシーラン
ト4は、耐透湿性がすぐれ、加圧で変形して基板密着す
る特性がり、すでに複層ガラスのシーラントに使用され
ており本発明に有用である。基板接着性樹脂5は、イソ
ブチルシーラント4を基板に固定するために必要であ
る。基板接着性樹脂5としては、エポキシ系樹脂接着剤
(例えば、東レチオコール社のフレップ等)、アクリル
系樹脂接着剤(例えば、感光性樹脂であるサンライズメ
イセイ社のホトボンド等)ポリサルファイド系シーラン
ト、ウレタン系シーラント、シリコーン系シーラント等
を使用できる。具体的な使用方法は、実施例に記す。通
常は、図示したようにイソブチルシーラント4を内側に
基板接着性樹脂5を外側に配置するとよい。さらに、必
要に応じて3段、2重2段等の構造にしてより耐透湿性
の向上、イソブチルシーラント4とシリコーン物質の直
接接触の防止等の工夫をしてもよい。なお、本発明は、
特に図示しないが1段封止の構造を排除するものではな
い。
【0016】厚みを確実に制御するために、特に図示し
ていないが透明で直視できる水溶液2にもスぺーサー
(例えば、ガラスビーズ、樹脂ビーズ等)を使用すると
よい。特に50cm角以上のサイズになると液層厚を維
持するために液垂れ防止にスペーサーは有用である。さ
らに、高機能性水溶液2の屈折率に近い物質を使用する
と視認でき難くなり好ましい。封止部は、金属線、ガラ
ス繊維、細板等ひろくスぺーサーに使用できる。
【0017】基板は、一部が透明で高機能性水溶液2を
直視可能であればよく、種々の材料、例えば、ガラス、
プラスチック、セラミックス、金属等を使用することが
でき、板状の材料なら単体、複合材料、表面を加工処理
した材料等も使用でき、それを組み合わせて使用しても
よい。また、窓材としてのガラス板は、単純単板ガラ
ス、強化ガラス、網入板ガラス、熱線吸収ガラス、熱線
反射ガラス、熱線吸収反射ガラス、合わせガラス、紫外
線吸収合わせガラス、透明導電性ガラス、複層ガラス、
透明単板ガラスとポリカーボネイトの複合ガラス等があ
り、種類、厚み等を適宜組み合われて一対の基板として
目的にあわせて使用することができる。
【0018】本発明を窓に使用すると、直射太陽光線に
より紫外線を強くうけるので、少なくとも外側の基板に
紫外線吸収・カットガラスを使用すると好ましい。例え
ば、グリーンガラス、紫外線吸収層を塗布したガラス、
紫外線吸収合わせガラス等がある。なお、窓の外側の基
板厚が約5mm以上であると330nm以下の紫外線透
過が急激に小さくなり耐候性の面で好ましく、また当
然、厚いほど熱線吸収も強まり選択遮光には厚板が有利
である。
【0019】さらに、図2の積層体は、あえて薄い担体
5を介して高機能性水溶液2を部分積層する構造をとる
ことで明瞭な境界線をもった画像形成を可能にし、特に
表示体の場合に有用である。この部分積層は、薄い担体
5と基板1、薄い担体5と薄い担体5、さらに、高機能
性水溶液2を袋状の薄い担体5に包含したもの等があ
る。ようするに、この担体により、線を明瞭に規定しう
る点にある。薄い担体5は、薄い板ガラス、高分子フィ
ルム(例えば、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン
等)、薄い金属板(例えば、アルミホイル、ステンレス
ホイル等)、薄いセラミックス板等少なくとも片側が透
明であればよく、特に限定することなく広く使用でき
る。この薄いとは、特に厚い必要がないとの意味で、作
業的に使用しうる薄いものでよい。
【0020】本発明に係わる窓としては、通常の建築物
の窓、自動車、鉄道車両等の車両、船舶、航空機、エレ
ベーター等の輸送機の窓等がある。この窓は広い意味で
あり、アーケイドやアトリュウム、窓の付いたドア、間
仕切り等をはじめ、全面が透明なガラスドア、衝立、壁
のようなものも含まれる。当然、広く利用される方法と
して、積層体と建材サッシまたは車両用フレームとを組
合せて、建築物、車両等の用途ごとの枠をもつ積層体に
して、現場では従来と同様に取り付けるだけにした窓ユ
ニットも本発明に含まれる。このユニット化は、積層体
の封止をより確実にでき、透過による水の蒸発防止、光
による封止劣化の防止等に有効であり、特に通常の建築
物の窓、車両の窓等のように半永久的な使用や苛酷な使
用には有効である。
【0021】さらに本発明の積層体の利用範囲を広げる
ために熱素子を設けて、電子カーテンとして人工的に熱
制御して視線を遮るための間仕切りにもなる。熱素子
は、基板の外部に設けられてもよく、積層体の内部設け
られてもよい。熱素子としては、透明導電膜、カーボン
ペースト、金属ペースト、金属線、チタン酸バリウム系
セラミックス等があり、さらに加熱、冷却できる熱電素
子(例えば、小松エレクトロニクス社のサーモパネル
等)等も利用することもできる。熱素子の設定は、基板
の全面でも部分でもよい。
【0022】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をさらに説明す
るが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるも
のではない。
【0023】実施例1 ヒドロキシプロピルセルロース(ヒドロキシルプロピル
基:62.4%、2%水溶液粘度:8.5cps、重量
平均分子量:約60000)100重量部、ポリオキシ
プロピレン2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3
−プロパンジオール(平均分子量400)20重量部、
塩化ナトリウム6重量部および純水200重量部からな
る高粘度の高機能性水溶液を調整した。30cm角で、
厚み3mmのフロートソーダガラスの外周部に直径2.
4mmの線状イソブチルシーラントを置き、基板の上半
分に約5cm升目ごとに高機能性水溶液を配置し、下半
分にジメチルポリシロキサンである信越化学工業社のK
F−60H−10万CSを同様に配置した。その上に対
向基板を軽く乗せた状態で真空装置内でさらに約1To
rrの減圧下で対向基板を加圧してイソブチルシーラン
トを潰し密着をとった。その後、最外周部に残した隙間
にガラス接着性をもつ感光性樹脂を流し込み光照射して
封止した。その結果、0.35mm厚で無気泡の積層体
をえた。この積層体は、室温と60℃の可逆安定性およ
び60℃での1ヶ月間の放置安定性は、ともに良好であ
った。2つの液体の境界線も特に違和感なくきれいに維
持されていた。また、高機能性水溶液からジメチルポリ
シロキサンに低分子、塩が拡散した徴候も観察されなか
った。
【0024】実施例2 実施例1のヒドロキシプロピルセルロース100重量部
と純水65重量部からなる可視光線を選択散乱して呈色
する高分子液晶を調整した。実施例1と同基板の中央部
にマスク塗布して15cm角、厚み0.3mmの正方形
に高分子液晶を置いた。実施例1と同基板の外周部に直
径2.4mmの線状イソブチルシーラントを配置後に、
東レ・ダウコーニング・シリコーン社のSE1887の
AとBを1:1で混合攪拌した混合液をほぼ中央部に流
し込み、4角に空気抜きのために注射針を設けてから、
高分子液晶を塗布した基板を対向基板として積層、加圧
して脱気とともに線状イソブチルシーラントも潰して気
泡の無い積層体とし、室温で一夜放置してSE1887
をゲル化させた。この積層体は、室温と60℃の可逆安
定性および60℃での1ヶ月間の放置安定性は、ともに
良好であった。2つの液体の界面、境界線も特に違和感
なくきれいに呈色を示し非常に良好であった。また、垂
直状態に1ヶ月間放置してもなんら変化なく安定であっ
た。さらに、同様な方法で、ABCの文字をマスク塗布
し積層してが、同様に良好な積層体をえた。
【0025】
【発明の効果】本発明の効果は、温度の上昇により水に
溶解している分子の凝集変化により光透過が変化する高
分子水溶液またはハイドロゲルとともに水と混和しない
疎水性の液体またはゲルをもつ本発明の積層体は、積層
体の温度が上昇しても全面が同様に変化するのではな
く、上下分割、スリット、格子縞、文字画像、抽象模様
等をもつ積層体、すなわち広い意味の画像をもつ積層体
うることができた。具体的な応用として、建物の窓ガラ
スの場合、目線より上部を白濁可変にして下部を変化さ
せないで常に透明状態にすることで庇効果をうる。スリ
ット、格子縞等を設けるとそこから木漏れ日のように太
陽光線を室内に導入できかつ部分的に透視性を確保で
き、より快適な窓システムを提供できる。また、ABC
等の様に画像を設ければ、加温の有無で表示がきりかわ
る従来にない表示体等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の断面図である。
【図2】本発明の実施例の断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 高機能性水溶液 3 水と混和しない疎水性の液体またはゲル 4 イソブチルシーラント 5 基板接着性樹脂 6 薄い担体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度の上昇により水に溶解している分子
    の凝集変化により光透過が変化する高分子水溶液または
    ハイドロゲルを少なくとも一部が透明で前記高分子水溶
    液またはハイドロゲルを直視可能な基板で積層した積層
    体において、前記高分子水溶液またはハイドロゲルとと
    もに水と混和しない疎水性の液体またはゲルを積層・封
    止してなる積層体。
  2. 【請求項2】 疎水性の液体またはゲルがジメチルポリ
    シロキサン骨格をもつものである請求項1記載の積層
    体。
  3. 【請求項3】 疎水性の液体が流動パラフィンである請
    求項1記載の積層体。
  4. 【請求項4】 少なくともイソブチルシーラントと基板
    接着性樹脂との2段封止を基板間に設けてある請求項1
    記載、請求項2記載または請求項3記載の積層体。
  5. 【請求項5】 温度の上昇により水に溶解している分子
    の凝集変化により光透過が変化する高分子水溶液または
    ハイドロゲルを少なくとも一部が透明で前記高分子水溶
    液またはハイドロゲルを直視可能な基板で積層した積層
    体を使用した窓において、前記高分子水溶液またはハイ
    ドロゲルとともに水と混和しない疎水性の液体またはゲ
    ルを積層・封止してなる窓。
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