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JPH10230132A - 排ガス浄化システム - Google Patents

排ガス浄化システム

Info

Publication number
JPH10230132A
JPH10230132A JP9038018A JP3801897A JPH10230132A JP H10230132 A JPH10230132 A JP H10230132A JP 9038018 A JP9038018 A JP 9038018A JP 3801897 A JP3801897 A JP 3801897A JP H10230132 A JPH10230132 A JP H10230132A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust gas
catalyst
adsorbent
heat capacity
purification system
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9038018A
Other languages
English (en)
Inventor
Naomi Noda
直美 野田
Akira Takahashi
章 高橋
Yukinari Shibagaki
行成 柴垣
Hiroshige Mizuno
宏重 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP9038018A priority Critical patent/JPH10230132A/ja
Publication of JPH10230132A publication Critical patent/JPH10230132A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コールドスタート時に多量に発生する炭化水
素を効果的に浄化できる排ガス浄化システムを提供す
る。 【解決手段】 内燃機関の排気管内に、排ガス中の炭化
水素を吸着し得る吸着体を配置し、当該吸着体の排ガス
流れ方向下流側に、排ガス中の有害成分を浄化し得る触
媒体を配置した排ガス浄化システムにおいて、前記触媒
体の総熱容量と前記吸着体の総熱容量との比(触媒体の
総熱容量/吸着体の総熱容量)が0.02〜9.38と
なるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、排ガス中の有害
物質、特にコールドスタート時に多量に発生する炭化水
素を効果的に浄化できる排ガス浄化システムに関する。
【0002】
【従来の技術】 従来、自動車排ガス中の窒素酸化物
(NOx)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等
の有害物質を浄化するための排ガス浄化システムについ
て、活発に研究開発が行われているが、特に近年におい
ては、排ガス規制の強化とともにエンジン始動時(コー
ルドスタート時)におけるHCの浄化が重要な技術課題
となっている。
【0003】 すなわち、コールドスタート時のように
排ガスの温度が低いときは、触媒体がその着火温度に到
達しないので浄化能が低く、その上、この時期は連続運
転しているときに比べ、エンジンから多量のHCが放出
されているため、自動車排ガスによる有害物質の全排出
量のうち、コールドスタート時のHCの排出量が大きな
割合を占めているのである。
【0004】 そして、上記技術課題を達成する手段の
1つとして、排気管内において触媒体の上流側に、ゼオ
ライト等のHC吸着能を有する成分を含ませた吸着体を
配置した排ガス浄化システムが提案されている。吸着体
は、コールドスタート時にエンジンから多量に放出され
た未燃焼HCを、触媒体が昇温されて着火するまでの
間、一時的に吸着しておくことを目的として使用され
る。
【0005】 ところで、吸着体に吸着されたHCは、
排ガス熱などによる吸着体の昇温に伴って吸着体から脱
離を開始するが、このHCの脱離開始温度は、触媒が着
火する温度よりも低いため、実際には、触媒体が着火す
る前にHCの脱離が始まる。このため、吸着体がHCの
脱離開始温度に到達してから、触媒体が着火温度に到達
するまでの間に吸着体から脱離したHCは、その大部分
が未浄化のまま排出されることになる。
【0006】 したがって、吸着体と触媒体を用いた排
ガス浄化システムにおいて、上記のような未浄化HCの
放出量を減少させるためには、吸着体のHC脱離開始温
度到達から触媒体の着火温度到達までの時間差をできる
限り小さくすること、すなわち、吸着体の昇温は遅延さ
せ、触媒体の昇温は促進するようにすることが重要とな
る。
【0007】 このような観点から、特開平6−154
538号公報には、HC吸着体が、後接された三元触媒
よりも大きい比熱容量(単位体積当たりの熱容量)を有
するようにして、三元触媒に対し吸着体の加熱が遅延す
るようにする技術が開示されている。
【0008】 また、特開平5−59942号公報に
は、HC吸着材の下流側だけでなく上流側にも三元触媒
を設けたコールドHC吸着除去装置が開示されている。
この装置は、HC吸着材の上流側に設けた三元触媒によ
って排ガスの熱を奪い、吸着材の入ガス温度を比較的長
い時間にわたって低く保つことにより、HC吸着材の昇
温を緩慢にしようとするものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、特開
平6−154538号公報記載の技術については、実際
には昇温は比熱容量で一義的に決まるものではなく、H
C吸着体、触媒全体の総熱容量で決まるものである。例
えば、仮に触媒の比熱容量を吸着体のそれよりも小さく
設定したとしても、触媒の体積が十分に大きければ触媒
全体としての昇温が非常に遅れ、吸着体から脱離したH
Cを処理する役割をこなせなくなる。同様に吸着体の比
熱容量を触媒のそれよりも大きく設定したとしても、吸
着体の体積が十分に小さければ、吸着体全体が早期にH
C脱離開始温度まで昇温し、HCの脱離がむしろ早まる
ケースもあり得、必ずしも意図する効果を発現しない。
【0010】 また、特開平5−59942号公報記載
の技術については、HC吸着材の上流側に触媒を配置す
れば吸着材の昇温、すなわちHC脱離は遅らせられる
が、吸着材の下流側に配置した触媒は一層昇温が遅れる
ため、結果として、逆にHCエミッションが悪化するケ
ースが多々あり得る。
【0011】 本発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、吸着体及び
触媒体の比熱容量だけでなく、各々の体積をも考慮にい
れた実際に使用される全体姿の熱容量(総熱容量)につ
いて、吸着体と触媒体との適切なる範囲を設定すること
により、コールドスタート時に多量に発生するHCを効
果的に浄化できるようにした排ガス浄化システムを提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】 本発明によれば、内燃
機関の排気管内に、排ガス中の炭化水素を吸着し得る吸
着体を配置し、当該吸着体の排ガス流れ方向下流側に、
排ガス中の有害成分を浄化し得る触媒体を配置した排ガ
ス浄化システムであって、前記触媒体の総熱容量と前記
吸着体の総熱容量との比(触媒体の総熱容量/吸着体の
総熱容量)が0.02〜9.38であることを特徴とす
る排ガス浄化システム、が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】 本発明の排ガス浄化システム
は、上記のようにシステムの下流側に配置される触媒体
の総熱容量と、上流側に配置される吸着体の総熱容量と
の比(触媒体の総熱容量/吸着体の総熱容量)を0.0
2〜9.38の範囲に設定したものである。そして、本
発明においては、システム中の触媒体と吸着体との総熱
容量比をこのような範囲に設定することにより、吸着体
からのHCの脱離時期と触媒体の着火時期との時間差を
小さくし、吸着体から脱離したHC(以下、「脱離H
C」という)を、その下流側の触媒体で効果的に浄化で
きる。
【0014】 吸着体からのHCの脱離時期と触媒体の
着火時期との時間差を小さくするためには、基本的に、
触媒体の昇温を促進し、吸着体の昇温を遅らせればよ
い。触媒体の昇温ひいては着火を促進するためには、触
媒体の総熱容量をできるだけ小さくすることが好まし
く、一方、吸着体の昇温ひいてはHC脱離を遅らせるた
めには、吸着体の総熱容量をできるだけ大きくすること
が好ましい。
【0015】 しかしながら、吸着体の総熱容量が大き
過ぎると、排ガスの熱が吸着体に多量に奪われて、吸着
体の下流側に配され、脱離HC浄化の役割を担う触媒体
の昇温を遅らせることになる。本発明では、このような
観点から、触媒体と吸着体との総熱容量の比を0.02
〜9.38の範囲に設定した。
【0016】 なお、本発明のシステムにおける下流側
の触媒体は、少なくともある熱容量を有する吸着体の後
方(下流側)に置かれ、加えて、吸着体の大きさ故に車
両床下に配されざる得ない場合が多いため、通常排気系
に備えられる触媒体に比して一層の低熱容量化が望ま
れ、このような観点から、触媒体と吸着体との総熱容量
の比を2.75以下にすることが好ましい。また、吸着
体の総熱容量が大きい程、システムの全体的な暖機後に
おいて、吸着体自体及びその下流側の触媒体を熱劣化か
ら保護することができ、このような観点から上記総熱容
量の比を1.72以下にすることが好ましい。
【0017】 一方、吸着体の総熱容量が大き過ぎるた
めにHCの脱離が遅れ過ぎると、HC脱離以前にエンジ
ンが停止される可能性が高くなり、コールドスタートと
この短時間停止とが繰り返されると、吸着体が飽和する
おそれがあるため、上記総熱容量の比を0.06以上と
することが好ましい。加えて、吸着体の総熱容量が過剰
に大きいと、一旦暖機された後、エンジン停止によって
再び吸着可能な温度まで冷却し難いので、このような観
点からは、上記総熱容量の比を0.07以上とすること
が好ましい。
【0018】 本発明の排ガス浄化システムを自動車の
排気系に適用する場合、触媒体の総熱容量は80〜15
00J/Kであることが好ましく、160〜1100J
/Kであることがより好ましい。また、吸着体の総熱容
量は160〜3900J/Kであることが好ましく、4
00〜2600J/Kであることがより好ましい。
【0019】 本発明の排ガス浄化システムに用いる吸
着体、触媒体としては、HC吸着能を有する吸着成分、
あるいは排ガス中の有害成分浄化能を有する触媒成分を
成形して、所定の構造体としたものでもよいが、強度や
資源の有効利用といった観点から、吸着成分を含む吸着
層や触媒成分を含む触媒層を担体上に被覆担持したもの
を用いるのが好ましい。担体としては、モノリス、ビー
ス、ペレット等任意のものが使用できるが、圧力損失や
強度等の観点からモノリス担体を使用するのが好まし
い。モノリス担体は、一般にハニカム構造体といわれ、
実質的に均一な隔壁で囲まれた貫通孔(セル)を有する
構造体を意味する。
【0020】 触媒体、吸着体の体積は、各々の総熱容
量を左右する重要なファクターである。触媒体の着火を
促進し、吸着体からのHC脱離を遅延するという考えに
基づくと、基本的に触媒体の体積は小さくする程好まし
く、吸着体の体積は大きくする程好ましい。しかしなが
ら、触媒体の体積が小さ過ぎると、排ガスとの接触時間
が不足し、浄化が不十分となる。また、吸着体の体積が
大き過ぎると搭載性に問題を生じる。このような点を考
慮すると、下流側の触媒体の体積と上流側の吸着体の体
積との比(触媒体の体積/吸着体の体積)を0.1〜
2.0とすることが好ましく、0.2〜1.0とするこ
とがより好ましい。
【0021】 また、触媒体の体積は0.3〜2.0l
とすることが好ましく、0.4〜1.2lとすることが
より好ましい。触媒体の体積が0.3l未満では、排ガ
スとの接触時間が不足して浄化が不十分となり、2.0
lを超えると総熱容量が大きくなって昇温が遅延し、着
火が遅れる。一方、吸着体の体積は0.5〜3.0lと
することが好ましく、1.0〜2.5lとすることがよ
り好ましい。吸着体の体積が0.5l未満では、総熱容
量が小さくなって昇温が促進され、HCの脱離が早ま
り、3.0lを超えると搭載性に問題が生じる。
【0022】 触媒体、吸着体が、モノリス担体を用い
たものである場合、それらの軸方向(排ガス流れ方向)
に直角な断面の形状は、円、楕円、その他レイアウトし
やすい形状としてよいが、その断面の等面積円相当直径
は、触媒体については、好ましくは65〜140mm、
より好ましくは80〜115mmとし、吸着体について
は、好ましくは80〜200mm、より好ましくは90
〜140mmとする。
【0023】 触媒体断面の上記等面積円相当直径が6
5mm未満では圧力損失に問題があり、140mmを超
えると触媒体全体としての体積が大きくなって昇温が遅
延し、着火が遅れる。吸着体断面の上記等面積円相当直
径が80mm未満では吸着体全体としての体積が小さく
なって昇温が促進され、HCの脱離が早まり、200m
mを超えると搭載性に問題が生じる。
【0024】 触媒体の軸方向(排ガス流れ方向)の長
さは、30〜200mmとするのが好ましく、50〜1
50mmとするのがより好ましい。触媒体の長さが30
mm未満では構造的に強度不足となり、また、触媒体は
上流側から劣化が進むので、触媒体の浄化能を長期にわ
たって維持するには最低限30mm程度の長さを有する
ことが好ましい。触媒体の長さが200mmを超えると
触媒体全体としての体積が大きくなって昇温が遅延し、
着火が遅れる。
【0025】 吸着体の軸方向(排ガス流れ方向)の長
さは、60〜300mmとするのが好ましく、100〜
250mmとするのがより好ましい。吸着体の長さが6
0mm未満では吸着体全体としての体積が小さくなって
昇温が促進され、HCの脱離が早まり、300mmを超
えると搭載性や圧力損失に問題が生じる。
【0026】 触媒体、吸着体が、モノリス担体を用い
たものである場合、モノリス担体のセル壁厚は、触媒体
については50〜200μmであることが好ましく、吸
着体については100〜400μmであることが好まし
い。触媒体のモノリス担体のセル壁厚が50μm未満で
は構造的に強度不足であり、200μmを超えると単位
体積当たりの熱容量が大きくなって昇温が遅延し、着火
が遅れる。吸着体のモノリス担体のセル壁厚が100μ
m未満では単位体積当たりの熱容量が小さくなって昇温
が促進され、HCの脱離が早まり、400μmを超える
と圧力損失に問題が生じる。
【0027】 また、モノリス担体に被覆担持する被覆
担持層の厚さは、触媒体については10〜100μmと
することが好ましく、吸着体については20〜150μ
mとすることが好ましい。触媒体の被覆担持層(触媒
層)の厚さが10μm未満では触媒の耐久性が不足し、
100μmを超えると単位体積当たりの熱容量が大きく
なって昇温が遅延し、着火が遅れる。吸着体の被覆担持
層(吸着層)の厚さが20μm未満では単位体積当たり
の熱容量が小さくなって昇温が促進され、HCの脱離が
早まり、150μmを超えると圧力損失に問題が生じ
る。
【0028】 本発明の排ガス浄化システムにおいて
は、吸着体の上流側にも別個の触媒体を配置するように
してもよい。この上流側触媒体は、その配置故に、コー
ルドスタート時においてエンジン排ガス熱を最も有効活
用し早期着火することができるため、そこで発生する反
応熱で吸着体の下流側に配置した触媒体の昇温を促進す
ることができる。また、定常走行時には、エンジンから
の排ガスを温度の高い触媒で処理できる。
【0029】 このように吸着体の上流側にも触媒体を
配置する場合、基本的にこの上流側触媒体は、早期着火
のため総熱容量が小さい方が好ましく、かかる観点から
上流側触媒体の総熱容量と吸着体の総熱容量との比(上
流側触媒体の総熱容量/吸着体の総熱容量)は16.2
5以下とすることが好ましい。更に、この上流側触媒体
が吸着体の下流側に配置した触媒体にとって過度のヒー
トシンクとならないように、上流側触媒体の総熱容量と
吸着体の総熱容量との比を3.75以下とすることが好
ましい。一方、上流側触媒体の総熱容量の増加は、吸着
体の昇温を遅延するという点で好ましい方向に作用する
ため、このような観点から上流側触媒体の総熱容量と吸
着体の総熱容量との比を0.02以上とすることが好ま
しい。
【0030】 吸着体の上流側に配置する触媒体の総熱
容量は、例えば自動車の排気系に適用される場合、80
〜2600J/Kが好ましく、160〜1500J/K
がより好ましい。また、この上流側触媒体にも、吸着体
の下流側に配置する触媒体と同様に、排ガス中の有害成
分浄化能を有する触媒成分を含む触媒層をモノリス担体
上に被覆担持したものを用いるのが好ましい。
【0031】 このような上流側触媒体の体積は小さい
程低熱容量化に貢献できるが、一方、体積が小さ過ぎる
と、排ガスとの接触時間が不足し、浄化が不十分とな
る。また、吸着体の体積が大き過ぎると搭載性に問題を
生じる。このような点を考慮すると、上流側の触媒体の
体積と吸着体の体積との比(上流側触媒体の体積/吸着
体の体積)を0.2〜1.5とすることが好ましく、
0.3〜1.0とすることがより好ましい。
【0032】 また、この上流側触媒体の体積は0.2
〜2.0lとすることが好ましい。上流側触媒体の体積
が0.2l未満では、排ガスとの接触時間が不足して浄
化が不十分となり、2.0lを超えると総熱容量が大き
くなって昇温が遅延し、着火が遅れ、また、特にマニホ
ールド近傍に搭載される場合にスペースが制約される。
【0033】 上流側触媒体が、モノリス担体を用いた
ものである場合、その軸方向(排ガス流れ方向)に直角
な断面の形状は、円、楕円、その他レイアウトしやすい
形状としてよいが、その断面の等面積円相当直径は、6
5〜115mmとするのが好ましい。上流側触媒体断面
の上記等面積円相当直径が65mm未満では圧力損失に
問題があり、115mmを超えると触媒体全体としての
体積が大きくなって昇温が遅延し、着火が遅れる。
【0034】 上流側触媒体の軸方向(排ガス流れ方
向)の長さは、30〜200mmとするのが好ましい。
触媒体の長さが30mm未満では構造的に強度不足とな
り、また、触媒体は上流側から劣化が進むので、触媒体
の浄化能を長期にわたって維持するには最低限30mm
程度の長さを有することが好ましい。触媒体の長さが2
00mmを超えると触媒体全体としての体積が大きくな
って昇温が遅延し、着火が遅れる。
【0035】 また、本発明の排ガス浄化システムにお
いては、吸着体の下流側に配置した触媒体の更に下流側
にも別個の触媒体を配置するようにしてもよい。このよ
うに触媒体の下流側に更に別個の触媒体を配置すると、
システムの暖機後において、吸着体の下流側に配置され
た触媒体までで処理し残されたCO、HC、NOx等の
有害成分を、更に下流側に配置されたこの別個の触媒体
で浄化することができる。
【0036】 内燃機関から排出されるHC、CO、N
x等の有害成分を好適に除去せしめるため、本発明の
排ガス浄化システムに使用する触媒体は、触媒層とし
て、Pt、Pd及びRhのうちの少なくとも一種の貴金
属を含有する耐熱性酸化物が、耐熱性無機質からなるモ
ノリス担体上に被覆担持されてなるものであることが好
ましい。モノリス担体の材質としては、耐熱性、耐熱衝
撃性の点から、コーディエライトやフェライト系ステン
レスであることが好ましい。
【0037】 なお、これらの貴金属は、Al23、S
iO2、TiO2、ZrO2等の耐熱性酸化物又はこれら
の複合酸化物に担持して用いられる。特に100m2
g以上の比表面積からなるAl23を用いると貴金属が
高分散に担持され低温着火特性と耐熱性が向上し好まし
い。更に、耐熱性酸化物にはCeO2、La23、Ce
2−ZrO2等の酸素貯蔵能がある酸化物を5〜30重
量%添加すると、定常活性が向上し特に好ましい。触媒
体中の貴金属の総担持量は担体の単位体積当たり20〜
300g/ft3が好ましく、またRh担持量は2〜3
0g/ft3の範囲が好ましい。
【0038】 2種以上の貴金属を使用する場合には、
合金化を防止する目的から、各貴金属を別々に耐熱性無
機酸化物に担持した後、モノリス担体に被覆することが
好ましく、更に、互いに層状になるように順を追って被
覆することが異種貴金属の接触を最低限にとどめられる
ので好ましい。
【0039】 吸着体の下流側に配置する触媒体はHC
酸化能が高いPt及び/又はPdを含むことが好まし
く、低温着火特性に優れるPdを含むことが特に好まし
い。モノリス担体上に40〜250g/ft3のPdを
含む触媒層のみを形成するのも好ましい例の1つであ
る。
【0040】 なお、吸着体の上流側にも別個の触媒体
を配置する場合、この上流側触媒体は低温着火性に優れ
るPdを含むことが好ましく、Pdを40〜250g/
ft3の比較的高濃度で担持すると一層効果的である。
また、この上流側触媒体は、定常走行時には最も活躍す
る触媒体なので、Rhを含ませるとより効果的にNOx
を低減でき好ましい。これらPdとRhによる効果を両
立させるため、モノリス担体上に40〜250g/ft
3のPdを含む内層を形成し、その上に2〜30g/f
3のRhを含む表層を形成するのも好ましい例の1つ
である。
【0041】 更に、本発明の排ガス浄化システムにお
いては、自動車排ガス用三元触媒として実績の高いPt
/Rh系の触媒体をシステム内の何れかの位置に存在さ
せるようにしてもよい。
【0042】 本発明の排ガス浄化システムに使用する
吸着体は、前述の耐熱性無機質からなるモノリス担体上
にゼオライトを主成分とする吸着層が被覆担持されたも
のであることが好ましい。HC等の有害成分を吸着し得
る吸着材としては、ゼオライト、活性炭等があるが、バ
イパス方式を用いることなく排気系に吸着体を配設する
には、少なくとも500℃以上の耐熱性が必要であり、
ゼオライトを用いるのが好ましい。
【0043】 ゼオライトは、天然品、合成品のいずれ
でもよく、また種類は特に限定されないが、耐熱性、耐
久性、疎水性の点でSi/Alモル比が40以上のもの
が好適に用いられる。具体的にはZSM−5、USY、
β−ゼオライト、シリカライト、メタロシリケート等が
好適に使用できる。
【0044】 また、ゼオライトは、一種だけでなく複
数種を組み合わせて用いることもできる。例えば、ゼオ
ライトのミクロ孔の大きさが約0.55nmと比較的小
さな細孔をもつZSM−5は、プロペン等の小分子の吸
着に有利であり、逆にトルエンやキシレンのような大分
子の吸着には不向きである。これに対し、ミクロ孔の大
きさが約0.74nmの比較的大きな細孔をもつUSY
は、プロペン等の小分子の吸着は不利であり、トルエン
やキシレン等の大分子の吸着に有利である。
【0045】 したがって、ZSM−5とUSYを混在
させてモノリス担体に被覆するのも好適な手法の1つで
ある。更に、排ガス流れ方向に対してZSM−5とUS
Yを区分して被覆担持するようにしてもよく、この場
合、ZSM−5はUSYより高い温度まで吸着保持でき
るので上流側に担持することが好ましい。
【0046】 また、β−ゼオライトは細孔径が約0.
55mmと約0.70mmのバイモーダルな細孔を有し
ているので、小分子、大分子とも比較的良好に吸着する
ことができ、更に単位重量当たりの吸着量が比較的多い
ため最も好ましい。
【0047】 なお、ゼオライトは単独でも吸着材とし
て使用できるが、HCの吸着時に並発するコーキングを
制御するためにPt、Pd及びRhのうちの少なくとも
一種の貴金属を担持するのが好ましく、これによりゼオ
ライトの吸着能が低下することなく再生できる。ゼオラ
イトに担持される貴金属としては、Pdが最も安価で再
生能が高く好ましい。
【0048】 また、貴金属の担持方法は、熱的安定性
の点でイオン交換法によるのが好ましい。更に、貴金属
の担持量は、担体の単位体積当たり5〜150g/ft
3が、コスト及び再生能の点で好ましい。ゼオライトを
モノリス担体に担持する場合、必要に応じて5〜20重
量%のAl23やSiO2などの無機バインダーを含ま
せてもよく、これによりHCの吸着能をそこなうことな
く強固に担持される。
【0049】 上記のように、ゼオライトに貴金属を担
持させた場合、結果として、貴金属はゼオライトの再生
能だけではなく触媒作用も有するが、ゼオライト中の貴
金属は凝集しやすく、触媒としては耐久性が不十分であ
るので、ゼオライトからなる吸着層中に、触媒体で用い
るのと同様の耐熱性酸化物に貴金属を担持させた触媒成
分を含有させる、あるいは、吸着層の表面にそのような
触媒成分を含む触媒層を被覆して用いることが好まし
い。
【0050】 この場合、吸着体は耐久性のある触媒成
分を含むことになるので、コールドスタート以降の定常
走行時にも好適に浄化能を示し好ましい。また、触媒成
分には、ゼオライトのコーキングを抑制する効果がある
ので、ゼオライト中にコーキング抑制のための貴金属を
別途に添加する必要は必ずしもない。
【0051】 また、ゼオライト中に周期表のIB族元
素(Cu、Ag、Au)のイオンを少なくとも一種含ま
せるのも、ゼオライトのHC吸着能を向上させるので好
ましい。この場合、上記イオンの含有率が小さいとHC
吸着能向上に対して効果が薄いので、ゼオライトの上記
イオンの含有率は、ゼオライト中のAl原子に対して2
0%以上であることが好ましく、40%以上であるとよ
り好ましい。これらのイオンは先述した貴金属と任意に
組み合わせてゼオライト中に含ませてもよい。
【0052】 更に、上記IB族元素のイオンに加え
て、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、La、Ti、Ce、
Mn、Fe、Cr、Ni、Znの各種イオンから選ばれ
る少なくとも一種のイオン、好ましくはMg、Ca、F
e、Crのイオンのうちの少なくとも一種のイオンをゼ
オライト中に含有させると、耐熱性が向上し望ましい。
【0053】 吸着体において、吸着層の表面に触媒層
を被覆する好ましい例の1つとして、モノリス担体の表
層に貴金属が担持されたZSM−5、USY、β−ゼオ
ライト等の高シリカ含有ゼオライトを第1層として被覆
し、更にその表面に貴金属が担持されたAl23−Ce
2複合酸化物を第2層として被覆した層型の吸着体が
挙げられる。
【0054】 このような層型の吸着体は、第2層の主
成分であるAl23がコールドスタート時の排ガス中に
含まれるH2Oを選択的に吸着するプレドライヤーの効
果をもち、第1層が受け持つHCの吸着を高める。加え
て、排気温の上昇とともに表層側の触媒成分を含む第2
層から加熱され、第1層のゼオライト成分が吸着したH
Cを脱離する時点で第2層の触媒成分が好適に作用す
る。なお、このHCが脱離する時点で、酸化性ガスの添
加、又は燃焼用空気の量と燃料量の調節により酸素過剰
の排ガス組成とすると、第2層の触媒作用が飛躍的に向
上し好ましい。
【0055】 なお、モノリス担体に、貴金属が担持さ
れた触媒成分と、ゼオライト成分とが層型ではなく混在
された状態で担持されていても、比較的良好に作用す
る。ゼオライト成分と触媒成分の重量比は、50〜8
5:15〜50であり、ゼオライト成分を多く含むこと
が好ましい。モノリス担体への担持量は、ゼオライト成
分が0.05〜0.40g/cc、触媒成分が0.02
〜0.20g/ccの範囲とするのが好ましい。
【0056】 吸着体に、その一部分の長さや開口率を
調整して圧力損失の低い部分を設けたり、モノリス担体
の貫通孔(セル)の径よりも大きな径を有する吹き抜け
孔を設け、排ガスの一部を吹き抜けさせることによっ
て、同吸着体の下流に配される触媒体の暖機を促進する
と、脱離HCの浄化効率が向上し好ましい。
【0057】 吹き抜け孔の径は担体強度の点から50
mmφ以下が好ましく、また、排ガスの過剰な吹き抜け
によるHC吸着量の低下を抑制するために、40mmφ
以下とすることが更に好ましい。逆に径が小さ過ぎると
下流側に配置した触媒体を暖機する効果が不足するの
で、10mmφ以上が好ましい。
【0058】 また、本発明では、排気管内に、触媒体
の早期着火を達成する目的で、少なくとも1つの電気通
電加熱式ヒーター(Electrical Heater;以下、「E
H」という)を配置することも好ましい。EHは、フェ
ライト等の耐熱性金属質からなるハニカム構造体に通電
のための電極を設けて構成したものであることが、圧力
損失、耐熱性の点で好ましく、更にこのEH上に貴金属
を含有する耐熱性無機酸化物からなる触媒層を被覆して
電気通電加熱式の触媒体(以下、「EHC」という)と
して用いると、触媒の反応熱の助けをかりてヒーターの
加熱に要する電力を低減できるためより好ましい。
【0059】 このEHCを吸着体の下流側に配して、
脱離HCの浄化を促進するのも好ましい形態の1つであ
る。また、EHCが小型である場合には、下流側に近接
して触媒体を配し、EHCのヒート熱及び反応熱を有効
活用することが好ましい。
【0060】 コールドスタートにおいて、“排ガスが
(HC吸着が可能な程度に)十分冷たい間は吸着体に導
いて、そこで未燃焼HCを吸着除去し、排ガスの昇温と
ともにバルブ切り換え等の手段により、吸着体をバイパ
スして直接脱離HCを処理するために設けられた触媒体
を暖機する”ことによって吸着体からのHC脱離に触媒
体の着火を間に合わせる技術は数多く報告されている
が、本発明では“吸着体と触媒体との総熱容量比を適正
に設定する”ことにより吸着体からのHC脱離に触媒体
の着火を間に合わせることを目的としており、耐熱性・
信頼性が高い高価なバルブやシステムを複雑化せしめる
バイパスラインを必ずしも必要としない点で非常に好ま
しい。
【0061】 本発明の排ガス浄化システムを用いて、
コールドスタート時の排ガス浄化を行う場合には、コー
ルドスタート時のある一定期間、触媒体の排ガス流れ方
向上流側より、排ガス中に酸化性ガス(例えば二次空
気)を導入したり、燃焼用空気量と燃料量とを排ガス中
の酸素量が増加する方向へ調節したりすると、触媒の燃
焼反応が促進されて、より早期に着火させることができ
る。また、一旦吸着体に吸着されたHCが排ガス熱によ
る吸着体の温度上昇に伴って脱離し始めると、排ガス中
のHC濃度が上昇して、HCを浄化(燃焼)するための
酸素が不足するので、上記のように酸化性ガスを導入し
たり、燃焼用空気量と燃料量とを調節したりして酸素を
補給することが好ましい。
【0062】 本発明の排ガス浄化システムは、内燃機
関1台に対し1システム搭載することで好適に作用する
が、これに限らず、例えば2バンクのエンジンの場合に
は、両バンクに1システムずつ計2システム搭載するの
も好ましい。その場合、これまで説明してきた、触媒体
と吸着体との総熱容量比を守りながら、全体的にスケー
ルダウンしてもよい。
【0063】 本発明における吸着体及び触媒体の総熱
容量には、後述のDSC法にて測定された比熱容量(単
位重量あたりの熱容量)に、吸着体又は触媒体の重量を
かけ合わせることにより求められる値を用いた。なお、
吸着体、触媒体が、モノリス担体等の担体上に、吸着層
や触媒層を被覆担持してなるものである場合には、担体
と被覆担持層との比熱容量を、DSC法によりそれぞれ
別個に測定し、得られた比熱容量に各々の重量をかけ合
わせて、担体と被覆担持層のそれぞれの熱容量を求め、
それらを合計(担体分の熱容量+被覆担持層分の熱容
量)することにより得られた値を総熱容量とした。
【0064】 また、比熱容量には、吸着体がHC脱離
温度に達する、あるいは触媒体が着火するまでの代表的
温度である100℃での測定データを使用した。実際に
は、比熱容量の測定は静止空気中で、室温→250℃
(10分間保持)→500℃(10分間保持)の2ステ
ップで昇温を行い、一度測定した後、脱水により減量し
た分の試料量を補正して再度測定し、後者の方の測定デ
ータを用いた。比熱容量の測定に使用した装置は、マッ
ク・サイエンス製DSC3200である。
【0065】[DSC法]:DSC法に基づく比熱容量
の測定については、JIS C2141に規定されてい
るほか、「熱分析実験技術入門 第2集」(長崎誠三監
修、真空理工株式会社編集、1982年11月1日科学
技術社発行)などに紹介されており、これを以下に概説
する。
【0066】 図1はDSC法の測定原理を示してい
る。この方法は試料の昇温速度が一定の場合、試料への
単位時間当たりの熱量は試料の熱容量に比例するという
原理に基づくものである。まず、試料を入れない空の試
料容器のままで図1の(b)に示すような昇温曲線に沿っ
てDSC曲線を測定し、図1の(a)に示されるベースラ
インを求める。
【0067】 次に、熱容量既知の標準試料を試料容器
に入れ、(b)の昇温曲線と正確に一致するように昇温を
行い、(b)の標準試料のDSC曲線を求める。続いて、
同様の操作を試料に対して行い、試料のDSC曲線を求
める。このようにして求めたDSC曲線をそれぞれの低
温側と高温側の定温部の基線と一致させて重ね合わせ、
図1の(a)を得る。標準試料、試料とベースライン間の
距離をy′、yとすると、 Cρ/Cρ′=y/y′=m′/m となる。ここで、m、Cρ、m′、Cρ′は、試料の質
量、比熱容量、標準試料の質量、比熱容量を示す。
【0068】
【実施例】 以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0069】[吸着体の調製]:市販のゼオライト粉末
に水と酢酸とを適量加え、更に酸化物換算で5重量%の
アルミナゾルを添加し、湿式解砕にて担持用スラリーを
調製した。この担持用スラリーを日本碍子(株)製のコー
ディエライトモノリス担体に被覆担持し、500℃で焼
成して表1に示す吸着体A1〜A6を得た。表中、イ、
ロ、ハは各々単位体積当たりの熱容量が異なる担体種
(単位体積当たりの熱容量は、ハ>ロ>イとなる)を示
す。また、上記のようにしてゼオライトを被覆担持し焼
成した後、後述する触媒体の調製におけると同様にして
得られたPd−Al23・CeO2スラリーを、その上
に被覆担持することによって、吸着体A7を得、更にそ
の中心軸に沿って直径25mmの吹き抜け孔を設けるこ
とによって吸着体A8を得た。なお、ゼオライトの総担
持量は最小の場合(吸着体A1)でも、計算上コールド
スタート140秒間にエンジンから排出される全てのH
Cを吸着するに要する量以上とした。
【0070】
【表1】
【0071】[触媒体の調製]:比表面積200m2
gの市販のγ−Al23に、Pd(NO3)2水溶液を用い
て、Pdを含浸し、乾燥後500℃で焼成してPd担持
Al23粉を得た。次いで、このPd担持Al23粉に
水と酢酸とを適量加え、更に30重量%のCeO2粉を
添加し、湿式解砕にて担持用スラリーを調製した。こう
して得られたPd−Al23・CeO2スラリーを日本
碍子(株)製のコーディエライトモノリス担体に被覆担持
し、500℃で焼成して表2に示す触媒体C1〜C6を
得た。表中、イ、ロは、上述の吸着体の調製と同様に、
各々単位体積当たりの熱容量が異なる担体種を示す。P
d−Al23・CeO2スラリーのモノリス担体単位体
積当たりの担持量は、触媒体C1〜C6で一定とした
が、一方、Pdの総担持量については触媒体C1〜C6
が触媒体全体として同一量を含むように、γ−Al23
にPdを含浸する際にその量を調整した。また、同様の
方法にて、Pt及びRhを含有する体積0.6lの触媒
体C7を得た。
【0072】
【表2】
【0073】[排ガス浄化システムの構成]:実エンジ
ンの排ガスを用い、上記により得られた吸着体及び触媒
体を、それぞれ入口排ガス温度が850℃となるように
排ガス流路中にセットし、当量点近傍(A/F=14.
4)にて60秒間運転した後、燃料供給を5秒間カット
して燃料リーン側にシフトさせるという燃料カットモー
ドを取り入れて合計100時間エージングした。こうし
てエージングを施した吸着体及び触媒体を用いて、表3
に示すような排ガス浄化システムI〜XIIIを構成した。
【0074】
【表3】
【0075】[排ガス浄化システムの評価]:排気量3
800cc、V6型のエンジンを搭載した試験車に、上
記システムI〜XIIIを搭載し、FTP試験(LA−4モ
ード)を実施した。なお、エンジンと吸着体(吸着体の
上流側にも触媒体を配置したシステムにおいては、その
上流側触媒体)との間には、上流側から順にO2センサ
ーと二次空気導入孔とを設け、いずれの実施例、比較例
においても、二次空気導入孔からエアポンプにて二次空
気を100l/minでエンジンクランクより250秒
間導入した。排ガスはCVS法により採取し、エミッシ
ョン値を算出した。コールドスタート特性の指標となる
Bag1のHCエミッション値を表4に示す。
【0076】
【表4】
【0077】 表4に示されるとおり、本発明に係る実
施例1〜11は、吸着体の総熱容量と触媒体の総熱容量
とのバランスがよく、結果的にいずれも比較例より優れ
たコールドスタート特性を示した。
【0078】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれ
ば、内燃機関から排出される排ガス中の有害成分、特に
コールドスタート時に大量発生するHCを効果的に浄化
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 DSC法による比熱容量測定の原理を示す説
明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野 宏重 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気管内に、排ガス中の炭化
    水素を吸着し得る吸着体を配置し、当該吸着体の排ガス
    流れ方向下流側に、排ガス中の有害成分を浄化し得る触
    媒体を配置した排ガス浄化システムであって、前記触媒
    体の総熱容量と前記吸着体の総熱容量との比(触媒体の
    総熱容量/吸着体の総熱容量)が0.02〜9.38で
    あることを特徴とする排ガス浄化システム。
  2. 【請求項2】 前記触媒体の総熱容量と前記吸着体の総
    熱容量との比(触媒体の総熱容量/吸着体の総熱容量)
    が2.75以下である請求項1記載の排ガス浄化システ
    ム。
  3. 【請求項3】 前記触媒体の総熱容量と前記吸着体の総
    熱容量との比(触媒体の総熱容量/吸着体の総熱容量)
    が1.72以下である請求項1記載の排ガス浄化システ
    ム。
  4. 【請求項4】 前記触媒体の総熱容量と前記吸着体の総
    熱容量との比(触媒体の総熱容量/吸着体の総熱容量)
    が0.06以上である請求項1記載の排ガス浄化システ
    ム。
  5. 【請求項5】 前記触媒体の総熱容量と前記吸着体の総
    熱容量との比(触媒体の総熱容量/吸着体の総熱容量)
    が0.07以上である請求項1記載の排ガス浄化システ
    ム。
  6. 【請求項6】 触媒体の総熱容量が80〜1500J/
    Kである請求項1記載の排ガス浄化システム。
  7. 【請求項7】 吸着体の総熱容量が160〜3900J
    /Kである請求項1記載の排ガス浄化システム。
  8. 【請求項8】 触媒体が、排ガス中の有害成分浄化能を
    有する触媒成分を含んだ触媒層をモノリス担体上に被覆
    担持してなるものである請求項1記載の排ガス浄化シス
    テム。
  9. 【請求項9】 吸着体が、炭化水素吸着能を有する吸着
    成分を含んだ吸着層をモノリス担体上に被覆担持してな
    るものである請求項1記載の排ガス浄化システム。
  10. 【請求項10】 触媒体の体積と吸着体の体積との比
    (触媒体の体積/吸着体の体積)が0.1〜2.0であ
    る請求項1記載の排ガス浄化システム。
  11. 【請求項11】 触媒体の体積が0.3〜2.0lであ
    る請求項8記載の排ガス浄化システム。
  12. 【請求項12】 吸着体の体積が0.5〜3.0lであ
    る請求項9記載の排ガス浄化システム。
  13. 【請求項13】 触媒体の軸方向に直角な断面の等面積
    円相当直径が65〜140mmである請求項8記載の排
    ガス浄化システム。
  14. 【請求項14】 吸着体の軸方向に直角な断面の等面積
    円相当直径が80〜200mmである請求項9記載の排
    ガス浄化システム。
  15. 【請求項15】 触媒体の軸方向の長さが30〜200
    mmである請求項8記載の排ガス浄化システム。
  16. 【請求項16】 吸着体の軸方向の長さが60〜300
    mmである請求項9記載の排ガス浄化システム。
  17. 【請求項17】 触媒体のモノリス担体のセル壁厚が5
    0〜200μmである請求項8記載の排ガス浄化システ
    ム。
  18. 【請求項18】 吸着体のモノリス担体のセル壁厚が1
    00〜400μmである請求項9記載の排ガス浄化シス
    テム。
  19. 【請求項19】 モノリス担体に被覆担持する触媒層の
    厚さが10〜100μmである請求項8記載の排ガス浄
    化システム。
  20. 【請求項20】 モノリス担体に被覆担持する吸着層の
    厚さが20〜150μmである請求項9記載の排ガス浄
    化システム。
  21. 【請求項21】 吸着体の排ガス流れ方向上流側に、更
    に別個の触媒体を配置した請求項1記載の排ガス浄化シ
    ステム。
  22. 【請求項22】 吸着体の排ガス流れ方向上流側に配置
    した触媒体の総熱容量と吸着体の総熱容量との比(触媒
    体の総熱容量/吸着体の総熱容量)が16.25以下で
    ある請求項21記載の排ガス浄化システム。
  23. 【請求項23】 吸着体の排ガス流れ方向上流側に配置
    した触媒体の総熱容量と吸着体の総熱容量との比(触媒
    体の総熱容量/吸着体の総熱容量)が3.75以下であ
    る請求項21記載の排ガス浄化システム。
  24. 【請求項24】 吸着体の排ガス流れ方向上流側に配置
    した触媒体の総熱容量と吸着体の総熱容量との比(触媒
    体の総熱容量/吸着体の総熱容量)が0.02以上であ
    る請求項21記載の排ガス浄化システム。
  25. 【請求項25】 吸着体の排ガス流れ方向上流側に配置
    した触媒体の総熱容量が80〜2600J/Kである請
    求項21記載の排ガス浄化システム。
  26. 【請求項26】 吸着体の排ガス流れ方向上流側に配置
    した触媒体が、排ガス中の有害成分浄化能を有する触媒
    成分を含んだ触媒層をモノリス担体上に被覆担持してな
    るものである請求項21記載の排ガス浄化システム。
  27. 【請求項27】 吸着体の排ガス流れ方向上流側に配置
    した触媒体の体積と吸着体の体積との比(触媒体の体積
    /吸着体の体積)が0.2〜1.5である請求項26記
    載の排ガス浄化システム。
  28. 【請求項28】 吸着体の排ガス流れ方向上流側に配置
    した触媒体の体積が0.2〜2.0lである請求項26
    記載の排ガス浄化システム。
  29. 【請求項29】 吸着体の排ガス流れ方向上流側に配置
    した触媒体の軸方向に直角な断面の等面積円相当直径が
    65〜115mmである請求項26記載の排ガス浄化シ
    ステム。
  30. 【請求項30】 吸着体の排ガス流れ方向上流側に配置
    した触媒体の軸方向の長さが30〜200mmである請
    求項26記載の排ガス浄化システム。
  31. 【請求項31】 吸着体の排ガス流れ方向下流側に配置
    した触媒体の更に下流側に、別個の触媒体を配置した請
    求項1記載の排ガス浄化システム。
  32. 【請求項32】 触媒層が、Pt、Pd及びRhのうち
    の少なくとも一種の貴金属と、当該貴金属を担持する耐
    熱性酸化物とからなる請求項8記載の排ガス浄化システ
    ム。
  33. 【請求項33】 吸着層がゼオライトを主成分とする請
    求項9記載の排ガス浄化システム。
  34. 【請求項34】 ゼオライトのSi/Alモル比が40
    以上である請求項33記載の排ガス浄化システム。
  35. 【請求項35】 ゼオライト中に、Pt、Pd及びRh
    のうちの少なくとも一種の貴金属が含まれる請求項33
    記載の排ガス浄化システム。
  36. 【請求項36】 ゼオライト中に、周期表のIB族元素
    (Cu、Ag、Au)のイオンが少なくとも一種含まれ
    る請求項33記載の排ガス浄化システム。
  37. 【請求項37】 ゼオライト中のIB族元素のイオンの
    含有率が、ゼオライト中のAl原子に対して20%以上
    である請求項36記載の排ガス浄化システム。
  38. 【請求項38】 ゼオライト中に、更にMg、Ca、S
    r、Ba、Y、La、Ti、Ce、Mn、Fe、Cr、
    Ni、Znの各種イオンから選ばれる少なくとも一種の
    イオンが含まれた請求項36記載の排ガス浄化システ
    ム。
  39. 【請求項39】 吸着層中に触媒成分が含まれるか、又
    は吸着層の表面に触媒成分を含む層が被覆担持された請
    求項9記載の排ガス浄化システム。
  40. 【請求項40】 吸着体に、モノリス担体の貫通孔(セ
    ル)の径よりも大きな径を有する吹き抜け孔が形成され
    た請求項9記載の排ガス浄化システム。
  41. 【請求項41】 排気管内に、電気通電加熱式ヒーター
    を設置した請求項1記載の排ガス浄化システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019019817A (ja) * 2017-07-11 2019-02-07 トヨタ自動車株式会社 排ガス浄化装置

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JP2019019817A (ja) * 2017-07-11 2019-02-07 トヨタ自動車株式会社 排ガス浄化装置

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