JPH10180105A - 窒素酸化物除去用酸化物触媒材料並びに窒素酸化物除去方法 - Google Patents
窒素酸化物除去用酸化物触媒材料並びに窒素酸化物除去方法Info
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- JPH10180105A JPH10180105A JP8341700A JP34170096A JPH10180105A JP H10180105 A JPH10180105 A JP H10180105A JP 8341700 A JP8341700 A JP 8341700A JP 34170096 A JP34170096 A JP 34170096A JP H10180105 A JPH10180105 A JP H10180105A
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- nitrogen oxides
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Abstract
(57)【要約】
【課題】水蒸気存在下や高酸素濃度雰囲気下、低反応性
のアルカン類が存在する排気ガス中で、高いNOx 還元
分解作用を有し、省エネルギー、省資源及び地球温暖化
防止用として各種内燃機関の排気ガスを浄化する触媒材
料並びにそれを用いた窒素酸化物除去方法を提供する。 【解決手段】NiとGaを主たる金属元素として含有す
るスピネル型結晶性複合酸化物に酸化クロム(Cr2 O
3 ) を0.5〜20.0重量%添加して成ることを特徴
とする窒素酸化物除去用酸化物触媒材料とし、該酸化物
触媒材料を高濃度酸素雰囲気下、アルカン類の炭化水素
ガスが存在する酸化性雰囲気中で窒素酸化物を含む排気
ガスと接触させて窒素酸化物を還元分解し除去する。
のアルカン類が存在する排気ガス中で、高いNOx 還元
分解作用を有し、省エネルギー、省資源及び地球温暖化
防止用として各種内燃機関の排気ガスを浄化する触媒材
料並びにそれを用いた窒素酸化物除去方法を提供する。 【解決手段】NiとGaを主たる金属元素として含有す
るスピネル型結晶性複合酸化物に酸化クロム(Cr2 O
3 ) を0.5〜20.0重量%添加して成ることを特徴
とする窒素酸化物除去用酸化物触媒材料とし、該酸化物
触媒材料を高濃度酸素雰囲気下、アルカン類の炭化水素
ガスが存在する酸化性雰囲気中で窒素酸化物を含む排気
ガスと接触させて窒素酸化物を還元分解し除去する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒素酸化物を還元
除去することができる新規な酸化物触媒材料並びにこれ
を用いて炭化水素を含有した排気ガス中の窒素酸化物を
除去する方法に関するもので、とりわけ排気ガス温度が
低く、しかもアルカン類の炭化水素を含有したディーゼ
ルエンジン等の自動車排気ガス浄化用として好適な窒素
酸化物除去用酸化物触媒材料並びに該酸化物触媒材料を
用いて低温でアルカン類の炭化水素を含有した排気ガス
中の窒素酸化物を除去する方法に関するものである。
除去することができる新規な酸化物触媒材料並びにこれ
を用いて炭化水素を含有した排気ガス中の窒素酸化物を
除去する方法に関するもので、とりわけ排気ガス温度が
低く、しかもアルカン類の炭化水素を含有したディーゼ
ルエンジン等の自動車排気ガス浄化用として好適な窒素
酸化物除去用酸化物触媒材料並びに該酸化物触媒材料を
用いて低温でアルカン類の炭化水素を含有した排気ガス
中の窒素酸化物を除去する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、各種汚染物質による大気の汚れが
大きな社会問題となり、その中でも大気汚染の移動発生
源となっている自動車の排気ガスに含まれるNOx 、 C
Ox 等の有害物質を分解、除去する方法の開発が急務と
なっている。
大きな社会問題となり、その中でも大気汚染の移動発生
源となっている自動車の排気ガスに含まれるNOx 、 C
Ox 等の有害物質を分解、除去する方法の開発が急務と
なっている。
【0003】従来より、自動車の排気ガス中のNOx 、
COx 等の有害物質を分解、除去する方法としては、一
酸化炭素(CO)および炭化水素(Cx Hy ) の酸化と
窒素酸化物(NOx ) の還元を同時に行う三元触媒が汎
用されてきた。
COx 等の有害物質を分解、除去する方法としては、一
酸化炭素(CO)および炭化水素(Cx Hy ) の酸化と
窒素酸化物(NOx ) の還元を同時に行う三元触媒が汎
用されてきた。
【0004】そのような方法に用いられる三元触媒とし
ては、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、ロジウム
(Rh)等の貴金属を、γ−アルミナ(Al2 O3 ) で
被覆したコージェライト等の耐火性担体に担持したもの
が用いられてきた。
ては、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、ロジウム
(Rh)等の貴金属を、γ−アルミナ(Al2 O3 ) で
被覆したコージェライト等の耐火性担体に担持したもの
が用いられてきた。
【0005】しかしながら、前記三元触媒は、およそ
0.5%程度の低酸素濃度においては排気ガスの浄化を
効率良く行うことができるものの、排気ガス中の酸素濃
度が1%を越えるような高濃度雰囲気中では有効に働か
ないという欠点があった。
0.5%程度の低酸素濃度においては排気ガスの浄化を
効率良く行うことができるものの、排気ガス中の酸素濃
度が1%を越えるような高濃度雰囲気中では有効に働か
ないという欠点があった。
【0006】一方、前記欠点を回避するため、排気ガス
中の酸素濃度を測定し、常にCO及びCx Hy 、NOx
を高い浄化率で処理し得る理論当量値に近い範囲の空燃
比となるように制御することも行われているが、前記C
O及びCx Hy と、NOx の発生メカニズムが相反する
特性を有することから、限られた状態での燃焼を維持し
なければならず、前記のような高い酸素濃度中での排気
ガス浄化はほとんどできていないのが現状である。
中の酸素濃度を測定し、常にCO及びCx Hy 、NOx
を高い浄化率で処理し得る理論当量値に近い範囲の空燃
比となるように制御することも行われているが、前記C
O及びCx Hy と、NOx の発生メカニズムが相反する
特性を有することから、限られた状態での燃焼を維持し
なければならず、前記のような高い酸素濃度中での排気
ガス浄化はほとんどできていないのが現状である。
【0007】そこで、係る高濃度の酸素共存下でもNO
x を効率よく除去できる触媒として、金属を担持した疎
水性ゼオライト等の銅イオン交換ゼオライト、あるいは
メタルシリケート、アルミナ触媒等が提案されている
(特開平4−349938号公報参照)。
x を効率よく除去できる触媒として、金属を担持した疎
水性ゼオライト等の銅イオン交換ゼオライト、あるいは
メタルシリケート、アルミナ触媒等が提案されている
(特開平4−349938号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自動車
用エンジン等の排気ガス中には、NOx 還元反応に対し
反応性の高いアルケン類の炭化水素とともに、比較的に
低反応性のアルカン類の炭化水素が存在しており、この
ガスは、窒素酸化物還元除去反応のための還元剤として
は、有効に作用しないという課題があった。
用エンジン等の排気ガス中には、NOx 還元反応に対し
反応性の高いアルケン類の炭化水素とともに、比較的に
低反応性のアルカン類の炭化水素が存在しており、この
ガスは、窒素酸化物還元除去反応のための還元剤として
は、有効に作用しないという課題があった。
【0009】
【発明の目的】本発明は、ディーゼルエンジンをはじめ
とする各種自動車用エンジン等の水分を含む酸素濃度が
高く、かつアルカン類を含む排気ガス中のNOx を浄化
することができる有用な触媒材料並びにそれを用いた窒
素酸化物除去方法を提供するものである。
とする各種自動車用エンジン等の水分を含む酸素濃度が
高く、かつアルカン類を含む排気ガス中のNOx を浄化
することができる有用な触媒材料並びにそれを用いた窒
素酸化物除去方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題に鑑
みなされたもので、 Ni及びGaを主たる金属元素とし
て含有するスピネル型結晶性複合酸化物に、Cr2 O3
を0.5〜20.0重量%添加した触媒材料が、アルカ
ン類を還元剤として用いた窒素酸化物還元除去反応に有
効であることを見いだしたものである。
みなされたもので、 Ni及びGaを主たる金属元素とし
て含有するスピネル型結晶性複合酸化物に、Cr2 O3
を0.5〜20.0重量%添加した触媒材料が、アルカ
ン類を還元剤として用いた窒素酸化物還元除去反応に有
効であることを見いだしたものである。
【0011】即ち、本発明の窒素酸化物除去用酸化物触
媒材料は、Ni及びGaを主たる金属元素として含有す
るスピネル型結晶性複合酸化物に、Cr2 O3 を0.5
〜20.0重量%添加して成る触媒材料である。
媒材料は、Ni及びGaを主たる金属元素として含有す
るスピネル型結晶性複合酸化物に、Cr2 O3 を0.5
〜20.0重量%添加して成る触媒材料である。
【0012】更に、本発明の窒素酸化物除去方法は、高
濃度の酸素と還元性を有する炭素含有ガス、特にプロパ
ン(C3 H8 )、ブタン(C4 H10)、エタン(C2 H
6 )等のアルカン類が存在する酸化性雰囲気中で、Ni
とGaを金属元素として含有するスピネル型結晶性複合
酸化物に、Cr2 O3 を添加して成る触媒材料と窒素酸
化物を含む排気ガスを接触させることを特徴とするもの
である。
濃度の酸素と還元性を有する炭素含有ガス、特にプロパ
ン(C3 H8 )、ブタン(C4 H10)、エタン(C2 H
6 )等のアルカン類が存在する酸化性雰囲気中で、Ni
とGaを金属元素として含有するスピネル型結晶性複合
酸化物に、Cr2 O3 を添加して成る触媒材料と窒素酸
化物を含む排気ガスを接触させることを特徴とするもの
である。
【0013】一方、前記複合酸化物に添加するCr2 O
3 の量は、0.5重量%より少ないと、触媒活性の向上
効果が現れず、逆に、20.0重量%を越えると触媒活
性が低下してしまうことから、0.5〜20.0重量%
に特定され、触媒活性温度域の点からは1.0〜10.
0重量%が好ましく、更に、NO除去率の最大活性値と
いう点から見ると、3.0〜7.0重量%が最も望まし
い。
3 の量は、0.5重量%より少ないと、触媒活性の向上
効果が現れず、逆に、20.0重量%を越えると触媒活
性が低下してしまうことから、0.5〜20.0重量%
に特定され、触媒活性温度域の点からは1.0〜10.
0重量%が好ましく、更に、NO除去率の最大活性値と
いう点から見ると、3.0〜7.0重量%が最も望まし
い。
【0014】また、前記スピネル型結晶性複合酸化物
は、NOx を含有する排気ガスと接触させることによ
り、排気ガス中に含まれる酸素濃度が3%以上の高濃度
であっても、その上、水蒸気存在下においても、反応性
の低いアルカン類の炭化水素が存在する雰囲気下で、優
れたNOx 還元性能を有するものである。
は、NOx を含有する排気ガスと接触させることによ
り、排気ガス中に含まれる酸素濃度が3%以上の高濃度
であっても、その上、水蒸気存在下においても、反応性
の低いアルカン類の炭化水素が存在する雰囲気下で、優
れたNOx 還元性能を有するものである。
【0015】尚、前記複合酸化物は、主たる金属元素と
してNiとGaを含有し、Ga/Niの原子比nが2.
5〜3.3の比率から成るスピネル型結晶性複合酸化物
であり、NiGan O4+z ( 但し、n=2.5〜3.
5)の一般式で表されるものであり、前記式中の(O
4+z ) は複合酸化物として安定に存在するために必要な
酸素量であり、該酸素量は前記nの値により0.2以下
の範囲で随時変化するものである。
してNiとGaを含有し、Ga/Niの原子比nが2.
5〜3.3の比率から成るスピネル型結晶性複合酸化物
であり、NiGan O4+z ( 但し、n=2.5〜3.
5)の一般式で表されるものであり、前記式中の(O
4+z ) は複合酸化物として安定に存在するために必要な
酸素量であり、該酸素量は前記nの値により0.2以下
の範囲で随時変化するものである。
【0016】また、本発明で用いられる複合酸化物は、
Ga/Niの原子比nの値が2.5〜3.3の範囲を逸
脱すると触媒活性が低下するため、前記範囲に特定さ
れ、とりわけNO除去率の最大値を考慮すると2.8〜
3.0が最も望ましい。
Ga/Niの原子比nの値が2.5〜3.3の範囲を逸
脱すると触媒活性が低下するため、前記範囲に特定さ
れ、とりわけNO除去率の最大値を考慮すると2.8〜
3.0が最も望ましい。
【0017】
【作用】本発明の窒素酸化物除去用酸化物触媒材料並び
に窒素酸化物除去方法によれば、該酸化物触媒材料はN
i及びGaを金属元素として含有するスピネル型結晶性
複合酸化物にCr2 O3 を0.5〜20.0重量%添加
したものであることから、Cr2 O3 自体はNOx 還元
分解能を示さないものの、添加されたCr2 O3がアル
カン類のNO還元反応への関与を促進し、アルケン類を
還元剤とした場合と同様のNOx 還元分解特性が得られ
る。
に窒素酸化物除去方法によれば、該酸化物触媒材料はN
i及びGaを金属元素として含有するスピネル型結晶性
複合酸化物にCr2 O3 を0.5〜20.0重量%添加
したものであることから、Cr2 O3 自体はNOx 還元
分解能を示さないものの、添加されたCr2 O3がアル
カン類のNO還元反応への関与を促進し、アルケン類を
還元剤とした場合と同様のNOx 還元分解特性が得られ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の窒素酸化物除去用
酸化物触媒材料並びに窒素酸化物除去方法について、実
施例に基づき詳細を述べる。
酸化物触媒材料並びに窒素酸化物除去方法について、実
施例に基づき詳細を述べる。
【0019】先ず、本発明の窒素酸化物除去用酸化物触
媒材料の製造方法について一例を詳述する。
媒材料の製造方法について一例を詳述する。
【0020】本発明の複合酸化物は、Ni及びGaを含
有する原料粉末を、Ga/Niの原子比nが2.5〜
3.3となるように秤量して十分に攪拌混合した後、酸
化性雰囲気中、500〜1600℃の温度で5〜30時
間熱処理することにより、金属元素としてNi及びGa
を含有したスピネル型結晶を主結晶相とする複合酸化物
粉末が得られる。
有する原料粉末を、Ga/Niの原子比nが2.5〜
3.3となるように秤量して十分に攪拌混合した後、酸
化性雰囲気中、500〜1600℃の温度で5〜30時
間熱処理することにより、金属元素としてNi及びGa
を含有したスピネル型結晶を主結晶相とする複合酸化物
粉末が得られる。
【0021】前記原料粉末としては、Ni及びGaの酸
化物や熱処理により酸化物を生成するそれらの炭酸塩、
硝酸塩、酢酸塩等を用いることができる。
化物や熱処理により酸化物を生成するそれらの炭酸塩、
硝酸塩、酢酸塩等を用いることができる。
【0022】また、前記複合酸化物は前記以外に酸化物
や他の金属塩による固相反応法や、金属アルコキシド等
のゾル−ゲル法等によっても合成できるものであり、何
等これら製造方法に限定されるものではない。
や他の金属塩による固相反応法や、金属アルコキシド等
のゾル−ゲル法等によっても合成できるものであり、何
等これら製造方法に限定されるものではない。
【0023】前記製造方法において、いずれも熱処理
は、該熱処理温度が500℃より低いと結晶化が不十分
となり、逆に1600℃を越えると緻密化してしまうた
め、500〜1600℃の温度で、酸化性雰囲気中、5
〜30時間行うが、特に低い温度で熱処理することが粉
末の比表面積を高める上で有効であり、実用的には、比
表面積が35m2 /g以上となるように設定することが
望ましい。
は、該熱処理温度が500℃より低いと結晶化が不十分
となり、逆に1600℃を越えると緻密化してしまうた
め、500〜1600℃の温度で、酸化性雰囲気中、5
〜30時間行うが、特に低い温度で熱処理することが粉
末の比表面積を高める上で有効であり、実用的には、比
表面積が35m2 /g以上となるように設定することが
望ましい。
【0024】尚、Cr2 O3 添加時の前記複合酸化物粉
末は、排気ガスとの接触面積を確保して、窒素酸化物を
効果的に分解除去するという点からは、高い比表面積を
有するものが望ましく、その比表面積は30〜120m
2 /g、特に40〜90m2/gであることが好まし
い。
末は、排気ガスとの接触面積を確保して、窒素酸化物を
効果的に分解除去するという点からは、高い比表面積を
有するものが望ましく、その比表面積は30〜120m
2 /g、特に40〜90m2/gであることが好まし
い。
【0025】前記Cr2 O3 の原料粉末としては、熱処
理により酸化物を生成するそれらの炭酸塩、硝酸塩、酢
酸塩等を用いることができ、それらを大気中で、300
〜800℃の温度で1〜5時間熱処理してCr2 O3 原
料粉末が得られる。
理により酸化物を生成するそれらの炭酸塩、硝酸塩、酢
酸塩等を用いることができ、それらを大気中で、300
〜800℃の温度で1〜5時間熱処理してCr2 O3 原
料粉末が得られる。
【0026】尚、前記Cr2 O3 の添加方法としては、
該Cr2 O3 粉末と前記複合酸化物粉末をボールミルや
乳鉢で粉砕混合する方法等があるが、本発明ではこれら
の混合方法に何ら限定されるものではない。
該Cr2 O3 粉末と前記複合酸化物粉末をボールミルや
乳鉢で粉砕混合する方法等があるが、本発明ではこれら
の混合方法に何ら限定されるものではない。
【0027】
【実施例】次に、本発明を以下に詳述するようにして評
価した。先ず、出発原料としてNi(NO3 ) 2 ・6H
2 O、及びGa(NO3 ) 2 ・9H2 Oの試薬を用い、
NiとGaの金属比が1対3になるように秤量し、これ
らの試薬を蒸留水中に溶解させ、攪拌しながらアンモニ
ア水で中和し、この時、生成した沈殿物を濾過、洗浄し
て凍結乾燥させた。
価した。先ず、出発原料としてNi(NO3 ) 2 ・6H
2 O、及びGa(NO3 ) 2 ・9H2 Oの試薬を用い、
NiとGaの金属比が1対3になるように秤量し、これ
らの試薬を蒸留水中に溶解させ、攪拌しながらアンモニ
ア水で中和し、この時、生成した沈殿物を濾過、洗浄し
て凍結乾燥させた。
【0028】かくして得られた乾燥粉末を、大気中にて
700℃の温度で30時間熱処理し、比表面積が40〜
50m2 /gのスピネル型結晶性複合酸化物粉末を得
た。
700℃の温度で30時間熱処理し、比表面積が40〜
50m2 /gのスピネル型結晶性複合酸化物粉末を得
た。
【0029】次に、前記スピネル型結晶性複合酸化物に
対してCr2 O3 粉末を表1に示す割合で添加混合した
後、該混合粉末を金型プレスにより成形し、該成型物を
解砕して篩別し、500μmを越え、700μm以下に
整粒して評価用試料を調製した。尚、Cr2 O3 を添加
しないものを比較例とした。
対してCr2 O3 粉末を表1に示す割合で添加混合した
後、該混合粉末を金型プレスにより成形し、該成型物を
解砕して篩別し、500μmを越え、700μm以下に
整粒して評価用試料を調製した。尚、Cr2 O3 を添加
しないものを比較例とした。
【0030】かくして得られた評価用試料の各粉末を用
いてX線回折測定(XRD)により結晶相を同定し、本
発明に係る評価用試料はいずれも結晶相がスピネル結晶
とCr2 O3 結晶相から成ることを確認した。尚、本発
明の窒素酸化物除去用酸化物触媒材料の代表的なX線回
折測定結果として、表1に示す試料番号6の評価用試料
のX線回折記録図を図1に示す。
いてX線回折測定(XRD)により結晶相を同定し、本
発明に係る評価用試料はいずれも結晶相がスピネル結晶
とCr2 O3 結晶相から成ることを確認した。尚、本発
明の窒素酸化物除去用酸化物触媒材料の代表的なX線回
折測定結果として、表1に示す試料番号6の評価用試料
のX線回折記録図を図1に示す。
【0031】次いで、模擬排ガスとしてNOが1000
ppm、O2 が10%、アルカン類の炭化水素としてプ
ロパン(C3 H8 )、ブタン(C4 H10)、エタン(C
2 H6 )のいずれか一種が666ppm、残部がHeか
ら成る反応ガスを、該反応ガスと触媒材料が接触する条
件として、空間速度(SV)を40000/hr.に設
定し、前記評価用試料を充填した触媒層に流し、300
〜550℃の温度範囲で触媒層を通過して生成したN2
ガスをガスクロマトグラフで測定した。
ppm、O2 が10%、アルカン類の炭化水素としてプ
ロパン(C3 H8 )、ブタン(C4 H10)、エタン(C
2 H6 )のいずれか一種が666ppm、残部がHeか
ら成る反応ガスを、該反応ガスと触媒材料が接触する条
件として、空間速度(SV)を40000/hr.に設
定し、前記評価用試料を充填した触媒層に流し、300
〜550℃の温度範囲で触媒層を通過して生成したN2
ガスをガスクロマトグラフで測定した。
【0032】触媒のNO還元分解能は、触媒層出口側の
N2 濃度(ppm)の2倍の値を、触媒層入口側のNO
濃度(ppm)で除した百分率をNO除去率(%)と
し、各温度でのNO除去率を求めた。
N2 濃度(ppm)の2倍の値を、触媒層入口側のNO
濃度(ppm)で除した百分率をNO除去率(%)と
し、各温度でのNO除去率を求めた。
【0033】その結果から、400℃におけるNO還元
活性が20%未満の試料を不良、20%以上、30%未
満の試料を良、30%以上の試料を優と評価した。
活性が20%未満の試料を不良、20%以上、30%未
満の試料を良、30%以上の試料を優と評価した。
【0034】
【表1】
【0035】表から明らかなように、Ni−Gaスピネ
ル型結晶性複合酸化物のみを触媒とし、還元剤として低
反応性のC3 H8 、C4 H10、C2 H6 のアルカン類を
用いた比較例の試料番号1、12、20では、いずれも
400℃の温度におけるNO除去率は7.7%以下と非
常に低くく、又、本発明の請求範囲外である試料番号
2、11、19、27においても400℃の温度でのN
O除去率は19.2%以下である。
ル型結晶性複合酸化物のみを触媒とし、還元剤として低
反応性のC3 H8 、C4 H10、C2 H6 のアルカン類を
用いた比較例の試料番号1、12、20では、いずれも
400℃の温度におけるNO除去率は7.7%以下と非
常に低くく、又、本発明の請求範囲外である試料番号
2、11、19、27においても400℃の温度でのN
O除去率は19.2%以下である。
【0036】それに対して、本発明では400℃の温度
におけるNO除去率は最大で37.0%を示し、還元剤
として低反応性のアルカン類を用いても、Cr2 O3 が
アルカン類の反応性を向上させ、NO還元反応への関与
を促進したことが分かる。
におけるNO除去率は最大で37.0%を示し、還元剤
として低反応性のアルカン類を用いても、Cr2 O3 が
アルカン類の反応性を向上させ、NO還元反応への関与
を促進したことが分かる。
【0037】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明の窒素酸化
物除去用酸化物触媒材料並びに窒素酸化物除去方法によ
れば、該酸化物触媒材料はニッケル(Ni)とガリウム
(Ga)を主たる金属元素として含有するスピネル型結
晶性複合酸化物に酸化クロム(Cr2 O3 ) を0.5〜
20.0重量%添加して成ることを特徴とする窒素酸化
物除去用酸化物触媒材料であり、高濃度の酸素と還元性
を有するアルカン類の炭化水素ガスが存在する酸化性雰
囲気中で前記酸化物触媒材料と窒素酸化物を含む排気ガ
スを接触させることから、水蒸気が存在する雰囲気中で
あっても、優れたNOx 還元性能を有し、排ガス中に含
まれるNOx を有効に還元除去することができる。
物除去用酸化物触媒材料並びに窒素酸化物除去方法によ
れば、該酸化物触媒材料はニッケル(Ni)とガリウム
(Ga)を主たる金属元素として含有するスピネル型結
晶性複合酸化物に酸化クロム(Cr2 O3 ) を0.5〜
20.0重量%添加して成ることを特徴とする窒素酸化
物除去用酸化物触媒材料であり、高濃度の酸素と還元性
を有するアルカン類の炭化水素ガスが存在する酸化性雰
囲気中で前記酸化物触媒材料と窒素酸化物を含む排気ガ
スを接触させることから、水蒸気が存在する雰囲気中で
あっても、優れたNOx 還元性能を有し、排ガス中に含
まれるNOx を有効に還元除去することができる。
【図1】本発明の窒素酸化物除去用酸化物触媒材料の代
表的なX線回折測定結果を示すX線回折記録図である。
表的なX線回折測定結果を示すX線回折記録図である。
Claims (6)
- 【請求項1】ニッケル(Ni)とガリウム(Ga)を主
たる金属元素として含有するスピネル型結晶性複合酸化
物に、酸化クロム(Cr2 O3 ) を前記スピネル型結晶
性複合酸化物に対して0.5〜20.0重量%添加して
成ることを特徴とする窒素酸化物除去用酸化物触媒材
料。 - 【請求項2】前記酸化クロム(Cr2 O3 ) をスピネル
型結晶性複合酸化物に対して1.0〜10.0重量%添
加して成ることを特徴とする請求項1記載の窒素酸化物
除去用酸化物触媒材料。 - 【請求項3】前記酸化クロム(Cr2 O3 ) をスピネル
型結晶性複合酸化物に対して3.0〜7.0重量%添加
して成ることを特徴とする請求項1記載の窒素酸化物除
去用酸化物触媒材料。 - 【請求項4】酸素と還元性を有する炭素含有ガスが存在
する酸化性雰囲気中で、ニッケル(Ni)とガリウム
(Ga)を主たる金属元素として含有するスピネル型結
晶性複合酸化物に、酸化クロム(Cr2 O3 ) を前記ス
ピネル型結晶性複合酸化物に対して0.5〜20.0重
量%添加して成る窒素酸化物除去用酸化物触媒材料と窒
素酸化物を含む排気ガスとを接触させることを特徴とす
る窒素酸化物除去方法。 - 【請求項5】前記酸化クロム(Cr2 O3 ) をスピネル
型結晶性複合酸化物に対して1.0〜10.0重量%添
加して成る窒素酸化物除去用酸化物触媒材料と、窒素酸
化物を含む排気ガスとを接触させることを特徴とする請
求項4記載の窒素酸化物除去方法。 - 【請求項6】前記酸化クロム(Cr2 O3 ) をスピネル
型結晶性複合酸化物に対して3.0〜7.0重量%添加
して成る窒素酸化物除去用酸化物触媒材料と、窒素酸化
物を含む排気ガスとを接触させることを特徴とする請求
項4記載の窒素酸化物除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8341700A JPH10180105A (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | 窒素酸化物除去用酸化物触媒材料並びに窒素酸化物除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8341700A JPH10180105A (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | 窒素酸化物除去用酸化物触媒材料並びに窒素酸化物除去方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10180105A true JPH10180105A (ja) | 1998-07-07 |
Family
ID=18348107
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8341700A Pending JPH10180105A (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | 窒素酸化物除去用酸化物触媒材料並びに窒素酸化物除去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10180105A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013022359A1 (en) | 2011-08-08 | 2013-02-14 | Uniwersytet Jagielloński | Catalyst for direct decomposition of nitric oxide and method of manufacturing the catalyst |
WO2014196883A1 (en) | 2013-06-05 | 2014-12-11 | Uniwersytet Jagielloński | A monolithic catalyst for simultaneous removal of nox and carbon particles, especially from off-gases of carbon power plants as well as the manner of production of the monolithic catalyst for simultaneous removal of nox and carbon particles, especially from off-gases of carbon power plants |
-
1996
- 1996-12-20 JP JP8341700A patent/JPH10180105A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013022359A1 (en) | 2011-08-08 | 2013-02-14 | Uniwersytet Jagielloński | Catalyst for direct decomposition of nitric oxide and method of manufacturing the catalyst |
WO2014196883A1 (en) | 2013-06-05 | 2014-12-11 | Uniwersytet Jagielloński | A monolithic catalyst for simultaneous removal of nox and carbon particles, especially from off-gases of carbon power plants as well as the manner of production of the monolithic catalyst for simultaneous removal of nox and carbon particles, especially from off-gases of carbon power plants |
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