JPH09165583A - 炭化水素の熱クラッキング方法 - Google Patents
炭化水素の熱クラッキング方法Info
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- JPH09165583A JPH09165583A JP8275861A JP27586196A JPH09165583A JP H09165583 A JPH09165583 A JP H09165583A JP 8275861 A JP8275861 A JP 8275861A JP 27586196 A JP27586196 A JP 27586196A JP H09165583 A JPH09165583 A JP H09165583A
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- C10—PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
- C10G—CRACKING HYDROCARBON OILS; PRODUCTION OF LIQUID HYDROCARBON MIXTURES, e.g. BY DESTRUCTIVE HYDROGENATION, OLIGOMERISATION, POLYMERISATION; RECOVERY OF HYDROCARBON OILS FROM OIL-SHALE, OIL-SAND, OR GASES; REFINING MIXTURES MAINLY CONSISTING OF HYDROCARBONS; REFORMING OF NAPHTHA; MINERAL WAXES
- C10G11/00—Catalytic cracking, in the absence of hydrogen, of hydrocarbon oils
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C10—PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
- C10G—CRACKING HYDROCARBON OILS; PRODUCTION OF LIQUID HYDROCARBON MIXTURES, e.g. BY DESTRUCTIVE HYDROGENATION, OLIGOMERISATION, POLYMERISATION; RECOVERY OF HYDROCARBON OILS FROM OIL-SHALE, OIL-SAND, OR GASES; REFINING MIXTURES MAINLY CONSISTING OF HYDROCARBONS; REFORMING OF NAPHTHA; MINERAL WAXES
- C10G69/00—Treatment of hydrocarbon oils by at least one hydrotreatment process and at least one other conversion process
- C10G69/02—Treatment of hydrocarbon oils by at least one hydrotreatment process and at least one other conversion process plural serial stages only
- C10G69/06—Treatment of hydrocarbon oils by at least one hydrotreatment process and at least one other conversion process plural serial stages only including at least one step of thermal cracking in the absence of hydrogen
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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- C10G9/00—Thermal non-catalytic cracking, in the absence of hydrogen, of hydrocarbon oils
- C10G9/14—Thermal non-catalytic cracking, in the absence of hydrogen, of hydrocarbon oils in pipes or coils with or without auxiliary means, e.g. digesters, soaking drums, expansion means
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- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 炭化水素の熱クラッキング方法において、ク
ラッキング時に処理クラッキング管表面にコークスが生
成堆積することを抑制して、前記クラッキング管の効果
を引き延ばす。 【解決手段】 クラッキング管に防汚材料(錫、珪素化
合物)処理を施し、その効果を高めるため、クラッキン
グに脱硫炭化水素供給原料を使用する。
ラッキング時に処理クラッキング管表面にコークスが生
成堆積することを抑制して、前記クラッキング管の効果
を引き延ばす。 【解決手段】 クラッキング管に防汚材料(錫、珪素化
合物)処理を施し、その効果を高めるため、クラッキン
グに脱硫炭化水素供給原料を使用する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素の熱クラ
ッキング方法に関するものであり、特に、炭化水素を熱
クラッキングする間のコークス生成の抑制に関し処理熱
クラッキング管の効果を延長する方法に関する。
ッキング方法に関するものであり、特に、炭化水素を熱
クラッキングする間のコークス生成の抑制に関し処理熱
クラッキング管の効果を延長する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン化合物の製造法においては、
エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ナフサやそれら
の2またはそれ以上の混合物である飽和炭化水素を含有
する流体流を熱クラッキング炉に供給する。通常、水蒸
気のような希釈流体を炭化水素投入原料と混合してクラ
ッキング炉に導入する。
エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ナフサやそれら
の2またはそれ以上の混合物である飽和炭化水素を含有
する流体流を熱クラッキング炉に供給する。通常、水蒸
気のような希釈流体を炭化水素投入原料と混合してクラ
ッキング炉に導入する。
【0003】クラッキング炉内で飽和炭化水素をオレフ
ィン化合物に転換する。例えば、エタン流をクラッキン
グ炉に導入し、エチレンと相当量の他の炭化水素に転換
する。プロパン流をクラッキング炉に導入し、エチレン
とプロピレン、と相当量の他の炭化水素に転換する。同
様に、エタン、プロパン、ブタン、ペンタンやナフサを
含有する飽和炭化水素をエチレン、プロピレン、ブテ
ン、ペンテンやナフタレンを含有するオレフィン化合物
の混合物に転換する。オレフィン化合物は重要な種類の
工業化学材料である。例えば、エチレンはモノマーまた
はコモノマーとしてポリエチレン製造に用い、オレフィ
ン化合物のその他の用途は当業者には周知のことであ
る。
ィン化合物に転換する。例えば、エタン流をクラッキン
グ炉に導入し、エチレンと相当量の他の炭化水素に転換
する。プロパン流をクラッキング炉に導入し、エチレン
とプロピレン、と相当量の他の炭化水素に転換する。同
様に、エタン、プロパン、ブタン、ペンタンやナフサを
含有する飽和炭化水素をエチレン、プロピレン、ブテ
ン、ペンテンやナフタレンを含有するオレフィン化合物
の混合物に転換する。オレフィン化合物は重要な種類の
工業化学材料である。例えば、エチレンはモノマーまた
はコモノマーとしてポリエチレン製造に用い、オレフィ
ン化合物のその他の用途は当業者には周知のことであ
る。
【0004】炉クラッキング操作の結果としてクラッキ
ング炉内に”コークス”と呼ぶ半純粋な炭素が生成す
る。クラッキング炉から流出物として流出する気体混合
物を冷却する熱交換機内にもコークスが生成する。通
常、コークスの生成は、気相中の均質熱反応(熱コーク
ス化)、と気相中の炭化水素とクラッキング管または熱
交換機の壁中の金属間の不均一接触反応(接触コークス
化)の混成で生ずる。
ング炉内に”コークス”と呼ぶ半純粋な炭素が生成す
る。クラッキング炉から流出物として流出する気体混合
物を冷却する熱交換機内にもコークスが生成する。通
常、コークスの生成は、気相中の均質熱反応(熱コーク
ス化)、と気相中の炭化水素とクラッキング管または熱
交換機の壁中の金属間の不均一接触反応(接触コークス
化)の混成で生ずる。
【0005】通常、コークスは、投入原料流と接触する
クラッキング管の金属表面およびクラッキング炉からの
気体流出物と接触する熱交換機の金属表面に生成する。
しかし、コークスは、高温度で炭化水素に暴露される接
続導管や他の金属表面にも生成し得ることは認識されて
しかるべきである。そこで、以下の文においては、”金
属”の用語は、クラッキング方法体系における炭化水素
に暴露され且つコークス堆積を受ける装置の全ての金属
を指して用いるものとする。
クラッキング管の金属表面およびクラッキング炉からの
気体流出物と接触する熱交換機の金属表面に生成する。
しかし、コークスは、高温度で炭化水素に暴露される接
続導管や他の金属表面にも生成し得ることは認識されて
しかるべきである。そこで、以下の文においては、”金
属”の用語は、クラッキング方法体系における炭化水素
に暴露され且つコークス堆積を受ける装置の全ての金属
を指して用いるものとする。
【0006】正常のクラッキング炉の取扱い方法では、
周期的に休炉して堆積コークスを燃焼除去している。こ
の休止時間は生産の実質的損失となる。さらに、コーク
スは熱の高絶縁体である。従って、コークスが堆積した
時に、クラッキング領域の気体温度を所望の水準に維持
するために高い炉温度が必要となる。このような高い温
度は燃料消費を増大し、管の短寿命化を招く結果とな
る。
周期的に休炉して堆積コークスを燃焼除去している。こ
の休止時間は生産の実質的損失となる。さらに、コーク
スは熱の高絶縁体である。従って、コークスが堆積した
時に、クラッキング領域の気体温度を所望の水準に維持
するために高い炉温度が必要となる。このような高い温
度は燃料消費を増大し、管の短寿命化を招く結果とな
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】金属上のコークス生成
を抑制または減少させる方法で、当業者に知られた幾つ
かの方法がある。例えば、米国特許第4692234号
には、クラッキング方法体系の金属表面のコークス生成
を減少する方法に関する記述があり、それによればそれ
らの金属表面は錫または珪素含有する防汚剤で処理が施
されている。
を抑制または減少させる方法で、当業者に知られた幾つ
かの方法がある。例えば、米国特許第4692234号
には、クラッキング方法体系の金属表面のコークス生成
を減少する方法に関する記述があり、それによればそれ
らの金属表面は錫または珪素含有する防汚剤で処理が施
されている。
【0008】錫および珪素含有防汚剤の利用に関する1
つの現象は、使用中におけるクラッキング管の金属表面
処理効果の減損であった。防汚剤処理のクラッキング管
を炭化水素の熱クラッキングに用いる時、管の防汚剤処
理はコークス化速度を有効に減少するが、使用中に処理
の効果が失われることも観察されている。そして、処理
効果の急速な減損の原因が発見でき、はじめてこの問題
の解決が出来た。
つの現象は、使用中におけるクラッキング管の金属表面
処理効果の減損であった。防汚剤処理のクラッキング管
を炭化水素の熱クラッキングに用いる時、管の防汚剤処
理はコークス化速度を有効に減少するが、使用中に処理
の効果が失われることも観察されている。そして、処理
効果の急速な減損の原因が発見でき、はじめてこの問題
の解決が出来た。
【0009】本発明の目的は、炭化水素のクラッキング
時に処理クラッキング管のコークス生成抑制効果を延長
する方法を提供することである。
時に処理クラッキング管のコークス生成抑制効果を延長
する方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、コークス生成
を抑制するための処理を施したクラッキング管を用いて
炭化水素をクラッキングする方法である。脱硫炭化水素
投入原料を処理クラッキング管に通過させる際、管は錫
および珪素防汚材料で処理を施しその表面に錫および珪
素を沈積させたクラッキング管を用いる。処理管に対し
て脱硫または低硫黄投入原料を用いると、防汚処理効果
の減損速度が減少する。
を抑制するための処理を施したクラッキング管を用いて
炭化水素をクラッキングする方法である。脱硫炭化水素
投入原料を処理クラッキング管に通過させる際、管は錫
および珪素防汚材料で処理を施しその表面に錫および珪
素を沈積させたクラッキング管を用いる。処理管に対し
て脱硫または低硫黄投入原料を用いると、防汚処理効果
の減損速度が減少する。
【0011】本発明の他の実施態様は、炭化水素のクラ
ッキングに処理熱クラッキング管を用いる際、コークス
生成抑制のため処理した熱クラッキング管のコークス生
成抑制効果を延長する方法を包含している。この方法
は、少量の硫黄を含有する炭化水素投入原料を脱硫する
ことを含み、前記濃度の硫黄の少なくとも一部を除去し
て脱硫炭化水素投入原料を供給するものである。そし
て、表面に錫と珪素を沈積させ、適宜のクラッキング条
件で操作中の処理熱クラッキング管内にその脱硫炭化水
素投入原料を通過させる。
ッキングに処理熱クラッキング管を用いる際、コークス
生成抑制のため処理した熱クラッキング管のコークス生
成抑制効果を延長する方法を包含している。この方法
は、少量の硫黄を含有する炭化水素投入原料を脱硫する
ことを含み、前記濃度の硫黄の少なくとも一部を除去し
て脱硫炭化水素投入原料を供給するものである。そし
て、表面に錫と珪素を沈積させ、適宜のクラッキング条
件で操作中の処理熱クラッキング管内にその脱硫炭化水
素投入原料を通過させる。
【0012】本発明の他の目的および利点は、以下の詳
細な説明及び特許請求の範囲の記載から明白にするもの
である。
細な説明及び特許請求の範囲の記載から明白にするもの
である。
【0013】
【発明の実施の形態】熱クラッキング単位投入原料中の
硫黄化合物の存在は、クラッキング管を使用時にコーク
ス生成抑制のため処理した熱クラッキング管の効果に対
し負の影響を与えることが判明した。特に、熱クラッキ
ング単位投入原料中の硫黄が、熱クラッキング管の表面
処理により沈積した錫と相互に作用し合い、処理熱クラ
ッキングの表面から錫を剥がすことを解明した。
硫黄化合物の存在は、クラッキング管を使用時にコーク
ス生成抑制のため処理した熱クラッキング管の効果に対
し負の影響を与えることが判明した。特に、熱クラッキ
ング単位投入原料中の硫黄が、熱クラッキング管の表面
処理により沈積した錫と相互に作用し合い、処理熱クラ
ッキングの表面から錫を剥がすことを解明した。
【0014】処理した熱クラッキング管表面からの錫の
剥離は、その結果として、クラッキング操作時にコーク
ス生成抑制に対する処理熱クラッキング管の効果を減少
させる。以前は知られていなかったこの機構を発見した
ことにより、本発明者等は防汚処理法によって熱クラッ
キング管表面に沈積した錫を硫黄が剥離するという問題
を解決した。
剥離は、その結果として、クラッキング操作時にコーク
ス生成抑制に対する処理熱クラッキング管の効果を減少
させる。以前は知られていなかったこの機構を発見した
ことにより、本発明者等は防汚処理法によって熱クラッ
キング管表面に沈積した錫を硫黄が剥離するという問題
を解決した。
【0015】本発明の処理熱クラッキング管は、錫、珪
素および錫と珪素の混合物よりなる群から選ばれた防汚
材料または防汚剤で処理した標準的な熱クラッキング炉
管である。いかなる形態の錫、珪素も防汚材料として使
用可能である。元素珪素、無機珪素化合物や有機珪素化
合物およびそれらの2またはそれ以上の混合物が、適切
な珪素源である。ここで使用する”珪素”の用語は、こ
れらの珪素源の任意の1つを指し、好適な珪素源は有機
珪素(オルガノシリコン)化合物である。元素錫、無機
錫化合物や有機錫化合物およびそれらの2またはそれ以
上の混合物が、適切な錫源である。ここで使用する”
錫”の用語は、これらの錫源の任意の1つを指し、好適
な錫源は有機錫(オルガノ錫)化合物である。
素および錫と珪素の混合物よりなる群から選ばれた防汚
材料または防汚剤で処理した標準的な熱クラッキング炉
管である。いかなる形態の錫、珪素も防汚材料として使
用可能である。元素珪素、無機珪素化合物や有機珪素化
合物およびそれらの2またはそれ以上の混合物が、適切
な珪素源である。ここで使用する”珪素”の用語は、こ
れらの珪素源の任意の1つを指し、好適な珪素源は有機
珪素(オルガノシリコン)化合物である。元素錫、無機
錫化合物や有機錫化合物およびそれらの2またはそれ以
上の混合物が、適切な錫源である。ここで使用する”
錫”の用語は、これらの錫源の任意の1つを指し、好適
な錫源は有機錫(オルガノ錫)化合物である。
【0016】使用可能な有機珪素(オルガノシリコン)
化合物の例は、下式の化合物 式中、R1 、R2 、R3 とR4 は水素、ハロゲン、ヒド
ロカルビル、とオキシヒドロカルビルよりなる群から独
立して選ばれ、化合物はイオン結合または共有結合であ
る。ヒドロカルビルとオキシヒドロカルビル遊離基は1
〜20の炭素原子を有し、ハロゲン、窒素、燐や硫黄で
置換も可能である。代表的ヒドロカルビル遊離基はアル
キル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、および
それらの組み合わせ、例えばアルキルアリールまたはア
ルキルシクロアルキルなどがある。代表的オキシヒドロ
カルビル遊離基はアルコキシド、フェノキシド、カルボ
キシレートやジケトン(ジオン)などがある。を包含す
る。
化合物の例は、下式の化合物 式中、R1 、R2 、R3 とR4 は水素、ハロゲン、ヒド
ロカルビル、とオキシヒドロカルビルよりなる群から独
立して選ばれ、化合物はイオン結合または共有結合であ
る。ヒドロカルビルとオキシヒドロカルビル遊離基は1
〜20の炭素原子を有し、ハロゲン、窒素、燐や硫黄で
置換も可能である。代表的ヒドロカルビル遊離基はアル
キル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、および
それらの組み合わせ、例えばアルキルアリールまたはア
ルキルシクロアルキルなどがある。代表的オキシヒドロ
カルビル遊離基はアルコキシド、フェノキシド、カルボ
キシレートやジケトン(ジオン)などがある。を包含す
る。
【0017】適切な有機珪素化合物は、トリメチルシラ
ン、テトラメチルシラン、テトラエチルシラン、トリエ
チルクロロシラン、フェニルトリメチルシラン、テトラ
フェニルシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピル
トリエトキシシラン、ドデシルトリヘクソキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、テトラメトキシオルソシリ
ケート、テトラエトキシオルソシリケート、ポリジメチ
ルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリジヘキシ
ルシロキサン、ポリシクロヘキシルシロキサン、ポリジ
フェニルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサン、
3−クロロプロピルトリメトキシシラン、および3−ア
ミノプロピルトリエトキシシランなどを含む。現在、ヘ
キサメチルジシロキサンが好適である。
ン、テトラメチルシラン、テトラエチルシラン、トリエ
チルクロロシラン、フェニルトリメチルシラン、テトラ
フェニルシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピル
トリエトキシシラン、ドデシルトリヘクソキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、テトラメトキシオルソシリ
ケート、テトラエトキシオルソシリケート、ポリジメチ
ルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリジヘキシ
ルシロキサン、ポリシクロヘキシルシロキサン、ポリジ
フェニルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサン、
3−クロロプロピルトリメトキシシラン、および3−ア
ミノプロピルトリエトキシシランなどを含む。現在、ヘ
キサメチルジシロキサンが好適である。
【0018】使用可能な有機錫(オルガノ錫)化合物の
例は、錫カルボン酸エステル、例えば、スタナスフォル
メート、スタナスアセテート、スタナスブチレート、ス
タナスオクテート、スタナスデカノエート、スタナスオ
キザレート、スタナスベンゾエート、やスタナスシクロ
ヘキサンカルボキシレート;錫チオカルボン酸エステ
ル、例えば、スタナスチオアセテート、スタナスジチオ
アセテート;ジヒドロカルビル錫ビス(ヒドロカルビル
メルカプトアルカノエート)、例えば、ジブチル錫ビス
(イソオクチルメルカプトアセテート)、ジプロピル錫
ビス(ブチルメルカプトアセテート);錫チオ炭酸エス
テル、例えば、スタナス−o−エチルジチオカーボネー
ト;錫炭酸エステル、例えば、スタナスプロピルカーボ
ネート;テトラヒドロカルビル錫化合物、例えば、テト
ラブチル錫、テトラオクチル錫、テトラフェニル錫;ジ
ヒドロカルビル錫酸化物、例えば、ジプロピル錫オキサ
イド、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイ
ド、ジフェニル錫オキサイド;ジヒドロカルビル錫ビス
(ヒドロカルビルメルカプタイド)、例えば、ジブチル
錫ビス(ドデシルメルカプタイド);フェノール化合物
の錫塩、例えば、スタナスチオフェノキサイド;錫ズル
ホン塩、例えば、スタナスベンゼンズルホネート、スタ
ナス−p−トルエンズルホネート、錫カーバメート、例
えば、スタナスジエチルカーバメート;錫チオカーバメ
ート、例えば、スタナスプロピルチオカーバメート、ス
タナスジエチルジチオカーバメート;錫亞燐酸塩、例え
ば、スタナスジフェニルフォスファイト;錫燐酸塩、例
えば、スタナスジプロピルフォスフェート;錫チオ燐酸
塩、例えば、スタナス−o,o−ジプロピルジチオフォ
スフェート、スタニック−o,o−ジプロピルジチオフ
ォスフェート;ジヒドロカルビル錫ビス(o,o−ジヒ
ドロカルビルチオフォスフェート)、例えば、ジブチル
錫ビス(o,o−ジプロピルジチオフォスフェート)等
を包含する。現在、テトラブチル錫が好適である。
例は、錫カルボン酸エステル、例えば、スタナスフォル
メート、スタナスアセテート、スタナスブチレート、ス
タナスオクテート、スタナスデカノエート、スタナスオ
キザレート、スタナスベンゾエート、やスタナスシクロ
ヘキサンカルボキシレート;錫チオカルボン酸エステ
ル、例えば、スタナスチオアセテート、スタナスジチオ
アセテート;ジヒドロカルビル錫ビス(ヒドロカルビル
メルカプトアルカノエート)、例えば、ジブチル錫ビス
(イソオクチルメルカプトアセテート)、ジプロピル錫
ビス(ブチルメルカプトアセテート);錫チオ炭酸エス
テル、例えば、スタナス−o−エチルジチオカーボネー
ト;錫炭酸エステル、例えば、スタナスプロピルカーボ
ネート;テトラヒドロカルビル錫化合物、例えば、テト
ラブチル錫、テトラオクチル錫、テトラフェニル錫;ジ
ヒドロカルビル錫酸化物、例えば、ジプロピル錫オキサ
イド、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイ
ド、ジフェニル錫オキサイド;ジヒドロカルビル錫ビス
(ヒドロカルビルメルカプタイド)、例えば、ジブチル
錫ビス(ドデシルメルカプタイド);フェノール化合物
の錫塩、例えば、スタナスチオフェノキサイド;錫ズル
ホン塩、例えば、スタナスベンゼンズルホネート、スタ
ナス−p−トルエンズルホネート、錫カーバメート、例
えば、スタナスジエチルカーバメート;錫チオカーバメ
ート、例えば、スタナスプロピルチオカーバメート、ス
タナスジエチルジチオカーバメート;錫亞燐酸塩、例え
ば、スタナスジフェニルフォスファイト;錫燐酸塩、例
えば、スタナスジプロピルフォスフェート;錫チオ燐酸
塩、例えば、スタナス−o,o−ジプロピルジチオフォ
スフェート、スタニック−o,o−ジプロピルジチオフ
ォスフェート;ジヒドロカルビル錫ビス(o,o−ジヒ
ドロカルビルチオフォスフェート)、例えば、ジブチル
錫ビス(o,o−ジプロピルジチオフォスフェート)等
を包含する。現在、テトラブチル錫が好適である。
【0019】熱クラッキング炉の処理管を調整するため
には、錫または珪素、またはその両者を管金属表面に沈
積させる適正な条件下で、管金属表面と防汚材料を接触
させる。クラッキング方法体系に用いる装置の金属表
面、特に、クラッキング管は通常クラッキング反応が起
きる反応領域を限定する。このような反応領域を限定す
る表面に錫や珪素を沈積させる目的で、防汚材料を反応
領域に注入する。従って、炭化水素のクラッキングとク
ラッキング管に必要な温度および圧力の条件は、クラッ
キング方法体系の使用装置で限定される反応領域内の条
件となる。
には、錫または珪素、またはその両者を管金属表面に沈
積させる適正な条件下で、管金属表面と防汚材料を接触
させる。クラッキング方法体系に用いる装置の金属表
面、特に、クラッキング管は通常クラッキング反応が起
きる反応領域を限定する。このような反応領域を限定す
る表面に錫や珪素を沈積させる目的で、防汚材料を反応
領域に注入する。従って、炭化水素のクラッキングとク
ラッキング管に必要な温度および圧力の条件は、クラッ
キング方法体系の使用装置で限定される反応領域内の条
件となる。
【0020】炭化水素投入原料を管に仕込む前に防汚材
料でクラッキング管を前処理することにより、或いはコ
ークス生成抑制能力を有する処理管を提供する有効量の
防汚材料を炭化水素に添加することによって、防汚材料
をクラッキング管表面に接触させる。
料でクラッキング管を前処理することにより、或いはコ
ークス生成抑制能力を有する処理管を提供する有効量の
防汚材料を炭化水素に添加することによって、防汚材料
をクラッキング管表面に接触させる。
【0021】処理管を提供できる適正な処理条件下でク
ラッキング管と防汚材料を接触させることによりクラッ
キング炉の管を適正に処理できる方法であれば、すべて
の方法が採用可能である。処理管は、管内における炭化
水素の熱クラッキング時のコークス生成速度を抑制する
性質を有する。
ラッキング管と防汚材料を接触させることによりクラッ
キング炉の管を適正に処理できる方法であれば、すべて
の方法が採用可能である。処理管は、管内における炭化
水素の熱クラッキング時のコークス生成速度を抑制する
性質を有する。
【0022】クラッキング炉の管を前処理する好適な手
段は、クラッキング炉入口に約300°F〜500°F
の範囲の飽和水蒸気、若しくはやや過熱した水蒸気を仕
込むことを含む。管に水蒸気を仕込む間、クラッキング
炉を加熱し、管入口に導く水蒸気の温度を越える温度で
管を出る過熱水蒸気を提供する。通常、流出水蒸気は最
高で約2000°Fにも達する温度となる。このよう
に、処理温度は、約300°F〜2000°Fの範囲、
好ましくは約400°F〜1800°Fの範囲、最適に
は500°F〜1600°Fの範囲である。水蒸気はク
ラッキング炉の転換区画に仕込むことが望ましく、それ
故、最初に転換区画を通過し、次いで輻射区画を通過す
ることが望ましい。
段は、クラッキング炉入口に約300°F〜500°F
の範囲の飽和水蒸気、若しくはやや過熱した水蒸気を仕
込むことを含む。管に水蒸気を仕込む間、クラッキング
炉を加熱し、管入口に導く水蒸気の温度を越える温度で
管を出る過熱水蒸気を提供する。通常、流出水蒸気は最
高で約2000°Fにも達する温度となる。このよう
に、処理温度は、約300°F〜2000°Fの範囲、
好ましくは約400°F〜1800°Fの範囲、最適に
は500°F〜1600°Fの範囲である。水蒸気はク
ラッキング炉の転換区画に仕込むことが望ましく、それ
故、最初に転換区画を通過し、次いで輻射区画を通過す
ることが望ましい。
【0023】防汚材料をクラッキング管に仕込む水蒸気
と混合することも可能である。防汚材料は、きれいな液
体として或いは不活性希釈剤との混合物として水蒸気と
混合する。しかし、水蒸気中への導入または水蒸気との
混合に先立ち、きれいな液体または混合物を先ず気化す
ることが好ましい。水蒸気と混合する防汚材料の量は、
水蒸気中の防汚材料濃度が約1ppmw〜10000p
pmw、好ましくは約10ppmw〜1000ppm
w、最適には20ppmw〜200ppmwの範囲とな
る量である。
と混合することも可能である。防汚材料は、きれいな液
体として或いは不活性希釈剤との混合物として水蒸気と
混合する。しかし、水蒸気中への導入または水蒸気との
混合に先立ち、きれいな液体または混合物を先ず気化す
ることが好ましい。水蒸気と混合する防汚材料の量は、
水蒸気中の防汚材料濃度が約1ppmw〜10000p
pmw、好ましくは約10ppmw〜1000ppm
w、最適には20ppmw〜200ppmwの範囲とな
る量である。
【0024】水蒸気と防汚材料の混合物を十分な時間で
クラッキング管と接触させるか又はクラッキング管に仕
込み、炭化水素のクラッキング中のコークス生成抑制に
有効な処理管を提供できる。このクラッキング管前処理
時間は、クラッキング管を含めクラッキング炉の特殊な
形態の影響を受けるものであるが、しかし、通常の前処
理時間は約12時間までの範囲、必要によってはそれよ
り長時間の範囲となる。そして、好ましくは、前処理時
間は約0.1時間〜12時間、最適には0.5時間〜1
0時間の範囲である。
クラッキング管と接触させるか又はクラッキング管に仕
込み、炭化水素のクラッキング中のコークス生成抑制に
有効な処理管を提供できる。このクラッキング管前処理
時間は、クラッキング管を含めクラッキング炉の特殊な
形態の影響を受けるものであるが、しかし、通常の前処
理時間は約12時間までの範囲、必要によってはそれよ
り長時間の範囲となる。そして、好ましくは、前処理時
間は約0.1時間〜12時間、最適には0.5時間〜1
0時間の範囲である。
【0025】防汚材料をクラッキング炭化水素投入原料
と直接混合する場合は、防汚材料の量は管の処理に有効
な量を添加し、操作中のコークス生成の抑制に備えるこ
とができる。防汚材料適用から生ずる記憶効果に基づ
き、防汚材料のクラッキング炭化水素投入原料との混合
は必要に応じて、好ましくは約12時間迄の間に、間欠
的に実施される。クラッキング管処理中のクラッキング
炭化水素投入原料中の防汚材料濃度は、約1ppmw〜
10000ppmw、好ましくは約10ppmw〜10
00ppmw、最適には20ppmw〜200ppmw
の範囲である。
と直接混合する場合は、防汚材料の量は管の処理に有効
な量を添加し、操作中のコークス生成の抑制に備えるこ
とができる。防汚材料適用から生ずる記憶効果に基づ
き、防汚材料のクラッキング炭化水素投入原料との混合
は必要に応じて、好ましくは約12時間迄の間に、間欠
的に実施される。クラッキング管処理中のクラッキング
炭化水素投入原料中の防汚材料濃度は、約1ppmw〜
10000ppmw、好ましくは約10ppmw〜10
00ppmw、最適には20ppmw〜200ppmw
の範囲である。
【0026】クラッキング条件下で操作中の処理熱クラ
ッキング管に炭化水素を仕込むに先立ち、炭化水素投入
原料を脱硫する要件は本発明の重要な側面である。前も
っての脱硫の重要な特性を本明細書の他の箇所で説明し
たように、非脱硫投入原料中の硫黄は処理した管表面に
沈積した防汚材料に相互作用して、前記表面から防汚材
料を剥がしてしまう。沈積防汚材料の剥離は防汚効果を
失効させ、コークス生成速度を増大させる結果となる。
処理熱クラッキング管に仕込むに先立ち炭化水素投入原
料を脱硫することにより、処理管のコークス生成抑制ま
たは防止効果を引き延ばすことが出来る。
ッキング管に炭化水素を仕込むに先立ち、炭化水素投入
原料を脱硫する要件は本発明の重要な側面である。前も
っての脱硫の重要な特性を本明細書の他の箇所で説明し
たように、非脱硫投入原料中の硫黄は処理した管表面に
沈積した防汚材料に相互作用して、前記表面から防汚材
料を剥がしてしまう。沈積防汚材料の剥離は防汚効果を
失効させ、コークス生成速度を増大させる結果となる。
処理熱クラッキング管に仕込むに先立ち炭化水素投入原
料を脱硫することにより、処理管のコークス生成抑制ま
たは防止効果を引き延ばすことが出来る。
【0027】硫黄濃度を含む炭化水素投入原料流を脱硫
するための全ての適切な手段が採用可能であって、処理
熱クラッキング管に仕込む前に炭化水素投入原料流の硫
黄濃度を約50ppmm(parts per million moles)以
下に減量する。脱硫炭化水素投入原料の使用から最大の
効果を得るためには、防汚処理の非活性化速度が炭化水
素投入原料中の硫黄濃度に依存すると言う事実に基づい
て、硫黄濃度を最小にすることが最良である。従って、
約10ppmm以下の硫黄濃度を有する脱硫炭化水素投
入原料を処理熱クラッキング管に仕込むことが最良であ
る。脱硫炭化水素投入原料中の硫黄濃度は、好ましくは
約5ppmm以下、最適には1ppmm以下である。
するための全ての適切な手段が採用可能であって、処理
熱クラッキング管に仕込む前に炭化水素投入原料流の硫
黄濃度を約50ppmm(parts per million moles)以
下に減量する。脱硫炭化水素投入原料の使用から最大の
効果を得るためには、防汚処理の非活性化速度が炭化水
素投入原料中の硫黄濃度に依存すると言う事実に基づい
て、硫黄濃度を最小にすることが最良である。従って、
約10ppmm以下の硫黄濃度を有する脱硫炭化水素投
入原料を処理熱クラッキング管に仕込むことが最良であ
る。脱硫炭化水素投入原料中の硫黄濃度は、好ましくは
約5ppmm以下、最適には1ppmm以下である。
【0028】通常、非脱硫炭化水素投入原料とは約50
ppmm以上の硫黄濃度を有する炭化水素投入原料であ
る。炭化水素投入原料の硫黄濃度に関連して、”硫黄”
の用語は典型的炭化水素原料中に本来存在すると通常認
識される硫黄化合物を意味している。最も普遍的には、
硫黄化合物は有機硫黄化合物であるが、有機硫黄化合物
に限定されない。この硫黄は既知のそして適切な方法で
非脱硫投入原料から除去可能である。最も普遍的な方法
は水素化脱硫、吸着、吸収方法がある。このような脱硫
方法によって適宜に除去される非脱硫炭化水素投入原料
中の硫黄濃度は約50ppmm〜3モル%の範囲であ
る。しかしながら、非脱硫投入原料中の硫黄濃度は、好
ましくは100ppmm〜3モル%、最適には500p
pmm〜3モル%の範囲である。
ppmm以上の硫黄濃度を有する炭化水素投入原料であ
る。炭化水素投入原料の硫黄濃度に関連して、”硫黄”
の用語は典型的炭化水素原料中に本来存在すると通常認
識される硫黄化合物を意味している。最も普遍的には、
硫黄化合物は有機硫黄化合物であるが、有機硫黄化合物
に限定されない。この硫黄は既知のそして適切な方法で
非脱硫投入原料から除去可能である。最も普遍的な方法
は水素化脱硫、吸着、吸収方法がある。このような脱硫
方法によって適宜に除去される非脱硫炭化水素投入原料
中の硫黄濃度は約50ppmm〜3モル%の範囲であ
る。しかしながら、非脱硫投入原料中の硫黄濃度は、好
ましくは100ppmm〜3モル%、最適には500p
pmm〜3モル%の範囲である。
【0029】
【実施例】以下の実施例で、本発明をさらに詳しく説明
する。 実施例1 炭化水素供給原料を脱硫後、防汚処理を施しコークス化
速度抑制能を有する熱クラッキング管に前記炭化水素供
給原料を仕込むことにより得られる利点に関し本実施例
で証明する。本実施例のクラッキング実験実施に使用し
た炉は、分割多管炉(split shelltube furnace)であ
って、72/3フィート×1/4インチ外径、インコロ
イ(Incolloy)800H、4パス管コイル(4 pass tub
e coil)を装備していた。始動前にコイルを1300°
Fに加熱した。窒素と水蒸気をそれぞれ10標準l/分
と225g/時間でコイルに導入し、コイル出口におけ
る操作圧力を約20psiaに調節した。工程条件が安定し
た後、テトラブチル錫として50ppmwの錫とヘキサ
メチルジシロキサンとして珪素50ppmwをコイルに
導入し(噴霧ガスとして窒素を使用)、前処理タイミン
グを開始した。9分間の前処理後、窒素流をエタンに置
換して1分間の流量安定期間を設けた。1分の終期にク
ラッキングが始まった。炉設定点温度を50°F/分の
速度で上げ、1850°Fの温度にした。クラッキング
開始20分後に防汚剤を中止し、全コイル圧が5psi 低
下する迄実験を継続した。全実験時間(クラッキングだ
け)は249分15秒であった。硫黄濃度を含有するエ
タン供給原料を用いたクラッキング実験として、硫黄含
有供給原料をシミュレートするため供給原料がジメチル
サルファイド(DMS)200ppmw含有すること以
外は、前記と同様の手法を用いて実施した。
する。 実施例1 炭化水素供給原料を脱硫後、防汚処理を施しコークス化
速度抑制能を有する熱クラッキング管に前記炭化水素供
給原料を仕込むことにより得られる利点に関し本実施例
で証明する。本実施例のクラッキング実験実施に使用し
た炉は、分割多管炉(split shelltube furnace)であ
って、72/3フィート×1/4インチ外径、インコロ
イ(Incolloy)800H、4パス管コイル(4 pass tub
e coil)を装備していた。始動前にコイルを1300°
Fに加熱した。窒素と水蒸気をそれぞれ10標準l/分
と225g/時間でコイルに導入し、コイル出口におけ
る操作圧力を約20psiaに調節した。工程条件が安定し
た後、テトラブチル錫として50ppmwの錫とヘキサ
メチルジシロキサンとして珪素50ppmwをコイルに
導入し(噴霧ガスとして窒素を使用)、前処理タイミン
グを開始した。9分間の前処理後、窒素流をエタンに置
換して1分間の流量安定期間を設けた。1分の終期にク
ラッキングが始まった。炉設定点温度を50°F/分の
速度で上げ、1850°Fの温度にした。クラッキング
開始20分後に防汚剤を中止し、全コイル圧が5psi 低
下する迄実験を継続した。全実験時間(クラッキングだ
け)は249分15秒であった。硫黄濃度を含有するエ
タン供給原料を用いたクラッキング実験として、硫黄含
有供給原料をシミュレートするため供給原料がジメチル
サルファイド(DMS)200ppmw含有すること以
外は、前記と同様の手法を用いて実施した。
【0030】上記の2つの個別のクラッキング実験を終
了し、処理管の性能に及ぼす硫黄濃度の影響を測定し
た。その実験データを表1に掲載した。非脱硫供給原料
はジメチルサルファイド(DMS)濃度200ppmm
であった。DMS含有供給原料は非処理または非脱硫原
料をシミュレートしたものであった。無硫黄供給原料は
本質的に硫黄を含んでいなかった。表1のデータが示す
ように、硫黄含有供給原料を使用した処理管のコークス
化速度は、本質的に無硫黄供給原料使用の処理管のコー
クス化速度に対して、3倍以上であった。硫黄含有供給
原料のクラッキングに関する高コークス化速度は管表面
に沈積した防汚剤の硫黄ストリッピング(剥離)に起因
すると確信する。
了し、処理管の性能に及ぼす硫黄濃度の影響を測定し
た。その実験データを表1に掲載した。非脱硫供給原料
はジメチルサルファイド(DMS)濃度200ppmm
であった。DMS含有供給原料は非処理または非脱硫原
料をシミュレートしたものであった。無硫黄供給原料は
本質的に硫黄を含んでいなかった。表1のデータが示す
ように、硫黄含有供給原料を使用した処理管のコークス
化速度は、本質的に無硫黄供給原料使用の処理管のコー
クス化速度に対して、3倍以上であった。硫黄含有供給
原料のクラッキングに関する高コークス化速度は管表面
に沈積した防汚剤の硫黄ストリッピング(剥離)に起因
すると確信する。
【0031】
【表1】
【0032】本発明は、現時点で好ましい実施態様につ
いて記載したが、記載した発明および特許請求の範囲の
範囲内で、当業者であれば合理的な変更や修正は可能で
あろう。
いて記載したが、記載した発明および特許請求の範囲の
範囲内で、当業者であれば合理的な変更や修正は可能で
あろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ラリー エルバート リード アメリカ合衆国オクラホマ州バートルスビ ル,ピー.オー.ボックス 2461
Claims (5)
- 【請求項1】 クラッキング条件下で操作中の処理クラ
ッキング管に脱硫炭化水素投入原料を通過させることか
らなる炭化水素の熱クラッキング方法において、前記投
入原料と接触する前記クラッキング管の表面に錫および
珪素を沈積させてコークス生成を抑制することを特徴と
する前記熱クラッキング方法。 - 【請求項2】 前記脱硫炭化水素投入原料の硫黄濃度が
約50ppmm以下である、請求項1に記載する熱クラ
ッキング方法。 - 【請求項3】 前記脱硫炭化水素投入原料をクラッキン
グする間の前記処理クラッキング管内のコークス生成速
度が、非脱硫炭化水素投入原料をクラッキングする間の
前記処理クラッキング管内のコークス生成速度以下であ
る、請求項1または2に記載する熱クラッキング方法。 - 【請求項4】 前記非脱硫炭化水素投入原料の硫黄濃度
が約50ppmm以上である、請求項3に記載する熱ク
ラッキング方法。 - 【請求項5】 少量の硫黄を含有する炭化水素投入原料
を脱硫することを含み、前記硫黄濃度の少なくとも一部
を除去して脱硫炭化水素投入原料を供給する、請求項1
〜4のいずれか1項に記載する熱クラッキング方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US08/548,241 US6497809B1 (en) | 1995-10-25 | 1995-10-25 | Method for prolonging the effectiveness of a pyrolytic cracking tube treated for the inhibition of coke formation during cracking |
US548241 | 1995-10-25 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09165583A true JPH09165583A (ja) | 1997-06-24 |
Family
ID=24187980
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8275861A Pending JPH09165583A (ja) | 1995-10-25 | 1996-10-18 | 炭化水素の熱クラッキング方法 |
Country Status (8)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6497809B1 (ja) |
EP (1) | EP0770665B1 (ja) |
JP (1) | JPH09165583A (ja) |
KR (1) | KR100427561B1 (ja) |
CA (1) | CA2188611A1 (ja) |
DE (1) | DE69625665T2 (ja) |
ES (1) | ES2189848T3 (ja) |
TW (1) | TW349993B (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2798939B1 (fr) | 1999-09-24 | 2001-11-09 | Atofina | Reduction du cokage dans les reacteurs de craquage |
US9011791B2 (en) * | 2008-04-07 | 2015-04-21 | Emisshield, Inc. | Pyrolysis furnace and process tubes |
US7968756B2 (en) * | 2008-08-12 | 2011-06-28 | Wessex Incorporated | Process and apparatus for production of vinyl chloride monomer |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB1153531A (en) | 1966-09-20 | 1969-05-29 | Exxon Research Engineering Co | Thermal Cracking Process with Improved Decoking |
FR1497055A (fr) | 1966-10-19 | 1967-10-06 | Exxon Research Engineering Co | Production d'hydrocarbures non saturés |
US4097362A (en) | 1976-07-12 | 1978-06-27 | Gulf Research & Development Company | Method for enhancing distillate liquid yield from an ethylene cracking process |
US4119528A (en) | 1977-08-01 | 1978-10-10 | Exxon Research & Engineering Co. | Hydroconversion of residua with potassium sulfide |
US4179355A (en) | 1977-10-20 | 1979-12-18 | Gulf Research And Development Company | Combination residual oil hydrodesulfurization and thermal cracking process |
US4370221A (en) | 1981-03-03 | 1983-01-25 | Her Majesty The Queen In Right Of Canada, As Represented By The Minister Of Energy, Mines And Resources | Catalytic hydrocracking of heavy oils |
US4404087A (en) * | 1982-02-12 | 1983-09-13 | Phillips Petroleum Company | Antifoulants for thermal cracking processes |
US4552643A (en) * | 1985-01-22 | 1985-11-12 | Phillips Petroleum Company | Antifoulants for thermal cracking processes |
US4692234A (en) | 1986-04-09 | 1987-09-08 | Phillips Petroleum Company | Antifoulants for thermal cracking processes |
HUT75107A (en) * | 1991-03-08 | 1997-04-28 | Chevron Res & Tech | Method and reactor system for reforming hydrocarbons, under conditions of low sulfur |
US5405525A (en) * | 1993-01-04 | 1995-04-11 | Chevron Research And Technology Company | Treating and desulfiding sulfided steels in low-sulfur reforming processes |
US5413700A (en) * | 1993-01-04 | 1995-05-09 | Chevron Research And Technology Company | Treating oxidized steels in low-sulfur reforming processes |
US5284994A (en) * | 1993-01-13 | 1994-02-08 | Phillips Petroleum Company | Injection of antifoulants into thermal cracking reactors |
US5435904A (en) * | 1994-09-01 | 1995-07-25 | Phillips Petroleum Company | Injection of antifoulants into thermal cracking process streams |
KR101602098B1 (ko) * | 2015-01-27 | 2016-03-10 | 주식회사 엘지유플러스 | 인터넷 접속 지원 시스템 및 그 제어방법과, 그 제어방법을 실행하기 위한 프로그램을 기록한 기록 매체와, 하드웨어와 결합되어 그 제어방법을 실행시키기 위하여 매체에 저장된 애플리케이션 |
-
1995
- 1995-10-25 US US08/548,241 patent/US6497809B1/en not_active Expired - Fee Related
-
1996
- 1996-10-16 TW TW085112651A patent/TW349993B/zh active
- 1996-10-17 KR KR1019960046560A patent/KR100427561B1/ko not_active IP Right Cessation
- 1996-10-18 JP JP8275861A patent/JPH09165583A/ja active Pending
- 1996-10-23 CA CA002188611A patent/CA2188611A1/en not_active Abandoned
- 1996-10-24 ES ES96117085T patent/ES2189848T3/es not_active Expired - Lifetime
- 1996-10-24 DE DE69625665T patent/DE69625665T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1996-10-24 EP EP96117085A patent/EP0770665B1/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
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KR970021262A (ko) | 1997-05-28 |
CA2188611A1 (en) | 1997-04-26 |
TW349993B (en) | 1999-01-11 |
EP0770665B1 (en) | 2003-01-08 |
EP0770665A1 (en) | 1997-05-02 |
DE69625665T2 (de) | 2003-05-28 |
KR100427561B1 (ko) | 2004-08-18 |
ES2189848T3 (es) | 2003-07-16 |
DE69625665D1 (de) | 2003-02-13 |
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