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JPH08250716A - 半導体装置の製造方法および半導体装置の製造装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法および半導体装置の製造装置

Info

Publication number
JPH08250716A
JPH08250716A JP4757295A JP4757295A JPH08250716A JP H08250716 A JPH08250716 A JP H08250716A JP 4757295 A JP4757295 A JP 4757295A JP 4757295 A JP4757295 A JP 4757295A JP H08250716 A JPH08250716 A JP H08250716A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
metal
semiconductor
container
titanium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4757295A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Yamada
雅基 山田
Kazuya Ouchi
和也 大内
Kyoichi Suguro
恭一 須黒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP4757295A priority Critical patent/JPH08250716A/ja
Publication of JPH08250716A publication Critical patent/JPH08250716A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)
  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】シリサイド膜の酸化を防止できるシリサイドプ
ロセスを提供すること。 【構成】シリコン基板11上にチタン膜17を形成する
工程と、このチタン膜17上に窒化チタン保護膜18を
形成する工程と、熱処理により、窒化チタン保護膜18
とシリコン基板11とを反応させ、C54型の斜方結晶
構造のチタンシリサイド膜19を形成する工程と、窒化
チタン保護膜18を除去する工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属・半導体化合物膜
を有する半導体装置の製造方法および製造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュ−タ−や通信機器の重要
部分には、多数のトランジスタや抵抗等を電気回路を達
成するようにむすびつけ、1チップ上に集積化して形成
した大規模集積回路(LSI)が多用されている。この
ため、機器全体の性能は、LSI単体の性能と大きく結
び付いている。
【0003】LSI単体の性能向上は、集積度を高める
こと、つまり、素子の微細化により実現できる。しか
し、今後の超々大規模集積回路(ULSI)では、単に
縮小則にしたがった微細化では、寄生抵抗の影響から性
能向上は困難である。
【0004】このような寄生抵抗の影響を低減できる技
術としては、MOSFETの場合であれば、サリサイド
技術がある。サリサイド技術によれば、シリサイド膜と
なる高融点金属膜の堆積と熱処理とにより、ソース・ド
レイン領域(不純物拡散層)上に、シリサイド膜を自己
整合的に形成でき、ソース・ドレイン領域の抵抗を1桁
以上低減できる。
【0005】図11に、従来のサリサイド技術を用いた
MOSFETの製造方法の工程断面を示す。まず、図1
1(a)に示すように、シリコン基板101の表面にフ
ィールド酸化膜102を形成し、次いでこのフィールド
酸化膜102により規定された素子形成領域のシリコン
基板101上に、ゲート酸化膜103、ゲート電極10
4、ゲート保護膜105を形成する。この後、ゲート保
護膜105をマスクとして、不純物のイオン注入を行な
って、低濃度の浅いソース・ドレイン領域106aを形
成する。
【0006】次に同図(a)に示すように、ゲート側壁
絶縁膜107となるSiNX やSiO2 などの絶縁膜を
化学気相成長法(CVD法)により全面に堆積した後、
この絶縁膜を反応性イオンエッチングにより全面エッチ
ングして、厚さ50〜150nm程度のゲート側壁絶縁
膜107を形成する。
【0007】次にシリコン基板101の表面の汚染物を
酸性やアルカリ性の溶液により除去し、この清浄なシリ
コン基板101の表面に薄いシリコン酸化膜を形成した
後、ゲート保護膜105およびゲート側壁絶縁膜107
をマスクとして、不純物のイオン注入を行なって、高濃
度の深いソース・ドレイン領域106bを形成する。し
かる後、熱処理(アニール)により不純物を電気的に活
性化させる。
【0008】次にソース・ドレイン領域106a,10
6bの表面の上記薄いシリコン酸化膜を希弗酸系のエッ
チング液で除去し、純水により洗浄した後、シリコン基
板101を大気に取り出し、窒素を吹き付けながら乾燥
させる。
【0009】次にシリコン基板101を真空装置内にセ
ットした後、図11(b)に示すように、厚さ20〜3
0nm程度の薄いチタン膜108、厚さ70nm程度の
窒化チタン保護膜109をスパッタ法により全面に形成
する。
【0010】ここで、チタン膜108が薄いのは、ソー
ス・ドレイン領域が浅いため、厚いシリサイド膜を形成
すると、接合リークが生じるからである。次にシリコン
基板101を真空装置から大気に取り出し、専用のラン
プアニール装置を用いて600〜750℃、30〜60
秒間の低温のRTA(Rapid Thermal Anneal)を行なっ
て、図11(c)に示すように、ソース・ドレイン領域
106bの表面にチタンシリサイド(TiSi2 )膜1
10を自己整合的に形成する。
【0011】ここで、低温のRTAを行なっているの
で、チタン膜108には高抵抗の相(C49型の斜方結
晶構造)が存在する。ここで、高温のRTAを行なえ
ば、完全に低抵抗の相であるC54型の斜方結晶構造に
相転移できるが、この場合、ブリッジングと呼ばれるシ
リサイドによるソース・ドレイン領域とゲート電極との
短絡という問題が生じる。低抵抗な相(C54型の斜方
結晶構造)への相転移温度が上昇するのは、チタン膜1
08が薄いからである。
【0012】この後、処理ブースにて硫酸、塩酸および
アンモニア水のいずれかと過酸化水素水との混合液を用
いて、フィールド酸化膜102、ゲート保護膜105等
の絶縁膜上に残った未反応のチタン膜(不図示)、絶縁
膜とチタン膜108との反応生成物(不図示)、窒化チ
タン保護膜109をエッチング除去して、ソース・ドレ
イン領域106b上に厚さ35〜65nm程度のチタン
シリサイド膜110を残す。
【0013】この段階では、チタンシリサイド膜110
はまだ完全には低抵抗相のC54型の斜方結晶構造に相
転移していないので、再度専用のアニール装置を用いて
850〜900℃、20秒間の高温のRTAを行なっ
て、チタンシリサイド膜110を完全に低抵抗相のC5
4型の斜方結晶構造にする。
【0014】しかしながら、この種の従来のサリサイド
技術を用いたMOSFETの製造方法には以下のような
問題がある。まず、未反応のチタン膜、反応生成物、窒
化チタン保護膜109を除去した後に、高温のRTAを
行なって、チタンシリサイド膜110を完全に低抵抗相
のC54型の斜方結晶構造にしても、チタンシリサイド
膜110による低抵抗化が困難であるという問題があっ
た。
【0015】また、サリサイド技術を浅いソース・ドレ
イン領域に適用するため、低温のRTA、高温のRTA
の二つがRTAが必要になり、プロセスが増加するとい
う問題もある。さらに、必要な装置も多数に及ぶ。例え
ば、前処理装置、乾燥機、スパッタ装置、アニール装置
が必要となる。
【0016】しかも、装置間でのシリコン基板(ウエ
ハ)の移動に多くの時間がかかり、また、装置が使用さ
れるまでの間に待ち時間が多くなってしまう。その結
果、工期が長くなり装置コストも高くなる。さらに、問
題が起きたときに行なう対策がかなり遅れて打たれるこ
とになる。
【0017】従来のサリサイド技術によりシリサイド膜
を自己整合的に形成する場合の時間を見積もると、シリ
サイド膜となる高融点金属膜をスパッタする前の前処理
(自然酸化膜の除去)から高温のRTA終了まで、25
枚のウエハを処理するのにかかる時間を合計すると、装
置間の待ち時間を別にして518分になる。
【0018】一方、各々のプロセスを部分的にドッキン
グさせる試みは、本発明とは異なる目的であるが提案さ
れている。例えば、シリコン基板の表面上に高融点金属
膜を形成する前に、無水弗酸とメチルアルコールまたは
エチルアルコールとの混合液を蒸発させて、シリコン基
板の表面を処理することにより、シリコン基板の表面の
自然酸化膜を除去する方法が提案されている(特開平6
−29235)。
【0019】発明者等の検討では、この処理が自然酸化
膜の除去に有効であることを確認しているが、シリコン
基板を大気に取り出したときに、シリコン基板の表面が
再び酸化されることも明らかになり、シリサイド膜によ
る低抵抗化は困難である。
【0020】大気を構成している気体は、約80%が窒
素、20%酸素であるが、水蒸気も存在する。ここで、
水蒸気の分圧が1ppb未満であれば、酸素中でもシリ
コン基板の表面は安定である。
【0021】しかし、水蒸気の分圧が高いと、シリコン
基板の表面を終端しているHやFがOやOHで置き換え
られる。このため、シリコン基板の表面の自然酸化膜を
除去した後は、高真空中か、水蒸気分圧の低い不活性ガ
ス雰囲気中を搬送して金属の成膜室までシリコン基板を
運ばなくてはならない。
【0022】また、自然酸化膜の除去を行なう容器を開
放した時の安全性を考慮すると、無水弗酸とアルコール
との混合液の蒸気により自然酸化膜の除去する場合に
は、容器の内壁や内蔵物に付着したHFが蒸発し、この
HF蒸気により人体が悪影響を受けるという問題があ
る。さらに、HFが付着する場所での金属材料腐食の問
題も生じる。
【0023】一方、金属膜のスパッタ室と熱処理室とを
搬送系を介し接続して、高融点金属膜とシリサイド膜と
を連続的に形成する方法が提案されている(Proceeding
sof 1lth International VLSI Multilevel Interconnec
tion Conference、p.389(1994))。
【0024】これは、シリコン基板の表面を希弗酸によ
り前処理した後に大気に取り出し、スパッタ室でチタン
膜を成膜し、フロッグレッグ(frog−leg)方式
の搬送系を用いて熱処理室に移動させた後、窒素中での
675℃、120秒の熱処理により、シリサイド膜を形
成するという方法である。
【0025】この方法の場合、シリコン基板の表面の前
処理が湿式処理のため、シリコン基板から水が除去され
る過程で、水ガラスがシリコン基板の表面に析出するの
で、シリコン基板の表面の清浄度の制御が難しい。した
がって、この場合も、シリサイド膜による低抵抗化は困
難である。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、微細化が
進むと、サリサイド技術を用いても、シリサイド膜の表
面の酸化や、シリコン基板の表面の汚染(酸化、水ガラ
スの析出)により、シリサイド膜による低抵抗化が困難
であるという問題があった。
【0027】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、微細化が進んでも、金
属・半導体化合物膜により低抵抗化を図れる半導体装置
の製造方法および製造装置を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る半導体装置の製造方法(請求項1)
は、表面に半導体領域を有する基板の該半導体領域上に
金属膜を形成する工程と、この金属膜上に保護膜を形成
する工程と、熱処理により前記金属膜と前記半導体領域
とを反応させ、前記金属膜の構成金属と前記半導体領域
の構成半導体とからなる金属・半導体化合物膜を形成
し、かつこの金属・半導体化合物膜の結晶構造または組
成のうち、前記金属・半導体化合物の耐酸化性が最も高
くなる結晶構造または組成になるように、前記熱処理を
制御する工程と、前記保護膜を除去する工程とを有する
ことを特徴とする。
【0029】また、本発明に係る他の半導体装置の製造
方法(請求項2)は、上記発明(請求項1)において、
基板がシリコン基板、前記金属・半導体化合物膜がC5
4型の斜方結晶構造のTiSi2 膜であることを特徴と
する。
【0030】また、本発明に係る他の半導体装置の製造
方法(請求項3)は、上記発明(請求項1)において、
半導体基板がシリコン基板、前記金属・半導体化合物膜
がCoSi2 膜であることを特徴とする。
【0031】また、本発明に係る他の半導体装置の製造
方法(請求項4)は、表面に半導体領域を有する基板の
該半導体領域の表面の酸化膜を化学反応により除去する
第1の工程と、前記半導体領域上に金属膜を形成する第
2の工程と、熱処理により前記金属膜と前記半導体領域
とを反応させ、前記金属膜の構成金属と前記半導体領域
の構成半導体とからなる金属・半導体化合物膜を形成す
る第3の工程とを有し、前記第1の工程から第3の工程
までの工程中に、前記基板を大気に晒さないことを特徴
とする。
【0032】また、本発明に係る他の半導体装置の製造
方法(請求項5)は、上記発明(請求項4)において、
前記第1の工程が、化学反応によるウエット処理を行な
った後、化学反応によるドライ処理を行なう工程である
ことを特徴とする。
【0033】また、本発明に係る半導体装置の製造装置
(請求項6)は、表面に半導体領域を有する基板の該半
導体領域の表面の酸化膜を化学反応により除去する第1
の処理容器と、この第1の処理容器に気密に接続され、
前記半導体領域上に金属膜を形成する第2の処理容器
と、この第2の処理容器に気密接続され、熱処理により
前記金属膜と前記半導体領域とを反応させ、前記金属膜
の構成金属と前記半導体領域の構成半導体とからなる金
属・半導体化合物膜を形成する第3の処理容器とを備え
たことを特徴とする。
【0034】
【作用】本発明者等の研究によれば、高抵抗であるC4
9型の斜方結晶のチタンシリサイド(TiSi2 )は、
低抵抗であるC54型の斜方結晶のチタンシリサイド
(TiSi2 )よりも、酸化され易いことが分かった。
【0035】このため、従来の方法、つまり、窒化チタ
ン保護膜等の除去後に、C49型の斜方結晶のチタンシ
リサイド膜をC54型の斜方結晶のチタンシリサイド膜
に変える場合には、窒化チタン保護膜等の除去の際に、
チタンシリサイド膜の表面が強く酸化されるので、C5
4型の斜方結晶のチタンシリサイド膜に変わっても、低
抵抗化は図れない。
【0036】また、CoSiはCoSi2 よりも高抵抗
で酸化され易いことが分かった。そこで、本発明(請求
項1〜請求項3)は、上記知見に基づき、保護膜の除去
の前に、熱処理により、高耐酸化性の結晶構造または組
成を有する金属・半導体化合物膜を形成するようにして
いる。
【0037】したがって、本発明(請求項1〜請求項
3)によれば、保護膜を除去する際における金属・半導
体化合物膜の酸化による抵抗上昇を防止できるので、低
抵抗の金属・半導体化合物膜を形成でき、低抵抗化を図
れる。
【0038】本発明(請求項4、請求項5)によれば、
第1の工程から第3の工程の間に基板が大気に晒される
ことがない。したがって、基板の半導体領域、金属・半
導体化合物膜に自然酸化膜が形成されないので、金属・
半導体化合物膜の抵抗上昇を防止できる。
【0039】また、本発明(請求項6)によれば、第1
〜第3の処理容器は、処理手順の順に接続されているの
で、第1の処理容器から第2の処理容器、第2の処理容
器から第3の処理容器に基板を搬送する際に、基板を大
気に晒さずに済む。したがって、搬送時に基板の半導体
領域、金属・半導体化合物膜に自然酸化膜が形成されな
いので、金属・半導体化合物膜の抵抗上昇を防止でき
る。
【0040】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。 (第1の実施例)図1は、本発明の第1の実施例に係る
MOSFETの製造方法を示す工程断面図である。
【0041】まず、図1(a)に示すように、単結晶の
シリコン基板11の表面にフィールド酸化膜12を熱酸
化により形成する。次に同図(a)に示すように、フィ
ールド酸化膜12により囲まれた素子形成領域のシリコ
ン基板上11に、ゲート酸化膜13となるシリコン酸化
膜、下部ゲート電極14aとなる多結晶シリコン膜、上
部ゲート電極14bとなるタングステン膜を順次形成し
た後、このタングステン膜上に窒化シリコンからなるマ
スクパターン14cを形成する。
【0042】次に同図(a)に示すように、マスクパタ
ーン14cをエッチングマスクとして、上記シリコン酸
化膜積/多結晶シリコン膜/タングステン膜をエッチン
グして、ゲート酸化膜13、下部ゲート電極14a、上
部ゲート電極14bを形成する。
【0043】次に図1(b)に示すように、低濃度の浅
いソース・ドレイン領域16aを形成するために、マス
クパターン14cをマスクとして、不純物のイオン注入
を行なう。この後、全面に窒化シリコン膜15をCVD
法により形成し、この窒化シリコン膜15をRIE等の
異方性エッチングにより全面エッチングし、ゲート部の
側壁に窒化シリコン膜15を選択的に残置して、ゲート
側壁絶縁膜15aを形成する。
【0044】次に同図(b)に示すように、高濃度の深
いソース・ドレイン領域16bを形成するために、ゲー
ト電極14およびゲート側壁絶縁膜15aをマスクとし
て、不純物のイオン注入を行なった後、アニールにより
ソース・ドレイン領域16a,16bの不純物を活性化
する。
【0045】次に同図(b)に示すように、シリコン基
板11の表面の自然酸化膜を弗酸系処理により除去した
後、全面にチタン膜17、窒化チタン保護膜18を順次
形成する。窒化チタン保護膜18は、チタン膜17の酸
化防止、後工程で形成されるチタンシリサイド膜の表面
が凹凸状になるのを防止するための膜である。
【0046】次に図1(c)に示すように、大気圧以上
の圧力の不活性ガス雰囲気中で熱処理を行なうことによ
り、シリコン基板11の露出面に、全てがC54型の斜
方結晶構造のチタンシリサイド(TiSi2 )膜19を
形成する。このとき、シリコン基板11以外と接触する
チタン膜17は反応せずに、チタン膜17b、窒化チタ
ン膜18として残留する。上記熱処理は、例えば、シリ
コン基板が収容した反応室内にパージガスとしてのN2
ガスを供給しながら行なう。
【0047】ここで、上記熱処理は、ソース・ドレイン
領域16a,16bの形成方法によって異なる。これは
形成方法の違いによってC49構造とC54構造とが混
在したチタンシリサイド膜19あるいは全てがC54構
造のチタンシリサイド膜19が形成されるからである。
【0048】具体的には、チタン膜17、窒化チタン保
護膜18を形成する前に、酸化膜を通してイオン注入
し、活性化アニールを行なってソース・ドレイン領域1
6a,16bを形成した場合には、750℃、30秒以
上の熱処理を行なう。
【0049】また、酸化膜を通してイオン注入し、活性
化アニールを行なわないでソース・ドレイン領域16
a,16bを形成した場合には、750℃、40秒以上
の熱処理を行なう。
【0050】また、酸化膜なしでイオン注入し、活性化
アニールを行なってソース・ドレイン領域16a,16
bを形成した場合には、750℃、25秒以上の加熱処
理を行なう。
【0051】また、酸化膜なしでイオン注入し、活性化
アニールを行なわないでソース・ドレイン領域16a,
16bを形成した場合には、750℃、20秒以上の熱
処理を行う。
【0052】上記熱処理の温度、時間はチタン膜17の
膜厚によって異なる。図2は、上記熱処理の温度と上記
熱処理の時間とチタン膜17の膜厚との関係を示す特性
図である。図2から、例えば、チタン膜17の膜厚が2
0nmであれば、熱処理の温度が700℃、750℃、
800℃の場合、熱処理の時間はそれぞれ900秒、3
0秒、10秒以上となる。
【0053】次に図1(d)に示すように、H2 SO4
とH22 との1:1の混合液をエッチャントとして用
いて、未反応のチタン膜17a、窒化チタン膜18を常
温で剥離する。その結果、ソース・ドレイン領域16b
上に自己整合的にチタンシリサイド(TiSi2 )膜1
9が形成される。
【0054】このとき、チタンシリサイド(TiSi
2 )膜19の表面の酸化量をAES分析により調べてみ
た。図3にその分析を示す。なお、図3には従来方法に
よるチタンシリサイド(TiSi2 )膜の表面の酸化量
(酸素濃度)も載せてある。
【0055】図3から、本発明のチタンシリサイド膜
は、どの深さ(チタンシリサイド膜の表面からの深さ)
においても、従来のチタンシリサイド膜よりも、酸化濃
度が低いことが分かる。すなわち、本発明によれば、未
反応のチタン膜17a、窒化チタン膜18の剥離工程に
おけるチタンシリサイド膜19の酸化を十分に抑制でき
るようになる。
【0056】このような効果が得られたのは、未反応の
チタン膜17a、窒化チタン膜18を剥離する前に、チ
タンシリサイド膜19の全体が酸化が起こり難い構造で
あるC54型の斜方結晶構造になっているからである。
【0057】一方、従来方法の場合、未反応のチタン
膜、窒化チタン膜を剥離する前のチタンシリサイド膜は
酸化が起こり易いC49型であるからである。図4は、
本発明の方法、従来方法により得られたチタンシリサイ
ド(TiSi2 )膜に施す熱処理の温度(熱処理温度)
とチタンシリサイド(TiSi2 )膜の表面に凝集の起
こる時間との関係を示す図である。
【0058】図4から、本発明のチタンシリサイド膜
は、熱処理温度に関係なく、従来方法のチタンシリサイ
ド膜よりも凝集が起こる時間が長いことが分かる。すな
わち、本発明によれば、耐熱性の高いチタンシリサイド
膜が得られ(例えば、熱処理温度が800℃であれば、
従来方法に比べて約2倍耐熱性が高くなる)、これによ
り、チタンシリサイド膜形成後の熱工程に制約されるこ
となく、安定したプロセスが可能となる。したがって、
チタンシリサイド膜形成後の熱工程に制約されることな
く、安定したプロセスが可能となる。
【0059】このような耐熱性向上および上記熱酸化防
止の効果により、ソース・ドレイン領域16a,16b
(拡散層)の深さが0.15μm以下、チタンシリサイ
ド膜の厚みが0.05μm以下の微細サイズでも、低抵
抗で高耐熱性のMOSFETの作成が可能となる。
【0060】なお、本実施例では、シリサイド形成用の
金属膜としてIVa 族であるチタン膜を用いたが、V、
VIa 族の金属元素の膜でも良く、また、ニッケル、パ
ラジウム、白金、コバルト等の遷移金属の膜でも良い。
【0061】ここで、コバルト(Co)膜の場合には、
熱処理により組成比を制御して、低抵抗で酸化され難い
CoSi2 膜を形成する。また、本実施例では、保護膜
として窒化チタン(TiN)膜を用いたが、チタンタン
グステン(TiW)膜等のシリサイド膜に対して選択的
に除去可能で、かつシリサイド形成用の金属膜と反応し
ない膜であれば、金属や金属化合物以外の膜でも良い。
【0062】また、熱処理の雰囲気は、N2 ガスやAr
ガスのような不活性ガス雰囲気に限定されるものでは
く、要はシリサイド膜と反応が起こらないようなガス雰
囲気であれば良い。 (第2の実施例)図5は、本発明の第2の実施例に係る
半導体装置の製造装置(半導体製造装置)の概略構成を
示す模式図である。
【0063】この半導体製造装置は、基本的には枚葉式
であり、大きく分けて、前処理容器21(第1の処理容
器)と、この前処理容器21に接続された導入容器22
と、この導入容器22に接続された成膜容器23(第2
の処理容器)と、この成膜容器23に接続された熱処理
容器24(第3の処理容器)と、この熱処理容器24に
接続された剥離容器25と、この剥離容器25に接続さ
れた取出し容器26とから構成されている。
【0064】すなわち、被処理基体(半導体基板、ウェ
ハ)の処理の順番と、容器の配列の順番とが一致してい
る。また、前処理容器21、導入容器22、成膜容器2
3、熱処理容器24は、剥離容器25、取出し容器26
は線状に配置されており、被処理基体は容器の配列方向
に平行にベルトコンベア方式に搬送されるようになって
いる。
【0065】前処理容器21は、被処理基体の表面の自
然酸化膜を除去する容器で、自然酸化膜にHF蒸気を当
てるところと、被処理基体を水洗処理するところとから
構成されている。水洗処理に用いる水は、溶存酸素濃度
が10ppb以下に制御された純水である。
【0066】なお、前処理容器21の雰囲気は、処理し
た被処理基体が再度酸化されないように、窒素またはA
rなどの不活性ガス雰囲気であり、酸素分圧は10pp
b以下の低分圧に制御されていることが望ましい。
【0067】次に上記の如く構成された半導体製造装置
を用いたシリサイド膜の形成方法について説明する。図
7はこの形成方法のプロセスフローを示す図である。ま
ず、シリコン基板を前処理容器21に収容し、39.6
%濃度のHF蒸気をシリコン基板の表面に垂直方向から
流して、シリコン基板の表面の自然酸化膜を化学反応に
よるドライ処理により除去する。このとき、前処理容器
21内の圧力は1気圧程度とする。この後、シリコン基
板を水洗処理する。
【0068】なお、もともとシリコン基板の表面に厚さ
1nm以上の自然酸化膜が存在すると、HF蒸気を当て
ても自然酸化膜はシリコン露出部のエッヂ部分に集まっ
てしまう。このエッジ部のシリコン酸化物の粒子は、パ
ーティクルの原因となる。
【0069】このような不都合を防止するには、シリコ
ン基板にHF蒸気を当て、シリコン基板を水洗処理し、
シリコン基板を乾燥した後、再びシリコン基板にHF蒸
気を当てれば良い。これにより、シリコン露出部分から
シリコン酸化物の粒子を完全に取り除くことができる。
【0070】これら一連の処理(HF蒸気処理、水洗処
理、HF蒸気処理)はそれぞれ別の箇所で行っなても良
いが、前処理容器21の大きさを小さくするためには、
1箇所で行なうことが望ましい。
【0071】図10に、上記一連の処理を1箇所で行な
うことができる前処理容器21の模式図を示す。図中、
前処理容器21の下部には、シリコン基板を載置する回
転可能な支持台42が設けられている。この支持台42
はシリコン基板をその裏面から吸引し、回転時のシリコ
ン基板の移動を防止できるようになっている。
【0072】一方、前処理容器21の上部には、HF蒸
気を導入するシャワーヘッド43が設けられており、こ
のシャワーヘッド43と支持台42との間には、水洗処
理に使用する水を供給するための水サプライア44と、
酸素など酸化性のガス不純物が10ppb以下に制御さ
れた高純度の窒素やAr等の不活性ガスを供給するため
のガスサプライア46が設けられている。
【0073】水サプライア44、ガスサプライ46には
それぞれ第1の回転制御部45、第2の回転制御部47
が設けられており、これらにより、自然酸化膜の除去を
行なわないときに、水サプライア44、ガスサプライ4
6をシリコン基板から離れた所定の位置に待機させてお
くことができる。
【0074】次に自然酸化膜が除去されたシリコン基板
を大気に晒さずに前処理容器21から導入容器22に搬
送した後、この導入容器22の真空引きを行なう。この
搬送は高真空中または水蒸気分圧の低い不活性ガス雰囲
気中で行なう。
【0075】次にシリコン基板を大気に晒さずに導入容
器22から成膜容器23に搬送した後、この成膜容器2
3内でシリコン基板上にチタン膜、窒化チタン保護膜を
スパッタ法により形成する。この搬送は高真空中または
水蒸気分圧の低い不活性ガス雰囲気中で行なう。
【0076】このとき、成膜容器23内の圧力は、例え
ば、10-5Pa程度とする。また、上記スパッタは、シ
リコン基板に残存しているH,Fが除去される条件でも
良いし、除去されない条件でも良い。上記H,Fは自然
酸化膜の除去工程の際に用いたHF蒸気によるものであ
る。
【0077】次にチタン膜、窒化チタン保護膜が形成さ
れたシリコン基板を大気に晒さずに成膜容器23から熱
処理容器24に搬送した後、この熱処理容器24内でシ
リコン基板を真空加熱(熱処理)を施すことにより、シ
リコン基板の表面にチタンシリサイド膜を形成する。こ
の搬送は高真空中または水蒸気分圧の低い不活性ガス雰
囲気中で行なう。
【0078】このとき、上記真空加熱の温度、時間は、
例えば、それぞれ、750℃、60秒とし、また、熱処
理容器24内の圧力は、例えば、10-3Pa程度とす
る。また、チタン膜、窒化チタン保護膜の成膜時にH,
Fを除去しない場合でも、この真空加熱時にH,Fは除
去される。この真空加熱を減圧雰囲気中で行なう場合に
は取出し容器25がベント室(Load out室)と
なる。熱処理を1気圧以上で行うときにはベント室を熱
処理室よりも上流側に設けることが望ましい。
【0079】次にチタンシリサイド膜が形成されたシリ
コン基板を熱処理容器24から剥離容器25に搬送した
後、この剥離容器25内で、窒化チタン保護膜、未反応
のチタン膜をプラズマ処理等のドライ処理により剥離す
る。
【0080】最後、取出し室25からシリコン基板を取
り出して、室顕微鏡検査によりチタンシリサイド膜の良
否判定を行なう。本実施例によれば、各容器が処理手順
の順に接続されているので、自然酸化膜の除去してから
チタンシリサイド膜を形成するまでの工程において、シ
リコン基板を大気に晒さずに済むので、再酸化によるシ
リサイド膜の抵抗上昇を防止できる。
【0081】また、本実施例の場合、未反応のチタン膜
の剥離がドライ処理によるものなので、希弗酸による従
来のウエット前処理の場合のように、シリコン基板の表
面に水ガラスが析出し、シリコン基板の表面の清浄度の
制御が困難になるという問題は生じない。
【0082】さらにまた、本実施例の場合、各容器間の
シリコン基板の搬送はベルトコンベア方式によるものな
ので、従来の半導体製造装置、つまり、搬送室の周辺に
クラスタ状にプロセスチャンバを配置し、シリコン基板
の搬送がフロッグレッグ方式のものであるマルチチャン
バ装置に比べて、以下のような利点がある。
【0083】すなわち、従来のマルチチャンバ装置の場
合、搬送がフロッグレッグ方式によるものなので、チャ
ンバ数が4以上になると、搬送時間が長くなるという問
題がある。また、フロッグレッグを2対以上にすると、
フロッグレッグの移動制御が困難になり、これによって
も、搬送時間が長くなるという問題が生じる。
【0084】しかし、本実施例のベルトコンベア方式の
移動を用いた半導体製造装置によれば、上記問題は生じ
ない。本実施例の半導体製造装置の搬送時間は従来のマ
ルチチャンバ装置のそれの50%以下になる。
【0085】また、本実施例の半導体製造装置を用いて
25個のシリコン基板を処理する場合、HF蒸気処理か
ら窒化チタン保護膜および未反応のチタン膜の剥離まで
の工程に要する時間は200分、顕微鏡検査に要する時
間は10分であるので、チタンシリサイド膜の形成に係
るプロセス時間は210分となる。
【0086】一方、上記従来のマルチチャンバ装置を用
いて25個のシリコン基板を処理する場合、チタンシリ
サイド膜の形成に係るプロセス時間は518分となる。
この従来のチタンシリサイド膜の形成方法のプロセスフ
ローを図8に示す。
【0087】図中、前処理(NCB)はアルカリ系処理
および希弗酸処理による自然酸化膜の除去を示し、ま
た、ウエットTiN剥離はH2 SO4 とH22 との混
合液によるものである。この例の場合、本実施例によれ
ば、チタンシリサイド膜の形成に係るプロセス時間を従
来のそれの40%程度に短縮できる。 (第3の実施例)図6は、本発明の第3の実施例に係る
半導体製造装置の概略構成を示す模式図である。
【0088】この半導体製造装置は、枚葉式であり、大
きく分けて、前処理容器21と、この前処理容器21に
接続された導入容器22と、この導入容器22に接続さ
れた第1の成膜容器231 と、この第1の成膜容器23
1 に接続された第2の成膜容器232 と、この第2の成
膜容器232 に接続された熱処理容器24と、この熱処
理容器24に接続された剥離容器25と、この剥離容器
25に接続された取出し容器26とから構成されてい
る。
【0089】すなわち、被処理基体(半導体基板、ウェ
ハ)の処理の順番と、容器の配列の順番とが一致してい
る。また、前処理容器21、導入容器22、第1の成膜
容器232 、第2の成膜容器232 、熱処理容器24、
剥離容器25、熱処理容器26は直線状に配置され、被
処理基体は容器の配列方向に平行にベルトコンベア方式
に搬送されるようになっている。また、この搬送は高真
空中または水蒸気分圧の低い不活性ガス雰囲気中で行な
われる。
【0090】本実施例の半導体製造装置が第2の実施例
のそれと異なる点は、成膜容器が第1の成膜容器231
と第2の成膜容器232 との2個に増えていることにあ
る。すなわち、本実施例では、チタン膜を成膜する成膜
容器(第1の成膜容器231)と窒化チタン膜を成膜す
る成膜容器(第2の成膜容器232 )とを別個にするこ
とにより、チタンシリサイド膜の形成に係るプロセス時
間をさらに短縮することにある。
【0091】また、シリコン基板、ウエハ等の被処理基
体は一枚ずつ処理する。その理由はもっとも時間がかか
るプロセス(導入容器22および取出し容器26の真空
引きと(不活性ガスによる大気圧化)で処理スピードが
律速されるからである。
【0092】次に上記半導体製造装置を用いたチタンシ
リサイド膜の形成方法について説明する。まず、前処理
容器21内でシリコン基板に2秒間のHF蒸気処理、約
60秒間の水洗、乾燥、2秒間の再度HF蒸気処理を順
次施すことにより、シリコン基板の表面の自然酸化膜を
除去するこの前処理にかかる時間は約2分。
【0093】次に自然酸化膜が除去されたシリコン基板
を大気に晒さずに前処理容器21から導入容器22に搬
送した後、この導入容器22の真空引きを行なう。この
とき、所望の圧力になるまでに約5分かかる。
【0094】次にシリコン基板を大気に晒さずに導入容
器22から第1の成膜容器231 に搬送した後、この第
1の成膜容器231 内でシリコン基板上に厚さ30nm
のチタン膜をスパッタ法により形成する。
【0095】このとき、チタン膜の成膜時間は20秒で
ある。また、第1の成膜容器231内の圧力は、例え
ば、10-5Pa程度とする。次にチタン膜が形成された
シリコン基板を大気に晒さずに第1の成膜容器231
ら第2の成膜容器232 に搬送した後、この第2の成膜
容器232 内でチタン膜上に厚さ70nmの窒化チタン
膜を形成する。
【0096】このとき、窒化チタン膜の成膜時間は70
秒である。また、第2の成膜容器232 内の圧力は、例
えば、10-5Pa程度とする。次にチタン膜、窒化チタ
ン膜が形成されたシリコン基板を第2の成膜容器232
から熱処理容器24に搬送した後、この熱処理容器24
内に750℃、60秒の真空加熱を施すことにより、シ
リコン基板の表面にチタンシリサイド膜を形成する。熱
処理容器24内の圧力は、例えば、10-3Pa程度とす
る。
【0097】次にチタンシリサイド膜が形成されたシリ
コン基板を熱処理容器24から剥離容器25に搬送した
後、この剥離容器25内で、窒化チタン保護膜、未反応
のチタン膜をプラズマ処理等のドライ処理により剥離す
る。
【0098】具体的には、HClまたはH2 、Cl2
スの反応ガスを放電させて、プラズマを形成し、これに
より、窒化チタン保護膜、未反応のチタン膜を剥離す
る。また、プラズマ(励起したハロゲンラジカルまたは
イオン)のエネルギーが100〜300eV程度になる
ように、反応ガスの圧力、放電時に用いる高周波電力な
どを制御する。エッチング速度は、100nm/分であ
り、処理に要する時間は1分弱となる。また、チタンシ
リサイド(TiSi2 )膜のエッチング速度は5nm/
分以下で、十分な選択比が取れる。
【0099】次にシリコン基板を剥離容器25から取出
し容器26に搬送した後、取出し容器26内の圧力を大
気圧にする。大気圧にするまでの時間は約5分である。
最後に、取出し室25からシリコン基板を取り出して、
顕微鏡検査によりチタンシリサイド膜の良否判定を行な
う。
【0100】この連続処理を用いた場合、チタンシリサ
イド膜の形成に係るプロセス時間はウェハ(シリコン基
板)1枚当たり5分強(ロスタイム2分、合計7分)で
ある。したがって、25枚の処理時間は175分で、顕
微鏡検査を含めても185分で全ての処理が完了する。
従来よりも64%の工期短縮になる。
【0101】なお、第2、第3の実施例の方法を用いて
形成したチタンシリサイド膜とシリコン基板との界面の
平坦度は極めて良く、膜厚65nmのチタンシリサイド
膜に対して3σまで含めたバラツキは3%以下(従来は
20%)であった。
【0102】また、シート抵抗は2.0Ω/□と低く
(従来は3.5−20Ω/□と高い)、800℃、60
分の熱処理後においても抵抗上昇は起こらない(従来は
5−100Ω/□)ことが確認された。
【0103】このシート抵抗から比抵抗を見積もると、
13μΩ・cmという小さい値になり、100nm以上
の厚い膜で文献で報告されている最小値と同じ値が得ら
れることになる。
【0104】この理由は、シリコン基板の表面から完全
に自然酸化膜を除去し、再酸化を抑制したことと、自然
酸化膜の除去に、酸化性の溶液(硫酸/過酸化水素水、
塩酸/過酸化水素水、アンモニア水/過酸化水素水)で
はなく、化学反応によるドライ処理を用いたからであ
る。
【0105】また、上記実施例(第2、第3の実施例)
のシリサイド膜の膜厚およびシート抵抗のばらつきは、
従来のそれの1/6〜1/7程度に低減し、耐熱性も1
00℃以上高くなった。
【0106】このような改善により、サリサイド構造の
形成に上記実施例の方法を用いた微細MOSFET(ゲ
ート長:0.1〜0.25μm、ゲート絶縁膜膜厚:4
〜6nm)は、従来の微細MOSFETよりも駆動能力
が30%以上高くなる。また、このような高駆動能力の
微細MOSFETを用いることにより、MPUなど高速
性を要求されるLSIに対して所望のスピードが得られ
ることが確認された。
【0107】なお、本発明は上述した第1〜第3の実施
例に限定されるものではない。例えば、第1の実施例の
チタンシリサイド膜を第2または第3の実施例の半導体
製造装置を用いて形成しても良い。
【0108】さらに、上記実施例では、表面に半導体領
域を有する基板としてシリコン基板を用いたが、シリコ
ン酸化膜上にシリコン膜が形成されたいわゆるSOI
(Silicon On Insulator)基板を用いても良いことは言
うまでもない。
【0109】
【発明の効果】以上詳述したように本発明(請求項1〜
請求項3)によれば、保護膜を除去する際における金属
・半導体化合物膜の酸化による抵抗上昇を防止できるの
で、低抵抗の金属・半導体化合物膜を形成できるように
なる。
【0110】また、本発明(請求項4〜請求項6)によ
れば、金属・半導体化合物膜の形成に係る工程におい
て、金属・半導体化合物膜に自然酸化膜は形成されない
ので、金属・半導体化合物膜を低抵抗に保つことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るMOSFETの製
造方法を示す工程断面図
【図2】熱処理温度と形成時間とチタン膜厚との関係を
示す特性図
【図3】本発明のチタンシリサイド膜の表面の酸化量が
従来のそれよりも少ないことを示す図
【図4】本発明のチタンシリサイド膜が従来のそれより
も凝集を起こし難いことを示す図
【図5】本発明の第2の実施例に係る半導体製造装置の
概略構成を示す模式図
【図6】本発明の第3の実施例に係る半導体製造装置の
概略構成を示す模式図
【図7】本発明の第2の実施例に係るシリサイド膜のプ
ロセスフローを示す図
【図8】従来のシリサイド膜のプロセスフローを示す図
【図9】本発明の第3の実施例に係るシリサイド膜のプ
ロセスフローを示す図
【図10】前処理容器の具体的な構成を示す模式図
【図11】従来のサリサイド技術を説明するための工程
断面図
【符号の説明】
11 …シリコン基板 12 …フィールド酸化膜 13 …ゲート酸化膜 14a…下部ゲート電極 14b…上部ゲート電極 14c…マスクパターン 15 …窒化シリコン膜 15a…ゲート側壁絶縁膜 16a…浅いソース・ドレイン領域 16b…深いソース・ドレイン領域 17 …チタン膜 17a…未反応のチタン膜 18 …窒化チタン保護膜 19 …チタンシリサイド膜 21 …前処理容器21(第1の処理容器) 22 …導入容器 23 …成膜容器(第2の処理容器) 231 …成膜容器(第2の処理容器) 232 …成膜容器(第2の処理容器) 24 …熱処理容器(第3の処理容器) 25 …剥離容器 26 …取出し容器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に半導体領域を有する基板の該半導体
    領域上に金属膜を形成する工程と、 この金属膜上に保護膜を形成する工程と、 熱処理により前記金属膜と前記半導体領域とを反応さ
    せ、前記金属膜の構成金属と前記半導体領域の構成半導
    体とからなる金属・半導体化合物膜を形成し、かつこの
    金属・半導体化合物膜の結晶構造または組成のうち、前
    記金属・半導体化合物の耐酸化性が最も高くなる結晶構
    造または組成になるように、前記熱処理を制御する工程
    と、 前記保護膜を除去する工程とを有することを特徴とする
    半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】前記基板はシリコン基板、前記金属・半導
    体化合物膜はC54型の斜方結晶構造のTiSi2 膜で
    あることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製
    造方法。
  3. 【請求項3】前記基板はシリコン基板、前記金属・半導
    体化合物膜はCoSi2 膜であることを特徴とする請求
    項1に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】表面に半導体領域を有する基板の該半導体
    領域の表面の酸化膜を化学反応により除去する第1の工
    程と、 前記半導体領域上に金属膜を形成する第2の工程と、 熱処理により前記金属膜と前記半導体領域とを反応さ
    せ、前記金属膜の構成金属と前記半導体領域の構成半導
    体とからなる金属・半導体化合物膜を形成する第3の工
    程とを有し、 前記第1の工程から第3の工程までの工程中に、前記基
    板を大気に晒さないことを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
  5. 【請求項5】前記第1の工程は、化学反応によるウエッ
    ト処理を行なった後、化学反応によるドライ処理を行な
    う工程であることを特徴とする請求項4に記載の半導体
    装置の製造方法。
  6. 【請求項6】表面に半導体領域を有する基板の該半導体
    領域の表面の酸化膜を化学反応により除去する第1の処
    理容器と、 この第1の処理容器に気密に接続され、前記半導体領域
    上に金属膜を形成する第2の処理容器と、 この第2の処理容器に気密接続され、熱処理により前記
    金属膜と前記半導体領域とを反応させ、前記金属膜の構
    成金属と前記半導体領域の構成半導体とからなる金属・
    半導体化合物膜を形成する第3の処理容器とを具備して
    なることを特徴とする半導体装置の製造装置。
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