JPH0710647Y2 - 化粧料収納容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、簡単な構造で収容された化粧料を抜脱できる
コンパクトケース、若しくは交換用化粧料の収納容器に
関するものである。

〔従来の技術〕

従来より、化粧料を収納したコンパクトケースに於い
て、化粧料を充填した中皿を取り外し可能にする構成は
数多く提案されている。この中皿の取り外し機構は、交
換用の中皿を収納した収納容器に於いても利用可能であ
った。

しかし、使用中や携帯中に加わる応力によりコンパクト
ケースより中皿が外れてしまわない様、中皿とコンパク
トケースを強固に係合させなければならない反面、中皿
を取り外そうとする時には簡単に取り外しできなければ
ならないという相反する機能が要求されていた。従っ
て、この取り外し機構は構造が複雑になってしまった
り、ピン等の特別な取り外し治具が必要となってしまっ
た。これはコスト、使い易さの点で安価な交換用中皿収
納容器に実施するのは困難であった。

そこで、実公昭59-16005号公報、及び実公平1-10383号
公報等により、コンパクトケースの底面に切り欠きを設
けて舌片を構成し、この舌片を下方より指先等で押し上
げる事により舌片を屈曲させ、舌片で化粧料を収納した
中皿を押し上げ、取り外す構成が提案されている。この
構成の場合、中皿を押し上げるピン等、特別な用意なし
で中皿を取り外しでき、しかもこの中皿の取り外し機構
が容器と一体に成形することができるため、容器を安価
に製造でき、交換用中皿収納容器にも実施可能なものと
なっていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、この種の構成は、容器を切り欠いて舌片を構成
しているため、中皿が装着された状態で、中皿の底面に
舌片が当接したままになっており、しかも舌片は指先等
で操作できる様、大き目に構成されていた。従って、携
帯時等において、舌片に物が衝突する可能性が高くな
り、舌片が中皿を押し上げ、不用意に中皿が脱落してし
まう危険性があった。

また、中皿は容器より、不用意に脱落してしまわない
様、強固に装着されているため、中皿を取り外す時に大
きな力が必要となっていた。しかも舌片は、それ自体に
復元性を有しているため、中さら取り外すまで舌片を押
し上げ続ける必要があった。

〔課題を解決するための手段〕

器体５の上面に、化粧料１を充填した中皿２が取り外し
可能に装着される収納凹所８が刻設する。この容器５に
は、下面及び一側壁にかけて、収納凹所８内に貫通した
切り欠き部15を設ける。この切り欠き部15内には、可撓
性材料より構成され、中央がくの字状に屈曲し、突出方
向が内外に反転可能な屈曲部17を設けた板状の反転片７
を配置する。この反転片７の両端は、切り欠き部15の前
端及び後端に副ヒンジ16,16′を介して連結させる。こ
の反転片７の屈曲部17を収納凹所８方向に突出させる事
によって、収納凹所８に収納された中皿２を押し上げ
る。本考案は以上構成の化粧料収納容器である。

〔作用〕

器体５の収納凹所８に中皿２が収納、装着されている時
には、反転片７の屈曲部17は外方向に突出している。こ
こで、この反転片７の屈曲部17付近を指で上方に押圧す
れば反転片７は内方向にわん曲する。そして、屈曲部17
が両端の副ヒンジ16,16′を結んだ線より内方向に押圧
されると、屈曲部17は突出方向が反転して内方向に復元
しようとする復元力が生じる。同時に、反転片７は中皿
２の底面に当接し、この復元力により中皿２が押し上げ
られ、器体５の装着保持が解除され、中皿２が取り外し
可能となる。

中皿２が取り外された状態では、器体５の収納凹所８内
に反転片７の屈曲部17が突出した状態となっている。こ
こで、器体５の収納凹所８に中皿２を挿入し、中皿２を
下方に押圧すると、反転片７は中皿２の底面により下方
に押圧される。そして、屈曲部17が両端の副ヒンジ16,1
6′を結んだ線よりも下方まで押圧されると、屈曲部17
の突出方向は反転して外部へ突出し、中皿２が器体５に
装着される。

〔実施例〕

化粧料１は、合成樹脂、薄肉金属板等により、底の浅い
皿状に形成された中皿２に充填されている。この中皿２
の上端は、外周方向に鍔状に突出したフランジ部３とな
っている。

ケース本体４は、器体５、蓋体６及び反転片７より構成
されている。器体５の上面には、中皿２が納置される収
納凹所８が刻設されている。この収納凹所８の周囲に
は、中皿２のフランジ部３が嵌入する凹部９が刻設され
ている。また収納凹所８の側壁には、中皿２が抜脱可能
に係合し、中皿２を収納凹所８内に装着保持させる保持
突部10が突出している。

この器体５の一端には、主ヒンジ11を介して蓋体６が開
閉自在に連結している。この蓋体６の下面には、器体５
の上面に載置されたパフ12が収納されるパフ収納所13が
刻設されている。このパフ収納所13の天井面には、鏡14
が貼着されている。

また、器体５の下面より主ヒンジ11がわ側壁にかけて
は、切り欠き部15が刻設されている。この切り欠き部15
は、収納凹所８まで貫通している。またこの切り欠き部
15には、器体５及び蓋体６と同材質から成る反転片７が
配置され、この反転片７の両端が切り欠き部15の前端部
及び後端部に、副ヒンジ16,16′を介して屈曲自在に連
結されている。尚、この反転片７は、板状であり、器体
５の底面及び後端側壁の外形状に倣ってくの字状に屈曲
している。この反転片７の頂点の屈曲部17も屈曲可能と
なっている。また、反転片７の厚さもわん曲が可能な様
に構成されている。その結果、反転片７の屈曲部17を下
方より、両端の副ヒンジ16,16′を結んだ線よりも上方
まで押圧することが可能となっている。そして、この位
置まで反転片７がわん曲し、屈曲部17が屈曲すると、屈
曲部17の突出方向が反転し、収納凹所８内に突出する様
になっている。

この器体５、蓋体６及び反転片７は、繰り返し曲げに強
いポリプロピレン（P.P）等の合成樹脂で一体に成形さ
れている。

なお、本考案実施例に於いては、ケース本体４全てを一
体に成形した安価な交換用中皿２の収納容器について述
べたが、第４図に示したように、器体５及び蓋体６を蝶
番軸で開閉自在に連結してコンパクトケースとして利用
しても良い。また、第５図に示したように、器体５と蓋
体６を連結せず、蓋体６を器体５に抜脱自在に嵌着させ
た容器においても実施可能である。更に、反転片７も、
第６図に示したように器体５と一体で可撓性材料で成形
する必要もなく、反転片７の可撓性材料で構成し、両端
を器体５にピンで軸支させても良い。また、第７図に示
したように器体５及び反転片７を一体で成形し、反転片
７の一端をピンで軸支させても良い。

〔考案の効果〕

本考案は以上の様に、くの字状に屈曲した弾性を有した
板状材の、突出方向の反転機能を利用して、化粧料１を
収納した中皿２を押し上げる様になっている。従って、
板状材である反転片７に、携帯時等に物が衝突したとし
ても、屈曲部17が反転片７の両端の副ヒンジ16,16′を
結んだ線より上方までに押圧されない限り、屈曲部17は
復元する方向に弾発力を有しているため、反転片７に押
圧されて中皿２が不用意に脱落してしまう様な事はな
い。

また反転片７は、両端の副ヒンジ16,16′を結んだ線を
界として、屈曲部17の突出方向が反転し、しかも突出す
る方向に弾発力が働くため、屈曲部17を両端の副ヒンジ
16,16′を結んだ線まで押圧すれば、後は反転片７の復
元力により中皿２が押圧され、直接中皿２を指で押圧す
る必要がなく、少ない力で中皿２を取り外せる。

更に、中皿２の取り外し操作の後は、反転片７の屈曲部
17が内方向に突出した状態で保持される。従って、反転
片７を屈曲部17が反転するまで押圧すれば、反転した屈
曲部17が中皿２を上方に押し上げているため、中皿２を
取り外すまで反転片７を押し上げている必要がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案第１実施例の側断面図。第２図は、中
皿が装着された状態の部分拡大断面図。第３図は、中皿
が取り外し可能となった状態の部分拡大断面図。第４図
は、蓋体を別パーツで構成した実施例の側断面図。第５
図は、蓋体を抜脱可能なキャップ状にした実施例の側断
面図。第６図は、反転片を別パーツで構成した実施例の
側断面図。第７図は、器体と反転片を一体に成形し、反
転片の端部を軸支させた実施例の側断面図。 １〜化粧料、２〜中皿、５〜器体、７〜反転片、８〜収
納凹所、15〜切り欠き部、16,16′〜副ヒンジ、17〜屈
曲部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】器体５の上面に、化粧料（１）を充填した
   中皿（２）が取り外し可能に装着される収納凹所（８）
   が刻設され、該器体（５）の下面及び一側壁にかけて、
   収納凹所（８）内に貫通した切り欠き部（15）を設け、
   該切り欠き部（15）内に可撓性材料より構成され、中央
   がくの字状に屈曲し、突出方向が内外に反転可能な屈曲
   部（17）を設けた板状の反転片（７）を配置し、該反転
   片（７）の両端を、切り欠き部（15）の前端及び後端に
   副ヒンジ（16,16′）を介して連結させ、該反転片
   （７）の屈曲部（17）は、収納凹所（８）方向に突出し
   た時、収納凹所（８）に収納された中皿（２）を押し上
   げる事を特徴とする化粧料収納容器。