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JPH0635720B2 - 剥離紙 - Google Patents

剥離紙

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Publication number
JPH0635720B2
JPH0635720B2 JP62314788A JP31478887A JPH0635720B2 JP H0635720 B2 JPH0635720 B2 JP H0635720B2 JP 62314788 A JP62314788 A JP 62314788A JP 31478887 A JP31478887 A JP 31478887A JP H0635720 B2 JPH0635720 B2 JP H0635720B2
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JP
Japan
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paper
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meth
water
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JP62314788A
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英明 鈴木
章 椚原
収一郎 武田
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SHINOJI SEISHI KK
Original Assignee
SHINOJI SEISHI KK
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Publication date
Application filed by SHINOJI SEISHI KK filed Critical SHINOJI SEISHI KK
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Publication of JPH01156598A publication Critical patent/JPH01156598A/ja
Publication of JPH0635720B2 publication Critical patent/JPH0635720B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は剥離紙に関し、特にカールの発生がなく、通紙
適正、複写適正等に優れた粘着紙を構成することができ
る剥離紙に関するものである。
「従来の技術」 粘着紙は商業用、事務用、家庭用等非常に広範囲な用途
にラベル、シール、ステッカー、ワッペン等として使用
されている。この粘着紙の一般的構成は、表面基材と剥
離紙との間に粘着材をサンドイッチにした状態のもので
あり、表面基材には紙、フィルム、金属フォイル等が用
いられ、剥離紙としてはグラシン紙のような高密度原
紙、クレーコート紙、ポリラミ原紙等にシリコン化合物
や弗素化合物の如き剥離剤を塗布したものが使用され
る。また粘着剤としては、溶剤型粘着剤、エマルジョン
型粘着剤、ホットメルト型粘着剤等が使用される。
「発明が解決しようとする問題点」 かかる粘着紙では、剥離紙に起因するカールが発生し易
い。即ち、粘着紙の一般的な製造工程では剥離原紙に剥
離剤を塗布乾燥し、この剥離剤塗布面に粘着剤を塗布乾
燥したのち表面基材と貼合わされるため、剥離原紙は剥
離剤と粘着剤の塗布工程において二度乾燥されて収縮し
ており、水分に対する反応性が極めて高くなっている。
そのため外部環境の変化等で偏った吸湿、吸水作用が起
こると、直ちにカールが発生してしまう。特に、原紙と
してグラシン紙のような高叩解、高密度の紙を使用した
場合には、乾燥時に普通の紙以上に収縮しているため、
吸湿、吸水によって起こる繊維の膨潤を吸収すべき空隙
が極めて少なく、結果的にカールの発生がとりわけ著し
い。
このように剥離紙が原因で発生する粘着紙のカールは、
例えば粘着紙に印刷、ダイカット(打ち抜き)、シート
カット等の処理を施してラベルやシール等に加工する段
階で給紙不良、紙不揃い、印刷ずれ等のトラブルを起こ
し、また複写機で複写する際には通紙不良や転写不良を
起こすため、作業適正及び品質面において極めて重大な
障害となる。
粘着紙のカールを矯正するために、粘着紙をカール方向
とは逆の方向に鋭角的に曲げるカールブレーカーの使
用、エアーコンディショナーの付設やスチームダンピン
グを行う方法等が提案されているが、工程の複雑さが伴
う上に効果の点でも不充分であり、必ずしも満足すべき
結果が得られていないのが現状である。
かかる現状に鑑み、本発明者等は剥離紙に起因する粘着
紙のカールを防止する方法について鋭意研究の結果、剥
離紙用の基紙に特定の単量体組成とガラス転移温度を有
し、且つ特定量の乳化剤を含有する水溶性共重合体を主
成分とする下塗り層を形成し、しかる後に剥離剤層を設
けると、上記の如き難点が極めて効率良く解消されるこ
とを見出し、さらに鋭意検討を重ねた結果本発明を完成
するに至った。
「問題を解決するための手段」 本発明は、基紙の少なくとも片面に下塗り層を介して剥
離剤層を設けてなる剥離紙において、該下塗り層の主成
分が下記の単量体組成からなり、乳化剤を2〜10重量
%含有する共重合体であり、且つカルボキシル基をアル
カリ性物質で中和することによって平均粒子径が0.3
μm以下の水溶性共重合体としたガラス転移温度−60
〜20℃の共重合体であることを特徴とする剥離紙であ
る。
(a)エチレン性不飽和カルボン酸含有単量体:2〜40
重量% (b)(メタ)アクリル酸のC4 10のアルキルエステル単
量体:50〜90重量% (c)これらの単量体と共重合可能な他の単量体:0〜4
0重量% 「作用」 本発明において用いられる上記特定の水溶性共重合体を
構成するエチレン性不飽和カルボン酸含有単量体として
は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マ
レイン酸、イタコン酸、フマル酸、モノアルキルマレイ
ン酸、モノアルキルイタコン酸、モノアルキルフマル酸
等が挙げられる。
共重合体に中に占めるこれらのエチレン性不飽和カルボ
ン酸含有単量体の割合が全体量の2重量%未満になる
と、得られた共重合体の水溶性が不充分となり、逆に4
0重量%を越えると、乾燥性が不充分となり皮膜も硬く
なってカールの改良効果が低下してしまう、その為、こ
れらのエチレン性不飽和カルボン酸含有単量体は2〜4
0重量%の範囲で共重合する必要がある。
一方、本発明で用いられる水溶性共重合体を構成する
(メタ)アクリル酸のアルキルエステル単量体として
は、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(エタ)ア
クリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メ
タ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エ
チルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)
アクリル酸ステアリル等が挙げられる。
共重合体中に占めるこれらの(メタ)アクリル酸のアル
キルエステル単量体の割合は、全単量体の50〜90重
量%の範囲で調節される。
本発明においては、これらの(メタ)アクリル酸のアル
キルエステル単量体の中でも、特に(メタ)アクリル酸
ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリ
ル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシ
ル等の如くC4 10のアルキル基を有する(メタ)アク
リル酸エステル単量体が好ましく用いられる。
また、本発明で用いられる水溶性共重合体を構成する上
記の如き単量体と共重合可能な他の単量体としては、例
えば酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メ
タ)アクリロニトリル、スチレン、エチレン、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ
(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−ブ
タンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレ
ート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メ
トキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、N,N′−メチレンビス
(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
共重合体中に占めるこれらの共重合可能な他の単量体の
割合は、全単量体の0〜40重量%の範囲で調節され
る。
本発明の水溶性共重合体は、上記の如き各単量体を乳化
剤(保護コロイド)、連鎖移動剤、重合開始剤等の存在
下水系で乳化共重合、グラフト共重合する方法で製造さ
れるが、特に乳化剤の使用量は重要であり、共重合体を
構成する単量体の全量に対して2〜10重量%の範囲で
含有せしめられる。使用量が2重量%を下回ると、得ら
れるエマルジョンの安定性が不充分となり、重合体の粒
子径が大きくなってしまう。また、10重量%を越える
程多量に使用すると、下塗り層と離型剤層との密着性が
低下する。
乳化剤としては、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、アルカリールポリエーテルの硫酸塩等の如き
陰イオン性乳化剤:ポリオキシエチレンノニルフェノー
ルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレ
ンブロック共重合体等の如き非イオン性乳化剤;ラウリ
ルピリジニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニ
ウムブロマイド等の如き陽イオン性乳化剤;ポリビニル
アルコール、(メタ)アクリロイル基、ハロアルキル
(メタ)アクリロイル基、N−メチロールアクリルアミ
ド基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するポリ
ビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレン
グリコール誘導体、ガゼイン等の如き保護コロイド等が
挙げられる。
また、連鎖移動剤としては、例えばチオグリセロール、
エチレンチオグリコール、チオグリコール酸、n−ドデ
シルメルカプタン等が例示され、重合開始剤としては、
例えば過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム又はそれらと亜硫酸ソーダ、酸性亜硫酸ソーダ等の還
元剤との組み合わせから成る所謂レドックス系の重合開
始剤等が挙げられる。
本発明では、かくして得られる水溶性共重合体のガラス
転移温度も重要であり、−60〜20℃、より好ましく
は−40〜0℃のガラス転移温度を有する水溶性共重合
体が選択的に使用される。因みに、ガラス転移温度が−
60℃より低くなると、皮膜の粘着性が強くなり過ぎ、
逆に20℃より高くなると、得られる皮膜が硬くなり過
ぎて実用性がなくなってしまう。
なお、共重合体のガラス転移温度〔Tg〕は本発明におい
ては下記一般式(1)に基づいて推定される。
Tg:共重合体のガラス転移温度 Tg:第i単量体ホモポリマーのガラス転移温度 W:第i単量体の重量分率 上記の如き特定の水溶性共重合体は、共重合体中のカル
ボキシル基を例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、アンモニア、各種の第1級、第2級、第3級アミン
等の適当なアルカリ性物質で中和することによって水溶
液とし、剥離紙の基紙の少なくとも片面に下塗り層を形
成するために塗布又は含浸されるが、基紙への浸透が大
きい程カールの防止効果に優れているため、重合体の粒
子径を0.3μm以下に調節するのが望ましい。また水
溶液の濃度は5〜60重量%、好ましくは10〜45重
量%程度に調節して使用される。
かかる下塗り水溶液中には、本発明の所望の効果を阻害
しない範囲で、例えばメチルセルロース、エチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース等のセルロース誘導体、デキストリン、酸処
理澱粉、酸化澱粉、架橋澱粉、澱粉エステル、グラフト
共重合体澱粉等の澱粉誘導体等の各種の水溶性天然高分
子類;エチレングリコール、グリセリン、トリメチロー
ルプロパン、ジエチレングリコール等の多価アルコール
類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等のポリアルキレングリコール類等の水溶性可塑剤;
尿素・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン・ホルムアルデ
ヒド樹脂、ポリアミド・ポリアミン・エピクロルヒドリ
ン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、エポキシ樹脂等の架
橋剤;さらには無機塩;充填剤;消泡剤;濡れ剤;レベ
リング剤;硬化剤;増粘剤;皮膜形成助剤等を適宜添加
することができる。
下塗り水溶液の剥離紙基紙への塗布又は含浸の方法につ
いては特に限定されず、例えばエアーナイフコーター、
ロールコーター、グラビアコーター、バーコーター、ブ
レードコーター、サイズプレスコーター等の各種装置が
適宜使用される。塗布又は含浸の量は、乾燥重量で0.
1〜20g/m2程度の範囲で調節するのが好ましく、特
に1〜10g/m2程度が望ましい。
かくして形成された下塗り層表面にコロナ放電処理を施
すと、下塗り層と離型剤層との密着性が向上するため、
かかる処理は本発明の好ましい実施態様の一つである。
また、下塗り層表面の固有電気抵抗値が1.0×1010
Ωより大きくなると、例えば粘着紙に構成して静電記録
装置等で記録した場合に、静電気の影響で通紙不良や転
写不良を起こす恐れがあるため、下塗り層表面の固有電
気抵抗値は1.0×1010Ω以下に調節するのが望まし
い。
本発明の剥離紙において、基紙としては通常の坪量30
〜300g/m2程度、厚さ30〜300μm程度の各種
繊維シート類が使用される。
下塗り層の上に塗布される剥離剤については、特に限定
されず、各種のシリコーン化合物や弗素化合物等が常法
に従って塗布される。
かくして得られる本発明の剥離紙は基紙に、特定量の乳
化剤を用いて特定の単量体組成とガラス転移温度を有す
るアクリル系樹脂を共重合し、アルカリ性物質で中和す
ることによって特定の平均粒子径とした水溶性共重合体
を主成分とする下塗り層が形成されているため、特にカ
ールの発生が効果的に防止され、通紙適性や複写適性等
に優れた粘着紙を構成することができるものである。
なお、本発明の剥離紙を使用して粘着紙を構成する方法
については、格別の限定はなく、常法に従って例えば溶
剤型粘着剤、エマルジョン型粘着剤、ホットメルト型粘
着剤等を使用して塗布、乾燥、調湿等を行って適宜粘着
紙に仕上げられる。
「実施例」 以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する
が、勿論これらに限定されるものではない、なお、例中
の塗布量、部数、混合割合などは全て固形分で示した。
実施例1 ブチルアクリレート270g、アクリル酸15g、アク
リロニトリル113g、N−メチロールアクリルアミド
2g、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル系
乳化剤5g、オキシエチレン・オキシプロピレンブロッ
クポリマー系乳化剤5g、イオン交換水170gから成
る乳化単量体混合液〔I〕を調製した。
次に、撹拌機、クーラー、滴下ロート、チッ素吸込管、
温度計を付帯した2の四つ口フラスコにイオン交換水
240gと上記乳化剤の1:1の混合物2g、過硫酸カ
リウム0.8gを仕込み、チッ素置換しながら70℃ま
で昇温した後、上記乳化単量体混合液〔I〕の1/6を
滴下した。反応率が90%に達した時点で残りの乳化単
量体混合液〔I〕を2時間かけて滴下して重合させた。
滴下終了後70℃で2時間熟成して反応を完結させた。
熟成終了後、フラスコ内容物を60℃に冷却し、水酸化
ナトリウム水溶液を添加して中和反応を行い、反応終了
後に強撹拌して本発明で使用する水溶性共重合体を得
た。
得られた水溶性共重合体のガラス転移温度は−29℃で
あり、平均粒子径は0.3μmであった。
この水溶性共重合体75重量部に酸化澱粉(商品名:エ
ースC,王子コーン・スターチ社製)水溶液を24重量
部添加し、さらにコロイダルシリカ(商品名:スノーテ
ックス30,日産化学工業社製)を1重量部添加して濃
度30重量%の下塗り水溶液を調製した。
坪量40g/m2、厚さ55μmの上質紙に上記下塗り水
溶液をバーコーターで乾燥重量が5g/m2となるように
塗布し、120℃で1分間乾燥して剥離基紙を得た。剥
離基紙表面の固有電気抵抗は2×10Ωであった。
この剥離基紙表面を発振周波数30KHz、出力電圧3
4KV、出力0.7KW、処理速度4m/分でコロナ放
電処理し、処理面上に市販のシリコーン剥離剤を塗布、
乾燥して本発明の剥離紙を得た。
なお、この剥離基紙の対剥離剤塗工液バリヤー性は極め
て良好であり、均一な軽剥離性剥離紙が得られた。ま
た、この剥離紙を用いて粘着紙を製造したところ、カー
ルの発生がなく、複写機での通紙適性、複写適性の極め
て良好な粘着紙が得られた。
実施例2 2−エチルヘキシルアクリレート190g、メチルメタ
クリレート60g、アクリロニトリル120g、アクリ
ル酸30g、ポリオキシエチレンアルキルフェニル硫酸
塩系乳化剤8g、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム
系乳化剤8g、イオン交換水170gから成る乳化単量
体混合液〔I〕を調製した。
得られた乳化単量体混合液〔I〕を使用した以外は実施
例1と同様にして重合し、70℃で2時間熟成して反応
を完結させた。
熟成終了後、フラスコ内容物を50℃に冷却し、水酸化
カリウム水溶液を添加して中和反応を行い、反応終了後
に強撹拌して本発明で使用する水溶性共重合体〔A〕を
得た。なお、得られた水溶性共重合体〔A〕のガラス転
移温度は−6℃であり、平均粒子径は0.2μmであっ
た。
次に、ブチルアクリレート100g、メチルメタクリレ
ート250g、アクリル酸50g、ポリオキシエチレン
ノニルフェノールエーテル系乳化剤5g、オキシエチレ
ン、オキシプロピレンブロックポリマー系乳化剤5g、
イオン交換水170gから成る乳化単量体混合液〔II〕
を調製し、以下実施例1と同様にして重合・熟成を行っ
た。
熟成終了後、フラスコ内容物を50℃に冷却し、水酸化
カリウム水溶液を添加して中和反応を行い、反応終了後
に共撹拌して本発明で使用する水溶性共重合体〔B〕を
得た。なお、得られた水溶性共重合体〔B〕のガラス転
移温度は42℃であり、平均粒子径は0.3μmであっ
た。
水溶性共重合体〔A〕70重量部に水溶性共重合体
〔B〕を30重量部添加して濃度35重量%の下塗り水
溶液を調製した。
坪量50g/m2、厚さ65μmの上質紙に上記下塗り水
溶液をブレードコーターで乾燥重量が4g/m2となるよ
うに塗布し、150℃で30秒間乾燥して剥離基紙を得
た。剥離基紙表面の固有電気抵抗は8×10Ωであっ
た。
この剥離基紙に市販のシリコーン剥離剤を塗布、乾燥し
て本発明の剥離紙を得た。なお、この剥離基紙の対剥離
剤塗工液バリヤー性は極めて良好であり、均一な軽剥離
性剥離紙が得られた。また、この剥離紙を用いて粘着紙
を製造したところ、カールの発生がなく、複写機での通
紙適性、複写適性の極めて良好な粘着紙が得られた。
実施例3 ブチルアクリレート300g、アクリル酸80g、アク
リルアミド8gの単量体混合物を使用した以外は実施例
2と同様に乳化共重合し、水酸化ナトリウムによる中和
反応等を行い、濃度30重量%の水溶性共重合体を得
た。この水溶性共重合体のガラス転移温度は−36℃で
あり、平均粒子径は0.2μmであった。
この水溶性共重合体60重量部に実施例2の水溶性共重
合体〔B〕30重量部とポリエチレングリコール5重量
部及びエポキシ化合物(商品名:デナコールEX−85
1,ナガセ化成工業社製)5重量部を添加して濃度25
重量%の下塗り水溶液を調製した。
坪量64g/m2、厚さ70μmの上質紙に上記下塗り水
溶液をバーコーターで乾燥重量が7g/m2となるように
塗布し、130℃で1分間乾燥して剥離基紙を得た。剥
離基紙表面の固有電気抵抗は9×10Ωであった。
この剥離基紙表面を実施例1と同様にしてコロナ放電処
理し、処理面に市販のシリコーン剥離剤を塗布、乾燥し
て本発明の剥離紙を得た。なお、この剥離基紙の対剥離
剤塗工液バリヤー性も極めて良好であり、均一な軽剥離
性剥離紙が得られた。また、この剥離紙を用いて粘着紙
を製造したところ、カールの発生がなく、複写機での通
紙適性、複写適性の極めて良好な粘着紙が得られた。
実施例4 2−エチルヘキシルアクリレート300g、アクリル酸
20g、メチルメタクリレート78g、ポリエチレング
リコールジメタクリレート2g、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニル硫酸塩系乳化剤10g、ジオクチルスル
ホコハク酸ナトリウム系乳化剤10g、イオン交換水1
70gから成る乳化単量体混合液〔I〕を調製した。
得られた乳化単量体混合液〔I〕を使用した以外は実施
例1と同様にして重合し、70℃で2時間熟成して反応
を完結させた。この共重合体のガラス転移温度は−28
℃であった。
次に、ブチルアクリレート25g、アクリロニトリル6
0g、アクリル酸15g、ポリオキシエチレンアルキル
フェニル硫酸塩系乳化剤3g、ジオクチルスルホコハク
酸ナトリウム系乳化剤3g、過硫酸アンモニウム0.2
g.イオン交換水100gから成る乳化単量体混合液
〔II〕を調製した。
先に重合した共重合体中に、フラスコ内の温度を70℃
に保ちながら、上記乳化単量体混合液〔II〕を1時間か
けて適下し、3時間反応させた後、冷却してグラフト共
重合体を得た。これに水酸化カリウム水溶液を添加して
中和反応を行い、強撹拌して水溶性グラフト共重合体を
得た。得られた水溶性グラフト共重合体の平均粒子径は
0.1μmであった。
この水溶性共重合体90重量部にポリエチレングリコー
ル8重量部とコロイダルシリカ(商品名:スノーテック
ス30,日産化学工業社製)2重量部を添加して濃度3
3重量%の下塗り水溶液を調製した。
この下塗り水溶液を坪量40g/m2、厚さ55μmの上
質紙にブレードコーターで乾燥重量が5g/m2となるよ
うに塗布し、120℃で1分間乾燥して剥離基紙を得
た。剥離基紙表面の固有電気抵抗は5×10Ωであっ
た。
この剥離基紙表面を実施例1と同様にしてコロナ放電処
理し、処理面に市販のシリコーン剥離剤を塗布、乾燥し
て本発明の剥離紙を得た。なお、この剥離基紙の対剥離
剤塗工液バリヤー性も極めて良好であり、均一な軽剥離
性剥離紙が得られた。また、この剥離紙を用いて粘着紙
を製造したところ、カールの発生がなく、複写機での通
紙適性、複写適性の極めて良好な粘着紙が得られた。
比較例1 坪量50g/m2、厚さ65μmの上質紙に、下塗り水溶
液としてスチレン・マレイン酸共重合体(商品名:スク
リプトセット520,モンサント社製)をバーコーター
で乾燥重量が5g/m2となるように塗布し、150℃で
1分間乾燥して剥離基紙を得た。
なお、この下塗り水溶液は濃度12重量%であり、ガラ
ス転移温度は156℃であった。また、得られた剥離基
紙表面の固有電気抵抗は8×10Ωであった。
この剥離基紙に市販のシリコーン剥離剤を塗布乾燥して
剥離紙を得た。剥離基紙の対剥離剤塗工液バリヤー性は
良好であったが、得られた剥離紙を用いて粘着紙を製造
したところ、カールの発生が著しく、複写機での通紙適
性、複写適性の極めて悪い粘着紙しか得られなかった。
比較例2 撹拌機、クーラー、滴下ロート、チッ素吸込管、温度計
を付帯する1の四つ口フラスコにイソプロピルアルコ
ール120gと水56gを仕込み、チッ素気流、撹拌
下、還流温度まで昇温する。滴下ロートにブチルアクリ
レート60g、アクリル酸30g、アクリロニトリル1
0g、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.5g
を仕込み、この均一溶液を2時間要して滴下し、滴下後
2時間熟成をおこなった。なお、重合及び熟成は還流温
度で行い、熟成終了後にフラスコ内容物を50℃に冷却
し、水酸化ナトリウム水溶液を添加して中和反応を行っ
た。中和反応終了後、昇温してイソプロピルアルコール
を水との共沸によって系から除去し、冷却後に濃度を3
0重量%に希釈して水溶性共重合体を得た。得られた水
溶性共重合体のガラス転移温度は−11℃であった。
この水溶性共重合体80重量部に酸化澱粉(商品名:エ
ースC,王子コーン・スターチ社製)水溶液を18重量
部添加し、さらにコロイダルシリカ(商品名:スノーテ
ックス30,日産化学工業社製)を2重量部添加して濃
度24重量%の下塗り水溶液を調製した。
坪量50g/m2、厚さ65μmの上質紙に上記下塗り水
溶液をバーコーターでラインスピード40m/分、オー
ブン長20m、乾燥温度150℃、乾燥重量7g/m2
塗布して剥離機紙を得た。剥離基紙表面の固有電気抵抗
は6×10Ωであった。なお、下塗り水溶液の乾燥性
が悪く、紙切れが頻発して生産性が著しく悪かった。
この剥離基紙に市販のシリコーン剥離剤を塗布乾燥して
剥離紙を得た。剥離基紙の対剥離剤塗工液バリヤー性は
良好であったが、得らた剥離紙を用いて製造した粘着紙
は複写機での通紙適性が極めて悪かった。
比較例3 アニオン系乳化剤(ラウリル硫酸ナトリウム)0.2
g、過硫酸アンモニウム0.5g、水125gを反応器
に入れ、撹拌しつつ加熱して75℃に保ち、ブチルアク
リレート85g、メチルメタクリレート7g、アクリル
酸5g、β−ヒドロキシエチルメタクリレート3gより
なる混合物を連続的に3時間で添加した。添加終了後7
5℃で3時間保持して反応を完結した。得られたエマル
ジョンのガラス転移温度は−45℃であり、平均粒子径
は0.6μmであった。
このエマルジョン75重量部に酸化澱粉(商品名:エー
スA,王子コーン・スターチ社製)水溶液を25重量部
添加し、濃度25重量%の下塗り水溶液を調製した。こ
の水溶液は安定性が悪く、澱粉が沈降する傾向が認めら
れた。
坪量50g/m2、厚さ65μmの上質紙に上記下塗り水
溶液をバーコーターで乾燥重量が5g/m2となるように
塗布し、120℃で1分間乾燥して剥離基紙を得たが、
剥離基紙表面には凝集物の発生が認められた。なお、剥
離基紙表面の固有電気抵抗は4×10Ωであった。
この剥離基紙に市販のシリコーン剥離剤を塗布乾燥して
剥離紙を得たが、剥離基紙の対剥離剤塗工液バリヤー性
が不充分であり、この剥離紙を用いて製造した粘着紙は
剥離不良を起こした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−98186(JP,A) 特公 昭57−54598(JP,B2) エマルジョン・ラテックス ハンドブッ ク編集委員会編「エマルジョンラテックス ハンドブック」昭57−2−5 株式会社 大成社 P.241−246 「樹脂加工別冊 最近のエマルジョン ラテックス工業」昭37−10−10 P.48− 49

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基紙の少なくとも片面に下塗り層を介して
    剥離剤層を設けてなる剥離紙において、該下塗り層の主
    成分が、下記の単量体組成から成る、乳化剤を2〜10
    重量%含有する共重合体であり、且つカルボキシル基を
    アルカリ性物質で中和することによって平均粒子径が
    0.3μm以下の水溶性共重合体としたガラス転移温度
    −60〜20℃の共重合体であることを特徴とする剥離
    紙。 (a)エチレン性不飽和カルボン酸含有単量体:2〜40
    重量% (b)(メタ)アクリル酸のC4 10アルキルエステル単量
    体:50〜90重量% (c)これらの単量体と共重合可能な他の単量体:0〜4
    0重量%」
  2. 【請求項2】下塗り層表面にコロナ放電処理が施されて
    いる請求の範囲第(1)項記載の剥離紙。
  3. 【請求項3】下塗り層表面の固有電気抵抗が1.0×1
    10Ω以下である請求の範囲第(2)項記載の剥離紙。
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