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JPH06122730A - 含フッ素共重合体および該共重合体を主成分とする塗料用組成物 - Google Patents

含フッ素共重合体および該共重合体を主成分とする塗料用組成物

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Publication number
JPH06122730A
JPH06122730A JP29936192A JP29936192A JPH06122730A JP H06122730 A JPH06122730 A JP H06122730A JP 29936192 A JP29936192 A JP 29936192A JP 29936192 A JP29936192 A JP 29936192A JP H06122730 A JPH06122730 A JP H06122730A
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JP
Japan
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mol
vinyl
copolymer
fluorine
monomer
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Granted
Application number
JP29936192A
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English (en)
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JP3160869B2 (ja
Inventor
Etsuzo Marumoto
悦造 丸本
Akihito Iida
晃人 飯田
Tatsuo Nishio
竜生 西尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP29936192A priority Critical patent/JP3160869B2/ja
Publication of JPH06122730A publication Critical patent/JPH06122730A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高いTgを有する含フッ素共重合体であって、
かつ塗料用に適する共重合体の提供。 【構成】(a)クロロトリフルオロエチレンまたはテト
ラフルオロエチレン単量体単位;30〜65モル%、
(b)ノルボルナジエンまたは置換基を有するノルボル
ナジエン単量体単位;5〜45モル%、(c)脂肪族カ
ルボン酸ビニルエステルまたはアルキルビニルエーテル
単量体単位;5〜50モル%、(d)水酸基を有するビ
ニル単量体単位;1〜25モル%および(e)その他の
ビニル単量体単位;0〜20モル%を構成々分とし、数
平均分子量が1,000〜200,000である含フッ素共
重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な含フッ素共重合
体および該重合体を主成分とする塗料用組成物に関する
ものである。本発明によって得られる含フッ素共重合体
は、公知の含フッ素共重合体と比較して高いガラス転移
温度を有し、さらに塗料用樹脂として必要な諸物性を具
備しているため、夏季に高温となる建築物や自動車等の
外装塗料用に好適である。
【0002】
【従来技術】近年塗料の分野において、耐候性、耐薬品
性等の特性に優れた材料に対する要求が強くなってきて
おり、この要求に答えるものとして、フッ素系モノマー
を成分とする各種重合体が提案されている。それらの中
でも、クロロトリフルオロエチレン、シクロヘキシルビ
ニルエーテル、アルキルビニルエーテルおよびヒドロキ
シアルキルビニルエーテルからなる含フッ素共重合体
(特開昭57−34107号公報)、またはクロロトリ
フルオロエチレン、脂肪族ビニルエステルおよびヒドロ
キシル基含有アリルエーテルからなる含フッ素共重合体
(特開昭61−57609号公報)のような、分子中に
水酸基を有しかつ有機溶剤に可溶な樹脂は、硬化型の耐
候性塗料用樹脂として注目されている。
【0003】しかしながら、上記含フッ素共重合体のガ
ラス転移温度は、高々30℃程度であり、またそれらに
硬化剤を反応させて得られる硬化樹脂のガラス転移温度
も50℃程度であるために、夏季には60℃以上に温度
の上がり得る自動車外装塗料用等に用いられた場合、耐
汚染性に今一歩であるという問題があった。具体的に言
えば、前記のガラス転移温度を有する含フッ素共重合体
からなる塗料では、塗板の温度が60℃以上にも達する
と、該共重合体が軟化して、それに汚染物質が付着し易
くなるのであった。
【0004】本発明者らは、含フッ素共重合体のガラス
転移温度を高めるため、安息香酸ビニル、スチレンまた
はフェニルビニルエーテル等の芳香環を含んだ単量体
を、フッ素系モノマーと共重合する方法を検討したが、
かかる方法によって得られた共重合体は、ガラス転移温
度は高いが、耐候性に劣るという欠点を有していた。ま
た、クロロトリフルロエチレンはノルボルナジエンと共
重合して、ガラス転移温度が高く、有機溶剤に可溶な共
重合体を与えることが知られているが(USP3287
327)、該2元共重合体は、塗料用樹脂として用いる
と冷熱サイクル試験で多数のクラックが発生することが
実験により分かった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、重合体分子中に特定量
のノルボルナジエンまたは置換ノルボルナジエン単量体
単位を有する下記構成の含フッ素共重合体が、有機溶剤
に溶解しかつ高いガラス転移温度を有し、しかも冷熱サ
イクル性及び耐候性に優れることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0006】即ち、本発明における第1発明は、(a)
クロロトリフルオロエチレンまたはテトラフルオロエチ
レン単量体単位、(b)ノルボルナジエンまたは置換基
を有するノルボルナジエン単量体単位、(c)脂肪族カ
ルボン酸ビニルエステルまたはアルキルビニルエーテル
単量体単位および(d)水酸基を含有するビニル単量体
単位からなるか、または上記(a)〜(d)と(e)そ
の他のビニル単量体単位からなり、全単量体単位の合計
量を基準とする各成分の割合が、(a);30〜65モ
ル%、(b);5〜45モル%、(c);5〜50モル
%、(d);1〜25モル%および(e);0〜20モ
ル%で、数平均分子量が1,000〜200,000である
含フッ素共重合体であり、第2発明は、前記含フッ素共
重合体および硬化剤からなる塗料用組成物である。
【0007】以下、本発明について更に詳しく説明す
る。本発明で用いられるフッ素系モノマーは、クロロト
リフルオロエチレンまたはテトラフルオロエチレンであ
り、取扱いの容易さの点から好ましくはクロロトリフル
オロエチレンである。
【0008】ノルボルナジエンまたは置換基を有するノ
ルボルナジエンとしては、2,5−ノルボルナジエン、
ノルボルナジエン2−カルボン酸エチル、ノルボルナジ
エン2−カルボン酸メチル、2−メトキシノルボルナジ
エンおよび7−シアノノルボルナジエン等が挙げられ
る。重合性に優れる点で好ましくは、2,5−ノルボル
ナジエンである。
【0009】脂肪族カルボン酸ビニルエステルまたはア
ルキルビニルエーテルに関しては、それらのいずれか一
方のみを使用しても良いし、両方を併用しても良いが、
得られる含フッ素共重合体の有機溶剤溶液の貯蔵安定性
に優れる点で、脂肪族カルボン酸ビニルエステルがより
好ましい。なお、本発明における脂肪族カルボン酸ビニ
ルエステルは脂環式カルボン酸ビニルエステルを含み、
またアルキルビニルエーテルはシクロアルキルビニルエ
ーテルを含むものとする。
【0010】本発明における脂肪族カルボン酸ビニルエ
ステルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪
酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウ
リン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ル、バーサチック酸ビニルおよびシクロヘキサンカルボ
ン酸ビニル等が挙げられる。安息香酸ビニル等の芳香族
カルボン酸のビニルエステルでは、得られる含フッ素共
重合体の耐候性が劣る。アルキルビニルエーテルとして
は、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブ
チルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、ステア
リルビニルエーテルおよびシクロヘキシルビニルエーテ
ル等が挙げられる。
【0011】水酸基を含有するビニル単量体としては、
ヒドロキシエチルクロトネート、ヒドロキシブチルビニ
ルエーテル、ヒドロキシエチルアリルエーテルおよびヒ
ドロキシエチルメタクリレート等が挙げられる。耐候性
や基材との密着性の点から、ヒドロキシエチルクロトネ
ートまたはヒドロキシブチルビニルエーテルが好まし
く、特に好ましくはヒドロキシエチルクロトネートであ
る。
【0012】本発明においては、上記単量体以外のその
他のビニル単量体を所望により使用しても良く、かかる
ビニル単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブ
チレン等のα−オレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等の部分ハロゲン
化オレフィン;メチルメタクリレート、メチルアクリレ
ート等の(メタ)アクリル酸エステル;酢酸アリル、酪
酸アリル等のアリル化合物;クロトン酸エチル、クロト
ン酸プロピル等のクロトン酸エステル類;クロトン酸、
(メタ)アクリル酸、ビニル酢酸等のα,β−不飽和カ
ルボン酸等が挙げられる。
【0013】上記単量体を後記する重合法によって、ラ
ジカル共重合させることにより、本発明の含フッ素共重
合体を得ることができる。本発明の含フッ素共重合体に
おける上記各単量体単位の割合は、前記のとおり、
(a)クロロトリフルオロエチレンまたはテトラフルオ
ロエチレン単量体単位;30〜65モル%、(b)ノル
ボルナジエンまたは置換基を有するノルボルナジエン単
量体単位;5〜45モル%、(c)脂肪族カルボン酸ビ
ニルエステルまたはアルキルビニルエーテル単量体単
位;5〜50モル%、(d)水酸基を含有するビニル単
量体単位;1〜25モル%および(e)その他のビニル
単量体単位;0〜20モル%であり、より好ましくは、
(a)40〜55モル%、(b)10〜40モル%、
(c)10〜40モル%、(d)3〜20モル%および
(e)0〜10モル%である。
【0014】上記構成を有する本発明の含フッ素共重合
体の好ましいガラス転移温度は、40〜120℃であ
る。このように、従来公知の塗料用含フッ素共重合体と
比較して高いガラス転移温度を有するために、本発明の
含フッ素共重合体によれば、例えば60℃を越すような
高温下での耐汚染性に優れる塗膜が得られるのである。
より好ましいガラス転移温度は50〜100℃である。
【0015】クロロトリフルオロエチレンまたはテトラ
フルオロエチレン単量体単位が、30モル%未満である
と耐候性に劣り、一方65モル%を越えると有機溶剤へ
の溶解性に劣る。ノルボルナジエンまたは置換基を有す
るノルボルナジエン単量体単位が、5モル%未満である
とガラス転移温度が低く過ぎ、高温下での耐汚染性に劣
り、一方45モル%を越えると得られる塗膜の物性が劣
り、冷熱サイクル試験においてクラックを多数発生す
る。脂肪族カルボン酸ビニルエステルまたはアルキルビ
ニルエーテル単量体単位が、5モル%未満であると含フ
ッ素共重合体の有機溶剤に対する溶解性が劣り、一方5
0モル%を越えると耐候性に劣る。水酸基を含有するビ
ニル単量体単位が、1モル%未満であると硬化剤と反応
させて得られる硬化樹脂における架橋密度が過少であ
り、一方25モル%を越えると架橋密度が高過ぎて加工
性に劣る。
【0016】本発明の含フッ素共重合体は、ラジカル発
生型重合開始剤の存在下で共重合させる方法で製造され
る。重合方法としては、水性媒体中での懸濁重合や乳化
重合、または溶液重合等が採用できる。所望の単量体組
成の重合体を得るための各単量体の仕込み方法について
は、例えば前記(c)成分としてアルキルビニルエーテ
ルを使用する場合には、全単量体ともその仕込み量の全
量が共重合するので、目的の重合体の単量体組成に対応
する割合で一括で重合器に仕込めば良い。これに対し
て、前記(c)成分として脂肪族カルボン酸ビニルエス
テルを使用する場合には、クロロトリフルオロエチレン
またはテトラフルオロエチレンを、目的の重合体におけ
るクロロトリフルオロエチレンまたはテトラフルオロエ
チレン単量体単位の割合の1.2〜5倍量程度仕込み、脂
肪族カルボン酸ビニルエステルおよびその他の単量体
は、重合体における単量体組成に対応する量仕込むこと
が好ましい。
【0017】溶液重合を採用する場合に好ましく用いら
れる有機溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等の環状エーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素化合物;酢酸エチル、酢酸ブチル等
のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン類;1,1,2−トリクロロ1,
2,2−トリフルオロエチレン等のフロン類等が挙げら
れ、これらの一種または2種以上を用いることができ
る。
【0018】ラジカル発生型重合開始剤としては、ジイ
ソプロピルパーオキシジカーボネート、ターシャリーブ
チルパーオキシピバレート、ベンゾイルパーオキサイド
およびラウロイルパーオキサイド等の過酸化物、アゾビ
スイソブチロニトリルおよびアゾビスイソバレロニトリ
ル等のアゾ化合物、ならびに過硫酸アンモニウム、過硫
酸カリウム等の無機過酸化物が使用できる。乳化重合を
採用する場合の乳化剤としては、パーフルオロオクタノ
イックアシドカリウム塩やアンモニウム塩、パーフルオ
ロオクタンスルホン酸アンモニウム塩、高級アルコール
硫酸エステルナトリウム塩およびポリエチレングリコー
ルエーテル等が挙げられる。
【0019】重合温度は20〜100℃程度が好まし
く、また重合圧力は1〜200kg/cm2が適当であり、耐
圧オートクレーブ中で3〜40時間重合させることによ
り、重合は完結する。なお、必要により、炭酸カリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、ハイドロタルサイトおよび陰
イオン交換樹脂等のPH調整剤を重合系に加えても良
い。
【0020】上記重合方法によれば、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー(以下GPCという)によるポ
リスチレン換算の数平均分子量が1,000〜200,00
0の含フッ素共重合体が得られる。本発明における含フ
ッ素共重合体のより好ましい数平均分子量は、3,000
〜100,000である。数平均分子量が3,000未満で
あると重合体が脆く、一方100,000を越えるとワニ
スとして用いる場合に粘度が高過ぎ塗装し難くなる。
【0021】上記含フッ素共重合体は、常温または加熱
硬化型塗料の成分として有用であり、その場合には、硬
化剤が併用される。併用される硬化剤は、水酸基と反応
する官能基を分子中に2個以上有する化合物であり、か
かる化合物としては、多価イソシアネート化合物または
アミノプラスト化合物等がある。多価イソシアネート化
合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネートまたはその二量体もしくは三量
体、およびブロックイソシアネート等が挙げられる。ま
た、アミノプラスト化合物としては、メチル化メラミ
ン、ブチル化メラミン等のメラミン、尿素樹脂およびベ
ンゾグアナミン等が挙げられる。
【0022】含フッ素共重合体と多価イソシアネート化
合物の使用割合は、該共重合体における水酸基の量に対
して、多価イソシアネート化合物中のイソシアネート基
の量が等量前後となるようにするのが良く、またアミノ
プラスト化合物を使用する場合には、前記水酸基の量に
対して、反応性の官能基の量が20〜40%程度となる
ようにするのが良い。上記硬化剤と共に、ジブチル錫ジ
ラウレート、p-トルエンスルホン酸等の硬化促進剤を併
用しても良い。
【0023】さらに、塗料化のために、酸化チタン、酸
化鉄、フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー、キ
ナクリドン等の顔料や、ステンレス粉、アルミニウム
粉、ブロンズ粉等の金属粉、分散剤、紫外線吸収剤、表
面調整剤、増粘剤等の添加剤を加えることができる。斯
くして得られた塗料は、鋼板、ステンレス、アルミ、コ
ンクリート、モルタル、プラスチック、木材等の基材
に、スプレー、はけ、ロール、バーコーター等により塗
装できる。以下、実施例を挙げて、具体的に説明する。
【0024】
【実施例1】攪拌機を備えた1リットルのオートクレー
ブに、酢酸ブチル300g、2,5−ノルボルナジエン
(以下NDという)100g、カプロン酸ビニル(以下
VCpという)100gおよびヒドロキシエチルクロト
ネート(以下HECRという)45gを仕込み、脱気と
窒素置換を3回繰り返した後、クロロトリフルオロエチ
レン(以下CTFEという)300gを仕込んだ。次い
で64℃まで昇温させた後、ターシャリーブチルパーオ
キシピバレート1gを圧入して重合を開始させた。10
時間重合を行い、圧力が7kg/cm2になった時点で、未反
応のCTFEをパージし、オートクレーブを開放して共
重合体溶液を得た。得られた溶液をメタノール中に投入
し洗浄乾燥して、200gの共重合体を得た。得られた
共重合体の固形分50%キシレン溶液は、無色透明な溶
液であり、それを室温で6ヶ月間保存しても粘度の上昇
は認められなかった。
【0025】得られた共重合体の数平均分子量は、12,
000(GPCによるポリスチレン換算の値)であり、
また該共重合体のガラス転移温度(以下Tgという)は
55℃であった。この共重合体のフッ素含有量は、フッ
素分析により25.4重量%であることが分かり、また水
酸基価は24(mg−KOH/g−レジン)であった。
さらに、1H−NMRおよび13C−NMRの測定結果と
も併せて、重合体の組成解析を行った結果、共重合体の
組成は、CTFE/ND/VCp/HECR=52/1
9/23/6(モル%)であった。
【0026】
【実施例2】共重合させる単量体を、CTFE/ND/
プロピオン酸ビニル(以下VPrという)/HECR=
300g/40g/125g/55gの組成の単量体に
変更し、溶媒をキシレンに変更した以外、実施例1と同
様の方法で重合を行い、共重合体を250g得た。得ら
れた共重合体の固形分50%キシレン溶液は、無色透明
な溶液であり、それを室温で6ヶ月間保存しても粘度の
上昇は認められなかった。
【0027】上記共重合体の数平均分子量は14,000
であり、そのTgは58℃であり、さらにフッ素分析値
は24.1%であり、水酸基価は40であった。実施例
1と同様に重合体の組成解析を行った結果、CTFE/
ND/VPr/HECR=46/18/28/8(モル
%)であることが分かった。
【0028】
【実施例3】共重合させる単量体を、CTFE/ND/
VCp/HECR=250g/150g/100g/1
00gの組成の単量体に変更し、溶媒をキシレンに変更
した以外、実施例1と同様の方法で重合を行い、共重合
体を230g得た。得られた共重合体の固形分50%キ
シレン溶液は、無色透明な溶液であり、それを室温で6
ヶ月間保存しても粘度の上昇は認められなかった。
【0029】上記共重合体の数平均分子量は11,000
であり、そのTgは81℃であり、さらにフッ素分析値
は24.5%であり、水酸基価は51であった。そし
て、共重合体の組成は、CTFE/ND/VCp/HE
CR=49/27/13/11(モル%)であった。
【0030】
【実施例4】実施例1で使用したものと同一のオートク
レーブに、キシレン250g、ND68g、エチルビニ
ルエーテル(以下EVEという)60g、ヒドロキシブ
チルビニルエーテル(以下HBVEという)48gおよ
び炭酸カリウム10gを仕込み、脱気と窒素置換を3回
繰り返した後、CTFE300gを仕込んだ。次いで6
4℃まで昇温させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.
5gが溶解されたキシレン溶液を圧入して重合を開始さ
せた。20時間重合を行い、圧力が6kg/cm2になった時
点で、未反応のCTFEをパージし、オートクレーブを
開放して共重合体溶液を得た。得られた溶液をメタノー
ル中に投入し洗浄乾燥して、300gの共重合体を得
た。得られた共重合体の固形分50%キシレン溶液は、
無色透明な溶液であったが、それを室温で6ヶ月間放置
すると粘度の上昇が起こった。
【0031】上記共重合体の数平均分子量は13,000
であり、そのTgは63℃であり、フッ素分析値は27.
8%であり、また水酸基価は63であった。そして、共
重合体の組成は、CTFE/ND/EVE/HBVE=
50/15/23/12(モル%)であった。
【0032】
【実施例5】実施例4で使用した単量体に代えて、CT
FE/ND/VCp/ベオバ9〔シェル化学(株)の炭
素数が9のカルボン酸からなるビニルエステル〕/HB
VE=300g/68g/50g/50g/55gの組
成の単量体を用い、炭酸カリウムに代えて除酸剤として
IRS94S〔オルガノ(株)製、イオン交換樹脂〕を
使用した以外は、実施例4と同様に操作して、共重合体
270gを得た。得られた共重合体の固形分50%キシ
レン溶液は、無色透明な溶液であったが、それを室温で
6ヶ月間放置すると粘度の上昇が起こった。
【0033】上記共重合体の数平均分子量は16,000
であり、そのTgは61℃であり、フッ素分析値は23.
3%であり、また水酸基価は58であった。そして、共
重合体の組成は、CTFE/ND/VCp/ベオバ9/
HBVE=49/17/11/10/13(モル%)で
あった。
【0034】比較例1 実施例4の重合方法により、CTFE/シクロヘキシル
ビニルエーテル(以下CHVEという)/EVE/HB
VE=260g/85g/81g/52gの組成の単量
体を用いて、CTFE/CHVE/EVE/HBVE=
50/14/26/10(モル%)の組成の共重合体を
400g得た。得られた共重合体の数平均分子量は9,8
00であり、そのTgは21℃であり、また水酸基価は
52であった。
【0035】比較例2 実施例1の重合方法によって、CTFE/パラターシャ
リブチル安息香酸ビニル(以下tBVBzという)/H
ECR=140g/108g/29gの組成の単量体を
用いて、CTFE/tBVBz/HECR=45/44
/11(モル%)の組成の共重合体を170g得た。得
られた共重合体の数平均分子量は21,000であり、そ
のTgは85℃であり、また水酸基価は50であった。
【0036】次に、上記各例で得られた含フッ素共重合
体の50重量%キシレン溶液(以下ワニスという)を用
い塗料を製造して、その塗膜物性を評価した。塗膜物性
の測定は、以下の方法に依った。 a.60度光沢: JIS−K5400に規定の方法。 b.鉛筆硬度: JIS−K5400に規定の方法。 c.碁盤目剥離: 1cm2四角に100個の切込みを
入れ、セロハンテープで剥離したときの残率で評価し
た。また、切込みを付けた塗板を沸水に1時間浸漬した
後の剥離残率、沸水後の塗膜外観に付いても示した。 d.耐候性: Qパネル社製の蛍光紫外線耐候性試験機
を用いて、光線を連続照射し、各8時間のうち、4時間
塗面裏側からイオン交換水をスプレーした。4000時
間試験後の60度光沢保持率(%)によって評価した。
【0037】e.冷熱サイクル試験: 室温水中(16
時間)→130℃恒温槽(3時間)→−30℃恒温槽
(3時間)を1サイクルとし、50サイクル終了後の塗
面の状態を観察した。 f.汚染性試験: カーボンブラックの0.1%水溶液
を塗面にスプレー後、90℃にて15分加熱するサイク
ルを6回繰り返した後、塗板を水洗し汚れ具合いを目視
で観察した。評価結果の記号の意味は以下のとおりであ
る。 ○;汚れが目立たない。△;汚れがやや残る。×;汚れ
がはっきりと残る。
【0038】
【実施例6】実施例1の含フッ素共重合体からなるワニ
ス100部に、シンナーとしてキシレンとメチルイソブ
チルケトンの等量混合液を45部、タイベークCR−9
0〔石原産業(株)製酸化チタン〕26.9部およびガラ
スビーズ150部を加えて、得られる混合物をペイント
コンディショナーで分散した。その後、濾布でガラスビ
ーズ除去して得られた液に、硬化剤としてコロネートH
X〔日本ポリウレタン(株)製イソシアネート〕を4.3
部(含フッ素共重合体の水酸基価/NCO価=1.0とな
る量)、また硬化促進剤としてジブチル錫ジラウレート
の0.1重量%キシレン溶液を1.0部加えて、塗料を製造
した。エポキシ系下塗り塗料が塗布、焼き付けされたク
ロメート処理亜鉛メッキ鋼板(厚さ0.6mm)上に、得ら
れた塗料を乾燥後の膜厚が40μになるように塗布し、
常温で一週間乾燥した。得られた塗膜の物性の評価結果
は、表1のとおりである。
【0039】
【実施例7〜10】実施例6と同様な方法により、実施
例2〜5で得られた含フッ素共重合体からなるワニスを
用い、塗装板を作製し塗膜の試験を行った。結果は表1
のとおりである。 比較例3〜4 比較例1〜2の含フッ素共重合体ワニスを用いる以外、
実施例6と同様に塗装板を作製し試験を行った。結果を
表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、塗料用樹脂として好適
な新規な含フッ素共重合体を得ることができ、さらに該
含フッ素共重合体と硬化剤からなる硬化型塗料は、例え
ば60℃を越すような高温下での耐汚染性に優れるとい
う、従来の含フッ素樹脂系塗料にはない特性を具備して
いる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 218/04 MLH 6904−4J 220/26 MMN 7242−4J 232/08 MNW 7242−4J C09D 123/18 PER 7107−4J 127/02 PFC 9166−4J 127/18 PFG 9166−4J 129/10 PFP 6904−4J 131/02 PFR 6904−4J 145/00 PGM 7921−4J (72)発明者 西尾 竜生 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成化学工業株式会社名古屋総合研究所 内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)クロロトリフルオロエチレンまたは
    テトラフルオロエチレン単量体単位、(b)ノルボルナ
    ジエンまたは置換基を有するノルボルナジエン単量体単
    位、(c)脂肪族カルボン酸ビニルエステルまたはアル
    キルビニルエーテル単量体単位および(d)水酸基を含
    有するビニル単量体単位からなるか、または上記(a)
    〜(d)と(e)その他のビニル単量体単位からなり、
    全単量体単位の合計量を基準とする各成分の割合が、
    (a);30〜65モル%、(b);5〜45モル%、
    (c);5〜50モル%、(d);1〜25モル%およ
    び(e);0〜20モル%で、数平均分子量が1,000
    〜200,000である含フッ素共重合体。
  2. 【請求項2】請求項1記載の含フッ素共重合体および硬
    化剤からなる塗料組成物。
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