JPH0534567Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、数個の化粧品充填用の中皿を交換可
能に設けた化粧用コンパクトに関する。

「従来の技術」 この種コンパクトは周知のように、小さな数個
の化粧品充填用中皿を化粧品皿に交換可能に平面
的に収納し、これら中皿に異色または異種の化粧
品を充填し、化粧品の消耗また多様な化粧に対応
できるようにしている。

「考案が解決しようとする問題点」 前記のように、化粧品充填用中皿は化粧品皿に
交換可能に取付けられるが、この場合各中皿は安
定的に保持でき、しかも交換可能とするため取付
け構造が複雑化し、この中皿の交換操作が面倒に
なつている欠点があつた。

本考案は、中皿群を安定的に保持収納でき、し
かもそれらの交換が容易な取付け構造とした化粧
用コンパクトを得るにある。

「問題点を解決するための手段」 本考案の化粧用コンパクトは、片開きの蓋１を
有する角皿形の化粧品皿２の一方の側壁３ａ内側
に、この側壁３ａに添わせ、細長な箱形であつて
化粧品皿２内部との仕切り板４は略半部とし、こ
の仕切り板４外面に係合レール５を突設し、頂板
６の仕切り板のない半部側一部に切欠き７を設け
た格納室８を形成し、この格納室８に、一端を固
定した板ばね９を前記仕切り板４のない側半部の
仕切り面に位置させて側壁３ａ側へ押込み可能に
設け、この板ばね９の外面側に前記係合レール５
に連続させて係合レール５ａを突設し、かつ前記
切欠き７上に突き出る摘み１０を設け、また他の
側壁３ｂ内面に前記係合レール５，５ａに対峙す
る係合レール５ｂを突設し、数個の中皿１１を両
端面をそれぞれ前記係合レール５，５ａと５ｂに
係合させて化粧品皿２内に前後方向に並べ収納し
た構成としている。

「作用」 上記にて、化粧品充填用の中皿１１は両端面を
係合レール５，５ａと５ｂにそれぞれ係合して化
粧品皿２内に前後方向に並べて収納されている。

これら中皿１１を交換するときは、摘み１０を
介して板ばね９を側壁３ａ側に押込み変位させ、
その係合レール５ａの中皿１１に対する係合を解
き、この状態にてこの変位可能な係合レール５ａ
部分に位置している中皿１１を化粧品皿２から上
方にとりだす。

交換すべき中皿１１がこの変位可能な係合レー
ル５ａ部分に位置しているものであればそれでよ
いが、交換すべき中皿１１が固定の係合レール５
側に係合してあるものの場合は、上記動作につづ
いて当該中皿１１を空いた係合レール５ａ部分に
スライドさせて移動し、この後とりだせばよい。
また新たな中皿１１を収納する場合は、係合レー
ル５ａ部分からこのレール５ａを押込み変位させ
た状態で化粧品皿２に収納すればよい。

「実施例」 第１の実施例（第１図乃至第４図） 本考案の化粧用コンパクトは、合成樹脂材で成
形製作してもよく、金属材で形成してもよいが、
この実施例では金属板を絞り形成するのではな
く、所定形状の板に截断してのち折り曲げ、また
結合等の加工で形成した場合のものを示してい
る。

蓋１は前後方向がやや長い角形の形状で、裏面
に鏡１２を接着し、また前部垂下壁１３の中間部
を切り溝により下端縁を止め金の一方の係合片１
４として残し外方に突出させ、開蓋時の爪掛け１
５を形成し、また後端縁をヒンジ１６で化粧品皿
２後端縁に片開き可能に枢着してある。

化粧品皿２は、一方の側壁３ａ内側に、この側
壁３ａに添わせて前後方向に細長な箱状の格納室
８を形成している。この格納室８は、一方の側壁
３ａを上方に長く延設し、この延設部分を内向き
庇状に折り曲げて頂板６を形成し、この頂板６を
更に下向きに中途から折り曲げて仕切り板４と
し、この仕切り板４の外面側、つまり化粧品皿２
内空間側に係合レール５を突設した下向き角樋状
に形成している。尚、仕切り板４、従つて係合レ
ール５も後部側半部にのみ設けており、そして頂
板６の仕切り板４のない側一部に切欠き７を形成
し、また他方の側壁３ｂ内面に係合レール５ｂを
突設形成している。

また前部壁３ｃの背面に、第４図ｂのように裏
板１７を添わせ、この裏板１７の両端を第４図ａ
のように挿入したピン１８をかしめて前部壁３ｃ
に固定し、中間部分に弾性を付与している。この
裏板１７の中間部上端縁から止め金用の他の係合
片１９を立設し、また中間部前面から突出した押
釦２０を前部壁３ｃに明けた孔を通して前面外方
に突出している。前記係合片１９は、前面に丸み
をつけ、そして幾分前面側に突出させてあり、従
つて閉蓋すると第４図ｂのように蓋１側の係合片
１４がこの係合片１９の下端に係合して施錠し、
押釦２０を押込み裏板１７を介し係合片１９を後
方に変位させることで止め金が解錠する。

板ばね９は、後部側半部を格納室８内取付部
に、前部側半部をこの格納室８の仕切り面に位置
する可動係合部とし、この係合部の後部寄り半部
外面に前記係合レール５に連らなるように係合レ
ール５ａを突設し、またこの部分上端縁から前記
切欠き７に位置させて摘み１０を立設し、取付け
部端の孔２１にピンを挿通し、このピンをかしめ
ることで側壁３ａに取付け固定される。従つて、
この板ばね９は、格納室８を折り曲げ形成する前
に側壁３ａに前記手段で一端を固定しておく。２
２はピン状のストツパで、係合レール５，５ａと
５ｂに係合した中皿１１群の前端面を押えガタつ
かないようにする。即ち、この実施例では、化粧
品皿２内の前部側一部を空所にしておく例を示し
ている。

中皿１１は左右方向に長い角皿形の形状で、左
右両端外面に係合溝２３，２３を凹設し、これら
係合溝２３，２３を前記係合レール５，５ａと５
ｂに係合して化粧品皿２内に収納されている。

第２の実施例（第５図、第６図） この実施例は、板ばね９を、前記第１の実施例
のものに比べ前部側のみの略半部の長さとし、係
合レール５ａを設けない前部側を屈曲して取付け
部とした例である。

「考案の効果」 上記した如く本考案では、複数の化粧品充填用
の中皿１１を化粧品皿２内に、この皿２両側壁３
ａ，３ｂ内面に突設した係合レール５，５ａと５
ｂを介し前後方向に並べ収納するのに、少なくと
も一方の側壁３ａ側の一部の係合レール５ａを板
ばね９に設けて押込み変位可能に形成し、従つて
この係合レール５ａ部を介し中皿１１を装脱する
構成としたので、中皿１１の収納保持構造は簡単
となり、しかも中皿１１の交換も容易簡便であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案化粧用コンパクトの第１の実施
例の開蓋状態の斜視図、第２図は同実施例に収納
される中皿の外形斜視図、第３図は同実施例の要
部の分解斜視図、第４図ａ，ｂは第１図のＡ−Ａ
線、Ｂ−Ｂ線断面図、第５図と第６図は第２の実
施例を示し、第５図は開蓋状態の斜視図、第６図
は同実施例の板ばねの外形斜視図である。 １……蓋、２……化粧品皿、８……格納室、９
……板ばね、１１……中皿。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 片開きの蓋１を有する角皿形の化粧品皿２の一
   方の側壁３ａ内側に、この側壁３ａに添わせ、細
   長な箱形であつて化粧品皿２内部との仕切り板４
   は略半部とし、この仕切り板４外面に係合レール
   ５を突設し、頂板６の仕切り板のない半部側一部
   に切欠き７を設けた格納室８を形成し、この格納
   室８に、一端を固定した板ばね９を前記仕切り板
   ４のない側半部の仕切り面に位置させて側壁３ａ
   側へ押込み可能に設け、この板ばね９の外面側に
   前記係合レール５に連続させて係合レール５ａを
   突設し、かつ前記切欠き７上に突き出る摘み１０
   を設け、また他の側壁３ｂ内面に前記係合レール
   ５，５ａに対峙する係合レール５ｂを突設し、数
   個の中皿１１を両端面をそれぞれ前記係合レール
   ５，５ａと５ｂに係合させて化粧品皿２内に前後
   方向に並べ収納した化粧用コンパクト。